JPH0876363A

JPH0876363A - 印刷用画像データ変換方法及びその装置

Info

Publication number: JPH0876363A
Application number: JP23227594A
Authority: JP
Inventors: Katsuya Takemori; 勝也竹森; Makoto Honda; 真本多; Sadaichi Nishioka; 貞一西岡
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1994-08-31
Filing date: 1994-08-31
Publication date: 1996-03-22

Abstract

(57)【要約】【目的】カラー原稿を印刷用のＣＭＹＫの各色版デー
タに変換するに際し、下色除去率のマニュアル調整を不
要にし、特性の異なる印刷やカラープリンタにも容易に
対応でき、かつ入力画像データのＣＭＹＫ値への計算処
理を高速化する。【構成】データベース構築部１０において、既知のＣ
ＭＹＫ量の組み合わせと色彩値との対応関係を各Ｋごと
にデータベースとして構築し、変換テーブル作成部２０
において、入力画像データから算出される色彩値のグレ
ー成分からＫ量を決定し、このＫ量を基にデータベース
を検索することにより、色彩値を満たすＣＭＹ量を求め
て、入力画像データとＣＭＹＫ量との対応関係を表わす
変換テーブルを作成する。画像データ変換部３０におい
ては、入力画像データを画素ごとに読み込み、このデー
タを基に変換テーブルを検索することにより、該データ
に対応するＣＭＹＫ量を求め構成にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カラーフィルム、絵画
などのカラー画像をＣ（シアン）、Ｍ（マゼンタ）、Ｙ
（イエロー）、Ｋ（墨）の各版の印刷用画像データに変
換する画像データ変換方法及びその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図７により従来の印刷用画像変換方法に
ついて説明する。まず、カラーフィルム、絵画などのカ
ラー原稿をカラースキャナで走査することにより得られ
る透過光または反射光を色分解光学系によりＲＧＢに分
解し、このＲＧＢデータをマスキング部１でマスキング
処理することにより、色材の不正吸収を補正して色修正
を行った後ＣＭＹに変換する。次に、変換された各ＣＭ
Ｙの量を比較演算することにより、これらＣＭＹのグレ
ー成分Ｇｒａｙをグレー成分抽出部２で算出する。その
後、算出したＧｒａｙ量から墨入れを行うしきい値を決
定し、このしきい値を基準にしてＣＭＹのグレー成分を
墨版に置き換えるための実際の墨量（Ｋ量）を墨量決定
部３でマニュアル操作により決定する。然る後、下色除
去処理部４において、マスキング部１から出力される各
ＣＭＹ量から上記Ｋ量と同等の値を減算することによ
り、ＣＭＹのグレー成分を取り除いて墨版に置き換え、
カラー原稿と同等の色が再現されるように補正して、印
刷用のＣＭＹＫ量を決定する。このように、下色除去法
によりＣＭＹのグレー成分を取り除いて墨版に置き換え
ることにより、シャドー部などの再現性を向上させると
ともに、ＣＭＹのインキの消費量を低減できる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、カラー印刷
では、色分解によりＣＭＹＫの色版を作り、これを刷り
重ねて色彩を再現するが、分色フィルタの特性、各色版
の階調再現性、プロセスインキの特性などに問題がある
ため、単純に関係式から求めたＣＭＹのグレー成分を墨
版（Ｋ量）に置き換えて印刷しても、カラー原稿と同等
な色を再現できない。これはＣＭＹ量の比較計算により
得たグレー成分から決定されるＫ量とＣＭＹ量の関係が
非線形であり、しかも、その印刷の再現色は相加則や比
例則が成立しないからである。従って、上記従来の画像
変換方法では、算出されたＣＭＹ量のグレー成分を基に
ＣＭＹの下色除去率をオペレータの経験にしたがいマニ
ュアルで調整することにより、印刷用のＣＭＹＫ量を決
定している。しかしながら、色彩値の保存を保証しなが
ら下色除去率を調整することは極めて困難であり、カラ
ー印刷に精通した熟練と経験を有する技術者が必要にな
る。また、印刷機やカラープリンタが同一機種であっ
も、その特性は微妙に異なっているため、各機種ごとに
図７に示す処理を行って新たに再調整する必要があっ
た。さらに、上記従来の画像変換方法では、カラー原稿
のＣＭＹＫ値への変換に際しても各画素ごとに同一の演
算を繰り返して行わなければならないため、計算量が多
くなり、多くの処理時間がかかるという問題があった。

【０００４】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、カラー原稿を印刷用のＣ
ＭＹＫの各色版データに変換するに際し、下色除去率の
マニュアル調整を不要にするとともに、特性の異なる印
刷やカラープリンタにも容易に対応でき、かつ入力画像
データのＣＭＹＫ値への計算処理を高速化できる印刷用
の画像変換方法を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項１の発明は、カラー原稿から入力されるＲ（レッ
ド）、Ｇ（グリーン）、Ｂ（ブルー）の画像データをＣ
（シアン）、Ｍ（マゼンタ）、Ｙ（イエロー）、Ｋ
（墨）の各版の印刷用画像データに変換する印刷用画像
データ変換方法であって、既知のＣＭＹＫの量の組み合
わせに対する色彩値の対応関係を前記各Ｋ量ごとに分類
してデータベースを構築する第１の工程と、前記入力画
像データに対する色彩値のグレー成分からＫ量を決定す
る第２の工程と、前記決定されたＫ量を基に前記データ
ベースを検索して前記入力画像データの色彩値に対応す
るＣＭＹ量を決定する処理を行い入力画像データとＣＭ
ＹＫ量との対応関係を表わす入出力値変換テーブルを作
成する第３の工程と、前記入力画像データを各画素ごと
に読み込み、この画像データに対応するＣＭＹＫ量を前
記入出力値変換テーブルから求め、印刷用の画像データ
に変換する第４の工程とを備える構成にした。

【０００６】請求項２の発明は、前記第３の工程におい
て、前記決定されたＫ量を基に前記データベースを検索
する時に要求するＫ量が存在しない時は、該要求するＫ
量の前後のＫ量に対応するデータベース上の色彩値を基
に補間演算を行うことにより、要求するＫ量に対応する
入力画像データの色彩値とＣＭＹＫ値との対応関係を求
め、前記入力画像データとＣＭＹＫ量との対応関係を表
わす入出力変換テーブルを作成するようにした。

【０００７】請求項３の発明は、前記第４の工程におい
て、入力画像データに対応する値が変換テーブル上に存
在しないときに、その値の前後に対応する前記変換テー
ブル上のデータから補間演算を行ってＣＭＹＫ量を求め
るようにした。

【０００８】請求項４の発明は、カラー原稿から入力さ
れるＲ（レッド）、Ｇ（グリーン）、Ｂ（ブルー）の画
像データをＣ（シアン）、Ｍ（マゼンタ）、Ｙ（イエロ
ー）、Ｋ（墨）の各版の印刷用画像データに変換する印
刷用画像データ変換装置であって、既知のＣＭＹＫの量
の組み合わせと色彩値との対応関係を前記各Ｋ量ごとに
分類してデータベースを構築するデータベース構築手段
と、前記入力画像データを色彩値に変換する色彩値変換
手段と、前記変換された色彩値からグレー成分を算出
し、該グレー成分からＫ量を決定するＫ量決定手段と、
前記決定されたＫ量を基に前記データベースを検索して
前記入力画像データの色彩値に対応するＣＭＹ量を決定
する処理を行い入力画像データとＣＭＹＫ量との対応関
係を表わす変換テーブルを作成する変換テーブル作成手
段と、前記入力画像データを各画素ごとに読み込み、こ
の画像データに対応するＣＭＹＫ量を前記変換テーブル
から求めて印刷用の画像データに変換する画像データ変
換手段とを備える構成にした。

【０００９】請求項５の発明は、前記変換テーブル作成
手段が、前記Ｋ量決定手段で決定されたＫ量を基に前記
データベースを検索する時に要求するＫ量が存在しない
時は、該要求するＫ量の前後のＫ量に対応するデータベ
ース上の色彩値を基に補間演算を行って要求するＫ量に
対応する入力画像データの色彩値とＣＭＹＫ値との対応
関係を求め、前記入力画像データとＣＭＹＫ量との対応
関係を表わす入出力変換テーブルを作成する補間演算手
段を備えてなるものである。

【００１０】請求項６の発明は、前記画像データ変換手
段が、入力画像データに対応する値が前記変換テーブル
上に存在しないときに、その値の前後に対応する前記変
換テーブル上のデータから補間演算を行ってＣＭＹＫ量
を求める補間演算手段を備えてなるものである。

【００１１】

【作用】本発明においては、既知のＣＭＹＫ量の組み合
わせに対する色彩値、例えばＣＭＹＫ量の組み合わせに
よる各カラーチャートの再現色である色彩値を測定して
求め、この色彩値とＣＭＹＫ量との対応関係を各Ｋごと
にデータベースとして予め構築しておき、さらに、入力
画像データから得られる色彩値のグレー成分からＫ量を
決定し、このＫ量を基にデータベースを検索して、入力
画像データの色彩値を満たすＣＭＹ量を求め、また上記
Ｋ量に対応する値がデータベース上に存在しない時は、
入力画像データから得た色彩値をキーにデータベースを
検索し、かつ補間演算を行って色彩値を満たすＣＭＹ量
を求め、これらの検索補間処理を入力画像データの色再
現空間の代表的な色彩値に対し繰り返し実行して入力画
像データとＣＭＹＫ量との対応関係を示す変換テーブル
を作成する。そして、入力画像データから画素ごとに読
み込まれる画像データを基に上記変換テーブルを検索す
ることにより、該画像データに対応するＣＭＹＫ量を求
めるとともに、入力画像データに対応する値が変換テー
ブル上に存在しない場合は、その値の前後に対応する変
換テーブル上のデータを基に補間演算を行うことにより
ＣＭＹＫ量を求めて印刷用の画像データに変換する。よ
って、変換テーブルの検索及び補間演算だけで入力画像
データを印刷用の画像データに高速で変換でき、その処
理能力が大幅に向上し、印刷用画像データへの変換精度
も向上できる。

【００１２】また、本発明においては、入力画像データ
から算出される色彩値のグレー成分からＫ量を決定し、
このＫ量を基にデータベースを検索して色彩値を満たす
ＣＭＹ量を求めることにより、下色除去率のマニュアル
調整が不要になり、任意の下色除去率での色彩値の保存
を保証できる。さらに、本発明においては、ＣＭＹＫ量
とその再現色である色彩値との対応関係を表わすデータ
ベースを印刷機やカラープリンタごとに独立して設けて
おくことにより、データベースを切り替えるだけで特性
の異なる各種の印刷機やカラープリンタに即時に対応し
得る。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本発明方法による印刷用画像変換システ
ムの全体構成を示す機能ブロック図である。図１におい
て、印刷用画像変換システムは、既知のＣＭＹＫ量の組
み合わせで得られるカラーチャートとその再現色である
色彩値との対応関係を構築するデータベース構築部１０
と、入力画像データの色再現空間における色彩値からＫ
量を算出し、このＫ量に基づいてデータベースからＣＭ
Ｙ量を検索し決定して画像データとＣＭＹＫ量と対応関
係を示す入出力値変換テーブルを作成する変換テーブル
作成部２０と、入力画像データを各画素ごとに読み込
み、この画像データに対応するＣＭＹＫ量を変換テーブ
ル作成部２０で作成した変換テーブルから求める画像デ
ータ変換部３０を備える。

【００１４】前記データベース構築部１０は、既知のＣ
ＭＹＫ量の組み合わせからカラーチャートを出力するチ
ャート出力手段１１と、このチャート出力手段１１から
出力される各カラーチャートの再現色である色彩値をＸ
ＹＺ表色系を利用して測定する色彩値測定手段１２と、
各カラーチャートの再現される色彩値とＣＭＹＫ量との
対応関係をＫ量ごとに分類しファイル化してデータベー
スを構築するデータベース作成手段１３と、このＫ量ご
とに分類したファイル１４ａをデータベースとして格納
する記憶手段１４とから構成される。

【００１５】上記Ｋ量は、例えばＫ＝０、Ｋ＝０．２、
Ｋ＝０．４、Ｋ＝０．６、Ｋ＝０．８、Ｋ＝１．０の６
段階に設定され、これに対応して、チャート出力手段１
１から出力される４変数の組み合わせから得られるカラ
ーチャート数は１２９６＝６⁴ 通りとなる。また、この
各カラーチャートとその再現色である色彩値との対応関
係を表わすファイル１４ａは、上記各Ｋ量ごとに６つに
分類して記憶手段１４に格納される。

【００１６】前記変換テーブル作成部２０は、入力画像
データのＲＧＢ値をＸＹＺ表色系の三刺激値に変換して
色彩値ＸＹＺを算出する色彩値算出手段２１と、この色
彩値ＸＹＺからグレー成分を算出し、このグレー成分か
らＫ量（ｋ）を算出するＫ量算出手段２２と、算出した
Ｋ量（ｋ）が上記各Ｋ量のいずれかの中間にあるとき、
該中間のＫ量（ｋ）の前後のＫ量に対応するデータベー
ス上のファイル１４ａを基に補間演算を行って中間のＫ
量（ｋ）とＣＭＹ量の組み合わせによる再現色の色彩値
とＣＭＹＫ値との対応関係を表わすファイル２３ａを新
たに作成する補間演算手段２３と、算出したＫ量（ｋ）
を基に記憶手段１４のデータベースを検索することによ
り、色彩値算出手段２１で算出した色彩値に対応するＣ
ＭＹ量を求めるとともに、上記中間のＫ量（ｋ）を基に
上記ファイル２３ａを検索することにより、色彩値算出
手段２１で算出した色彩値に対応するＣＭＹ量を求める
ＣＭＹ量検索手段２４と、算出したＫ量を基に色彩値算
出手段２１で算出した色彩値に対応するＣＭＹ量を求め
る処理を入力画像データの色再現空間の代表的な色彩値
に対し繰り返して行うことで入力画像データとＣＭＹＫ
量との対応関係を記述し入出力値変換テーブルとして格
納する記憶手段２５とから構成される。なお、各カラー
チャートの再現される色彩値とＣＭＹＫ量との対応関係
を表わすデータベースは、各印刷機やカラープリンタに
対応して別々に作成される。

【００１７】前記画像データ変換部３０は、カラー原稿
からＲＧＢ３色に分解された画像データを画素ごとに読
み込む画像データ読み込み手段３１と、この画像データ
読み込み手段３１からの画像データを基に前記入出力値
変換テーブルを検索することにより、該画像データに対
応するＣＭＹＫ量を画素ごとに求める画像データ検索手
段３２と、入力された画像データの値が入出力値変換テ
ーブル上に存在しない時は、該入力画像データの前後に
対応する変換テーブル上のデータを基に補間演算を行っ
て入力画像データに対応するＣＭＹＫ量を求める補間演
算手段３３と、前記画像データ検索手段３２により検索
されたＣＭＹＫ量及び前記補間演算手段３３により補間
されたＣＭＹＫ量を印刷用データの画素として書き出す
データ出力手段３４とから構成される。

【００１８】次に、上記のように構成された本実施例の
動作について説明する。データベース構築部１０では、
既知のＣＭＹＫ量の組み合わせから得られる各カラーチ
ャートの色彩値（ＣＩＥＸＹＺ）を測定し、この色彩
値とＣＭＹＫ量との対応関係を示すデータベースを各Ｋ
ごとに予め構築しておく。次に変換テーブル作成部２０
において、入力画像データ全体の色再現空間を分割し、
この色再現空間における代表的な色彩値に対応するＣＭ
ＹＫ量をデータベースから求め、この色彩値とＣＭＹＫ
量との対応関係を入出力値変換テーブルとして作成し、
記憶手段２５に格納しておく。ここで、色彩値は三次元
空間で表示されるが、印刷／カラープリンタ用の色版デ
ータはＣ、Ｍ、Ｙ、Ｋの４変数であるため、その変数の
組み合わせ方は一意に決定することができない。そこ
で、まず拘束条件として、入力画像データのＲＧＢから
算出される色彩値のグレー成分からＫ量を決定し、この
Ｋ量を基にデータベースを検索することにより、色彩値
算出手段２１で算出した色彩値に対応する残りの３変数
であるＣＭＹ量を決定する。また、色彩値とＣＭＹ量は
単純な関係式で対応できても精度が不十分で、色彩値の
保存を保証することができないため、算出した色彩値を
キーにデータベースを検索し、かつ補間演算を行って色
彩値を再現するＣＭＹ量を求める。このようにして印刷
／カラープリンタ用のＣＭＹＫ量を決定するのに必要な
変換テーブルを作成する。

【００１９】以下、変換テーブル作成部２０での詳細な
処理について、図２〜図５を参照して説明する。まず、
ＸＹＺ表色系で表わされる再現色の色彩値からグレー成
分（Ｇｒａｙ）を算出する場合を図２について述べる。
色を表わす色彩値ＸＹＺ、即ち赤の波長域に感度を持つ
Ｘ、緑の波長域に感度を持つＹ、青の波長域に感度を持
つＺの値は図２の斜線部分に示すように表わされ、その
白黒レベルでの割合は、基準となる白色（Ｘ₀ 、Ｙ₀ 、
Ｚ₀ ＝１．０）に対するＸＹＺの比によって表わされ
る。この色彩値からグレー成分（Ｇｒａｙ）を算出する
場合は、Ｘ／Ｘ₀ 、Ｙ／Ｙ₀ 、Ｚ／Ｚ₀ のうちの割合の
最も大きい値（図２では、Ｘ／Ｘ₀ が最も大きい）を明
るさの度合を示す最大値１．０から減算し、その差をグ
レー成分（Ｇｒａｙ）とする。

【００２０】図３は、墨量Ｋとグレー成分Ｇｒａｙとの
関係を表わしたグラフであり、墨入れ、即ち下色除去を
行う点をグレー成分（Ｇｒａｙ）の基準値（Ｔｈｒｅｓ
ｈ）とし、再現される色彩値から算出したグレー成分
（Ｇｒａｙ）の値が基準値（Ｔｈｒｅｓｈ）より大きく
なった場合は、図３に示す一次曲線４１に従ってＫ量
（ｋ）が決定される。即ち、グレー成分（Ｇｒａｙ）の
値が基準値（Ｔｈｒｅｓｈ）より小さい場合はＫ量
（ｋ）をゼロとし、大きい場合は、以下に示す式（１）
に従って算出される。ｋ＝（Ｇｒａｙ−Ｔｈｒｅｓｈ）／（１−Ｔｈｒｅｓｈ）×Ｋｍａｘ（１）ただし、Ｋｍａｘは、Ｋ量の最大値を示す。

【００２１】次に、算出したＫ量（ｋ）に対応するファ
イルがデータベース上に存在しない時に、算出したＫ量
（ｋ）に対応するファイルをデータベースを基に補間演
算により新たに作成する場合について、図４を参照して
説明する。この場合は、要求するＫ量（ｋ）の前後のＫ
量（ｋ′）、（ｋ″）に対応するデータベース上の色彩
値から次の数１｛式（２）｝に示すような距離による重
み付けをした補間演算を行う。（２）式中、ｋより値の
小さいＫ量をｋ′、大きいＫ量をｋ″とし、これに対応
するそれぞれの色彩値をｘ′，ｙ′，ｚ′、ｘ″，
ｙ″，ｚ″とし、求める色彩値をｘ，ｙ，ｚとする。

【００２２】

【数１】

【００２３】次に、Ｋ量を固定したときの色彩値を満た
すＣＭＹ量をデータベースから求める場合につき図５を
参照して説明する。この場合、データベースとして記憶
手段１４に格納されているデータはＣＭＹが均等に整列
しているのに対し、色彩値は均等に整列していないた
め、直接参照すべきアドレスを特定することができな
い。そこでＣＭＹと色彩値の関係が単調減少する性質を
利用して、以下に述べる手法により検索する。

【００２４】まず、ＣＭＹの値の取り得る最大、最小、
中間点の組み合わせである２７（３³ ）点の色彩値を求
め、この色再現空間を図５の（ａ）に示すように８分割
し、求める色彩値が８分割のどの領域に含まれているか
を求める。この図５（ａ）において斜線を施した領域が
求める色彩値の領域となる。次に、求めた領域の中のＣ
ＭＹの値の取り得る最大、最小、中間点の組み合わせで
ある２７（３³ ）点の色彩値を求め、この求めた領域を
図５（ｂ）に示すように更に８分割し、求める色彩値が
８分割のどの領域に含まれるかを求める。この図５
（ｂ）において斜線を施した領域が求める色彩値の領域
である。以下同様にして、図５（ｂ）で求めた領域を図
５（ｃ）に示すように更に８分割する。このように、求
める精度の色彩値が得られるまで、求める色彩値を含む
領域を繰り返し分割することにより、色彩値を再現する
ＣＭＹの組み合わせを検索する。

【００２５】次に、変換テーブルを利用して入力画像デ
ータをＣＭＹＫ量に変換するときの補間演算につき図６
を参照して説明する。三色に色分解することにより得ら
れる入力画像データの値（ｒｇｂ）を基に、図６に示す
ように、（ｒｇｂ）を囲む値（ｒ′，ｒ″，ｇ′，
ｇ″，ｂ′，ｂ″）を変換テーブルから求め、このそれ
ぞれの組み合わせである８点のＣＭＹＫ値から次に示す
数２｛式（３）｝に従って、３方向の距離による重み付
けをした補間演算を行うことによりＣＭＹＫ量を求め
る。（３）式はＣ量（ｃ）の演算例であり、この（３）
式におけるｃの添え字は各８点のｃの値とする。

【００２６】

【数２】

【００２７】Ｍ、Ｙ、Ｋ量についても上記Ｃ量と同様な
補間演算が行われる。このように入力画像データに対応
する値が存在しない場合は、変換テーブル上のデータを
基に（３）式に示す補間演算を行うことによりＣＭＹＫ
量を求めるとともに、画像データ変換部３０における画
像データ読み込み手段３１、画像データ検索手段３２、
補間演算手段３３及びデータ出力手段３４での各処理を
入力画像データの全画素について繰り返すことにより、
入力画像データを印刷用の画像データに変換する。

【００２８】上述のように本実施例においては、データ
ベース構築部１０において、既知のＣＭＹＫ量の組み合
わせによる各カラーチャートの再現色である色彩値を測
定し、この色彩値とカラーチャートとの対応関係を各Ｋ
ごとにデータベースとして予め構築しておき、さらに、
変換テーブル作成部２０において、入力画像データのＲ
ＧＢから算出される色彩値のグレー成分からＫ量を決定
し、このＫ量を基にデータベースを検索することによ
り、上記算出した色彩値に対応するＣＭＹ量を求め、ま
た上記Ｋ量に対応する値がデータベース上に存在しない
時は、算出した色彩値をキーにデータベースを検索し、
かつ補間演算を行って色彩値を再現するＣＭＹ量を求
め、これらの検索補間処理を入力画像データの色再現空
間の代表的な色彩値に対し繰り返し実行して入力画像デ
ータ（ＲＧＢ）とＣＭＹＫ量との対応関係を示す変換テ
ーブルを作成する。そして、画像データ変換部３０にお
いては、入力画像データを画素ごとに読み込み、このデ
ータを基に変換テーブルを検索することにより、該デー
タに対応するＣＭＹＫ量を求めるとともに、入力画像デ
ータに対応する値が変換テーブル上に存在しない場合
は、その値の前後８点に対応する変換テーブル上のデー
タから補間演算を行ってＣＭＹＫ量を求める構成にした
ので、画像データ変換部３０では、変換テーブルの検索
及び補間演算だけで入力画像データを印刷／カラープリ
ンタ用の画像データ（ＣＭＹＫ）に変換することがで
き、入力画像データのＣＭＹＫ値への変換処理を高速化
できるほか、その処理能力を大幅に向上でき、さらに前
処理工程であるデータベース構築部１０と色彩値から決
定したＫ量を基にデータベースから色彩値を満たすＣＭ
Ｙ量を検索し決定する変換テーブルを設けることによ
り、入力画像データの印刷用画像データへの変換精度も
向上できる。

【００２９】また、本実施例においては、入力画像デー
タから算出される色彩値のグレー成分からＫ量を決定
し、このＫ量を基にデータベースを検索して色彩値を満
たすＣＭＹ量を求める構成になっているため、従来のよ
うにＣＭＹの量からグレー成分を抽出しＫ量を決定する
場合と異なり、下色除去率のマニュアル調整が不要にな
り、任意の下色除去率での色彩値の保存を保証できる。
さらに、本実施例においては、データベース構築部１０
において構築されるカラーチャートとその再現色である
色彩値との対応関係を表わすデータベースを印刷機やカ
ラープリンタごとに独立して設けておくことにより、特
性の異なる印刷機やカラープリンタ用の変換テーブルを
簡単に作成することができ、その結果、従来のように印
刷機やカラープリンタが変わるごとに画像データを再加
工したり、再調整したりする必要がなくなり、データベ
ースを切り替えるだけで各種の印刷機やカラープリンタ
に即時に対応できる。

【００３０】なお、上記実施例では、入力画像データが
ＲＧＢである場合について説明したが、本発明はこれに
限らず、ＹＣＣデータなどを用いることもできるまた、
本発明は、上記実施例に示す構成のものに限らず、請求
項に記載した範囲を逸脱しない限り、種々の変形、変更
が可能である。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、カラー原
稿から入力されるＲ（レッド）、Ｇ（グリーン）、Ｂ
（ブルー）の画像データをＣ（シアン）、Ｍ（マゼン
タ）、Ｙ（イエロー）、Ｋ（墨）の各版の印刷用画像デ
ータに変換する印刷用画像データ変換方法であって、既
知のＣＭＹＫの量の組み合わせに対する色彩値の対応関
係を前記各Ｋ量ごとに分類してデータベースを構築する
第１の工程と、前記入力画像データに対する色彩値のグ
レー成分からＫ量を決定する第２の工程と、前記決定さ
れたＫ量を基に前記データベースを検索して前記入力画
像データの色彩値に対応するＣＭＹ量を決定する処理を
行い、前記入力画像データとＣＭＹＫ量との対応関係を
表わす入出力値変換テーブルを作成する第３の工程と、
前記入力画像データを各画素ごとに読み込み、この画像
データに対応するＣＭＹＫ量を前記入出力値変換テーブ
ルから求め、印刷用の画像データに変換する第４の工程
とを備える構成にした。

【００３２】また、本発明は、カラー原稿から入力され
るＲ（レッド）、Ｇ（グリーン）、Ｂ（ブルー）の画像
データをＣ（シアン）、Ｍ（マゼンタ）、Ｙ（イエロ
ー）、Ｋ（墨）の各版の印刷用画像データに変換する印
刷用画像データ変換装置であって、既知のＣＭＹＫの量
の組み合わせと色彩値との対応関係を前記各Ｋ量ごとに
分類してデータベースを構築するデータベース構築手段
と、前記入力画像データを色彩値に変換する色彩値変換
手段と、前記変換された色彩値からグレー成分を算出
し、該グレー成分からＫ量を決定するＫ量決定手段と、
前記決定されたＫ量を基に前記データベースを検索して
前記入力画像データの色彩値に対応するＣＭＹ量を決定
する処理を行い、前記入力画像データとＣＭＹＫ量との
対応関係を表わす変換テーブルを作成する変換テーブル
作成手段と、前記入力画像データを各画素ごとに読み込
み、この画像データに対応するＣＭＹＫ量を前記変換テ
ーブルから求めて印刷用の画像データに変換する画像デ
ータ変換手段とを備える構成にした。

【００３３】さらに、本発明は、前記決定されたＫ量を
基に前記データベースを検索する時に要求するＫ量が存
在しない時に、該要求するＫ量の前後のＫ量に対応する
データベース上の色彩値を基に補間演算を行うことによ
り、色彩値を満たすＣＭＹ量をデータベースから求め、
また、入力画像データに対応する値が変換テーブル上に
存在しない時に、その値の前後に対応する前記変換テー
ブル上のデータから補間演算を行ってＣＭＹＫ量を求め
る構成にした。

【００３４】従って、本発明によれば、変換テーブルの
検索及び補間演算だけで入力画像データを印刷用の画像
データに高速で変換でき、その処理能力が大幅に向上
し、印刷用画像データへの変換精度も向上できる。ま
た、本発明によれば、入力画像データから算出される色
彩値のグレー成分からＫ量を決定し、このＫ量を基にデ
ータベースを検索して色彩値を満たすＣＭＹ量を求める
ことにより、下色除去率のマニュアル調整が不要にな
り、任意の下色除去率での色彩値の保存を保証すること
ができる。さらに、本発明によれば、既知のＣＭＹＫの
量の組み合わせと色彩値との対応関係を表わすデータベ
ースを印刷機やカラープリンタごとに独立して設けてお
くことにより、データベースを切り替えるだけで特性の
異なる各種の印刷機やカラープリンタに即時に対応し得
るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法による印刷用画像変換システムの全
体構成を示す機能ブロック図である。

【図２】本実施例の色彩値からグレー成分を算出する方
法を示す説明図である。

【図３】本実施例のグレー成分からＫ量（ｋ）を決定す
る方法を示す説明図である。

【図４】本実施例のＫ量（ｋ）に対応するデータベース
が存在しないときに、Ｋ量（ｋ）に対応する新たなデー
タベース用のファイルを作成する場合の算出方法を示す
説明図である。

【図５】本実施例のＫ量を固定したときの色彩値を満た
すＣＭＹ量をデータベースから求める工程を示す説明図
である。

【図６】本実施例の画像データを変換するときのＣＭＹ
Ｋ量を変換テーブルから求める工程を示す説明図であ
る。

【図７】従来の印刷用画像変換方法を示す説明ようのブ
ロック図である。

【符号の説明】

１０データベース構築部１１チャート出力手段１２色彩値測定手段１３データベース作成手段１４記憶手段２０変換テーブル作成手段２１色彩値算出手段２２Ｋ量算出手段２３補間演算手段２３ａファイル２４ＣＭＹＫ量検索手段２５記憶手段３０画像データ変換部３１画像データ読み込み手段３２画像データ検索手段３３補間演算手段３４データ出力手段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カラー原稿から入力されるＲ（レッ
ド）、Ｇ（グリーン）、Ｂ（ブルー）の画像データをＣ
（シアン）、Ｍ（マゼンタ）、Ｙ（イエロー）、Ｋ
（墨）の各版の印刷用画像データに変換する印刷用画像
データ変換方法であって、既知のＣＭＹＫの量の組み合わせに対する色彩値の対応
関係を前記各Ｋ量ごとに分類してデータベースを構築す
る第１の工程と、前記入力画像データに対する色彩値のグレー成分からＫ
量を決定する第２の工程と、前記決定されたＫ量を基に前記データベースを検索して
前記入力画像データの色彩値に対応するＣＭＹ量を決定
する処理を行い入力画像データとＣＭＹＫ量との対応関
係を表わす入出力値変換テーブルを作成する第３の工程
と、前記入力画像データを各画素ごとに読み込み、この画像
データに対応するＣＭＹＫ量を前記入出力値変換テーブ
ルから求め、印刷用の画像データに変換する第４の工程
と、を備えてなる印刷用画像データ変換方法。
【請求項２】前記第３の工程において、前記決定され
たＫ量を基に前記データベースを検索する時に要求する
Ｋ量が存在しない時は、該要求するＫ量の前後のＫ量に
対応するデータベース上の色彩値を基に補間演算を行う
ことにより、要求するＫ量に対応する入力画像データの
色彩値とＣＭＹＫ値との対応関係を求め、前記入力画像
データとＣＭＹＫ量との対応関係を表わす入出力変換テ
ーブルを作成する請求項１記載の印刷用画像データ変換
方法。
【請求項３】前記第４の工程において、入力画像デー
タに対応する値が変換テーブル上に存在しないときに、
その値の前後に対応する前記変換テーブル上のデータか
ら補間演算を行ってＣＭＹＫ量を求めるようにした請求
項１記載の印刷用画像データ変換方法。
【請求項４】カラー原稿から入力されるＲ（レッ
ド）、Ｇ（グリーン）、Ｂ（ブルー）の画像データをＣ
（シアン）、Ｍ（マゼンタ）、Ｙ（イエロー）、Ｋ
（墨）の各版の印刷用画像データに変換する印刷用画像
データ変換装置であって、既知のＣＭＹＫの量の組み合わせと色彩値との対応関係
を前記各Ｋ量ごとに分類してデータベースを構築するデ
ータベース構築手段と、前記入力画像データを色彩値に変換する色彩値変換手段
と、前記変換された色彩値からグレー成分を算出し、該グレ
ー成分からＫ量を決定するＫ量決定手段と、前記決定されたＫ量を基に前記データベースを検索して
前記入力画像データの色彩値に対応するＣＭＹ量を決定
する処理を行い入力画像データとＣＭＹＫ量との対応関
係を表わす変換テーブルを作成する変換テーブル作成手
段と、前記入力画像データを各画素ごとに読み込み、この画像
データに対応するＣＭＹＫ量を前記変換テーブルから求
めて印刷用の画像データに変換する画像データ変換手段
と、を備えてなる印刷用画像変換装置。
【請求項５】前記変換テーブル作成手段は、前記Ｋ量
決定手段で決定されたＫ量を基に前記データベースを検
索する時に要求するＫ量が存在しない時は、該要求する
Ｋ量の前後のＫ量に対応するデータベース上の色彩値を
基に補間演算を行って要求するＫ量に対応する入力画像
データの色彩値とＣＭＹＫ値との対応関係を求め、前記
入力画像データとＣＭＹＫ量との対応関係を表わす入出
力変換テーブルを作成する補間演算手段を備える請求項
４記載の印刷用画像データ変換装置。
【請求項６】前記画像データ変換手段は、入力画像デ
ータに対応する値が前記変換テーブル上に存在しないと
きに、その値の前後に対応する前記変換テーブル上のデ
ータから補間演算を行ってＣＭＹＫ量を求める補間演算
手段を備える請求項４記載の印刷用画像データ変換装
置。