JPH0876830A - 電子制御システムの診断装置 - Google Patents

電子制御システムの診断装置

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Publication number
JPH0876830A
JPH0876830A JP6215103A JP21510394A JPH0876830A JP H0876830 A JPH0876830 A JP H0876830A JP 6215103 A JP6215103 A JP 6215103A JP 21510394 A JP21510394 A JP 21510394A JP H0876830 A JPH0876830 A JP H0876830A
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JP
Japan
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sensors
sensor
electronic control
control system
diagnostic
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Application number
JP6215103A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Yumoto
仁 湯元
Akira Ikuma
彰 井熊
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スイッチ故障や誤操作が懸念されるパネル操
作によらず、所望されるときにのみ確実に診断プログラ
ムを起動して検査モードに移行することのできる電子制
御システムの診断装置を提供する。 【構成】 車両用空調装置を構成する内気センサ14及び
外気センサ15の各出力信号線に検査モード設定器70を着
脱自在に接続するためのコネクタ60を設ける。該検査モ
ード設定器70は、例えばディーラーにおいて外部接続さ
れ、その接続時、内気センサ14及び外気センサ15の各出
力値を相反する所定の温度範囲に対応した値に強制設定
する。マイクロコンピュータ22では、IGスイッチ50の
オン操作時に、これら内気センサ14及び外気センサ15の
出力値が該相反する所定の温度範囲に対応した値にある
ことを条件に診断プログラム25を起動して検査モードに
移行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子制御システムの
診断装置に関し、例えば車両用空調装置等の電子制御シ
ステムにあって各種センサやアクチュエータ等の故障診
断を行う診断装置の診断プログラム起動構造の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】図4に、こうした電子制御システムの一
例として、車両用空調装置の構成の概略を示す。
【0003】同図4に示されるように、この空調装置
は、車両各部に配設された各種センサを通じて検出され
る環境情報を空調制御装置20に取り込み、それら環境
情報に応じて空調設備各部のアクチュエータ類の駆動を
制御する装置である。
【0004】因みに、同図4に例示するセンサ類におい
て、日射センサ11は日射量を検出するセンサであり、
水温センサ12はエンジンの冷却水温を検出するセンサ
であり、エバポレータ後センサ13はエバポレータの後
段に設けられてエバポレータ後温度を検出するセンサで
ある。また、内気センサ14は、車室内に設けられて該
車室内の温度(内気温度)を検出するセンサであり、外
気センサ15は、車室外(例えば車両の先端部等)に設
けられて外気温度を検出するセンサである。
【0005】他方、同図4に例示するアクチュエータ類
において、吹出口サーボモータ31は、空気(冷気、暖
気)吹き出し口の角度を調節するためのサーボモータで
あり、吸込口サーボモータ32は、空気吸い込み口の角
度を調節するためのサーボモータであり、A/Mサーボ
モータ33は、A/M(エア・ミックス)ダンパを切り
換えるためのサーボモータである。また、ブロワモータ
34は、ブロワ(送風機)を駆動するためのモータであ
る。
【0006】空調制御装置20は、上記各センサの出力
に基づき空調演算を実行してこれら各サーボモータやモ
ータを制御し、上述した吹き出し口角度、吸い込み口角
度、A/Mダンパ、及びブロワ出力等を最適な状態に設
定する装置である。
【0007】ここで、同制御装置20を構成するA/D
入力インターフェース21は、マイクロコンピュータ2
2からの指令に基づき上記各センサの出力を取り込むと
ともに、その出力値(アナログ値)をディジタル値に変
換してマイクロコンピュータ22に転送する回路であ
る。また、駆動回路23は、マイクロコンピュータ22
による上記空調演算の結果に応じて吹出口サーボモータ
31、吸込口サーボモータ32、及びA/Mサーボモー
タ33を駆動する回路であり、駆動回路24は、同じく
マイクロコンピュータ22による上記空調演算の結果に
応じて上記ブロワモータ34を駆動する回路である。
【0008】一方、上記空調制御装置20には、同車両
用空調装置のいわゆるマン・マシンインターフェースで
あるパネル部40が接続されている。このパネル部40
は、上記マイクロコンピュータ22を通じて実行される
空調演算の結果、すなわち現在の空調状態等を可視表示
するための表示部41、及び同空調演算にかかる演算態
様を操作するためのスイッチ操作部42を有して構成さ
れるもので、例えば「吹き出し口の角度を下へ」とか
「風力を強く」といった要求に対応して操作された該ス
イッチ操作部42のスイッチ情報はそのままマイクロコ
ンピュータ22に取り込まれるようになっている。そし
て、このスイッチ情報に応じてそれら要求が満たされる
よう、同マイクロコンピュータ22を通じて実行される
空調演算の演算態様が変更される。また、その要求内容
(スイッチ操作内容)やそれに応じて変更された空調内
容等が、表示部41を通じてモニタバックされる。
【0009】また、IG(イグニション)スイッチ50
も上記空調制御装置20に接続されており、同IGスイ
ッチ50のオン/オフ態様も上記マイクロコンピュータ
22を通じて監視されるようなっている。
【0010】ところで、こうした車両用空調装置にあっ
ては通常、上記センサやアクチュエータ(モータ類)の
現在、並びに過去の故障状況を把握して車両のメンテナ
ンスに役立てるべく、それらセンサやアクチュエータの
状態を自己診断する診断装置を併せ有していることが多
い。
【0011】図4に示す上記空調制御装置20におい
て、診断プログラム25は、こうした診断装置として上
記センサやアクチュエータの状態を検査するためのプロ
グラムであり、またデータメモリ26は、同センサやア
クチュエータの故障データ等が一時的に格納されるメモ
リである。なお、診断プログラム25は通常、マイクロ
コンピュータ22に内蔵されるROM(読み出し専用メ
モリ)に予め登録され、またデータメモリ26としても
通常は、マイクロコンピュータ22に内蔵されるRAM
(ランダムアクセスメモリ:バッテリバックアップされ
た不揮発性のものを含む)が利用されるが、ここでは説
明の便宜上、これら診断プログラム25及びデータメモ
リ26をマイクロコンピュータ22から独立した要素と
して図示している。
【0012】また、こうした診断装置にあっては一般
に、上記スイッチ操作部42の特定のキースイッチ(通
常は2つ)が押下された状態でIGスイッチ50がオン
されることで、その診断プログラム25が起動され、検
査モードに移行する。
【0013】すなわち図5に示されるように、マイクロ
コンピュータ22は、IGスイッチ50がオンされたと
き(ステップ101)、スイッチ操作部42中の特定の
キースイッチ(ここでは例えば「A」キーと「B」キ
ー)が同時に押下されていれば(ステップ102)、上
記診断プログラム25を起動して検査モードに移行する
(ステップ200)。図6に、該検査モードにおけるマ
イクロコンピュータ22の挙動を示す。
【0014】同図6に示されるように、上記診断プログ
ラム25を起動して検査モード200に入ったマイクロ
コンピュータ22はまず、連続センサチェック処理20
1を開始する。
【0015】この連続センサチェック処理201とは、
上記各センサの故障(過去に故障が発生し現在は正常な
「過去故障」及び現在も故障が継続している「現在故
障」を含む)の有無についてのチェックを連続的に実行
して、その結果を表示部41等に表示する処理モードで
ある。なお、「過去故障」であるか「現在故障」である
かは、例えばブザーの鳴動の有無等によって判定され
る。また「過去故障」の場合でも、その故障データは、
マイクロコンピュータ22を通じて自動的にデータメモ
リ26に登録されるようになっている。
【0016】また、こうした連続センサチェック処理2
01の処理モードにあってスイッチ操作部42中の特定
のキースイッチ(ここでは「C」キー)が操作された場
合、マイクロコンピュータ22は、ステップ動作による
センサチェック処理202を実行する。
【0017】このステップ動作によるセンサチェック処
理202では、上記スイッチ操作部42中の特定のキー
スイッチ(「C」キー)が操作される毎に、上記各セン
サの故障の有無をチェックする。そしてその結果を同じ
く表示部41等に表示する。「過去故障」及び「現在故
障」の扱いは上記連続センサチェック処理201の場合
と同様である。
【0018】なお、これらセンサチェック処理201或
いは202にあっては、別途、スイッチ操作部42中の
特定のキースイッチ(例えば「E」キー等)を操作する
ことによって、上記データメモリ26に記憶されている
故障データ等を消去することができるようになってい
る。こうしたデータ消去操作は通常、例えばディーラー
等にあって、該当するセンサの不具合箇所を点検、修理
した係員によって実行される。
【0019】また、上記連続センサチェック処理201
或いはステップ動作によるセンサチェック処理202の
処理モードにあって、スイッチ操作部42中の特定のキ
ースイッチ(ここでは「B」キー)が操作された場合、
マイクロコンピュータ22は連続アクチュエータチェッ
ク処理203を実行する。
【0020】この連続アクチュエータチェック処理20
3とは、ステップ毎に予め決められたチェックパターン
に従って連続的に上記各アクチュエータを駆動し、また
必要に応じてその駆動結果を表示部41等に表示する処
理モードである。
【0021】また、この連続アクチュエータチェック処
理203の処理モードにあっても、スイッチ操作部42
中の特定のキースイッチ(「C」キー)が操作された場
合、マイクロコンピュータ22は、ステップ動作による
アクチュエータチェック処理204を実行する。
【0022】このステップ動作によるアクチュエータチ
ェック処理204では、上記スイッチ操作部42中の特
定のキースイッチ(「C」キー)が操作される毎に、上
記ステップ毎に予め決められたチェックパターンに従っ
て各アクチュエータを駆動する。
【0023】そして、ここで例示する装置にあっては、
このステップ動作によるアクチュエータチェック処理2
04も含め、上述した各処理モードにあって、上記スイ
ッチ操作部42中の「B」キーが操作されることで連続
アクチュエータチェック処理203に移行し、「A」キ
ーが操作されることで連続センサチェック処理201に
移行する。
【0024】また、これら如何なる処理モードにあれ、
上記スイッチ操作部42中の「D」キーが操作された場
合には該検査モードを抜け、通常の空調制御モード30
0に移行する。なお、図5に示したIGスイッチ50の
オン操作(ステップ101)に基づく起動モードの選択
にあっても、スイッチ操作部42の特定キー(「A」キ
ー及び「B」キー)が押下されていなければ(ステップ
102)、この通常の空調制御モードによる処理を開始
する(ステップ300)。
【0025】この空調制御モードとは、各種センサ出力
(環境情報)やスイッチ操作部42の操作態様(スイッ
チ情報)に基づく同空調装置としての概ね上述した態様
でのアクチュエータ類の駆動制御であり、同モードにつ
いてのここでの詳しい説明は割愛する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】このように、車両用空
調装置並びにその診断装置にあっては、パネル部40に
設けられたスイッチ操作部42中の特定のキースイッチ
を押下しながらIGスイッチ50をオン操作するといっ
た、いわば特殊な操作条件が満たされることに基づき診
断プログラム25が起動されて上記検査モードに移行す
る。これは、この検査モードが通常、ディーラー等にお
いて車両を点検、修理する際に専門の係員によって選択
されるモードであり、同モードが乗員によって誤って起
動されないようにするための配慮である。
【0027】ただし、特殊な操作条件とはいえ、(イ)
上記スイッチ操作部42の故障により、上記特定のキー
スイッチの押下が維持された状態でIGスイッチ50が
オン操作される。或いは、(ロ)乗員による同スイッチ
操作部42の誤った(意思に反した)操作が行われた状
態でIGスイッチ50がオン操作される。などといった
ことは十分に起こり得る。
【0028】そして上記従来の診断装置にあっては、一
旦このような操作条件が満たされれば、上記診断プログ
ラム25が起動され、上記検査モードに移行する。こう
して検査モードに移行した状態にあっては、その後更に
特定のキースイッチ(上記の例では「D」キー)が操作
されない限り、空調制御モードには移行せず、したがっ
て他のキースイッチを通じて現在の空調状態を変更する
要求が出されたとしても、その要求は前記空調演算には
反映されない。
【0029】また、こうして検査モードに移行した状態
にあって、更に誤って上述した消去操作(上記の例では
「E」キーが操作)が行われたような場合には、上記デ
ータメモリ26に登録されている故障データ(「過去故
障」データ)までもが消去されてしまうこととなる。こ
うして故障データが消去されるようなことがあれば、そ
の後、正常なメンテナンスを受けることができなくなる
恐れもある。
【0030】なお上述した車両用空調装置の診断装置に
限らず、パネル部等を通じた特殊な操作条件が満たされ
ることに基づいて診断プログラムが起動され、検査モー
ドに移行する電子制御システムの診断装置にあっては、
こうした実情も概ね共通したものとなっている。
【0031】この発明は、上記実情に鑑みてなされたも
のであり、スイッチ故障や誤操作が懸念されるパネル操
作によらず、所望されるときにのみ確実に診断プログラ
ムを起動して検査モードに移行することのできる電子制
御システムの診断装置を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、請求項1記載の発明では、複数のセンサ出力に基
づき1乃至複数のアクチュエータの駆動を電子制御する
電子制御システムにあって、所定の条件が満たされるこ
とに基づき診断プログラムが起動されて前記センサやア
クチュエータの状態を検査する検査モードに移行する電
子制御システムの診断装置において、前記複数のセンサ
の少なくとも2つの出力についてそれら故障範囲以外の
通常有り得ない情報を強制設定する設定手段と、前記少
なくとも2つのセンサの出力が前記通常有り得ない情報
の範囲を満たすことを条件に前記診断プログラムの起動
を許可する診断プログラム起動許可手段とを具えるよう
にする。
【0033】また、請求項2記載の発明では、該請求項
1記載の発明の構成において、前記少なくとも2つのセ
ンサとして互いに関連する情報を検出するセンサを選定
するとともに、前記設定手段を、これらセンサの出力に
ついて相反する情報を強制設定するものとして構成す
る。
【0034】また、請求項3記載の発明では、更に該請
求項2記載の発明の構成において、前記電子制御システ
ムが車両用空調装置であるとするとき、前記互いに関連
する情報を検出するセンサとして、当該車両の内気温度
を検出する内気センサ、及び外気温度を検出する外気セ
ンサを選定するとともに、前記設定手段を、これら内気
温度と外気温度とで相反する組合せとなる温度情報を強
制設定するものとして構成する。
【0035】そして、請求項4記載の発明では、この請
求項3記載の発明の構成において、前記設定手段を、前
記内気センサ及び外気センサの各出力に対応する信号線
に着脱自在に外部接続されてその温度情報に対応した信
号レベルを任意に可変設定する可変分圧回路を具えて構
成するようにする。
【0036】
【作用】電子制御システムの診断装置にあっては通常、
上記複数のセンサ出力を通じてそのシステム環境を把握
するようにしている。
【0037】そこで、上記請求項1記載の発明によるよ
うに、 (A)前記複数のセンサの少なくとも2つの出力につい
てそれら故障範囲以外の通常有り得ない情報を強制設定
する設定手段。 (B)前記少なくとも2つのセンサの出力が前記通常有
り得ない情報の範囲を満たすことを条件に前記診断プロ
グラムの起動を許可する診断プログラム起動許可手段。 を具えるようにすれば、検査モードへの移行が所望され
るときには、前記パネル操作によらずとも、上記(a)
の設定手段による上記態様での情報設定を通じて診断プ
ログラムの起動が許可されるようになる。なお、こうし
て診断プログラムの起動が許可された状態にあっては、
例えば前記IGスイッチが操作されることなどをトリガ
として同診断プログラムが起動され、検査モードに移行
されるものとする。
【0038】したがって該請求項1記載の発明によれ
ば、前述したパネル部のスイッチ故障や誤操作に起因し
て診断プログラムが起動されることはなく、しかも検査
モードへの移行が所望されるときには、確実に、同診断
プログラムの起動を図ることができるようになる。
【0039】また、こうして常に正常に診断プログラム
の起動が図られるようになれば、同電子制御システムと
しての各種演算定数等、これまで検査モードに取り入れ
難かった機密性の高いデータの修正も、同モードでの一
処理として取り入れることができるようになる。すなわ
ち、上記診断プログラムとしてもより汎用性に富んだプ
ログラムとしてその記述を行うことができるようにな
る。
【0040】なお、請求項1記載の発明のこうした構成
にあって、上記設定手段が3つ以上の更に多くのセンサ
の出力についてそれぞれその故障範囲以外の通常有り得
ない情報を設定するものであり、また上記診断プログラ
ム起動許可手段にあっても、その論理積条件に基づいて
診断プログラムの起動を許可するものとすれば、上記診
断プログラムの起動が誤って許可される可能性は更に低
くなる。
【0041】また、請求項2記載の発明によるように、
前記少なくとも2つのセンサが互いに関連する情報を検
出するセンサであるとし、前記設定手段を、・これらセ
ンサの出力について相反する情報を強制設定するもの。
として構成すれば、所望されるときにのみ上述した診断
プログラムが正常に起動されるための条件を、それら少
なくとも2つのセンサを用いてより効率的、且つ確実に
設定することができるようになる。
【0042】また、請求項3記載の発明によるように、
前記電子制御システムが車両用空調装置であるとすると
きに、前記互いに関連する情報を検出するセンサとして
上記内気センサ及び外気センサを選定し、前記設定手段
を、・これら内気温度と外気温度とで相反する組合せと
なる温度情報を強制設定するもの。として構成すれば、
前述した車両用空調装置としての構成並びに特性に見合
った効率的でしかもそのメンテナンスを行う上でも安全
性の高い装置として、同診断装置を構成することができ
るようになる。因みにこの場合、上記内気温度と外気温
度とでは、その指示値が極端に異なることはないため、
例えば、「内気温度がマイナス数十度であるのに対し、
外気温度がプラス数十度」などといった組合せは上記
「相反する組合せ」となる。
【0043】また、請求項4記載の発明によるように、
こうした構成にあって前記設定手段を更に、・前記内気
センサ及び外気センサの各出力に対応する信号線に着脱
自在に外部接続されてその温度情報に対応した信号レベ
ルを任意に可変設定する可変分圧回路を具えるもの。と
して構成すれば、この着脱自在に外部接続される設定手
段がない限り、乗員が誤って診断プログラムを起動する
ことは皆無となる。また、通常サーミスタを具えて構成
される上記内気センサ及び外気センサの構造に即した非
常に簡素な装置として同設定手段を実現することができ
るようにもなる。
【0044】
【実施例】図1に、この発明にかかる電子制御システム
の診断装置についてその一実施例を示す。
【0045】この実施例の装置は、電子制御システムと
して前述した車両用空調装置を例にとり、その診断装置
として、スイッチ故障や誤操作が懸念されるパネル操作
によらず、所望されるときにのみ確実に診断プログラム
を起動して検査モードに移行することのできる装置とし
て構成されている。
【0046】また、図1に示すこの実施例の装置におい
て、先の図4に例示した車両用空調装置と同一の要素に
ついてはそれぞれ同一の符号を付して示しており、それ
ら要素についての重複する説明は割愛する。
【0047】さて、この実施例の装置にあっては、図1
に示されるように、内気センサ14及び外気センサ15
の各出力信号線に対応してコネクタ60を配設し、この
コネクタ60に検査モード設定器70が着脱自在に外付
けされる構成としている。
【0048】検査モード設定器70は、これも同図1に
併せ示されるように、上記内気センサ14に対応する可
変抵抗器(可変分圧回路)71と上記外気センサ15に
対応する可変抵抗器(可変分圧回路)72とを有して構
成されている。同設定器70の上記コネクタ60への装
着時、可変抵抗器71のスライダ端子(分圧端子)はコ
ネクタ接点61を通じて内気センサ14の出力信号線に
接続され、同じく可変抵抗器72のスライダ端子(分圧
端子)はコネクタ接点62を通じて外気センサ15の出
力信号線に接続される。
【0049】一方、内気センサ14は通常、サーミスタ
14aを有して構成されている。該内気センサ14から
の出力信号は、A/D入力インターフェース21内で、
プルアップ抵抗14bによって分圧されてA/D変換さ
れ、その値が内気温度情報としてマイクロコンピュータ
22に取り込まれるようになっている。
【0050】また、外気センサ15も、サーミスタ15
aを有して構成されている。該外気センサ15からの出
力信号も、A/D入力インターフェース21内で、プル
アップ抵抗15bによって分圧されてA/D変換され、
その値が外気温度情報としてマイクロコンピュータ22
に取り込まれるようになっている。
【0051】このため、検査モード設定器70の装着に
伴ってこれらセンサ14及び15の出力線にそれぞれ上
記可変抵抗器71及び72のスライダ端子が接続される
ときには、それらセンサ14及び15の出力値も該可変
抵抗器71及び72の分圧値に応じて大きく変更される
ようになる。
【0052】図2に、上記内気センサ14及び外気セン
サ15を構成する各サーミスタ14a及び15aの抵抗
値(R)−温度(T)特性とともに、上記検査モード設
定器70を通じたそれらセンサ出力の設定態様を示す。
【0053】同図2に示されるように、内気センサ14
及び外気センサ15共に、その診断処理においては通
常、「−47℃」以下をオープン故障、また「140
℃」以上をショート故障として判定するようにしてい
る。したがって、これらセンサ14及び15にあって
は、「−47℃ < T < 140℃」といった範囲で、
通常の温度検出が行われることとなる。
【0054】こうした内気センサ14及び外気センサ1
5の特性に対し、同実施例の装置では、上記検査モード
設定器70を通じて、 (a)内気センサ14については、その出力に対応して
判断される温度TRが例えば「−30℃≦TR≦−25
℃」といった範囲に入るよう、同出力電位を調整する
(図2(a)参照)。 (b)外気センサ15については、その出力に対応して
判断される温度TAMが例えば「53℃≦TAM≦57
℃」といった範囲に入るよう、同出力電位を調整する
(図2(b)参照)。 といった態様で、故障範囲以外の通常有り得ない、相反
する温度情報を強制設定する。
【0055】そして一方、上記マイクロコンピュータ2
2にあっては、IGスイッチ50のオン操作時、これら
内気センサ14及び外気センサ15の出力電位が該相反
する所定の温度範囲に対応した値にあることを条件に診
断プログラム25を起動して検査モードに移行する。
【0056】図3は、同実施例の装置による検査モード
への移行手順を示したものであり、以下、同図3を併せ
参照して、該実施例の装置の取り扱い、並びに検査モー
ドへの移行態様を更に詳述する。なお、上記検査モード
設定器70自体は、ディーラー等に別途保管されている
ものとする。
【0057】すなわちいま、ディーラー等において、当
該車両用空調装置の点検を開始するものとすると、検査
員はまず、上記検査モード設定器70を図1に示される
態様でコネクタ60に装着する。そしてその後、IGス
イッチをオン操作する。
【0058】こうしてIGスイッチ50がオン操作され
ることにより、マイクロコンピュータ22では、該IG
スイッチ50の「オフ→オン」といった状態遷移を判断
して(ステップ111)、上記内気センサ14及び外気
センサ15の出力を取り込むようになる。
【0059】これらセンサ出力を取り込んだマイクロコ
ンピュータ22はまず、内気センサ14の出力(指示温
度TR)が、上記 −30℃ ≦ TR ≦ −25℃ といった条件を満たすか否かを判断する(ステップ11
2)。
【0060】該条件が満たされる旨判断される場合、同
マイクロコンピュータ22は更に、外気センサ15の出
力(指示温度TAM)が、上記 53℃ ≦ TAM ≦ 57℃ といった条件を満たすか否かを判断する(ステップ11
3)。
【0061】そして同マイクロコンピュータ22では、
これら条件が共に満たされるとき、上記検査員による検
査モード設定操作が行われた旨判断して診断プログラム
25を起動し、検査モードに移行する(ステップ20
0)。
【0062】また、これら条件の何れか一方でも満たさ
れない旨判断される場合には、通常の空調制御モードに
移行する(ステップ300)。なお、検査モードに移行
した場合には、例えばパネル部40の表示部41や図示
しないブザー等を通じて、その旨を検査員に案内するよ
うにしてもよい。
【0063】こうして検査モードに移行されると、検査
員はその後、上記検査モード設定器70をコネクタ60
から取り外し、先の図6に示した態様でのキースイッチ
操作を通じて、センサやアクチュエータについてのチェ
ックや、不要データの消去等を実施する。
【0064】このように、この実施例の装置によれば、
パネル部41のスイッチ故障や乗員の誤操作に起因して
診断プログラム25が起動されることはなくなる。しか
も、検査モードへの移行が所望されるときには、上記検
査モード設定器70を通じて確実に、同診断プログラム
25の起動を図ることができるようになる。
【0065】また、こうして常に正常に診断プログラム
25が起動されるようになれば、例えば同空調装置とし
ての温度コントロールパラメータ等、これまで検査モー
ドに取り入れ難かった機密性の高いデータの修正も、同
モードでの一処理として取り入れることができるように
なる。すなわち、より汎用性に富んだプログラムとして
上記診断プログラム25の記述を行うことができるよう
になる。なお、これらデータ修正のためのプログラム
は、スイッチ操作部42に設けられたキースイッチの所
定の操作の組み合わせに対応した手続きとして容易に実
現される。
【0066】また、同実施例の装置では、互いに温度情
報を検出する内気センサ14と外気センサ15を選定
し、これら両センサの出力について相反する組合せとな
る温度情報を強制設定するようにしている。このため、
検査モードへの移行を指示するための情報を、同車両用
空調装置に用いられる2つのセンサを通じて、効率的、
且つ確実に設定することができるようになる。
【0067】しかも同実施例の装置によれば、これら情
報を強制設定するための検査モード設定器70も、上記
内気センサ14及び外気センサ15の構造に即した、非
常に簡素な装置として構成することができる。
【0068】なお、この検査モード設定器70は、サー
ミスタを具える各種温度センサに対しては簡素で有効で
あるものの、その構成は一例にすぎない。すなわち同設
定手段としては、対象とするセンサのセンサ構造に応じ
て、その出力を任意設定することのできる装置であれば
よい。
【0069】また、上記コネクタ60の構造も任意であ
り、特にコネクタ接点61及び62については、検査モ
ード設定器70が装着されたときに、各センサ側の出力
線を非導通とする(外す)構造を採用することもでき
る。コネクタ接点61及び62のこうした構造によれ
ば、検査モード設定器70のみでそれらセンサ出力の設
定が可能となる。そしてこの場合には、センサ出力との
兼ね合いでその値を調整する必要がないことから、同検
査モード設定器70としても、固定抵抗による分圧回路
を有することで十分となる。
【0070】また、こうした検査モード設定器70を通
じて強制設定する「相反する値」の設定態様も一例にす
ぎず、上記各センサ出力についてそれら故障範囲以外の
通常有り得ない組合せとなる値でさえあれば如何なる値
であってもよい。
【0071】また、上記の実施例では、車両用空調装置
の診断装置を例にとったが、一般に診断装置を具える電
子制御システムについては、上記に準じた態様でこの発
明を適用することができる。
【0072】例えば、同電子制御システムがエンジン制
御装置であるような場合、上記相反する情報を設定する
ことのできる2つのセンサとしては、 ・エンジン回転数センサと車速センサ ・スロットル開度センサと吸気量センサ 等々があり、これらセンサ間で相反する情報が強制設定
されることを条件に診断プログラムを起動する、等の適
用態様が考えられる。
【0073】また、これら関連する情報を検出し且つ相
反する情報が強制設定されるセンサとしては3つ以上の
センサを選定することもでき、更には、それらセンサが
必ずしも関連する情報を検出するものでなくともよい。
【0074】すなわち、1つのセンサの場合はともあ
れ、2つ以上のセンサにおいて、その出力がそれら故障
範囲以外の通常有り得ない所定の値となることはまず起
こり得ない。したがって、このような条件を上記検査モ
ードへの移行を指示するための情報として採用すること
でも、上記と同等の効果は得られるようになる。
【0075】また、この発明にかかる診断装置の上記構
成によれば、パネル操作等を不要として診断プログラム
を起動させることができるため、車両などに実装された
電子制御システムの診断装置としてだけではなく、例え
ば前述した空調制御装置等の生産工程にあって、それら
空調制御装置単体の診断プログラムをテストするなどの
用途にも好適に適用することができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
電子制御システムの診断装置によれば、パネル部のスイ
ッチ故障や誤操作に起因して診断プログラムが起動され
ることはなく、しかも検査モードへの移行が所望される
ときには、確実に、同診断プログラムの起動を図ること
ができるようになる。
【0077】また、こうして常に正常に診断プログラム
の起動が図られるようになれば、同電子制御システムと
しての各種演算定数等(空調装置にあってはその温度コ
ントロールパラメータ等)、これまで検査モードに取り
入れ難かった機密性の高いデータの修正も、同モードで
の一処理として取り入れることができるようになる。す
なわち、上記診断プログラムとしてもより汎用性に富ん
だプログラムとしてその記述を行うことができるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる電子制御システムの診断装置
の一実施例を示すブロック図である。
【図2】内気センサ及び外気センサを構成するサーミス
タの抵抗値−温度特性並びに図1に示される検査モード
設定器によるこれら内気センサ及び外気センサの出力設
定態様を示すグラフである。
【図3】同実施例の装置による検査モードへの移行手順
を示すフローチャートである。
【図4】電子制御システム及びその診断装置の一例とし
て車両用空調装置並びにその診断装置の従来一般に採用
されている構成を示すブロック図である。
【図5】該従来の車両用空調装置の診断装置による検査
モードへの移行手順を示すフローチャートである。
【図6】検査モードにおける空調制御装置(マイクロコ
ンピュータ)の挙動を示す状態遷移図である。
【符号の説明】
11…日射センサ、12…水温センサ、13…エバポレ
ータ後センサ、14…内気センサ、14a…サーミス
タ、14b…プルアップ抵抗、15…外気センサ、15
a…サーミスタ、15b…プルアップ抵抗、20…空調
制御装置、21…A/D入力インターフェース、22…
マイクロコンピュータ、23、24…駆動回路、25…
診断プログラム、26…データメモリ、31…吹出口サ
ーボモータ、32…吸込口サーボモータ、33…A/M
サーボモータ、34…ブロワモータ、40…パネル部、
41…表示部、42…スイッチ操作部、50…IGスイ
ッチ、60…コネクタ、61、62…コネクタ接点、7
0…検査モード設定器、71、72…可変抵抗器(可変
分圧回路)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のセンサ出力に基づき1乃至複数のア
    クチュエータの駆動を電子制御する電子制御システムに
    あって、所定の条件が満たされることに基づき診断プロ
    グラムが起動されて前記センサやアクチュエータの状態
    を検査する検査モードに移行する電子制御システムの診
    断装置において、 前記複数のセンサの少なくとも2つの出力についてそれ
    ら故障範囲以外の通常有り得ない情報を強制設定する設
    定手段と、 前記少なくとも2つのセンサの出力が前記通常有り得な
    い情報の範囲を満たすことを条件に前記診断プログラム
    の起動を許可する診断プログラム起動許可手段と、 を具えることを特徴とする電子制御システムの診断装
    置。
  2. 【請求項2】前記少なくとも2つのセンサは、互いに関
    連する情報を検出するセンサであり、 前記設定手段は、これらセンサの出力について相反する
    情報を強制設定するものである請求項1記載の電子制御
    システムの診断装置。
  3. 【請求項3】前記電子制御システムは、車両用空調装置
    であり、 前記互いに関連する情報を検出するセンサは、当該車両
    の内気温度を検出する内気センサ、及び外気温度を検出
    する外気センサであり、 前記設定手段は、これら内気温度と外気温度とで相反す
    る組合せとなる温度情報を強制設定するものである請求
    項2記載の電子制御システムの診断装置。
  4. 【請求項4】前記設定手段は、前記内気センサ及び外気
    センサの各出力に対応する信号線に着脱自在に外部接続
    されてその温度情報に対応した信号レベルを任意に可変
    設定する可変分圧回路を具えて構成される請求項3記載
    の電子制御システムの診断装置。
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