JPH0873733A - 導電性ポリウレタン材料 - Google Patents

導電性ポリウレタン材料

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JPH0873733A
JPH0873733A JP21465894A JP21465894A JPH0873733A JP H0873733 A JPH0873733 A JP H0873733A JP 21465894 A JP21465894 A JP 21465894A JP 21465894 A JP21465894 A JP 21465894A JP H0873733 A JPH0873733 A JP H0873733A
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JP
Japan
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polyurethane
groups
metal
component
cleaning blade
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JP21465894A
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Inventor
Koichiro Hara
浩一郎 原
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 すぐれた導電性を有し、電気抵抗値が安定し
ており、金属製材料と接触させたばあいであっても該金
属製材料を腐食させることがなく、またクリーニングブ
レードなどの摺動を伴うものに用いたばあいであっても
「鳴き」を発生することがない導電性ポリウレタン材料
を提供すること。 【構成】 末端にOH基またはNH2 基を2〜3個有す
るポリエステル、NCO基を2〜3個有するイソシアネ
ートおよび活性水素を有する官能基を2〜3個有する架
橋剤を反応させてえられ、分子中に存在するエステル結
合1個あたりテトラオルガノホウ酸の金属塩の金属イオ
ンが0.0001〜0.5個配位されたポリウレタンか
らなる導電性ポリウレタン材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性ポリウレタン材
料に関する。さらに詳しくは、電子写真装置用のクリー
ニングブレードにおけるブレード部材や、帯電用部材、
転写用部材、現像用部材、ピンチローラー、スクリーン
印刷用スキージ、鉄鋼ローラーなどの各種ローラー、工
業用伝動ベルトや運搬ベルトなどの各種ベルト、パッキ
ンなどの素材として好適に使用しうる導電性ポリウレタ
ン材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリウレタンエラストマーは、耐
摩耗性や耐屈曲疲労性にすぐれ、機械特性のバランスが
良好であることから、電子写真装置に用いられるクリー
ニングブレードや、各種ローラー、ベルト、パッキン、
その他機械部品として広く用いられている。しかしなが
ら、かかるポリウレタンエラストマーは、本来、絶縁性
を呈するため、静電気が蓄積されやすく、これによるト
ラブルが数多く発生している。そこで、ポリウレタンエ
ラストマーに導電性を付与させるために、各種の試みが
なされている。
【0003】たとえば、ポリウレタンエラストマー中に
ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボ
ン粒子、金属粉末、カーボンファイバーなどの繊維など
の導電性付与剤を分散させることが提案されている。し
かしながら、かかる導電性付与剤を用いたばあいには、
該導電性付与剤によって反応液の粘度が高くなり、分散
性が不均一になるため、ポリウレタンエラストマーの電
気抵抗値のバラツキが大きくなるという問題がある。
【0004】また、オキシエチレン繰り返し単位を含む
多官能性ポリエーテル、連鎖延長剤および有機ポリイソ
シアネートを金属テトラオルガノホウ素塩の存在下で反
応させてえられる静電散逸性ポリウレタンが提案されて
いる(特開昭63−145315号公報)。
【0005】前記静電散逸性ポリウレタンは、分散性に
すぐれ、少量の添加ですぐれた導電性が呈されるという
利点を有するものの、オキシエチレン繰り返し単位を含
む多官能性ポリエーテルが用いられていることから、該
静電気散逸性ポリウレタンを電子写真装置のクリーニン
グブレードなどの摺動を伴うものに用いたばあいには、
使用時に該クリーニングブレードから「鳴き」といわれ
る異常音発生現象が生じるという問題がある。
【0006】さらに、アルカリ金属塩やアルカリ土類金
属塩などの金属塩を、特定の濃度となるようにウレタン
ゴムやウレタン樹脂に配合した制電材料が提案されてい
る(特開平5−5094号公報)。しかしながら、かか
る制電材料は、製造設備、成形金型、芯金などの金属製
材料に錆を発生させ、該金属製材料を腐食し、またとく
に該制電材料をクリーニングブレードに用いたばあいに
は、該クリーニングブレードの金属製支持部材が腐食す
るという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、すぐれた導電性を有
し、電気抵抗値が安定しており、製造設備、成形金型、
芯金などの金属製材料と接触したばあいであっても該金
属製材料を腐食させることがなく、またクリーニングブ
レードなどの摺動を伴うものに用いたばあいであって
も、かかる摺動による「鳴き」を発生することがない導
電性ポリウレタン材料を提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、末
端にOH基またはNH2 基を2〜3個有するポリエステ
ル、NCO基を2〜3個有するイソシアネートおよび活
性水素を有する官能基を2〜3個有する架橋剤を反応さ
せてえられ、分子中に存在するエステル結合1個あたり
テトラオルガノホウ酸の金属塩の金属イオンが0.00
01〜0.5個配位されたポリウレタンからなる導電性
ポリウレタン材料に関する。
【0009】
【作用および実施例】本発明の導電性ポリウレタン材料
は、前記したように、末端にOH基またはNH2 基を2
〜3個有するポリエステル、NCO基を2〜3個有する
イソシアネートおよび活性水素を有する官能基を2〜3
個有する架橋剤を反応させてえられ、分子中に存在する
エステル結合1個あたりテトラオルガノホウ酸の金属塩
の金属イオンが0.0001〜0.5個配位されたポリ
ウレタンで構成され、前記金属イオンがポリウレタンの
分子鎖の移動に伴なって移動するいわゆるイオン電導が
生じ、該ポリウレタンが導電性を呈する。
【0010】したがって、本発明の導電性ポリウレタン
材料には、カーボン粒子、金属粉末、カーボン繊維など
の導電性付与剤を混合したもののように、均一に分散し
にくかったり、繰り返し屈曲によって導電性付与剤同士
が離れてしまうことがないので、安定した電気抵抗値が
えられ、該導電性ポリウレタン材料からなる成形品に
は、ボイドなどの発生がない。
【0011】さらに、本発明においては、金属塩として
アルカリ金属塩などではなく、フェニル基を4個有する
テトラフェニルホウ酸などのテトラオルガノホウ酸の金
属塩が用いられているため、製造設備、成形金型、芯金
などの金属材料を腐食させることがほとんどない。
【0012】本発明に用いられるポリウレタンは、前記
したように、末端にOH基またはNH2 基を2〜3個有
するポリエステル(以下、A成分という)、NCO基を
2〜3個有するイソシアネート(以下、B成分という)
および活性水素を有する官能基を2〜3個有する架橋剤
を反応させてえられるものである。
【0013】前記A成分のポリエステルとしては、たと
えばコハク酸、アジピン酸などの二塩基酸のアルキルエ
ステル、ポリカプロラクトンエステル、ポリカーボネー
トなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混
合して用いることができる。
【0014】また、前記A成分のOH基またはNH2
の数は、B成分のイソシアネートと反応して直鎖状ポリ
マーを形成するとともに、適度に側鎖を形成するのに好
適であるという点から2〜3個とされる。
【0015】なお、A成分であるポリエステルの数平均
分子量は、とくに限定がないが、通常500〜5000
程度、なかんづく1000〜3000程度であることが
好ましい。
【0016】前記B成分のイソシアネートとしては、た
とえばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニ
レンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリジン
ジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネ
ートなどや、これらイソシアネートの異性体、変性体な
どがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合し
て用いることができる。
【0017】また、前記B成分のNCO基の数は、A成
分のポリエステルと反応して直鎖状ポリマーを形成する
のに好適であるという点から2〜3個とされる。
【0018】前記架橋剤としては、たとえば末端OH
基、−NH2 基などの活性水素を有する官能基をもち、
かかる官能基の数が2〜3個であるものが用いられる。
該官能基の数が1個のばあいには、付加反応を起こすの
みで、架橋や鎖延長の作用が不充分となり、えられるポ
リウレタンがゴム弾性に劣るようになり、また4個以上
であるばあいには、鎖延長が不充分となり、ポリウレタ
ンがゴム弾性および伸びに劣るようになる。
【0019】前記架橋剤の代表例としては、たとえば
1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ジ
エチルトリレンジアミン、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブチレングリコール、ビス−β−ヒド
ロキシエトキシベンゼン、ジチオメチルトリレンジアミ
ン、水、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、2,3−ブタンジオール、トリイソプロ
パノールアミンなどや、これらの異性体、変性体などが
あげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用
いることができる。
【0020】本発明において、前記A成分とB成分とか
らプレポリマーを調製するばあいの該A成分とB成分と
の配合割合は、B成分中のNCO基/A成分中のOH基
またはNH2 基(モル比)の値があまりにも大きいばあ
いには、副反応が過剰に起こり、えられるポリウレタン
エラストマーの破壊強度、耐寒性、耐屈曲性などの物性
に悪影響を及ぼしたり、架橋剤混合後のポットライフが
短くなりすぎたり、フリーのNCO基が過剰となって衛
生面が悪化する傾向があるので、通常、かかるモル比の
値が15以下、なかんづく12以下となるように調整す
ることが好ましく、またかかるモル比の値があまりにも
小さいばあいには、加工時の粘度が高くなりすぎたり、
架橋密度が小さくなりすぎてポリウレタンエラストマー
の破壊強度、弾性率、耐永久歪などの物性が低下する傾
向があるので、通常、モル比の値が1.05以上、なか
んづく1.3以上となるように調整することが好まし
い。
【0021】また、前記架橋剤の配合量は、A成分およ
びB成分からなるプレポリマー中に存在するNCO基の
量によって異なり、該プレポリマーのNCO基/架橋剤
の官能基(モル比)の値があまりにも大きいばあいに
は、ポリウレタンをうる際の型開き時の強度が弱く、え
られるポリウレタンの引張応力および強度や、耐寒性が
低下するようになる傾向があるので、通常、モル比の値
が1.33以下、なかんづく1.18以下となるように
調整することが好ましく、またかかるモル比の値があま
りにも小さいばあいには、ポリウレタンの永久歪が大き
くなりすぎるようになる傾向があるので、通常、モル比
の値が0.83以上、なかんづく0.9以上となるよう
に調整することが好ましい。
【0022】本発明に用いられるポリウレタンは、その
分子中に存在するエステル結合が金属イオンで配位され
たものであるが、かかる金属イオンを形成するための金
属塩としては、テトラオルガノホウ酸の金属塩が用いら
れる。
【0023】前記テトラオルガノホウ酸の金属塩の代表
例としては、たとえばテトラフェニルホウ酸のナトリウ
ム塩やカリウム塩;テトラエチルホウ酸、テトラブチル
ホウ酸などのテトラアルキルホウ酸のナトリウム塩やカ
リウム塩などがあげられ、これらは単独でまたは2種以
上を混合して用いることができるが、これらのなかで
も、テトラフェニルホウ酸のナトリウム塩(NaB(C
6 5 4 )が取り扱いが容易であるという点でとくに
好適に使用される。なお、これらテトラオルガノホウ酸
の金属塩は、通常、たとえばアセトン、酢酸エチル、メ
チルエチルケトン、テトラハイドロフランなどの溶媒に
溶解させ、前記A成分や架橋剤に添加、混合し、減圧下
で溶媒を除去するなどして用いることができる。
【0024】本発明の導電性ポリウレタン材料をうる方
法にはとくに限定がないが、たとえば(イ)前記A成分
およびB成分のそれぞれ全量を反応させてプレポリマー
とし、これに架橋剤を添加、混合して重合体をうる完全
プレポリマー法、(ロ)A成分の一部とB成分の全量と
を反応させて擬プレポリマーとし、これにA成分の残部
および架橋剤を添加、混合して重合体をうる擬プレポリ
マー法、(ハ)A成分、B成分および架橋剤のすべてを
一度に混合し、反応させて重合体をうるワンショット法
などの方法を適用することができ、エステル結合を金属
イオンで配位させるには、たとえば、前記したように、
テトラオルガノホウ酸の金属塩を溶媒に溶解させた溶液
をA成分や架橋剤に添加、混合し、たとえば減圧下で必
要に応じて熱処理などを施して溶媒を除去するなどして
ポリウレタン中に金属塩を分散させればよい。
【0025】なお、前記金属イオンを配位させる際に
は、ポリウレタンのエステル結合1個あたりの該金属イ
オンの数があまりにも少ないばあいには、解離する金属
イオン数が少なく、イオン電導が小さくなるので、金属
イオンの数が0.0001個以上、なかんづく0.00
5個以上となるように、たとえば前記金属塩の溶液の濃
度や使用量などを調整すればよく、またかかる金属イオ
ンの数があまりにも多いばあいには、粉状(固体)物が
表面に析出するブルーミング現象が起こったり、過剰の
塩が解離せず、単に混在するのみとなってイオン電導が
逆に小さくなるので、金属イオンの数が0.5個以下、
なかんづく0.1個以下となるように、金属塩の溶液の
濃度や使用量などを調整すればよい。
【0026】かくしてえられるエステル結合が金属イオ
ンで配位されたポリウレタンの23℃、相対湿度60%
における体積固有抵抗値は、あまりにも大きいばあいに
は、絶縁性を呈するようになり、摩擦によってポリウレ
タン中に静電気が蓄積され、スパークして静電気障害を
起こすおそれが生じる傾向があるので、1011Ω・cm
以下、なかんづく109 Ω・cm以下となるように調整
することが好ましく、またあまりにも小さいばあいに
は、たとえば電気機器においては、モーターなどの過大
な電流がポリウレタン層を通して流れ、感電などの事故
を起こすおそれが生じたり、また電子写真装置において
は、感光層にピンホールなどの欠陥があるとき、ピンホ
ール部に過大な電流が流れて帯電に必要な電圧を維持す
ることができず、ピンホール部の軸方向全長が帯電不良
となり、かつ感材に流れる電流値が大きく、感光ドラム
の寿命が短くなる傾向があるので、104 Ω・cm以上
となるように調整することが好ましい。
【0027】なお、前記A成分、B成分および架橋剤、
ならびに金属イオンの割合を適宜調整することにより、
前記ポリウレタンの体積固有抵抗値が104 〜1011Ω
・cmの範囲内に含まれるようにすることができる。
【0028】また、前記エステル結合が金属イオンで配
位されたポリウレタンの硬度(Hs)は、とくに限定が
ないが、電子写真装置用クリーニングブレードにおける
ブレード部材や、各種ローラー、ベルト、パッキンなど
としての使用しやすさを考慮すると、通常60〜95
(JIS A)程度であることが好ましい。
【0029】本発明の導電性ポリウレタン材料は、エス
テル結合が特定個数の金属イオンで配位されたポリウレ
タンからなるものであり、その形状や厚さなどにはとく
に限定がなく、使用目的に応じて適宜調整すればよい。
たとえば電子写真装置用クリーニングブレードにおける
ブレード部材として用いるばあいには、感光体上の不要
トナーを除去するために充分な強度を有する厚さであれ
ばよく、通常1〜3mm程度であることが好ましい。な
お、たとえば紫外線などを照射することによって反応硬
化する接着剤を用い、取付金具と接着せしめるばあいに
は、透明で、紫外線などが透過しうる厚さのブレード部
材とすることが好ましい。
【0030】つぎに、本発明の導電性ポリウレタン材料
を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は
かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0031】実施例1 ポリカプロラクトンポリエステルジオール(末端OH
基:2個、数平均分子量:2000)とジフェニルメタ
ン−4,4−ジイソシアネート(NCO基:2個)と
を、NCO基/OH基(モル比)の値が2.57となる
ように反応させてNCO基の含有量が5重量%のプレポ
リマーをえた。
【0032】えられたプレポリマーを70℃で10分間
加熱したのち、プレポリマーのエステル結合1個あたり
のナトリウムイオンの数が0.001個となるようにN
aB(C6 5 4 をアセトン5mlに溶解させ、プレ
ポリマーのNCO基/ブチレングリコールのOH基(モ
ル比)の値が0.9となるようにブチレングリコール
(OH基:2個)に添加したのち、5Torrで10分
間減圧処理し、アセトンを除去して溶液をえた。
【0033】つぎに、えられた溶液とプレポリマーとを
混合し、撹拌したのち、150℃に加熱された金型内に
注ぎ、30分間経過後に反応物を金型から取り出した。
【0034】さらに、えられた反応物を100℃で3時
間加熱し、反応を完結させて硬度(Hs)70(JIS
A)、厚さ2mmの透明なシートとして導電性ポリウ
レタン材料をえた。
【0035】えられたシートの23℃、相対湿度60%
における体積固有抵抗値を、JISK−6911に記載
の結線方法に準拠して測定したところ、シートのいずれ
の部分においても5×108 Ω・cmであり、抵抗値に
バラツキがなかった。
【0036】つぎに、えられたシートを一般構造用圧延
鋼材(SS−41)製の金属板上に23℃、相対湿度6
0%の条件下で1週間放置したところ、金属板表面には
腐食はみられなかった。
【0037】また、えられたシートを、トナーのかきと
り用の除電クリーニングブレードまたはクリーニング後
の除電用のブレードとして用い、それぞれ−2000V
の荷電に対する除電後の残留電位を測定したところ、−
50Vであり、充分に除電が行なわれていた。また、こ
れら除電クリーニングブレードおよび除電用のブレード
は、ボイドの発生がまったくないものであった。
【0038】また、前記でえられた反応物を100℃で
3時間加熱し、クリーニングブレードを作製したのち、
電子写真複写機(ミノルタカメラ(株)製、EP87
0)に装着し、2×108 枚を複写したが、画像は良好
であり、操作時には、「鳴き」を発生しなかった。
【0039】比較例1 実施例1において、NaB(C6 5 4 のかわりにK
SCNを、プレポリマーのエステル結合1個あたりのカ
リウムイオンの数が0.001個となるように用いたほ
かは、実施例1と同様にしてシートをえた。
【0040】えられたシートの体積固有抵抗値を実施例
1と同様にして測定したところ、1×1011Ω・cmと
高く、また実施例1と同様にして金属板と接触させたと
ころ、金属板表面には腐食がみられた。
【0041】比較例2 実施例1において、NaB(C6 5 4 のかわりにL
iBF4 を、プレポリマーのエステル結合1個あたりの
リチウムイオンの数が0.001個となるように用いた
ほかは、実施例1と同様にしてシートをえた。
【0042】えられたシートの体積固有抵抗値を実施例
1と同様にして測定したところ、2×1011Ω・cmと
高く、また実施例1と同様にして金属板と接触させたと
ころ、金属板表面には腐食がみられた。
【0043】比較例3 実施例1において、NaB(C6 5 4 のかわりにK
SCNを、プレポリマーのエステル結合1個あたりのカ
リウムイオンの数が0.01個となるように用いたほか
は、実施例1と同様にしてシートをえた。
【0044】えられたシートの体積固有抵抗値を実施例
1と同様にして測定したところ、5×107 Ω・cmで
あったが、実施例1と同様にして金属板と接触させたと
ころ、金属板表面には腐食がみられた。
【0045】比較例4 実施例1において、ポリエステルであるポリカプロラク
トンポリエステルジオールのかわりにポリエーテルであ
るポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子
量:1000)を用い、NCO基/OH基(モル比)の
値が2.57となるように反応させたほかは、実施例1
と同様にしてクリーニングブレードを作製し、電子写真
複写機を用いて複写したところ、3000枚を複写した
頃から操作時に「鳴き」を発生した。
【0046】以上のことから、実施例1でえられた導電
性ポリウレタン材料は、すぐれた導電性を有し、電気抵
抗値が安定しており、金属製材料と接触したばあいであ
っても該金属製材料を腐食させることがなく、またクリ
ーニングブレードなどの摺動を伴うものに用いたばあい
であっても、「鳴き」を発生することがないことがわか
る。
【0047】
【発明の効果】本発明の導電性ポリウレタン材料は、す
ぐれた導電性を有し、電気抵抗値が安定しており、金属
製材料と接触したばあいであっても該金属製材料を腐食
させることがなく、またクリーニングブレードなどの摺
動を伴うものに用いたばあいであっても「鳴き」を発生
しないので、たとえば電子写真装置用のクリーニングブ
レードにおけるブレード部材や、帯電用部材、転写用部
材、現像用部材、ピンチローラー、スクリーン印刷用ス
キージ、鉄鋼ローラーなどの各種ローラー、工業用伝動
ベルトや運搬ベルトなどの各種ベルト、パッキンなどの
素材として好適に使用しうるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端にOH基またはNH2 基を2〜3個
    有するポリエステル、NCO基を2〜3個有するイソシ
    アネートおよび活性水素を有する官能基を2〜3個有す
    る架橋剤を反応させてえられ、分子中に存在するエステ
    ル結合1個あたりテトラオルガノホウ酸の金属塩の金属
    イオンが0.0001〜0.5個配位されたポリウレタ
    ンからなる導電性ポリウレタン材料。
JP21465894A 1994-09-08 1994-09-08 導電性ポリウレタン材料 Pending JPH0873733A (ja)

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