JPH0873698A - ワイヤリングハーネスコネクター用成形材料 - Google Patents

ワイヤリングハーネスコネクター用成形材料

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JPH0873698A
JPH0873698A JP23855994A JP23855994A JPH0873698A JP H0873698 A JPH0873698 A JP H0873698A JP 23855994 A JP23855994 A JP 23855994A JP 23855994 A JP23855994 A JP 23855994A JP H0873698 A JPH0873698 A JP H0873698A
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hydrogenated
block copolymer
copolymer
polybutadiene
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Application number
JP23855994A
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English (en)
Inventor
Masaki Ikuji
正樹 生地
Katsunori Takamoto
克則 高本
Kazunari Ishiura
一成 石浦
Satoshi Kinoshita
敏 木下
Haruhisa Masuda
晴久 増田
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、ポリエステル系樹脂(I)、ブロ
ック共重合体(II)およびブロック共重合体(III)を
必須成分とする樹脂組成物からなるワイヤリングハーネ
スコネクター用成形材料である。ブロック共重合体(I
I)は、下記の(A)/(B)のブロック構成または
(C)/(D)のブロック構成を有する末端水酸基含有
ブロック共重合体である。 (A):ビニル芳香族化合物重合体ブロックまたは水添
ポリブタジエンブロック(1,2−結合量:30%未
満) (B):水添ポリイソプレンブロック、水添ポリブタジ
エンブロック(1,2−結合量:30〜80%)または
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック (C):ビニル芳香族化合物重合体ブロック (D):ポリイソブチレンブロック ブロック共重合体(III)は、ポリエステルブロック
(E)およびブロック共重合体(II)から誘導されるブ
ロック(F)からなる。 【効果】 ロック強度が高く、かつ破損が少ないワイヤ
リングハーネスコネクターを与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤリングハーネス
コネクター用成形材料および該成形材料からなるワイヤ
リングハーネスコネクターに関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤリングハーネスは自動車等におい
て電気機器の電気的接続のために用いられており、ワイ
ヤリングハーネスと電気機器との接続に用いられるワイ
ヤリングハーネスコネクターには、雌雄コネクターの嵌
合を保持するうえでロック強度が高いことが要求され
る。また、ワイヤリングハーネスコネクターはワック
ス、エンジンオイル、ブレーキオイル等の薬品と接触す
る可能性があるため、耐薬品性も要求される。そのた
め、その成形材料としては、通常、ポリブチレンテレフ
タレート系樹脂等のポリエステル系樹脂が、強伸度、耐
薬品性等の諸性質に優れることから使用されている。し
かしながら、ポリエステル系樹脂、特にポリブチレンテ
レフタレート系樹脂は衝撃強度が低いため、ポリエステ
ル系樹脂からなるワイヤリングハーネスコネクターは運
搬時または取付け時に割れ、欠け、折れなどの破損を生
じ易いという問題点がある。また、ワイヤリングハーネ
スコネクターは高温条件下に晒されることが多いため、
長時間にわたって使用するうち耐衝撃性がさらに低下
し、割れなどの破損が生じ易くなるという傾向がある。
一方、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の耐衝撃性の
改良方法として、ポリブチレンテレフタレート系樹脂に
ゴム成分を混合することが試みられている(例えば、特
公昭46−5224号公報、特公昭46−5225号公
報、特公昭46−5227号公報、特公昭46−328
66号公報など参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】異種の重合体を混合し
て組成物とする場合、一般に、相溶性の良いものの組合
せは極めて少ない。上記のポリブチレンテレフタレート
系樹脂にゴム成分を混合した組成物においても、多くの
場合、相溶性の悪さに起因する不均一性、相間剥離等の
問題が生じ、耐衝撃性の改良にはあまり効果がないた
め、ワイヤリングハーネスコネクターが破損し易いとい
う問題点を改善する成形材料とはなり得ないのが実情で
ある。本発明の目的は、ポリエステル系樹脂からなるワ
イヤリングハーネスコネクターが有する高いロック強度
を具備するのみならず、運搬時、取付け時および高温条
件下での長期使用時において破損を生じにくいワイヤリ
ングハーネスコネクターを製造するためのポリエステル
樹脂系の成形材料および前記の特長を有するワイヤリン
グハーネスコネクターを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定のポリエステル系
樹脂組成物からなるワイヤリングハーネスコネクターが
高いロック強度を有するのみならず、初期および高温条
件下に長時間晒された後の両方において破損を生じにく
いことを見いだし、さらに検討を重ねた結果、本発明に
到達した。
【0005】すなわち、本発明は第1に、ポリエステル
系樹脂(I)、ビニル芳香族化合物重合体ブロック
(A−1)および1,2−結合量が30%未満のポリブ
タジエンが水素添加された形の水添ポリブタジエンブロ
ック(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種
のブロック(A)と、水添ポリイソプレンブロック(B
−1)、1,2−結合量が30〜80%のポリブタジエ
ンが水素添加された形の水添ポリブタジエンブロック
(B−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重合体
ブロック(B−3)からなる群から選ばれる少なくとも
1種のブロック(B)とからなるか、またはビニル芳
香族化合物重合体ブロック(C)とポリイソブチレンブ
ロック(D)とからなり、かつ末端に水酸基を有するブ
ロック共重合体(II)、およびポリエステルブロック
(E)とブロック共重合体(II)から誘導されるブロッ
ク(F)とからなるブロック共重合体(III)を必須成
分とする樹脂組成物からなるワイヤリングハーネスコネ
クター用成形材料である。本発明は第2に、上記ポリエ
ステル系樹脂(I)、上記ブロック共重合体(II)、上
記ブロック共重合体(III)および有機ポリシロキサン
(IV)を必須成分とする樹脂組成物からなるワイヤリン
グハーネスコネクター用成形材料である。本発明は第3
に、上記ポリエステル系樹脂(I)、上記ブロック共重
合体(II)、上記ブロック共重合体(III)および酸化
防止剤(V)を必須成分とする樹脂組成物からなるワイ
ヤリングハーネスコネクター用成形材料である。本発明
は第4に、ポリエステル交換反応またはエステル化反応
およびそれに続く重縮合反応によりポリエステル系樹脂
を製造するに際し、上記ブロック共重合体(II)を、ポ
リエステル系樹脂の重縮合反応が完了するまでの時期に
反応系に添加して得られる樹脂組成物(イ)からなるワ
イヤリングハーネスコネクター用成形材料である。本発
明は第5に、上記樹脂組成物(イ)および有機ポリシロ
キサン(IV)を必須成分とする樹脂組成物からなるワイ
ヤリングハーネスコネクター用成形材料である。本発明
は第6に、上記樹脂組成物(イ)および酸化防止剤
(V)を必須成分とする樹脂組成物からなるワイヤリン
グハーネスコネクター用成形材料である。
【0006】また本発明は第7に、上記いずれかのワイ
ヤリングハーネスコネクター用成形材料からなるワイヤ
リングハーネスコネクターである。
【0007】本発明においてポリエステル系樹脂(I)
とは、熱可塑性のポリエステル系樹脂であり、一般に、
ジカルボン酸(またはそのエステル形成性誘導体)とジ
オール(またはそのエステル形成性誘導体)との重縮合
反応、ヒドロキシカルボン酸(またはそのエステル形成
性誘導体)の重縮合反応、これらの反応の組み合わせ等
により製造されるものである。これらのポリエステル系
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(以後「P
ET」という)、ポリブチレンテレフタレート(以後
「PBT」という)、ポリエチレンナフタレート、ポリ
ブチレンナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジ
メチレンテレフタレート、p−ヒドロキシ安息香酸系ポ
リエステル、ポリアリレート等が例示される。
【0008】これらのポリエステル系樹脂のなかでも、
強度が高く、しかも破損防止の効果が顕著であることか
ら、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(以後「PBT
系樹脂」という)が好ましい。該PBT系樹脂は、一般
に、主としてテレフタル酸またはそのエステル形成性誘
導体(メチルエステル、エチルエステル等の低級アルキ
ルエステルなど)からなる酸成分と、主として1,4−
ブタンジオールからなるジオール成分とを反応させて得
られ、その代表例としてPBTが挙げられる。
【0009】PBT系樹脂を製造するための酸成分は、
テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体のみから
なっていてもよいが、必要に応じて、少量(通常20モ
ル%以下)の他の酸成分を含んでいてもよい。そのよう
な併用し得る酸成分の例としては、イソフタル酸、フタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフ
タレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)
メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバ
シン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族
ジカルボン酸;1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカ
ルボン酸;これらのジカルボン酸のエステル形成性誘導
体(メチルエステル、エチルエステル等の低級アルキル
エステルなど)などが挙げられる。これらの酸成分を併
用する場合、併用する酸成分は1種のみでもよく、2種
以上でもよい。
【0010】また、PBT系樹脂を製造するためのジオ
ール成分は、1,4−ブタンジオールのみからなってい
てもよいが、必要に応じて、少量(通常20モル%以
下)の他のジオール成分を含んでいてもよい。そのよう
な併用し得るジオール成分の例としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−
ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シク
ロヘキサンジオールなどの炭素数2〜10の脂肪族ジオ
ール;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールなどの分子量6000以下のポリアルキレン
グリコールなどを挙げることができる。これらのジオー
ル成分を併用する場合、併用するジオール成分は1種の
みでもよく、2種以上でもよい。
【0011】さらに、PBT系樹脂はその特性に大きな
悪影響を受けない限り、例えばグリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット
酸、ピロメリット酸などの三官能以上のモノマー成分を
少量含んでいてもよい。
【0012】本発明におけるブロック共重合体(II)
は、ビニル芳香族化合物重合体ブロック(A−1)お
よび1,2−結合量が30%未満のポリブタジエンが水
素添加された形の水添ポリブタジエンブロック(A−
2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック
(A)と、水添ポリイソプレンブロック(B−1)、
1,2−結合量が30〜80%のポリブタジエンが水素
添加された形の水添ポリブタジエンブロック(B−2)
および水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック
(B−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のブ
ロック(B)とからなり、末端に水酸基を有するブロッ
ク共重合体(II−1)、および/または、ビニル芳香
族化合物重合体ブロック(C)とポリイソブチレンブロ
ック(D)とからなり、末端に水酸基を有するブロック
共重合体(II−2)である。
【0013】ブロック共重合体(II−1)としては、例
えば、次の各式で示されるものが挙げられる。
【0014】(X−Y)k−OH (Y−X)l−OH X−(Y−Z)m−OH Y'−(X−Y)n−OH
【0015】(各式中、XおよびZはそれぞれブロック
(A)を表し、YおよびY'はそれぞれブロック(B)
を表し、k、l、mおよびnはそれぞれ1以上の整数を
表し、OHは水酸基を表す。)
【0016】ブロック共重合体(II−1)におけるブロ
ック(A)とブロック(B)との反復数k、l、mおよ
びnは、通常、それぞれ1〜5の範囲内の整数であるこ
とが好ましい。
【0017】ブロック共重合体(II−2)としては、例
えば、次の各式で示されるものが挙げられる。
【0018】HO−U−(V−W)p−OH HO−V'−(U−V)q−OH
【0019】(各式中、UおよびWはそれぞれブロック
(C)を表し、VおよびV'はそれぞれブロック(D)
を表し、pおよびqはそれぞれ1以上の整数を表し、O
HおよびHOはそれぞれ水酸基を表す。)
【0020】ブロック共重合体(II−2)におけるブロ
ック(C)とブロック(D)との反復数pおよびqは、
通常、それぞれ1〜5の範囲内の整数であることが好ま
しい。
【0021】ブロック共重合体(II)は、上記式から明
らかなように、分子中に、ブロック(A)および(B)
をそれぞれ少なくとも1個含有するか、ブロック(C)
および(D)をそれぞれ少なくとも1個含有するが、ブ
ロック(A)または(C)を2個以上含有していること
が好ましい。ブロック共重合体(II)のうち特に好まし
いのは、式X−Y−Z−OH(式中、X、Y、Zおよび
OHは前記定義のとおりである。)で示されるトリブロ
ック共重合体である。樹脂組成物は、ブロック共重合体
(II)がこのトリブロック共重合体であり、かつ上記ブ
ロック共重合体(III)中のブロック(F)がこのトリ
ブロック共重合体から誘導されるブロックである場合、
ワイヤリングハーネスコネクターにおいて、特に優れた
破損防止効果が発揮される。
【0022】ビニル芳香族化合物重合体ブロック(A−
1)および(C)は、ビニル芳香族化合物単位を主体と
するモノマー単位からなる重合体ブロックである。ブロ
ック(A−1)および(C)中のビニル芳香族化合物単
位を与えるビニル芳香族化合物としては、スチレン;α
−メチルスチレン;o−、m−、またはp−メチルスチ
レン;o−、m−、またはp−クロロスチレン;o−、
m−、またはp−t−ブチルスチレン;2,4−ジメチ
ルスチレン;ビニルナフタレン;ビニルアントラセン;
インデンなどを挙げることができ、その中でもスチレン
および/またはα−メチルスチレンが好ましい。ブロッ
ク(A−1)および(C)は、1種類のビニル芳香族化
合物単位のみから構成されていても、2種類以上のビニ
ル芳香族化合物単位から構成されていてもよい。
【0023】ブロック(A−2)は、1,2−結合量が
30%未満(好ましくは25%以下)のポリブタジエン
が水素添加された形の水添ポリブタジエンブロックであ
る。該水素添加前のポリブタジエン部分はブタジエン単
位を主体とするモノマー単位からなり、該ブタジエン単
位の70モル%以上(好ましくは75〜100モル%)
が2−ブテン−1,4−ジイル基(−CH2−CH=C
H−CH2−;1,4−結合のブタジエン単位)であ
り、30モル%未満(好ましくは25〜0モル%)がビ
ニルエチレン基[−CH(CH=CH2)−CH2−;1,
2−結合のブタジエン単位]である。
【0024】ブロック(B−1)は、イソプレン単位を
主体とするモノマー単位からなるポリイソプレンが水素
添加された形の水添ポリイソプレンブロックである。該
イソプレン単位は、2−メチル−2−ブテン−1,4−
ジイル基[−CH2−C(CH3)=CH−CH2−;1,
4−結合のイソプレン単位]、イソプロペニルエチレン
基[−CH[C(CH3)=CH2]−CH2−;3,4−結
合のイソプレン単位]および1−メチル−1−ビニルエ
チレン基[−C(CH3)(CH=CH2)−CH2−;1,
2−結合のイソプレン単位]からなる群から選ばれる少
なくとも1種の基である。
【0025】ブロック(B−2)は、1,2−結合量が
30〜80%(好ましくは35〜60%)のポリブタジ
エンが水素添加された形の水添ポリブタジエンブロック
である。該水素添加前のポリブタジエン部分はブタジエ
ン単位を主体とするモノマー単位からなり、該ブタジエ
ン単位の70〜20モル%(好ましくは65〜40モル
%)が2−ブテン−1,4−ジイル基(−CH2−CH
=CH−CH2−;1,4−結合のブタジエン単位)で
あり、30〜80モル%(好ましくは35〜60モル
%)がビニルエチレン基[−CH(CH=CH2)−CH2
−;1,2−結合のブタジエン単位]である。
【0026】ブロック(B−3)は、イソプレン単位お
よびブタジエン単位を主体とするモノマー単位からなる
イソプレン/ブタジエン共重合体が水素添加された形の
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックである。
該イソプレン単位は2−メチル−2−ブテン−1,4−
ジイル基、イソプロペニルエチレン基および1−メチル
−1−ビニルエチレン基からなる群から選ばれる少なく
とも1種の基であり、また該ブタジエン単位は2−ブテ
ン−1,4−ジイル基および/またはビニルエチレン基
である。ブタジエン単位とイソプレン単位の配置はラン
ダム状、ブロック状、テーパーブロック状のいずれの形
態になっていてもよい。
【0027】ブロック(A−2)、(B−1)、(B−
2)および(B−3)における水素添加の状態は部分水
添であっても、また完全水添であってもよい。ただし、
ブロック共重合体(II)において、ブタジエン単位およ
び/またはイソプレン単位における炭素−炭素二重結合
の50%以上、とりわけ80%以上が水添されているこ
と(すなわち、不飽和度が50%以下、とりわけ20モ
ル%以下となっていること)が、得られるワイヤリング
ハーネスコネクターの耐熱劣化性および耐候性が特に良
好となり、使用中における破損防止効果が特に向上する
点で好ましい。ブロック共重合体(II−1)において
は、ブロック(B)のなかでもブロック(B−1)およ
び(B−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の
ブロックが、破損防止効果が特に大きくなる点で好まし
い。この効果の観点において、イソプレン単位/ブタジ
エン単位のモル比が1/9〜9/1の範囲内、とりわけ
3/7〜7/3の範囲内となっているブロック(B−
3)が特に好ましい。
【0028】ブロック(D)は、イソブチレン単位[−
C(CH3)2−CH2−]を主たるモノマー単位とするポ
リイソブチレンブロックである。
【0029】ブロック共重合体(II−1)におけるブロ
ック(A)の合計重量/ブロック(B)の合計重量の比
およびブロック共重合体(II−2)におけるブロック
(C)の合計重量/ブロック(D)の合計重量の比につ
いて特に制限はないが、それぞれ1/9〜9/1の範囲
内にあるのが好ましい。ブロック共重合体(II−1)に
おけるブロック(A)/ブロック(B)の重量比または
ブロック共重合体(II−2)におけるブロック(C)/
ブロック(D)の重量比が1/9またはそれ以上である
場合には、ワイヤリングハーネスコネクターのロック強
度を高いレベルに保持することができ、一方、9/1ま
たはそれ以下である場合にはワイヤリングハーネスコネ
クターの破損防止効果が特に大きくなる。これらの観点
から、ブロック共重合体(II)におけるブロック(A)
/ブロック(B)またはブロック(C)/ブロック
(D)の重量比を2/8〜7/3の範囲内にするのが特
に好ましい。
【0030】ブロック共重合体(II)の水酸基は、ブロ
ック(A)、ブロック(B)、ブロック(C)およびブ
ロック(D)のいずれのブロックの末端に位置していて
もよいが、ハードブロックであるブロック(A)または
(C)の末端に位置していることが好ましい。ブロック
共重合体(II)の末端水酸基の含有量は、平均して、1
分子当たり0.5個以上であることが好ましく、0.7
〜2個の範囲内であることがより好ましい。ブロック共
重合体(II)に代えて末端水酸基を全く含有していない
ブロック共重合体では、ポリエステルブロック(E)と
ブロック(F)とが化学結合した構造のブロック(F)
を有するブロック共重合体(III)を形成することがで
きないので、十分な破損防止効果が奏されない。
【0031】ブロック共重合体(II−1)におけるブロ
ック(A)またはブロック共重合体(II−2)における
ブロック(C)の数平均分子量は、4000〜5000
0の範囲内にあるのが好ましい。ブロック共重合体(II
−1)におけるブロック(B)またはブロック共重合体
(II−2)におけるブロック(D)の数平均分子量は1
0000〜100000の範囲内にあるのが好ましい。
さらに、ブロック共重合体(II)の数平均分子量は、1
5000〜150000の範囲内にあるのが好ましい。
なお、含有されるブロック共重合体(II)は1種類のみ
であってもよく、2種類以上であってもよい。
【0032】また、本発明におけるブロック共重合体
(III)において、ポリエステルブロック(E)は、1
種以上のジカルボン酸(またはそのエステル形成性誘導
体)と1種以上のジオール(またはそのエステル形成性
誘導体)の重縮合物、1種以上のヒドロキシカルボン酸
(またはそのエステル形成性誘導体)の重縮合反応、こ
れらの反応の組み合わせ等により形成されるブロックで
ある。該ポリエステルブロック(E)を構成するポリエ
ステル(オリゴマーでもよい)としては、例えば、PE
T、PBT、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレン
ナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレン
テレフタレート、p−ヒドロキシ安息香酸系ポリエステ
ル、ポリアリレート等の、ポリエステル系樹脂(I)に
ついて先に例示したものと同種のポリエステルを挙げる
ことができる。一方、ブロック(F)は、ブロック共重
合体(II)がポリエステルブロック(E)と化学的に結
合することによって形成される。この結合としては、例
えば、ブロック共重合体(II)が分子末端に有していた
水酸基が脱水反応またはエステル交換反応に関与して形
成されたエステル結合が挙げられる。
【0033】本発明においては、樹脂組成物におけるブ
ロック共重合体(II)の含有率が1〜50重量%の範囲
内であることが好ましい。ブロック共重合体(II)の含
有率が1重量%以上の場合には、破損防止効果が十分に
発揮される。一方、含有率が50重量%以下の場合に
は、ポリエステル系樹脂が本来有する強伸度等の諸性能
が十分に発揮され、ワイヤリングハーネスコネクターに
おいてロック強度が特に良好となる。ワイヤリングハー
ネスコネクターのロック強度が特に高くなり、しかも破
損防止効果も特に著しくなる点から、ブロック共重合体
(II)の含有率は3〜30重量%の範囲内であることが
好ましい。
【0034】さらに、本発明においては、破損防止効果
が顕著となる点から、その中に含有されるブロック
(F)のモル数とブロック共重合体(II)のモル数との
比[ブロック(F)の含有モル数/ブロック共重合体
(II)の含有モル数の比]が5/95またはそれ以上で
あることが好ましい。ワイヤリングハーネスコネクター
の破損防止効果が特に顕著となる点から、ブロック
(F)の含有モル数/ブロック共重合体(II)の含有モ
ル数の比は15/85またはそれ以上であることがより
好ましく、20/80〜80/20の範囲内であること
が特に好ましい。
【0035】本発明におけるポリエステル系樹脂
(I)、ブロック共重合体(II)およびブロック共重合
体(III)を必須成分とする樹脂組成物は、ポリエステ
ル系樹脂(I)を含有するマトリックス中に、ブロック
共重合体(II)を含有する粒子が分散して存在している
形態をとることができる。ワイヤリングハーネスコネク
ターの破損防止効果が大きい点から、平均粒子径は1μ
m以下が好ましく、0.01〜0.7μmの範囲内がよ
り好ましい。
【0036】本発明におけるポリエステル系樹脂
(I)、ブロック共重合体(II)およびブロック共重合
体(III)を必須成分とする樹脂組成物は、ブロック共
重合体(II)を添加する以外は、ポリエステル系樹脂
(I)の合成において通常採用されると同様の任意の方
法を採用することができる。その代表例として、ジカル
ボン酸成分がテレフタル酸のようなジカルボン酸の場合
は1,4−ブタンジオールのようなグリコールとのエス
テル化反応を行い、またテレフタル酸ジメチルのような
ジカルボン酸エステルの場合はグリコールとのエステル
交換反応を行い、エステル化反応またはエステル交換反
応により得られた生成物を、次に高温、減圧下で重縮合
反応に供する方法が挙げられる。
【0037】上記の方法では、ブロック共重合体(II)
が、ポリエステル系樹脂(I)を製造するための重縮合
反応が完了するまでの時期に添加される。ブロック共重
合体(II)の添加時期は、該ポリエステル系樹脂(I)
の重縮合反応が完了するまでの時期であれば、特に制限
されることなく、例えば、エステル化反応前、エステル
化反応中、エステル交換反応前、エステル交換反応中、
重縮合反応前、重縮合反応中等の任意の時期でよい。す
なわち、この製造方法においては、少なくともポリエス
テル系樹脂(I)を製造するための重縮合時に、ブロッ
ク共重合体(II)が反応系中で混練されることが重要で
ある。このことによって、系中で生成したポリエステル
(オリゴマーを含む)の一部と添加したブロック共重合
体(II)の一部との間で脱水反応(エステル化反応)ま
たはエステル交換反応が生起し、ポリエステルブロック
(E)とブロック共重合体(II)から誘導されたブロッ
ク(F)とからなるブロック共重合体(III)を生成さ
せることができる。
【0038】ポリエステル系樹脂の合成反応系に添加す
るブロック共重合体(II)の量は、所望の樹脂組成物の
組成割合等に応じて適宜、選択することができるが、一
般的には、ブロック共重合体(II)を添加しない場合に
おけるポリエステル系樹脂の理論生成量/ブロック共重
合体(II)の添加量の重量比において98/2〜40/
60の範囲内であり、好ましくは97/3〜60/40
の範囲内である。
【0039】上記のような、本発明に従うポリエステル
系樹脂(I)、ブロック共重合体(II)およびブロック
共重合体(III)を必須成分とする樹脂組成物からなる
ワイヤリングハーネスコネクターは優れた破損防止効果
を有するが、さらに有機ポリシロキサン(IV)が含有さ
れている場合には、その効果が一層顕著となる傾向があ
る。かかる有機ポリシロキサン(IV)は、一般式
【0040】−Si(R1)(R2)−O−
【0041】(式中、R1およびR2はそれぞれアルキル
基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
【0042】で示される繰り返し単位からなるものが、
破損防止効果の点で好ましい。アルキル基としてはメチ
ル基、エチル基等が例示され、アリール基としてはフェ
ニル基等が例示され、またアラルキル基としてはベンジ
ル基等が例示される。なお、有機ポリシロキサン(IV)
の繰り返し単位は1種類のみからなっていてもよく、ま
た2種類以上からなっていてもよい。2種類以上の繰り
返し単位からなる場合、繰り返し単位の配置はランダム
状、ブロック状、テーパーブロック状のいずれの形態に
なっていてもよい。
【0043】有機ポリシロキサン(IV)としては、ジメ
チルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、
ジフェニルポリシロキサン、メチルベンジルポリシロキ
サンなどが好ましく、これらの中でもジメチルポリシロ
キサンが特に好ましい。有機ポリシロキサン(IV)の粘
度は、25℃において10〜1000000センチスト
ークスの範囲内が好ましく、50〜10000センチス
トークスの範囲内がより好ましい。なお、有機ポリシロ
キサン(IV)としては、1種類のみを使用してもよく、
また2種類以上を併用してもよい。また、市販の有機ポ
リシロキサンには分散剤としてシリカ粒子等の無機粒子
が配合されたものがあるが、本発明の効果に実質的に悪
影響を与えないものであれば、添加剤が配合された有機
ポリシロキサンを使用してもよい。
【0044】本発明の成形材料を構成する樹脂組成物に
おける有機ポリシロキサン(IV)の含有率は、0.01
〜5重量%の範囲内であることが好ましい。有機ポリシ
ロキサン(IV)の含有率が0.01重量%以上である場
合、破損防止効果の向上が大きく、一方、5重量%以下
である場合、ポリエステル系樹脂(I)に由来してロッ
ク強度が高い値に保持される。
【0045】ポリエステル系樹脂(I)、ブロック共重
合体(II)、ブロック共重合体(III)および有機ポリ
シロキサン(IV)を必須成分とする樹脂組成物を製造す
る場合、有機ポリシロキサン(IV)の添加時期は特に限
定されず、ポリエステル系樹脂の合成反応中であって
も、またブロック共重合体(II)存在下でのポリエステ
ル系樹脂の合成反応完了後であってもよい。
【0046】また、ポリエステル系樹脂(I)、ブロッ
ク共重合体(II)およびブロック共重合体(III)を必
須成分とする樹脂組成物がさらに酸化防止剤(V)を含
有する場合には、耐熱安定性が向上するため、ワイヤリ
ングハーネスコネクター成形時における樹脂組成物の物
性低下が抑制され、破損防止効果およびロック強度の点
で一層優れたワイヤリングハーネスコネクターが得られ
易く、また、得られたワイヤリングハーネスコネクター
が高温条件に長時間晒された場合における破損およびロ
ック強度低下を防止する効果も一層顕著となる傾向があ
る。
【0047】酸化防止剤(V)としては、ラジカル捕捉
剤、過酸化物分解剤、老化防止剤、金属不活性化剤等を
使用することができる。ラジカル捕捉剤としては、2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、1,6−ヘキサ
ンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレン
グリコール−ビス−3,3−(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、N,
N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)ヒドロシンナミド、1,1,
3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]メタン、カルシウム(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジルモノエチルホスホネ
ート)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル
オキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のフェ
ノール系化合物;3−ドデシル−1−(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,
5−ジオン、N−メチル−3−ドデシル−1−(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリ
ジン−2,5−ジオン等のアミン系化合物などが例示さ
れる。過酸化物分解剤としては、ジステアリル−3,3
−チオジプロピオネート、テトラキス[[3−(ドデシ
ルチオ)プロピオニルオキシ]メチル]メタン、4,
4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノー
ル)等の硫黄系有機化合物;トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール
−ジ−ホスファイト等のリン系有機化合物などが例示さ
れる。老化防止剤としては、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン等のフェノール系化合
物;N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等
のアリールアミン系化合物;ケトンアミン縮合物等など
が例示される。また、金属不活性化剤としては、N,
N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、メチルベ
ンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾールなどが例示され
る。
【0048】上記酸化防止剤の中でも、耐熱安定性向上
の効果の点から、3,9−ビス[2−[3−(3−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが
好ましく、これをテトラキス[[3−(ドデシルチオ)
プロピオニルオキシ]メチル]メタン等の硫黄系有機化
合物および/またはビス(2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスフ
ァイト等のリン系有機化合物と併用することが特に好ま
しい。
【0049】本発明の成形材料を構成する樹脂組成物に
おける酸化防止剤(V)の含有率は、0.01〜2重量
%の範囲内であることが好ましい。酸化防止剤(V)の
含有率が0.01重量%以上である場合、耐熱安定性の
向上効果が大きい。一方、2重量%以下である場合、成
形品表面に添加剤が移行する、いわゆるブリードアウト
等の問題がなく、成形時の金型汚染が抑制される。耐熱
安定性の向上および金型汚染の抑制の両方の観点から、
酸化防止剤(V)の含有率は0.1〜1重量%の範囲内
であることがより好ましい。
【0050】ポリエステル系樹脂(I)、ブロック共重
合体(II)、ブロック共重合体(III)および酸化防止
剤(V)を必須成分とする樹脂組成物を製造する場合、
酸化防止剤(V)の添加時期はブロック共重合体(II)
存在下でのポリエステル系樹脂の合成反応完了後、すな
わち、ポリエステル系樹脂(I)、ブロック共重合体
(II)およびブロック共重合体(III)を含有する樹脂
組成物の製造後が好ましい。
【0051】有機ポリシロキサン(IV)および/または
酸化防止剤(V)を、ポリエステル系樹脂(I)、ブロ
ック共重合体(II)およびブロック共重合体(III)を
含む樹脂組成物に配合する場合、常法に準じて、該樹脂
組成物に有機ポリシロキサン(IV)および/または酸化
防止剤(V)を溶融混練することができる。該溶融混練
では、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー
ミキサー等の混練機を使用することができる。溶融混練
の条件は、使用するポリエステル系樹脂組成物、装置等
に応じて適宜選択することができるが、通常、180〜
300℃で3〜15分間行えば十分である。
【0052】本発明の成形材料を構成する樹脂組成物
は、さらに、シリコーンオイル、飽和または不飽和カル
ボン酸の金属塩等の離型剤;タルク等の結晶化核剤;飽
和または不飽和カルボン酸の金属塩等の結晶化促進剤;
可塑剤;加水分解防止剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;
着色剤;着色助剤;臭素系等の難燃剤;ケイ酸カルシウ
ム、三酸化アンチモン等の難燃助剤;ガラス繊維、マイ
カ、ガラスフレーク等の無機充填剤・補強材;その他の
ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン;ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン
(HIPS)等のスチレン系樹脂、エチレンプロピレン
ラバー(EPR)、ポリスチレン−ポリエチレンプロピ
レン−ポリスチレン(SEPS)などのエラストマー)
などを含有していてもよい。
【0053】本発明の成形材料は、通常のポリエステル
系樹脂を用いた場合に準じて射出成形法により、所望の
形状のワイヤリングハーネスコネクターに成形すること
ができる。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。なお、実施例で使用したブロック共重合体
(II)を、以下の略号で示す。
【0055】SEEPS−OH:一方のポリスチレンブ
ロック末端に水酸基を有する、ポリスチレンブロック
(数平均分子量:6000)/1,3−ブタジエンとイ
ソプレンとの共重合体の水添物のブロック(数平均分子
量:28000)/ポリスチレンブロック(数平均分子
量:6000)のトリブロック体(水酸基含量:0.8
個/分子;水添前のブロック共重合体基準でのスチレン
単位含量:30重量%;イソプレン単位/1,3−ブタ
ジエン単位のモル比が1/1;水添前の1,3−ブタジ
エンとイソプレンとの共重合体ブロック中の1,3−ブ
タジエン単位における1,4−結合量:95%、1,2
−結合量:5%、イソプレン単位における1,4−結合
量:95%、3,4−結合量:5%;1,3−ブタジエ
ンとイソプレンとの共重合体の水添物のブロック基準の
不飽和度:5%;数平均分子量:40000)
【0056】SEPS−OH:一方のポリスチレンブロ
ック末端に水酸基を有する、ポリスチレンブロック(数
平均分子量:6000)/水添ポリイソプレンブロック
(数平均分子量:28000)/ポリスチレンブロック
(数平均分子量:6000)のトリブロック体(水酸基
含量:0.8個/分子;水添前のブロック共重合体基準
でのスチレン単位含量:30重量%;水添前のポリイソ
プレンブロックにおける1,4−結合量:92%、3,
4−結合量:8%;水添ポリイソプレンブロック基準の
不飽和度:5%;数平均分子量:40000)
【0057】EPS−OH:ポリスチレンブロック末端
に水酸基を有する、水添ポリイソプレンブロック(数平
均分子量:20000)/ポリスチレンブロック(数平
均分子量:10000)のジブロック体(水酸基含量:
0.8個/分子;水添前のブロック共重合体基準でのス
チレン単位含量:33重量%;水添前のポリイソプレン
ブロックにおける1,4−結合量:92%、3,4−結
合量:8%;水添ポリイソプレンブロック基準の不飽和
度:5%;数平均分子量:30000)
【0058】SEBS−OH:一方のポリスチレンブロ
ック末端に水酸基を有する、ポリスチレンブロック(数
平均分子量:6000)/水添ポリ(1,3−ブタジエ
ン)ブロック(数平均分子量:28000)/ポリスチ
レンブロック(数平均分子量:6000)のトリブロッ
ク体(水酸基含量:0.8個/分子;水添前のブロック
共重合体基準でのスチレン単位含量:30重量%;水添
前のポリ(1,3−ブタジエン)ブロックにおける1,
4−結合量:55%、1,2−結合量:45%;水添ポ
リ(1,3−ブタジエン)ブロック基準の不飽和度:5
%;数平均分子量:40000)
【0059】また、比較例でブロック共重合体(II)の
代わりに使用した、水酸基を含有しないブロック共重合
体を、以下の略号で示す。 SEPS:ポリスチレンブロック(数平均分子量:60
00)/水添ポリイソプレンブロック(数平均分子量:
28000)/ポリスチレンブロック(数平均分子量:
6000)のトリブロック体(水酸基含量:0個/分
子;水添前のブロック共重合体基準でのスチレン単位含
量:30重量%;水添前のポリイソプレンブロックにお
ける1,4−結合量:92%、3,4−結合量:8%;
水添ポリイソプレンブロック基準の不飽和度:5%;数
平均分子量:40000)
【0060】下記の実施例および比較例の樹脂または樹
脂組成物の分析および評価は、下記の方法を用いて行っ
た。
【0061】(1)ブロック共重合体(II)の含有率の
決定:実施例で得られたポリエステル系樹脂組成物(こ
こでは、PBT系樹脂組成物)の所定量をヘキサフルオ
ロイソプロパノール/クロロホルム混合溶媒(重量比:
1/1)に溶解し、得られた溶液をクロロホルム中に再
沈殿させた。沈殿物を濾別後、濾液を濃縮・乾固し、固
体状の濃縮・乾固物として得られた抽出成分を秤量し
た。この抽出成分についてクロロホルム溶液を調製し、
液体クロマトグラフにより、未反応のブロック共重合体
(II)を分離取得した。このブロック共重合体(II)の
定量値に基づき、ポリエステル系樹脂組成物中における
ブロック共重合体(II)の含有率を求めた。
【0062】(2)ポリエステル系樹脂(I)の存在の
確認:上記(1)における再沈殿操作で得られた沈殿物
について1H−NMR測定を行うことにより、該沈殿物
がポリエステル系樹脂(I)(ここではPBT)を主成
分とするものであることを確認した。
【0063】(3)ブロック共重合体(III)の存在の
確認:上記(1)における液体クロマトグラフでの分離
操作において、ブロック共重合体(III)の一部を単離
することにより、ブロック共重合体(III)の存在を確
認した。なお、ブロック共重合体(III)が、ポリエス
テル系樹脂(I)と同種の構造を有するブロックとブロ
ック共重合体(II)が末端水酸基の部分で化学結合を形
成した構造のブロックとからなる化学構造を有している
ことは、単離物の1H−NMR測定において、ポリエス
テル系樹脂(I)の化学構造に由来するピーク(PBT
の場合:8.1、4.1、2.2ppmのピーク)とブ
ロック共重合体(II)の化学構造に由来するピーク
(7.0、6.6、0.7〜2.0ppm)との両方を
示し、かつ使用したブロック共重合体(II)において認
められた分子末端水酸基に隣接するメチレンプロトンの
ピークの化学シフトが移動していたことに基づいて確認
した。
【0064】(4)ブロック(F)の含有モル数/ブロ
ック共重合体(II)の含有モル数の比の決定:実施例の
ポリエステル系樹脂組成物(PBT系樹脂組成物)の製
造におけるブロック共重合体(II)の使用量および上記
(1)で決定した未反応のブロック共重合体(II)の含
有率に基づき、反応したブロック共重合体(II)/未反
応のブロック共重合体(II)のモル比を求め、これをブ
ロック(F)の含有モル数/ブロック共重合体(II)の
含有モル数の比とした。
【0065】(5)ロック強度の測定:得られたポリエ
ステル系樹脂組成物(実施例1〜18および比較例2、
3のPBT系樹脂組成物)、それに酸化防止剤が配合さ
れた樹脂組成物(実施例19〜30)またはPBT(比
較例1)をそれぞれ用いて、射出成形法によりワイヤリ
ングハーネスコネクターの雄型と雌型をそれぞれ成形し
た(日精樹脂工業製40トンの射出成形機を使用)。両
者を接合した状態でロック強度を測定した(島津製作所
製のオートグラフを使用)。
【0066】(6)耐衝撃性の評価:上記(5)で得ら
れたワイヤリングハーネスコネクターの雄型と雌型とを
接合したものに対し、落捶衝撃試験機により、落捶荷重
50g、落捶落下距離25cm、50cm、75cmお
よび100cmの各条件で試験を行った。コネクターに
クラックの発生が認められる落下距離の最小値によっ
て、ワイヤリングハーネスコネクターの耐衝撃性を評価
した。
【0067】(7)耐衝撃性における耐熱安定性の評
価:上記(5)で得られたワイヤリングハーネスコネク
ターの雄型と雌型とを接合したものを、120℃の雰囲
気下に10日間暴露した。この熱処理後のワイヤリング
ハーネスコネクターについて上記(6)の方法で落捶試
験を行うことにより、耐衝撃性における耐熱安定性を評
価した。
【0068】(実施例1)テレフタル酸ジメチル74.
8重量部、1,4−ブタンジオール41.7重量部、お
よびテトライソプロピルチタネート0.03重量部を反
応槽に仕込み(PBTの理論生成量:85重量部)、常
圧下に170℃から230℃まで徐々に昇温しながら加
熱してエステル交換反応を行い、メタノールが23.8
重量部留出した時点でエステル交換反応を停止した。そ
の後、SEEPS−OHの15重量部を添加し、次い
で、系を減圧にして重縮合反応系に移行させた。すなわ
ち、約30分を要して、反応温度を230℃から250
℃に昇温させ、かつ圧力を常圧から0.2mmHgの圧
力まで減じた。この反応温度および圧力の下で、約60
分を要して重縮合反応を行った。次に、反応槽に窒素ガ
スを供給して系を常圧に戻すことにより重縮合反応を停
止させ、PBT系樹脂組成物を得た。得られたPBT系
樹脂組成物は、PBT、SEEPS−OHおよびPBT
のブロック/SEEPS−OHからのブロックからなる
ブロック共重合体からなり、SEEPS−OHの含有率
は9.8重量%、SEEPS−OHからのブロックの含
有モル数/SEEPS−OHの含有モル数の比は35/
65であった。評価結果を併せて表1に示す。
【0069】(実施例2、3)SEEPS−OHの添加
量を、PBTの理論生成量/SEEPS−OHの添加量
の重量比が90/10(実施例2)または95/5(実
施例3)となる量に変更した以外は実施例1と同様にし
て、エステル交換反応および重縮合反応を行い、それぞ
れPBT系樹脂組成物を得た。得られたPBT系樹脂組
成物は、いずれもPBT、SEEPS−OHおよびPB
Tのブロック/SEEPS−OHからのブロックからな
るブロック共重合体からなり、SEEPS−OHの含有
率は7.5重量%(実施例2)および4.1重量%(実
施例3)、SEEPS−OHからのブロックの含有モル
数/SEEPS−OHの含有モル数の比は25/75
(実施例2)および19/81(実施例3)であった。
評価結果を併せて表1に示す。
【0070】(実施例4、5)SEEPS−OHの代わ
りにSEPS−OHを、PBTの理論生成量/SEPS
−OHの添加量の重量比が85/15(実施例4)また
は90/10(実施例5)となる量で添加した以外は実
施例1と同様にして、エステル交換反応および重縮合反
応を行い、それぞれPBT系樹脂組成物を得た。得られ
たPBT系樹脂組成物は、いずれもPBT、SEPS−
OHおよびPBTのブロック/SEPS−OHからのブ
ロックからなるブロック共重合体からなり、SEPS−
OHの含有率は10.4重量%(実施例4)および7.
9重量%(実施例5)、SEPS−OHからのブロック
の含有モル数/SEPS−OHの含有モル数の比は31
/69(実施例4)および21/79(実施例5)であ
った。評価結果を併せて表1に示す。
【0071】(実施例6、7)SEEPS−OHの代わ
りにEPS−OHを、PBTの理論生成量/EPS−O
Hの添加量の重量比が85/15(実施例6)または7
0/30(実施例7)となる量で添加した以外は実施例
1と同様にして、エステル交換反応および重縮合反応を
行い、それぞれPBT系樹脂組成物を得た。得られたP
BT系樹脂組成物は、いずれもPBT、EPS−OHお
よびPBTのブロック/EPS−OHからのブロックか
らなるブロック共重合体からなり、EPS−OHの含有
率は12.5重量%(実施例6)および20.7重量%
(実施例7)、EPS−OHからのブロックの含有モル
数/EPS−OHの含有モル数の比は17/83(実施
例6)および31/69(実施例7)であった。評価結
果を併せて表1に示す。
【0072】(実施例8、9)SEEPS−OHの代わ
りにSEBS−OHを、PBTの理論生成量/SEBS
−OHの添加量の重量比が85/15(実施例8)また
は90/10(実施例9)となる量で添加した以外は実
施例1と同様にして、エステル交換反応および重縮合反
応を行い、それぞれPBT系樹脂組成物を得た。得られ
たPBT系樹脂組成物は、いずれもPBT、SEBS−
OHおよびPBTのブロック/SEBS−OHからのブ
ロックからなるブロック共重合体からなり、SEBS−
OHの含有率は12.2重量%(実施例8)および8.
4重量%(実施例9)、SEBS−OHからのブロック
の含有モル数/SEBS−OHの含有モル数の比は19
/81(実施例8)および16/84(実施例9)であ
った。評価結果を併せて表1に示す。
【0073】(比較例1)ブロック共重合体(II)を全
く添加しないこと以外は、実施例1と同様にしてPBT
を製造した。評価結果を表1に示す。
【0074】(比較例2)極限粘度0.85dl/gの
PBT85重量部とSEPS15重量部とを、二軸押出
機を用いて、240℃で溶融・混練し口金から押出した
後、水冷し切断して、直径2mm、長さ3mmのチップ
状PBT系樹脂組成物を得た。評価結果を表1に示す。
【0075】(比較例3)PBT/SEPSの使用量の
比を重量比で70/30に変更した以外は比較例2と同
様にして、PBT系樹脂組成物を得た。評価結果を表1
に示す。
【0076】
【表1】
【0077】(実施例10)テレフタル酸ジメチル7
4.8重量部、1,4−ブタンジオール41.7重量
部、およびテトライソプロピルチタネート0.03重量
部を反応槽に仕込み(PBTの理論生成量:85重量
部)、常圧下に170℃から230℃まで徐々に昇温し
ながら加熱してエステル交換反応を行い、メタノールが
23.8重量部留出した時点でエステル交換反応を停止
した。その後、SEEPS−OHの15重量部およびジ
メチルポリシロキサン(25℃における粘度:100セ
ンチストークス;東レ・ダウコーニング・シリコーン株
式会社製SH−200)の0.25重量部を添加し、次
いで、系を減圧にして重縮合反応系に移行させた。すな
わち、約30分を要して、反応温度を230℃から25
0℃に昇温させ、かつ圧力を常圧から0.2mmHgの
圧力まで減じた。この反応温度および圧力の下で、約6
0分を要して重縮合反応を行った。次に、反応槽に窒素
ガスを供給して系を常圧に戻すことにより重縮合反応を
停止させ、PBT系樹脂組成物を得た。得られたPBT
系樹脂組成物は、PBT、SEEPS−OH、PBTの
ブロック/SEEPS−OHからのブロックからなるブ
ロック共重合体およびジメチルポリシロキサンからな
り、SEEPS−OHの含有率は9.6重量%、ジメチ
ルポリシロキサンの含有率は0.25重量%、SEEP
S−OHからのブロックの含有モル数/SEEPS−O
Hの含有モル数の比は36/64であった。評価結果を
併せて表2に示す。
【0078】(実施例11、12)SEEPS−OHの
添加量を、PBTの理論生成量/SEEPS−OHの添
加量の重量比が90/10(実施例11)または95/
5(実施例12)となる量に変更した以外は実施例10
と同様にして、エステル交換反応、ジメチルポリシロキ
サンの添加および重縮合反応を行い、それぞれPBT系
樹脂組成物を得た。得られたPBT系樹脂組成物は、い
ずれもPBT、SEEPS−OH、PBTのブロック/
SEEPS−OHからのブロックからなるブロック共重
合体およびジメチルポリシロキサンからなり、SEEP
S−OHの含有率は7.3重量%(実施例11)および
4.0重量%(実施例12)、ジメチルポリシロキサン
の含有率は0.25重量%(実施例11、12)、SE
EPS−OHからのブロックの含有モル数/SEEPS
−OHの含有モル数の比は27/73(実施例11)お
よび21/79(実施例12)であった。評価結果を併
せて表2に示す。
【0079】(実施例13、14)SEEPS−OHの
代わりにSEPS−OHを、PBTの理論生成量/SE
PS−OHの添加量の重量比が85/15(実施例1
3)または90/10(実施例14)となる量で添加し
た以外は実施例10と同様にして、エステル交換反応、
ジメチルポリシロキサンの添加および重縮合反応を行
い、それぞれPBT系樹脂組成物を得た。得られたPB
T系樹脂組成物は、いずれもPBT、SEPS−OH、
PBTのブロック/SEPS−OHからのブロックから
なるブロック共重合体およびジメチルポリシロキサンか
らなり、SEPS−OHの含有率は10.2重量%(実
施例13)および7.7重量%(実施例14)、ジメチ
ルポリシロキサンの含有率は0.25重量%(実施例1
3、14)、SEPS−OHからのブロックの含有モル
数/SEPS−OHの含有モル数の比は32/68(実
施例13)および23/77(実施例14)およびであ
った。評価結果を併せて表2に示す。
【0080】(実施例15、16)SEEPS−OHの
代わりにEPS−OHを、PBTの理論生成量/EPS
−OHの添加量の重量比が85/15(実施例15)ま
たは70/30(実施例16)となる量で添加した以外
は実施例10と同様にして、エステル交換反応、ジメチ
ルポリシロキサンの添加および重縮合反応を行い、それ
ぞれPBT系樹脂組成物を得た。得られたPBT系樹脂
組成物は、いずれもPBT、EPS−OH、PBTのブ
ロック/EPS−OHからのブロックからなるブロック
共重合体およびジメチルポリシロキサンからなり、EP
S−OHの含有率は12.3重量%(実施例15)およ
び20.7重量%(実施例16)、ジメチルポリシロキ
サンの含有率は0.25重量%(実施例15、16)、
EPS−OHからのブロックの含有モル数/EPS−O
Hの含有モル数の比は18/82(実施例15)および
31/69(実施例16)であった。評価結果を併せて
表2に示す。
【0081】(実施例17、18)SEEPS−OHの
代わりにSEBS−OHを、PBTの理論生成量/SE
BS−OHの添加量の重量比が85/15(実施例1
7)または90/10(実施例18)となる量で添加し
た以外は実施例10と同様にして、エステル交換反応、
ジメチルポリシロキサンの添加および重縮合反応を行
い、それぞれPBT系樹脂組成物を得た。得られたPB
T系樹脂組成物は、いずれもPBT、SEBS−OH、
PBTのブロック/SEBS−OHからのブロックから
なるブロック共重合体およびジメチルポリシロキサンか
らなり、SEBS−OHの含有率は11.4重量%(実
施例17)および8.2重量%(実施例18)、ジメチ
ルポリシロキサンの含有率は0.25重量%(実施例1
7、18)、SEBS−OHからのブロックの含有モル
数/SEBS−OHの含有モル数の比は24/76(実
施例17)および18/82(実施例18)であった。
評価結果を併せて表2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】(実施例19〜28)実施例1、2、4、
7、8、10、11、13、16および17でそれぞれ
得られたPBT系樹脂組成物の100重量部を、3,9
−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1
−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン0.3重量部とともに、二
軸押出機を用いて、240℃で溶融・混練し口金から押
出した後、水冷し切断して、直径2mm、長さ3mmの
チップ状の樹脂組成物をそれぞれ得た(それぞれ、実施
例19、20、21、22、23、24、25、26、
27および28)。評価結果をそれぞれ表3に示す。
【0084】(実施例29、30)実施例10および1
3でそれぞれ得られたPBT系樹脂組成物の100重量
部を、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン0.3重量
部、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト0.1重
量部およびテトラキス[[3−(ドデシルチオ)プロピ
オニルオキシ]メチル]メタン0.1重量部とともに、
二軸押出機を用いて、240℃で溶融・混練し口金から
押出した後、水冷し切断して、直径2mm、長さ3mm
のチップ状の樹脂組成物を得た(それぞれ実施例29お
よび30)。評価結果をそれぞれ表3に示す。
【0085】
【表3】
【0086】上記表3中、酸化防止剤の種類について、
「a」は3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオ
キシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンを意味し、
「b」はビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイトを意
味し、「c」はテトラキス[[3−(ドデシルチオ)プ
ロピオニルオキシ]メチル]メタンを意味する。
【0087】
【発明の効果】上記の実施例から明らかなとおり、本発
明によれば、高いロック強度を有するのみならず、初期
および高温条件に長時間晒された後の両方において、衝
撃に基づく破損が極めて少ないワイヤリングハーネスコ
ネクターを与える成形材料が提供される。本発明の成形
材料は、有機ポリシロキサンおよび/または酸化防止剤
が配合されている場合、破損の抑制効果がさらに向上す
る傾向がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 敏 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内 (72)発明者 増田 晴久 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系樹脂(I)、ビニル芳
    香族化合物重合体ブロック(A−1)および1,2−結
    合量が30%未満のポリブタジエンが水素添加された形
    の水添ポリブタジエンブロック(A−2)からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種のブロック(A)と、水添ポ
    リイソプレンブロック(B−1)、1,2−結合量が3
    0〜80%のポリブタジエンが水素添加された形の水添
    ポリブタジエンブロック(B−2)および水添イソプレ
    ン/ブタジエン共重合体ブロック(B−3)からなる群
    から選ばれる少なくとも1種のブロック(B)とからな
    るか、またはビニル芳香族化合物重合体ブロック
    (C)とポリイソブチレンブロック(D)とからなり、
    かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II)、お
    よびポリエステルブロック(E)とブロック共重合体
    (II)から誘導されるブロック(F)とからなるブロッ
    ク共重合体(III)を必須成分とする樹脂組成物からな
    るワイヤリングハーネスコネクター用成形材料。
  2. 【請求項2】 ポリエステル系樹脂(I)、ビニル芳
    香族化合物重合体ブロック(A−1)および1,2−結
    合量が30%未満のポリブタジエンが水素添加された形
    の水添ポリブタジエンブロック(A−2)からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種のブロック(A)と、水添ポ
    リイソプレンブロック(B−1)、1,2−結合量が3
    0〜80%のポリブタジエンが水素添加された形の水添
    ポリブタジエンブロック(B−2)および水添イソプレ
    ン/ブタジエン共重合体ブロック(B−3)からなる群
    から選ばれる少なくとも1種のブロック(B)とからな
    るか、またはビニル芳香族化合物重合体ブロック
    (C)とポリイソブチレンブロック(D)とからなり、
    かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II)、ポ
    リエステルブロック(E)とブロック共重合体(II)か
    ら誘導されるブロック(F)とからなるブロック共重合
    体(III)および有機ポリシロキサン(IV)を必須成分
    とする樹脂組成物からなるワイヤリングハーネスコネク
    ター用成形材料。
  3. 【請求項3】 ポリエステル系樹脂(I)、ビニル芳
    香族化合物重合体ブロック(A−1)および1,2−結
    合量が30%未満のポリブタジエンが水素添加された形
    の水添ポリブタジエンブロック(A−2)からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種のブロック(A)と、水添ポ
    リイソプレンブロック(B−1)、1,2−結合量が3
    0〜80%のポリブタジエンが水素添加された形の水添
    ポリブタジエンブロック(B−2)および水添イソプレ
    ン/ブタジエン共重合体ブロック(B−3)からなる群
    から選ばれる少なくとも1種のブロック(B)とからな
    るか、またはビニル芳香族化合物重合体ブロック
    (C)とポリイソブチレンブロック(D)とからなり、
    かつ末端に水酸基を有するブロック共重合体(II)、ポ
    リエステルブロック(E)とブロック共重合体(II)か
    ら誘導されるブロック(F)とからなるブロック共重合
    体(III)および酸化防止剤(V)を必須成分とする樹
    脂組成物からなるワイヤリングハーネスコネクター用成
    形材料。
  4. 【請求項4】 ポリエステル交換反応またはエステル化
    反応およびそれに続く重縮合反応によりポリエステル系
    樹脂を製造するに際し、ビニル芳香族化合物重合体ブ
    ロック(A−1)および1,2−結合量が30%未満の
    ポリブタジエンが水素添加された形の水添ポリブタジエ
    ンブロック(A−2)からなる群から選ばれる少なくと
    も1種のブロック(A)と、水添ポリイソプレンブロッ
    ク(B−1)、1,2−結合量が30〜80%のポリブ
    タジエンが水素添加された形の水添ポリブタジエンブロ
    ック(B−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重
    合体ブロック(B−3)からなる群から選ばれる少なく
    とも1種のブロック(B)とからなるか、またはビニ
    ル芳香族化合物重合体ブロック(C)とポリイソブチレ
    ンブロック(D)とからなり、かつ末端に水酸基を有す
    るブロック共重合体を、ポリエステル系樹脂の重縮合反
    応が完了するまでの時期に反応系に添加して得られる樹
    脂組成物からなるワイヤリングハーネスコネクター用成
    形材料。
  5. 【請求項5】 ポリエステル交換反応またはエステル化
    反応およびそれに続く重縮合反応によりポリエステル系
    樹脂を製造するに際し、ビニル芳香族化合物重合体ブ
    ロック(A−1)および1,2−結合量が30%未満の
    ポリブタジエンが水素添加された形の水添ポリブタジエ
    ンブロック(A−2)からなる群から選ばれる少なくと
    も1種のブロック(A)と、水添ポリイソプレンブロッ
    ク(B−1)、1,2−結合量が30〜80%のポリブ
    タジエンが水素添加された形の水添ポリブタジエンブロ
    ック(B−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重
    合体ブロック(B−3)からなる群から選ばれる少なく
    とも1種のブロック(B)とからなるか、またはビニ
    ル芳香族化合物重合体ブロック(C)とポリイソブチレ
    ンブロック(D)とからなり、かつ末端に水酸基を有す
    るブロック共重合体を、ポリエステル系樹脂の重縮合反
    応が完了するまでの時期に反応系に添加して得られる組
    成物および有機ポリシロキサンを必須成分とする樹脂組
    成物からなるワイヤリングハーネスコネクター用成形材
    料。
  6. 【請求項6】 ポリエステル交換反応またはエステル化
    反応およびそれに続く重縮合反応によりポリエステル系
    樹脂を製造するに際し、ビニル芳香族化合物重合体ブ
    ロック(A−1)および1,2−結合量が30%未満の
    ポリブタジエンが水素添加された形の水添ポリブタジエ
    ンブロック(A−2)からなる群から選ばれる少なくと
    も1種のブロック(A)と、水添ポリイソプレンブロッ
    ク(B−1)、1,2−結合量が30〜80%のポリブ
    タジエンが水素添加された形の水添ポリブタジエンブロ
    ック(B−2)および水添イソプレン/ブタジエン共重
    合体ブロック(B−3)からなる群から選ばれる少なく
    とも1種のブロック(B)とからなるか、またはビニ
    ル芳香族化合物重合体ブロック(C)とポリイソブチレ
    ンブロック(D)とからなり、かつ末端に水酸基を有す
    るブロック共重合体を、ポリエステル系樹脂の重縮合反
    応が完了するまでの時期に反応系に添加して得られる組
    成物および酸化防止剤を必須成分とする樹脂組成物から
    なるワイヤリングハーネスコネクター用成形材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちのいずれか一つの項
    に記載のワイヤリングハーネスコネクター用成形材料か
    らなるワイヤリングハーネスコネクター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010137201A1 (ja) 2009-05-27 2010-12-02 オムロン株式会社 耐油性電子機器およびその製造方法

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