JPH08737B2 - セラミックス成形体の脱脂方法 - Google Patents
セラミックス成形体の脱脂方法Info
- Publication number
- JPH08737B2 JPH08737B2 JP3139462A JP13946291A JPH08737B2 JP H08737 B2 JPH08737 B2 JP H08737B2 JP 3139462 A JP3139462 A JP 3139462A JP 13946291 A JP13946291 A JP 13946291A JP H08737 B2 JPH08737 B2 JP H08737B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- furnace
- degreasing
- gas
- molded body
- ceramic molded
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、複雑形状品の成形に適
した射出成形法または押出成形法によって成形されたセ
ラミックス成形体の脱脂方法に関し、成形時に必要な熱
可塑性樹脂を主とするバインダーを焼結前に除去する目
的で、脱脂炉内の棚支持棒を中空構造にして、そこに雰
囲気ガスを流すことによって、炉内の温度分布をより均
等にしたことを特徴とするセラミックス成形体の脱脂方
法に関する。
した射出成形法または押出成形法によって成形されたセ
ラミックス成形体の脱脂方法に関し、成形時に必要な熱
可塑性樹脂を主とするバインダーを焼結前に除去する目
的で、脱脂炉内の棚支持棒を中空構造にして、そこに雰
囲気ガスを流すことによって、炉内の温度分布をより均
等にしたことを特徴とするセラミックス成形体の脱脂方
法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来セラミックス部品の中でも複雑な形
状を有する部品は、射出成形法または泥しょう鋳込み法
などにより製造されているが、特に射出成形法は高精度
でかつ大量生産性に富むことから広く実用化されてい
る。
状を有する部品は、射出成形法または泥しょう鋳込み法
などにより製造されているが、特に射出成形法は高精度
でかつ大量生産性に富むことから広く実用化されてい
る。
【０００３】しかしながら、射出成形法による成形体の
問題点は、固形分としてのバインダー量が多く含まれて
いることから、そのバインダーの脱脂工程における歩留
りを上げることにあった。そのため、特開昭57―17468
号公報に示されている１気圧より高い高圧ガス下で加熱
する方法等が開示されている。
問題点は、固形分としてのバインダー量が多く含まれて
いることから、そのバインダーの脱脂工程における歩留
りを上げることにあった。そのため、特開昭57―17468
号公報に示されている１気圧より高い高圧ガス下で加熱
する方法等が開示されている。
【０００４】さらに、脱脂炉内の温度分布を均一にする
ための工夫がなされているが、幾つかガス導入部を設け
た炉壁の構造や数箇所に穴を有する管から雰囲気ガスを
流入させているため、温度ムラが充分に解消できず、炉
内の位置による脱脂効率に差が確認されていた。そのこ
とによって、脱脂工程における歩留りの向上は充分に達
成されていなかった。
ための工夫がなされているが、幾つかガス導入部を設け
た炉壁の構造や数箇所に穴を有する管から雰囲気ガスを
流入させているため、温度ムラが充分に解消できず、炉
内の位置による脱脂効率に差が確認されていた。そのこ
とによって、脱脂工程における歩留りの向上は充分に達
成されていなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】温度分布をより均等に
した脱脂炉装置を用いることを特徴とするセラミックス
成形体の脱脂方法に関し、特に長期の３日〜１０日の昇
温パターンによる脱脂工程に関する。このような長期の
工程では、一度に多量の処理が必要となるため、炉内の
温度分布を小さくかつ炉内の有効体積を減少させないこ
とが、重要である。
した脱脂炉装置を用いることを特徴とするセラミックス
成形体の脱脂方法に関し、特に長期の３日〜１０日の昇
温パターンによる脱脂工程に関する。このような長期の
工程では、一度に多量の処理が必要となるため、炉内の
温度分布を小さくかつ炉内の有効体積を減少させないこ
とが、重要である。
【０００６】そのために、これまで炉床に直接接しない
ようにすることや円筒状の圧力容器の水平面の設定のた
めに棚支持棒を設けて、そこに棚板を置き、試料を固定
していたが、棚支持棒を有効に活用することで解決を図
った。
ようにすることや円筒状の圧力容器の水平面の設定のた
めに棚支持棒を設けて、そこに棚板を置き、試料を固定
していたが、棚支持棒を有効に活用することで解決を図
った。
【０００７】
【課題を解決するための手段】脱脂炉内の温度分布を均
一にできる構造でかつ炉内の有効体積を減少させないた
めに、一般的には、円筒状の圧力容器を用いている脱脂
炉内の棚支持棒を中空構造にして、そこに雰囲気ガスを
流すこととした。
一にできる構造でかつ炉内の有効体積を減少させないた
めに、一般的には、円筒状の圧力容器を用いている脱脂
炉内の棚支持棒を中空構造にして、そこに雰囲気ガスを
流すこととした。
【０００８】そのことによって、炉壁によって一様に加
熱された温度の雰囲気ガスが流入でき、同時に、炉内の
有効体積を減少させることなく、最大限の個数のガス流
入口を設けることができた。
熱された温度の雰囲気ガスが流入でき、同時に、炉内の
有効体積を減少させることなく、最大限の個数のガス流
入口を設けることができた。
【０００９】
【作用】雰囲気ガスの流動状況に鑑みて、できるだけ多
くのガス流入口を設け脱脂炉内の温度分布を均一にし
て、かつ、室温程度の流入ガスが炉の内壁面近傍を通っ
てから炉内に流れ込むことにより炉内壁面の近傍温度が
炉中心部に比べて高くなり過ぎることを防ぐ効果もあ
り、同時に炉内の有効体積を減少させないことから、既
存の脱脂炉内の棚支持棒を中空構造に変えて、そこに雰
囲気ガスを流すことによって、目的を達成した。具体的
には、次の２項目に分けられる。
くのガス流入口を設け脱脂炉内の温度分布を均一にし
て、かつ、室温程度の流入ガスが炉の内壁面近傍を通っ
てから炉内に流れ込むことにより炉内壁面の近傍温度が
炉中心部に比べて高くなり過ぎることを防ぐ効果もあ
り、同時に炉内の有効体積を減少させないことから、既
存の脱脂炉内の棚支持棒を中空構造に変えて、そこに雰
囲気ガスを流すことによって、目的を達成した。具体的
には、次の２項目に分けられる。
【００１０】一般的に円筒状の圧力容器を用いている加
圧対応型の脱脂炉（特開昭57―17468 号公報）内の棚支
持棒を中空構造にして、そこに雰囲気ガスを流すことと
した。
圧対応型の脱脂炉（特開昭57―17468 号公報）内の棚支
持棒を中空構造にして、そこに雰囲気ガスを流すことと
した。
【００１１】そのことによって、炉壁によって一様に加
熱された雰囲気ガスが流入可能になり、同時に炉内の有
効体積を減少させることなく最大限の個数のガス流入口
を設けることと炉壁部の過昇温の防止が可能になった。
熱された雰囲気ガスが流入可能になり、同時に炉内の有
効体積を減少させることなく最大限の個数のガス流入口
を設けることと炉壁部の過昇温の防止が可能になった。
【００１２】温度分布をより均等にした脱脂炉装置を用
いることを特徴とするセラミックス成形体の脱脂方法に
関し、特に長期の３日〜１０日の昇温パターンによる脱
脂工程に関する。このような長期の工程では、一度に多
量の処理が必要となるため、炉内の温度分布を小さくか
つ炉内の有効体積を減少させないことが、重要である。
いることを特徴とするセラミックス成形体の脱脂方法に
関し、特に長期の３日〜１０日の昇温パターンによる脱
脂工程に関する。このような長期の工程では、一度に多
量の処理が必要となるため、炉内の温度分布を小さくか
つ炉内の有効体積を減少させないことが、重要である。
【００１３】
【実施例】この発明を以下に示す実施例によって説明す
る。
る。
【００１４】雰囲気制御型脱脂炉（東海高熱工業製JT-4
00、炉内容積400 mmφ×600mmL) について、ガス導入口
を標準使用の１箇所（図１）と次の２通り（図２、３の
順に図３が本発明）のガス導入口とで温度分布を比較し
た結果を次の表１に示す。
00、炉内容積400 mmφ×600mmL) について、ガス導入口
を標準使用の１箇所（図１）と次の２通り（図２、３の
順に図３が本発明）のガス導入口とで温度分布を比較し
た結果を次の表１に示す。
【００１５】
【表１】
【００１６】※温度幅は、窒素ガスの５kgf/cm2 加圧雰
囲気で、２０℃から６００℃までの昇温時に、炉内にト
ータル量にして毎分５リットルの流量でガスを流通させ
た時の最大温度分布幅である。
囲気で、２０℃から６００℃までの昇温時に、炉内にト
ータル量にして毎分５リットルの流量でガスを流通させ
た時の最大温度分布幅である。
【００１７】この結果より、本発明によって、雰囲気制
御型脱脂炉内の温度分布を、炉内の有効体積を減少させ
ることなく、均一なものに変えることが可能になった。
さらに、これに伴って、射出成形体の脱脂後割れが発生
しない確率も大幅に向上させることが可能になった。こ
れを表２に示す。
御型脱脂炉内の温度分布を、炉内の有効体積を減少させ
ることなく、均一なものに変えることが可能になった。
さらに、これに伴って、射出成形体の脱脂後割れが発生
しない確率も大幅に向上させることが可能になった。こ
れを表２に示す。
【００１８】
【表２】
【００１９】
【発明の効果】本発明は、複雑形状品の成形に適した射
出成形法または押出成形法によって成形されたセラミッ
クス成形体の脱脂方法に関し、脱脂炉内の棚支持棒を中
空構造にして、そこに雰囲気ガスを流すことによって、
炉内の温度分布をより均等にした脱脂炉装置を用いるこ
とを特徴とする。
出成形法または押出成形法によって成形されたセラミッ
クス成形体の脱脂方法に関し、脱脂炉内の棚支持棒を中
空構造にして、そこに雰囲気ガスを流すことによって、
炉内の温度分布をより均等にした脱脂炉装置を用いるこ
とを特徴とする。
【００２０】従来セラミックス部品の中でも複雑な形状
を有する部品は、射出成形法などにより製造されている
が、ここでの問題点は、固形分としてのバインダー量が
多く含まれていることから、そのバインダーの脱脂工程
における歩留まりを上げるこにあった。
を有する部品は、射出成形法などにより製造されている
が、ここでの問題点は、固形分としてのバインダー量が
多く含まれていることから、そのバインダーの脱脂工程
における歩留まりを上げるこにあった。
【００２１】その結果、本発明によって、雰囲気制御型
脱脂炉内の温度分布を、炉内の有効体積を減少させるこ
となく、均一なものに変えることが可能になり、さら
に、これに伴って、射出成形体の脱脂後割れが発生しな
い確率も大幅に向上させることができ、セラミックス部
品の生産性を安価に向上させることに成功した。その意
味で、本発明の工業的有用性は非常に大きい。
脱脂炉内の温度分布を、炉内の有効体積を減少させるこ
となく、均一なものに変えることが可能になり、さら
に、これに伴って、射出成形体の脱脂後割れが発生しな
い確率も大幅に向上させることができ、セラミックス部
品の生産性を安価に向上させることに成功した。その意
味で、本発明の工業的有用性は非常に大きい。
【図１】標準仕様の１箇所だけのガス導入口を示す説明
図である。
図である。
【図２】炉内に１本管を通し、そこに等間隔に穴を開け
た構造を示す図である。
た構造を示す図である。
【図３】脱脂炉内の棚支持棒を中空構造に変えて穴を設
けた本発明の構造を示す図である。
けた本発明の構造を示す図である。
１ ガス入口 ２ ガス出口 ３ 棚支持棒（短い炉の径方向に水平な中空棒）
Claims (1)
- 【請求項１】 セラミックス粉末に熱可塑性高分子を混
合し、この混合物を射出成形または押出成形した成形体
を脱脂する場合において、脱脂炉内の棚支持棒を中空構
造にして、ガスを流すことによって、炉内の温度分布を
より均等にしたことを特徴とするセラミックス成形体の
脱脂方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3139462A JPH08737B2 (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | セラミックス成形体の脱脂方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3139462A JPH08737B2 (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | セラミックス成形体の脱脂方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04342475A JPH04342475A (ja) | 1992-11-27 |
| JPH08737B2 true JPH08737B2 (ja) | 1996-01-10 |
Family
ID=15245793
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3139462A Expired - Lifetime JPH08737B2 (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | セラミックス成形体の脱脂方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08737B2 (ja) |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02228405A (ja) * | 1989-02-28 | 1990-09-11 | Shimadzu Corp | ワックストラップ |
-
1991
- 1991-05-16 JP JP3139462A patent/JPH08737B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02228405A (ja) * | 1989-02-28 | 1990-09-11 | Shimadzu Corp | ワックストラップ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04342475A (ja) | 1992-11-27 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19960702 |