JPH0885028A - ソケット自動螺嵌方法及び螺嵌装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ねじが噛み合うことなく、ソケットを安定し
て鋼管の雄ねじに嵌合・螺着させるようにする。 【構成】 管体１の両端部外周壁面に雄ねじ２を形成し
た鋼管Ｐに、筒体３の内周壁面に上記ねじ２と螺合する
雌ねじ４を形成したソケットＳを螺嵌する装置であっ
て、支持手段１１で水平に支持される鋼管Ｐの対向部に
チャック機構１２を設け、チャック機構の爪２１をソケ
ットＳの内周壁面に押接してソケットＳを管Ｐに対して
芯出し、固定支持する。管ＰとソケットＳを相対的に回
転、かつ、接近させて管Ｐのねじ２にソケットＳを嵌合
して螺合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鋼管の端部にねじ付き
ソケットを嵌合して螺着するソケット自動螺嵌方法及び
螺嵌装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、管体の両端外周壁面にねじを切っ
た鋼管を出荷する場合、一般に管の一端にソケットを螺
嵌すると共に他端に仮ソケット（保護キャップ）を嵌合
して行われている。

【０００３】従来、鋼管の端部にソケットを螺嵌する手
段として、つかみ型のチャックでソケットの外周面をチ
ャックし、鋼管を回転しながらソケットを鋼管側へ押し
進めて嵌合・螺着する方法が一般に採用されている。

【０００４】しかるに、上記従来方法は次のような問題
を有している。即ち、ソケットの外周面の形状は一定し
ていない場合があり、特に可鍛鋳鉄製のソケットにあっ
ては、その外周面の形状が不揃いである。したがって、
ソケットの外周面をチャックする方法では、チャックの
爪の中心を鋼管の中心線と合致させておいても、ソケッ
トのねじ加工面の中心線を管の中心線と正確に合致させ
ることができない場合が生じ、特にテーパーねじに対し
ては芯出しが少しで狂うと、ねじ山に正確に適合せず
に、ねじが噛み合い、これを無理に入れようとすると、
ねじ山を壊すことになる。そのため、従来方法では、ね
じの噛み合いによる不良品が発生し、この不良品の発生
率は装置の稼動スピードに比例して増大した。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたもので、ねじが噛み合うことなく、安定し
て効率良くねじ付きソケットを鋼管の端部のねじ部に嵌
合・螺着し得るソケット自動螺嵌方法及び螺嵌装置を提
供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、管体の端部外周壁面に雄ね
じを形成した鋼管に、筒体の内周壁面に上記ねじと螺合
する雌ねじを形成したソケットを嵌合・螺着するソケッ
ト自動螺嵌方法において、ソケットの内周壁面にチャッ
ク機構の爪を押接してソケットを固定支持させ、鋼管と
ソケットを相対的に回転、かつ接近させて鋼管の上記ね
じ部にソケットを嵌合させることを特徴とするものであ
る。

【０００７】請求項２記載の発明は、請求項１記載の方
法を実施する装置であって、鋼管を水平に支持する支持
手段と、この支持手段で支持させる鋼管の端面と対向さ
せて設けたチャック機構とを有し、チャック機構の爪を
ソケットの内周壁面に押接してソケットを固定支持さ
せ、上記支持手段又は／及びチャック機構で鋼管とソケ
ットを相対的に回転、かつ、接近させて鋼管の雄ねじ部
にソケットを嵌合させるように構成したことを特徴とす
るものである。

【０００８】

【作用】ねじ付きソケットの内周壁面はねじ切り加工が
施され、正確に精度が出ている。本発明は、このねじ切
り加工により精度が出ている内周壁面を基準面とし、こ
の内周壁面にチャック機構の爪を押接してソケットを鋼
管に対して芯出しするので、上記ねじ加工面の中心線は
鋼管の中心線と寸分の狂いなく、完全に合致してソケッ
トは固定支持されることになる。この状態で鋼管とソケ
ットを相対的に回転し、両者を接近すると、ソケットは
上記爪による芯出し状態を維持したまま、管の端部に嵌
合するので、ねじが噛み合うことなく、ソケットは鋼管
に整然と螺嵌される。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につき
説明する。図１は本発明に係るソケット自動螺嵌装置の
原理構成を示す説明図で、Ｐは鋼管、Ｓはソケットを示
し、鋼管Ｐは所定の径及び長さの管体１の両端部外周壁
面に雄ねじ２を形成してなり、図示のねじ２は先細のテ
ーパーねじで構成されている。ソケットＳは鋼管Ｐ同士
を接続するもので、可鍛鋳鉄，スチール，プラスチック
等の素材で構成され、適当な径及び長さの筒体３の内周
壁面に上記ねじ２と螺合する雌ねじ４を形成してなり、
図示のソケットＳのねじ４は上記ねじ２に対応するテー
パーねじを左右対称に構成してある。

【００１０】上記装置は、鋼管Ｐを水平に支持する支持
手段１１と、この支持手段１１で支持させる管Ｐの端面
と対向させて設けたチャック機構１２とを有し、チャッ
ク機構１２の爪２１をソケットＳの内周壁面（ねじ４の
加工面）に押接してソケットＳを固定支持させ、管Ｐと
ソケットＳを相対的に回転、かつ、接近させて管Ｐの雄
ねじ２にソケットＳを嵌合して螺着するもので、この図
では、管Ｐを回転し、ソケットＳを前進させて管Ｐに近
づけるように構成してあり、１３はチャック機構１２を
管Ｐ方向に対して前進・後退させる駆動手段を示す。

【００１１】図２は、本発明の原理を適用して構成され
たソケット自動螺嵌装置の１実施例を示す側面図、図３
は同上実施例装置のチャック機構によりソケットを固定
支持させる状態を示す縦断正面図と側面図である。これ
らの図において、この実施例装置の鋼管Ｐを水平に支持
する支持手段１１は、２個のローラーを、その外周面を
対向させて回転自在に軸装したローラー対３１，３１を
適当の距離間隔を存して同一軸線上に配設し、各ローラ
ー対３１のローラーとローラーとの間の上部の谷間で鋼
管Ｐを載置して水平に支持させるようになし、任意のロ
ーラー対３１を所定方向へ回転させることにより、管Ｐ
を回転するように構成してある。

【００１２】鋼管Ｐは、図示しない任意構成の鋼管供給
部により、所定のタイミングで支持手段１１へ供給され
ると共に所定時に鋼管送出部により支持手段１１から送
り出されるように構成してある。この場合、支持手段１
１を複数連並設し、複数本の管Ｐを同時に供給、送出さ
せるように構成することも可能である。

【００１３】ソケットＳを固定支持するチャック機構１
２は、複数本（図示では３本）の爪２１を有し、これら
爪２１を拡径して被固定物、すなわち、ソケットＳを固
定する拡げチャック型に構成され、爪２１を拡げてソケ
ットＳの内周壁面（ねじ４の加工面）に押接し、ソケッ
トＳを固定支持するように構成してある。このチャック
機構１２は、爪２１の中心点２２（図３参照）をローラ
ー対３１上で支持される管Ｐの中心線と一致させ、ガイ
ド２３で案内して水平方向に往復移動自在に配設され、
圧力シリンダ２４等の駆動手段１３により、所定のタイ
ミングで前進・後退させるように構成してある。上記拡
げチャック型のチャック機構は任意の構成のものを適宜
選択して採用する。

【００１４】図２において、１４はソケットＳを押上げ
る昇降手段で、昇降手段１４はソケットＳを載置する載
置台４１と、この台４１を昇降動させる昇降駆動部４２
とを有し、ソケット供給部（図示せず）から供給される
ソケットＳを載置して、チャック機構１２の爪２１の前
方の所定位置に所定のタイミングで押し上げるように構
成してある。

【００１５】図２の実施例装置は上記のように構成した
もので、昇降手段１４が作動して台４１上のソケットＳ
を押し上げた後、駆動手段１３でチャック機構１２を前
進させて爪２１をソケットＳ内に挿入し、爪２１を拡げ
てソケットＳの内周壁面に押接してソケットＳを芯出し
固定支持する。次いで、チャック機構１２を更に前進さ
せ、回転中の鋼管Ｐの端部にソケットＳを嵌合すること
により、ねじ２，４同士が適合してソケットＳは管Ｐに
螺嵌される。

【００１６】次に従来のソケットの外周面をチャックす
る方式（従来方式）と本発明方式との比較実験データを
示す。実験対象として可鍛鋳鉄製ソケットを採用し、サ
イズ１５Ａ，２０Ａ，２５Ａの各ソケットについて夫々
実験した結果、従来方式は８００〜１０００Ｐ／Ｈｒ
（数量／時間）の場合で３％〜６％程度の不良品（ねじ
の噛み合い品等）が生じた。また、スピードを１０００
Ｐ／Ｈｒ以上に上げると、不良品の発生率が急激に増大
するため、実施不能になった。これに対し、本発明方式
においては、上記各サイズとも１４４０Ｐ／Ｈｒまでの
スピードを達成し、その間、不良品の発生は皆無であっ
た。また、本発明方式は、ハンドリングタイムを縮める
ことにより、生産スピードを１８００Ｐ／Ｈｒ程度まで
上げ得ることが判明した。

【００１７】なお、図２の実施例では、鋼管Ｐ側を定位
置で回転し、ソケットＳ側を前進・後退させるように構
成したものを開示したが、ソケット側（チャック機構）
を回転し、或いは双方を回転させ、管Ｐ側を前進・後退
させるように構成する等、任意に設計変更し得るもので
ある。

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、ソケットを鋼管に対し
て正確に芯出して固定支持し、ねじが噛み合うことな
く、安定して効率良くソケットを鋼管の端部に螺嵌する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るソケット自動螺嵌装置の原理構成
を示す説明図であって、同Ａは前段の作業工程、同Ｂは
後段の作業工程を示す。

【図２】本発明の原理を適用して構成されたソケット自
動螺嵌装置の１実施例を示す側面図である。

【図３】同上実施例装置のチャック機構によりソケット
を固定支持させる状態を示す縦断正面図Ａと側面図Ｂで
ある。

【符号の説明】

Ｐ 鋼管 Ｓ ソケット ２ 雄ねじ ４ 雌ねじ １１ 支持手段 １２ チャック機構 ２１ 爪

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 管体の端部外周壁面に雄ねじを形成した
   鋼管に、筒体の内周壁面に上記ねじと螺合する雌ねじを
   形成したソケットを嵌合・螺着するソケット自動螺嵌方
   法において、ソケットの内周壁面にチャック機構の爪を
   押接してソケットを固定支持させ、鋼管とソケットを相
   対的に回転、かつ接近させて鋼管の上記ねじ部にソケッ
   トを嵌合させることを特徴とするソケット自動螺嵌方
   法。
2. 【請求項２】 請求項１記載の方法を実施する装置であ
   って、鋼管を水平に支持する支持手段と、この支持手段
   で支持させる鋼管の端面と対向させて設けたチャック機
   構とを有し、チャック機構の爪をソケットの内周壁面に
   押接してソケットを固定支持させ、上記支持手段又は／
   及びチャック機構で鋼管とソケットを相対的に回転、か
   つ、接近させて鋼管の雄ねじ部にソケットを嵌合させる
   ように構成したことを特徴とするソケットの自動螺嵌装
   置。