JPH0875244A - 混合器及び該混合器を用いた熱液体供給装置 - Google Patents

混合器及び該混合器を用いた熱液体供給装置

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JPH0875244A
JPH0875244A JP21098694A JP21098694A JPH0875244A JP H0875244 A JPH0875244 A JP H0875244A JP 21098694 A JP21098694 A JP 21098694A JP 21098694 A JP21098694 A JP 21098694A JP H0875244 A JPH0875244 A JP H0875244A
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vapor
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holes
steam
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JP21098694A
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Ryuichi Inaba
隆一 稲葉
Kimiharu Kataoka
公治 片岡
Takeo Niiguni
竹夫 新国
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】短時間の内に大きな騒音を発生することなく所
定温度以上の熱液体を得ることができて、しかも熱液体
中に実質的に蒸気を残さない混合器を提供することにあ
る。 【構成】蒸気供給用配管5から蒸気が供給される蒸気管
路を構成する内筒4を、液体供給用配管2から液体が供
給される液体管路を構成する外筒1の内部に同心的に配
置する。蒸気管路と液体管路とを仕切る仕切り壁部を構
成する内筒4の周壁部4bに複数の貫通孔6を形成す
る。複数の貫通孔6の数及び各貫通孔の相当直径を、貫
通孔6を通って液体管路中に噴出した蒸気が熱液体出口
即ち熱液体流出用配管3の入口に至るまでに液化するよ
うに定める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸気と液体とを混合し
て熱液体を得る混合器及び該混合器を用いた熱液体供給
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蒸気を用いて液体を加熱する典型的な装
置は、図8(A)に概念図を示した熱交換器タイプまた
は槽タイプのものである。この装置では、槽101の内
部に蒸気が流れる蒸気管路102を配置し、この蒸気管
路からの伝熱で槽内の液体を所定温度に加熱している。
なお103は液体導入管であり、104は液体排出管で
ある。
【0003】図8(B)は、蒸気と液体とを混合して熱
液体を得る従来の混合器の一例の概念図である。この混
合器は、エジェクタ・タイプの混合器と呼ばれるもので
ある。この混合器は、先端の蒸気噴出口201aから蒸
気が噴出する蒸気管路201と、この蒸気管路201の
先端部を内部に含むようにして蒸気管路201の外側に
配置されて蒸気噴出口201aの後方即ち上流側から液
体を流す液体管路202とから構成される。この混合器
では、蒸気噴出口201aよりも前方即ち下流側の位置
において液体管路202の一部に絞り込み部202aを
設けている。この混合器では、液体管路に絞り込み部2
02aを設けることにより、その部分で圧力降下を生じ
させ、その圧力降下により液体を吸引して、蒸気と液体
とを混合している。
【0004】更にスタティック・ミキサと呼ばれる混合
器もある。この混合器は、混合室の内部に長手方向に角
度の異なる複数枚の混合フィンが配置され、この混合フ
ィンにより混合室に供給された液体と蒸気とを混合す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図8(A)に示した熱
交換器タイプの装置では、液体を所定温度以上に加熱す
るのに時間がかかり過ぎる。これに対して、図8(B)
に示したエジェクタ・タイプの混合器では、短時間のう
ちに液体を所定温度以上に加熱することができるもの
の、蒸気が絞り込み部202aを通過する際に非常に大
きな音が発生する上、蒸気は液体と混合されるだけでそ
の大部分は液化することがない。そのため液体の温度は
安定していない。このような蒸気が液化しない状態で含
まれる熱液体を用いて反応器等の機器の温度制御をする
と、温度制御の精度が非常に悪くなる。またエジェクタ
・タイプの混合器で混合した熱液体を大気に放出する
と、液化しない蒸気が噴き出すために危険であり、温水
器等の用途には到底用いることができない。
【0006】更に、スタティック・ミキサと呼ばれる混
合器では、エジェクタ・タイプの混合器と比べて、熱液
体の温度は安定しているもののエジェクタ・タイプの混
合器と同様の騒音が発生する問題がある。
【0007】本発明の目的は、短時間の内に大きな騒音
を発生することなく熱液体を得ることができて、しかも
熱液体中に実質的に蒸気を残さない混合器を提供するこ
とにある。
【0008】本発明の他の目的は、短時間の内に大きな
騒音を発生することなく所定温度以上の熱液体を得るこ
とができて、しかも熱液体中に実質的に蒸気を残さない
混合器を提供することにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、熱液体出口から
流出する熱液体を均質にすることができる、即ち熱液体
の温度を全体的にほぼ均一にすることができる混合器を
提供することにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、上記目的に加え
て、熱移動の早い混合器を提供することにある。
【0011】本発明の別の目的は、混合器をコンパクト
に構成することができて、しかも騒音の発生が少ない混
合器を提供することにある。
【0012】本発明の更に別の目的は、圧力損失の小さ
い混合器を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、温度制御が可能な熱
液体を機器に供給することができる熱液体供給装置を提
供することにある。
【0014】本発明の更に他の目的は、熱液体の大気圧
における沸点以上の熱液体を得ることができる熱液体供
給装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明が対象とする混合
器は、蒸気と液体とを混合して熱液体を得る混合器であ
る。ここで本願明細書における「液体」は、水に限定さ
れるものではない。例えば、石油を精製する際に原油と
乳化剤と蒸気とを混合してエマルジョンを作り、原油中
の塩分を水に移す場合の混合器として本発明の混合器を
用いる場合には、「液体」として乳化剤が添加された石
油が流されることになる。また本願明細書において「蒸
気」とは水蒸気に限定されるものではない。例えば、メ
タノールやエタノールの蒸気と水とを混合してこれらの
水溶液を得る場合には、「蒸気」としてメタノールやエ
タノールの蒸気が流されることになる。
【0016】本発明の混合器では、蒸気が供給される蒸
気入口と、液体が供給される液体入口と、熱液体が流出
する熱液体出口と、液体が流れる液体流路と、蒸気が流
れる蒸気流路と、液体流路と蒸気流路との間を仕切る仕
切り壁部とを具備している。ここで蒸気入口、液体入口
及び熱液体出口の数及び取付態様は任意である。また液
体流路は、周囲が完全に密閉された密閉形液体流路及び
一部に開放部を有する開放型液体流路のいずれでもよ
い。熱交換効率や安全性の点からは、密閉形流体流路を
用いるのが好ましい。
【0017】また液体流路と蒸気流路の位置関係も任意
であり、蒸気流路が液体流路の内部を通るまたは内部で
終端する位置関係であっても、また液体流路が蒸気流路
の内部を通る位置関係であっても、さらに蒸気流路と液
体流路とが単に隣接する位置関係であってもよい。いず
れの位置関係であっても、両流路の間に両流路を仕切る
仕切り壁部があればよい。典型的な構造としては、蒸気
流路及び液体流路をそれぞれ蒸気管路及び液体管路によ
り構成することになる。その場合、仕切り壁部は蒸気管
路または液体管路を構成する管壁によって構成される。
【0018】蒸気流路及び液体流路をそれぞれ蒸気管路
及び液体管路により構成する場合、一方が他方の内側ま
たは内部に位置する関係になるが、その場合には蒸気管
路及び液体管路を同心的に配置するのが好ましい。蒸気
管路及び液体管路を同心的に配置すると、設計が容易で
ある上、温度分布がより均一な熱液体即ち均質な熱液体
を得ることでがきる。そしてこれらの管路を円筒状の管
路により構成すると、機械的強度が高く且つ安価な混合
器を得ることが容易になる。
【0019】本発明の混合器においては、蒸気流路と液
体流路(または蒸気管路と液体管路)を仕切る仕切り壁
部に、複数の貫通孔を形成する。そしてこれら複数の貫
通孔の各貫通孔の形状及び寸法(または相当直径)を、
該複数の貫通孔を通って液体流路(または流体管路)中
に噴出した蒸気が熱液体出口に至るまでに液化するよう
に定める。最も好ましくは、複数の貫通孔を通って流体
管路(流体管路)中に噴出した蒸気が噴出後直ちに液化
するように各貫通孔の数及び各貫通孔の形状及び寸法
(または相当直径)を定めるのがよい。蒸気の液化は、
蒸気の熱が液体に奪われることにより起こるため、貫通
孔から噴出する蒸気の泡の大きさが小さくなるほど、蒸
気は短い時間で液化する。蒸気の液化時間が短くなるこ
とは、液体の昇温時間が短くなることを意味する。また
騒音の発生の多くは、蒸気の泡が液化の際に液体の圧力
で潰されるときに発生するものと考えらている。泡の大
きさが大きくなるほど、この騒音は大きくなるものと考
えられる。したがって理論上は、貫通孔の孔の寸法をで
きるだけ小さくするのが好ましい。
【0020】複数の貫通孔の形状(横断面形状)は、円
形や、楕円形や角形等任意である。なお製造上の観点か
ら見ると、これらの孔は円形に加工するのが最も簡単で
あるため、典型的な貫通孔の形状は、実質的に円形にな
る。また貫通孔の寸法は、貫通孔の形状によって異なっ
てくるが、一般化するには相当直径(貫通孔の開口面積
をある円形の面積に等しいと考えた場合のその円形の直
径)で考えればよい。また貫通孔の相当直径は、貫通孔
から噴出する蒸気の線速度(=流量/単位面積)、液体
管路の流れの乱れ具合、液体の温度等などにより異なっ
てくる。相当直径の下限値は機械加工上の問題とゴミ等
の目詰まりの問題から定まり、上限値は実験と理論とに
基づいて定められる。なお条件によっては、貫通孔の相
当直径が実験により求めた好ましい範囲に入らなくなる
場合があるのは勿論である。
【0021】貫通孔の数は、蒸気流路(蒸気管路)の蒸
気入口における蒸気の線速度と前述の相当直径とから定
めることになる。圧力損失を少なくするためには、蒸気
入口の蒸気の線速度と貫通孔から噴出する蒸気の線速度
とを一致させる、即ち複数の貫通孔の総断面積を蒸気入
口の断面積とほぼ等しくするのが好ましい。この場合、
蒸気入口の断面積が定まり、しかも貫通孔の相当直径が
定まると、必然的に貫通孔の数が定まる。なお貫通孔の
ピッチ(貫通孔の中心と隣接する貫通孔の中心との間の
距離)は、仕切り壁部の大きさによって適宜に定めるこ
となるが、貫通孔から噴出した蒸気ができるだけ速く液
化するように定めるのが好ましい。
【0022】なお熱移動をより早く実施するためには、
液体管路の内部に蒸気管路を配置するようにするのが好
ましい。そして混合器全体の寸法をよりコンパクトにす
るために、蒸気管路を液体管路の内部の途中で終端させ
る場合には、蒸気管路の管壁のうち周壁部にのみ複数の
貫通孔が形成するのが好ましい。蒸気管路を液体管路の
内部の途中で終端させると、蒸気管路と液体管路との間
に第1の液体流路が形成され、蒸気管路の終端壁部と熱
液体出口との間に第2の液体流路が形成されることにな
る。蒸気管路の終端壁部に蒸気を噴出させる貫通孔を形
成すると、終端壁部で液の流れを乱してしまい、蒸気の
液化を妨げるとともに騒音の発生原因となる。また第2
の液体流路は、第1の液体流路中では、液化しきれなか
った蒸気を液化させる目的と、熱液体の温度を均一にし
て温度が均質な熱液体を得るために設けられたものであ
る。第1の液体流路中で蒸気の液化が完了する場合に
は、第2の液体流路を実質的に無くすこともできる。
【0023】本発明の混合器を用いた熱液体供給装置
は、蒸気と液体とを混合して熱液体を作る混合器から供
給される熱液体によって温度制御される機器に熱液体を
供給する。従来の熱液体供給装置では、図9に示すよう
に、図8(A)に示した槽タイプの加熱装置と同様に槽
301内に蒸気管路302を配置した加熱装置を用いて
熱媒体を所定温度まで加熱し、ポンプ303を用いて反
応器304等の温度制御を必要とする機器に熱液体を供
給し、熱交換器305を介して熱液体を槽301に戻す
構造を採用している。このような構造では、昇温時間が
長くかかる問題がある上、ポンプ等の周辺設備が必要に
なるために、装置全体の価格が高くなる問題が生じる。
そこで前述のエジェクタを用いることも考えられたが、
エジェクタは温度制御が難しいという理由から、高い温
度制御が要求される機器への熱液体の供給には不向きで
ある。
【0024】本発明の熱液体供給装置では、このような
従来の問題を解消するために、前述の本発明の混合器を
使用する。なお本発明の混合器を使用するにあたって、
蒸気の温度を変えずに熱液体の大気圧における沸点以上
の熱液体を得る場合には、機器の出口には圧力調整弁を
配置すればよい。圧力調整弁の圧力調整により、熱液体
の温度を熱液体の大気圧における沸点以上にすることが
容易にできる。
【0025】
【作用】図5に模式的に示すように、貫通孔6´から噴
出した蒸気の気泡bは、液体流路を流れる液体によって
熱を奪われて液化する。気泡bの大きさは、液体流路と
蒸気流路とを仕切る仕切り壁に形成する貫通孔6´の形
状及び寸法(相当直径)に左右される。したがって本発
明のように、複数の貫通孔を通って液体流路(または流
体管路)中に噴出した蒸気が熱液体出口に至るまでに液
化するように、貫通孔の形状及び寸法(相当直径)を定
めれば、熱液体出口から流出する熱液体中に気泡が実質
的に含まれることがなくなる。本発明の混合器を用いる
と、熱液体中に実質的に気泡が含まれないため、熱液体
を大気中に放出する用途にも本発明の混合器を用いるこ
とができる。また熱液体中に実質的に気泡が含まれなけ
れば、蒸気の流量または液体の流量を調節することによ
り、所望の温度の熱液体を得ることができる。そのた
め、温度制御を必要とする機器に熱液体を供給する装置
の混合器としても有効に利用することができる。
【0026】また本発明の混合器では、早期に気泡が液
化するために、液体を短時間のうちに所定の温度まで昇
温することができる。
【0027】さらに気泡が液化する際に液体の圧力で気
泡が押し潰されると、音が発生するが、本発明のように
混合器の内部で液化する程度の気泡は大きなものではな
く、気泡が押し潰される際に発生する音もさほど大きな
ものではない。したがってエジェクタやスタティック・
ミキサと比べて、本発明の混合器から発生する騒音は大
幅に小さくなる。
【0028】
【実施例】以下図面を参照して、本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は、本発明の混合器の一実施例の模式
図である。同図において、1は両端が端板1a及び1b
で閉塞された円筒状の鉄製の外筒であり、この外筒1が
液体管路を構成している。外筒1の周壁部には液体入口
が少なくとも一個形成されており、この液体入口には、
液体供給用配管2が接続されている。本実施例では、外
筒1の周壁部に液体入口が一個形成されているが、周方
向に所定の間隔(好ましくは等間隔)をあけて複数の液
体入口を周壁部に形成してもよい。また端板1aに少な
くとも1個の液体入口を形成してもよい。端板1aに複
数の液体入口を形成する場合にも、周方向に所定の間隔
(好ましくは等間隔)をあけて複数の液体入口を端板1
aに形成するのが好ましい。外筒1の他方の端板1bの
ほぼ中央には、熱液体出口が形成されており、この熱液
体出口には熱液体流出用配管3が接続されている。
【0029】外筒1の内部には、円筒状の鉄製の内筒4
と蒸気供給用配管5の一部が収納されている。この内筒
4が、蒸気管路を構成している。内筒4は外筒1の周壁
部の内面に対して図示しない支持部材を用いて固定され
ている。本実施例の内筒4と外筒1とは同心的に配置さ
れている。内筒4の下流側(熱液体出口側または外筒1
の端板1b側)の端部は、外筒1の内部で終端してお
り、内筒4を構成する周壁部と長手方向両側の端板とか
らなる管壁が、内筒4と外筒1との間に形成される液体
流路と内筒4の内部に形成される蒸気流路との間を仕切
る仕切り壁部を構成している。内筒4の上流側(液体入
口側または外筒1の端板1a側)の端板4の中央部に
は、蒸気入口が形成されており、この蒸気入口に蒸気供
給用配管5が接続されている。蒸気供給用配管5は、外
筒1の端板1aを貫通している。
【0030】内筒4の周壁部4bには、液体流路に蒸気
を噴出するための複数の貫通孔6が形成されている。尚
理解を容易にするために、貫通孔6の直径を誇張して図
示している。本実施例では、ドリルを用いて貫通孔6を
形成しているため、貫通孔6の横断面形状は円形であ
る。貫通孔6の相当直径R、ピッチ、数及び形成位置の
一般的な定め方については、前述の課題を解決するため
の手段で述べたので、ここでは説明を省略する。
【0031】図2は、本発明の混合器の効果を確認する
ために、実際に製作した混合器の構造を概略的に示す図
である。図1の実施例と相違するのは、蒸気管路を構成
する内筒4´と蒸気供給用配管5´とが直径が同じ管に
よって構成されている点である。試験のためにこの混合
器を組み込んだ熱液体供給装置の構成は図3に示す通り
である。図3において、V1及びV2は流量調節弁であ
り、Fは流量計であり、V3は圧力調整弁であり、Tは
温度計であり、Mは容器であり、Wは重量秤である。な
おこのシステムを実際に使用する場合には、温度制御さ
れる機器を圧力調整弁V3の前に配置する。温度計T
は、混合器の熱液体出口の直後に配置されている。この
熱液体供給装置を用いて行った試験の条件及び混合器の
各部の寸法は下記の通りである。なおこの試験では、液
体として水を用い、蒸気として飽和水蒸気を用いた。
【0032】 ・外筒(液体管路)1´の直径D2 89.1mm ・外筒(液体管路)1´の長さ(L2 +L3 +L4 ) 290mm ・内筒(蒸気管路)4´の直径D1 48.6mm ・内筒4´の貫通孔形成領域の長さL3 90mm ・配管5´の内筒4´内の長さL2 100mm ・端板4´cと端板1´bとの間の距離L4 100mm ・端板1´aから配管2´の中心までの距離L1 50mm ・液体供給用配管2´の直径 21.7mm ・熱液体流出用配管3´の直径 34.0mm ・貫通孔6´の相当直径 3mm ・貫通孔6´の数 180個 ・内筒4´の周壁部の表面積に対する貫通孔の開口率 5% ・液体(水)の供給量 2.1m3 /h ・液体(水)の供給圧力 3kg/cm2 G ・液体(水)の温度 15℃ ・蒸気の供給量 200kg/h ・蒸気の供給圧力 4kg/cm2 G ・蒸気の温度 151℃ ・圧力調整弁V3の設定圧力 2kg/cm2 G ・配管5´内の蒸気の線速度 23.0m/s ・配管2´内の液体(水)の線速度 2.4m/s ・配管3´内の熱液体の線速度 1.0m/s ・貫通孔6´から噴出する蒸気の線速度 26.4m/s ・内筒4´と外筒1´との間の間隙内の 液体(水)の線速度 0.18m/s 試験では、図3の装置を用いて連続的に熱液体を作り、
温度計Tにより10秒間隔で混合器から出力される熱液
体の温度を測定し、また騒音を測定した。図4は、混合
器に水と蒸気を供給して5分経過した後の混合器出口の
温度の変化を示す試験結果であり、この試験結果から判
るように、混合器に水と蒸気の供給を開始して比較的早
いときから74℃度以上の温水を得ることができた。平
均温度は、74.5℃であり、温度変化率は0.4%以
下であった。このように本発明の混合器を用いると、実
質的に一定の温度の温水(熱液体)を安定して供給する
ことができる。なお使用条件によっても異なるが、本実
施例の混合器から出力される温水の温度は、始動後1〜
7分で安定する。騒音についてみると、始動時から定常
運転状態に至るまでの間において、本発明と同じ条件で
運転したスタティック・ミキサタイプの混合器と比較し
て、騒音が10〜50%小さくなることが確認された。
【0033】なお図3の装置において、温水の温度を1
00℃以上にする場合には、水または蒸気の流量を変更
すればよい。具体的には、水の流量を減少させるか、蒸
気の流量を増加させればよい。このようにして温度を調
整する場合に、圧力調整弁V3の設定圧力を2kg/c
2 Gに設定すると、温水の温度は132℃以下で調節
することができる。さらに高温の温水が必要なときに
は、圧力調整弁V3の設定圧力を上げればよい。
【0034】次に図2の装置において、気泡を実質的に
含まない熱液体を得る場合の、基本的な条件の範囲につ
いて説明する。図5に模式的に示すように、貫通孔6´
から出た気泡bは小さい気泡であるため、その大部分は
内筒4´と外筒1´との間に形成された環状の第1の液
体流路S1内においてこの第1の液体流路間S1を流れ
る液体により熱を奪われて液化する。第1の液体流路S
1内において液化しなかった気泡は、内筒4´の端板4
´cと外筒1´の端板1´bとの間に形成された第2の
液体流路S2内で液化される。したがって配管3´に出
力される熱液体中に気泡が含まれることは実質的にな
い。第1の液体流路S1及び第2の液体流路S2の容積
は、複数の貫通孔を通って第1の液体流路中に噴出した
蒸気が熱液体出口に至るまでに液化し且つ熱流体出口か
ら流出する熱流体の温度が全体的にほぼ均一になるよう
に定められている。このような現象を可能にするための
主要な条件の好ましい範囲は下記の通りである。
【0035】まず貫通孔の相当直径は、0.1mm〜50
mmの範囲が好ましいが、特に好ましい範囲は1〜30mm
である。内筒4´(蒸気管路)を流れる蒸気の線速度及
び外筒1´内を流れる液体の線速度は、0.01〜10
0m/sの範囲内とする。貫通孔6´の数は、貫通孔を
通過する蒸気の線速度と内筒4´に流れ込む蒸気の線速
度とをほぼ等しくするよう定める。具体的には、貫通孔
の相当直径と線速度とが決まると、貫通孔の数はおのず
と定まる。なお経験上から、貫通孔の数は50〜500
個の範囲であり、好ましくは100〜200個の範囲で
ある。さらに内筒4´の貫通孔設置円周部L3の表面積
に対する貫通孔の総開口面積の比(開口率)は、5〜8
0%の範囲である。
【0036】また内筒4´の外径寸法は、配管5´の外
径寸法の1〜10倍の範囲とするのが好ましい。更に内
筒4´の外径寸法と外筒1´の内径寸法の許容できる比
率は1:1.1〜1:10である。また内筒4´の端板
4´cと外筒1´の端板1´bとの間の距離L4は、内
筒4´の外径寸法の1倍以上にするのが好ましい。
【0037】上記実施例では、熱液体を出力する熱液体
流出用配管3(熱液体出口)を外筒1´の端板1´bの
中央部に設けているため、内筒4´の端板4´cと外筒
1´の端板1´bとの間の距離L4を短くしても、温度
が均質(全体的に均一)な熱液体を得ることができる。
【0038】上記実施例は、蒸気管路を液体管路の内側
に配置しているが、液体管路を蒸気管路の内側に配置し
てもよい。図6は、その場合の混合器の構造の一例を示
している。図6の実施例には、図1に示した実施例と同
様の部材に、図1に付した符号に10を加えた数の符号
を付してある。この実施例では、液体管路を構成する内
筒14の周壁部に複数の貫通孔16が形成されている。
蒸気は蒸気管路を構成する外筒11から複数の貫通孔1
6を通して内筒14の内部を流れる液体流路中に噴出さ
れる。
【0039】上記各実施例は、内筒と外筒とを用いた同
軸形の混合器の実施例であるが、図7に示すように、蒸
気流路を構成する蒸気管路24と液体流路を構成する液
体管路21とを隣接して配置し、両管路の仕切り壁部に
複数の貫通孔26を形成してもよい。この構造の混合器
は、同軸形の混合器と比べて効率は落ちるものの、製造
が容易にであるため、混合器を安価に製造できる。
【0040】以下に本願明細書中に記載した複数の発明
のいくつかについてその構成を明らかにする。
【0041】(1)蒸気と液体とを混合して熱液体を得
る混合器において、前記蒸気が供給される蒸気入口を有
する円筒状の蒸気管路が、前記液体が供給される液体入
口及び前記熱液体が流出する熱液体出口を有する円筒状
の液体管路の内部に同心的に配置され、前記蒸気管路の
周壁部には複数の貫通孔が形成されており、前記複数の
貫通孔の各貫通孔の形状及び相当直径は、該複数の貫通
孔を通って前記液体管路中に噴出した蒸気が前記熱液体
出口に至るまでに液化するように定められていることを
特徴とする混合器。
【0042】(2)水蒸気と水とを混合して温水を得る
混合器において、前記水蒸気が供給される蒸気入口を有
する円筒状の蒸気管路が、水が供給される液体入口及び
前記温水が流出する熱液体出口を有する円筒状の液体管
路の内部にほぼ同心的に配置され、前記蒸気管路は前記
液体管路の内部の途中で終端しており、前記蒸気管路の
周壁部には複数の貫通孔が形成されており、前記複数の
貫通孔の各貫通孔の形状及び寸法は、該複数の貫通孔を
通って前記液体管路中に噴出した水蒸気が前記熱液体出
口に至るまでに液化するように定められていることを特
徴とする混合器。
【0043】(3)前記複数の貫通孔から噴出される蒸
気の線速度と前記蒸気入口から供給される蒸気の線速度
がほぼ等しいことを特徴とする上記(1)または(2)
に記載の混合器。
【0044】(4)前記貫通孔の相当直径が0.1〜5
0mmで、前記蒸気管路を流れる前記蒸気の線速度が
0.01〜100m/sで、前記蒸気管路と前記液体管
路との直径の比が1:1.1から1:10の範囲である
上記(3)に記載の混合器。
【0045】(5)前記複数の貫通孔の数は、50〜5
00個である上記(4)に記載の混合器。
【0046】(6)前記液体入口は前記液体管路を構成
する管壁の一方の端部側の周壁部に少なくとも1つ形成
され、前記熱液体出口は前記液体管路を構成する前記管
壁の他方の端部を閉塞する閉塞壁部の中央に形成されて
いる上記(2)に記載の混合器。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、複数の貫通孔を通って
液体流路(または液体管路)中に噴出した蒸気が熱液体
出口に至るまでに液化するように、貫通孔の数、形状及
び寸法(相当直径)を定めたので、熱液体出口から流出
する熱液体中に気泡が実質的に含まれることがなくなっ
て、熱液体を大気中に放出する用途にも本発明の混合器
を用いることができる。また熱液体中に実質的に気泡が
含まれなければ、蒸気の流量または液体の流量を調節す
ることにより、所望の温度の熱液体を得ることができる
ため、温度制御を必要とする機器に熱液体を供給する装
置の混合器としても有効に利用することができる利点が
ある。
【0048】更に本発明の混合器では、早期に気泡が液
化するため、液体を短時間のうちに所定の温度まで昇温
することができる利点がある。また本発明によれば、エ
ジェクタやスタティック・ミキサと比べて、混合器から
発生する騒音を大幅に小さくできる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混合器の一実施例の模式図である。
【図2】本発明の混合器の効果を確認するために、実際
に製作した混合器の構造を概略的に示す図である。
【図3】試験のために本発明の混合器を組み込んだ熱液
体供給装置の構成を示す図である。
【図4】混合器に水と蒸気を供給して5分経過した後の
混合器出口の温度の変化を示す図である。
【図5】気泡が液化する場合の状態を説明するために用
いる模式図である。
【図6】本発明の混合器の他の実施例の構造を示す概略
図である。
【図7】本発明の混合器の更に他の実施例の構造を示す
概略図である。
【図8】(A)は蒸気を用いて液体を加熱する槽タイプ
の従来の装置の構成を示す図であり、(B)はエジェク
タ・タイプの従来の混合器の構成を示す図である。
【図9】従来の熱液体供給装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,1´ 外筒(液体管路) 2,2´,12 液体供給用配管 3,3´,13 熱液体流出用配管 4,4´ 内筒(蒸気管路) 5,5´,15 蒸気供給用配管 6,6´,16 貫通孔 11 外筒(蒸気管路) 14 内筒(液体管路)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸気と液体とを混合して熱液体を得る混合
    器において、 前記蒸気が供給される蒸気入口と、前記液体が供給され
    る液体入口と、前記熱液体が流出する熱液体出口と、前
    記液体が流れる液体流路と、前記蒸気が流れる蒸気流路
    と、前記液体流路と前記蒸気流路との間を仕切る仕切り
    壁部とを具備し、 前記仕切り壁部には複数の貫通孔が形成されており、 前記複数の貫通孔の数及び各貫通孔の形状及び寸法は、
    該複数の貫通孔を通って前記液体流路中に噴出した蒸気
    が前記熱液体出口に至るまでに液化するように定められ
    ていることを特徴とする混合器。
  2. 【請求項2】前記液体流路の形状及び容積は、前記熱流
    体出口から流出する前記熱流体の温度が全体的にほぼ均
    一になるように定められている請求項1に記載の混合
    器。
  3. 【請求項3】蒸気と液体とを混合して熱液体を得る混合
    器において、 前記蒸気が供給される蒸気入口を有する蒸気管路と前記
    液体が供給される液体入口及び前記熱液体が流出する熱
    液体出口を有する液体管路とが同心的に配置され、 前記蒸気管路と前記液体管路とを仕切る仕切り壁部に複
    数の貫通孔が形成されており、 前記複数の貫通孔の各貫通孔の相当直径は、該複数の貫
    通孔を通って前記流体管路中に噴出した蒸気が噴出後直
    ちに液化するように定められていることを特徴とする混
    合器。
  4. 【請求項4】蒸気と液体とを混合して熱液体を得る混合
    器において、 前記蒸気が供給される蒸気入口を有する蒸気管路が、液
    体が供給される液体入口及び前記熱液体が流出する熱液
    体出口を有する液体管路の内部に配置され、 前記蒸気管路の管壁には複数の貫通孔が形成されてお
    り、 前記複数の貫通孔の各貫通孔の相当直径は、該複数の貫
    通孔を通って前記液体管路中に噴出した蒸気が前記熱液
    体出口に至るまでに液化するように定められていること
    を特徴とする混合器。
  5. 【請求項5】前記蒸気管路は前記液体管路の内部の途中
    で終端しており、 前記蒸気管路の前記管壁のうち周壁部にのみ前記複数の
    貫通孔が形成されている請求項4に記載の混合器。
  6. 【請求項6】前記蒸気管路と前記液体管路との間に形成
    される第1の液体流路の容積及び前記蒸気管路の終端壁
    部と前記熱液体出口との間に形成される第2の液体流路
    の容積は、前記複数の貫通孔を通って前記第1の液体流
    路中に噴出した蒸気が前記熱液体出口に至るまでに液化
    し且つ前記熱流体出口から流出する前記熱流体の温度が
    全体的にほぼ均一になるように定められている請求項5
    に記載の混合器。
  7. 【請求項7】前記複数の貫通孔の総断面積が、前記蒸気
    入口の断面積とほぼ等しいことを特徴とする請求項1,
    3または4に記載の混合器。
  8. 【請求項8】蒸気と液体とを混合して前記熱液体を作る
    混合器から供給される前記熱液体の熱によって温度制御
    される機器に前記熱液体を供給する熱液体供給装置であ
    って、 前記混合器として請求項1,2,3,4,5,6または
    7に記載の混合器を用いることを特徴とする熱液体供給
    装置。
  9. 【請求項9】前記機器の出口に圧力調整弁が配置されて
    いる請求項8に記載の熱液体供給装置。
JP21098694A 1994-09-05 1994-09-05 混合器及び該混合器を用いた熱液体供給装置 Withdrawn JPH0875244A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009270766A (ja) * 2008-05-08 2009-11-19 Morihiro Kasamatsu 温水タンク内の強制撹拌機
WO2010090453A3 (ko) * 2009-02-05 2010-11-04 Shin Chang Gun 연소가스 기포와의 열교환을 이용한 액체 가열장치
CN104432405A (zh) * 2014-11-10 2015-03-25 周宝龙 汽水混合杀菌器及杀菌装置

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