JPH0883700A - 電磁石電源の制御方法と装置および粒子加速器 - Google Patents

電磁石電源の制御方法と装置および粒子加速器

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JPH0883700A
JPH0883700A JP21860494A JP21860494A JPH0883700A JP H0883700 A JPH0883700 A JP H0883700A JP 21860494 A JP21860494 A JP 21860494A JP 21860494 A JP21860494 A JP 21860494A JP H0883700 A JPH0883700 A JP H0883700A
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voltage
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electromagnet
current deviation
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JP21860494A
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Hisahide Nakayama
尚英 中山
Kunio Moriyama
国夫 森山
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Hitachi Ltd
Hitachi Information and Control Systems Inc
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Information and Control Systems Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】粒子加速器に好適な電磁石電源の高精度の制御
方式を提供する。 【構成】電磁石1に所望の励磁を与えるための電流パタ
ーンIrはメモリ61に記憶している。この電流パター
ンを実現するためにメモリ62に初期設定された電圧パ
ターンVrは、演算器54を介してAVR51に指令値
として与えられる。AVR51は、指令値Vrと実測値
vfとの偏差veに応じて変換器2をフィードバック制
御する。電圧パターンVrが適正でないと、演算器56
は電流パターンIrと実測値ifの電流偏差ieを出力
する。繰返し制御部6の入力手段66は電流偏差ieが
所定値以上のieを時系列に取り込み、Irに相応する
電流偏差パターンIeをメモリ63に記憶する。演算器
67は電流偏差パターンIeを基に補正電圧パターン△
Vrを演算し、メモリ62の電圧パターンを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周期運転するシンクロ
トロンのような粒子加速器に係り、その電磁石電源の制
御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】シンクロトロンの運転で重要なことは、
粒子が所定の閉軌道を運動するための磁場を生成するこ
とである。この磁場は複数の電磁石により発生する個々
の磁場の合成である。また、加速される粒子の運動量変
化に合わせて磁場強度も変化させる必要がある。磁場強
度を直接観測してフィードバック制御することは、運転
に要求される10~4以上の高い精度の点から困難で、実
際には電流値の制御を行っている。
【0003】シンクロトロンなどの電磁石電源の制御方
式では、従来より種々のが試みられている。代表的な方
法としては、サイリスタ変換器に電圧指令値と電流指令
値の両方を与えて運転するものがあげられる。各指令値
のパターンを作成するには、まず所定の磁場変化を与え
る電流指令値を電流パターンとして作成する。次に、こ
の電流パターンを電磁石に流すために、電源が電磁石に
出力すべき電圧パターンを、電源の負荷である電磁石や
ケーブルの抵抗値、インダクタンス等から決定する。
【0004】この方式によると、電流指令値と電流フィ
ードバック値との偏差を観測することにより、制御精度
を評価できる。そこで、一旦運転を行った後、観測され
た電流偏差を0に近づけるように電圧パターンを修正
し、新たに得られた電圧パターンで再度運転を行うこと
を繰返して、最終的には所定の電流パターンに対して偏
差の小さい高精度な運転を行おうとするもので、この操
作を自動化したものは繰返し制御方式と呼ばれている。
【0005】繰返し制御方式の典型的な公知文献とし
て、「Repetitive Voltage Controlof the Main Ring M
agnet Power Supply for the KEK12GeV PS」(Particle
Ac-celerators,1990,Vol.29,pp.133〜138)、あるい
は、「科学技術庁放射線医学総合研究所 重粒子がん治
療装置(HIMAC)主加速器系シンクロトロン用VM
E制御装置」(日立造船技法、平成4年12月、第53
巻第4号、pp.35〜41)があげられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の電磁石電源の制御方式では、繰返し制御による補正運
転を何回実行しても、実際には電流偏差をある値より小
さくできないという現象を生じ、運転精度の高精度化を
阻んでいた。
【0007】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
克服し、電流偏差を大幅に低減して電磁石電源の制御精
度を向上できる制御方法および装置を提供することにあ
る。
【0008】本発明の目的は、ビーム調整の負担少なく
高精度の磁場パターンを発生でき、ビーム品質を向上で
きる粒子加速器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、所定周
期で電磁石を流れる電流波形の目標値を設定し、前記目
標値を実現するように電磁石に印加する電圧波形を補正
する電磁石電源の制御方式において、前記電圧波形を指
令値として自動電圧制御系(AVR)に与え、電磁石の
実測電圧との電圧偏差に応じてフィードバック制御を行
うと共に、前記目標値と前記電磁石に流れる実測電流と
の電流偏差が少なくなるように前記電圧波形を繰返し補
正する繰返し制御を行うことにより達成される。
【0010】また、本発明の目的は、所定周期で電磁石
を流れる電流波形の目標値を自動電流制御系(以下、A
CR)に与えて、電磁石の実測電流との電流偏差に応じ
てフィードバック制御し、前記目標値を実現するために
電磁石に印加する電圧波形の指令値と前記ACRの出力
を自動電圧制御系(以下、AVR)に与えて、前記電磁
石の実測電圧との電圧偏差に応じてフィードバック制御
を行うことを特徴とする電磁石電源の制御方式におい
て、前記電流偏差が予め設定されているしきい値より大
きいとき、前記目標値を実現するように前記電磁石に印
加する電圧波形を繰返し補正する繰返し制御を行い、こ
の繰返し制御の期間は、前記ACRから前記AVRへの
出力を遮断することにより達成される。
【0011】さらに、本発明の目的は、粒子の閉軌道を
構成する磁場を発生する複数の電磁石と、点弧角制御さ
れる変換器から前記電磁石に電圧を印加し、前記磁場を
発生させるための電流を供給する電磁石電源と、前記磁
場を所定のパターンで発生させるために前記変換器の点
弧角を制御する電源制御装置を備え、低エネルギーで入
射した粒子を次第に磁場を増加して加速し、高エネルギ
ーの粒子として出射する周期運転を行う粒子加速器にお
いて、前記電源制御装置は、前記所定のパターンで磁場
を与えるための台形状の電流波形を予め目標値として設
定する電流波形記憶手段と、前記目標値を実現する電圧
波形の指令値と前記電磁石に印加される実測電圧との電
圧偏差に応じて、前記変換器の点弧角をフィードバック
制御する自動電圧制御手段(以下、AVR)と、前記周
期運転の起動時または前記目標値と前記電磁石に流れる
実測電流との電流偏差がしきい値以上のときに、前記電
流偏差を低減するように前記電圧波形を補正する繰返し
制御手段を備えることにより達成される。
【0012】
【作用】本発明は次の点に着目してなされたものであ
る。
【0013】従来の制御方法では、ある運転の結果から
得られた新たな電圧パターンを算出する基となる電流偏
差には、その運転に使用した電圧パターンに含まれ、最
終的に得られるであろう完成した電圧パターンに比較し
ての誤差によるものと、自動電流制御手段(以下、AC
R)が所定の電流パターンに近づけるために制御演算し
た結果も含まれている。即ち、ACRが未完成な段階で
の電圧パターンを補うように作用するため、繰返し制御
を何回実行してもACRの作用が悪影響して、理想の電
圧パターンに収束する以前の未完成な電圧パターンの状
態でとどまってしまう。
【0014】本発明による電磁石電源制御の作用とし
て、電流偏差は電圧パターンを補正する繰返し制御のみ
に利用されACR動作は行われないので、未完成な電圧
パターンに起因する電流偏差の影響が繰返し制御に現わ
れることがない。したがって、電流偏差は理想の電圧パ
ターンと未完成の電圧パターンの誤差を忠実に反映する
ので、電流偏差を0に近づける電圧パターンの補正を繰
返し行うことで、電流偏差を従来に比べて大幅に低減で
き、電磁石電源の高精度運転が可能になる。
【0015】本発明による電磁石電源制御の他の作用と
して、電流偏差に基づくACRの出力が前記電圧パター
ンと共にAVRの入力として与えられるが、前記繰返し
制御の実行中はそのAVRへの入力が遮断される。した
がって、電流偏差には電圧パターンの誤差のみが反映さ
れるため、電流偏差の評価に基づく電圧パターンの修正
分はACR動作の影響を受けず、電圧パターンの誤差分
のみを正しく補正することが可能となる。
【0016】これによれば、起動時等の繰返し制御期間
中はACRを不能にし、繰返し制御の終了後の通常運転
時はACRによる外乱などの抑止効果を持たせることが
でき、電磁石電源の高精度且つ安定な運転が可能にな
る。なお、ACR不能期間は、繰返し制御期間の一部に
限定することもできる。
【0017】本発明の粒子加速器の作用として、加速さ
れる粒子の閉軌道を形成する磁場は、目標に極めて近い
電流パターンによって所望の台形パターンが繰返し得ら
れるので、ビーム調整の負担を大幅に低減でき且つ、リ
ップルが小さく再現性の高い高品質の粒子ビームを提供
できる効果がある。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0019】図2は、本発明を適用する粒子加速器の全
体構成を示したものである。図示の加速器はシンクロト
ロンで、低エネルギーの粒子を入射し、加速するにつれ
て粒子の運動量に比例して磁場を増加させ、加速が完了
すると次段の加速器等へ出射する。シンクロトロンはこ
の一連の動作を、1〜数秒周期で繰り返している。
【0020】偏向電磁石1B、集束電磁石1Qf及び発
散電磁石1Qdは主電磁石と呼ばれ、閉軌道を構成する
磁場を生成する。これらの3種の電磁石は、電力変換器
により構成される電源2B、2Qf、2Qdによりそれ
ぞれ励磁される。各電源2は、変換器制御装置5B、5
Qf、5Qdによって点弧角制御やフィードバック制御
される。繰返し制御装置6B、6Qf、6Qdは、電流
偏差を取り込んで制御指令値である電圧パターンを決定
して、変換器制御装置5に与える。
【0021】図1は、本発明の第一の実施例による電磁
石電源制御装置の構成図である。電磁石電源制御装置
は、偏向電磁石1B、集束電磁石1Qf及び発散電磁石
1Qdの各々に対して同様の構成となるため、その一つ
(例えば偏向電磁石)を一般的に示したものである。
【0022】電磁石1は複数個が直列接続され、1台の
電源2によって励磁される。電源2は、サイリスタやG
TOのような変換器で構成される電圧源である。変換器
2の出力電圧vfは分圧器3で、出力電流ifはDCC
T4で実測され、変換器制御装置5へフィードバックさ
れる。変換器制御装置5には、変換器2から電磁石1へ
印加する電圧を制御するためにフィードバック制御を行
うAVR51を設け、その出力信号(EC指令)を自動
移送器(APPS)52により変換器2の点弧パルスに
変換する。
【0023】繰返し制御装置6には、電流パターンメモ
リ61と、電圧パターンメモリ62と、電流偏差入力手
段66、電流偏差パターンメモリ63、補正電圧パター
ン演算器62及び補正制御回路68からなる電圧パター
ン補正機能を具備している。
【0024】シンクロトロンの場合、励磁電流の電流パ
ターンIrは予め所定の時間波形が目標値として設定さ
れ、電流パターンメモリ61に格納されている。なお、
電流パターンメモリ61は、繰返し制御装置6以外のと
ころに設けてもよい。
【0025】電流パターンIrは台形を示し、電流値が
低い区間でシンクロトロンに低エネルギーの粒子を入射
し、粒子の加速につれて電流を大きくして電磁石の磁場
を増加させ、加速完了の電流値が最大となる期間にシン
クロトロンから粒子の出射を行う。
【0026】一方、電圧パターンVrはAVR51の指
令値であり、目標値の電流パターンIrを実現するため
に変換器2から電磁石1に印加される電圧波形である。
その初期値は、電流パターンIrと電源回路の負荷であ
る電磁石1やケーブルの抵抗RとインダクタンスLから
(数1)により計算し、電圧パターンメモリ62に設定
される。
【0027】
【数1】Vr=L(dIr/dt)+RIr 電流パターンIrと電圧パターンVrは、それぞれの出
力装置64及び65から変換器制御装置5に出力され
る。
【0028】電圧パターンVrは、電圧偏差演算器54
に入力され、電圧出力値vf(フィードバック値)との
電圧偏差veを算出する。AVR51この電圧偏差ve
に応じて、上記のフィードバック制御を行う。
【0029】このとき、電圧パターンVrが、電流パタ
ーンIrを実現するための適正な電圧パターンでなけれ
ば、電流パターンIrと実測電流ifとの電流偏差ie
が電流偏差演算器56より出力される。入力装置66は
電流偏差ieを取り込み、予め設定されているしきい値
iminと比較し、ie≧iminであれば、ieを電流偏差
パターンメモリ63に時系列に格納し、電流偏差パター
ンIeを作成する。電流偏差ieの収集期間T1は、補
正制御回路68から制御され、通常は電流パターンIr
の1周期相当分を取り込む。
【0030】電流偏差パターンIeの作成が終わると、
補正制御回路68は補正電圧パターン演算器62を起動
し、(数2)にしたがって補正電圧パターン△Vrを演
算する。期間T2は演算の介しから終了までの演算期間
であるが、演算期間にマージンを含んだ電流パターンI
rの1ないし複数周期相当期間が設定されてもよい。
【0031】
【数2】△Vr=KF(Ie) ここで、制御ゲインKは、電流偏差1(A)あたりの補
正電圧値(v)である。関数Fは、再現性ある電流偏差
データの抽出のために施す処理で、たとえば数周期分の
平均操作や低域ろ波処理などである。電源容量が2kA
程度の場合、実際にはK=0.01、F=1.0Ieの
ようなパラメータ処理が行われる。
【0032】補正制御回路68は、演算器62によって
演算された補正電圧パターン△Vrを、電圧パターンメ
モリ62の電圧パターンVrに加算し、電圧パターンV
rをT3の期間で更新する。この更新されたVrが、次
の繰返し制御周期に、出力装置65か出力され、電流偏
差ieがしきい値以下になるまで、上記した一連の制御
が繰返し行われる。なお、繰返し制御は、補正制御回路
68で繰返し数をカウントし、指定回数を越えたとき終
了するようにしてもよい。
【0033】図示のように、電圧パターンメモリ62及
び電流偏差パターンメモリ63は、共にダブルバッファ
構成されている。これによって、現在制御または収集に
利用しているそれぞれのバッファと、補正処理に利用す
るそれぞれのバッファを交互に切替る交替バッファ方式
を採用でき、連続した繰返し制御が可能になる。
【0034】図3に、一実施例による繰返し制御のタイ
ミングチャートを示す。繰返し制御においては、まず、
目標の電流パターンIrと初期設定した電圧パターンV
rに基づき、一周期から数周期の電源運転を実行し、電
流偏差パターンIeデータを得る。
【0035】図示にはその後の波形状態を示したもの
で、電流パターンIrは台形状の波形を1〜数秒(通常
約2秒)周期で繰返し与えられる。電圧パターンVr,
電流偏差パターンIeも同一周期で出力ないし生成され
る。
【0036】繰返し制御周期は、電流パターンの複数周
期を含み、T1の期間で電流パターンIeを生成し、T2
の期間で補正電圧パターン△Vrを生成し、T3の期間
で電圧パターンVrを補正するが、これらを含む電流パ
ターンの複数周期が設定されている。上記した交替バッ
ファ方式によれば、T1の期間とT2〜の期間は同時進行
が可能になり、繰返し制御周期はさらに短縮される。
【0037】上記の繰返し制御によって、電流偏差ie
が十分小さくなったところで繰返し制御を完了し、加速
器を本格運転させる。運転中は電流偏差ieを監視し、
所定以上となると再び繰返し制御を実行する。図示例
は、第3回繰返し制御で電流偏差ieがしきい値以下と
なって、繰返し制御を終了している。即ち、外乱などに
よって再び電流偏差ieが大きくなるまでは、電圧パタ
ーンの補正は行われず、加速器は通常の運転状態とな
る。
【0038】このような本実施例によれば、演算器56
の偏差出力ieは繰返し制御にのみ使用し、電流フィー
ドバック制御には使用しないので、いわゆるACR動作
は行わない。したがって、未完成な電圧パターンVrに
起因する電流偏差ieの影響が、ACR動作を介して繰
返し制御に現われることもない。即ち、電流偏差ieは
理想の電圧パターンと未完成の電圧パターンの誤差を忠
実に反映するので、電流偏差ieを0に近づける電圧パ
ターンの補正を繰返し行うことで、電流偏差を従来に比
べて大幅に低減でき、電磁石電源の高精度運転が可能に
なる。
【0039】この結果、電磁石は目標の電流パターンで
繰返し励磁され、加速器は高い再現性を有して粒子ビー
ムの品質が向上し、ビーム調整の負担も大幅に減少す
る。
【0040】次に、本発明の第二の実施例を説明する。
図4は、第二の実施例による電磁石電源制御装置の構成
図で、図1の構成にACR53と加算器55及びACR
53と加算器55間の接続をオン/オフするスイッチ回
路57を追加している。
【0041】ACR系の悪影響は、繰返し制御の電流偏
差の収集期間に現れる。したがって、この期間を回避す
れば、ACRは外乱(電力系統の擾乱や温度変化等)に
対してのフィードバック効果を持つので、具備している
方が望ましい。
【0042】そこで、スイッチ回路57により、繰返し
制御の全部または一部の期間、ACR53の出力信号V
iを遮断する。本例では、補正制御回路68は、電流偏
差ieの収集期間T1の間、スイッチ回路57をオフと
し、ACR53の出力信号ViがAVR51に入力され
ないようにしている。
【0043】これ以外の期間、すなわち補正電圧パター
ン演算器67による(数2)の処理期間T2および補正
電圧△Vrをもとの電圧パターンVrに加算する期間T
3においては、スイッチ回路57はオンとし、ACR5
3によって電流偏差ieが小となるようなフィードバッ
ク制御が行われる。
【0044】本実施例の方式によれば、電圧パターンV
rは繰返し制御を進めるにつれ、電流偏差ieが0とな
る理想の電圧パターンに限りなく近づき、電圧パターン
として完成した状態となる。その上、ACR系の働きに
より、外乱(電力系統や温度の変化等)に対してその影
響を抑止する効果がある。
【0045】なお、ACR53の出力信号Viの遮断期
間をT1としたが、繰返し制御が終了するまでの全期間
としてもよい。また、ACR53の出力信号Viの遮断
をスイッチ回路57のオン/オフ動作により実現した
が、遮断期間において、ACR53のゲインを0あるい
は充分小さくするなど種々の変形が可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明の電磁石電源の制御方式によれ
ば、電圧パターンを補正する繰返し制御にACR動作の
悪影響を受けることがないので、目標電流を実現するた
めの所望の電圧パターンを作成することが可能となり、
電磁石電源の高精度な運転が実現できる。
【0047】さらに、本発明の粒子加速器によれば、電
磁石電源の高精度な運転が実現できるるので、粒子ビー
ムの調整の負担が大幅に低減でき且つ粒子ビームの品質
(再現性やリップル)を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例による電磁石電源制御装
置の構成図。
【図2】本発明を適用する粒子加速器の概略構成図。
【図3】電磁石電源制御装置の繰返し制御動作を説明す
るタイミングチャート。
【図4】本発明の第二の実施例による電磁石電源制御装
置の構成図。
【符号の説明】
1…電磁石、2…電源(変換器)、3…分圧器、4…D
CCT、5…変換器制御装置、51…AVR、52…自
動移相器、53…ACR、54…電圧偏差演算器、55
…加算器、56…電流偏差演算器、57…スイッチ回
路、6…繰返し制御装置、61…電流パターンメモリ、
62…電圧パターンメモリ、63…電流偏差パターンメ
モリ、64,65…出力装置、66…入力装置、67…
補正電圧パターン演算器、68…補正制御回路。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定周期で電磁石を流れる電流波形の目
    標値を設定し、前記目標値を実現するように電磁石に印
    加する電圧波形を補正する電磁石電源の制御方法におい
    て、 前記電圧波形を指令値として自動電圧制御系(AVR)
    に与え、電磁石の実測電圧との電圧偏差に応じてフィー
    ドバック制御を行うと共に、前記目標値と前記電磁石に
    流れる実測電流との電流偏差が少なくなるように前記電
    圧波形を繰返し補正する繰返し制御を行うことを特徴と
    する電磁石電源の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記繰返し制御は、前記電流偏差を前記電流波形の少な
    くとも1周期分時系列に収集して電流偏差パターンを作
    成し、このパターンに基づいて前記電流偏差を0に近づ
    ける補正電圧パターンを作成し、この補正電圧パターン
    によって前記電圧波形を補正または更新することを特徴
    とする電磁石電源の制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記電流偏差パターンは、低域ろ波処理または複数周期
    の平均処理を加えて作成することを特徴とする電磁石電
    源の制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2または3において、 前記繰返し制御は、前記電流偏差が予め設定されている
    しきい値以下になるとき又は前記繰返し制御が所定回行
    われたときに終了することを特徴とする電磁石電源の制
    御方法。
  5. 【請求項5】 所定周期で電磁石を流れる電流波形の目
    標値を自動電流制御系(以下、ACR)に与えて、電磁
    石の実測電流との電流偏差に応じてフィードバック制御
    し、前記目標値を実現するために電磁石に印加する電圧
    波形の指令値と前記ACRの出力を自動電圧制御系(以
    下、AVR)に与えて、前記電磁石の実測電圧との電圧
    偏差に応じてフィードバック制御を行うことを特徴とす
    る電磁石電源の制御方法において、 前記電流偏差が予め設定されているしきい値より大きい
    とき、前記目標値を実現するように前記電磁石に印加す
    る電圧波形を繰返し補正する繰返し制御を行い、この繰
    返し制御の期間は、前記ACRから前記AVRへの出力
    を遮断することを特徴とする電磁石電源の制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記繰返し制御は、前記所定周期の整数倍の期間を1周
    期とし、前記電流偏差を前記電流波形の少なくとも1周
    期分収集して電流偏差パターンを作成する第1の期間
    と、このパターンに基づいて前記電流偏差を0に近づけ
    る補正電圧パターンを作成する第2の期間と、この補正
    電圧パターンによって前記電圧波形を補正または更新す
    る第3の期間を含むことを特徴とする電磁石電源の制御
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記ACRの出力を遮断は、前記第1の期間について行
    うことを特徴とする電磁石電源の制御方法。
  8. 【請求項8】 1または複数の電磁石と、予め設定され
    る電流波形の目標値に応じた電流を前記電磁石に供給す
    る変換器と、前記目標値を実現する電圧波形の指令値と
    前記電磁石に印加される実測電圧との電圧偏差に応じ
    て、前記変換器の点弧角をフィードバック制御する自動
    電圧制御手段(AVR)を備える電磁石電源の制御装置
    において、 前記目標値と前記電磁石に流れる実測電流との電流偏差
    が少なくなるように、前記電圧波形を繰返し補正する繰
    返し制御手段を備えることを特徴とする電磁石電源の制
    御装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記繰返し制御手段は、前記電流偏差を前記電流波形に
    相応する分だけ時系列に収集して電流偏差パターンを作
    成、記憶する電流偏差パターン管理手段と、この電流偏
    差パターンに基づいて前記電流偏差を0に近づける補正
    電圧パターンを作成する補正電圧パターン作成手段と、
    前記補正電圧パターンによって前記電圧波形を補正また
    は更新、記憶する電圧波形管理手段を備えることを特徴
    とする電磁石電源の制御装置。
  10. 【請求項10】 1または複数の電磁石と、予め設定さ
    れる電流波形の目標値に応じた電流を前記電磁石に供給
    する変換器と、前記目標値と前記電磁石に流れる実測電
    流との電流偏差に応じてフィードバック制御する自動電
    流制御手段(以下、ACR)と、前記目標値を実現する
    ために前記電磁石に印加する電圧波形の指令値及び前記
    ACRの出力と前記電磁石の実測電圧との電圧偏差に応
    じて、前記変換器の点弧角をフィードバック制御する自
    動電圧制御手段(以下、AVR)を備える電磁石電源の
    制御装置において、 前記目標値を実現するように前記電圧波形を補正処理す
    る補正手段と、この補正手段の実行期間には、前記AC
    Rから前記AVRへの出力を遮断する遮断指令を出力す
    る切替指示手段と、前記電流偏差がしきい値より大きい
    とき前記補正処理を行う判定手段と、を含む繰返し制御
    手段を備えることを特徴とする電磁石電源の制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 前記補正手段は、前記電流偏差を前記電流波形に相応す
    る分だけ時系列に収集して電流偏差パターンを作成、記
    憶する電流偏差パターン管理手段と、この電流偏差パタ
    ーンに基づいて前記電流偏差を0に近づける補正電圧パ
    ターンを作成する補正電圧パターン作成手段と、最初は
    初期設定される前記電圧波形を前記補正電圧パターンに
    よって補正または更新、記憶する電圧波形管理手段を備
    え、 前記切替指示手段は、前記電流偏差パターンの作成、前
    記補正電圧パターンの作成及び前記電圧波形の補正また
    は更新を切替制御すると共に、前記電流偏差パターンの
    作成期間は前記遮断指令をオン出力することを特徴とす
    る電磁石電源の制御装置。
  12. 【請求項12】 請求項9または11において、 前記電流偏差パターン管理手段および/または前記電圧
    波形管理手段は、交替バッファを具備して構成されるこ
    とを特徴とする電磁石電源の制御装置。
  13. 【請求項13】 粒子の閉軌道を構成する磁場を発生す
    る複数の電磁石と、点弧角制御される変換器から前記電
    磁石に電圧を印加し、前記磁場を発生させるための電流
    を供給する電磁石電源と、前記磁場を所定のパターンで
    発生させるために前記変換器の点弧角を制御する電源制
    御装置を備え、低エネルギーで入射した粒子を次第に磁
    場を増加して加速し、高エネルギーの粒子として出射す
    る周期運転を行う粒子加速器において、 前記電源制御装置は、前記所定のパターンで磁場を与え
    るための台形状の電流波形を予め目標値として設定する
    電流波形記憶手段と、前記目標値を実現する電圧波形の
    指令値と前記電磁石に印加される実測電圧との電圧偏差
    に応じて、前記変換器の点弧角をフィードバック制御す
    る自動電圧制御手段(以下、AVR)と、前記周期運転
    の起動時または前記目標値と前記電磁石に流れる実測電
    流との電流偏差がしきい値以上のときに、前記電流偏差
    を低減するように前記電圧波形を補正する繰返し制御手
    段を備えることを特徴とする粒子加速器。
  14. 【請求項14】 請求項13において、 前記電源制御装置は、前記電流偏差に応じてフィードバ
    ック制御する自動電流制御手段(以下、ACR)と、こ
    のACRの出力部と前記AVRの入力部間を前記繰返し
    制御手段の実行期間中は遮断するスイッチ装置を設けた
    ことを特徴とする粒子加速器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002043095A (ja) * 2000-03-27 2002-02-08 Applied Materials Inc 線形加速装置用コントローラ
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CN110856336A (zh) * 2019-11-27 2020-02-28 中国原子能科学研究院 回旋加速器磁铁电源实时调整设备与方法
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