JPH0885259A - 光記録材料およびその製造方法 - Google Patents

光記録材料およびその製造方法

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JPH0885259A
JPH0885259A JP6222297A JP22229794A JPH0885259A JP H0885259 A JPH0885259 A JP H0885259A JP 6222297 A JP6222297 A JP 6222297A JP 22229794 A JP22229794 A JP 22229794A JP H0885259 A JPH0885259 A JP H0885259A
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JP
Japan
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optical recording
recording material
fine particles
light
glass
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JP6222297A
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English (en)
Inventor
Keiji Tsunetomo
啓司 常友
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成が単純で、透過光量あるいは反射光量に
重みづけが可能で、しかも消去可能な光記録材料をおよ
びその製造方法を提供する。 【構成】 ガラス中に半導体微粒子および/または金属
微粒子を分散させたことを特徴とし、さらに、半導体微
粒子および/または金属微粒子の合計の濃度が、0.1
%以上50%以下であり、望ましくは0.1%以上10
%以下である光記録材料である。前記半導体微粒子は、
テルル化カドミウム、セレン化カドミウム、硫化亜鉛な
どの2−6族化合物半導体やGaAsをはじめとする3
−5族半導体、Siなどの4族半導体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体微粒子および/
または金属微粒子をガラス中に分散させた光記録材料お
よびその製造方法に関し、特に該材料に光を照射したと
き微粒子により吸収されたエネルギーにより該ガラスの
構造変化を誘起させ該材料の屈折率を変化させることで
記録をおこなう光記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録材料は、すでにコンパクトディス
クやレーザーディスクとして実用化されており、その大
容量である特性を活かしてコンピュータの外部記録装置
などに利用されている。光記録材料を使用法により分類
すると、読みだし専用型、追記型、書換型に分けること
ができる。このうち書換型はさらに、光磁気記録型と相
変化型に分けることができる。(参考文献、「光ディス
ク技術ハンドブック」、(財)光産業技術振興協会監
修、日経マグロウヒル社、昭和62年)
【0003】このような光記録材料は、大容量な情報を
高密度に記録することを目的としたものであるので、た
とえば書換型の光記録材料の場合、高速な情報の消去、
および高速な情報の書き込みができることが重要な特性
となる。また、書き込まれた情報は通常デジタル信号で
あるので、情報を読み出すときのコントラスト比(記録
状態と未記録状態の反射率あるいは透過率の比)が大き
いことも重要である。
【0004】一方、近年の光情報処理技術の進展ととも
に、上記の材料とは異なる特性をもつ光記録材料も必要
となってきた。たとえば、ニューラルネットワークのよ
うに光結合に重みづけを必要とする場合には、照射光強
度変化による連続的な透過光あるいは反射光量の制御が
必要である。上記の書換型光記録材料のような、高速に
書き込み、消去を行なうことを目的とした材料では、光
照射したときの透過光や反射光量の変化が大きすぎるの
で、連続的な制御には不適当である。つまり、一般的に
使用される光記録材料では、中間的な状態を実現するこ
とが難しい。
【0005】照射光強度変化により、連続的に透過光量
あるいは反射光量を変化させることを目的とした光記録
材料としては、以下のような特性を持つことが望まし
い。 1.コントラスト比が十分大きいこと。 2.透過光量あるいは反射光量が入射光量に依存して変
化し、その変化量の入射光量依存性が緩やかであるこ
と。 3.光が入射しないときあるいは入射光量が減少したと
きは、もとの状態に戻ること。(消去が可能であるこ
と。) 4.通常、記録材料から読み出された光(透過光あるい
は反射光)はそのまま別の情報処理に使用されたり、フ
ィードバックにより再び記録材料に戻されたりするの
で、記録材料での光量の減衰量が少ない方がよい。 5.処理の対象となるのは通常2次元的な画像情報であ
るので、並列化が可能でなければならない。
【0006】一般的には光記録材料とは呼ばれないが、
液晶空間変調器は上記の特性を持つデバイスであり、光
情報処理の基礎的な実験に盛んに利用されている。(参
考文献、「光コンピューティング」、D.G.ファイテ
ルソン著、光演算研究会訳、森北出版株式会社、199
1年)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶空
間変調器はコントラスト比は大きいものの、構成が複雑
であるという問題点がある。
【0008】そこで本発明では、構成が単純で、液晶空
間変調器のように透過光量あるいは反射光量に重みづけ
が可能で、しかも消去可能な光記録材料をおよびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0009】さらに本発明の光記録材料は、光の照射時
間あるいは照射エネルギー量あるいは照射強度により連
続的に屈折率が変化するものであり、特に低パワーの光
照射により消去の可能な光記録材料である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成により達成される。すなわち、ガラス中に半導体微
粒子および/または金属微粒子を分散させたことを特徴
とする光記録材料である。
【0011】さらに、半導体微粒子および/または金属
微粒子の合計の濃度が、0.1%以上50%以下であ
り、望ましくは0.1%以上10%以下である光記録材
料である。
【0012】前記半導体微粒子は、テルル化カドミウ
ム、セレン化カドミウム、硫化亜鉛などの2−6族化合
物半導体やGaAsをはじめとする3−5族半導体、S
iなどの4族半導体である。
【0013】前記金属微粒子としては、金、銀などアル
ミニウムなどあらゆる金属が使用できるが、情報処理に
使用する光源の波長域で吸収を持つ必要性から、望まし
くは金あるいは銅のように可視域あるいは可視域よりも
長波長側に吸収を持つ材料が望ましい。
【0014】また、化学的気相堆積法によるガラス中
に、ガス中レーザー蒸発法による光半導体微粒子および
/または金属微粒子を分散させることを特徴とする光記
録材料の製造方法である。
【0015】このとき、ガラスの出発原料として、シリ
コンアルコキシドを含む溶液,シリコンアルコキシド気
体,シリコンアルコキシドと酸素の混合気体,あるいは
シリコンアルコキシドと酸素と不活性ガスの混合気体を
使用することを特徴とする。特に、そのシリコンアルコ
キシドは、テトラメトキシシラン(Si(OCH3)4) あるい
はテトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)である。
【0016】ガラスは、化学的気相堆積法により作製
し、特にその化学的気相堆積法が、ガラスの出発原料と
なるガスを、熱,プラズマ,あるいは光で励起する過程
を含む光記録材料の製造方法である。
【0017】さらに、半導体微粒子および/または金属
微粒子を製造する工程と、前記ガラスを堆積する工程と
を交互に繰り返す光記録材料の製造方法である。
【0018】
【作用】本発明の光記録材料によれば、ガラス中に分散
させた微粒子により光を吸収させ、それにより微粒子を
取り囲むガラス材料の構造変化を引き起こし情報を記録
するので、入射光量の変化により可逆的に材料の透過率
あるいは反射率を変化させることができ、しかも簡単な
構成で、透過光量あるいは反射光量を連続的に変化させ
る光記録材料が実現できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1に本発明の光記録材料の構成例を示す。基板
として石英基板1を用い、その上に以下の方法で光記録
材料2からなる薄膜を作製した。
【0020】図2は、図1の光記録材料の作製装置であ
り、真空容器21中に、レーザー加熱蒸発用のターゲッ
ト22、プラズマ発生用平行平板電極23、石英基板1
を保持する基板ホルダー24を具備した構成となってい
る。真空容器21は、原料ガス導入管26、Arガス導
入管27およびレーザー光導入用の石英製窓28を具備
している。排気は真空容器21の下部から行う。平行平
板電極23の陰極側には整合回路29を通して高周波電
圧を印加する構成となっている。基板ホルダー24に
は、回転機構がついており真空容器21の外部から回転
させることができるようになっている。
【0021】まず、微粒子をガス中レーザー加熱蒸発法
により基板上に堆積させる工程について説明する。本実
施例では、微粒子原料としてCdTeをもちい、レーザ
ー加熱蒸発用のターゲットとして、直径5cm厚さ0.
5cmのディスク状の多結晶CdTeを使用した。レー
ザー光源として、Nd:YAGパルスレーザーの第2高
調波を使用した。このときのレーザー光波長は532n
m、パルス幅10nsec、ターゲット表面でのレーザ
ー光強度は5J/cm2 である。ターゲットには回転機
構が付加されており、毎分24回転の速度で回転する。
この状態で真空容器21に、Arガス導入管27を通し
てArガスを導入し、真空容器内の圧力を0.5Tor
rに調節しながら、石英製窓28を通して、上記パルス
レーザー光を導入し、ターゲット表面に照射する。この
操作により基板ホルダー24上にCdTe微粒子が付着
する。
【0022】この基板ホルダー上に電子顕微鏡観察用の
メッシュを置き、この上に微粒子を付着させて、電子顕
微鏡により微粒子を観察すると、直径が3〜4nm程度
の球形のCdTe微粒子が作製できていることが確認で
きた。
【0023】次に、これらの微粒子を覆うガラス薄膜
を、テトラメトキシシラン(略称TMOS、化学記号 S
i(OCH3)4) と酸素を原料とするプラズマCVD法(化学
的気相合成法)により作製した。それぞれのガスは、原
料ガス導入管26から真空容器21内に導入される。T
MOSは常温、大気圧下では液体であるが、これを密閉
した容器に入れ減圧することで気化させることができ
る。このTMOSガスと酸素ガスは導入管26の直前で
混合され、真空容器21内に導かれる。
【0024】圧力の調整は、本実施例では導入ガス流量
により調整したが、場合によっては、真空容器21と排
気ポンプの間にコンダクタンス可変バルブを挿入し、こ
れを調整して圧力を変化させることも可能である。反応
ガスを導入し、真空容器圧力を0.05Torrに調整
した状態で、平行平板電極23の陰極側に高周波電圧を
印加すると、電極間にプラズマが発生し、このプラズマ
によりTMOSガスおよび酸素ガスが反応して、電極表
面および基板ホルダー24上にSiO2 ガラス膜が堆積
する。このときのガラス膜厚は、印加する電力や導入し
た反応ガスのガス圧、TMOSガスと酸素ガスの混合
比、電極間距離、電極と基板ホルダーの距離などに依存
する。
【0025】この方法では、TMOS流量や投入電力量
を変えることにより、さまざまな条件下でガラス薄膜を
作製することができるが、本実施例では、ガラス作製条
件として、TMOS流量200sccm、酸素流量10
sccm、真空容器圧力0.05Torr、印加電力5
0W、電極間距離2cm、電極の端と基板ホルダーの距
離2cmとした。尚、このときの基板ホルダー上でのガ
ラス膜堆積速度は、0.5nm/secであった。ま
た、使用した高周波電源の周波数は13.56MHzで
ある。
【0026】上記のCdTe微粒子を付着させる工程
と、それを覆うガラス薄膜を作製する工程を数十回交互
に繰り返すことにより、図1に示すような光記録材料が
作製できる。
【0027】光記録特性は、光記録材料に含まれる微粒
子の濃度や種類、あるいはガラス薄膜作製時の酸素分圧
などにより大きく変化する。特に、微粒子濃度が光記録
特性を決定する点で重要である。すなわち、微粒子濃度
が高すぎると光の透過量が減少するだけでなく、光を照
射したときに微粒子同士の凝集や粒成長が起き、半永久
的な透過率変化あるいは反射率変化が起きるので、消去
が不可能となる。ただし、用途によっては、半永久的な
書き込みが必要な場合もあるので、この特性を積極的に
利用するケースも考えられる。
【0028】本実施例では、微粒子の作製にガス中レー
ザー加熱蒸発法を用いており、この場合の基板ホルダー
上に付着する微粒子の密度や大きさは、微粒子を作製す
る際に導入する不活性ガスの圧力や、照射するレーザー
光強度および照射するパルスの数あるいはターゲットか
ら基板ホルダーの距離等に依存する。これらのパラメー
タを最適化することで、光記録特性(光吸収量や透過光
量変化量あるいは反射光量変化量)を制御することがで
きる。
【0029】本実施例では、消去も可能なように微粒子
濃度を下げ、1%〜10%の微粒子濃度を持つ光記録材
料を作製した。具体的には、CdTe微粒子は、Ar圧
力0.5Torr、レーザー光強度5J/cm2 、1層
あたりのレーザーパルス数30、ターゲットから基板ホ
ルダーまでの距離2cmとし、ガラス薄膜は、上記の条
件で1層あたり1分間ずつ堆積させて材料を作製した。
【0030】上記の微粒子作製条件は、CdTe微粒子
についてのものであるが、この条件は当然ながら作製す
る微粒子の種類によって異なってくる。ガス中レーザー
加熱蒸発法では、CdTe以外にもCdSe、Si、G
aAs、ZnSなどの半導体をはじめ、Au、Agなど
の金属の微粒子製造が可能であり、これらの微粒子を含
む光記録材料も本実施例と同様な方法で作製できる。
【0031】本実施例では、レーザー加熱により微粒子
原料の蒸発を行ったが、微粒子の製造にはこの他にも誘
導加熱や抵抗加熱あるいはアーク放電加熱等のさまざま
な原料加熱法があり、本発明の光記録材料に含まれる微
粒子は、これらの作製法により作製されたものでもよ
い。また、加熱蒸発ではなくスパッタリング法によって
も微粒子が作製できるが、これも本発明の光記録材料に
含まれる微粒子作製法として使用できる。
【0032】本実施例では、化学的気相合成法の原料ガ
スとして、TMOSと酸素の混合ガスを用いた場合につ
てのみ述べたが、これに限ることなく、テトラエトキシ
シラン(略称TEOS、化学記号 Si(OC2H5)4)のような
他のシリコンアルコキシドを使用することができる。
【0033】本実施例では、高周波電圧印加によってT
MOSが分解しSiO2 を生成する反応を用いてガラス
を作製したが、これに限ることなく、たとえば光により
反応室のTMOSと酸素の混合気体を励起してSiO2
を成長させてもよい。その場合の光源として、キセノン
ランプをはじめ、大きな光パワー密度が得られるエキシ
マレーザを併用することも可能である。
【0034】以下では、本発明によるCdTe微粒子を
ガラス中に分散させた光記録材料の具体的な作製手順に
ついて具体的に説明する。
【0035】基板として溶融石英板をもちい、基板ホル
ダーの片面上に該基板を固定した。CdTe微粒子を基
板上に付着させる際には、基板の表面がターゲット22
の方向に向くように、真空容器21の外部から基板ホル
ダー24を回転させる。この状態で、真空容器内にAr
ガスを導入し、さらにCdTeターゲットにレーザー光
を照射することで、CdTe微粒子を作製し、これを溶
融石英基板上に付着させる。このときのガス圧等の作製
条件は、既述の微粒子作製の工程で詳しく説明したとお
りである。ここで、導入していたガスを停止し、残留ガ
スがある程度減少するように、一旦真空引きを行う。本
実施例では、真空容器21内の圧力が、5×10-6To
rr以下になるまでこの真空引きを行った。
【0036】次に、基板ホルダー24を回転させ、基板
の表面が平行平板電極23の方向に向ける。この状態
で、原料ガス導入管26からTMOSと酸素の混合ガス
を導入し、既述のマトリックス作製条件下で電極間に高
周波電圧を印加し、基板ホルダー24上にガラス膜を成
膜する。これにより、基板上に先に付着していたCdT
e微粒子は、およそ30nmのガラスマトリックス層で
覆われる。ここで導入していた原料ガスを停止し、微粒
子作製終了時と同様に、真空容器21内の圧力が、5×
10-6Torr以下になるまで真空引きを行った。以上
の、微粒子を基板上に堆積させる工程と、化学的気相堆
積法によりマトリックスを作製する工程を交互に繰り返
すことにより、図1に示すような光記録材料を作製し
た。
【0037】代表的な作製条件では、これら2つの工程
の繰り返し回数は40回とし、CdTe微粒子の大きさ
が約3〜4nm、ガラスマトリックス層の厚さが約30
nm、材料全体の厚さが約1.3μmとした。もちろん
これとは異なる構造の光記録材料も作製できる。たとえ
ば、繰り返し回数を1回あるいは2回とし、ガラス層を
数μmにすれば、非常に光吸収量の少ない光記録材料が
作製できる。また、逆に、ガラス層を薄くして、繰り返
し回数を増やせば、微粒子濃度の非常に高い光記録材料
を作製できる。
【0038】図3は、本発明の光記録材料の光記録特性
の評価に使用した評価装置の概略図である。同一のレー
ザー光源12から出射された光を2つの光路に分け、一
方を書き込み光3、もう一方を読みだし光4とする。光
強度は書き込み光の方が十分大きくなるように、ビーム
スプリッター5により調整されている。それぞれの光は
異なる遅延光路6により、光路長が調整できるようにな
っており、前述の方法により作製した光記録材料2の位
置でパルスが重なるように調整されている。読みだし光
4を連続的に照射しながら、書き込み光3をシャッター
7により照射したり遮断したりすると、書き込み光3と
読みだし光4の相互作用により記録材料2中に屈折率変
化の分布が形成され、その屈折率変化量の大きさに応じ
て読みだし光4が入射方向とは異なる方向に出射される
ようになる。以下ではこの回折光を信号光8と呼ぶこと
とする。この信号光の強度をフォトダイオード9により
検出することで、光記録材料の屈折率変化量を知ること
ができる。
【0039】光源として、色素レーザー(中心波長60
0nm、パルス幅約1psec、繰り返し周波数4MH
z)を使用し、レーザー光照射時間による光記録材料の
屈折率変化ならびにレーザー光エネルギーによる屈折率
変化の違いを調べた。
【0040】図4は、レーザー光の1パルスあたりのエ
ネルギー密度が35μJ/cm2のときのレーザー照射
時間と材料の信号光強度の関係を調べた結果である。書
き込み光を照射する前(読みだし光のみを照射している
とき)は、信号光は全く検出されないが、書き込み光を
照射するとその直後から信号光強度が増加し始めること
から、書き込み光により記録が行なわれていることがわ
かる。また、書き込みにより屈折率が連続的に変化して
いることもわかる。ある程度屈折率が変化した後、書き
込み光のみを遮断すると信号光は徐々に減少し再び最初
の状態にもどる。これは、記録が消去されたことを意味
している。書き込み光遮断後も連続的に照射されている
読みだし光のエネルギーにより、記録材料の可逆的な変
化が起きているためと考えられる。
【0041】図5は、図4と同様な手順である程度記録
した後、書き込み光を遮断し、続いて読みだし光も遮断
し、数時間放置した後、読みだし光のみを照射したとき
の信号光の強度変化である。これにより一旦記録された
情報は、光を照射しなければ少なくとも数時間は保持さ
れ続けることが確かめられた。
【0042】図6は、照射された書き込み光のエネルギ
ーの積算量と信号光強度の大きさおよび読みだし光を連
続照射したときの消去に要する時間の関係を示したもの
である。このとき書き込み光の記録材料上でのビームサ
イズは一定としていたので、図6の横軸は単位面積あた
りの書き込み光のエネルギーの積算量に換算することも
できる。この図から記録あるいは消去に要する時間が書
き込み光のエネルギーの積算量により制御できることが
わかる。つまり、屈折率の変化量は入射される光エネル
ギーの積算量により決まるので、高速な応答を得たい場
合には、書き込み光の1パルスあたりのエネルギーを増
加させればよい。ただし、この場合過剰にエネルギーを
投入すると、消去に要する時間が増加してしまうので、
目的に合わせて書き込み光のエネルギーあるいはビーム
面積を調整することが必要である。
【0043】以上説明した実施例では、図3に示したよ
うに屈折率変化を記録材料からの回折光により検出した
が、他の構成でも記録された情報の読みだしは可能であ
る。図7はその他の実施例の1例である。ここでは、光
記録材料2の表面に金属反射膜10をつけ、基板11側
から書き込み光3および読みだし光4を入射させる。光
記録材料2の厚みは、使用する光の波長の少なくとも半
分以上にしておく。このような構成で、読みだし光を光
記録材料2に基板側から照射すると光記録材料と基板1
1との界面および光記録材料と金属反射膜10との界面
で光が反射され、両者の干渉した光が反射光として測定
できる。この干渉した反射光を測定しながら書き込み光
を図7のように読みだし光と同じ位置に照射すると、書
き込み光により光記録材料の屈折率が変化し、それに応
じた反射光の強度変化が観測される。書き込み光を遮断
した後も読みだし光を照射し続ければ図4の実施例と同
様に、反射光強度がもとの値に回復してゆく様子が観測
できる。
【0044】図7で金属反射膜10を適当な透過率を有
する金属膜に変更すれば、透過型の配置で記録を行なう
ことも可能である。すなわち、光記録材料2の基板側あ
るいは金属膜側から読みだし光を入射させ、その透過光
を検出しながら書き込み光を照射しても、光記録材料2
の屈折率変化を検出することができる。
【0045】以上の実施例では、基板として溶融石英板
を使用したが、これに限ることなくポリカーボネートや
アクリルなども基板として使用することができる。
【0046】また、本実施例ではCdTe微粒子を分散
させたガラス材料についてのみ述べたが、分散させる微
粒子としてはこれに限ることなく、セレン化カドミウム
などの2−6族化合物半導体やGaAsをはじめとする
3−5族半導体、Siなどの4族半導体が使用できる。
さらに、使用する光の波長域で吸収があれば、金微粒子
や銅微粒子のような金属微粒子を使用することもでき
る。さらに、半導体微粒子と金属微粒子の両方が分散さ
れていてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、ガラス中に半導体微
粒子および/または金属微粒子を含む光記録材料では、
ガラス中に分散させた微粒子により光を吸収させ、それ
により微粒子を取り囲むガラス材料の構造変化を引き起
こし情報を記録することができる。したがって、入射光
量の変化により可逆的に材料の透過率あるいは反射率を
変化させることができ、しかも簡単な構成で、透過光量
あるいは反射光量を連続的に変化させる光記録材料が実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録材料の構成の模式図である。
【図2】本発明の光記録材料を作製するために使用した
作製装置の模式図。
【図3】本発明の光記録材料の光記録特性を評価するた
めに使用した装置の概略図である。
【図4】本発明の光記録材料の書き込み消去特性の測定
結果の一例である。
【図5】本発明の光記録材料の書き込み消去特性の測定
結果の一例である。
【図6】本発明の光記録材料の、書き込み光のエネルギ
ーの積算量と信号光強度の大きさおよび読みだし光を連
続照射したときの消去に要する時間の関係を示した図で
ある。
【図7】本発明の光記録材料の使用方法の一例である。
【符号の説明】
1:石英基板 2:光記録材料 3:書き込み光 4:読みだし光 5:ビームスプリッター 6:遅延光路 7:シャッター 8:信号光 9:フォトダイオード 10:金属反射膜 11:基板 12:レーザー光源 21:真空容器 22:ターゲット 23:平行平板電極 24:基板ホルダー 25:基板(溶融石英板) 26:原料ガス導入管 27:Arガス導入管 28:石英製窓 29:整合回路 30:高周波電源 32:マスフローコントローラ 33:ポンプ 34:ゲートバルブ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス中に半導体微粒子および/または金
    属微粒子を分散させたことを特徴とする光記録材料。
  2. 【請求項2】請求項1の光記録材料において、前記半導
    体はテルル化カドミウム,セレン化カドミウム,硫化亜
    鉛,ヒ化ガリウムあるいはシリコンであり、前記金属は
    金あるいは銅である光記録材料。
  3. 【請求項3】請求項1の光記録材料において、半導体微
    粒子および/または金属微粒子の合計の濃度が、0.1
    %以上50%以下である光記録材料。
  4. 【請求項4】請求項3の光記録材料において、半導体微
    粒子および/または金属微粒子の合計の濃度が、0.1
    %以上10%以下である光記録材料。
  5. 【請求項5】化学的気相堆積法により得られるガラス中
    に、ガス中レーザー蒸発法による半導体微粒子および/
    または金属微粒子を分散させることを特徴とする光記録
    材料の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5の光記録材料の製造方法におい
    て、 ガラスの出発原料が、シリコンアルコキシドを含む溶
    液、シリコンアルコキシド気体、シリコンアルコキシド
    と酸素の混合気体、あるいはシリコンアルコキシドと酸
    素と不活性ガスの混合気体である光記録材料の製造方
    法。
  7. 【請求項7】請求項6の光記録材料の製造方法におい
    て、前記シリコンアルコキシドは、テトラメトキシシラ
    ン(Si(OCH3)4) あるいはテトラエトキシシラン(Si(O
    C2H5)4)である光記録材料の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項5の光記録材料の製造方法におい
    て、前記化学的気相堆積法が、ガラスの出発原料である
    ガスを、熱、プラズマあるいは光で励起する過程を含む
    光記録材料の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項5の光記録材料の製造方法におい
    て、前記半導体微粒子および/または金属微粒子を製造
    する工程と、前記ガラスを堆積する工程とを交互に繰り
    返す光記録材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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