JPH0881480A - カルボニル化合物および二価フェノール類の反応生成物 - Google Patents

カルボニル化合物および二価フェノール類の反応生成物

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JPH0881480A
JPH0881480A JP22671195A JP22671195A JPH0881480A JP H0881480 A JPH0881480 A JP H0881480A JP 22671195 A JP22671195 A JP 22671195A JP 22671195 A JP22671195 A JP 22671195A JP H0881480 A JPH0881480 A JP H0881480A
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aryl
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JP22671195A
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David P Flores
デイヴィッド・ピー・フローレス
Thoi H Ho
トーイ・エイチ・ホー
John O Osby
ジョン・オー・オズビー
Juergen Eiffler
ユルゲン・アイフラー
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Dow Chemical Co
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Dow Chemical Co
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/04Aromatic polycarbonates
    • C08G64/06Aromatic polycarbonates not containing aliphatic unsaturation
    • C08G64/08Aromatic polycarbonates not containing aliphatic unsaturation containing atoms other than carbon, hydrogen or oxygen
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/68Polyesters containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen
    • C08G63/692Polyesters containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen containing phosphorus
    • C08G63/6924Polyesters containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen containing phosphorus derived from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/6926Dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 少なくとも(1)カルボニルジハライ
ド、ジエステルまたは酸無水物、(2)二価フェノー
ル、および(3)一般式IIのホスフィン 【化1】 (式中、R2 はアルキル、シクロアルキル、アリールも
しくはアリール−アルキル基、または芳香環において、
1個以上のハロゲン、アルキルおよび/またはアルコキ
シ基で置換されるアリール基を表わし、R3 はアルキ
ル、シクロアルキル、アリールもしくはアリール−アル
キル基、または芳香環において、1個以上のヒドロキ
シ、ハロゲン、アルキルおよび/またはアルコキシ基で
置換されるアリール基を表わし、かつR4 はアルキレ
ン、シクロアルキレン、アリーレンもしくはアリール−
アルキレン基、または芳香環において、1個以上のハロ
ゲン、アルキルおよび/またはアルコキシ基で置換され
るアリーレン基を表わす)の反応生成物。 【効果】 この反応生成物は熱可塑性ポリマーの熱安定
性を高めるのに有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はカルボニル化合物
および二価フェノール類の末端封鎖反応生成物ならびに
該生成物の調製法に関する。とくには、この発明は、
(1)カルボニルジハライド、ジエステルまたは酸無水
物、および(2)二価フェノールの末端封鎖反応生成物
に関する。
【0002】一般に、ポリカーボネートのような公知の
熱可塑性ポリマーの大部分が熱にさらすと、ある程度影
響を受けるということは業界では公知のことである。ポ
リマーの劣化はポリマーの黄変やモル質量の低下をもた
らすことが多い。
【0003】
【従来の技術】熱可塑性ポリマーの熱安定性を高めるた
めに、該ポリマーに配合することができる種々の安定剤
が提案されている。
【0004】酸化分解、熱分解および化学線分解に対し
て、ポリカーボネートを安定化させるために、ある種の
有機ホスフィット、ホスホナイト、またはホスフィンを
用いるが、場合によっては、エポキシドまたはポリジア
ルキルシロキサンと組合せて使用することが提案されて
いる。
【0005】たとえば、米国特許第4,092,288
号は、0.005ないし0.5重量パーセントのトリア
リール、トリアルキル、トリ(アルキルアリール)また
はアルキル−アリールホスフィン、好ましくはトリフェ
ニルホスフィンを添加した芳香族ポリカーボネート樹脂
より成る色安定性のあるポリカーボネート組成物を開示
している。
【0006】米国特許第4,627,949号は、揮発
を生じさせない射出成形または押出法によって、ホスフ
ィンで安定化させたポリカーボネートから造形品をつく
る方法を開示している。該ホスフィンは式(R)2 PR
1 (式中、Rは無置換または置換C6 −C14アリール基
で、R1 はRに等しいか、または無置換または置換C1
−C18アルキル基である)を有する。
【0007】米国特許第4,835,202号は、酸化
分解、熱分解および化学線分解に対して、種々のポリマ
ーを安定化させるために、ある種の(ヒドロキシフェニ
ル)ホスフィン誘導体の使用を開示している。該(ヒド
ロキシフェニル)ホスフィン誘導体は、0.01ないし
5重量パーセントの量でポリマーに配合する。
【0008】残念なことに、提示された安定剤は、押出
しつつあるポリカーボネートに加えられる高温において
は揮発性がある。
【0009】別の方法として、熱可塑性ポリマーの熱安
定性を高めるために、ポリマー鎖を変性することが提案
されている。
【0010】米国特許第4,444,978号は、式H
−〔O−R−O−P(OR1 )〕n−O−R−OHを有
するオリゴマーをポリマー鎖に組込むことによって、す
ぐれた熱安定性を有するカーボネートポリマーの調製法
を開示している。Rは二価単核フェノールまたは二価多
核フェノールの二価の残基、R1 は炭素が1ないし25
個のアルキル、アラールキルまたはアルカリール基、n
は平均値が1ないし200の数である。10ないし20
0ppm 、好ましくは100ないし1,000ppm のオリ
ゴマーをコポリマーと共重合させる。
【0011】米国特許第4,474,937号は、リン
変性ポリエステルカーボネート樹脂を開示している。ポ
リマー内の繰返し単位はホスホナイト、ホスフィット、
ホスホネートまたはホスフェート種であることができ
る。ポリマー中に存在するリンの量は、ポリマーの重量
に対して1ないし1,000ppm 、好ましくは1ないし
100ppm である。該樹脂は、無変性ポリエステルカー
ボネートに比べてすぐれた熱−酸化安定性を示す。
【0012】米国特許第4,145,525号は、熱安
定性のすぐれた末端封鎖ポリアルキレンカーボネートを
開示している。遊離水酸基の少なくとも1部はヒドロキ
シル反応性リン化合物と反応し、それによって水酸基の
活性水素が、酸素−リン結合で置換される。残念なこと
に、酸素−リン結合は酸によって容易に加水分解されう
る。したがって、末端封鎖基は酸が存在すると、比較的
不安定になる。残念なことに、ポリカーボネートを洗浄
後押出すと、微量の酸が存在することが多い。
【0013】熱可塑性ポリマーの絶えず高まる品質要求
をかなえるためには、熱可塑性ポリマーの熱安定性を高
める新規方法を提供することが依然として望ましい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この発明の1つの目的
は熱可塑性ポリマーの熱安定性を高める新規の方法を提
供することにある。この発明の好ましい目的は、米国特
許第4,092,288号および同第4,627,94
9号に開示されているような高温で揮発性があるホスフ
ィンまたはホスファンの助けを借りずに熱可塑性ポリマ
ーの熱安定性を高めることにある。この発明の別の好ま
しい目的は、ポリマー鎖中に、米国特許第4,145,
525号に開示されている酸素−リン結合を含む基のよ
うな、容易に加水分解されうる基を導入せずに、熱可塑
性ポリマーの熱安定性を高めることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の1つの態様
は、少なくとも(1)カルボニルジハライド、ジエステ
ルまたは酸無水物、(2)二価フェノール、および
(3)一般式IIのホスフィン
【化5】 (式中、R2 はアルキル、シクロアルキル、アリール、
もしくはアリール−アルキル基または芳香環において、
1個以上のハロゲン、アルキルおよび/もしくはアルコ
キシ基で置換されるアリール基を表わし、R3 は、アル
キル、シクロアルキル、アリールもしくはアリール−ア
ルキル基または芳香環において、1個以上のヒドロキ
シ、ハロゲン、アルキルおよび/もしくはアルコキシ基
で置換されるアリール基を表わし、かつR4 はアルキレ
ン、シクロアルキレン、アリーレンもしくはアリール−
アルキレン基または芳香環において、1個以上のハロゲ
ン、アルキルおよび/もしくはアルコキシ基で置換され
るアリーレン基を表わす)の反応生成物である。
【0016】この発明の別の態様は、少なくとも(1)
カルボニルジハライド、ジエステルまたは酸無水物、
(2)二価フェノール、および(3)一般式IIのホスフ
ィン
【化6】 を反応させることにより、1個以上の基
【化7】 で末端封鎖される生成物の調製法である。
【0017】この発明のさらに別の態様は、熱可塑性ポ
リマーの熱安定性を高めるための、この発明の反応生成
物の使用である。
【0018】この発明のさらに別の態様は、熱可塑性ポ
リマーの熱安定性を高める方法で、該方法が熱可塑性ポ
リマーと効果的な量のこの発明の反応生成物と接触させ
ることを特徴とする方法である。
【0019】この発明のさらに別の態様は、ポリカーボ
ネートのような1種以上の熱可塑性ポリマーおよびこの
発明の反応生成物を含むポリマー組成物である。該ポリ
マー組成物は、種々の形態、たとえば、粒状もしくはペ
レット状または成形物品の形態をとることができる。
【0020】この発明は、少なくとも(1)カルボニル
ジハライド、ジエステルまたは酸無水物、(2)二価フ
ェノール (3)一般式IIのホスフィン
【化8】 (4)場合により、リン原子を含まない一価フェノー
ル、および(5)場合により、分枝剤の反応生成物を提
供する。
【0021】カルボニルジハライド、ジエステルまたは
酸無水物(1)と二価フェノール(2)とのモル比は、
概して、少なくとも0.1:1が好ましく、少なくとも
0.5:1がさらに好ましく、少なくとも1:1がもっ
とも好ましい。カルボニルジハライド、ジエステルまた
は酸無水物(1)と二価フェノール(2)とのモル比
は、概して、最高2:1が好ましく、最高1.3:1が
さらに好ましく、最高1.1:1がもっとも好ましい。
【0022】二価フェノール(2)と式IIのホスフィン
とのモル比は、概して、少なくとも1:1が好ましく、
少なくとも3:1がより好ましく、少なくとも5:1が
もっとも好ましい。二価フェノール(2)と式IIのホス
フィンとのモル比は、概して、最高5,000:1が好
ましく、最高2,000:1がより好ましく、最高1,
000:1がもっとも好ましく、最高100:1がとく
に好ましい。
【0023】二価フェノール(2)とリン原子を含まな
い一価フェノール(4)とのモル比は、概して、少なく
とも1:1が好ましく、少なくとも5:1がより好まし
く、少なくとも10:1がもっとも好ましい。二価フェ
ノール(2)と前記一価フェノール(4)とのモル比
は、概して、最高1,000:1が好ましく、最高10
0:1がより好ましく、最高50:1がもっとも好まし
い。
【0024】前述のように、リン原子を含まない一価フ
ェノール(4)は、この発明の反応生成物中に任意に用
いられるだけである。リン原子を含まない一価フェノー
ル(4)と式IIのホスフィンとのモル比があるとすれ
ば、概して、0.01ないし100:1が好ましく、
0.1ないし10:1がさらに好ましい。
【0025】この発明の反応生成物が分枝剤を含むとす
れば、反応生成物の重量に対して、0.01ないし3パ
ーセントの分枝剤を含むのが好ましく、0.05ないし
2パーセントの分枝剤を含むのがさらに好ましい。
【0026】有用なカーボンジハライド、ジエステルお
よび酸無水物は、たとえば、式X−C(O)−アリーレ
ン−C(O)−X(III) またはX−C(O)−アルキレ
ン−C(O)−X(IV)の化合物である。好ましいカー
ボンジハライドはカーボンジクロリド類である。
【0027】式III およびIVにおいて、Xはハロゲン、
好ましくは塩素または臭素、ヒドロキシまたはアルコキ
シ、好ましくはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、
i−プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシもし
くはtert−ブトキシのような1ないし6個の炭素原
子を含有するアルコキシ基であるか、または両方のXが
結合して酸無水物基になる。
【0028】式III のアリーレン基は、場合により、芳
香環において、1個以上のハロゲン、好ましくは塩素、
臭素もしくはフッ素、ヒドロキシ、オキシアルキルおよ
び/またはアルコキシ基、−C(O)−〔O−R4 −P
−(R2 )(R3 )〕またはアルキル、シクロアルキ
ル、もしくはアリールのような一価の炭化水素基で置換
される。アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピ
ル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチルもしく
はtert−ブチルまたはペンチルもしくはヘキシル基
のように、1ないし6個の炭素原子を含有するのが好ま
しく、1ないし4個の炭素原子を含有するのがさらに好
ましい。好ましいシクロアルキル基はシクロペンチルま
たはシクロヘキシルのように5ないし6個の炭素原子を
含有する。好ましいアリール基は、フェニル、トリル、
またはキシリルのように6ないし8個の炭素原子を含有
する。アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、n−プロ
ポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブト
キシ、またはtert−ブトキシ基のように1ないし6
個の炭素原子を含有するのが好ましく、1ないし4個の
炭素原子を含有するのがさらに好ましい。
【0029】式III 中のアリーレン基は、場合により、
芳香環において前記の1個以上の基で置換されるフェニ
レン基が好ましく、1個以上のハロゲン、アルキル、シ
クロアルキルおよび/またはアルコキシ基で置換される
フェニレン基がさらに好ましい。式III 中の2個のカル
ボニル基は、場合により置換されるフェニレン基に対し
てパラの位置に結合されるのが好ましい。
【0030】式IV中のアルキレン基は、場合により、1
個以上のハロゲン、好ましくは塩素、臭素もしくはフッ
素;ヒドロキシ、オキシアルキルおよび/もしくはアル
コキシ基、−C(O)−〔O−R4 −P−(R2 )(R
3 )〕またはアルキル、シクロアルキルもしくはアリー
ルのような一価の炭化水素基で置換される。好ましいア
ルコキシ、アルキル、シクロアルキル、またはアリール
基は式III に関連してさきに述べたものである。
【0031】式IV中のアルキレン基は無置換または1個
以上のアルキルおよび/もしくはアルコキシ基で置換さ
れるのが好ましい。もっとも好ましいアルキル基はメチ
ル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルであっ
て、イソプロピルがもっとも好ましい。これらのアルキ
ル基はアルキレン基に分枝をもたらす。アルキレン基は
炭素原子を1ないし50個含むのが好ましく、3ないし
30個含むのがより好ましく、4ないし25個含むのが
もっとも好ましい。アルキレン基は直鎖状で無置換がも
っとも好ましい。
【0032】もっとも好ましいカーボンジクロリド類は
ホスゲンまたはテレフタル酸ジクロリドである。
【0033】この発明の実施に用いられる二価フェノー
ルは唯一の反応基が2個のフェノール性水酸基である二
価フェノールである。有用な二価フェノールは、たとえ
ば一般式 HO−Z−OH (式中、Zは炭素原子が6ないし30個の単核または多
核芳香族基を含み、該基に酸素原子が直接結合してい
る)のものである、芳香族基は1個以上のヘテロ原子を
含むことができ、かつ1個以上の基、たとえば1個以上
のハロゲン、1個以上のアルキル、シクロアルキルまた
はアリール基のような1個以上の一価の炭化水素基、な
らびに/または1個以上のアルコキシおよび/もしくは
アリールオキシ基で置換することができる。
【0034】Zの好ましい意味は式V
【化9】 (式中、Bは単結合、炭素原子を1ないし15個、好ま
しくは1ないし6個含有する二価の炭化水素基、もっと
も好ましくは−(CH32 C−,−S−,−S−S
−,−S(O)−,−S(O2 )−,−O−または−C
(O)−であり、かつX1 ,X2 ,X3 およびX4 は、
別個に、水素;ハロゲン、好ましくは、塩素、臭素もし
くはヨウ素;アルキル、シクロアルキルもしくはアリー
ルのような一価の炭化水素基;アルコキシまたはアリー
ルオキシである)の基である。
【0035】アルキル基はメチル、エチル、n−プロピ
ル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチルもしく
は、tert−ブチルまたはペンチルもしくはヘキシル
基のように、好ましくは1ないし6個、より好ましくは
1ないし4個の炭素原子を含有する。好ましいシクロア
ルキル基はシクロペンチルまたはシクロヘキシルのよう
に5ないし6個の炭素原子を含有する。好ましいアリー
ルおよびアリールオキシ基は、フェニル、フェニルオキ
シ、トリルまたはキシリルのように6ないし8個の炭素
原子を含有する。好ましいアルコキシ基はメトキシ、エ
トキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキ
シ、sec−ブトキシ、またはtert−ブトキシ基の
ように1ないし6個の炭素原子を含有し、1ないし4個
の炭素原子を含有するのがさらに好ましい。
【0036】二価フェノールHO−Z−OH中の両方の
フェノール性水酸基は、式Vの基の中の基Bに対してパ
ラ位にあるのが好ましい。
【0037】一般式HO−Z−OHの二価フェノールの
好ましい例は9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンのようなビス(ヒドロキシフェニル)フ
ルオレン類、ヒドロキノン、レゾルシノール、1,4−
ジヒドロキシ−2−クロロベンゼン、1,4−ジヒドロ
キシ−2−ブロモベンゼン、1,4−ジヒドロキシ−
2,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジヒドロキシ−2
−メチルベンゼン、1,4−ジヒドロキシ−2,3−ジ
メチルベンゼンおよび1,4−ジヒドロキシ−2−ブロ
モ−3−プロピルベンゼンのようなジヒドロキシベンゼ
ン類ならびにハロ−およびアルキル置換ジヒドロキシベ
ンゼン類;4,4′−ジヒドロキシジフェニル、3,
3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニル、
3,3′−ジエチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルまたは3,3′,5,5′−テトラブロモ−4,
4′−ジヒドロキシジフェニルのようなジヒドロキシビ
フェニレン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(3−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(3−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)デカン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)ノナン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2−ビス(3,5−イロプロピル−4
−ヒドロキシフェニル)ノナン、2,2−ビス(3−エ
チル−4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、3,3−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1
−フェニル−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(フェニル置換ビスフェノールA)または、も
っとも好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(ビスフェノールA)のようなビス(ヒ
ドロキシフェニル)アルカン類;1,1−ビス−(4−
ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカ
ン、または1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンのようなビス
(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類;ビス(3−
クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(3−エチル−4−ヒドロ
キシフェニル)エーテル、ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)エーテルまたはビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エーテルのようなビス(ヒドロキシフェニ
ル)エーテル類;ビス(3,5−ジイソプロピル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メ
チル−5−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン
もしくはビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホンまたはビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホンのようなビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド
類、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン類、ビス(ヒド
ロキシフェニル)スルホン類;ビス(3,5−ジイソプ
ロピル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
キシド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホキシド、ビス(3−メチル−5−エチル−
4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドまたはビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドのようなビ
ス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド類;ならびにア
ルファ、アルファ−ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソ
プロピルベンゼン類である。
【0038】適当な二価フェノールの他の例は米国特許
第4,627,949号の第2欄,第68行、第3欄,
第1〜22行、米国特許第4,962,144号の第2
欄,第17〜46行、ならびに欧州特許出願EP−A−
O 423 562の第2頁,第24〜55行および第
3頁,第1〜19行に挙げてある。2種以上の二価フェ
ノールの混合物、たとえば3ないし97重量パーセント
のビスフェノールAと97ないし3重量パーセントの、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレノ
ンのような他の二価フェノールとの混合物を使用するこ
ともできる。
【0039】もっとも好ましい二価フェノールはビスフ
ェノールAである。
【0040】式IIのホスフィンにおいて、R2 はアルキ
ル、シクロアルキル、アリールもしくはアリール−アル
キル基または芳香環において、1個以上のハロゲン、ア
ルキルおよび/またはアルコキシ基で置換されるアリー
ル基を表わし、R3 はアルキル、シクロアルキル、アリ
ールもしくはアリール−アルキル基または芳香環におい
て、1個以上のヒドロキシ、ハロゲン、アルキルおよび
/またはアルコキシ基で置換されるアリール基を表わ
し、かつR4 はアルキレン、シクロアルキレン、アリー
レンもしくはアリール−アルキレン基または芳香環にお
いて、1個以上のハロゲン、1個以上のアルキル基およ
び/または1個以上のアルコキシ基で置換されるアリー
レン基を表わす。
【0041】基R2 およびR3 は同一かまたは異なるこ
とができる。
【0042】アルキル基およびアルキレン基の中では、
炭素原子が1ないし18個を有するものが好ましく1な
いし12個を有するものがさらに好ましい。アルキルお
よびアルキレン基は直鎖または分枝鎖であることができ
る。もっとも好ましいアルキル基はメチル、エチル、n
−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチ
ルもしくはtert−ブチルまたはペンチル、ヘキシ
ル、オクチル、ノニル、デシルもしくはオクタデシル基
である。もっとも好ましいアルキレン基は、メチレン、
エチレン、n−プロピレン、i−プロピレン、n−ブチ
レン、sec−ブチレンもしくはtert−ブチレンま
たはペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、ノニレン、
デシレンもしくはオクタデシレン基である。
【0043】シクロアルキルおよびシクロアルキレン基
の中では、シクロペンチルまたはシクロヘキシル、シク
ロペンチレンまたはシクロヘキシレンのように炭素原子
を5または6個有するものが好ましい。
【0044】アリールおよびアリーレン基の中では、フ
ェニルまたはナフチル、フェニレンまたはナフチレンの
ように炭素原子を6ないし14個有するものが好まし
い。アリールおよび/またはアリーレン基は1個以上の
前記のアルキル基および/または1個以上のハロゲン、
たとえばフルオロ、クロロもしくはブロモ、および/ま
たは1個以上のアルコキシ基で置換させることができ
る。アルコキシ基がもしあれば、メトキシ、エトキシ、
n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、se
c−ブトキシまたはtert−ブトキシ基のように1な
いし6個の炭素原子を含有するのが好ましい。アリール
および/またはアリーレン基が、置換されるとすれば、
1,2または3個の置換基で置換されるのが好ましい。
【0045】アリール−アルキル基においては、前記の
アルキル基が好ましく、アリール基はフェニルが好まし
い。好ましいアリール−アルキル基はベンジル、フェニ
ルブチル、トリルまたはキシリルである。
【0046】アリール−アルキレン基においては、前記
のアルキレン基が好ましく、アリール基はフェニルが好
ましい。好ましいアリール−アルキレン基はベンジレ
ン、フェニルブチレン、トリレンまたはキシリレンであ
る。
【0047】R4 がシクロヘキシルであれば、リンおよ
び酸素はシクロヘキシル基に対して1,4位に結合され
るのが好ましい。R4 が任意に置換されたフェニレン基
であれば、リンおよび酸素はフェニレン基に対してパラ
位にあるのが好ましい。
【0048】R2 およびR3 はアリール基が好ましく、
フェニル基がもっとも好ましく、またR4 はアリーレン
基が好ましく、フェニレン基がもっとも好ましい。アリ
ール/および/またはアリーレン基は6ないし14個の
炭素原子を有するのが好ましい。該基は芳香環におい
て、1個以上のハロゲン、たとえばブロモもしくはクロ
ロ、1個以上のアルキル基;たとえば前記のC1-6 アル
キル基および/または1個以上のアルコキシ基、たとえ
ばメトキシ、エトキシ、プロポキシおよび/またはブト
キシ基で置換されるかまたは無置換が好ましい。もしく
は、R3 は芳香環において水酸基で置換されるアリール
基であることができる。しかし、アリール基の置換基と
しては、水酸基よりもハロゲン、アルキル基およびアル
コキシ基の方が有用である。式IIのもっとも好ましいホ
スフィンはヒドロキシフェニルジフェニルホスフィン、
とくに4−ヒドロキシフェニルジフェニルホスフィンで
ある。
【0049】式IIの化合物およびその調製法は、たとえ
ば米国特許第4,835,202号および該特許中に引
用される参考資料によって、業界では公知である。
【0050】また、リン原子を含まない一価フェノール
をこの発明の反応生成物中に包含させることもできる。
一価フェノールは連鎖停止剤として、または生成物の分
子量を調節するために使用することができる。適当な一
価フェノール類はたとえば、フェノール;4−メチルフ
ェノール、3−エチルフェノール、5−プロピルフェノ
ール、4−イソプロピルフェノール、5−ブチルフェノ
ール、3−イソブチルフェノール、4−tert−ブチ
ルフェノールもしくは4−ペンチルフェノールのような
低級アルキルフェノール;4−フェニルフェノールもし
くは5−フェニルフェノールのようなアリールフェノー
ル類;4−シクロヘキシルフェノールもしくは3−シク
ロヘキシルフェノールのようなシクロ脂肪族フェノール
類;または2,2−(4−ヒドロキシフェニル−4−メ
トキシフェニル)プロパンもしくは3−ヒドロキシフェ
ニルエタンのようなモノフェノールアルカンである。も
っとも好ましい一価フェノールはtert−ブチルフェ
ノールで、4−tert−ブチルフェノールがとくにも
っとも好ましい。他の好ましい連鎖停止剤およびその有
効量は欧州特許出願EP−A−O 423 562の第
4頁,第5〜21行に開示されている。
【0051】分枝剤もこの発明の反応生成物中に包含さ
せることができる。適当な分枝剤は、たとえば米国特許
第3,544,514号および同第4,680,370
号ならびに公表欧州特許出願EP−A−O 423 5
62の第3頁第43行から第4頁第2行に記載されてい
る。有用な分枝剤は、3個以上の官能基、好ましくは3
個以上のフェノール性水酸基を含む官能基を有してい
る。好ましい分枝剤は1,3,5−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタンまたは2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロ
パンである。他の好ましい分枝剤はトリ(p−ヒドロキ
シフェニル)ホスフィン類、トリ−(p−ヒドロキシフ
ェニル)ホスフィンオキシド類、トリ−(p−ヒドロキ
シフェニル)ホスフィット類、トリ−(p−ヒドロキシ
フェニル)ホスフェート類(米国特許第4,680,3
70号に記載)、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、シア
ヌル酸塩化物、3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−
メチル−フェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロイ
ンドール、トリメリン酸およびトリメシン酸または酸塩
化物である。
【0052】この発明の好ましい反応生成物は一般式I
【化10】 (式中、Yはヒドロキシ、
【化11】 またはリン原子を含まない一価フェノールの残基であ
り、R2 ,R3 およびR4 は前記と同じ意味を有し、か
つ、Aは−C(O)−〔−O−Z−O−C(O)〕m
−,−C(O)−アリーレン−C(O)−〔−O−Z−
O−C(O)−アリーレン−C(O)〕m −または−C
(O)−アルキレン−C(O)−〔−O−Z−O−C
(O)−アルキレン−C(O)〕m − {式中、Zは炭素原子が6ないし30個の単核または多
核芳香族基で、該基に酸素原子が直接結合されており、
アリーレン基はそれぞれ別個に、芳香環において、場合
により、1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、オキシアル
キルおよび/もしくはアルコキシ基、C(O)−〔O−
4 −P−(R2 )(R3 )〕または一価炭化水素基で
置換され、またアルキレン基はそれぞれ別個に、場合に
より1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、オキシアルキ
ル、および/もしくはアルコキシ基、C(O)−〔O−
4 −P−(R2 )(R3 )〕または一価炭化水素基で
置換され、かつmは平均して少なくとも0.5である}
である)を有する。
【0053】好ましい基Zならびに場合により置換され
るアリーレンおよびアルキレン基は式V,III およびIV
に関連して定められるものである。
【0054】mは平均して1ないし75が好ましく、2
ないし60がより好ましく、5ないし30がもっとも好
ましい。
【0055】この発明の反応生成物は、数平均分子量が
500ないし100,000が好ましく、1,000な
いし50,000がより好ましく、5,000ないし3
5,000がもっとも好ましい。
【0056】この発明の生成物は、分子量によって、そ
のままで熱可塑性ポリマーとして用いるか、もしくは、
場合により、後記の1種以上の他のポリマーと混合する
ことができ、または熱可塑性ポリマーへの低分子量添加
剤として使用することができる。この発明の生成物は、
基〔O−R4 −P−(R2 )(R3 )〕で末端封鎖また
は停止されていない対応生成物に比して、すぐれた熱安
定性を示す。
【0057】この発明の反応生成物は、米国特許第4,
092,288号および同第4,627,949号に開
示されたホスフィン類およびホスファン類よりも高温に
おいてかなり低揮発性であることが認められた。とく
に、この発明の反応生成物は通常ポリカーボネートの処
理中に保たれる温度、すなわち、約200℃を上回る温
度において低揮発性である。この低揮発性により、空気
中の該化合物の濃度をある程度以下に保つために換気の
ようなあまり強力な設備は不必要である。
【0058】下記の基
【化12】 で停止または末端封鎖されるこの発明の生成物は、少な
くとも(1)カルボニルジクロリド、ジエステルまたは
酸無水物、(2)二価フェノール、(3)一般式IIのホ
スフィン
【化13】 (4)場合により、リン原子を含まない一価フェノー
ル、および(5)場合により、分枝剤を反応させること
により生成する。
【0059】反応物(1)ないし(5)ならびに相互の
好ましいモル比および重量比はさきに示してある。
【0060】反応に使用する特定出発物質によって、副
生物として酸を生じることがある。たとえば、式III お
よびIVの中のXが塩素である場合には、HClを生成す
る。このような場合には、酸を中和するために、反応混
合物に塩基を加えることが好ましい。式III またはIVの
化合物中の塩素原子1モル当り塩基原子団のモル数は少
なくとも1が好ましく、1.5ないし2がより好まし
い。好ましい塩基の種類は主として、反応に使用する希
釈剤の種類による。
【0061】反応温度は、反応希釈剤によって異なり、
20℃ないし100℃が好ましく、20℃ないし70℃
がより好ましく、25℃ないし75℃がもっとも好まし
い。反応はほぼ外界圧力下で行うのが好ましい。
【0062】反応は、反応希釈剤の種類によって、a)
二相法として、またはb)均質溶液中で行うことができ
る。
【0063】二相反応を行う場合には、反応希釈剤は水
相および有機相を含む。水相と有機相との容積比は1:
2ないし2:1が好ましく、1:1.5ないし1.5:
1がより好ましく、1:1がもっとも好ましい。界面は
0.1m2 /lないし50m2 /lが好ましい。反応希
釈剤は水および1種以上の水に不混和の溶剤、とくに1
種以上の塩素化溶剤が好ましい。塩素化溶剤はクロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン、塩化エチレンまたは塩化メ
チレンが好ましく、塩化メチレンがもっとも好ましい。
もっとも有用な塩基はアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の水酸化物、たとえばNaOH,KOH,CsO
H,Ca(OH)2 ,Mg(OH)2 またはCaOのよ
うに水に接すると、水酸化物を生成する対応酸化物であ
る。反応にホスゲンを用いる場合には二相法がとくに適
している。
【0064】反応にホスゲンを用いる場合には、とりわ
け触媒の使用が有利となろう。このような触媒は、たと
えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル
アニリン、ジエチルアニリン、ジメチルシクロヘキシル
アミンもしくはピリジンのような第三級または第四級有
機塩基;またはトリエチルオクタデシルアンモニウムク
ロリド、トリメチルベンジルアンモニウムフルオリド、
トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、ジメチルド
デシルアンモニウムクロリド、ジメチルベンジルフェニ
ルアンモニウムクロリド、トリメチルシクロヘキシルア
ンモニウムブロミド、またはN−メチルピリドニウムク
ロリドのような対応ヒドロハライド類;もしくはテトラ
メチルアンモニウムヒドロキシドである。
【0065】均質溶液中で反応を行わせる場合には、一
般に、反応物に対して不活性であり、好ましくは極性で
ある1種以上の有機溶剤を使用する。好ましい有機溶剤
は、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、塩化エチレン
もしくは塩化メチレン(もっとも好ましい)のような塩
素化溶剤;ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
メトキシエタンもしくはジオキサン(もっとも好まし
い)のようなエーテル類;ジメチルホルムアミドもしく
はジメチルアセトアミドのようなホルムアミド類;酢酸
エステルのようなエステル類;またはアセトンのような
ケトン類である。塩素化溶剤および/またはエーテル類
を用いるのがもっとも好ましい。好ましい塩基はアミン
類、より好ましくはトリメチルアミンもしくはトリエチ
ルアミンのような第三級脂肪族アミン類、またはピリジ
ンのような芳香族アミン類である。
【0066】前述のように、この発明の生成物をそのま
まで熱安定性のすぐれた熱可塑性ポリマーとして用いる
か、場合によっては後記の1種以上の他の熱可塑性ポリ
マーと混合することができる。反応生成物の数平均分子
量が5,000ないし100,000の場合にはこの使
用法が好ましく、7,000ないし50,000の場合
にはこの使用法がより好ましく、10,000ないし3
5,000の場合にはこの用法がもっとも好ましい。こ
の発明の反応生成物と1種以上の他の熱可塑性ポリマー
との混合物を含むこの発明のポリマー組成物は、全熱可
塑性ポリマーの総量に対して、この発明の反応生成物を
1ないし99パーセントおよび1種以上の他の熱可塑性
ポリマーを99ないし1パーセント含むのが好ましく、
この発明の反応生成物を10ないし90パーセントおよ
び1種以上の他の熱可塑性ポリマーを90ないし10パ
ーセント含むのがさらに好ましい。
【0067】この発明の反応生成物と混合可能な他の熱
可塑性ポリマーは、エチレン−ホモ−もしくはコポリマ
ーまたはポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ
スチレン、スチレン/アクリレートコポリマー、スチレ
ン、ブタジエンおよびアクリロニトリルのコポリマー
(ABS)のようなポリアクリレート、またはポリメタ
クリレートまたはポリ(メチルメタクリレート)または
スチレン−ホモ−もしくはコポリマー、ポリカーボネー
ト、または該ポリマーの混合物が好ましい。
【0068】好ましい熱可塑性ポリマーは公知のポリカ
ーボネート、すなわち、下記基
【化14】 で末端封鎖されていないポリカーボネートである。
【0069】好ましいポリマーは(1)カルボニルジハ
ライド、ジエステルまたは酸無水物、(2)二価フェノ
ール、(4)場合により、リン原子を含まない一価フェ
ノール、および(5)場合により、分枝剤を反応させる
ことによって調製される化合物である。該化合物はすべ
てさきに述べてある。
【0070】ポリカーボネートは米国特許第4,72
2,955号,第2欄,第6ないし42行およびその中
に引用されている参考資料に記載されている。芳香族ポ
リカーボネートが好ましく、とりわけビスフェノールA
とホスゲンとから調製したものが好ましい。ポリカーボ
ネートは数平均分子量が10,000ないし250,0
00が好ましく、12,000ないし120,000が
さらに好ましく、15,000ないし45,000がも
っとも好ましい。該ポリカーボネートの製造方法は業界
では周知のことである。たとえば、Freitagらの
Encyclopedia of Polymer S
cience and Engineering,Vol.
11,pp651−654およびその中に引用されてい
る参考資料に記載されているように、均質有機溶液法、
溶融法または、好ましくは公知の界面二相法もしくはエ
ステル交換法によって調製することができる。1種以上
のポリカーボネートをABS(アクリロニトリル/ブタ
ジエン/スチレン)ポリマー、ポリエステル、たとえば
ポリアルキレンテレフタレート、好ましくはポリエチレ
ンテレフタレート、ポリスチレン、ポリアリーレンスル
ホン、またはポリオレフィン、たとえばポリエチレン、
もしくはエチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/
アクリレートコポリマー、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリイソブテン、もしくはポリメチルペンテンのよ
うなエチレンコポリマーと混合することができる。
【0071】あるいはまた、この発明の反応生成物を、
熱可塑性ポリマーの熱安定性を高めるための低分子量添
加剤として使用することができる。反応生成物が、50
0ないし10,000の数平均分子量を有する場合には
この用法が好ましく、1,000ないし7,000の場
合にはこの用法がさらに好ましく、2,000ないし
5,000であればこの用法がもっとも好ましい。この
場合に、この発明の反応生成物と1種以上の熱可塑性ポ
リマーとの混合物を含むこの発明のポリマー組成物は、
熱可塑性ポリマーの重量に対して、この発明の反応生成
物を、0.01ないし50パーセント含むのが好まし
く、0.01ないし20パーセント含むのがさらに好ま
しく、0.5ないし10パーセント含むのがもっとも好
ましい。この発明のポリマー組成物がこの発明の反応生
成物を2種以上含む場合には、その総重量が指示範囲内
にあるのが好ましい。有用な熱可塑性ポリマーは、たと
えば、さきに挙げたポリマーである。
【0072】この発明のポリマー組成物は無機または有
機散光剤を含有することができる。散光剤は通常、透明
に物質に光散乱性をもたらすために用いられる。散光剤
が存在すれば、ポリマー組成物は、熱可塑性ポリマーの
総重量に対して概して0.1ないし10重量パーセン
ト、好ましくは0.2ないし5重量パーセント、より好
ましくは0.5ないし3重量パーセントの量の散光剤を
含有する。
【0073】好ましい無機散光剤は硫酸バリウム、二酸
化チタンおよびこれらの混合物である。
【0074】有機散光剤およびその調製法は、たとえば
ドイツ国公開公報21 46 607によって公知であ
る。好ましい有機散光剤は公表欧州特許出願EP−A−
O,269,324によって公知となっている。この散
光剤は、2ないし15ミクロンの平均粒径、粒子の少な
くとも90重量パーセントが平均粒径±20パーセント
の中に入るような粒度分布、アルキル基が2ないし8個
の炭素原子を有し、(コアの総重量に対して)0または
最高5パーセントの橋かけ剤および0または最高5パー
セントのグラフト化剤により共重合したゴム状アルキル
アルキレートポリマーのコア、および1個以上のポリマ
ーシェルを有するコア/シェル構造の粒子を含んでい
る。シェルは粒子の重量の5ないし40パーセントを占
める。シェルのすべてかまたは最外殻のシェルのみはア
ルキルメタクリレート、ビニルアレン、ビニルカルボキ
シレートおよび/またはアルキルアクリレートのポリマ
ーであるのが好ましい。コア/シェル構造の粒子および
調製法を含む散光剤に関するさらに詳しい説明は欧州特
許出願第0,269,324号に開示されている。
【0075】この発明のポリマー組成物は、蛍光増白剤
もしくは蛍光染料、顔料もしくは着色剤、粘着付与剤、
離型剤、耐衝撃性改良剤または充填剤のような任意の添
加剤を含むことができる。このような任意の添加剤は一
般に業界では公知である。この発明のポリマー組成物が
光学増白剤または蛍光染料を含むとすれば、0.01な
いし3重量パーセントの量を含有するのが好ましい。顔
料または着色剤が存在するならば、その量は0.000
1ないし5重量パーセントが好ましい。好ましい離型剤
は公知の長鎖脂肪族エステルであり、その好ましい量は
0.01ないし2重量パーセントである。好ましい充填
剤はガラス繊維であって、その好ましい量は1ないし2
0重量パーセントである。パーセントはすべて、ポリマ
ー組成物中の熱可塑性ポリマーの重量に対するものであ
る。
【0076】この発明のポリマー組成物は1種以上の他
の熱安定剤、酸化防止剤および/またはUV安定剤、た
とえばホスフィット類、ハイポホスフィット類、ホスホ
ナイト類または好ましくは、1種以上のヒンダードフェ
ノール類を含有することができる。ヒンダードフェノー
ル類および酸化防止剤としてのその使用はウルマンのE
ncyclopedia of Industrial
Chemistry,第3巻,「酸化防止剤」95−
98頁,第5版,1985年,VCH Verlags
gesellschaft mbH およびEncyc
lopediaof Polymer Science
and Engineering,第2巻,「酸化防
止剤」75−91頁,1985年,John Wile
y &Sons,Inc.発行に記載されている。該添
加剤が存在すれば、その量は、ポリマー組成物中の熱可
塑性ポリマーの重量に対して、一般に0.01ないし5
パーセント、好ましくは0.05ないし2パーセント、
より好ましくは0.1ないし1パーセントである。この
発明のポリマー組成物中に含まれる熱可塑性ポリマーの
種類によって、補助的熱安定剤を存在させることができ
る。たとえば、ポリマー組成物が実質的にポリカーボネ
ートより成れば、補助的な熱安定剤の存在が有利であろ
う。ポリカーボネートを、多量の、ポリオレフィン、ビ
ニル含有ポリマー、たとえばポリメチルメタクリレート
のような他の熱可塑性ポリマーと混合する場合には、補
助的熱安定剤の存在は、一般には不要である。
【0077】この発明のポリマー組成物を調製するとき
には、効果的な量のこの発明の反応生成物を1種以上の
熱可塑性ポリマーと混合する。前記散光剤のような1種
以上の任意の添加剤を、この発明の反応生成物の添加
前、添加と同時、または添加後に熱可塑性ポリマーと混
合することができる。この混合温度はあまり重要ではな
い。しかし、室温がもっとも使いやすい温度であり、そ
れより低いかまたは高い温度も有効である。しかし、熱
可塑性ポリマーを顆粒またはペレットに加工する前に、
この発明の反応生成物を、散光剤のような任意の添加剤
を含有することができる熱可塑性ポリマーと混合するの
が望ましい。熱可塑性ポリマーを高温の加工または配合
工程にかける前に、この発明の反応生成物を添加するの
がもっとも好ましい。この発明の反応生成物および任意
の添加剤を熱可塑性ポリマーに分散または混合させる方
法は重要ではない。しかし、選択する方法は、すべての
添加剤を熱可塑性ポリマー全体に高度の分散をもたらす
方法でなければならない。好ましい混合設備は混合ロー
ル、リボンブレンダー、ドウミキサー、およびバンバリ
ーミキサーである。次に、混合物を公知の押出法によっ
て顆粒またはペレットに加工することができる。混合物
を押出機に送り込み、押出を行ってストランドとし、さ
らに粗砕して、ペレットまたは顆粒にする。好ましい方
法は、米国特許第4,627,949号に概略記載され
ている揮発を生じさせない押出法である。該押出は、好
ましくは200℃ないし390℃、より好ましくは23
0℃ないし380℃、もっとも好ましくは260℃ない
し370℃の温度で行う。
【0078】ペレットまたは顆粒は、一般に公知の方
法、たとえば圧縮成形、射出成形または注形法によって
造形品に成形することができる。好ましい加工方法は米
国特許第4,627,949号に概略記載されている揮
発を生じさせない射出成形法である。該射出成形は好ま
しくは200℃ないし380℃、より好ましくは230
℃ないし370℃、もっとも好ましくは260℃ないし
370℃の温度で行う。造形品の例はシートおよびラン
プカバーである。
【0079】
【実施例】この発明を下記実施例によって、さらに説明
するが該実施例をこの発明の範囲を限定するものと解し
てはならない。とくに断らなければ、部およびパーセン
トはすべて重量単位を表わす。
【0080】実施例1ないし4および比較例AないしC 二三の物理的性状は次のように測定する。
【0081】メルトフローレート(MFR)はASTM
D1238−88により測定する。
【0082】黄色度指数(YI)はASTM D192
5−70により測定する。黄色度指数はポリカーボネー
ト組成物の変色の指標である。数字が小さいほど、変色
によるポリカーボネート組成物の黄色度は少ない。
【0083】光の全透過率および光の散乱はASTM
D−1003によって測定する。
【0084】実施例1 反応生成物の調製 (Ph)2 −P−Ph−O−CO−Ph−CO−〔ビス
A−CO−Ph−C(O)〕m −Yを生成させる。式
中、Phはフェニル(エン);ビスAはビスフェノール
Aの残基およびYは−OHまたは−O−Ph−P−(P
h)2 である。
【0085】フラスコに還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機
ならびに窒素および液体添加用導入管を取り付ける。系
を窒素でフラッシュする。フラスコに2.24gのジフ
ェニル4−ヒドロキシフェニルホスフィンおよび9.1
2gのビスフェノールAを充填して、再び窒素をフラッ
シュする。ジクロロメタン100mLおよびトリエチルア
ミン13.7mLを加えて、撹拌する。撹拌しながら徐々
に10gのテレフタロイルクロリドを40mLのジクロロ
メタンに溶解した液を加え、次いでジクロロメタン10
0mLを添加する。溶液を15分間撹拌してから1N N
aOH20mLを添加する。さらに撹拌した後、反応混合
物を1N HClで酸性にし、500mLのジクロロメタ
ンで希釈して遠心分離する。下部のジクロロメタン相を
分離し、中性になるまで水洗して、ジクロロメタンを真
空除去する。白色生成物が得られる。
【0086】高温における該化合物の重量減少をTGA
(熱重量分析)により、窒素雰囲気中、10℃/分の昇
温速度で測定する。重量減少は次の通りである。
【0087】温度(℃) 重量減少(%) 360 >2 420 5 502 46 比較すると、トリフェニルホスフィンは300℃のTG
A試験条件で完全に蒸発する。
【0088】この反応生成物を安定剤Iと呼ぶ。
【0089】安定剤Iの形での反応生成物の使用 ビスフェノールAおよびホスゲンの界面重縮合によって
調製したポリカーボネートペレットを基剤樹脂として使
用した。該ポリカーボネートはメルトフローレートが
3.3で黄色度指数が1.4であった。1,000ppm
の安定剤Iを70℃でCetiolTM1,000ppm 中
に分散させた。分散物をポリカーボネートペレット上に
均一に分布させた。2.25パーセントの硫酸バリウム
(SachtlebenからK3として市販)、二酸化
チタン150ppm 、UV安定剤としてTinuvinTM
234 4,000ppm および蛍光増白剤としてUvi
texTM1,300ppm を加えた。添加剤の量はすべて
ポリカーボネートの重量に対するものであった。混合物
を365℃の温度で押出して、顆粒にした。押出はベン
ト条件で行った(300rpm 、55ないし65%トル
ク、二軸スクリュー)。顆粒を300℃で射出成形し
て、厚さ3.2mmのテストバーとした。
【0090】光の全透過率は60パーセント、光の散乱
は50パーセント、黄色度指数は16.5であった。
【0091】実施例2 実施例1と同じようにテストバーを調製した。ただし実
施例1の安定剤1 3,000ppm を使用した。
【0092】光の全透過率は62パーセント、光の散乱
は51パーセント、黄色度指数は13.1であった。
【0093】比較例A 実施例1と同じようにテストバーを調製した。ただし熱
安定剤は使用しなかった。
【0094】光の全透過率は60パーセント、光の散乱
は50パーセント、黄色度指数は19.4であった。
【0095】実施例3 反応生成物の調製 (Ph)2 −P−Ph−O−CO−〔ビスA−CO〕m
−O−Ph−P−(Ph)2 を生成させる。式中、Ph
はフェニル(エン);ビスAはビスフェノールAの残
基、Yは−OHまたは−O−Ph−P−(Ph)2 であ
る。
【0096】実施例1で使用したようなフラスコにジフ
ェニル4−ヒドロキシフェニルホスフィン2.8gおよ
びビスフェノールA11.5gを充填する。撹拌しなが
ら、徐々にビス(トリクロロメチル)カーボネート(転
位によってホスゲンを生成する)の10パーセントジク
ロロメタン溶液62mLを添加し、続いて10パーセント
NaOH20mLを加える。ビス(トリクロロメチル)カ
ーボネートの10パーセントジクロロメタン溶液62mL
の別の部分を徐々に添加する。次に10パーセントNa
OH10mLおよびトリエチルアミン0.3gを20mLの
ジクロロメタンに溶解した液を加える。溶液を15分撹
拌し、10パーセントNaOHをさらに10mLおよびト
リエチルアミンのジクロロメタン溶液0.5mLを添加す
る。10パーセントNaOHを60mL添加後さらに10
mL加え、かつトリエチルアミンのジクロロメタン溶液を
1mL加える。反応は25℃の温度で行う。反応終了後、
反応混合物の二相を重力沈降法によって分離する。精製
処理中は僅かな窒素パージを保つ。フラスコから水相を
除去する。次に、フラスコに10パーセント塩酸水溶液
100mLを加えて、混合物を振とうする。重力沈降およ
び水相の除去後、残留相を100mLの水で3度洗浄す
る。次に、真空でジクロロメタンに続いて残留する微量
の水を除去する。
【0097】白色粉末が得られる。ビスフェノールAお
よびジフェニル4−ヒドロキシフェニルホスフィンの量
に対して収率は82パーセントである。ガラス転移点は
示差走査熱量測定によれば108℃である。高圧液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)による分析から次のこと
がわかる。
【0098】 線状オリゴマー(m=1〜12) :38重量パーセント 比較的重合度の高い線状オリゴマー:19重量パーセント ポリマー :12重量パーセント 平均してmは17である。HPLCによる分析結果はI
R, 1H−NMRおよび31P−NMRによって確認され
る。
【0099】IR分光分析:1772cmE-1(C=
O);1594cmE-1(C−C芳香族);629cmE-1
(パラ置換芳香族);750cmE-1(モノ置換芳香
族);639cmE-1(モノ置換芳香族)1- H−NMR(CDCl3 中):1.65ppm(ビスフェ
ノレート単位のイソプロピリデン基);7.0から7.
4(2 幅広の二重線、ビスフェノレート単位のフェニ
レン基);7.3から7.7(ホスフィン基のフェニレ
ン)13- C−NMR(CDCl3 中):148,151ppm
(エステル結合のC=O) 生成物の重量減少を実施例1と同様の方法で測定する。
【0100】温度(℃) 重量減少(%) 400 5 390 53 524 74 562 85 800 92 比較すると、トリフェニルホスフィンは300℃のTG
A試験条件で完全に蒸発する。
【0101】この反応生成物を安定剤IIと呼ぶ。
【0102】安定剤IIの形での反応生成物の使用 実施例1と同じようにテストバーを調製したが、ただし
使用したポリカーボネートはメルトフローレートが3.
3で黄色度指数が1.4であり、(安定剤Iの1,00
0ppm の代りに)安定剤IIの500ppm を使用し、また
硫酸バリウムと二酸化チタンとの混合物の代りに1パー
セントの有機散光剤を使用した。有機散光剤は、ポリ
(ブチルアクリレート)のコアおよびポリ(メチルメタ
クリレート)のシェルを有するポリマーであった。この
品はRohm and HaasからParaloid
EXL5137という商標で市販されている。
【0103】光の全透過率は63パーセント、光の散乱
は53パーセント、黄色度指数は6.9であった。
【0104】比較例B 実施例3に記載したようにテストバーを調製したが、た
だし安定剤は使用せず、光の全透過率は63パーセン
ト、光の散乱は53パーセント、黄色度指数は7.8で
あった。
【0105】実施例4 80部のビスフェノールA、1.93部のp−tert
−ブチルフェノール、0.08部の4−ヒドロキシフェ
ニルジフェニルホスフィン、590.6部の水および7
0.1部の50パーセントNaOHを撹拌しながらフラ
スコに入れた。ホスゲンの7.05パーセント塩化メチ
レン溶液664部を撹拌しつつある溶液に加えた。混合
物を密栓して1分間振とうした。得られた混合物に50
パーセントNaOH37.0部を加えた。この混合物を
再び密栓して振とうした。さらに205.2部の塩化メ
チレンおよびトリエチルアミン触媒の1パーセント水溶
液8.2部を加えた。混合物を振とうして最終ポリマー
混合物を生成させた。
【0106】調製したポリマー0.5gを直径1cm、長
さ20cmのガラスアンプルに入れた。ブンゼンバーナー
を用いて空気中でアンプルを封じた。試料を340℃の
炉内に40分間入れた。試料をアンプルから取り出し、
塩化メチレンに溶解し、濾過して乾燥した。加熱操作前
後の試料の分子量を液体クロマトグラフィー(LG)で
測定した。
【0107】加熱したポリマー試料の0.427パーセ
ント塩化メチレン溶液を調製して、420nmにおける吸
光度を測定した。吸光度は0.2347であった。吸光
度をポリマーの濃度で除した値を計算して表Iに示し
た。この数字の小さいほど、ポリマーは熱による変色に
対してより安定である。
【0108】比較例C 実施例4と同じようにポリマーを調製したが、ただし4
−ヒドロキシフェニルジフェニルホスフィンは使用しな
いで、p−tert−ブチルフェノールの2.05部
(1.93部ではなくて)を用いた。ポリマーを加熱し
て、実施例4と同様に分子量を測定した。
【0109】加熱ポリマー試料の0.436パーセント
塩化メチレン溶液を調製し、420nmにおける吸光度を
測定した。吸光度は0.7589であった。吸光度をポ
リマーの濃度で除した値を計算して、表Iに示した。
【0110】
【表1】
【0111】
【発明の効果】表Iから、僅か1,000ppm の4−ヒ
ドロキシフェニルジフェニルホスフィンで、ポリマーの
末端を封鎖することによって、ポリカーボネートのよう
な熱可塑性ポリマーの熱安定性を顕著に向上しうること
がわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーイ・エイチ・ホー アメリカ合衆国テキサス州77566,レイ ク・ジャクソン,オーチド・コート 54 (72)発明者 ジョン・オー・オズビー アメリカ合衆国テキサス州77566,レイ ク・ジャクソン,サウス・ヤウポン 313 (72)発明者 ユルゲン・アイフラー ドイツ連邦共和国21682 シュターデ,イ スタットヴェーク 4

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも (1)カルボニルジハライド、ジエステルまたは酸無水
    物、 (2)二価フェノール、および (3)一般式IIのホスフィン 【化1】 (式中、R2 はアルキル、シクロアルキル、アリールも
    しくはアリール−アルキル基、または芳香環において、
    1個以上のハロゲン、アルキルおよび/またはアルコキ
    シ基で置換されるアリール基を表わし、 R3 はアルキル、シクロアルキル、アリールもしくはア
    リール−アルキル基、または芳香環において、1個以上
    のヒドロキシ、ハロゲン、アルキルおよび/またはアル
    コキシ基で置換されるアリール基を表わし、かつR4
    アルキレン、シクロアルキレン、アリーレンもしくはア
    リール−アルキレン基、または芳香環において、1個以
    上のハロゲン、アルキルおよび/またはアルコキシ基で
    置換されるアリーレン基を表わす)の反応生成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも (1)カルボニルジハライド、ジエステルまたは酸無水
    物、 (2)二価フェノール、 (3)一般式IIのホスフィン、および (4)リン原子を含まない一価フェノールの反応生成物
    であることを特徴とする請求項1の生成物。
  3. 【請求項3】 一般式I 【化2】 (式中、Yはヒドロキシ、 【化3】 またはリン原子を含まない一価フェノール残基であり、 R2 ,R3 およびR4 は請求項1に示す通りの意味を有
    し、かつAは−C(O)−〔−O−Z−O−C(O)〕
    m −,−C(O)−アリーレン−C(O)−〔−O−Z
    −O−C(O)−アリーレン−C(O)〕m −または−
    C(O)−アルキレン−C(O)−〔−O−Z−O−C
    (O)−アルキレン−C(O)〕m − {式中、Zは炭素原子が6ないし30個の単核または多
    核芳香族基を含み、該基に酸素原子が直接結合し、 アリーレン基は、それぞれ独立に、場合により、芳香環
    において1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、オキシアル
    キルおよび/またはアルコキシ基、−C(O)−〔O−
    4 −P−(R2 )(R3 )〕または一価の炭化水素基
    で置換されていても良く、 アルキレン基は、それぞれ別個に、場合により、1個以
    上のハロゲン、ヒドロキシ、オキシアルキルおよび/ま
    たはアルコキシ基、−C(O)−〔O−R4 −P−(R
    2 )(R3 )〕または一価の炭化水素基で置換され、か
    つmは平均して少なくとも0.5}である)を有するこ
    とを特徴とする請求項1の生成物。
  4. 【請求項4】 1種以上の熱可塑性ポリマーならびに少
    なくとも (1)カルボニルジハライド、ジエステルまたは酸無水
    物、 (2)二価フェノールおよび (3)一般式IIのホスフィン 【化4】 (式中、R2 ,R3 およびR4 は請求項1に示した通り
    の意味を有する)の反応生成物を含むポリマー組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分が
    ポリカーボネートであることを特徴とする請求項4のポ
    リマー組成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性ポリマーを、請求項1ないし3
    のいずれか1つの項の反応生成物と接触させることを特
    徴とする熱可塑性ポリマーの熱安定性を高める方法。
JP22671195A 1994-09-02 1995-09-04 カルボニル化合物および二価フェノール類の反応生成物 Pending JPH0881480A (ja)

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