JPH087389B2 - X線画像のエネルギー・サブトラクシヨン方法およびその方法に用いられる積層体 - Google Patents

X線画像のエネルギー・サブトラクシヨン方法およびその方法に用いられる積層体

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JPH087389B2
JPH087389B2 JP58025435A JP2543583A JPH087389B2 JP H087389 B2 JPH087389 B2 JP H087389B2 JP 58025435 A JP58025435 A JP 58025435A JP 2543583 A JP2543583 A JP 2543583A JP H087389 B2 JPH087389 B2 JP H087389B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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    • G03B42/00Obtaining records using waves other than optical waves; Visualisation of such records by using optical means
    • G03B42/02Obtaining records using waves other than optical waves; Visualisation of such records by using optical means using X-rays

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はX線画像のエネルギー・サブトラクション方
法およびその方法に用いられるX線写真フイルム−螢光
増感紙積層体に関する。さらに詳しくは、X線写真フイ
ルムと螢光増感紙とを用いて、X線写真フイルムにX線
画像を記録し、この後このX線画像が記録されたX線写
真フイルムを光学的に走査してX線画像を透過光あるい
は反射光の形で光検出器により光電的に読み取り、得ら
れた画像信号に信号処理を施したのち可視像として再生
するX線画像記録再生システムにおけるX線画像のエネ
ルギー・サブトラクション方法およびその方法に用いら
れるX線写真フイルム−螢光増感紙積層体に関する。
同一被写体に対して相異なるエネルギー分布を有する
X線を照射せしめ、被写体の特定の構造物(例えば、臓
器、骨、血管等)が特有のX線エネルギー吸収特性を有
することを利用して特定の構造物が異なって抽出された
2つのX線画像を得、その後この2つのX線画像に適当
な重みづけをした上で両画像間で引き算(サブトラク
ト)を行ない特定の構造物の画像を抽出する、所謂エネ
ルギー・サブトラクション方法がデジタルサブトラクシ
ョン方法(デジタルラディオグラフィーとも呼ばれる。
以下DRと略称する。)の一形態として知られている。こ
こでDRとしては既存のI.I.チューブとTVカメラとからな
るX線透視カメラの出力をデジタル処理するデジタル・
フルオロスコピー(Digital Fluoroscopy)と、Xe−検
出器等CTに用いられるX線検出システムを流用するスキ
ャンド・プロジェクション・ラディオグラフィ(Scanne
d Projection Radiography)と呼ばれるものが知られて
いる。
より具体的には、従来エネルギー・サブトラクション
方法として、以下に示すような種々の方法が知られてい
る。
(I)相異なるエネルギー分布を有するX線を短い時間
間隔で間欠的に被写体に照射し、これと同期して被写体
を透過したX線をI.I.チューブとTVカメラからなるX線
透視カメラあるいはXe−検出器等のX線検出器により検
出し、この結果得られた2つ以上のX線画像からサブト
ラクション画像を得る方法。ここで相異なるエネルギー
分布を有するX線を照射する方法としては、i)X線源
をそのような相異なるエネルギー分布を有するX線を放
射可能なように改造する、ii)相異なるエネルギー分布
を有するX線を放射する2つ以上のX線源をそれらから
放射されるX線が互いに干渉しないように近接させる、
iii)X線源と被写体との間にX線のエネルギー分布を
変化させるようなフイルタを出し入れする等の方法があ
る。
(II)相異なるエネルギー分布を有するX線を同時に放
射することが可能な2つのX線源を近接させて配置し、
さらに多数の微細スリットあるいは微細穴(例えば、円
あるいは正方形の形状を有する穴が市松模様に配された
もの)を有し、かつX線遮蔽部分と空隙部分との面積比
が1:1であるような構造を有する鉛等のX線遮蔽物質か
らなるフイルタをX線検出器の受光面において一方のX
線源からのX線と他方のX線源からのX線とが互いに干
渉しないようにX線源と被写体との間に挿入し、このよ
うな状態で上記2つのX線源から被写体に対してX線を
同時に照射し、これによって相異なるエネルギー分布を
有するX線によりX線検出器受光面上にX線画像を形成
させてそれらX線画像をX線検出器により検出し、検出
されたX線画像を読出し時に、あるいは読み出し後に分
離し、その後分離された画像からサブトラクション画像
を得る方法。
(III)被写体をX線源およびX線検出器に対して相対
的に移動しつつ、X線源より相異なるエネルギー分布を
有する扇状X線を一定時間交互に連続的に発生させ、被
写体を透過した扇状X線を被写体後方に設置されたX線
検出器により検出し、得られた画像信号から相異なるエ
ネルギー分布を有するX線に対応するX線画像を得、そ
の後それらX線画像からサブトラクション画像を得る方
法。相異なるエネルギー分布を有するX線を発生せしめ
る方法としては、(I)と同様の方法が考えられる。
(IV)方法(II)で用いられるフイルタと同様の形状を
有するフイルタを銅等のX線の低エネルギー成分を吸収
する金属で形成し、このフイルタを1つのX線源と被写
体との間に挿入してX線源から放射されたX線よりX線
検出器受光面において互いに干渉しないような相異なる
エネルギー分布を有するX線を生じさせ、これら相異な
るエネルギー分布を有するX線によりX線検出器受光面
上にX線画像を形成させてそれらX線画像をX線検出器
で検出し、検出されたX線画像を読み出し時に、あるい
は読み出し後に分離し、その後分離された画像からサブ
トラクション画像を得る方法。
エネルギー・サブトラクション方法は被写体のエネル
ギー吸収特性の異なる構造物の画像を分離抽出すること
が可能であり、骨部を除いた軟部組織のみの画像を形成
することが可能である。例えば、縦隔部に存在する気管
支等、従来は骨と重なって診断し難かった構造物の画像
を骨の画像より分離し抽出することが可能である。ま
た、腹部血管造影などの撮影で時間サブトラクションを
行なうと腹部ガス像によるアーティファクトが問題とな
るが、エネルギー・サブトラクション方法によれば軟部
組織に関する情報を消すことが可能であり、ガス像のな
い骨と造影像のみの画像形成が可能である。従って、エ
ネルギー・サブトラクション方法は従来の方法では得ら
れなかった診断情報を得ることができ、原理的には非常
に卓越した方法として医療診断分野で注目されている方
法である。
しかしながら、上記従来のエネルギー・サブトラクシ
ョン方法はDRに係わる本質的な欠点を有している。即
ち、DRによって得られたサブトラクション画像の空間分
解能は、一般にI.I.チューブとTVカメラとからなるX線
透視カメラあるいはXe−検出器等のX線検出器の分解能
で決定されるが、このような従来のDRに使用されている
X線検出器の分解能はあまり高くなく、従って従来のエ
ネルギー・サブトラクション方法は特定の構造物に対す
る十分微細な診断が不可能であるという問題がある。さ
らに、DRにおける撮影範囲はX線検出器の受光面積で限
られるため、従来のエネルギー・サブトラクション方法
は広範囲な被写体の構造物に対して同時にサブトラクシ
ョン画像を得ることができないという問題がある。
さらに上記従来のエネルギー・サブトラクション方法
(I)、(II)、(III)および(IV)は以下のような
欠点を有している。
1.特殊なX線源を必要とする〔方法(I)および方法
(II)〕。
2.2つのX線画像の対応する画素間に位置ずれが発生す
る〔2つのX線源を使用する場合の方法(I)、方法
(II)、方法(III)および方法(IV)〕。
3.通常のX線画像形成方法に比べて半分の解像度しか得
ることができない〔方法(II)および方法(IV)〕。
4.相異なるエネルギー分布を有するX線による各X線画
像が同一平面上に形成されるので、それらX線画像を読
み出し時あるいは読み出し後に分離することが困難であ
る〔方法(II)および方法(IV)〕。
5.相異なるエネルギー分布を有するX線が間欠的に複写
体に照射されるので、被写体の筋肉運動、呼吸運動、蠕
動等により各画像間に位置ずれが生じ、結果として良好
なサブトラクション画像が得られなくなる〔方法
(I)〕。
6.被写体が扇状X線により走査されるので、一画像を形
成するのに時間がかかり、走査の始めと終りで時間差が
でき、被写体の筋肉運動、呼吸運動、蠕動等により各画
像中に位置ずれが生じ、結果として良好なサブトラクシ
ョン画像が得られず、特に血管造影像を抽出するには不
向きである〔方法(III)〕。
従って、本発明の目的は上記従来のエネルギー・サブ
トラクション方法が有するような欠点を有しておらず、
良好なサブトラクション画像を得ることが可能なX線画
像のエネルギー・サブトラクション方法を提供すること
にある。
また、本発明の別の目的は上記本発明のエネルギー・
サブトラクション方法に用いられる新規なX線検出器を
提供することにある。
ところで、X線写真フイルムに一旦X線画像を記録
し、このX線画像が記録されたX線写真フイルムを光学
的に走査することによりX線画像を透過光あるいは反射
光の形で光電的に検出し、この検出によって得られた画
像信号に信号処理を施したのち可視像として再生するこ
とによってX線画像の記録再生を行なうX線写真記録再
生システムか本出願人によりすでに提案されている(特
開昭54-121043号公報)。
一般にX線写真フイルムはX線撮影に適した高い感度
と広い露光域とを持ち、かつ観察読影に適した高いコン
トラスト、高い鮮鋭度および細かい粒状性をかねそなえ
ている必要がある。しかし、これらの特性は互いに矛盾
するところが多く、すべての特性が満たされたX線写真
フイルムを作ることは困難であり、撮影適性と観察読影
適性とを少しづつ犠牲にしてフイルムが設計されていた
が、上記X線画像記録再生システムを利用するとコント
ラスト、鮮鋭度および粒状性を改善するとができ、これ
によりX線画像の診断性能を向上させることができる。
従って、多くの診断情報を得ることができると同時に、
X線写真フイルムに更に良好な撮影適性を持たせること
が可能となる。
本発明のX線画像のエネルギー・サブトラクション方
法は上記X線画像記録システムを利用するものである。
すなわち、本発明のX線画像のエネルギー・サブトラク
ション方法は先に説明した従来のエネルギー・サブトラ
クション方法に用いられていたX線検出器のかわりに2
枚のX線写真フイルムが螢光増感紙と共に、あるいは螢
光増感紙およびX線の低エネルギー成分吸収物質からな
るフイルタと共に積層状態で配されたX線写真フイルム
−螢光増感紙積層体あるいはX線写真フイルム−螢光増
感紙−フイルタ積層体をX線検出器として用い、この積
層体にX線エネルギー吸収特性が他とは異なる特定の構
造物を含む被写体を透過したX線を照射して該積層体に
上記特定の構造物に対応する部分の画像情報が異なる2
つのX線画像を記録し、その後積層体を構成する2枚の
フイルムから読み出された2つのX線画像からサブトラ
クション画像を得ることを特徴とするものであり、従来
のエネルギー・サブトラクション方法が有していた問題
を解消するものである。
すなわち、本発明の第1のX線画像のエネルギー・サ
ブトラクション方法は、積層状態で配された2枚のX線
写真フイルムと、これら2枚のX線写真フイルム間に配
され、X線写真フイルム側に螢光体層を有し、X線の低
エネルギー成分吸収特性を有する螢光増感紙と、上記2
枚のX線写真フイルムの一方の外側に配され、該X線写
真フイルム側に螢光体層を有する螢光増感紙とからなる
X線写真フイルム−螢光増感紙積層体に、この積層体の
X線写真フイルムが位置する側から被写体を透過したX
線を照射して、この積層体を構成する2枚のX線写真フ
イルムのうち被写体から遠い位置に置かれたX線写真フ
イルムに被写体に近い位置に置かれたX線写真フイルム
よりも被写体のX線エネルギー吸収特性が異なる特定部
分においてX線の低エネルギー成分が吸収されて減少し
た画像情報が記録されるように上記2枚のX線写真フイ
ルムにX線画像を記録し、その後上記2枚のX線写真フ
イルムを光学的に走査して上記フイルムに記録されてい
るX線画像を透過光あるいは反射光の形で光電的に読み
取ってデジタル画像信号に変換し、このデジタル画像信
号に変換された2つのX線画像の対応する画素間でデジ
タル画像信号の引き算を行なって上記特定の構造物の画
像を抽出することを特徴とするものである。
また、本発明の第2のX線画像のエネルギー・サブト
ラクション方法は、 a)積層状態で配された2枚のX線写真フイルム、 b)これらX線写真フイルム間に配されかつこれらX線
写真フイルム側に螢光体層を有する2枚の螢光増感紙、 c)上記X線写真フイルムの一方に関し、上記螢光増感
紙とは反対の側に配され、かつ該X線写真フイルム側に
螢光体層を有する螢光増感紙、および d)上記X線写真フイルム間に配された2枚の螢光増感
紙間に介在せしめられたX線の低エネルギー成分吸収物
質からなるフイルタ からなるX線写真フイルム−螢光増感紙−フイルタ積層
体に、被写体を透過したX線をこの積層体のX線写真フ
イルムが位置する一端側から照射して、この積層体を構
成する2枚のX線写真フイルムのうち被写体から遠い位
置に置かれたX線写真フイルムに被写体に近い位置に置
かれたX線写真フイルムよりも上記特定の構造物に対応
する部分においてX線の低エネルギー成分が吸収され減
少した画像情報が記録されるように上記2枚のX線写真
フイルムにX線画像を記録し、その後上記2枚のX線写
真フイルムを光学的に走査して上記フイルムに記録され
ているX線画像を透過光あるいは反射光の形で光電的に
読み取ってデジタル画像信号に変換し、このデジタル画
像信号に変換された2つのX線画像の対応する画素間で
デジタル画像信号の引き算を行って上記特定の構造物の
画像を抽出することを特徴とするものである。
上記本発明の第1および第2のエネルギー・サブトラ
クション方法において、X線画像の対応する画素間でデ
ジタル画像信号の引き算を行なうとは、X線画像の対応
する画素のデジタル画像信号に重み係数を乗じて引き算
をし、新たな画像信号を得ることを意味するものであ
る。また、X線の低エネルギー成分吸収特性を有すると
は、X線の高エネルギー成分よりも低エネルギー成分を
より吸収する性質を有することを意味し、さらに、X線
の低エネルギー成分吸収物質とは、X線の高エネルギー
成分よりも低エネルギー成分をより吸収する物質を意味
するものである。
なお、上記本発明の第1のX線画像のエネルギー・サ
ブトラクション方法において、2枚のX線写真フイルム
間に配される増感紙はその両面(それぞれのX線写真フ
イルムに対向する面)に螢光体層を有していなければな
らず、そのような増感紙として支持体上の一方側に螢光
体層が設けられた単純撮影に通常使用される2枚の螢光
増感紙、支持体の両面に螢光体層が設けられた増感紙、
螢光体層のみからなる自己支持性の増感紙等が用いられ
る。本発明の第2のX線画像のエネルギー・サブトラク
ション方法に用いられるX線写真フイルム−螢光増感紙
−フイルタ積層体においては、2枚のX線写真フイルム
の間に介在せしめられる螢光増感紙は2枚の螢光増感紙
からなり、これら2枚の螢光増感紙の間にフイルタが介
在せしめられる。
本発明のエネルギー・サブトラクション方法において
は、読み出しの際にX線写真フイルム上を走査する光ビ
ームのスポット径を小さくして、単位面積当たりの画素
数を増加させることができ、かつサブトラクション処理
及び各種の信号処理を施した後の画像データの最終出力
を銀塩等の感光材料上に直接記録することができるの
で、従来のDRに比べて空間分解能の著しく高いサブトラ
クション画像を得ることができ、原理的には人間の視覚
の識別分解能以下の空間分解能を有する鮮明なサブトラ
クション画像を得ることができる。それと同時にX線写
真フイルムあるいは螢光増感紙の面積を大きくすること
に何ら技術的支障はないので、人体の広範囲の構造物を
カバーする大面積に対して一度にサブトラクション画像
を得ることができる。このように本発明のエネルギー・
サブトラクション方法においては、DRにおけるX線検出
器に基づく本質的な問題点は解消される。
また、本発明のエネルギー・サブトラクション方法に
よるとX線源から放射され被写体を透過したX線がX線
写真フイルム−螢光増感紙積層体あるいはX線写真フイ
ルム−螢光増感紙−フイルタ積層体を構成する各X線写
真フイルムに同時に照射されるので、サブトラクション
すべき2つのX線画像の形成に時間差が生じることがな
く、従って、時々刻々に変化する人体の特定の構造物の
サブトラクション画像も良好なものとして得ることがで
きる。さらに本発明においては、単一のX線源を使用で
きるので、2つのX線画像の対応する画素間に位置ズレ
が生じることがない。さらに本発明においては、従来汎
用のX線発生装置および撮影装置をそのまま使用するこ
とができる。さらに本発明においては、相異なったエネ
ルギー分布を有するX線に対するX線画像が別個のX線
写真フイルムに記録されるので、読み出し時あるいは読
み出し後に画像を分離しなければならないという問題も
発生せず、また、サブトラクション画像を得ることによ
って解像度が半減するということもない。このように本
発明のエネルギー・サブトラクション方法によれば従来
のエネルギー・サブトラクション方法の有する問題を一
挙に解消することができる。
本発明のX線画像のエネルギー・サブトラクション方
法において使用する積層体の構成としては、具体的に以
下のような構成が採用される。
すなわち、本発明の第1のX線画像のエネルギー・サ
ブトラクション方法においては、例えばX線写真フイル
ム−螢光増感紙積層体を構成している2枚のX線写真フ
イルムの間に位置する螢光増感紙に、X線の低エネルギ
ー成分吸収特性が持たされる。螢光増感紙にX線の低エ
ネルギー成分吸収特性を持たせるためには、例えば下記
i)、ii)あるいはiii)のような手段がとられる。
i)螢光増感紙を構成する螢光体としてX線の低エネル
ギー成分吸収特性の高い螢光体を使用するか、あるいは
螢光増感紙の螢光体層中にX線の低エネルギー成分吸収
物質を分散含有させる。
ii)螢光増感紙の支持体としてX線の低エネルギー成分
吸収物質からなる支持体を使用する。この場合X線の低
エネルギー成分吸収物質からなる支持体はX線の低エネ
ルギー成分吸収物質のみからなるものであってもよい
し、あるいはX線の低エネルギー成分吸収物質と、この
物質を分散状態で含有している別の物質からなるもので
あってもよい。
iii)上記i)とii)の組合わせ。
また、本発明の第2のX線画像のエネルギー・サブト
ラクション方法においては、積層状態で配された2枚の
X線写真フイルム間に配される2枚の螢光増感紙の間に
X線の低エネルギー成分吸収物質からなるフイルタを介
在させ、このフイルタによって被写体を透過したX線の
低エネルギー成分を吸収させる。この場合もまたX線の
低エネルギー成分吸収物質からなるフイルタはX線の低
エネルギー成分吸収物質のみからなるものであってもよ
いし、あるいはX線の低エネルギー成分吸収物質と、こ
の物質を分散状態で含有している別の物質とからなるも
のであってもよい。
これら本発明のX線画像のエネルギー・サブトラクシ
ョン方法のうち、第2の方法においては被写体を透過し
たX線の低エネルギー成分の吸収が、螢光増感紙とは別
体として設けられたフイルタにより行なわれるので、X
線の低エネルギー成分の吸収を効率よく行なうことがで
き、また螢光増感紙も単純撮影に用いられる螢光増感紙
をそのまま転用することができるので、この第2の方法
は第1の方法と比べてより好ましい方法である。
先に述べたように、X線の低エネルギー成分吸収物質
とは、X線の高エネルギー成分よりも低エネルギー成分
をより吸収する物質を意味するが、その具体例として金
属が挙げられ、特にCu,W,Mo,Ni,Pb,Au,Ag,Ba,Ta,Fe,Al,
Zn,Cd,Ti,Zr,V,Nb,Cr,CoおよびSnのうちの少なくとも1
種であるのが好ましい。
本発明のX線画像のエネルギー・サブトラクション方
法においては、サブトラクション画像を得るためにサブ
トラクションすべき2つのX線画像の対応する画素間で
引き算が行なわれるが、この引き算とは先に述べたよう
にサブトラクションすべき2つのX線画像の対応する画
素の画像信号に重み係数を乗じて引き算をし、新たな画
像信号を得ることを意味する。この引き算を式で表わす
と、 L=mP−nQ (但し、P、Qはサブトラクションすべき2つのX線画
像のデジタル画像信号、m,nは重み係数、Lは新たな画
像信号)となる。サブトラクション画像を得るにあた
り、抽出すべき特定の構造物に関する画像情報以外の画
像情報を消すためには、サブトラクションすべき2つの
画像間で消去すべき部分の画像信号の強度分布を一致さ
せるとよいが、このためには消去すべき部分の階調を一
致させるのが簡便である。このことを実現するためには
重み係数m,nを両画像の消去すべき部分の階調が一致す
るように選んで引き算を行なうのが好ましい。撮影の条
件によっては、m=n、さらにm=n=1となる場合も
ある。また、サブトラクションすべき2つの画像中に
は、種々の構造物が複雑に重なって積分像として記録さ
れるため、上記重み係数は必ずしも定数ではなく、場合
によっては構造物の厚みの関数となり、非線型性を有す
ることもある。
上記引き算の具体的方法としては、消去すべき構造物
(例えば胸部写真において肺などの軟部組織)の領域の
強度分布を一致させるように重み係数を選びサブトラク
ションすべき2つの画像の全画素の画像信号に上記重み
係数を乗じる方法が挙げられる。この方法によれば、サ
ブトラクションすべき2つの画像中の軟部組織のみの領
域は一定の強度となり、そこでサブトラクションすべき
2つの画像間で引き算を行なうと、軟部組織に関する画
像情報は失われ、骨のみの画像情報が差となって抽出さ
れる。従って、このような簡便な方法を実用するのが好
ましい。
本発明のX線画像のエネルギー・サブトラクション方
法においては、予め特定のフイルタによって高エネルギ
ー帯と低エネルギー帯とに分離されたX線を被写体に照
射するX線として使用すると、X線写真フイルム−螢光
増感紙積層体あるいはX線写真フイルム−螢光増感紙−
フイルタ積層体におけるX線の高エネルギー成分と低エ
ネルギー成分との分離がより一層容易になるので好まし
い。
また、本発明のX線画像のエネルギー・サブトラクシ
ョン方法において、被写体により近い位置に置かれる螢
光増感紙の厚さをより薄くすることは、被写体からより
遠い位置に置かれる螢光増感紙に届くX線量の低減を防
ぐのに有効である。
本発明において、X線写真フイルムからX線画像を読
み出すための、X線写真フイルムを光学的に走査する手
段としては、光ビームをX線写真フイルム上を二次元的
に走査せしめるもの、光ビームを固定しX線写真フイル
ムを回転ドラムに取りつけ、回転軸に平行な方向に移動
せしめることにより行なうもの、あるいはフライングス
ポットスキャナーのような電子走査等の種々の手段を用
いることができる。ここで光ビームとして点光源から発
せられた光を集光レンズで集光せしめることによって得
られたもの、レーザービーム等の種々のものが使用でき
る。読取りはX線写真フイルムが光学的に走査された時
のX線画像からの反射光あるいは透過光(X線フイルム
が透過性の場合)を光検出手段によって検出することに
よって行なうことができる。
本発明X線画像のエネルギー・サブトラクション方法
においては、サブトラクションの前あるいは後にX線画
像に種々の信号処理を施すことができるが、用いられる
信号処理としては、特開昭56-11035号、同56-75136号、
同56-75138号、同56-75140号、同56-91735号等に開示さ
れている周波数処理、特開昭55-116338号、同55-88741
号等に開示されている階調処理などがあげられる。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明の第1のX線画像のエネルギー・サブ
トラクション方法に用いられるX線写真フイルム−螢光
増感紙積層体の一実施態様を示す概略断面図である。第
1図に示されるX線写真フイルム−螢光増感紙積層体
(以下フイルム増感紙積層体という)は積層状態で配さ
れた2枚のX線写真フイルムAおよびB、これら2枚の
X線写真フイルムAおよびBの間に配されかつこれらX
線写真フイルムAおよびB側に螢光体層を有する2枚の
螢光増感紙aおよびb、およびX線写真フイルムの一方
Bに関し、上記螢光増感紙aおよびbとは反対の側に配
され、かつこのX線写真フイルムB側に螢光体層を有す
る螢光増感紙cからなるものである。螢光増感紙a、b
およびcはそれぞれポリエチレンテレフタレートあるい
は酢酸セルロース等のX線透過性の材料から形成された
支持体2a、2bおよび2c上に、適当な結合剤中にX線用螢
光体を分散してなる螢光体層1a、1bおよび1cが設けられ
たものである。ここで螢光増感紙aおよびbは、それら
増感紙のX線用螢光体としてX線の低エネルギー成分吸
収特性を有する螢光体が用いられるか、あるいは螢光体
層1aおよび1b中にX線の低エネルギー成分吸収物質が分
散含有せしめられることにより、そのX線の低エネルギ
ー成分吸収特性が与えられている。なお、螢光増感紙
a、bおよびcの螢光体層1a、1bおよび1cの表面(支持
体2a、2bおよび2c側とは反対側の面)には、それらの螢
光体層を物理的あるいは化学的に保護するポリエチレン
テレフタレートフイルム等の保護膜が設けられていても
よい(以下第5図乃至第7図に示される積層体において
も同様である)。
上記第1図に示されるフイルム増感紙積層体におい
て、螢光増感紙a、bおよびcは支持体を有さないいわ
ゆる自己支持性の螢光増感紙であってもよい。この場
合、2枚の自己支持性螢光増感紙aおよびbを1枚の自
己支持性螢光増感紙(勿論この増感紙を構成するX線用
螢光体はX線の低エネルギー成分吸収特性を有する)に
置き換えてもよい。また、螢光増感紙aおよびbを支持
体の両面に螢光体層が設けられた1枚の螢光増感紙(支
持体の両面に設けられた螢光体層はそれぞれ第1図の螢
光体層1aおよび1bに相当する)に置き換えてもよい。
第2図は第1図に示されるフイルム増感紙積層体を用
いて本発明の第1のX線画像のエネルギー・サブトラク
ション方法によりX線写真フイルムにX線画像を記録す
る様子を説明する概略図である。図中上方にはX線6を
放射する単一のX線源4が配されており、被写体7の後
方には第1図に示されるフイルム増感紙積層体がカセッ
テ5中に収納されて配置されている。
X線源4からX線6が放射されると、このX線6はX
線エネルギー吸収特性が他とは異なる特定の構造物を含
む被写体7を透過してX線写真フイルムAおよび螢光増
感紙aに到達する。ここで被写体7のX線画像がX線写
真フイルムAに記録される。次に上記X線写真フイルム
Aおよび螢光増感紙aを透過したX線は螢光増感紙bお
よびcとX線写真フイルムBに到達し、X線写真フイル
ムBに被写体7のX線画像が記録される。ここで、螢光
増感紙aおよびbの螢光体層1aおよび1bはX線の低エネ
ルギー成分をより多く吸収するのでそれら螢光体層を透
過したX線は低エネルギー成分が低減して高エネルギー
成分が強調された状態になっており、従ってX線写真フ
イルムBにはX線の低エネルギー成分に係わる画像情報
が低減した被写体7のX線画像が記録される。このよう
にして被写体7の特定の構造物に対応する部分において
画像情報が異なる2つのX線画像が2枚のX線写真フイ
ルムAおよびBに同時に記録される。
このようにして得た2枚のX線写真フイルムAおよび
Bから、第3図に示されるような読出系によってX線画
像を読み出し、画像を表わすデジタル画像信号を得る。
先ず、X線写真フイルムAを矢印Yの方向に副走査のた
めに移動させながら、レーザー光源10からのレーザー光
11を走査ミラー12によってX方向に主走査させ、X線写
真フイルムAから該フイルムに記録されたX線画像を反
射光13として読み出す。反射光13は透明なアクリル板を
成形して作った集光板14の一端面からこの集光板14の内
部に入射し、中を全反射を繰返しながらフォトマル15に
至り、その光量が画像信号Sとして出力される。この出
力された画像信号Sは増幅器とA/D変換器を含む対数変
換器16により対数値(log S)のデジタル画像信号log S
に変換される。このデジタル画像信号log Sはデジタル
演算器17に入力され、そこに記憶される。次に、全く同
様にして、もう1枚のX線写真フイルムBの記録画像が
読み出され、そのデジタル画像信号log Sがデジタル演
算器17に記憶される。デジタル演算器17では、対応する
画素間でデジタル画像信号log Sよりデジタル画像信号l
og Sが差し引かられ抽出したい特定の構造物の画像信号
が得られる。この際デジタル画像信号log Sおよびlog S
それぞれに適当な重み係数が乗じられるが、2つの重み
係数は両画像の消去すべき部分の階調が一致するように
選ばれるのが好ましい。なお、ここでデジタル画像信号
が対数値として扱われるのは、画像データの帯域圧縮が
なされ、かつ不必要な画像情報の完全除去が可能となる
からであり、対数値に変換しない原画像信号により同様
のことを行なうことも可能である。
このようにして、デジタルサブトラクション処理を行
なうことにより得られた信号は、必要に応じて空間周波
数処理、階調処理、加算平均処理等の画像処理が施され
たのち、CRT等の表示装置上に直接再生されるかあるい
は以下に説明するように感光フイルム等の記録材料上に
再生記録される。
第4図は再生用の画像走査記録の例を示すものであ
る。感光フイルム20を矢印Yの副走査方向へ移動させる
とともにレーザービーム21をこの感光フイルム20上にX
方向に主走査させ、レーザービーム21をA/O変調器22に
より画像信号供給器23からの画像信号によって変調する
ことにより感光フイルム20上に可視像を形成する。この
画像信号として、前記デジタル演算器17の出力を使用す
ればデジタルサブトラクション処理が施された所望の特
定構造物の画像を感光フイルム20上に再生記録すること
ができる。
なお、以下第5図乃至第7図に示されるX線写真フイ
ルム−螢光増感紙積層体あるいはX線写真フイルム−螢
光増感紙−フイルタ積層体を用いて本発明のX線画像の
エネルギー・サブトラクションを実施する場合にも、サ
ブトラクション処理は上述と同じように行なわれる。
第5図は本発明の第1のX線画像のエネルギー・サブ
トラクション方法に用いられるフイルム増感紙積層体の
別の実施態様を示す概略断面図である。第1図の積層体
と同様に第5図の積層体も2枚のX線写真フイルムおよ
び3枚の螢光増感紙が積層されたものであるが、第1図
の積層体とは異なって2枚のX線写真フイルムAおよび
Bの間に介在する螢光増感紙aおよびbの支持体2aおよ
び2bがX線の低エネルギー成分吸収物質からなり、この
支持体2aおよび2bにより被写体を透過したX線の低エネ
ルギー成分吸収物質と、この物質を分散状態で含有して
いる別の物質からなるものであってもよいし、あるいは
X線の低エネルギー成分の吸収が行なわれる。支持体2a
および2bはX線の低エネルギー成分吸収物質のみからな
るものであってもよい。
上記第5図の積層体において螢光増感紙cは支持体を
有さない自己支持性の螢光増感紙であってもよい。ま
た、螢光増感紙aおよびbは第6図に示されるようなX
線の低エネルギー成分吸収物質からなる支持体2aの両面
に螢光体層1aおよび1a′が設けられた1枚の螢光増感紙
aに置き換えられてもよい。第6図の螢光増感紙aの螢
光体層1aおよび1aはそれぞれ第5図の螢光増感紙aの螢
光体層1aおよび螢光増感紙bの螢光体層1bに相当する。
第7図は本発明の第2のX線画像のエネルギー・サブ
トラクション方法に用いられるX線写真フイルム−螢光
増感紙−フイルタ積層体の一実施態様を示す概略断面図
である。このフイルム−増感紙−フイルタ積層体は、積
層状態で配された2枚のX線写真フイルムAおよびB、
これら2枚のX線写真フイルムAおよびBの間に配され
かつこれらX線写真フイルムAおよびB側に螢光体層を
有する2枚の螢光増感紙aおよびb、X線写真フイルム
の一方Bに関し、上記螢光増感紙aおよびbとは反対の
側に配され、かつこのX線写真フイルムB側に螢光体層
を有する螢光増感紙c、およびX線写真フイルムAおよ
びB間に配された2枚の螢光増感紙aおよびb間に介在
せしめられたX線の低エネルギー成分吸収物質からなる
フイルタ3からなっている。なお、螢光増感紙a、bお
よびcはそれぞれ支持体2a、2bおよび2cを有している
が、これら螢光増感紙は支持体を有さない自己支持性の
ものであってもよい。フイルタ3はX線の低エネルギー
成分吸収物質と、この物質を分散状態で含有している別
の物質からなるものであってもよいし、あるいはX線の
低エネルギー成分吸収物質のみからなるものであっても
よく、このフイルタ3により被写体を透過したX線の低
エネルギー成分の吸収が行なわれる。
以上詳細に説明したように、本発明のX線画像のエネ
ルギー・サブトラクション方法は極めて優れた特徴を有
するものであり、それが医療診断分野に寄与するところ
は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で用いられるX線写真フイルム−螢光増
感紙積層体の一実施態様を示す概略断面図、 第2図は本発明に従ってX線写真フイルム−螢光増感紙
積層体に被写体のX線画像を記録する様子を説明する概
略図、 第3図はX線写真フイルムから記録されたX線画像を反
射光の形で光電変換してデジタル信号を得、これをサブ
トラクション処理するステップを説明する概略図、 第4図はサブトラクション処理によって得られた信号を
利用して感光フイルム上にサブトラクション処理された
画像を再生記録するステップを説明する概略図、 第5図および第6図は本発明に用いられるX線写真フイ
ルム−螢光増感紙積層体の別の実施態様を示す概略断面
図、 第7図は本発明で用いられるX線写真フイルム−螢光増
感紙−フイルタ積層体の実施態様を示す概略断面図であ
る。 A,B……X線写真フイルム a,b,c……螢光増感紙、1a,1b,1c……螢光体層 2a,2b,2c……支持体、3……フイルタ、4……X線源 6……X線、7……被写体、10……レーザー光源 11……レーザー光、12……走査ミラー、13……反射光 14……集光板、15……フォトマル、16……対数変換器 17……デジタル演算器、20……感光フイルム 21……レーザー光、22……A/O変調器 23……画像信号供給器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−126922(JP,A) 特開 昭53−520842(JP,A) 実開 昭56−146250(JP,U)

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線エネルギー吸収特性が互いに異なる複
    数の構造物を含む被写体にX線を照射し、この被写体を
    透過したX線を、 a)積層状態で配された2枚のX線写真フイルム、 b)これらX線写真フイルム間に配されかつこれらX線
    写真フイルム側に螢光体層を有する螢光増感紙、および c)上記X線写真フイルムの一方に関し、上記螢光増感
    紙とは反対の側に配され、かつ該X線写真フイルム側に
    螢光体層を有する螢光増感紙 からなり、上記X線写真フイルムの間に配された螢光増
    感紙がX線の低エネルギー成分吸収特性を有するX線写
    真フイルム−螢光増感紙積層体に、該積層体のX線写真
    フイルムが位置する一端側から照射して該積層体を構成
    する2枚のX線写真フイルムのうち被写体から遠い位置
    に置かれたX線写真フイルムに被写体に近い位置に置か
    れたX線写真フイルムよりも目的とする特定の構造物に
    対応する部分においてX線の低エネルギー成分がより吸
    収されて減少した画像情報が記録されるように上記2枚
    のX線写真フイルムにX線画像を記録し、その後上記2
    枚のX線写真フイルムを光学的に走査して上記フイルム
    に記録されているX線画像を透過光あるいは反射光の形
    で光電的に読み取ってデジタル画像信号に変換し、この
    デジタル画像信号に変換された2つのX線画像の対応す
    る画素間でデジタル画像信号の引き算を行なって上記目
    的とする特定の構造物の画像を抽出することを特徴とす
    るX線画像のエネルギー・サブトラクション方法。
  2. 【請求項2】上記2枚のX線写真フイルムの間に位置す
    る螢光増感紙にX線の低エネルギー成分吸収特性を有す
    る螢光体を用いることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載のX線画像のエネルギー・サブトラクション方
    法。
  3. 【請求項3】上記2枚のX線写真フイルムの間に位置す
    る螢光増感紙の螢光体層が、X線の低エネルギー成分吸
    収物質が分散含有されている螢光体層であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載のX線画像のエネルギ
    ー・サブトラクション方法。
  4. 【請求項4】上記2枚のX線写真フイルムの間に位置す
    る螢光増感紙が支持体を有しており、該支持体がX線の
    低エネルギー成分吸収物質からなっていることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載のX線画像のエネルギー
    ・サブトラクション方法。
  5. 【請求項5】上記支持体が上記X線の低エネルギー成分
    吸収物質と、この物質を分散状態で含有している別の物
    質とからなることを特徴とする特許請求の範囲第4項記
    載のX線画像のエネルギー・サブトラクション方法。
  6. 【請求項6】上記支持体が上記X線の低エネルギー成分
    吸収物質のみからなることを特徴とする特許請求の範囲
    第4項記載のX線画像のエネルギー・サブトラクション
    方法。
  7. 【請求項7】上記2枚のX線写真フイルムの間に位置す
    る螢光増感紙が2枚の螢光増感紙であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載のX線画像のエネルギー・
    サブトラクション方法。
  8. 【請求項8】上記2枚のX線写真フイルムの間に位置す
    る螢光増感紙が両面に螢光体層を有する1枚の螢光増感
    紙であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    X線画像のエネルギー・サブトラクション方法。
  9. 【請求項9】上記X線の低エネルギー成分吸収物質が金
    属であることを特徴とする特許請求の範囲第3項乃至第
    6項いずれか1項記載のX線画像のエネルギー・サブト
    ラクション方法。
  10. 【請求項10】上記金属がCu,W,Mo,Ni,Pb,Au,Ag,Ba,Ta,
    Fe,Al,Zn,Cd,Ti,Zr,V,Nb,Cr,CoおよびSnのうちの少なく
    とも1種であることを特徴とする特許請求の範囲第9項
    記載のX線画像のエネルギー・サブトラクション方法。
  11. 【請求項11】X線エネルギー吸収特性が互いに異なる
    複数の構造物を含む被写体にX線を照射し、この被写体
    を透過したX線を、 a)積層状態で配された2枚のX線写真フイルム、 b)これらX線写真フイルム間に配されかつこれらX線
    写真フイルム側に螢光体層を有する2枚の螢光増感紙、 c)上記X線写真フイルムの一方に関し、上記螢光増感
    紙とは反対の側に配され、かつ該X線写真フイルム側に
    螢光体層を有する螢光増感紙、および d)上記X線写真フイルム間に配された2枚の螢光増感
    紙間に介在せしめられたX線の低エネルギー成分吸収物
    質からなるフイルタ からなるX線写真フイルム−螢光増感紙−フイルタ積層
    体に、該積層体のX線写真フイルムが位置する一端側か
    ら照射して該積層体を構成する2枚のX線写真フイルム
    のうち被写体から遠い位置に置かれたX線写真フイルム
    に被写体に近い位置に置かれたX線写真フイルムよりも
    目的とする特定の構造物に対応する部分においてX線の
    低エネルギー成分がより吸収され減少した画像情報が記
    録されるように上記2枚のX線写真フイルムにX線画像
    を記録し、その後上記2枚のX線写真フイルムを光学的
    に走査して上記フイルムに記録されているX線画像を透
    過光あるいは反射光の形で光電的に読み取ってデジタル
    画像信号に変換し、このデジタル画像信号に変換された
    2つのX線画像の対応する画素間でデジタル画像信号の
    引き算を行なって上記目的とする特定の構造物の画像を
    抽出することを特徴とするX線画像のエネルギー・サブ
    トラクション方法。
  12. 【請求項12】上記フイルタが上記X線の低エネルギー
    成分吸収物質と、この物質を分散状態で含有している別
    の物質とからなることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載のX線画像のエネルギー・サブトラクション方
    法。
  13. 【請求項13】上記フイルタが上記X線の低エネルギー
    成分吸収物質のみからなることを特徴とする特許請求の
    範囲第11項記載のX線画像のエネルギー・サブトラクシ
    ョン方法。
  14. 【請求項14】上記X線の低エネルギー成分吸収物質が
    金属であることを特徴とする特許請求の範囲第11項乃至
    第13項いずれか1項記載のX線画像のエネルギー・サブ
    トラクション方法。
  15. 【請求項15】上記金属がCu,W,Mo,Ni,Pb,Au,Ag,Ba,Ta,
    Fe,Al,Zn,Cd,Ti,Zr,V,Nb,Cr,CoおよびSnのうちの少なく
    とも1種であることを特徴とする特許請求の範囲第14項
    記載のX線画像のエネルギー・サブトラクション方法。
  16. 【請求項16】a)積層状態で配された2枚のX線写真
    フイルム、 b)これらX線写真フイルム間に配されかつこれらX線
    写真フイルム側に螢光体層を有する螢光増感紙、および c)上記X線写真フイルムの一方に関し、上記螢光増感
    紙とは反対の側に配され、かつ該X線写真フイルム側に
    螢光体層を有する螢光増感紙 からなり、上記X線写真フイルムの間に配された螢光増
    感紙がX線の低エネルギー成分吸収特性を有することを
    特徴とするX線写真フイルム−螢光増感紙積層体であっ
    て、 X線エネルギー吸収特性が互いに異なる複数の構造物を
    含む被写体にX線を照射し、この被写体を透過したX線
    を該積層体のX線写真フイルムが位置する一端側から照
    射して該積層体を構成する2枚のX線写真フイルムのう
    ち被写体から遠い位置に置かれたX線写真フイルムに、
    被写体に近い位置に置かれたX線写真フイルムよりも目
    的とする特定の構造物に対応する部分においてX線の低
    エネルギー成分がより吸収されて減少した画像情報が記
    録されるように上記2枚のX線写真フイルムにX線画像
    を記録し、その後上記2枚のX線写真フイルムを光学的
    に走査して上記フイルムに記録されているX線画像を透
    過光あるいは反射光の形で光電的に読み取ってデジタル
    画像信号に変換し、このデジタル画像信号に変換された
    2つのX線画像の対応する画素間でデジタル画像信号の
    引き算を行なって上記目的とする特定の構造物の画像を
    抽出するX線画像のエネルギー・サブトラクション方法
    に用いられるX線写真フイルム−螢光増感紙積層体。
  17. 【請求項17】上記2枚のX線写真フイルムの間に位置
    する螢光増感紙にX線の低エネルギー成分吸収特性を有
    する螢光体が用いられていることを特徴とする特許請求
    の範囲第16項記載のX線写真フイルム−螢光増感紙積層
    体。
  18. 【請求項18】上記2枚のX線写真フイルムの間に位置
    する螢光増感紙の螢光体層中にX線の低エネルギー成分
    吸収物質が分散含有されていることを特徴とする特許請
    求の範囲第16項記載のX線写真フイルム−螢光増感紙積
    層体。
  19. 【請求項19】上記2枚のX線写真フイルムの間に位置
    する螢光増感紙が支持体を有しており、該支持体がX線
    の低エネルギー成分吸収物質からなっていることを特徴
    とする特許請求の範囲第16項記載のX線写真フイルム−
    螢光増感紙積層体。
  20. 【請求項20】上記支持体が上記X線の低エネルギー成
    分吸収物質と、この物質を分散状態で含有している別の
    物質とからなることを特徴とする特許請求の範囲第19項
    記載のX線写真フイルム−螢光増感紙積層体。
  21. 【請求項21】上記支持体が上記X線の低エネルギー成
    分吸収物質のみからなることを特徴とする特許請求の範
    囲第19項記載のX線写真フイルム−螢光増感紙積層体。
  22. 【請求項22】上記2枚のX線写真フイルムの間に位置
    する螢光増感紙が2枚の螢光増感紙であることを特徴と
    する特許請求の範囲第16項記載のX線写真フイルム−螢
    光増感紙積層体。
  23. 【請求項23】上記2枚のX線写真フイルムの間に位置
    する螢光増感紙が両面に螢光体層を有する1枚の螢光増
    感紙であることを特徴とする特許請求の範囲第16項記載
    のX線写真フイルム−螢光増感紙積層体。
  24. 【請求項24】上記X線の低エネルギー成分吸収物質が
    金属であることを特徴とする特許請求の範囲第18項乃至
    第21項いずれか1項記載のX線写真フイルム−螢光増感
    紙積層体。
  25. 【請求項25】上記金属がCu,W,Mo,Ni,Pb,Au,Ag,Ba,Ta,
    Fe,Al,Zn,Cd,Ti,Zr,V,Nb,Cr,CoおよびSnのうちの少なく
    とも1種であることを特徴とする特許請求の範囲第24項
    記載のX線写真フイルム−螢光増感紙積層体。
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