JPH0875411A - 位置補正方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像処理方法により検査対象物を検査する
際、検査対象物とカメラとの間の位置ずれを、検査対象
物を移動させることなく高精度に補正する。 【構成】 予め検査対象物に位置補正用のマークを設定
し、前記マークを含むように検査対象物１をカメラ２に
より撮影し、撮影した画像を画像処理装置４で処理して
検査画像上における前記マークの位置を検出する。検出
したマークの位置と予め登録した本来位置すべきマーク
の位置とを比較して両者の位置ずれの距離を算出し、算
出した距離に基づき制御装置５によりカメラ移動装置３
を制御してカメラ２を適切な撮影位置に移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ライン上を搬送される
ワークなどの検査対象物を画像処理方法によって検査す
るに際し、検査対象物とカメラとの間に位置ずれが生じ
たときの位置補正方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ライン上を搬送されるワークなど
の検査対象物を画像処理方法によって検査する場合、カ
メラを固定して配置し、搬送される検査対象物をカメラ
の撮影領域内で停止させて撮影している。そして、撮影
した画像と予め登録された画像とを比較し、予め登録さ
れた画像との間にずれが存在するか否かによって検査対
象物の良否を判定している。このようなパターン認識に
おいては、検査対象物の位置とカメラによる撮像位置が
検査結果に大きく影響する。たとえば、検査対象物が所
定位置で停止せず、ずれが発生した場合、所定の部品を
装着した正常な検査対象物を撮影しているにもかかわら
ず、撮影した画像と予め登録された画像との間にずれが
存在し、判定に誤りが発生する。このため、検査対象物
とカメラとの間に位置ずれが生じたときは、検査対象物
を移動させることで位置ずれを補正している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような、検査対象物を移動させて位置補正を行う従来
の方法では、特に検査対象物が大きい時に位置補正が容
易でないだけでなく、その操作に時間を要し、移動させ
た検査対象物を再びラインに戻すのも困難である。検査
対象物の移動が困難であるため、位置ずれを生じたまま
で検査を行わざるを得ないようなときは、検査精度の点
で信頼性に欠ける。

【０００４】本発明は上記問題を解決するもので、検査
対象物を移動させることなく高精度に位置補正できるよ
うにすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の位置補正方法は、画像処理方法によって検
査対象物が正常であるか否かを検査するに際し、予め検
査対象物に位置補正用のマークを設定し、前記マークを
含むように検査対象物をカメラにより撮影し、撮影した
画像を画像処理手段で処理して検査画像上における前記
マークの位置を検出し、検出したマークの位置と予め登
録した本来位置すべきマークの位置とを比較して両者の
位置ずれの距離を算出し、算出した距離に基づき制御手
段によりカメラ移動手段を制御してカメラを適切な撮影
位置に移動させるようにしたものである。

【０００６】

【作用】上記のように、カメラを移動させることでカメ
ラと検査対象物との位置ずれを補正するようにしたた
め、従来のように検査対象物を移動させることなく高精
度に位置補正できる。これにより、移動が困難であるた
め従来は検査できなかったような大きな検査対象物も容
易に検査でき、検査精度を向上させることができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら説明する。図１において、１はライン上を搬送される
検査対象物であり、２はラインから適当距離離れた位置
においてカメラ移動装置３上に設置されたカメラであ
る。カメラ移動装置３はたとえばＸＹテーブルであり、
基台３ａと検査対象物の搬送方向に移動可能な一次台座
３ｂと検査対象物の上下方向に移動可能な二次台座３ｃ
とを備えていて、カメラ２の二次元的な移動を行う。カ
メラ２は画像処理装置４に接続されており、カメラ２と
カメラ移動装置３と画像処理装置４はそれぞれ制御装置
５に接続されている。

【０００８】カメラ２は、検査対象物１に装着された複
数個の部品に対向するように設置されており、検査対象
物１には複数個の部品のほぼ中心位置に位置補正用のマ
ークが設けられている。

【０００９】制御装置５にはリミットスイッチ等の物体
検出機器（図示せず）も接続されており、物体検出機器
より検査対象物１が撮影可能な領域に存在する旨の信号
を受けて、検査対象物１を停止させるとともにカメラ２
を作動させる。

【００１０】以下、上記構成における作用を説明する。
ライン上を搬送される検査対象物１がカメラ２の撮影領
域に到達したら、物体検出機器により検査対象物１の存
在が検出されて制御装置５に電気信号が送られ、電気信
号を受けた制御装置５によって検査対象物１の搬送が停
止されるとともに、カメラ２が作動されて検査対象物１
が撮影される。撮影された画像は画像処理装置４で処理
される。

【００１１】得られる画像はたとえば図２に示したよう
なものであり、検査対象物１に設けられた位置補正用の
マーク６が検査画像上において検出され、検出されたマ
ークの位置Ｐ₁ と予め登録された本来位置すべきマーク
の位置Ｐ₂ （通常、図示したように画面のほぼ中央位置
とする）とが検査画像上において比較される。次いで両
者の位置ずれの距離Ｌ（Ｘ軸方向成分，Ｙ軸方向成分）
が算出され、算出された距離Ｌに基づき制御装置５によ
りカメラ移動装置３が制御されてカメラ２が適切な撮影
位置に移動される。そして、カメラ２によって検査対象
物１が再度撮影され、撮影された画像が画像処理装置４
で処理される。

【００１２】得られる画像はたとえば図３に示したよう
なものであり、カメラ２と検査対象物１との位置ずれが
補正されたため、検査画像上において検出されるマーク
の位置Ｐ₁ と予め登録した本来位置すべきマークの位置
Ｐ₂ とは一致している。したがって、この状態において
複数個の部品７，８，９，１０を検査することにより、
検査対象物１に複数個の部品が正常に装着されているか
否かを正確に判定できる。

【００１３】このように、カメラ２を移動させることに
よってカメラ２と検査対象物１との位置ずれを補正する
ようにしたので、従来のように検査対象物を移動させる
ことなく検査でき、従来は検査できなかったような大き
な検査対象物も容易に検査できて、検査精度が向上す
る。また、カメラは一般に検査対象物に比べて小型であ
り、容易に移動させることができるので、より早くかつ
高精度に位置補正できる。

【００１４】なお、上記した実施例においては、複数個
の部品７，８，９，１０のほぼ中心位置に位置補正用の
マーク６を設けたが、マーク６は塗料や刻印などで設け
てもよく、複数個の部品７，８，９，１０のいずれか、
たとえば部品７自体をマークとして設定してもよい。

【００１５】また、上記した実施例においては、カメラ
移動装置が二次元的な移動を行うものとして説明した
が、カメラ移動装置がリニヤガイド等、一次元的な移動
（Ｘ軸方向のみ）を行うものである場合は、距離ＬはＸ
軸方向成分のみ算出し、マニュピレータ、ロボットアー
ム等、三次元的な移動（Ｘ，Ｙ，Ｚ軸方向）を行うもの
である場合は、距離ＬはＸ軸方向成分とＹ軸方向成分と
Ｚ軸方向成分とを算出しする。

【００１６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、画像処理
方法によって検査対象物が正常であるか否かを検査する
に際し、カメラと検査対象物との間に位置ずれが生じた
ときに、従来は検査対象物を移動させることで行ってい
た位置補正を、カメラを移動させることで行うようにし
たため、従来より早く高精度に補正できるようになっ
た。また、移動が困難であるため従来は検査できなかっ
たような大きな検査対象物も容易に検査でき、検査精度
を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の位置補正方法が行われる検査装置の概
略構成を示した説明図である。

【図２】図１の検査装置により得られる画像の一実施例
を示した説明図である。

【図３】図１の検査装置により得られる画像の他の実施
例を示した説明図である。

【符号の説明】

１ 検査対象物 ２ カメラ ３ カメラ移動装置 ４ 画像処理装置 ５ 制御装置 ６ マーク

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像処理方法によって検査対象物が正常
   であるか否かを検査するに際し、予め検査対象物に位置
   補正用のマークを設定し、前記マークを含むように検査
   対象物をカメラにより撮影し、撮影した画像を画像処理
   手段で処理して検査画像上における前記マークの位置を
   検出し、検出したマークの位置と予め登録した本来位置
   すべきマークの位置とを比較して両者の位置ずれの距離
   を算出し、算出した距離に基づき制御手段によりカメラ
   移動手段を制御してカメラを適切な撮影位置に移動させ
   るようにしたことを特徴とする位置補正方法。