JPH0873625A - 磁気記録媒体用二軸配向2,6−ポリエチレンナフタレートフィルム - Google Patents

磁気記録媒体用二軸配向2,6−ポリエチレンナフタレートフィルム

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JPH0873625A
JPH0873625A JP6217400A JP21740094A JPH0873625A JP H0873625 A JPH0873625 A JP H0873625A JP 6217400 A JP6217400 A JP 6217400A JP 21740094 A JP21740094 A JP 21740094A JP H0873625 A JPH0873625 A JP H0873625A
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JP
Japan
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film
recording medium
magnetic recording
biaxially oriented
polyethylene naphthalate
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Pending
Application number
JP6217400A
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English (en)
Inventor
Ikuo Hagiwara
郁夫 萩原
Tsuyoshi Ota
堅 太田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2,6−ポリエチレンナフタレートと不活性
粒子からなる組成物を主たる成分とする下記(1)、
(2)の条件を満足したフイルムであって、該フイルム
の少なくとも片面が易接着化処理されていることを特徴
とする磁気記録媒体用二軸配向2,6−ポリエチレンナ
フタレートフイルム。 (1)幅方向ヤング率≧1000kg/mm2 (2)長手方向ヤング率≦幅方向ヤング率−200kg
/mm2 【効果】 本発明の二軸配向2,6−ポリエチレンナフ
タレートフイルムは、幅方向の強度を規定し、かつ少な
くとも片面を易接着化処理することによって磁性層との
接着力が向上したので、テープ製造過程でのスリット不
良(ハイエッジ)が改善されるとともに、高密度磁気記
録媒体とした際に優れた出力特性と低ドロップアウト化
を達成することができ、今後の長時間・高密度記録にも
充分耐え得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用二軸配向
2,6−ポリエチレンナフタレートフイルムに関し、特
に、デジタル記録方式の塗布型高密度磁気記録媒体用フ
イルムとして好適な強度特性、接着性、スリット性の改
良を図ったポリエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体およびそのフイルムとして
は、長手方向および幅方向の強度を規定した2,6−ポ
リエチレンナフタレートフイルムおよびそれを用いた磁
気記録媒体が知られている(例えば、特開昭63−11
3931号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の磁気記録媒
体用フイルムは、長手方向および幅方向の強度を規定す
ることによって磁気記録媒体としての出力特性は向上し
たが、従来常用されているポリエチレンテレフタレート
と比べ疎水性の強い2,6−ポリエチレンナフタレート
を高度に配向処理していることから磁性層のバインダー
樹脂との接着性に問題があった。特に、ヘリカルスキャ
ン方式に適用される薄型の高密度磁気記録媒体において
は、出力特性向上のため支持体フイルムの幅方向強度ア
ップが重要となるが、そのような高密度磁気記録媒体で
は上記の問題がより一層顕著となった。具体的には、テ
ープ端面から磁性層が脱落してドロップアウトを引き起
こしたり、テープ端部がハイエッジとなり実用に耐え得
なくなる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、高密度磁気記録媒
体として高出力特性を満足させながら、同時に磁性層と
の接着性を向上させ得るフイルムを見い出し、本発明に
到達した。
【0005】即ち、本発明は、2,6−ポリエチレンナ
フタレートと不活性粒子からなる組成物を主たる成分と
する下記(1)、(2)の条件を満足したフイルムであ
って、該フイルムの少なくとも片面が易接着化処理され
ていることを特徴とする磁気記録媒体用二軸配向2,6
−ポリエチレンナフタレートフイルム。
【0006】 (1)幅方向ヤング率≧1000kg/mm2 (2)長手方向ヤング率≦幅方向ヤング率−200kg
/mm2 以下本発明をさらに詳細に説明する。
【0007】本発明の2,6−ポリエチレンナフタレー
トとは、ナフタレン2,6−ジカルボン酸またはそのエ
ステルとエチレングリコールとを重縮合させて得られる
ポリエステルである。かかるポリエステルの代表的なも
のとして、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを挙げ
ることができる。該ポリエステルはホモポリマーであっ
ても良く、また第3成分を共重合させたものでもよい。
いずれにしても、本発明においてはエチレン−2,6−
ナフタレート単位が80モル%以上、好ましくは90モ
ル%以上であるポリエステルがよい。
【0008】本発明の2,6−ポリエチレンナフタレー
トフイルムは、上記のポリマを主要成分とするが、本発
明の目的を阻害しない範囲内で他種ポリマをブレンドし
てもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線
吸収剤等の添加剤が通常添加される程度添加されていて
もよい。
【0009】本発明のフイルム表面を形成させるため
に、平均粒径0.01〜1.5μm、好ましくは0.0
3〜1.0μm、さらに好ましくは0.05〜0.8μ
mの不活性粒子を含有させるのがよい。具体的には、カ
オリン、タルク、硫化モリブデン、硫酸バリウム、フッ
化カルシウム、ゼオライト、リン酸カルシウム、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン、カーボンブラック、シリカ、ポ
リスチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリアク
リル系粒子、架橋ポリエステル粒子、架橋シリコーン粒
子、架橋ポリジビニルベンゼン粒子等を挙げることがで
き、特に架橋ポリジビニルベンゼン粒子は本発明の目的
を一層良好とするので望ましい。これらの粒子は、数種
の大きさ、種類を組合せて用いてもよいし、さらには結
晶形がα型、γ型、δ型、θ型、η型のアルミナ、ジル
コニア、シリカ、チタン等の微細凝集粒子を併用して用
いてもよい。
【0010】上記不活性粒子の含有量は特に限定されな
いが、通常0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜
2重量%がよい。
【0011】本発明フイルムの表面粗度は特に限定され
ないが、高密度磁気記録媒体用として、その中心線平均
粗さ(Ra)は、通常3〜20nm、好ましくは4〜1
5nm、さらに好ましくは5〜10nmがよい。
【0012】本発明のポリエステルフイルムは、上記組
成物を二軸配向したフイルムであり、一軸あるいは無配
向フイルムでは幅方向強度が不足するので好ましくな
い。特に、本発明のフイルムは、出力特性の観点から、
幅方向のヤング率が1000kg/mm2 以上、好まし
くは1200kg/mm2 以上、さらに好ましくは13
50kg/mm2 以上であることが必要である。
【0013】本発明フイルムの長手方向のヤング率は特
に限定されないが、通常500kg/mm2 以上、好ま
しくは550kg/mm2 以上がよい。ただし、長手方
向のヤング率が、幅方向のヤング率−200(kg/m
2 )以下、好ましくは幅方向のヤング率−250(k
g/mm2 )以下、さらに好ましくは幅方向のヤング率
−300(kg/mm2 )以下である場合に本発明の効
果が顕著に発揮される。即ち、長手方向のヤング率が、
幅方向のヤング率−200(kg/mm2 )以内、さら
には長手方向のヤング率が幅方向のヤング率と同等ある
いはそれ以上の場合には前述したようなテープ端面のハ
イエッジあるいはテープ端面からの磁性層脱落は比較的
発生し難い傾向を示すためである。これは、通常磁性層
中の磁性体粒子は長手方向に高度に配向処理されてお
り、一方、疎水性の強い、即ち接着性に乏しい2,6−
ポリエチレンナフタレートからなる支持体フイルムが幅
方向に高度に配向処理、即ち高強度化されていると、所
定のテープ幅へスリットする際、その界面で劇的な破断
抵抗差が発生し、応力が集中してフイルムと磁性層との
部分的剥離が発生するためであると推察できる。
【0014】したがって、本発明のフイルム表面には易
接着化処理が必要である。易接着化処理としては水溶性
または水分散性ポリマをコーティングする方法がよい。
【0015】本発明の水溶性または水分散性ポリマ種と
して、例えばポリエステル系、ウレタン系、アクリル
系、さらにはアクリルグラフトポリエステル系、ポリエ
ステルポリウレタン系等を挙げることができ、一種また
は二種以上を併用して用いることもできる。これらの中
で、特にポリエステル系が接着性の点で好ましい。
【0016】ポリエステル系ポリマを構成する成分とし
て、次のような多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化
合物を挙げることができるが、これに限定されるもので
はない。
【0017】多価カルボン酸としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4
´−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、ト
リメリット酸、トリメシン酸およびエステル形成性スル
ホン酸アルカリ金属塩化合物、具体的にはスルホテレフ
タル酸、5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタ
ル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン
−2,6−ジカルボン酸等のアルカリ金属塩を挙げるこ
とができる。
【0018】多価ヒドロキシ化合物としては、エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、ビスフェノールA−エチレングリコール付加
物、ビスフェノールS−エチレングリコール付加物、ジ
エチレングリコール、トリエレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等を挙げることができる。
【0019】上記化合物の中からそれぞれ適宜一種以上
選択して、常法の重縮合反応によりポリマを得る。なか
でも、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸の
ナトリウム、カリウム塩を1〜30重量%用いるのは本
発明の目的を一層良好とするので好ましい。
【0020】好ましい組み合わせとして、5−スルホイ
ソフタル酸ナトリウム塩−テレフタル酸−エチレングリ
コール−ジエチレングリコール共重合体を挙げることが
できる。
【0021】ウレタン系ポリマを構成する成分として、
次のようなポリオール、ポリイソシアネート、鎖長延長
剤、架橋剤等を挙げることができるが、これに限定され
るものではない。
【0022】ポリオールとしては、ポリオキシエチレン
グリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオ
キシテトラメチレングリコール等のポリエーテル類、ポ
リエチレンアジペート、ポリエチレン−ブチレンアジペ
ート、ポリカプロラクトン等のポリエステル類、アクリ
ル系ポリオール等を挙げることができる。
【0023】ポリイソシアネートとしては、トリレンジ
イソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4
´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等
を挙げることができる。
【0024】鎖長延長剤あるいは架橋剤としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジン、エチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、4,4´−ジア
ミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジシクロヘ
キシルメタン等を挙げることができる。
【0025】好ましい組み合わせとして、ポリオキシエ
チレングリコール、フェニレンジイソシアネート、エチ
レングリコールを挙げることができる。
【0026】アクリル系ポリマを構成する成分として
は、次のようなモノマを従来公知の方法で(共)重合し
たポリマがよく、特に架橋性官能基、具体的には、カル
ボキシル基、メチロール基、酸無水物基、スルホン酸
基、アミド基またはメチロール化されたアミド基、アル
キロール化されたアミド基、水酸基、エポキシ基等を有
したモノマが共重合の一成分として用いられるのが好ま
しい。
【0027】モノマ成分としては、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン
酸、アルキル(メタ)アクリレート(アルキル:メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、ス
テアリル、シクロヘキシル)、アクリロニトリル、スチ
レン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニ
ルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸、ス
チレンスルホン酸、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチルメタクリルアミド、メチロール化アクリ
ルアミド、メチロール化メタアクリルアミド、ジエチル
アミノエチルビニルエーテル、2−アミノエチルビニル
エーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアク
リレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキ
シプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、ヒドロキシビニルエーテル、ポリエチレングリ
コールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノ
メタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレート等を挙げることができる。
【0028】本発明のアクリル系ポリマは、本発明の効
果をより顕著に発現させるために、そのガラス転移点は
20℃以上、好ましくは40℃以上が望ましく、分子量
は10万以上、好ましくは20万以上が望ましい。ま
た、架橋性官能基を架橋させる目的で架橋剤、例えばメ
ラミン樹脂、イソシアネート基を有するポリマ等を添加
してもよい。
【0029】好ましい組み合わせとして、メチルメタク
リレート−ブチルアクリレート−メチロール化アクリル
アミド−アクリル酸共重合体を挙げることができる。
【0030】本発明の易接着化処理用塗布液(以下、塗
布液と記載)には、塗布層のブロッキング性、耐久性等
の改良を目的として、ワックスを含有させてもよい。ワ
ックスは水分散体でも微粉末状であってもよいが、取扱
い性の点で水分散体が好ましい。
【0031】本発明に用いられるワックスは特に限定さ
れないが、石油系ワックス、植物系ワックス、合成ワッ
クス、鉱物系ワックス、動物系ワックスを例示でき、具
体的には、鯨ロウ、中国ロウ、羊毛ロウ等の動物系ワッ
クス、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ロ
ウ、さとうきびロウ等の植物系ワックス、モンタンロ
ウ、オゾケライト、セレシン、リグナイトワックス等の
鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリス
タリンワックス等の石油系ワックス、低分子量ポリオレ
フィンおよびその誘導体、モンタンワックス誘導体、パ
ラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワック
ス誘導体等の変成ワックス、セチルアルコールとステア
リン酸などの合成脂肪族アルコールと酸、グリセリルス
テアレート、ポリエチレングリコールステアレートなど
の合成脂肪酸エステルとグリセライド、カスターワック
ス、オパールワックスなどの水素化ワックス、α−オレ
フィンワックス等を挙げることができる。特に、主成分
が炭素数17〜33の高級脂肪酸と炭素数17〜33の
多価アルコールからなる高級脂肪酸エステル化合物が耐
ブロッキング性、耐久性等の点で好ましい。これらワッ
クス成分は、易接着化用ポリマに対し、固形分重量比で
0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜7.5重量
%、さらに好ましくは0.3〜5重量%がよい。10重
量%を越えると磁性層との接着力が不充分となり好まし
くない。
【0032】本発明の塗布液には、耐ブロッキング性、
機械的強度、耐溶剤性、塗布適性等のさらなる向上を目
的として、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニウムゾル、架
橋有機系超微粒子、消泡剤、増粘剤、帯電防止剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤等を含有させてもよい。
【0033】上記塗布液を塗布する方法としては、リバ
ースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダ
イコート法、エアドクターコート法、ワイヤーバーコー
ト法等を用いることができる。これらを用いて、既に二
軸延伸されたフイルムに塗布してもよく、また二軸延伸
フイルム製造工程内で塗布してもよいが、二軸延伸フイ
ルム製造工程内で塗布するのが、本発明の目的を達成す
るのに好ましく、特に長手方向に一軸延伸された、結晶
配向が完了する前のフイルムに塗布し、次いで乾燥、幅
方向に延伸し、熱処理する方法は本発明の効果を顕著に
発揮でき、かつ経済的メリットも大きいので非常に好ま
しい。さらに、塗布前のフイルムに放電処理や化学処理
を施してもよい。
【0034】本発明において、塗布層の厚みは、本発明
の目的を達成する範囲内であれば特に限定されないが、
通常0.005〜0.2μm、好ましくは0.01〜
0.1μm、さらに好ましくは0.02〜0.07μm
がよい。塗布層の厚みが0.005μm未満では充分な
接着力が得られ難く、一方、0.2μmを越えると耐ブ
ロッキング性、機械的強度が低下し易くなる。
【0035】本発明の塗布液は、フイルムの少なくとも
片面に塗布されていればよく、その場合、塗布面は磁気
記録媒体とした際に磁性面である必要がある。
【0036】もちろん両面に塗布されていてもよく、そ
の場合、両面ともに同じ塗布液組成であってもなくても
よい。
【0037】本発明のポリエステルフイルムの総厚みは
特に限定されないが、高密度磁気記録媒体としての録画
・再生時間あるいはデータ記録容量の観点から、10μ
m以下、好ましくは8μm以下、さらに好ましくは6μ
m以下であることが好ましい。
【0038】また、本発明のフイルムは、本発明の構成
要件を満足していれば、単層または二層以上の積層フイ
ルムであってもよい。
【0039】次に本発明フイルムの好ましい製造方法に
ついて説明するが、これに限定されるものではない。
【0040】まず、ポリエステルに粒子を含有させる方
法としては、ジオール成分であるエチレングリコール等
のスラリーの形で分散させ、該スラリーを所定のジカル
ボン酸成分と重合させる方法、あるいは粒子を水スラリ
ーの形で、予め重合させたポリエステルと混合し、ベン
ト方式の2軸押出機を用いて混練して練り込む方法等を
挙げることができる。ここで、粒子のエチレングリコー
ル等のスラリーを140〜200℃、特に180〜20
0℃の温度で30分〜5時間、特に1〜3時間熱処理し
たり、粒子の水スラリー中に水溶性高分子分散剤を少量
添加して分散安定化処理する方法は、本発明の効果を一
層良好とするのに非常に有効である。
【0041】粒子の含有量を調節する方法としては、上
記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製膜時に
粒子を実質的に含有しないポリエステルで希釈して粒子
の含有量を調節する方法が有効である。
【0042】かくして調節されたポリエステル原料チッ
プを必要に応じて乾燥させる。
【0043】次に、本発明のフイルムを得る方法として
は次の方法が有効である。
【0044】ポリエステル原料チップを公知の溶融押出
機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、
キャスティングロール上で冷却固化させて未延伸フィル
ムを作る。次に、該未延伸フィルムを二軸延伸、熱固定
させる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時
二軸延伸法を用いることができるが、逐次二軸延伸法が
好ましい。通常、80〜180℃の温度で長手方向に
3.5倍以上延伸して一軸延伸フイルムを得る。該フイ
ルムの片面にコロナ放電処理を施し、所定の塗布液を塗
布した後、該フイルムの両端部をクリップで把持してテ
ンター内に導き、80〜130℃で乾燥するとともに幅
方向に80〜170℃の温度で4倍以上延伸し、次に1
70〜230℃の温度で熱処理する。長手方向の延伸速
度は5000〜50000%/分の範囲が好ましく、ま
た幅方向の延伸速度は1000〜20000%/分が好
ましい。もちろん長手・幅方向に延伸した後、さらに1
10〜180℃の温度で長手方向に1.03〜1.5倍
再延伸および/または130〜200℃の温度で幅方向
に1.03〜1.7倍再延伸した後に熱処理する方法も
用いられる。
【0045】本発明のポリエステルフイルムは磁気記録
媒体用に供される。特に、高出力が要求されるデジタル
記録方式の塗布型磁気記録媒体用として好ましく用いら
れる。
【0046】
【物性の測定方法ならびに効果の評価方法】本発明の特
性値の測定方法ならびに効果の評価方法は次のとおりで
ある。
【0047】(1)ヤング率 フイルムを幅10mm、長さ200mmにサンプリング
し、チャック間100mm、引張り速度100mm/分
として、インストロンタイプの引張り試験機を用いて、
23℃×65%RH下で測定した。
【0048】(2)塗布層の厚さ フイルム断面をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察し、
粒子濃度の変化状態やコントラストの差から界面を認識
し厚さを求める。厚みは測定視野内の平均値とし、30
視野にわたり測定した。
【0049】(3)出力特性およびスリット性(ハイエ
ッジ) 易接着化処理されたフイルム面側に、充分混合、分散処
理した下記組成の磁性層用塗料を塗布、磁場配向、乾
燥、カレンダー処理し、次に、フイルムの他方の面側に
下記組成のバック用塗料を塗布、乾燥し、さらに60℃
で48時間キュアリングしてロール状原反を得た。ここ
で、磁性層は2.3μm厚、バック層は0.5μm厚と
なるよう調製した。最後に、ロール状原反を1/2イン
チ幅にスリットし、カセットハーフに組み込んで測定用
サンプルを得た。
【0050】 磁性層用塗料組成 強磁性合金粉末 100部 (抗磁力=1800Oe,粒子サイズ=0.25μm,針状比=10/1) 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 15部 ポリウレタン樹脂 5部 ポリイソシアネート 6.5部 ミリスチン酸 2部 レシチン 1部 酸化アルミ粉末(平均粒子径:0.2μm) 4部 カーボンブラック(平均粒子径:0.09μm) 1部 メチルエチルケトン 180部 トルエン 40部 シクロヘキサノン 80部 バック層用塗料組成 カーボンブラック(平均粒子径:0.03μm) 100部 カーボンブラック(平均粒子径:0.28μm) 4部 ニトロセルロース 100部 ポリウレタン樹脂 20部 ポリイソシアネート 20部 メチルエチルケトン 480部 トルエン 20部 (A)出力特性 D−3(1/2インチデジタルコンポジット)VTRを
用いて、Referenceテープ(総厚み13.5μ
mのPETフイルムからなる)に対する相対出力を測定
し、次のとおり判定した。
【0051】出力特性:◎(+2dB以上) 出力特性:○(0〜+2dB) 出力特性:×(0dB未満) 出力特性は、○以上がよい。
【0052】(B)スリット性(ハイエッジ) 上記の1/2インチテープのパンケーキ(2600m
長)のスリット端面盛り上がりを観察し、次のとおり判
定した。
【0053】スリット性:◎(全く盛り上がりがない) スリット性:○(極僅かに盛り上がりは認められるが、
パンケーキ特性、テープ特性上問題ないレベル) スリット性:△(軽度の盛り上がりが認められ、パンケ
ーキ特性は問題ないが、テープ特性上問題となるレベ
ル) スリット性:×(中程度以上の盛り上がりが認められ、
パンケーキとしても問題となるレベル) スリット性は○以上がよい。
【0054】(4)接着性 上記の1/2インチテープの磁性層面に1mm2 のクロ
スカットを100個入れ、スコッチ(製)テープを粘着
させた後180度方向に急速に剥離し、残存した個数で
判定した。
【0055】接着性:◎(90個以上残存) 接着性:○(70〜90個残存) 接着性:×(70個未満残存) 接着性は○以上がよい。
【0056】
【実施例】以下本発明を実施例によって更に詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0057】実施例1 架橋ポリジビニルベンゼン粒子(平均粒子径:0.25
μm)の水スラリーを直接2,6−ポリエチレンナフタ
レート(PEN)チップと混合し、ベント式の2軸混練
押出し機を用いて練り込み、PENの粒子チップを得
た。
【0058】該粒子チップと実質的に粒子を含有しない
PENポリマチップを粒子濃度が0.12重量%となる
よう混合し、180℃で8時間減圧乾燥した後、押出し
機に供給し、290℃で溶融した。該ポリマを静電印加
キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティングド
ラム上に押出し、冷却固化させ、未延伸フイルムを得
た。該未延伸フイルムを温度135℃にて長手方向に
4.5倍延伸し、次いで水溶性ポリエステル(テレフタ
ル酸90モル%、スルホイソフタル酸ナトリウム塩10
モル%、エチレングリコール95モル%、ジエチレング
リコール5モル%からなる共重合体)とカルナバワック
スの混合塗液(15/1の固形分重量比)を最終塗膜厚
みが0.03μmとなるようにグラビアロールで塗布し
た後テンター内に導き、100℃で乾燥、さらに130
℃で幅方向に5.5倍延伸した。さらに、テンターを用
いて160℃で幅方向に1.4倍延伸した後、定長下で
200℃にて5秒間熱処理し、厚み7.0μm、表面粗
さ(Ra)6nmの磁気記録媒体用ポリエステルフイル
ムを得た。該フイルムの特性は表1に示したとおりであ
り、出力特性、接着性およびスリット特性が良好であっ
た。
【0059】実施例2〜4、比較例1〜4 実施例1と同様にして、フイルム幅方向強度、幅方向と
長手方向の強度差、易接着化処理の有無および易接着化
処理剤の種類等を変更したポリエステルフイルムを得
た。表1に示したとおり、本発明範囲のフイルムは、出
力特性、スリット特性および接着性が良好であるが、そ
うでないフイルムは出力特性、スリット特性および接着
性が良好でないことがわかる。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明の二軸配向2,6−ポリエチレン
ナフタレートフイルムは、幅方向の強度を規定し、かつ
少なくとも片面を易接着化処理することによって磁性層
との接着力が向上したので、テープ製造過程でのスリッ
ト不良(ハイエッジ)が改善されるとともに、高密度磁
気記録媒体とした際に優れた出力特性と低ドロップアウ
ト化を達成することができ、今後の長時間・高密度記録
にも充分耐え得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,6−ポリエチレンナフタレートと不
    活性粒子からなる組成物を主たる成分とする下記
    (1)、(2)の条件を満足したフイルムであって、該
    フイルムの少なくとも片面が易接着化処理されているこ
    とを特徴とする磁気記録媒体用二軸配向2,6−ポリエ
    チレンナフタレートフイルム。 (1)幅方向ヤング率≧1000kg/mm2 (2)長手方向ヤング率≦幅方向ヤング率−200kg
    /mm2
  2. 【請求項2】 易接着化処理が水系ポリエステル、水系
    アクリルおよび水系ウレタンから選ばれる少なくとも一
    種のポリマによってなされていることを特徴とする請求
    項1記載の磁気記録媒体用二軸配向2,6−ポリエチレ
    ンナフタレートフイルム。
  3. 【請求項3】 易接着化処理がフイルムの結晶配向の完
    了する前になされることを特徴とする請求項1、2記載
    の磁気記録媒体用二軸配向2,6−ポリエチレンナフタ
    レートフイルム。
  4. 【請求項4】 不活性粒子が架橋ポリジビニルベンゼン
    粒子であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
    体用二軸配向2,6−ポリエチレンナフタレートフイル
    ム。
  5. 【請求項5】 塗布型磁気記録媒体に用いられてなるこ
    とを特徴とする請求項1〜4記載の磁気記録媒体用二軸
    配向2,6−ポリエチレンナフタレートフイルム。
  6. 【請求項6】 デジタル記録方式に用いられてなること
    を特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体用二軸配向
    2,6−ポリエチレンナフタレートフイルム。
JP6217400A 1994-09-12 1994-09-12 磁気記録媒体用二軸配向2,6−ポリエチレンナフタレートフィルム Pending JPH0873625A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002133652A (ja) * 2000-10-24 2002-05-10 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用ポリエステルフィルムの製造方法

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JP2002133652A (ja) * 2000-10-24 2002-05-10 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用ポリエステルフィルムの製造方法

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