JPH0872485A - 貼着フォーマットシートおよびその製作方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォーマットシートへの書込みまたはその消
去の繰り返しによりフォーマットの印刷が掠れたり、剥
がれたりすることを防止する。 【構成】透明または半透明材料で基材を形成し、その基
材の表面にハードコート処理層を設けて表面側に書込み
またはその消去可能な手書き面１０ａを設ける。一方、
その基材の裏面には、トナー定着層を設けそれに前記フ
ォーマット１１を印刷するとともに、黒板や白板のよう
な他部材へ引き剥がし自在に貼り付ける貼着層１２を該
フォーマット１１を避けて備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、黒板や白板や電子黒
板や掲示板等の筆記面、あるいは任意な壁面などに引き
剥がし自在に貼り付けて使用する貼着フォーマットシー
ト、およびその貼着フォーマットシートの製作方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】たとえば電子黒板において、その筆記面
に書く情報は単に文字だけでなく、表、グラフ、イラス
トなどの図形を伴うものも数多くあることから、それら
の筆記面に予めフォーマットを印刷しておけば便利であ
る。しかし、たとえば電子黒板の筆記面に特定のフォー
マットを一旦印刷すると、該電子黒板を他の用途に使用
できない不具合を生ずる。

【０００３】そこで、従来、たとえば電子黒板の中に
は、その筆記面に別体のフォーマットシートを引き剥が
し自在に貼り付けるものがある。

【０００４】そのようなフォーマットシートの中には、
たとえばシートの表面側にフォーマットを印刷または
製図したものがある（実開昭６１−２１１６５号公報参
照）。また、支持体上にフィルムを張り合わせ、該フ
ィルム面に、昇華性染料インキでフォーマット印刷され
たオリジナルシートの印刷面を重ね合わせ、加熱定着し
て昇華性染料インキを該フィルム側に昇華転写してフォ
ーマットの印刷を施したものがある（特開昭６１−２８
７７９７号公報参照）。

【０００５】そして、前記のフォーマットシートを使
用するときには、たとえば電子黒板の筆記面に、該フォ
ーマットシートを前記粘着剤により貼着し、この状態で
フォーマットに従って数値などの内容を書き込んでい
た。一方、その内容の用済み後、消し部材を用いて消去
していた。また、前記のフォーマットシートを使用す
るときには、たとえば電子黒板の筆記面に、前記支持体
の裏面側に塗布した粘着剤により該フォーマットシート
を貼着し、この状態でフォーマットに従って数値などの
内容を書き込んでいた。一方、その内容の用済み後、消
し部材を用いて消去していた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
そのようなフォーマットシートは、いずれもシートの表
面側にフォーマットを印刷するので、消し部材を用いて
消去するとき、フォーマットの印刷面を擦ることとな
り、書込みおよびその消去の繰り返しによりフォーマッ
トの印刷が掠れたり、剥がれたりする問題があった。

【０００７】そこで、この発明の目的は、フォーマット
シートへの書込みまたはその消去の繰返しによりフォー
マットの印刷が掠れたり、剥がれたりすることを防止す
ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そのため、請求項１に記
載の貼着フォーマットシート１０は、たとえば以下の図
示実施例に示すとおり、表面側に書込みまたはその消去
可能な手書き面１０ａを有し、裏面側にフォーマット１
１を設けてなることを特徴とする。

【０００９】請求項２に記載のものは、たとえば以下の
図示実施例に示すとおり、請求項１に記載の貼着フォー
マットシート１０において、透明または半透明材料で基
材１３を形成し、その基材１３の表面にハードコート処
理層１４を設けて前記手書き面１０ａとし、裏面にトナ
ー定着層１５を設けそれに前記フォーマット１１を印刷
してなることを特徴とする。

【００１０】請求項３に記載のものは、たとえば以下の
図示実施例に示すとおり、請求項１に記載の貼着フォー
マットシート１０において、表面もしくは裏面またはそ
れらの双方に静電気防止処理２１を施してなることを特
徴とする。

【００１１】請求項４に記載のものは、たとえば以下の
図示実施例に示すとおり、請求項１に記載の貼着フォー
マットシート１０において、裏面側に、他部材へ引き剥
がし自在に貼り付ける貼着層１２を備えてなることを特
徴とする。

【００１２】請求項５に記載のものは、たとえば以下の
図示実施例に示すとおり、請求項４に記載の貼着フォー
マットシート１０において、前記フォーマット１１を避
けて前記貼着層１２を備えてなることを特徴とする。

【００１３】請求項６に記載の貼着フォーマットシート
１０は、たとえば以下の図示実施例に示すとおり、透明
または半透明材料の基材１３の表面にハードコート処理
１４を施すとともに、裏面にトナー定着層１５を設け、
そのトナー定着層１５にプリンタ２０でフォーマット１
１を印刷してなることを特徴とする。

【００１４】

【作用】そして、貼着フォーマットシート１０を使用す
るときは、裏面側にたとえば両面テープを取り付け、該
両面テープによりたとえば電子黒板２５の筆記シート２
６のような他部材へ貼り付け、たとえば専用マーカーを
用いて表面側の手書き面１０ａに、裏面側のフォーマッ
ト１１を利用して自由に書き込む。一方、適時に消し部
材を用いて手書き面１０ａを擦って書き込み内容を消去
する。その消去時、フォーマット１１の印刷面を擦らな
い。

【００１５】その貼着フォーマットシート１０の使用を
必要としないときは、該貼着フォーマットシート１０を
引き剥がす。

【００１６】請求項３に記載のものでは、静電気防止処
理層２１で静電気の発生を防ぐ。

【００１７】請求項４に記載のものでは、貼着層１２に
より他部材に貼り付ける。

【００１８】請求項５に記載のものでは、フォーマット
１１を除いて貼着フォーマットシート１０を他部材に貼
り付ける。

【００１９】

【実施例】以下、図面を参照しつつ、この発明の実施例
を説明する。図１は、この発明の一実施例である貼着フ
ォーマットシートの表面図である。

【００２０】貼着フォーマットシート１０は、たとえば
Ａ０サイズの大きさとし、図中手前の表面側に、書込み
またはその消去可能な手書き面１０ａを有し、図中奥側
の裏面側にフォーマット１１を設けるとともに貼着層１
２を備えてなる。

【００２１】すなわち、貼着フォーマットシート１０
は、図２に示すように、基材１３を備える。その基材１
３は、透明または半透明の高分子樹脂材料、たとえばポ
リエステル樹脂やポリエーテルスルフォン樹脂等でシー
ト状に形成する。そして、その基材１３の図中上側、す
なわち表面側にシリコンやテフロン等を用いてハードコ
ート処理層１４を設けて前記手書き面１０ａとしてな
る。他方、前記基材１３の図中下側、すなわち裏面側に
は、トナー定着層１５を設けるとともに、該トナー定着
層１５に図３に示す印刷手順により前記フォーマット１
１を印刷する。

【００２２】さて、フォーマット１１を印刷するとき
は、先ず、図３（イ）に示すように、たとえばＡ０サイ
ズの用紙１６に日程表のようなフォーマット１１をワー
プロでまたは手書きで作成して原版１７をつくる。

【００２３】それから、図３（ロ）に示すように、スキ
ャナー１８内を通して前記原版１７を矢示方向へ搬送す
る。そのとき、図示しない読取部で原版１７上のフォー
マット１１を読み取り、その読取内容を処理部１９で鏡
映反転する。

【００２４】一方、前記ハードコート処理層１４やトナ
ー定着層１５を設けた基材１３を、図３（ハ）に示すよ
うに、プリンタ２０内を通して矢示方向へ搬送する。そ
のとき、図示しない記録部でトナーを用いて前記トナー
定着層１５に前記鏡映反転した読取内容を記録する。そ
して、図３（ニ）に示すように、基材１３のトナー定着
層１５にフォーマット１１を印刷する。

【００２５】その印刷後、静電気防止処理を施し、図２
に示すように、貼着フォーマットシート１０の表面側お
よび裏面側に静電気防止処理層２１を設ける。

【００２６】また、図４に示すように、貼着フォーマッ
トシート１０の裏面側には、前記フォーマット１１を避
けて側縁に両面テープを取り付けて前記貼着層１２を形
成する。

【００２７】なお、上述した図示実施例では、両面テー
プを取り付けて貼着層１２とした。しかし、図５に示す
ように、メンデングテープを取り付けて貼着層１２とし
てもよいし、図示省略するが、接着剤を塗布して貼着層
としてもよい。

【００２８】しかして、上述した貼着フォーマットシー
ト１０を使用するときは、図６に示すように、たとえば
電子黒板２５の筆記シート２６上に該貼着フォーマット
シート１０を前記貼着層１２により貼り付ける。そし
て、手書き面１０ａに専用マーカーでフォーマット１１
に従って数値等の内容を書き込む。その後、書込み内容
が用済みとなったときは、図示しないイレーザで手書き
面１０ａを擦り、フォーマット１１の印刷面を擦ること
なく画像を消去する。そうして、書込みまたはその消去
を繰り返して使用する。

【００２９】なお、前記電子黒板２５の筆記シート２６
は、たとえばポリエステルフィルムからなるエンドレス
ベルトで、図７に示すように、一つの駆動ロ−ラ２７と
三つの従動ロ−ラ２８・２９・３０間に掛け回して移動
自在に設け、図６に示すように、その一部を黒板本体部
３３の窓孔３３ａから露出してなる。

【００３０】そして、前記貼着フォーマットシート１０
に書き込んだ内容を記録するときは、図６中操作部３１
で操作して前記駆動ロ−ラ２７を回転駆動し、前記筆記
シート２６を図中左右いずれか一方へ移動する。そのと
き、図示しない画像読取機構で貼着フォーマットシート
１０上の画像を読取センサにより読み取る。そうして、
プリントしたいときは、サーマルプリンタ３２で電子黒
板２５に備える用紙に記録してプリントアウトする。

【００３１】なお、図７中、前記従動ロ−ラ２９の前後
における折り返された筆記シート２６間の隙間を大きく
表示しているが、従動ロ−ラ２９の前後で、折り返され
た筆記シート２６と貼着フォーマットシート１０の手書
き面１０ａが擦れることがあってもそれら双方が静電気
によりくっつくことがないので、該筆記シート２６の移
動を妨げない。

【００３２】一方、貼着フォーマットシート１０の使用
が必要なくなったときは、図６の状態において、該貼着
フォーマットシート１０の端を指等で摘んで筆記シート
２６から引き剥がす。

【００３３】なお、引き剥がした後は、たとえば電子黒
板や掲示板や壁面等に再び貼着層１２により貼り付けて
表示することも可能である。

【００３４】ところで、上述した図示実施例では、読取
部を固定して読み取るタイプの電子黒板２５に貼着フォ
ーマットシート１０を使用した。しかし、図示省略する
が、読取部を移動して読み取るタイプの電子黒板に貼着
フォーマットシート１０を使用することもできる。ま
た、読取装置や記録装置を有しない黒板や白板にも適用
することができる。

【００３５】また、上述した図示実施例では、裏面側に
貼着層１２を備え、該貼着層１２により他部材に貼り付
けた。しかし、図示省略するが、裏面側に貼着層１２を
備えることなく、別途用意した粘着テープ等で他部材に
貼り付ける構成としてもよい。

【００３６】

【発明の効果】以上のことから、この発明によれば、表
面側に書込みまたはその消去可能な手書き面を有し、裏
面側にフォーマットを設ける構成とするので、書込みを
消去するときフォーマットの印刷面を擦ることがない。
よって、長期連続的に書込みまたはその消去を繰り返し
てもフォーマットが掠れたり剥がれたりすることがな
く、耐久性に優れ、品質の向上を図ることができる。

【００３７】請求項３に記載のものによれば、静電気防
止処理層で静電気の発生を防ぐので、たとえば貼着フォ
ーマットシートへの塵埃の付着を防止することができ、
また、たとえば筆記シートを移動する電子黒板に使用す
る場合に、折り返して移動する筆記シート間で貼着フォ
ーマットシートの手書き面と筆記シートとが擦れても双
方がくっつくことがなく、従って、筆記シートの静電気
による移動の妨げを防止することができる。

【００３８】請求項４に記載のものによれば、貼着層に
より他部材に貼り付けるので、たとえば粘着テープや接
着剤等を別途用意する必要がなく、貼り付けを容易にで
きる。

【００３９】請求項５に記載のものによれば、フォーマ
ットが他部材に貼り付かないので、貼着フォーマットシ
ートを他部材から引き剥がすとき、フォーマットが貼り
付いたまま残って他部材を汚すことを防止することがで
きる。

【００４０】請求項６に記載のものによれば、透明また
は半透明材料の基材の表面にハードコート処理を施すと
ともに、裏面にトナー定着層を設け、そのトナー定着層
にプリンタでフォーマットを印刷するので、フォーマッ
トの印刷を剥がれないようにすることができるととも
に、たとえばシルクスクリーン印刷によりフォーマット
を印刷するものに比べて手間がかからず、低コストでつ
くることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例である貼着フォーマットシ
ートの表面図である。

【図２】図１中Ａ−Ａ線の一部の拡大断面図である。

【図３】（イ）乃至（ニ）は、その貼着フォーマットシ
ートの印刷手順を説明する説明図である。

【図４】その貼着フォーマットシートの端部の部分斜視
図である。

【図５】別の貼着フォーマットシートの端部の部分斜視
図である。

【図６】前記貼着フォーマットシートの使用例を示す電
子黒板の要部の正面図である。

【図７】その電子黒板の筆記シートの掛けまわし状態を
ロ−ラの軸方向から見て示す構成図である。

【符号の説明】

１０ 貼着フォーマットシート １０ａ 手書き面 １１ フォーマット １２ 貼着層 １３ 基材 １４ ハードコート処理層 １５ トナー定着層 ２０ プリンタ ２１ 静電気防止処理層 ２５ 電子黒板 ２６ 筆記シート

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面側に書込みまたはその消去可能な手
   書き面を有し、裏面側にフォーマットを設けてなる、貼
   着フォーマットシート。
2. 【請求項２】 透明または半透明材料で基材を形成し、
   その基材の表面にハードコート処理層を設けて前記手書
   き面とし、裏面にトナー定着層を設けそれに前記フォー
   マットを印刷してなる、請求項１に記載の貼着フォーマ
   ットシート。
3. 【請求項３】 表面もしくは裏面またはそれらの双方に
   静電気防止処理を施してなる、請求項１に記載の貼着フ
   ォーマットシート。
4. 【請求項４】 前記裏面側に、他部材へ引き剥がし自在
   に貼り付ける貼着層を備えてなる、請求項１に記載の貼
   着フォーマットシート。
5. 【請求項５】 前記フォーマットを避けて前記貼着層を
   備えてなる、請求項４に記載の貼着フォーマットシー
   ト。
6. 【請求項６】 透明または半透明材料の基材の表面にハ
   ードコート処理を施すとともに、裏面にトナー定着層を
   設け、そのトナー定着層にプリンタでフォーマットを印
   刷してなる、貼着フォーマットシートの製作方法。