JPH0876770A - 多チャネル能動制御装置 - Google Patents

多チャネル能動制御装置

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JPH0876770A
JPH0876770A JP6208903A JP20890394A JPH0876770A JP H0876770 A JPH0876770 A JP H0876770A JP 6208903 A JP6208903 A JP 6208903A JP 20890394 A JP20890394 A JP 20890394A JP H0876770 A JPH0876770 A JP H0876770A
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Fumio Kokubo
文雄 小久保
Masaki Eguchi
政樹 江口
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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の能動制御装置において、その装置内の
誤差検出手段の出力を用いて制御を行う場合に発生する
制御の不安定性を回避する。 【構成】 2個の能動制御装置において、適応型FIR
フィルタ4a,4bを出力する制御信号と誤差検出マイ
ク3a,3bを出力する誤差信号までの各振幅増加率と
の比ρ12、ρ21および位相との差ψ12ψ21が、次の2式
を満たすようにする。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタル信号処理技術
を用いて、検出した物理量を低減させるように、物理量
の出力手段を適応制御する多チャネル能動制御装置に係
り、特に騒音環境下における能動騒音制御装置、振動環
境下における能動振動制御装置等に好適な多チャネル能
動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル信号処理技術を用いて、
検出した騒音に対してスピーカからの音響出力を適応制
御することにより消音する能動騒音制御装置が提案され
ており、例えば自動車室内の騒音低減にこの技術が用い
られている。
【0003】以下、図面を参照しながら、従来の能動騒
音制御装置について説明する。図5は、騒音源7から放
射された騒音を2つのスピーカ2a,2bの音響出力を
適応制御することにより、3次元空間内に配置した2つ
の誤差検出マイク3a,3bの位置で騒音レベルを低減
する2チャネル能動騒音制御装置の構成例である。
【0004】騒音源7から放射された騒音は騒音検出マ
イク1で検出し、騒音検出マイク1は、検出信号u(n)
を第1チャネルの適応型FIRフィルタ4a、および第
1チャネルの検出信号補正用FIRフィルタ5a,5b
へ出力する。検出信号u(n)は第2チャネルの適応型F
IRフィルタ4b、および入力信号補正用FIRフィル
タ5c,5dへも、同様に出力される。第1チャネルの
適応型FIRフィルタ4aでは騒音検出信号u(n)をフ
ィルタリングし、制御信号y1(n)をスピーカ2aに出力
する。第2チャネルにおいても同様に制御信号y2(n)を
スピーカ2bに出力する。各スピーカから出力された音
は騒音と互いに干渉し、干渉後の残留騒音を2箇所に配
置した誤差検出マイク3a,3bで検出する。誤差検出
マイク3a,3bはそれぞれ誤差信号−e1(n),−e
2(n)を出力する。第1チャネルの係数更新手段6aに、
上記2つの誤差信号と上記2つの検出信号補正用フィル
タ5a,5bより出力された2つの補正信号r11(n),
12(n)をすべて入力する。第2チャネルについても第
1チャネルと同様に、係数更新手段6bに、上記2つの
誤差信号と上記2つの検出信号補正用フィルタ5c,5
dより出力された2つの補正信号r21(n),r22(n)をす
べて入力する。そして、各チャネルの係数更新手段は式
(4)の評価基準Cを最小にするように適応型FIRフィ
ルタのフィルタ係数を更新する。
【数3】
【0005】式(4)でE[・]は期待値操作を表し、em
(n)は時刻nにおけるm番目の誤差信号、Mは誤差検出
マイクの総数である。第kチャネルの適応型FIRフィ
ルタの出力yk(n)は式(5)で示される。
【数4】
【0006】式(5)において、Iは適応型FIRフィル
タのタップ総数を示す。係数更新手段では、式(4)を最
小にするために式(5)を用いてフィルタ係数hki(n)を更
新する。
【数5】
【0007】式(6)において、rkm(n)は補正信号であ
り、検出信号補正用FIRフィルタの出力として得ら
れ、式(7)で計算される。また、αはステップサイズパ
ラメータであり、0≦α≪1の値をとる。
【数6】
【0008】式(7)において、gkmj(n)は第kチャネル
の適応型FIRフィルタの出力yk(n)が第m番目の誤差
検出マイクの出力として観測される過程の伝達特性を推
定したFIRフィルタの第jタップ目のフィルタ係数を
示し、rkm(n)はそのFIRフィルタの出力である。検
出信号補正用FIRフィルタ5a,5bは、これらのF
IRフィルタと同一のフィルタ係数を保持する。また式
(7)においてJは検出信号補正用FIRフィルタのタッ
プ総数を示す。
【0009】一般にM個の誤差検出マイクがある場合、
検出信号補正用FIRフィルタは1チャネルあたりM個
必要であり、チャネル数がKの場合、合計ではK×M個
必要となる。従って、図5の構成では2つの誤差検出マ
イクがあるので、第1チャネルの検出信号補正用には、
11j,g12j(j=0,1,…,J-1)をそれぞれのフィルタ係数
としてもつ2つのJタップ検出信号補正用FIRフィル
タ5a,5bが構成される。
【0010】さらに、図6に示すように、従来技術では
騒音制御系を複数用い、FIRフィルタを用いることに
よりクロストークを考慮し、騒音を適応処理する消音装
置が提案されている(特開平05-80778号公報)。
【0011】同図は2チャネルの騒音制御系を有する構
成である。騒音検出マイク1と、検出された騒音信号を
適応制御する適応型FIRフィルタ12a〜12dと、
その出力を加算する加算器13a,13bと、その出力
を再生するスピーカ2a,2bと、その再生音と騒音を
検出する誤差検出マイク3a,3bと、適応型FIRフ
ィルタ12a,12bの出力を信号処理するFIRフィ
ルタ16a,16bと、適応型FIRフィルタ12c,
12dの出力を信号処理するFIRフィルタ16c,1
6dと、加算器13a,13bの出力を信号処理するF
IRフィルタ16e〜16hと、誤差検出マイク3a,
3bの出力とFIRフィルタ16a〜16hの出力を演
算して適応型FIRフィルタ12a〜12dの制御信号
とする演算器15a〜15dとからなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図5の構成例では、適
応型FIRフィルタの制御においてスピーカの総数Kと
誤差検出マイクの総数Mの増加にともない式(6)、(7)の
計算量はその積K×Mで増加し、検出信号補正用FIR
フィルタもK×M個と必要となる。さらに、1チャネル
分の適応型FIRフィルタの制御に全ての誤差検出マイ
クの誤差信号を必要とすることによりシステムが複雑に
なり、部品点数およびコストが増加する。
【0013】また、図6による構成でもkチャネルシス
テムの場合、K+K(K−1)個の適応型フィルタと、
2K2(K−1)個のFIRフィルタとを必要とし、そ
れに伴い計算量も増加する。また、図5の構成の場合と
同様に1チャネル分の信号処理の制御に全ての誤差検出
マイクの誤差検出信号を必要とすることにより、システ
ムが複雑になり、部品点数およびコストが増加する。
【0014】これらの問題は、例えば信号処理手段の制
御を第kチャネルの誤差検出マイクをもちいて、式(8)
にしたがって行えば解決されるが、その場合他の物理量
の出力手段から第kチャネルの誤差検出手段に伝わるク
ロストークを考慮できないため、安定に制御できない可
能性がある。
【数7】 式(8)において、rk(n)は補正信号であり、検出信号補
正用FIRフィルタの出力として得られ、式(9)で計算
される。また、αはステップサイズパラメータであり、
0≦α≪1の値をとる。
【数8】 ただしgkiは第kチャネルの検出信号補正用FIRフィ
ルタのフィルタ係数であり、第kチャネルの適応型FI
Rフィルタの出力yk(n)が第k番目の誤差検出マイクの
出力として観測される過程の伝達特性を推定したもので
ある。
【0015】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、複数の能動制御装置において、その装置内の誤差検
出手段の出力だけを用いて制御を行う場合に発生する制
御の不安定性を回避する多チャネル能動制御装置を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、制御対象とする物理量を検出し検出信号を出
力する検出手段と、前記検出信号を入力して制御信号を
出力する信号処理手段と、前記制御信号を入力して制御
信号を物理量に変換する出力手段と、希望する物理量と
の誤差を検出して誤差信号を出力する誤差検出手段と、
前記検出信号を入力して補正信号を出力する検出信号補
正手段と、前記補正信号と前記誤差信号とを入力して希
望する物理量との誤差を低減させるために前記信号処理
手段を制御する信号処理制御手段とを有する能動制御装
置を複数備え、各能動制御装置が、制御対象とする物理
量の各周波数について、次の2式を満たす処理を行うこ
とを特徴とする多チャネル能動制御装置である。
【0017】
【数9】 ただし、 detA :Aの行列式 α :0≦α≪1 ρab :a番目の能動制御装置の制御信号からb番目の
能動制御装置の誤差信号までの振幅増加率と、b番目の
能動制御装置の制御信号からb番目の能動制御装置の誤
差信号までの振幅増加率との比 ψab :a番目の能動制御装置の制御信号からb番目の
能動制御装置の誤差信号までの位相と、b番目の能動制
御装置の制御信号からb番目の能動制御装置の誤差信号
までの位相との差 xn :1式のxについてのn番目の解 K :能動制御装置の数 であるとする。
【0018】上記能動制御装置において、αは任意であ
るが、後記の理由により、αに依存しない次式を満たす
能動制御装置を用いることができる。
【数10】
【0019】上記能動制御装置おいて、式(12)を満たす
ように出力手段と誤差検出手段との位置を調整する装置
と、誤差信号を処理する手段を設けた装置がある。また
物理量の検出信号が式(12)を満たさない周波数を含む場
合、その部分の周波数を除去する手段を設ける。
【0020】
【作用】kチャネルの能動制御装置の時刻nの第aチャ
ネルの制御信号で周波数fの成分をya(f,n)、物理量の
出力手段以外から放射された物理量による誤差信号で周
波数fの成分をna(f,n)とし、Atを行列Aの転置行列
として Y(f,n)=(y1(f,n) y2(f,n) … yK(f,n))t (13) N(f,n)=(n1(f,n) n2(f,n) … nK(f,n))t (14) とすると、次時刻の制御信号は、
【数11】 となる。このため、式(11)を満たすように構成された適
応制御装置では、
【数12】 より誤差信号が収束する。すなわち、各信号処理手段は
1つの誤差信号しか参照してないが制御対象とする物理
量は安定に制御される。ここで、物理量とは、例えば騒
音、振動あるいは電気信号のノイズ等である。
【0021】また、式(11)は、αが0≦α≪1であり、
α=0のとき|xn|=1であることにより、|xn|の
α=0における微分係数が負であるとき、式(12)は満た
される。そして、出力手段と誤差検出手段の配置が自由
に設定できるのであれば、式(12)を満たすように配置
し、出力手段と誤差検出手段の配置が自由に設定できな
いのであれば、誤差信号を式(12)を満たすように信号処
理すると、物理量が安定に制御される。また、式(12)を
満たさない周波数を検出信号から除去することによって
も、式(12)を満たすことができ、物理量を安定に制御で
きる。
【0022】
【実施例】次に、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明に係る多チャネル能動制御装置に
おける第1の実施例を示すブロック図である。これは騒
音源7から放射された騒音を2つのスピーカ2a,2b
の音響出力を適応制御することにより3次元空間内に配
置した2つの誤差検出マイク3a,3bの位置で騒音レ
ベルを低減する2チャネル能動騒音制御装置の構成例で
ある。
【0023】騒音源7から放射された騒音は検出手段で
ある騒音検出マイク1で検出し、騒音検出マイク1は検
出信号u(n)を第1チャネルの信号処理手段である適応
型FIRフィルタ4aおよび検出信号補正手段である第
1チャネルの検出信号補正用FIRフィルタ5aへ出力
する。検出信号u(n)は第2チャネルの信号処理手段で
ある適応型FIRフィルタ4bおよび検出信号補正用F
IRフィルタ5bへも同様に出力される。第1チャネル
の適応型FIRフィルタ4aでは検出信号u(n)をフィ
ルタリングし、制御信号y1(n)を出力手段であるスピー
カ2aに出力する。第2チャネルにおいても同様に制御
信号y2(n)をスピーカ2bに出力する。各スピーカから
出力された音は騒音と互いに干渉し、干渉後の残留騒音
を2箇所に配置した誤差検出手段である誤差検出マイク
3a,3bで検出する。誤差検出マイク3a,3bはそ
れぞれ誤差信号−e1(n),−e2(n)を出力する。信号処
理制御手段である第1チャネルの係数更新手段6aに、
上記誤差検出マイク3aにより出力された誤差信号−e
1(n)と上記検出信号補正用FIRフィルタ5aより出力
された補正信号r1(n)を入力する。第2チャネルについ
ても第1チャネルと同様に、係数更新手段6bに、誤差
検出マイク3bにより出力された誤差信号−e2(n)と上
記検出信号補正用FIRフィルタ5bより出力された補
正信号r2(n)を入力する。そして、各チャネルの係数更
新手段は式(17)の各評価基準Cmを最小にするように適
応型FIRフィルタのフィルタ係数を更新して、信号処
理手段である適応型FIRフィルタを制御する。
【数13】
【0024】式(17)でE[・]は期待値操作を表し、e
m(n)は時間nにおけるm番目の誤差信号である。第kチ
ャネルの適応型FIRフィルタの時間nにおけるiタッ
プ目のフィルタ係数をhki(n)すると、第kチャネルの
適応型FIRフィルタの出力yk(n)は式(18)で示され
る。
【数14】
【0025】式(18)において、Iは適応型FIRフィル
タのタップ総数を示す。係数更新手段では式(17)を最小
にするため、式(19)を用いてフィルタ係数hki(n)を更
新する。 hki(n+1)=hki(n)+αek(n)rk(n-i) (19) 式(19)において、rk(n)は補正信号であり、検出信号補
正用FIRフィルタの出力として得られ、式(20)で計算
される。また、αはステップサイズパラメータであり、
0≦α≪1の値をとる。
【数15】
【0026】式(20)において、gkj(n)は、第kチャネ
ルの適応型FIRフィルタの出力yk(n)が第k番目の誤
差検出マイクの出力として観測される過程の伝達特性を
推定したFIRフィルタの第jタップ目のフィルタ係数
を示し、rk(n)はそのFIRフィルタの出力である。検
出信号補正用FIRフィルタ5a,5bはこれらのFI
Rフィルタと同一のフィルタ係数を保持する。また式(2
0)においてJは検出信号補正用FIRフィルタのタップ
総数を示す。
【0027】さて、kチャネル能動制御装置において、
次のことが言える。第aチャネルの制御信号と第bチャ
ネルの誤差信号間の周波数fの伝達関数をHab(f)、時刻
nの第aチャネルの制御信号で周波数fの成分をya(f,
n)、時刻nの第aチャネルの誤差信号で周波数fの成分
をea(f,n)、時刻nの第aチャネルの物理量出力手段以
外から放射された物理量による誤差信号で周波数fの成
分をna(f,n)とし、Atを行列Aの転置行列として E(f,n)=(e1(f,n) e2(f,n) … eK(f,n))t (21) Y(f,n)=(y1(f,n) y2(f,n) … yK(f,n))t (22) N(f,n)=(n1(f,n) n2(f,n) … nK(f,n))t (23) とすると、 E(f,n)=H(f)Y(f,n)+N(f,n) (24) となる。ここで、
【数16】 である。
【0028】次時刻の制御信号Y(f,n+1)は誤差信号レ
ベルを小さくするように制御されるため、αをステップ
サイズパラメータとして Y(f,n+1)=Y(f,n)−αE(f,n) (26) となる。式(26)に式(24)を代入し、時刻nとn+1の時
間間隔は小さいと仮定して漸化式を解くと、 Y(f,n)=(I−αH(f))nY(f,0)−H(f)-1(N(f,n)−N(f,0)) (27) となる。ここで、IはK行K列の単位行列である。これ
より、Y(f,n)は、
【数17】 であるとき収束する。すなわち、I−αH(f)の固有値
がすべて1以下であるときY(f,n)は、収束することが
わかる。
【0029】ここで、 Y'(f,n)=(H11(f)y1(f,n) H22(f)y2(f,n) … HKK(f)yK(f,n))t (29)
【数18】 とする。そしてY(f,n)とY'(f,n)とを交換し、H(f,n)
とH'(f,n)と交換しても、上に述べたことは同様に成り
立つ。そして、このように交換することにより、固有値
の計算を容易にできる。交換方法としては上にのべたほ
かにも無数の組み合わせが考えられるので、固有値の計
算が容易になるような組み合わせを使うのが良い。ここ
で、第aチャネルの制御信号と第bチャネルの誤差信号
間の周波数fのゲインをGab(f)、位相をθab(f)とする
と、
【数19】 となる。(以後、全ての変数の周波数fに対する添字は
省略する。)
【0030】次に、
【数20】 ここで、 ρab :a番目の能動制御装置の制御信号からb番目の
能動制御装置の誤差信号までの振幅増加率と、b番目の
能動制御装置の制御信号からb番目の能動制御装置の誤
差信号までの振幅増加率との比 ψab :a番目の能動制御装置の制御信号からb番目の
能動制御装置の誤差信号までの位相と、b番目の能動制
御装置の制御信号からb番目の能動制御装置の誤差信号
までの位相との差 とすると、
【数21】 となる。
【0031】式(34)の固有値は、
【数22】 のxについての解であり、xnをxのn番目の解である
とすると |xn|<1 (n=1,2, … ,K) (36) を満たすとき、この能動制御装置は安定的に制御され
る。式(36)は変数としてαを含んでいるが、αは0≦α
≪1であり、α=0のとき|xn|=1(n=1,2,…,K)
を考慮すると|xn|のα=0における微分係数が負で
あるとき、すなわち
【数23】 であるならば、式(36)は満たされることが分かる。この
ようにすることにより、αの値に依存せずに安定に制御
される条件を求めることができる。
【0032】したがって、上述の2チャネル能動制御装
置がクロストークを考慮せずに、安定に制御されるに
は、次の2式を満たす必要がある。
【数24】
【0033】ρ12、ρ21、ψ12、ψ21の値は、上に述べ
た構成の2チャネル能動騒音制御装置の制御信号と誤差
信号の伝達関数を測定して、その結果から求める。伝達
関数の測定方法を示すブロック図を図2に示す。第1チ
ャネルのスピーカ2aにホワイトノイズを入力し、第2
チャネルの誤差検出マイク3bが検出した誤差信号とホ
ワイトノイズをFFTアナライザに入力する。これを全
てのスピーカと誤差検出マイクの組み合わせについて行
う。スピーカにホワイトノイズを入力するのは、精度良
く伝達関数を計算するためであり、FFTアナライザを
用いた理由も同様に、精度良く伝達関数を計測するため
である。よって、他の方法により、より精度良く伝達関
数を計測できるときは、その方法を用いたほうが良い。
【0034】FFTアナライザで計測した伝達関数の結
果をもとに1番目の能動騒音制御装置の制御信号から2
番目の能動騒音制御装置の誤差信号までの振幅増加率と
2番目の能動騒音制御装置の制御信号から2番目の能動
騒音制御装置の誤差信号までの振幅増加率との比ρ12
および1番目の能動騒音制御装置の制御信号から2番目
の能動騒音制御装置の誤差信号までの位相と2番目の能
動騒音制御装置の制御信号から2番目の能動騒音制御装
置の誤差信号までの位相との差ψ12を求める。ρ21、ψ
21についても同様に求める。そして、式(39)を2チャネ
ル能動騒音制御装置について解いた式(40)を満たすよう
にスピーカと誤差検出マイクを配置する。このようにす
ることにより、新たに能動騒音制御装置に付加的なフィ
ルタを用いることなく、消音が可能となる。
【数25】
【0035】また、スピーカと誤差検出マイクの位置が
固定されている場合は、図3に示すように、各チャネル
ごとに誤差検出マイクと係数更新手段との間にフィルタ
を配置して、誤差信号をフィルタを用いて変形すること
で式(40)を満たすようにする。このようにしても従来技
術に比較して、部品数は少なく、チャネル数が増えるほ
ど、従来技術の部品数との差は顕著となる。ただし、伝
達関数が精度良く計測されない周波数、すなわち制御信
号と誤差信号間のコヒーレンスが悪い周波数では、伝達
関数の精度はあまりよくないと考えられるため、その周
波数に上記技術を用いるときには注意が必要である。
【0036】また図4に示すように、騒音検出マイクか
らの信号を、フィルタを介することにより、式(40)を満
たさない、すなわち発散する可能性のある周波数を検出
信号から除去するのも有効である。このようにすること
により、誤差信号にフィルタを用いて式(40)を満たすよ
りも簡単な構成で安定に制御を行わせることができる。
【0037】本発明は、上記実施例に示した構成に限る
ものではない。すなわち、上記実施例においては信号処
理手段として適応型FIRフィルタを用いているが、本
発明は、適応型IIRフィルタやラチスフィルタ等を用
いた場合にも適用できる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、複数の能動制御装置が、その
装置内の誤差検出手段を用いて制御する構成であるが、
式(1)および式(2)を満たすように処理を行うので、クロ
ストークを考慮せずに安定な制御が可能となり、かつシ
ステムの簡単化、部品点数とコストの低減を図れる。さ
らに式(3)を満たせば、αに依存しないで、安定な制御
が可能となる。また式(3)を満たすように出力手段と誤
差検出手段を配置するから、信号処理制御手段の制御信
号を変更せずに安定に制御できる。あるいは式(3)を満
たすように誤差信号を変形すれば、出力手段と誤差検出
手段が固定されていても、安定に制御できる。さらに検
出信号から式(3)を満たさない周波数を除去することに
よっても、安定に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る能動制御装置の第1の実施例を示
すブロック図である。
【図2】伝達関数測定手段を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る能動制御装置の第2の実施例を示
すブロック図である。
【図4】本発明に係る能動制御装置の第3の実施例を示
すブロック図である。
【図5】従来の能動騒音制御装置のブロック図である。
【図6】従来の能動騒音制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 騒音検出マイク 2a,2b スピーカ 3a,3b 誤差検出マイク 4a,4b 適応型FIRフィルタ 5a,5b 検出信号補正用FIRフィルタ 6a,6b 係数更新手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象とする物理量を検出し検出信号
    を出力する検出手段と、前記検出信号を入力して制御信
    号を出力する信号処理手段と、前記制御信号を入力して
    制御信号を物理量に変換する出力手段と、希望する物理
    量との誤差を検出して誤差信号を出力する誤差検出手段
    と、前記検出信号を入力して補正信号を出力する検出信
    号補正手段と、前記補正信号と前記誤差信号とを入力し
    て希望する物理量との誤差を低減させるために前記信号
    処理手段を制御する信号処理制御手段とを有する能動制
    御装置を複数備え、 各能動制御装置が、制御対象とする物理量の各周波数に
    ついて、次の式(1)および式(2)を満たす処理を行うこと
    を特徴とする多チャネル能動制御装置。 【数1】 ただし、 detA :Aの行列式 α :0≦α≪1 ρab :a番目の能動制御装置の制御信号からb番目の
    能動制御装置の誤差信号までの振幅増加率と、b番目の
    能動制御装置の制御信号からb番目の能動制御装置の誤
    差信号までの振幅増加率との比 ψab :a番目の能動制御装置の制御信号からb番目の
    能動制御装置の誤差信号までの位相と、b番目の能動制
    御装置の制御信号からb番目の能動制御装置の誤差信号
    までの位相との差 xn :1式のxについてのn番目の解 K :能動制御装置の数 であるとする。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 各能動制御装置が、式(3)を満たす処理を行うことを特
    徴とする多チャネル能動制御装置。 【数2】
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記式(3)を満たすように出力手段と誤差検出手段を配
    置する多チャネル能動制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 前記式(3)を満たすように誤差信号を変形する手段を備
    えた多チャネル能動制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項2において、 前記式(3)を満たさない周波数を検出信号から除去する
    手段を備えた多チャネル能動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101276304B1 (ko) * 2011-11-15 2013-06-24 삼성중공업 주식회사 다채널 센싱 장치 및 이를 이용한 풍력 발전 장치

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