JPH0874504A - 被覆超合金ガスタービン部品 - Google Patents

被覆超合金ガスタービン部品

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JPH0874504A
JPH0874504A JP6216178A JP21617894A JPH0874504A JP H0874504 A JPH0874504 A JP H0874504A JP 6216178 A JP6216178 A JP 6216178A JP 21617894 A JP21617894 A JP 21617894A JP H0874504 A JPH0874504 A JP H0874504A
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正弘 齋藤
Yoshiyasu Ito
義康 伊藤
Masashi Takahashi
雅士 高橋
Yutaka Ishiwatari
裕 石渡
Masaki Tamura
雅貴 田村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コーティング被膜材料、ガスタービン動翼材
料の超合金基材材料の機械的性質や熱物性との最適化と
を図ることにより、被膜に生じる引張残留応力を低減さ
せ、被膜に生じる亀裂の発生、進展を防止する。 【構成】 Ni基、Co基、Fe基の少なくとも一種類
を主成分とした耐熱合金からなる超合金基材と、この超
合金基材表面に耐高温腐食性、耐高温酸化性、耐熱衝撃
性および熱遮蔽を目的とする耐蝕コーティング被膜層か
らなる被覆超合金ガスタービン部品において、超合金基
材表面に被覆する耐蝕コーティング被膜材料として、超
合金基材よりも低い線膨脹係数および超合金材料よりも
低い弾性係数を有する耐蝕コーティング被膜材料を用い
て被覆することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐蝕コーティング被覆さ
れた被覆超合金ガスタービン部品に関する。
【0002】
【従来の技術】発電用ガスタービンはエネルギー資源の
有効利用の点から注目され、ガスタービンの高効率化の
研究開発が盛んに行われている。ガスタービンにおいて
は、燃焼機出口ガス温度が高いほど発電効率が上昇する
ため、ガスタービン入口温度の高温化が推進されてい
る。しかしながら、燃料からの腐食成分、流入空気から
の海塩腐食粒子混入による著しい高温腐食や高温酸化
は、ガスタービンを構成する高温機器、部品の材料、特
に動翼、靜翼の材料にとっては極めて過酷な使用環境と
なっている。従って、それ等の材料は耐熱性の向上は勿
論のこと燃焼ガスに対する耐蝕性の向上も要求される。
上記のような過酷な使用環境かにおいて、特に動翼、靜
翼基材のみで対応するには限界に達しており、高温耐蝕
コーティングに関する研究がなされている。
【0003】図9はガスタービン動翼に作用する各種要
因、すなわちガスタービン動翼が受ける各種の負荷、環
境状況を示す図である。この図において、ガスタービン
動翼4には動翼4を長手方向に貫通して空気冷却孔5が
設けてある。タービン入口温度が1000℃を超える現
在、上記の空気冷却は必須の条件である。空気冷却孔5
を流れる冷却空気により、動翼4には燃焼ガスとの温度
差によって大きな熱応力を3aが生じると共に、さらに
タービンの回転に伴う遠心力3bも重疊される。同時
に、高温酸化3cや酸化腐食3d、また燃焼灰によるエ
ロージョン3e等が問題となっている。一般に、前者の
熱応力6a、遠心力3bは高温強度に優れた動翼の超合
金基材(以下単に基材と呼ぶ)1により持たせ、後者の
高温酸化3c、流下腐食3d、エロージョン3eは高温
耐蝕コーティング被覆6によっ分担させることが考えら
れている。従って、図10に示すように超合金基材1の
表面に耐蝕コーティング被覆6が施されている。
【0004】耐蝕超合金被覆については、各種公知の文
献が見られる。例えば、特公昭60−13056号(被
覆超合金)、特公昭59−63303号(被覆超合
金)、特開平1−59348号(溶射被覆超合金製品と
製法)、特開昭53−112234号(溶射被覆超合金
製品と製法)など多数の耐蝕超合金被覆について提案さ
れている。ガスタービン部品、特にガスタービン動翼4
の耐蝕コーティング技術については、MCrAlY(M
はNi、Co、Feおよびその複合材)合金を、減圧プ
ラズマ溶射、真空蒸着、スパッタリング等の物理的蒸着
法によるプロセスによりコーティングされている。現在
では、多種の合金被膜の形成できる点から減圧プラズマ
溶射法が多用されている。減圧プラズマ溶射法は、従来
の大気中プラズマ溶射法に比べて不活性ガスの減圧下で
の溶射施工が可能であり、溶射材料の酸化や窒化を防止
することができ予定通りの正常な被膜を形成できる。ま
た、減圧下でのプラズマジェットは超音速流となり、緻
密で密着性の高い被膜を形成でき被膜に生じる残留応力
は低い。高い残留応力は被膜の密着強度、被膜自体の引
張強度の低下を招くとともに、形成できる被膜厚さにも
大きな影響をおよぼすおそれがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、耐蝕コーテ
ィング被覆6材料であるMcAlY合金材料の靭性や疲
労強度などの機械的性質は、ガスタービン動翼材料であ
るNi系超合金材料に比して必ずしも優れているとは言
い難い。その結果、コーティング被膜(以下単に被膜と
呼ぶ)の寿命特性は、耐酸化性、耐蝕性以外に被膜に生
じる熱応力3aや被膜強度などの機械的特性以外よって
も大きな影響を受ける。
【0006】図11および図12はMCrAlMY合金
被膜2に生じた亀裂7が超合金基材1まで進展している
状態を示す。被膜2の特性によって超合金基材1単独の
場合に比して、コーティング材料としての強度が顕著に
低下するおそれがある。従って、被膜材料の選択におい
ては、被膜2の耐酸化性、耐蝕性は勿論、基材1とのマ
ッチングを図り、コーティング部材の強度特性について
も十分検討する必要がある。しかしながら、被膜自体の
特性については被膜2からの試験片作成が困難なことも
あり、必ずしも十分に明らかにされていないのが現状で
ある。また、基材1とのマッチングやコーティング部材
としての強度特性についても、限られた被膜材料に関し
ては実験的検討はなされているものの、必ずしも体系的
な研究が行われているものとは言い難い。特に、基材1
よりも線膨脹係数が高いコーティング材料を用いた場
合、熱応力3a発生の原因となり、引張残留応力が発生
する。特に、基材1に比して被膜2の線膨脹係数が大き
いと、熱サイクルを受けたときに冷却仮定での引張残留
応力が発生し、被膜2に割れや剥離等を生じる原因とな
っている。さらに、基材1よりも弾性係数Eが高いコー
ティング材料を用いた場合には、亀裂の発生およびその
進展は加速されるおそれがある。
【0007】本発明は上記の事情に基づきなされたもの
で、耐蝕コーティング被膜材料であるNCrAlY合金
材料の靭性や疲労強度などの機械的性質や熱物性と、ガ
スタービン動翼材料である超合金基材材料の機械的性質
や熱物性との最適化とを図ることにより、被膜に生じる
引張残留応力を低減させ、被膜に生じる亀裂の発生、進
展を防止する被覆超合金ガスタービン部品を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の被覆超合金ガス
タービン部品は、Ni基、Co基、Fe基の少なくとも
一種類を主成分とした耐熱合金からなる超合金基材と、
この超合金基材表面に耐高温腐食性、耐高温酸化性、耐
熱衝撃性および熱遮蔽を目的とする耐蝕コーティング被
膜層からなる被覆超合金ガスタービン部品において、超
合金基材表面に被覆する耐蝕コーティング被膜材料とし
て、超合金基材よりも低い線膨脹係数および超合金材料
よりも低い弾性係数を有する耐蝕コーティング被膜材料
を用いて被覆することを特徴とする。
【0009】
【作用】上記構成の本発明の被覆超合金ガスタービン部
品においては、コーティング被膜材料とガスタービン動
翼材料との材料選択の最適化が図られ、被膜に生じる引
張残留応力を圧縮残留応力に変換し、被膜の割れおよび
剥離を防止するとともに被膜に生じる亀裂の進展を防止
する。
【0010】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明による最適退職コーティング
被膜材料の選択図を示す。この図において、室温での市
販MCrAlY合金の被膜材料(減圧プラズマ溶射によ
り形成した被膜)の線膨脹係数α2 と超合金基材(以下
単に基材と呼ぶ)の線膨脹係数α1 として、その比α2
α1 /α1 を横軸に、市販MCrAlY合金被膜材料の
弾性係数E2 と基材1の弾性係数E1 として、そのE2
/E1 を縦軸にとって示してある。すなわち、超合金ガ
スタービン部品への最適な耐蝕コーティング被膜材料と
しては、基材より被膜材料の線膨脹係数αおよび弾性係
数Eが低い領域IVに位置する被膜材料を用いる。基材よ
りも線膨脹係数αを低くするのは、基材と被膜の線膨脹
係数αの差は熱応力発生の原因となるからである。特
に、基材に比して被膜の線膨脹係数がαが大きいと、熱
サイクルを受けたときに冷却過程において引張残留応力
が発生し、被膜の剥離の原因となる。従って、基材より
材料の線膨脹係数αを小さくすることによって、被膜の
割れ、被膜の剥離を防止できる。また、基材よりも被膜
材料の弾性係数Eを小さくしてあるのは、基材より弾性
係数の小さな被膜に亀裂が生じても、基材にまでそれが
進展しないようにするためである。これは、亀裂先端の
応力拡大係数K1 が小さくなり、基材への亀裂進展速度
が減少することによる。従って、基材より被膜材料の弾
性係数Eを小さくするものである。
【0011】図2は図1に示すところに従い選択した被
膜材料によって、超合金基材1に耐蝕コーティング被覆
したときの基材1と被膜2との断面図である。基材1に
基材1よりも低い線膨脹係数αを有する被膜材料を用い
て被覆することが有効な理由は、図3に示す汎用の有限
要素法熱弾性解析プログラムによる残留応力解析結果か
ら明らかである。解析では、円盤状の基材1表面に物性
値(弾性係数E、線膨脹係数α)の異なる被膜2が形成
された場合を解析対象としている。また、拡散熱処理温
度(1393K)から、均一室温まで冷却したときに発
生する熱応力を求めて残留熱応力とした。図中には、コ
ーティングを施した円盤の中心軸上での板厚方向の残留
応力分布を示す。但し、横軸には円周方向(半径方向)
応力成分σt (σr )を無次元応力パラメータにより整
理して示す。円盤径Rに比して基材いた厚Tが小さいた
め、横軸方向応力成分σt は無視し得る程度に小であ
る。この図から明らかなように、被膜2と基材1の接合
界面3においてσt (σr )が大きな値を示し、被膜2
が薄くなるほど被膜2に生じる最大応力は高くなる傾向
を示す。一方、接合界面3の基材1側に生じる応力は被
膜側とは逆符号であり、被膜2が厚くなるほど応力は高
くなる傾向を示す。また、被膜2に生じる残留応力は
(基材線膨脹係数α1 −被膜線膨脹係数α2 )>0の場
合に圧縮応力、(基材線膨脹係数α1 −被膜線膨脹係数
α2 )<0の場合に引張応力となる。特に、基材1と被
膜2の線膨脹係数α差は熱応力発生の原因となり、基材
1に比して被膜2の線膨脹係数αが大きいと熱サイクル
を受けたときに冷却過程で引張残留応力が発生し、被膜
2の割れや剥離が生じる原因となる。したがって、基材
1と被膜2の線膨脹係数αの差は、(基材線膨脹係数α
1 −被膜線膨脹係数α2 )>0になるようにし、被膜2
には圧縮の残留応力を付加することが有効である。
【0012】また、基材1の表面に基材1よりも小さな
弾性係数Eを有する被膜材料を用いて被覆することが有
効な理由は、図4に示す汎用の有限要素法を用いた応力
拡大係数K1 の弾性解析結果から明らかである。図にお
いて、基材1の厚さTに対する被膜厚さtの比t/T=
0.2の場合について、形状と材料の機械的特性の関数
1 値を計算した結果である。図中、被膜弾性係数E2
/基材弾性係数E1 =1.0の結果は、片側亀裂を有す
る均質基材のF1 である。ここで、基材1よりも被膜2
の弾性係数が低い場合(被膜の弾性係数E2 /基材の弾
性係数E1 <1.0)には、亀裂先端の応力拡大係数K
1 が低くなることは明らかである。これは、基材1より
も弾性係数Eの低い被膜2に亀裂が生じても、基材11
へ亀裂が進展する過程において亀裂進展速度が減速され
る傾向にあることを示している。この亀裂進展の減速傾
向は、被膜2と基材1との接合界面3に向うほど顕著と
なることから、負荷応力によっては亀裂の被膜内停止が
生じることを示している。一方、基材1よりも被膜2の
弾性係数が高い場合(E2 /E1 >1.0)には、逆に
1 値は接合界面に向けて急増し、亀裂進展速度は加速
される傾向にあることが分る。接合界面3を通過しても
しばらくの間はF1 値は高めの値を示すが、亀裂が十分
に長ければ被膜材料による影響がなくなり、均質素材F
1 値と一致する傾向を示す。このような傾向は、被膜厚
さ比によって若干異なるが被膜厚さが薄いもの程、被膜
2に生じた亀裂の進展速度の減速傾向、増速傾向共に顕
著となる。従って、基材1よりも被膜2の弾性係数Eが
低い状態、すなわち被膜弾性係数E2 /基材弾性係数E
1 <1.0とすることが有効である。
【0013】図5は本発明の基材1と被膜2の接合界面
3から被膜2の表面に向けて、被膜材料の線膨脹係数α
を連続的に変化させた場合の基材1と被膜2の断面図で
ある。先に示した図3の残留応力解析結果から明らかな
ように、被膜2と基材1との界面3には大きな残留応力
を生じる。この残留応力は、被膜2の剥離や割れに大き
く影響をおよぼすため、本発明においては基材1と被膜
2の膨脹係数差α1 −α2 によって残留応力を少なくし
ている。すなわち、α1 −α2 =0に近い状態とするこ
とによって、被膜2の剥離や割れを少なくしている。
【0014】図6は基材1と被膜2との界面3より被膜
2の方向に向けて、被膜材料の男性係数Eを連続的に変
化させた場合の基材1と被膜2の断面図である。左記に
示した図4の応力拡大係数K1 弾性解析結果から明らか
なように、基材1よりも被膜2の弾性係数Eが低い場合
(E2 /E1 <1.0)には、応力拡大係数K1 は低く
なり、基材1よりも弾性係数Eの低い被膜2に亀裂が生
じても、被膜内への亀裂が進展する過程において亀裂進
展速度は減速される。上記の減速は界面3に向かうほど
顕著となる。従って、本発明によれば亀裂の発生時に被
膜内停止を図ることが可能である。
【0015】(実施例2)図7は本発明において被膜材
料の複合化を図った場合の基材1と被膜2との接合界面
3の断面図である。基材表面に被覆する被膜材料として
は、基材1よりも弾性係数Eの低い被膜材料を用いて中
間層Aを形成する。この中間層Aの弾性係数をEA とす
る。この中間層Aの上にこれよりも線膨脹係数αが低い
被膜材料を用いて表面層Bを形成する。この表面層Bの
線膨脹係数をαB とする。このようにすることにより、
基材1と被膜材料との接合界面3からの亀裂発生を防止
することができるとともに、最表面層Bの被膜2に亀裂
が生じた場合においても、基材1よりも弾性係数Eが低
い中間層Aにおいて亀裂の進展が停止し、基材1への亀
裂の進展を防止することができる。
【0016】(実施例3)図8は基材表面に被覆する被
膜材料のAl+Cr+Ta(atm%)量を24.5
(atm%)とすることを示す図である。この図におい
て、市販MCrAlY合金コーティング被膜材料2aの
4点曲げ試験結果を示したが、一般にAl+Cr+Ta
量が増加するほど耐酸化性が向上される。しかしなが
ら、金属間化合物などの生成によって酸化が顕著とな
り、図に示すようにAl+Cr+Ta(atm%)量が
増加するほど、4点曲げ強度は低下する傾向にある。逆
にAl+Cr+Ta(atm%)の含有量が少ないと、
弾性係数低下のために強度低下を生じる。従って、被膜
材料として適正なAl+Cr+Ta(atm%)の含有
量を選定すれば、室温付近でも高強度、高延性の被膜を
得ることができる。すなわち、本発明によれば基材表面
に被覆する被膜材料のAl+Cr+Ta(atm%)量
を24.5(atm%)限定することができる。
【0017】超合金基材表面に耐蝕コーティング被覆を
施工する雰囲気圧力を減圧下とし、連続して耐蝕コーテ
ィングを連続して施工被覆する際には、減圧プラズマ溶
射を行う。減圧プラズマ溶射は、従来の大気圧プラズマ
溶射と異なり不活性ガス減圧下に溶射を行うものであ
り、溶射材料の酸化、窒化を防止することができ清浄な
被膜形成が可能である。また、減圧下でのプラズマジェ
ットは超音速流となり、緻密で密着性の高い被膜を形成
でき、被膜に生じる残留応力は少い。
【0018】従って、超合金ガスタービン部品への最適
な耐蝕コーティング被膜材料である基材よりも線膨脹係
数、弾性係数が低い領域IVの材料を使用して、上記減圧
プラズマ溶射により被膜形成を行うときは、良好な被膜
を得ることができる。
【0019】
【発明の効果】上記から明らかなように、本発明によれ
ば耐蝕コーティング被膜材料であるMCrAlY合金材
料の靭性や疲労強度などの機械的性質や熱物性と、ガス
タービン動翼材料である超合金材料の機械的性質や熱物
性との最適化を図ることにより、コーティング被膜に生
じる残留応力を低減させ、被膜の割れおよび剥離を防止
することができる。また、コーティング被膜に生じる亀
裂の発生および進展を防止し、従来の被覆超合金ガスタ
ービン部品に比較して、長時間の被膜寿命を有する被覆
超合金ガスタービン部品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の最適コーティング被膜材料の選択を示
した図。
【図2】本発明の超合金基材表面に耐蝕コーティング被
覆した時の超合金基材と耐蝕コーティング被膜の断面
図。
【図3】本発明の汎用の有限要素法熱弾性解析プログラ
ムによる残留応力解析結果を示す図。
【図4】本発明の汎用の有限要素法を用いた最適コーテ
ィング被膜材料に関する応力拡大係数K1 の弾性解析結
果を示す図。
【図5】本発明のコーティング被膜材料の線膨脹係数を
連続的に変化させた場合の超合金基材と耐蝕コーティン
グ被膜との断面図。
【図6】本発明のコーティング被膜材料の弾性係数を連
続的に変化させた場合の超合金基材と耐蝕コーティング
被膜の断面図。
【図7】本発明の耐蝕コーティング被膜材料の複合化を
行った時の超合金材料と耐蝕コーティング被膜の断面
図。
【図8】本発明の耐蝕コーティング被膜材料のMc+C
r+Ta(atm%)量の最適含有量を示す図。
【図9】ガスタービン動翼が受ける各種の負荷、環境を
示す図。
【図10】ガスタービン動翼への耐蝕コーティングを示
す図。
【図11】MCrAl合金被膜に生じた亀裂がNi系超
合金材料基材まで進展している状態を示す図。
【図12】図11の亀裂の拡大図。
【符号の説明】
1………超合金基材 2………耐蝕コーティング被膜 3………接合界面 3a……熱応力 3b……遠心力 3c……高温酸化 3d……硫化腐食 3e……エロージョン 4………ガスタービン動翼 5………冷却空気孔 6………耐蝕コーティング被覆 7………亀裂 A………中間層 B………表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石渡 裕 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株式 会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 田村 雅貴 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株式 会社東芝京浜事業所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni基、Co基、Fe基の少なくとも一
    種類を主成分とした耐熱合金からなる超合金基材と、こ
    の超合金基材表面に耐高温腐食性、耐高温酸化性、耐熱
    衝撃性および熱遮蔽を目的とする耐蝕コーティング被膜
    層からなる被覆超合金ガスタービン部品において、超合
    金基材表面に被覆する耐蝕コーティング被膜材料とし
    て、超合金基材よりも低い線膨脹係数および超合金材料
    よりも低い弾性係数を有する耐蝕コーティング被膜材料
    を用いて被覆することを特徴とする被覆超合金ガスター
    ビン部品。
  2. 【請求項2】 超合金基材表面に被覆する耐蝕コーティ
    ング被膜材料として、Al系、Co系、Ni系、Fe系
    の少なくとも一種類を主成分としたMCrAlY合金を
    用いたことを特徴とする請求項1記載の被覆超合金ガス
    タービン部品。
  3. 【請求項3】 超合金基材表面より耐蝕コーティング被
    膜表面層に向けて弾性係数が連続的に低下する耐蝕コー
    ティング被膜層を形成することを特徴とする請求項1記
    載の被覆超合金ガスタービン部品。
  4. 【請求項4】 超合金基材界面より耐蝕コーティング被
    膜表面層に向けて弾性係数が連続的に低下する耐蝕コー
    ティング被膜層を形成したことを特徴とする請求項1記
    載の被覆超合金ガスタービン部品。
  5. 【請求項5】 Ni基、Co基、Fe基の少なくとも一
    種類を主成分とした耐熱合金からなる超合金基材と、こ
    の超合金基材表面に耐高温腐食性、耐高温酸化性、耐熱
    衝撃性および熱遮蔽を目的とする耐蝕コーティング被膜
    層からなる被覆超合金ガスタービン部品において、超合
    金基材表面に被覆する耐蝕コーティング被膜材料とし
    て、超合金基材よりも弾性係数の低い耐蝕コーティング
    被膜材料を用いて中間層を形成し、この中間層の上にこ
    の中間層よりも線膨脹係数が低い耐蝕コーティング被膜
    材料を用いて表面層を形成したことを特徴とする被覆超
    合金ガスタービン部品。
  6. 【請求項6】 Ni基、Co基、Fe基の少なくとも一
    種類を主成分とした耐熱合金からなる超合金基材と、こ
    の超合金基材表面に耐高温腐食性、耐高温酸化性、耐熱
    衝撃性および熱遮蔽を目的とする耐蝕コーティング被膜
    層からなる被覆超合金ガスタービン部品において、超合
    金基材表面を被覆する耐蝕コーティング被膜材料とし
    て、Al+Cr+Ta(atm%)量が24,5atm
    %を含有するMCrAlY合金コーティング材料を用い
    ることを特徴とする被覆超合金ガスタービン部品。
  7. 【請求項7】 耐蝕コーティングを減圧溶射によって行
    ったことを特徴とする請求項1ないし請求項6記載の被
    覆超合金ガスタービン部品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1816236A1 (en) * 2006-02-06 2007-08-08 Hamilton Sundstrand Corporation Coating process for fatigue critical components

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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