JPH08838B2 - 新規シクロスポリン類 - Google Patents

新規シクロスポリン類

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JPH08838B2
JPH08838B2 JP60059339A JP5933985A JPH08838B2 JP H08838 B2 JPH08838 B2 JP H08838B2 JP 60059339 A JP60059339 A JP 60059339A JP 5933985 A JP5933985 A JP 5933985A JP H08838 B2 JPH08838 B2 JP H08838B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、新規シクロスポリン類、その製造法、そ
の医薬としての用途およびそれを含む医薬組成物に関す
るものである。
[先行技術] シクロスポリン類は、共通して薬理活性、特に免疫抑
制、抗炎症および抗寄生物活性を有する、一群の構造的
に特徴ある、環状の、ポリ−N−メチル化ウンデカペプ
チド類を包含する。シクロスポリン類のうち最初に単離
され、前記群の「母体」化合物とされるものは、シクロ
スポリンAとしても知られ、天然の真菌代謝物である式
(A) [式中、−MeBmt−は式(B) (式中、−x−y−は−CH=CH−(トランス)である) で示される、N−メチル−(4R)−4−ブタ−2E−エン
−1−イル−4−メチル−(L)スレオニル残基を意味
し、αAbuはα−アミノ酪酸を意味し、Sarはサルコシン
を意味する] で示されるシクロスポリンである。
シクロスポリンの最初の発見以来、広範囲の天然シク
ロスポリン類が単離同定され、さらに多数の非天然シク
ロスポリン類が全合成、半合成または修正培養法により
製造された。現在、シクロスポリン類が構成する群は充
実しており、例えば、天然シクロスポリンAないしZ
[コベル等、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・アプラ
イド・マイクロバイオロジー・アンド・バイオテクノロ
ジー(European Journal of applied Microbiology and
Biotechnology)14巻237〜240頁(1982年)およびトラ
ウバー等、24ス・インターサイエンス・コンファランス
・オン・アンチマイクロバイアル・エイジエンツ・アン
ド・ケモセラピー(24th Interscience Conference on
Antimicrobial Agents and Chemotherapy)ワシントン
(1984年10月8〜10日)のポスター参照]および、ジヒ
ドロシクロスポリン類[−MeBmt−残基の基−x−y−
(上記式(B)参照)が例えば米国特許第4108985号、
第4210581号および第4220641号開示のように飽和されて
いるもの]、−MeBmt−残基が異性体形またはN−デス
メチル形として存在するシクロスポリン類[ヨーロッパ
特許第0034567号、および「シクロスポリンA」(“Cyc
losporin A")、プロシーデイング・オブ・インターナ
ショナル・コンファランス・オン・シクロスポリンA
(Prooc.Internat.Conference on Cyclosporin A)ケン
ブリッジ(英国)、1981年9月、ホワイト編、エルスバ
イヤー・プレス(1982年)参照。何れもベンガーが開発
したシクロスポリン類の全合成法を記載している]、お
よびペプチド配列の特定位置に異変形アミノ酸の挿入を
行なったシクロスポリン類[ヨーロッパ特許第0056782
号参照]を含む、種々の非天然または人造シクロスポリ
ン類を包含している。上記参照文献中に開示されたシク
ロスポリン類の例は、例えば[Thr]−、[Val]
−、[Nva]−および[Nva]−[Nva]−シク
ロスポリン(それぞれシクロスポリンC、D、Gおよび
Mとしても知られる。なお、Nvaはノルバリンを意味す
る)、[ジヒドロ−MeBmt]−[Val]−シクロスポ
リン(ジヒドロシクロスポリンDとしても知られる)並
びに[(D)Ser]−および[ジヒドロ−MeBmt]
[(D)−Ser]−シクロスポリンである。
[この明細書では、現在慣用されているシクロスポリ
ンの命名法にしたがって、シクロスポリン構造(すなわ
ち、シクロスポリンA)を引用して定義を行なう。これ
は、まず分子中の残基のうちシクロスポリンに存在する
ものと異なる残基を示した後、シクロスポリンに存在す
るものと同一の残基を特徴づけるために「シクロスポリ
ン」の語をつけることによって行なう。また、−ジヒド
ロ−MeBmt−の語は上記式(B)において−x−y−が
−CH2−CH2−の残基を示すために用いる。したがって、
[ジヒドロ−MeBmt]−[Val]−シクロスポリン
は、式(A)に示す配列を有するシクロスポリンであっ
て、1位の−MeBmt−[式(B)、−x−y−:CH−CH−
(トランス)]が−ジヒドロ−MeBmt−[式(B)、−
x−y−:−CH2=CH2−]で置きかえられ、2位の−α
−Abu−が−Val−で置きかえられたものである。同様
に、[(D)Ser]−シクロスポリンは、式(A)に
示す配列を有するシクロスポリンであって、8位の−
(D)Ala−が−(D)Ser−で置きかえられたものであ
る。
さらに、慣用法にしたがって、例えば−Ala−、−MeV
al−等の略号で示すアミノ酸は、特記しない限り(L)
−配置を有するものとする。−MeLeu−のように「Me」
が先行している残基の略号は、N−メチル化された残基
を示す。シクロスポリン分子の各残基は公知文献にした
がって、1位の−MeBmt−または−ジヒドロ−MeBmt−残
基から始まり時計まわりの番号をつける。この明細書で
は、この番号系を使用する。
この発明によると、8位の残基が(D)−配置を有す
るアシルオキシ−α−アミノ酸残基を含む医薬上有用な
新規シクロスポリン類が得られることが判明した。
すなわち、そのような8位の残基が(D)−配置を有
するアシルオキシ−α−アミノ酸残基であるシクロスポ
リン類は、対応する非アシル体すなわち8位の残基が
(D)−配置を有するヒドロキシ−α−アミノ酸残基で
あるシクロスポリン類と同様の薬理作用を発揮するもの
であるが、その肝毒性が顕著に抑制されているため、こ
れを安全にあるいは大量に投与することが可能である。
したがって、最も広範には、この発明は、8位のアミ
ノ酸残基が(D)−アシルオキシ−α−アミノ酸残基、
すなわちα−炭素原子に結合する側鎖がアシルオキシ置
換された(D)−系列のα−アミノ酸残基である、シク
ロスポリンを提供するものである。
8位のアミノ酸残基は、(D)−β−アシルオキシ−
α−アミノ酸残基、すなわち、β−炭素原子に結合した
アシルオキシ基を有する(D)−系列のα−アミノ酸残
基であるのが好ましい。
好ましい(D)−β−アシルオキシ−α−アミノ酸残
基は、式(II) (式中、R1はC1-4アルキルまたはフェニル、R2は水素ま
たはメチルを意味する) で示される残基を意味する] で示されるものである。
特に好ましいこの発明のシクロスポリン類は、8位の
アミノ酸残基がO−アシル−(D)−セリルまたはO−
アシル−(D)−スレオニル残基、特に上記式(II)で
示されるO−アシル−(D)−セリルまたはO−アシル
−(D)−スレオニル残基のものである。
この発明のシクロスポリン類の第1群は、8位のアミ
ノ酸残基がO−アシル−(D)−セリル残基、特にアシ
ル部分が式R1−CO−(ここで、R1は前記の意味)を有す
るO−アシル−(D)−セリル基のものである。
この発明のシクロスポリン類の第2群は、8位のアミ
ノ酸残基が(D)−β−アシルオキシ−α−アミノ酸残
基、特にO−アシル−(D)−セリル残基、さらにアシ
ル部分が式R1−CO−(ここで、R1は水素またはC1-4アル
キルを意味する)を有するO−アシル−(D)−セリル
残基で、5位の残基が(L)−ノルバレリル残基のもの
である。
最も好ましいのは、式(I) [式中、Xは−MeBmt−またはジヒドロ−MeBmt、 Yは−αAbu−、−Thr−、−Val−または−Nva−、 Zは−Val−または−Nva−、 Qは前記式(II)で示される残基を意味する] で示されるシクロスポリン類である。
式(I)において、Qとしてはアシル部分が式R1−CO
−(ここで、R1は式(II)について定義した意味)を有
するO−アシル−(D)−セリルまたはO−アシル−
(D)−スレオニル残基が好ましい。
この発明のシクロスポリン類の1つの群は、上記式
(I)において、Yが−αAbu−または−Nva−、Zが−
Val−、R2が水素のものである。
この発明のシクロスポリン類の別の群は、上記式
(I)において、Yが−αAbu−または−Nva−、Zが−
Val−、R1が水素またはC1-4アルキル、R2が水素のもの
である。
この発明はまた、8位のアミノ酸残基が(D)−アシ
ルオキシ−α−アミノ酸残基、例えば(D)−β−アシ
ルオキシ−α−アミノ酸残基であるシクロスポリンの製
造法、例えば前記式(I)で示されるシクロスポリンの
製造法において、 a)8位のアミノ酸残基が(D)−ヒドロキシ−α−
アミノ酸残基、例えば(D)−β−ヒドロキシ−α−ア
ミノ酸残基であるシクロスポリンをアシル化、例えば式
(III) [式中、X、YおよびZは式(I)について定義した意
味、Wは式(IV) (式中、R2は式(II)について定義した意味) で示される残基を意味する] で示されるシクロスポリンをアシル化し、基 R1−CO− (式中、R1は式(II)について定義した意味) を上記式(IV)で示される残基のβ位に導入するか、ま
たは (b) 1位のアミノ酸残基が−MeBmt−であり、8
位のアミノ酸残基が(D)−アシルオキシ−α−アミノ
酸残基、例えば(D)−β−アシルオキシ−α−アミノ
酸残基であるシクロスポリンを還元して、1位の残基が
−ジヒドロ−MeBmt−である対応シクロスポリンを生
成、例えば上記式(I)においてXが−MeBmt−のシク
ロスポリンを還元してXが−ジヒドロ−MeBmt−である
対応シクロスポリンを生成させること からなる方法を提供するものである。
上記工程a)は、ヒドロキシ基のアシル化における標
準方法にしたがって、たとえば、(好ましくは2当量ま
たはY=Thr−の場合1当量の)適当なアシルハライ
ド、例えばC1-5アルカノイルまたはベンゾイルハライ
ド、または対応する無水物との反応、またはホルミル化
の場合、例えば酢酸・ぎ酸無水物との反応を、例えば約
−10ないし50℃の温度で行なうことにより、実施するこ
とができる。この反応は、無水条件下、好ましくはメチ
レンクロライドのような不活性溶媒または希釈剤の存在
下、および4−ジメチルアミノピリジンのような縮合剤
の存在下に行なわれる。ここで、1位のアミノ酸残基の
ヒドロキシ基に優先して8位のアミノ酸基におけるOH基
のアシル化反応が進行することに注意する必要がある。
上記工程b)は、天然シクロスポリンを対応するジヒ
ドロシクロスポリンに還元する公知方法と同様に、例え
ば接触還元により、例えば英国特許第1567201号に開示
された一般法にしたがって実施することができる。
水素添加は、好適には中性pH条件で、約20ないし約30
℃の温度および大気圧または僅かな加圧下、白金または
好ましくはパラジウム(例えばパラジウム炭素)のよう
な触媒の存在および酢酸エチルまたはエタノールもしく
はイソプロパノールのような低級脂肪族アルコール類の
如き不活性溶媒または希釈剤の存在下に行なわれる。
上記工程a)の出発原料として適当な8位のβ−ヒド
ロキシ−α−アミノ酸残基を有するシクロスポリン類、
特に[(D)Ser]−シクロスポリンおよび[ジヒド
ロ−MeBmt]−[(D)Ser]−シクロスポリンは公
知であり、例えば前記ヨーロッパ特許第0056782号にそ
の製法と共に記載されている。工程a)の出発原料とし
て必要な8位にヒドロキシ−α−アミノ酸残基を有する
他のシクロスポリン類は、同様に、またはヨーロッパ特
許第0056782号が引用しているヨーロッパ特許第0034567
号に記載されたシクロスポリン全合成の一般法にしたが
って、または以下の記載特に実施例の方法にしたがっ
て、製造することができる。
上記工程b)で出発原料として用いるシクロスポリン
類は、工程a)の方法にしたがって得ることができる。
実施例中に具体的に記載した上記式(III)のシクロ
スポリン出発原料は、前記ヨーロッパ特許第0056782号
に広範な記載に包含されるが、これらシクロスポリン類
のあるものは、上記公報の教示に照らして形式的に新規
であり、すなわちそれ自体が従来記載されたことがなか
った。
別の特徴によると、この発明は、式(IIIa) [式中、Y′はαAbu−、−Thr−、−Val−または−Nva
−、 Z′は−Val−であるか、またはY′が−αAbu−または
−Nva−のとき、−Nva−、 W′は−(D)Ser−であるか、またはY′が−α−Abu
−でZ′がVal−のとき、−(D)Thr−、 X′は−MeBmt−であるか、またはY′が−Thr−、−Va
l−または−Nva−、 Z′が−Val−でW′が−(D)Ser−のとき、−ジヒド
ロ−MeBmt−を意味する] で示されるシクロスポリンを提供する。
式(IIIa)に含まれる具体的なシクロスポリン類は、 a)[(D)Thr]−シクロスポリン、 b)[Thr]−[(D)Ser]−シクロスポリン、 c)[ジヒドロ−MeBmt]−[Thr]−[(D)Th
r]−シクロスポリン、 d)[Val]−[(D)Ser]−シクロスポリン、 e)[ジヒドロ−MeBmt]−[Val]−[(D)Se
r]−シクロスポリン、 f)[Nva]−[(D)Ser]−シクロスポリン、 g)[ジヒドロ−MeBmt]−[Nva]−[(D)Se
r]−シクロスポリン、 h)[Nva]−[(D)Ser]−シクロスポリン、 i)[Nva]−[Nva]−[(D)Ser]−シクロ
スポリンである。
上に列記したシクロスポリン中、a)、b)、e)、
f)およびi)、特にa)、f)およびi)は、例えば
ヨーロッパ特許出0056782号に具体的記載のあるシクロ
スポリン類との関係において、その活性(例えば免疫抑
制活性)/活性プロフィルについて特に興味がもたれ
る。
さらに、この発明は、前記式(IIIa)で示されるシク
ロスポリンの製造法において、 c)O−保護形である前記式(IIa)で示されるシク
ロスポリンを脱保護し、 d)配列 [ここで、Y′、Z′、W′およびX′は前記式(III
a)について定義した意味] を含む直鎖ウンデカペプチド(このウンデカペプチドは
非保護形またはO−保護形である)を閉環させ、必要な
らば工程c)を実施し、 e)式(IIIa)において、 Y′は−Thr−、−Val−または−Nva−、 Z′は−Val−であるか、またはY′が−Nva−のとき−
Nva−、 W′は−(D)Ser−、 X′は−MeBmt− であるシクロスポリンを製造するために、 [Thr]−シクロスポリン、[Val]−シクロスポ
リン、−[Nva]−シクロスポリンまたは[Nva]
[Nva]−シクロスポリン生産性真菌株を(D)−セ
リン含有栄養培地と接触させて培養し、得られた培地か
ら式(IIIa)で示されるシクロスポリンを単離し、 f)式(IIIa)においてX′が−ジヒドロ−MeBmt−
であるシクロスポリンを製造するために、式(IIIa)に
おいてX′が−MeBmt−である対応シクロスポリンを還
元すること からなる方法を提供する。
上記工程d)で用いるに好適なウンデカペプチド類
は、前記ヨーロッパ特許第0056782号に記載の一般法と
同様に、例えばその実施例1aのフローチャートに関し
て、シクロスポリン分子の残基8−11からなるペプチド
配列を残基1−7からなる配列であって2位のおよび/
または5位および/または8位の残基に必要な置換を施
したものを組みあわせることによって、得ることができ
る。8位の−(D)Ser−または−(D)Thr−残基は、
O−保護形、例えばO−t−ブチル形であるのが好まし
い。閉環は、前記ヨーロッパ特許に記載の個々の技術を
用いて行ない、O−保護基が存在する場合の最終工程に
おける除去[工程c)]は、ペプチド化学において公知
の技術にしたがって行なう。
工程e)の方法で用いるに好適な菌株は、トリポクラ
ジウム・インフラツム(ガムス)[Tolypocladium infl
atum(Gams)]種のNRRL8044株であり、その培養はアメ
リカ合衆国農務省[ノーザン・リサーチ・アンド・デベ
ロプメント・ディビジョン(Northern Research and De
velopment Division)、アメリカ合衆国イリノイ州、ピ
オリア]に寄託されており、自由に人手できる。
さらに、この株の培養は、微工研菌寄第2796号(FRI
・FERM−p No.2796)として、日本国千葉市稲毛、微生
物工業技術研究所に寄託されている。上記株は、当初ト
リコデルマ・ポリスポルム(リンク・エクスプレス)
[Trichoderma polysporum(Link ex Pers)]種に属す
るものとして分類されたが、その形態学的特性並びに前
培養および継代培養の調整法は英国特許第1491509号に
詳細に記載されている。
工程e)によると、選択した株[例えばトリポクラジ
ウム・インフラツム(ガムス)[Tolypocladium inflat
um(Gams)]を後記実施例記載のような培地中、添加
(D)−または(D,L)−セリンの存在下約27℃の温度
で約2週間の期間保持するのが適当である。アミノ酸前
駆体は、好適には約1ないし約15g、さらに好ましくは
約4ないし約10g/培地リットルの量で加える。培地はま
た、所期のシクロスポリンの2位の存在する残基の前駆
体となる添加アミノ酸を、例えば約6.0ないし約10.0g、
好ましくは約8.0g/培地リットルの量で含むのが好適で
ある。培養後、培養物を採取し、得られる式(IIIa)の
シクロスポリンを公知技術により、例えば分生子および
菌糸の粉末化により抽出し、次いで抽出および/または
吸着法で単離する。当初得られる粗シクロスポリンは、
その後、例えばクロマトグラフィーおよび/または再結
晶、特に他のシクロスポリン挟雑物との分離、特に「天
然シクロスポリン」挟雑物との分離により、精製するこ
とができる。
上記工程f)は、例えば工程b)について記載したの
と同じ方法を用いて実施することができる。
[実施例] 以下、この発明を実施例により説明する。
実施例1 [(O−アセチル)−(D)Ser]−シクロスポリ
ンの合成[式I:X=−MeBmt−、Y=−αAbu−、Z=−V
al−、Q=−O−アセチル−(D)Ser−]。
4−ジメチルアミノピリジン20mgを、メチレンクロラ
イド3mlに溶かした[(D)Ser]−シクロスポリン
(前述のヨーロッパ特許第0056782号の実施例1または
3で記載された方法にしたがい製造されたもの)47mgに
加える。次いで蒸留したばかりのアセチルクロライド6.
1mgとメチレンクロライド1mlを加え、得られた反応混合
物を室温で1時間攪拌する。反応混合物をメチレンクロ
ライド50mlで希釈し、H2O30mlと振盪する。有機相を分
離し、NaSO4で乾燥し、過し、濃縮する。残留物を、
溶離剤としてメチレンクロライド/5%メタノールを用
い、60gのシリカゲル(0.062〜0.20mm)で過し、25ml
ずつのフラクションに集める。キャリヤー相としてCHCl
3/5%メタノールを用い薄層クロマトグラフィーにより
フラクション4〜8から標記化合物を回収する:▲
[α]20 D▼=−202゜(c=0.92、CHCl3中)。
実施例2 対応する非アシル化シクロスポリンから出発して実施
例1と同様に下記化合物を製造する。
2.1[(0−ベンゾイル−(D)Ser]−シクロスポ
リン[式I:X=−MeBmt−,Y=−αAbu−,Z=−Val、Q=
−O−ベンゾイル−(D)Ser−]:▲[α]20 D▼=−
220゜(c=1.0、CHCl3); 2.2[O−アセチル−(D)Thr]−シクロスポリン
[式I:X=−MeBmt−,Y=−αAbu−,Z=−Val−、Q=−
O−アセチル−(D)−Ser−]:▲[α]20 D▼=−21
9゜(c=1.0、CHCl3); 2.3[Nva]−[O−アセチル−(D)Ser]−シ
クロスポリン[式I:X=−MeBmt−,Y=−Nva−,Z=−Val
−、Q=−0−アセチル−(D)Ser−]:▲[α]20 D
▼=−240゜(c=1.0、CHCl3)/−233゜(c=0.8、C
HCl3)/−177゜(c=0.76、CH3OH):mp=143−147
℃。
2.4[Val]−[O−アセチル−(D)Ser]−シ
クロスポリン[式I:X=−MeBmt−、Y=−Val−、Z=
−Val−、Q=−O−アセチル−(D)Ser]:▲[α]
20 D▼=−219゜(c=0.9、CHCl3); 2.5[Nva]−[O−アセチル−(D)Ser]−シ
クロスポリン[式I:X=−MeBmt−、Y=−αAbu−、Z
=−Nva−、Q=−O−アセチル−(D)Ser−]:▲
[α]20 D▼=−215゜(c=1.0、CHCl3); 2.6[Nva]−[Nva]−[O−アセチル−(D)S
er]−シクロスポリン[式I:X=−MeBmt−、Y=−Nv
a−、Z=−Nva−、Q=−O−アセチル−(D)Se
r]:▲[α]20 D▼=−196.9゜(c=1.0、CHCl3);
および 2.7[Thr]−[O−アセチル−(D)Ser]−シ
クロスポリン[式I:X=−MeBmt−、Y=−Thr−、Z=
−Val−、Q=−O−アセチル−(D)Ser−]:▲
[α]20 D▼=−251゜(c=0.86、CHCl3)/−174゜
(c=0.81、CH3OH):mp=143−146℃。
実施例3 [ジヒドロ−MeBmt]−[O−アセチル−(D)Se
r]−シクロスポリンの合成[式I:X=ジヒドロ−MeBm
t−、Y=−αAbu−、Z=−Val−、Q=−O−アセチ
ル−(D)Ser−]。
エタノール10mlに溶かした[(O−アセチル)−
(D)Ser]−シクロスポリン54mgを、室温常圧でパ
ラジウム/炭素(10%)10mgを用い水素化する。20時間
後得られた反応溶液を薄層タルクに通して過し、エタ
ノールを減圧留去する。高度真空下さらに乾燥後標記化
合物を得る: ▲[α]20 D▼=−205.8゜(c=1.02、CHCl3)。
実施例4 対応する非アシル化シクロスポリンから出発して実施
例1と同様にするか、または実施例2で記載した対応す
るシクロスポリンの水素化により実施例3と同様にして
下記化合物を製造する。
4.1[ジヒドロ−MeBmt]−[Nva]−[O−アセ
チル−(D)Ser]−シクロスポリン[式I:X=−ジヒ
ドロ−MeBmt−、Y=−Nva−、Z=−Val−、Q=−O
−アセチル−(D)Ser−]:mp=139−141℃;▲[α]
20 D▼=−225゜(c=0.88、CHCl3)/−163゜(c=0.
76、CH3OH); 4.2[ジヒドロ−MeBmt]−[Val]−[O−アセ
チル−(D)Ser]−シクロスポリン[式I:X=−ジヒ
ドロ−MeBmt−、Y=−Val−、Z=−Val−、Q=−O
−アセチル−(D)Ser−]:▲[α]20 D▼=−210゜
(c=0.85、CHCl3);および 4.3[ジヒドロ−MeBmt]−[Thr]−[O−アセ
チル−(D)Ser]−シクロスポリン[式I:X=−ジヒ
ドロ−MeBmt−、Y=−Thr−、Z=−Val−、Q=−O
−アセチル−(D)Ser−]:▲[α]20 D▼=−241゜
(c=1.0、CHCl3)/−162゜(c=1.0、CH3OH):mp=
148−150℃。
出発原料の製造 実施例5 実施例2.2から2.7までの化合物の製造に必要な出発原
料である下記化合物を、公知化合物[(D)Ser]
シクロスポリンと同様にして製造するが、その製法はヨ
ーロッパ特許第0056782号の実施例1で記載されてお
り、この特許の実施例1aへのフローチャートに記載され
た工程順序において2および/または5および/または
8位の適当な残基を置換して行なう。
5.1[(D)Thr]−シクロスポリン[式IIIa:X′=
−MeBmt−、Y′=−αAbu−、Z′=−Val−、W′=
−(D)Thr−]:▲[α]20 D▼=−248.7゜(c=1.
0、CHCl3); 5.2[Nva]−[(D)Ser]−シクロスポリン
[式IIIa:X′=−MeBmt−、Y′=−Nva−、Z′=−Va
l−、W′=−(D)Ser−]:mp=150−153℃;▲
[α]20 D▼=−262゜(c=0.71、CHCl3)/−191゜
(c=0.73、CH3OH); 5.3[Val]−[(D)Ser]−シクロスポリン
[式IIIa:X′=−MeBmt−、Y′=−Val−、Z′=−Va
l−、W′=−(D)Ser−]:▲[α]20 D▼=−257゜
(c=1.0、CHCl3)/−255゜(c=0.45、CHCl3)/−
189゜(c=0.42、CH3OH):mp=136−140℃。
5.4[Nva]−[(D)Ser]−シクロスポリン
[式IIIa:X′=−MeBmt−、Y′=−αAbu−、Z′=−
Nva−、W′=−(D)Ser−]:▲[α]20 D▼=−212
゜(c=1.0、CHCl3); 5.5[Nva]−[Nva][(D)Ser]−シクロス
ポリン[式IIIa:X′=−MeBmt−、Y′=−Nva−、Z′
=−Nva−、W′=−(D)Ser−]:▲[α]20 D▼=
−217゜(c=1.0、CHCl3)および 5.6[Thr]−[(D)Ser]−シクロスポリン
[式IIIa:X′=−MeBmt−、Y′=−Thr−、Z′=−Va
l−、W′=−(D)Ser−]:▲[α]20 D▼=−258゜
(c=0.39、CHCl3)/−178゜(c=0.40、CH3OH):mp
=147−152℃。
実施例6 実施例5.2の化合物を別法として以下のように微生物
学的に製造してもよい。
a) 1リットル当り麦芽糖50g、(DL)−ノルバリ
ン5g、(D)−セリン8g、KH2PO4−0.75g、MgSO4・7H2O
−0.5g、CaCl2・6H2O0.1gおよびカゼインペプトン8gの
割合で含有する栄層培地10リットルに3日間の予備培養
から採取した菌株NRRL8044のコニデイア(分生子、coni
dia)およびミセリア(菌糸体、mycelia)の懸濁液1リ
ットルを接種する。接種された生産媒質を100mlずつに
分割し、100本のエルレンマイヤーフラスコに満たし、
次いで180rpmで回転するアジテーター上27゜で14日間イ
ンキュベートする。培養媒質から菌糸を分離し、90%メ
タノール3リットルで3回粉砕攪拌することによりトウ
ラックツ(Turrax)装置で抽出する。粉砕された菌糸を
吸引過により溶媒から分離し、液を合わせ、蒸気が
ほとんど水だけになるまで40℃の温度で減圧濃縮する。
得られた混合物を各抽出物に対す0.5リットルの1,2−ジ
クロロエタンを用いて4回抽出し、1,2−ジクロロエタ
ン溶液を合わせ、40℃の温度で減圧蒸発により濃縮す
る。
得られた残留物をメタノールを用いてセファデックス
(Sephadex)LH−20(1.4kg、フアルマシア)上ゲル
過に付し、280mlずつのフラクションに集める。シクロ
スポリン混合物を含有するフラクション9〜11を合わ
せ、次いで溶離剤として水飽和酢酸エチルを用いシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー[シリカゲル1kg、粒径
0.063〜0.2mm“メルク”(Merck)]で分離する(500ml
のフラクション)。極性の強さにしたがいまず[Nva]
−シクロスポリンが溶離し(フラクション7〜9)、
次に[Nva]−[(D)Ser]−シクロスポリンとシ
クロスポリンから成る混合物が溶離する。溶離剤として
クロロホルム/メタノール(98:2)を用い、シリカゲル
クロマトグラフィー(280g、メルク、0.63〜0.2mm)に
より[Nva]−[(D)Ser]−シクロスポリンとシ
クロスポリンを分離する(100mlのフラクション)。粗
[Nva]−[(D)Ser]−シクロスポリンを含有す
るフラクション20〜30を、溶離剤としてメタノール/水
(85:15)を用い逆相シリカゲルカラム(“メルク”リ
クロペプ(LiChropep)RP18、260g、粒径0.04〜0.063m
m)上、中圧クロマトグラフィーでさらに精製し、25ml
のフラクションで集める。
フラクション45〜55を合わせ、純[Nva]
[(D)Ser]−シクロスポリンを無定形白色粉末と
して回収する。
前記工程に必要な前培養を以下のようにして得る。
b) 接種に用いる胞子および菌糸懸濁液を、脱イオ
ン水1リットル当り麦芽エキス20g、寒天20g、酵母エキ
ス4gを含有する寒天培地上27℃で21日間培養した最初に
分離された株NRRL8044の培養物から生成する。この培養
物の胞子を生理的NaCl溶液にとって最終濃度5×106
子/mlにする。(D)−セリンと(DL)−ノルバリン成
分は除外して実施例6aの培地と同じ組成を有する栄養液
1リットルに接種するために前記懸濁液10mlを用い、27
゜で3日間回転振盪器(200rpm)上で培養する。この培
養物を生産性培養物の接種物として用い、[Nva]
[(D)Ser]−シクロスポリンを次のように発酵ス
ケールで生産する。
c) NRRL8044菌株の寒天斜面から約109個の胞子を
採取し、予め120℃で20分間殺菌した下記成分からなる
前培養培地20リットルを入れたステンレススチール発酵
槽に移す: フルクトース 75 g アンバーEHC 25 g KH2PO4 5 g KCl 2.5g 蒸留水 全1リットル (pH=5.5) 培養条件としては、温度は27℃、0.5バールの過圧で1
6/分の気流および200rpmの攪拌回転速度が好まし
い。発育する前培養を6日間培養し、次いで15リットル
を予め120℃で20分間殺菌した下記成分からなる生産培
地300リットルを入れたステンレススチール発酵槽に移
す: 麦芽糖 75 g アンバーEIC 25 g KH2PO4 5 g KCl 2.5g (DL)−ノルバリン 5 g (D)−セリン 8 g 蒸留水 全1リットル (pH=5.5) 培養物を温度27℃に保持し、0.5バールの過圧で120リ
ットル/分で通気し、70rpmで攪拌する。シリコーン乳
液を加えて泡抹抑制をする。
14日間培養して全容量275リットルとなった培養物を1
0℃に冷却し、ウエストフアリア分離器を用いて菌糸を
除去する。液の酢酸エチルで2回攪拌抽出し、抽出物
を少量の水で洗浄し、合わせて真空乾燥する。菌糸をメ
タノールと合わせ、ホモジネート化して過する。90%
メタノールを用いて2回繰り返し抽出する。メタノール
抽出物を合せて、水を加え、減圧濃縮する。残留水性濃
縮液を酢酸エチルで2回抽出し、抽出物を少量の水で洗
浄し、合わせて減圧濃縮する。抽出された水相を酢酸エ
チル/イソプロパノール(8:2)で2回再抽出する。こ
れらの抽出物を合わせ、再び減圧濃縮する。
菌糸と液の抽出物を、溶離剤として50倍量のセファ
デックスLH−20とメタノールを用いて過する。次いで
ピークフラクションを、溶離剤として水飽和酢酸エチル
を用い、100倍量のシリカゲル60(粒径=0.04〜0.063m
m)を用いてクロマトグラフィーに付して精製する。ま
ず初めに[Nva]−シクロスポリンが溶離し、次にシ
クロスポリンおよび[Nva]−[(D)−Ser]−シ
クロスポリンが溶離する。後者のフラクションをさらに
140倍量のシリカゲル60(粒径0.063〜0.20mm)と溶離剤
としてクロロホルム/メタノール(98:2)を用いてクロ
マトグラフィー精製に付し、純粋な[Nva]
[(D)−Ser]−シクロスポリンを回収する。
実施例7 実施例5.3の化合物もまた、実施例6a)と同様の手順
で微生物学に製造されるが、下記の修正を行なう。
a)栄養培地において、−(DL)−ノルバリンを
(L)−バリン10gと置き換える。培養培地から菌糸を
分離した後−次のように抽出する: 吸引濾過により粉砕した菌糸を溶媒から分離し、濾液
を合わせ、蒸気が主として水だけになるまで40℃の温度
で減圧蒸発により(水を滴下しながら)濃縮する。得ら
れた混合物を3回それぞれ5リットルの酢酸エチルを用
いて抽出し、酢酸エチル溶液を合わせ、40℃の温度で減
圧蒸発により濃縮する。
得られた残留物をメタノールを用いてセファデックス
(sephadex)LH−20(1.4kg;フアルマシア)上ゲル濾過
に付す。シクロスポリン混合物を含有するこれらのフラ
クションを合わせ、次いで溶離剤として水飽和酢酸エチ
ルを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル3kg、粒径0.020−0.045mm、“グレイス(Grac
e)”)により分離する。極性の強さにしたがい初めに
[Val]−シクロスポリンが溶離し、次いで主成分と
して[Val]−「(D)Ser]−シクロスポリンを含
有する混合物が溶離する。さらに溶離剤としてアセトン
/ヘキサン(1:1)を用いてシリカゲルクロマトグラフ
ィー(80g、“グレイス”、0.020−0.0045mm)により
[Val]−[(D)Ser]−シクロスポリンを精製す
る。粗[Val]−[(D)Ser]−シクロスポリンを
含有するこれらのフラクションを、さらに溶離剤として
メタノール/水(80:20)を用い逆相シリカゲルカラム
(“メルク”リクロプレプ(LiChroprep)RP18、160g、
粒径0.04−0.063mm)上、中圧クロマトグラフィーによ
り精製し、無定形白色粉末として純粋な[Val]
[(D)Ser]−シクロスポリンを得る。
b)必要な前培養は実施例6b)と同様にして得られ
る。
実施例6c)と同様の発酵スケールで[Val]
[(D)Ser]−シクロスポリンを製造するがただし
次の修正を加える: c)生産培地において、−(DL)−ノルバリンを
(L)−バリン10gと置き換える。菌糸をメタノールと
合わせ、ホモジネート化し、濾過(90%メタノールを用
いて2回繰り返す)した後−さらに以下のように処理す
る: メタノール抽出物を合わせ、水を加え、減圧濃縮す
る。残留水性濃縮液を酢酸エチルで3回抽出し、抽出物
を少量の水で洗浄し、合わせて減圧濃縮する。
菌糸と濾液抽出物を、溶離剤としてメタノールと50倍
量のセファデックスLH−20を用いて濾過する。次いでピ
ークフラクションを、溶離剤として水飽和酢酸エチルを
用い、40倍量のシリカゲル60(粒径0.04−0.063mm)を
用いてクロマトグラフィー精製する。初めに「Val]
−シクロスポリンが溶離し、次いでシクロスポリンおよ
び[Val]−[(D)Ser]−シクロスポリンが溶離
する。さらにこの後者のフラクションを100倍量のシリ
カゲル60および溶離剤としてアセトン/ヘキサン(1:
1)を用いてクロマトグラフィー精製し、逆相シリカゲ
ル(“メルク”リクロプレプRP18、粒径0.04−0.063m
m)上、中圧クロマトグラフィーに付し、純粋な[Val]
−[(D)Ser]−シクロスポリンを得る。
実施例8 実施例5.6の化合物はまた、実施例6と同様にして微
生物学的に製造されるが、ただし次の修正を加える。
a)栄養培地において−(DL)−ノルバリンを(L)
−スレオニン5gと置き換える。培養した後−以下のよう
に抽出する。
菌糸を培地から分離し、3回それぞれ90%メタノール
9リットルを用いて粉砕攪拌しながらトゥラックス装置
において抽出する。粉砕された菌糸を、吸引濾過により
溶媒から分離し、濾液を合わせて蒸気が主として水だけ
となるまで40℃の温度で減圧蒸発により(水を加えて)
濃縮する。得られた混合物を3回それぞれ5リットルの
酢酸エチルを用いて抽出し、酢酸エチル溶液を合わせ、
40℃の温度で減圧蒸発により濃縮する。
得られた残留物をメタノールを用いてセファデックス
LH−20(2kg;フアルマシア)上ゲル濾過に付す。シクロ
スポリン混合物を含有するこれらのフラクションを合わ
せ、次いで溶離剤として水飽和酢酸エチルを用い、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2kg、粒
径0.02−0.045mm、“グレイス”)により分離する。極
性の違いにより最初にシクロスポリンが溶離し、続いて
[(D)Ser]−シクロスポリン、次ぎに[Thr]
シクロスポリン、最後に[Thr]−[(D)Ser]
シクロスポリン粗製形で溶離する。さらに溶離剤として
アセトン/ヘキサン(2:1)を用い、シリカゲルクロマ
トグラフィー(50g、“グレイス”、0.02−0.45mm)に
より「Thr]−[(D)Ser]−シクロスポリンを精
製し、無定形白色粉末として純粋な[Thr]
[(D)Ser]−シクロスポリンを得る。
b)必要な前培養を実施例6b)と同様にして得る。
実施例6c)と同様の発酵スケールで[Thr]
[(D)Ser]−シクロスポリンを製造するが、ただ
し次の修正を加える。
c)生産培地において−(DL)−ノルバリンを(L)
−スレオニン5gと置き換える。培養およびウエストファ
リア分離器を用いて菌糸の除去をした後−さらに次のよ
うに処理する。
菌糸をメタノールと合わせ、ホモジネート化して濾過
する。90%メタノールを用いて2回この抽出を繰り返
す。メタノール抽出物を合わせ、水を加え、減圧濃縮す
る。残留水性濃縮液を酢酸エチルで3回抽出し、抽出物
を少量の水で洗浄し、合わせて減圧濃縮する。
菌糸抽出物を溶離剤としてのメタノールおよび50倍の
セファデックスLH−20を用いて濾過する。次いでピーク
フラクションを、溶離剤として水飽和酢酸エチルを用い
30倍量のシリカゲル60(粒径0.04−0.063mm)を用いて
クロマトグラフィー精製する。最初にシクロスポリン、
次いで[(D)Ser]−シクロスポリン、次いで[Th
r]−シクロスポリン、最後に[Thr]−[(D)Se
r]−シクロスポリンが溶離する。さらにこれら後者
のフラクションを、250倍量のシリカゲル60(粒径0.02
−0.045mm)および溶離剤としてアセトン/ヘキサン
(2:1)を用いてクロマトグラフィー精製に付し、純粋
な[Thr]−[(D)Ser]−シクロスポリンを得
る。
実施例9 実施例4.1〜4.3の化合物の製造の際の出発原料として
用いる下記化合物は、実施例3と同様にして実施例5〜
7の特定のシクロスポリンから製造される。
9.1[ジヒドロ−MeBmt]−[Nva]−[(D)Se
r]−シクロスポリン[式IIIa:X′=−ジヒドロ−MeB
mt−、Y′=−Nva−、Z′=−Val−、W′=−(D)
Ser−]−実施例5.2または6の生成物から製造する: ▲[α]20 D▼=−251゜(c=1.23、CHCl3)/−179゜
(c=1.16、CH3OH):mp=155−157℃。
9.2[ジヒドロ−MeBmt]−[Val]−[(D)Se
r]−シクロスポリン[式IIIa:X′=ジヒドロ−MeBmt
−、Y′=−Val−、Z′=−Val−、W′=−(D)Se
r]−実施例5.3または7の生成物から製造する: ▲[α]20 D▼=−224゜(c=1.0、CHCl3)。
9.3[ジヒドロ−MeBmt]−[Thr]−[(D)Se
r]−シクロスポリン[式IIIa:X′=−ジヒドロ−MeB
mt−、Y′=−Thr−、Z′=−Val−、W′=−(D)
Ser−]−実施例5.6または8の生成物から製造する: ▲[α]20 D▼=−262゜(c=0.73、CHCl3)/−173゜
(c=0.79、CH3OH):mp=156−158℃。
最終生産物であるシクロスポリン類、例えば前記式
(I)の生産物は、下記試験方法により示し得る薬理活
性を示す。
(1.免疫抑制活性) 1.1.ゲル中でのインビトロ局所溶血[ミシェルおよび
ダットン、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メ
デイシン(J.Exp.Med.)126巻423〜442頁(1976
年)]。
この発明の式(I)で示されるシクロスポリン類は、
非処理対照と比較すると、0.01〜10.0μg/mlの濃度で溶
血ゾーンを阻止する。
1.2.ジャノシーおよびグリーブスによるリンパ球刺激
試験。[クリニカル・アンド・エクスペリメンタル・イ
ムノロジー(Clin.Exp.Immunol.)9巻483頁(1971年)
および10巻525頁(1972年)]。この発明の式(I)で
示されるシクロスポリンは、非処理対照と比較すると、
0.001〜10.0μg/mlの濃度でマウス脾臓リンパ球におけ
るコンカナバリン(concanavalin)A刺激DNA合成を阻
止し(チミジン取入れ阻止)、細胞増殖および胚子発生
を阻止する。
1.3.混合リンパ球反応[バッハ等、ジャーナル・オブ
・エクスペリメンタル・メデイシン(J.Exp.Med.)13
6、1430頁(1972年)]。照射マウス からの異型的脾臓細胞と5日間共培養した場合のリンパ
球[マウス(バルブ/c系)脾臓細胞]の反応を、試験物
質の存在下および不存在下に測定した。試験物質不存在
下の反応を対照に用い、100%とした。試験物質存在下
の反応を100%の対照反応と比較し変化%として示し
た。この発明の式(I)で示されるシクロスポリン類を
0.01ないし10.0μg/ml-1の濃度で用いたとき阻止反応が
観察された。
1.4.臓器拒絶の抑制 ドナーラット(F344系、雌)の腎を受容動物(recipi
ent、ウイスター・ファース系、雌)ラットに移植し
た。試験物質を14日間受容動物に経口投与し、その後処
置を中止した。試験動物は移植7日後両側腎の外科的除
去に付した。試験動物の生命は移植臓器の受容と機能に
依存するので、プラセボのみを投与した対照動物に較べ
た生存期間の延長が試験物質の効果を示すパラメータに
なる。上記試験方法において、この発明の式(I)で示
されるシクロスポリン類を2.5〜10mg/kgの用量で経口投
与した動物は、非処理対照が臓器拒絶のため約9〜10日
間で全部死亡したのに対して>60ないし>250日の生存
期間を示した。
(2.抗炎症活性) 抗炎症活性は、ラットにおけるアジュバント関節炎試
験により示すことができる。この試験では、アジュバン
ト関節炎をピアソンおよびウッド、「アースリチス・ア
ンド・リューマチスム」(Arthritis and Rheumatism)
2巻440頁(1959年)の方法にしたがって誘発した。こ
の発明の式(I)で示されるシクロスポリン類は、この
試験において10〜30mg/kg/日の経口用量で関節炎の発症
および既存関節炎に対して有効であった。
(3.抗寄生物活性) レーン、「ケモセラピー・アンド・ドラッグ・レジス
タンス・イン・マラリア」(Chemotherapy and Drug Re
sistance in Malaria)ピータース(ニューヨーク、ア
カデミックプレス、1970年)による抗マラリア試験。第
0日に、マウス(OF1系、雄)にプラスモジウム・ベル
グヘイ(Plasmodium berghei)種(NK65株)の寄生性細
胞107を含む懸濁液0.2mlを腹腔内注射した。試験物質
は、第3日に種々の用量を5〜10マウス/用量を用いて
皮下投与した。生存期間を記録し、非処理対照の生存期
間と比較して計算した最低有効用量(MED)を計算し
た。対照の生存期間は約7日間であった。MEDは生存期
間が2倍になる用量である。この発明の式(I)で示さ
れるシクロスポリン類は、この試験において、25〜100m
g/kg/日の皮下投与用量で有効であった。
最終生産物であるシクロスポリン類、例えば式(I)
のシクロスポリン類は、免疫抑制活性を有するので、免
疫応答の低下を必要とする疾病および症状の予防および
処置、例えばリンパ球および免疫細胞の増殖抑制、例え
ば自己免疫病の処置、または例えば皮膚、肺臓、心臓、
心・肺、骨髄、腎臓、脾臓および角膜移植等における移
植拒絶の防止に対する使用が適応する。
式(I)のシクロスポリン類が適応となる特異的自己
免疫病には、シクロスポリンによる処置が提案または使
用されて来たあらゆる疾病が含まれ、例えば再生不良性
貧血、純赤血球貧血、特発性血小板減少症、全身性紅斑
性狼瘡、多発性軟骨炎、強皮症(sclerodoma)、ウェグ
ナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎(active hepatitis)、
重症筋無力症、乾癬、スチブン・ジョンソン症候群、特
発性スプルー(sprue)、クローン病、グレイブス病、
サルコイドーシス、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬
変、原発性若年型糖尿病、後部くも膜炎、間質性肺線維
症および乾癬性関節炎が含まれる。
また、最終生産物であるシクロスポリン類、例えば
(I)のシクロスポリン類は、抗炎症活性を有するの
で、炎症性症状、特に自己免疫性構成要素を一員としま
たは包含する病因による炎症性症状の処置、例えば進行
性慢性多発性関節炎のような、関節炎およびリューマチ
性疾患の処置に対する使用が適用する。
さらに最終生産物であるシクロスポリン類、例えば式
(I)のシクロスポリン類は、抗寄生物活性を有するの
で、抗寄生物剤として、すなわち種々の型の寄生物感染
症の処置、特に原生動物並びにトレマトーダおよびネマ
トーダ性寄生物感染症の処置に対する使用が適応する。
寄生物感染症の具体的な型としては、住血吸虫症、フイ
ラリア症、リーシュマニア症、コクシジオイデス症、お
よび特にマラリアを含めて、従来シクロスポリンによる
処置が文献上提案されたあらゆる型が包含される。
上記の用途において、指示1日用量は約75〜5000mgの
範囲、好ましくは約2000mg以下、最も好ましくは約1500
mg以下であり、好適には1日1回または2〜3回の分割
用量として投与する。単位用量形態、例えば経口投与用
のものは、好適には約25〜約2500mg、好ましくは約1000
mg以下、最も好ましくは約800mgの式(I)で示される
シクロスポリンを、医薬的に許容される希釈剤または担
体と混合して含むものである。
特定の適応に対する特定のシクロスポリン(I)の適
当な1日用量は、勿論特に適応、例えば処置すべき症状
に関連する相対効力により異なる。好ましい式(I)の
シクロスポリンは実施例1の生成物([O−アセチル−
(D)Ser]−シクロスポリン)である。この化合物
で得られた上記試験の結果は次の通りである。
注)IC50=非処置対照と比較して50%阻害をもたらす濃
度 PT=予防処置 TT=治療処置 MED=最低有効用量 最終生産物であるシクロスポリン類、例えば式(I)
で示されるシクロスポリン類は、任意の常用経路、特に
シクロスポリンの投与に関して現在行なわれている手
段、例えば臓器移植、移植前および直後、並びに他の方
法では吸収が不良となる胃腸障害エピソードの場合には
特に静脈内注入により、また例えば経口用溶液の形で経
口的に、投与することができる。
したがって、この発明はまた以下のものを提供するも
のである。
1)前記式(I)で示されるシクロスポリンを医薬的
に許容される希釈剤または担体と共に含有してなる医薬
組成物。
2)医薬として使用する、すなわち手術または治療に
よる処置に使用する、特に免疫抑制剤または抗炎症剤ま
たは抗寄生物剤として使用する、前記式(I)で示され
るシクロスポリン。
3)処置を必要とする対象に前記式(I)で示される
シクロスポリンの有効量を投与することからなる、上記
対象における免疫抑制の誘発、炎症の処置または寄生物
感染症の処置方法。
前記のように、式(IIIa)で示されるシクロスポリン
類もまた新規であり、中間体としての用途を有する以外
に、薬理活性および/または特性、特に免疫抑制活性に
関する、および特に移植拒絶の防止上における用途に関
する活性を示し、これが例えばヨーロッパ特許第005678
2号に具体的記載のある他のシクロスポリン類との関連
において特に興味あるものとしている。式(IIIa)で示
されるシクロスポリン類の薬理活性は、例えば上記試験
方法1.1、1.2、1.3、2または3により示すことができ
る。すなわち、この発明の式(IIIa)で示されるシクロ
スポリン類は、 上記試験1.1では0.01〜10μg/mlの濃度、 上記試験1.2では0.001〜10μg/mlの濃度、 上記試験1.3では0.001〜10μg/mlの濃度、 上記試験2では10〜30mg/kg/日の経口用量、 上記試験3では50〜100mg/kg/日の皮下用量で有効で
ある。
式(IIIa)で示されるシクロスポリン類は、免疫抑制
活性を有するので、免疫応答の低下を必要とする疾病お
よび症状の予防および処置、例えばリンパ球および免疫
細胞の増殖抑制、例えば自己免疫症の処置、例えば式
(I)のシクロスポリン類の用途に関して引用した具体
的な自己免疫疾患の処置、または例えば式(I)のシク
ロスポリン類の用途に関して引用した種々の具体的な型
の移植拒絶の防止に対する使用が適応する。
また、式(IIIa)で示されるシクロスポリン類は、抗
炎症活性を有するので、炎症性症状、特に自己免疫性構
成要素を一員としまたは包含する病因による炎症性症状
の処置、例えば進行性慢性多発性関節炎のような、関節
炎およびリューマチ性疾患の処置に対する使用が適応す
る。
さらに、式(IIIa)で示されるシクロスポリン類は、
抗寄生物活性を有するので、抗寄生物剤として、すなわ
ち種々の型の寄生物感染症の処置、特に式(I)のシク
ロスポリン類の用途に関して記載した感染症の処置に対
する使用が適応する。
上記の用途において、指示1日用量は約75〜5000mgの
範囲であり、好適には1日1回または2〜3回の分割用
量と投与する。単位用量形態、例えば経口投与用のもの
は、好適には例えば約25〜約2500mgの式(IIIa)のシク
ロスポリンを、医薬的に許容される希釈剤または担体と
混合して含むものである。
特定の適応に対する特定のシクロスポリン(IIIa)の
適当な1日用量は、勿論特に適応、例えば処置すべき症
状に関連する相対効力により異なる。好ましい式(III
a)のシクロスポリンは、 A.[(D)Thr]−シクロスポリン(実施例5.1参照) B.[Nva]−[(D)Ser]−シクロスポリン(実施
例5.2および6参照) C.[Nva]−「Nva]−[(D)Ser]−シクロス
ポリン(実施例5.5参照) である。これらの化合物で得られた上記試験の結果は次
の通りである。
式(IIIa)で示されるシクロスポリン類は、任意の常用
経路、特にシクロスポリンの投与に関して現在行なわれ
ている手段、例えば臓器移植、移植前および直後、並び
に他の方法では吸収が不良となる胃腸障害エピソードの
場合には特に静脈内注入により、また例えば経口用溶液
の形で経口的に、投与することができる。
したがって、この発明はまた以下のものを提供するも
のである。
1)前記式(IIIa)で示されるシクロスポリンを医薬
的に許容される希釈剤または担体と共に含有してなる医
薬組成物。
2)医薬として使用する、すなわち手術または治療に
よる処置に使用する、特に免疫抑制剤または抗炎症剤ま
たは抗寄生物剤として使用する、前記式(IIIa)で示さ
れるシクロスポリン。
3)処置を必要とする対象に前記式(IIIa)で示され
るシクロスポリンの有効量を投与することからなる、上
記対象における免疫抑制の誘発、炎症の処置または寄生
物感染症の処置方法。
(なお、アミノ酸誘導体の記号については、「有機化
学・生化学命名法」下、83−91頁(1981年3月10日南江
堂発行)に記載されている。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハンス・コーベル スイス国ツエーハー‐4059バーゼル、バイ センシユタインストラツセ1番 (72)発明者 ハンス・ホフマン スイス国ツエーハー‐4107エツテインゲ ン、ボトミンゲルストラツセ31番 (56)参考文献 特開 昭57−140753(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) [式中、Xは−MeBmt−またはジヒドロ−MeBmt−、 Yは−αAbu−、−Thr−、−Val−、または−Nva−、 Zは−Val−または−Nva−、 Qは式(II) (式中、R1はC1-4アルキルまたはフェニル、R2は水素ま
    たはメチルを意味する) で示される残基を意味する] で示されるシクロスポリン。
  2. 【請求項2】[O−アセチル−(D)Ser]−シクロ
    スポリンである、特許請求の範囲第1項記載のシクロス
    ポリン。
  3. 【請求項3】[Nva]−[O−アセチル−(D)Ser]
    −シクロスポリンである、特許請求の範囲第1項記載
    のシクロスポリン。
  4. 【請求項4】下記群 [ジヒドロ−MeBmt]−[O−アセチル−(D)−Se
    r]−シクロスポリン、 [O−ベンゾイル−(D)Ser]−シクロスポリン、 [ジヒドロ−MeBmt]−[Nva]−[O−アセチル−
    (D)Ser]−シクロスポリン、 [Nva]−[O−アセチル−(D)Ser]−シクロス
    ポリン、 [O−アセチル−(D)Th−]−シクロスポリン、 [Val]−[O−アセチル−(D)Ser]−シクロス
    ポリン、 [ジヒドロ−MeBmt]−[Val]−[O−アセチル−
    (D)Ser]−シクロスポリン、 [Nva]−[Nva]−[O−アセチル−(D)Ser]
    −シクロスポリン [Thr]−[O−アセチル−(D)Ser]−シクロス
    ポリン、 [ジヒドロ−MeBmt]−[Thr]−[O−アセチル−
    (D)Ser]−シクロスポリン から選ばれた化合物である、特許請求の範囲第1項記載
    のシクロスポリン。
  5. 【請求項5】式(I) [式中、Xは−MeBmt−またはジヒドロ−MeBmt−、 Yは−αAbu−、−Thr−、−Val−、または−Nva−、 Zは−Val−または−Nva−、 Qは式(II) (式中、R1はC1-4アルキルまたはフェニル、R2は水素ま
    たはメチルを意味する) で示される残基を意味する] で示されるシクロスポリンを有効成分とする免疫抑制の
    誘発剤。
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