JPH0869960A - 無機レジスト描画装置及び描画方法 - Google Patents
無機レジスト描画装置及び描画方法Info
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- JPH0869960A JPH0869960A JP20523294A JP20523294A JPH0869960A JP H0869960 A JPH0869960 A JP H0869960A JP 20523294 A JP20523294 A JP 20523294A JP 20523294 A JP20523294 A JP 20523294A JP H0869960 A JPH0869960 A JP H0869960A
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- JP
- Japan
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- inorganic resist
- electron beam
- lenses
- substrate
- inorganic
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- Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
- Drying Of Semiconductors (AREA)
- Electron Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 無機レジストでナノメータサイズのパターン
形成を行う。 【構成】 電子線描画方法において、電子ビーム描画部
に水素ラジカル6を照射しながら電子線描画を行う。ま
た、無機レジストを塗布した基板3を赤外線8の照射に
より加熱して電子線描画を行う。無機レジストの露光中
に水素ラジカルを導入することで、電子線照射位置に堆
積したカーボンを炭化水素として取り除く。
形成を行う。 【構成】 電子線描画方法において、電子ビーム描画部
に水素ラジカル6を照射しながら電子線描画を行う。ま
た、無機レジストを塗布した基板3を赤外線8の照射に
より加熱して電子線描画を行う。無機レジストの露光中
に水素ラジカルを導入することで、電子線照射位置に堆
積したカーボンを炭化水素として取り除く。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子線、イオンビームを
用いた無機レジスト描画装置及び描画方法に関するもの
である。
用いた無機レジスト描画装置及び描画方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年の量子効果素子等の製造においては
ナノメートルオーダーのリソグラフィ技術が要求されて
いる。とくにそのサイズが直接デバイスの動作特性に影
響するような、例えば単一電子トンネル素子の製造にお
いては、形成されるパターン幅がそのまま素子の動作温
度の上限を決定する。具体的には、単一電子トンネル素
子は接合部での電子のトンネル現象を利用した素子で、
非常に小さな接合間を一電子がトンネルした場合、電子
がトンネルする前と後とでの、その接合間の静電エネル
ギーの変化がつぎの単一電子のトンネルを抑制し(クー
ロンブロッケード)、電子が接合間を1個1個流れる現
象を利用したものである。このようなデバイスの動作可
能温度範囲は熱雑音との競争で決定され、その接合面積
に大きく依存する。例えば10nm×10nm程度の接合を
作ることができると、そのデバイスは約窒素温度で動作
することが期待され、5nm×5nm程度の接合では室温動
作が期待される。ところが、従来用いられてきた有機レ
ジストではこのようなナノメートルオーダーの分解能を
もってパターン形成を行うことはその露光原理にもとづ
いて極めて困難である。有機レジストの露光では露光装
置からの一次電子線による露光に加えて、一次電子線照
射部から発生する二次電子線によっても有機レジストは
感光する。この二次電子線の飛程は約10から20nm程
度あるために、その露光パターンの空間分解能は約20
nm程度となり、有機レジストでは数nmの接合部を作るこ
とは不可能であった。
ナノメートルオーダーのリソグラフィ技術が要求されて
いる。とくにそのサイズが直接デバイスの動作特性に影
響するような、例えば単一電子トンネル素子の製造にお
いては、形成されるパターン幅がそのまま素子の動作温
度の上限を決定する。具体的には、単一電子トンネル素
子は接合部での電子のトンネル現象を利用した素子で、
非常に小さな接合間を一電子がトンネルした場合、電子
がトンネルする前と後とでの、その接合間の静電エネル
ギーの変化がつぎの単一電子のトンネルを抑制し(クー
ロンブロッケード)、電子が接合間を1個1個流れる現
象を利用したものである。このようなデバイスの動作可
能温度範囲は熱雑音との競争で決定され、その接合面積
に大きく依存する。例えば10nm×10nm程度の接合を
作ることができると、そのデバイスは約窒素温度で動作
することが期待され、5nm×5nm程度の接合では室温動
作が期待される。ところが、従来用いられてきた有機レ
ジストではこのようなナノメートルオーダーの分解能を
もってパターン形成を行うことはその露光原理にもとづ
いて極めて困難である。有機レジストの露光では露光装
置からの一次電子線による露光に加えて、一次電子線照
射部から発生する二次電子線によっても有機レジストは
感光する。この二次電子線の飛程は約10から20nm程
度あるために、その露光パターンの空間分解能は約20
nm程度となり、有機レジストでは数nmの接合部を作るこ
とは不可能であった。
【0003】これに対して、電子線による無機レジスト
露光技術はナノメートルオーダーの加工技術として極め
て有効である。無機レジストの露光メカニズムは、レジ
スト構成物質が電子線照射によって分解脱離することに
起因するが、ハライド系材料ではフッ素の電子線衝撃脱
離反応がその露光原理である。この電子線衝撃脱離反応
のしきい値は約10から20eV程度で、一次電子線に
よって誘起される2次電子のピークエネルギー値よりも
高い。このために、二次電子線によるレジスト膜の露光
ということは無機レジストではあまり大きな問題とはな
らず、非常に微細なパターン形成が可能である。実際こ
れまでに多くの無機レジストを用いたパターン形成が透
過電子顕微鏡(以下、TEMと示す)を用いて行われて
いる。例えばジャパン・ジャーナル・オブ・アプライド
・フィジックス(Japan・Journal・Of・
Applied・Physics)1993年、第32
巻第6218頁にはLiF(AlF)無機レジストを用
いて10nmのパターン形成とリフトオフの可能性につい
て述べられている。通常このようなTEMを用いたリソ
グラフィでは基板としてSiN膜等の電子線が通過する
材料が用いられ、100から200keV程度の高加速
電子線が用いられる。
露光技術はナノメートルオーダーの加工技術として極め
て有効である。無機レジストの露光メカニズムは、レジ
スト構成物質が電子線照射によって分解脱離することに
起因するが、ハライド系材料ではフッ素の電子線衝撃脱
離反応がその露光原理である。この電子線衝撃脱離反応
のしきい値は約10から20eV程度で、一次電子線に
よって誘起される2次電子のピークエネルギー値よりも
高い。このために、二次電子線によるレジスト膜の露光
ということは無機レジストではあまり大きな問題とはな
らず、非常に微細なパターン形成が可能である。実際こ
れまでに多くの無機レジストを用いたパターン形成が透
過電子顕微鏡(以下、TEMと示す)を用いて行われて
いる。例えばジャパン・ジャーナル・オブ・アプライド
・フィジックス(Japan・Journal・Of・
Applied・Physics)1993年、第32
巻第6218頁にはLiF(AlF)無機レジストを用
いて10nmのパターン形成とリフトオフの可能性につい
て述べられている。通常このようなTEMを用いたリソ
グラフィでは基板としてSiN膜等の電子線が通過する
材料が用いられ、100から200keV程度の高加速
電子線が用いられる。
【0004】ところが、TEMで電子線を透過させるた
めにもちいられるSiNメンブレン基板は極めて脆く取
り扱いが大変難しい。さらに基板として用いることがで
きる面積はせいぜい1mm角程度と狭い。このため素子製
造を目的とするような実用的な運用においては、その耐
久性、量産性、さらに位置合わせ等において多くの問題
をかかえている。これに対して、通常の走査電子線を用
いた電子線露光方法は集積回路製造用基板と同じSi基
板等を用いることができ、その耐久性、位置合わせ等に
おいて実用上大変優れている。しかしこの走査電子線を
用いた無機レジスト露光ではカーボンの堆積が優先し実
用的な無機レジスト膜のパターン形成例が報告されてい
ない。これは、まず走査電子線型露光装置に用いられる
電子線の加速電圧がTEMに比べて25から50keV
程度と低いことが上げられる。このため、パターン形成
速度に対してカーボンの堆積速度が優先する傾向がある
と考えられる。電子線描画中のカーボン堆積は電子線照
射位置に付着した残留ガスの主成分である炭化水素(C
H4 、C2 H6 等)が電子線により分解しこれが堆積す
るものである。
めにもちいられるSiNメンブレン基板は極めて脆く取
り扱いが大変難しい。さらに基板として用いることがで
きる面積はせいぜい1mm角程度と狭い。このため素子製
造を目的とするような実用的な運用においては、その耐
久性、量産性、さらに位置合わせ等において多くの問題
をかかえている。これに対して、通常の走査電子線を用
いた電子線露光方法は集積回路製造用基板と同じSi基
板等を用いることができ、その耐久性、位置合わせ等に
おいて実用上大変優れている。しかしこの走査電子線を
用いた無機レジスト露光ではカーボンの堆積が優先し実
用的な無機レジスト膜のパターン形成例が報告されてい
ない。これは、まず走査電子線型露光装置に用いられる
電子線の加速電圧がTEMに比べて25から50keV
程度と低いことが上げられる。このため、パターン形成
速度に対してカーボンの堆積速度が優先する傾向がある
と考えられる。電子線描画中のカーボン堆積は電子線照
射位置に付着した残留ガスの主成分である炭化水素(C
H4 、C2 H6 等)が電子線により分解しこれが堆積す
るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このカーボン堆積を除
去する方法としては、酸素プラズマもしくはオゾンをも
ちい、堆積した炭素をその場で酸化して再蒸発させる方
法が、例えば公開特許公報の特開平4−94524号公
報に報告されている。このような方法は電子装置内にお
ける試料室や対物レンズまわりの洗浄には有効であると
考えられるが、アルカリハライド系無機レジストに応用
した場合には問題が生じる。すなわち、アルカリハライ
ド系無機レジストの露光では、電子線衝撃脱離によりフ
ッ素が蒸発し、あとに残ったアルカリ金属成分は膜中に
粒界拡散することでパターン形成が起こっている。ここ
で酸素プラズマ、もしくはオゾン等による炭素の除去を
試みた場合、アルカリ金属成分が酸化され拡散し拡散し
づらい酸化物としてパターン中に残る。つまり炭素は除
去できるがアルカリ成分が酸化物残屑としてのこり、完
全なパターン形成ができない。
去する方法としては、酸素プラズマもしくはオゾンをも
ちい、堆積した炭素をその場で酸化して再蒸発させる方
法が、例えば公開特許公報の特開平4−94524号公
報に報告されている。このような方法は電子装置内にお
ける試料室や対物レンズまわりの洗浄には有効であると
考えられるが、アルカリハライド系無機レジストに応用
した場合には問題が生じる。すなわち、アルカリハライ
ド系無機レジストの露光では、電子線衝撃脱離によりフ
ッ素が蒸発し、あとに残ったアルカリ金属成分は膜中に
粒界拡散することでパターン形成が起こっている。ここ
で酸素プラズマ、もしくはオゾン等による炭素の除去を
試みた場合、アルカリ金属成分が酸化され拡散し拡散し
づらい酸化物としてパターン中に残る。つまり炭素は除
去できるがアルカリ成分が酸化物残屑としてのこり、完
全なパターン形成ができない。
【0006】本発明者は、研究の結果、無機レジストパ
ターン形成プロセスは、カーボンの堆積速度と電子線衝
撃脱離反応の後に残る金属(Li,Al)の拡散速度と
のバランス関係で決まることを見出した。したがってカ
ーボン堆積速度を低く抑えることにより無機レジストの
良好な描画を行うことが可能となる。本発明の目的はカ
ーボン堆積の速度を抑制することができる無機レジスト
描画装置及び描画方法を提供することである。
ターン形成プロセスは、カーボンの堆積速度と電子線衝
撃脱離反応の後に残る金属(Li,Al)の拡散速度と
のバランス関係で決まることを見出した。したがってカ
ーボン堆積速度を低く抑えることにより無機レジストの
良好な描画を行うことが可能となる。本発明の目的はカ
ーボン堆積の速度を抑制することができる無機レジスト
描画装置及び描画方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の無機レジスト描
画装置は、電子線あるいはイオンビームにより無機レジ
スト膜を描画する無機レジスト描画装置において、前記
無機レジスト描画部に局所的に水素ラジカルを照射する
手段を有することを特徴とする。また、電子線あるいは
イオンビームにより無機レジスト膜を描画する無機レジ
スト描画装置において、前記無機レジスト膜を局所的に
加熱する手段を有することを特徴とする。電子線あるい
はイオンビームにより無機レジスト膜を描画する無機レ
ジスト描画装置において、前記無機レジスト描画部に局
所的に水素ラジカルを照射する手段を有し、前記無機レ
ジスト膜を局所的に加熱する手段を有することを特徴と
する。
画装置は、電子線あるいはイオンビームにより無機レジ
スト膜を描画する無機レジスト描画装置において、前記
無機レジスト描画部に局所的に水素ラジカルを照射する
手段を有することを特徴とする。また、電子線あるいは
イオンビームにより無機レジスト膜を描画する無機レジ
スト描画装置において、前記無機レジスト膜を局所的に
加熱する手段を有することを特徴とする。電子線あるい
はイオンビームにより無機レジスト膜を描画する無機レ
ジスト描画装置において、前記無機レジスト描画部に局
所的に水素ラジカルを照射する手段を有し、前記無機レ
ジスト膜を局所的に加熱する手段を有することを特徴と
する。
【0008】本発明の無機レジスト描画方法は、電子線
あるいはイオンビームにより無機レジスト膜を描画する
無機レジスト描画方法において、前記無機レジスト描画
部に局所的に水素ラジカルを照射しながら描画すること
を特徴とする。また、電子線あるいはイオンビームによ
り無機レジスト膜を描画する無機レジスト描画方法にお
いて、前記無機レジスト膜を局所的に加熱しながら、前
記無機レジスト膜を描画することを特徴とする。また、
電子線あるいはイオンビームにより無機レジスト膜を描
画する無機レジスト描画方法において、前記無機レジス
ト描画部に局所的に水素ラジカルを照射し、前記無機レ
ジスト膜描画部を局所的に加熱しながら描画することを
特徴とする。
あるいはイオンビームにより無機レジスト膜を描画する
無機レジスト描画方法において、前記無機レジスト描画
部に局所的に水素ラジカルを照射しながら描画すること
を特徴とする。また、電子線あるいはイオンビームによ
り無機レジスト膜を描画する無機レジスト描画方法にお
いて、前記無機レジスト膜を局所的に加熱しながら、前
記無機レジスト膜を描画することを特徴とする。また、
電子線あるいはイオンビームにより無機レジスト膜を描
画する無機レジスト描画方法において、前記無機レジス
ト描画部に局所的に水素ラジカルを照射し、前記無機レ
ジスト膜描画部を局所的に加熱しながら描画することを
特徴とする。
【0009】
【作用】描画中のカーボン堆積は描画装置内にバックグ
ランドとして残留している炭化水素ガス(約10-7To
rrのオーダー)が基板表面に吸着していて、描画のた
めの電子線照射によって分解しそのまま堆積することが
原因である。また電子線照射中、炭化水素ガスはバック
グランドから常に供給されるため電子線照射量にほぼ比
例してカーボン堆積は増えていく。
ランドとして残留している炭化水素ガス(約10-7To
rrのオーダー)が基板表面に吸着していて、描画のた
めの電子線照射によって分解しそのまま堆積することが
原因である。また電子線照射中、炭化水素ガスはバック
グランドから常に供給されるため電子線照射量にほぼ比
例してカーボン堆積は増えていく。
【0010】本発明のカーボン堆積速度の抑制は描画
中の堆積炭素の除去を行う。堆積量自体が発生しにく
いようにする。という2つの点を鑑みて行った。の描
画中の堆積炭素の除去方法としては、描画中に堆積した
カーボンを反応させて、再度炭化水素にして無機レジス
ト上から除去するもので、原理的なことを説明すると水
素ラジカルを照射することによって励起状態の水素(H
2 )とカーボン堆積物(組成は炭素(C)が主成分)を
反応させ、再び炭化水素(CH4 、C2 H4 、C2 H4
等)のガス成分として再蒸発させることにより除去す
る。では基板温度を上昇させるという方法をとった。
基板温度を上げるとガスの基板表面への付着係数は下が
る。つまりガス成分の表面吸着反応と表面からの再脱離
反応は化学平行状態にあり、炭化水素は温度上昇によっ
てその平行位置が基板表面停滞時間減少の方向へ動く。
すなわち基板温度を上げることで炭化水素の付着係数が
下がり、カーボン堆積の原料供給が減ることになるの
で、同じ電子線ドーズにたいするカーボン堆積量が減る
ことになる。
中の堆積炭素の除去を行う。堆積量自体が発生しにく
いようにする。という2つの点を鑑みて行った。の描
画中の堆積炭素の除去方法としては、描画中に堆積した
カーボンを反応させて、再度炭化水素にして無機レジス
ト上から除去するもので、原理的なことを説明すると水
素ラジカルを照射することによって励起状態の水素(H
2 )とカーボン堆積物(組成は炭素(C)が主成分)を
反応させ、再び炭化水素(CH4 、C2 H4 、C2 H4
等)のガス成分として再蒸発させることにより除去す
る。では基板温度を上昇させるという方法をとった。
基板温度を上げるとガスの基板表面への付着係数は下が
る。つまりガス成分の表面吸着反応と表面からの再脱離
反応は化学平行状態にあり、炭化水素は温度上昇によっ
てその平行位置が基板表面停滞時間減少の方向へ動く。
すなわち基板温度を上げることで炭化水素の付着係数が
下がり、カーボン堆積の原料供給が減ることになるの
で、同じ電子線ドーズにたいするカーボン堆積量が減る
ことになる。
【0011】
【実施例】本発明の第1の実施例である走査型電子線露
光装置内に水素ラジカル噴射ノズルと赤外線導入用ファ
イバーを配置したときの装置構成を図1に示す。電子線
露光装置において、電子線1は対物電子レンズ2によっ
て絞られ基板3で焦点を結ぶ。この対物電子レンズ2と
基板3との隙間(ワーキングディスタンス)は、高分解
能のSEMであるほどその距離は狭い。実際の電子線露
光装置では約10から100mm程度である。第1の実施
例では、この狭いエリアに水素ラジカル6を導入するた
めに、対物電子レンズ2より外側にマイクロ波励起によ
るラジカル元であるマイクロ波励起源4を設置し、そこ
で生成された水素ラジカル6をテフロンチューブ5で電
子線照射部に導入した。
光装置内に水素ラジカル噴射ノズルと赤外線導入用ファ
イバーを配置したときの装置構成を図1に示す。電子線
露光装置において、電子線1は対物電子レンズ2によっ
て絞られ基板3で焦点を結ぶ。この対物電子レンズ2と
基板3との隙間(ワーキングディスタンス)は、高分解
能のSEMであるほどその距離は狭い。実際の電子線露
光装置では約10から100mm程度である。第1の実施
例では、この狭いエリアに水素ラジカル6を導入するた
めに、対物電子レンズ2より外側にマイクロ波励起によ
るラジカル元であるマイクロ波励起源4を設置し、そこ
で生成された水素ラジカル6をテフロンチューブ5で電
子線照射部に導入した。
【0012】実際には、2.45GHzのマイクロ波を
用い約50Wのパワーでキャビティ中に水素ラジカルを
生成し、この水素ラジカルを6mm径のテフロンチューブ
で搬送し、電子線スポット部に照射した。これにより従
来1C(クーロレ)/cm2 程度の電子線ドーズで約20
nm程度のカーボン堆積が観察されていた無機レジスト膜
上において、AFM(原子間力顕微鏡)による評価で観
測限界値以下(約1nm以下)までにカーボン堆積を減ら
すことができた。
用い約50Wのパワーでキャビティ中に水素ラジカルを
生成し、この水素ラジカルを6mm径のテフロンチューブ
で搬送し、電子線スポット部に照射した。これにより従
来1C(クーロレ)/cm2 程度の電子線ドーズで約20
nm程度のカーボン堆積が観察されていた無機レジスト膜
上において、AFM(原子間力顕微鏡)による評価で観
測限界値以下(約1nm以下)までにカーボン堆積を減ら
すことができた。
【0013】また、この装置では、生成された水素ラジ
カル6をテフロンチューブ5で電子線照射部に導入する
ために、対物電子レンズ2に影響を与えるマイクロ波励
起源4から発生する磁場に対して十分な磁気シールドを
レンズ外に施すことが可能で、マイクロ波励起源4から
の磁気の影響を低く抑えることができる装置構成をとっ
ている。
カル6をテフロンチューブ5で電子線照射部に導入する
ために、対物電子レンズ2に影響を与えるマイクロ波励
起源4から発生する磁場に対して十分な磁気シールドを
レンズ外に施すことが可能で、マイクロ波励起源4から
の磁気の影響を低く抑えることができる装置構成をとっ
ている。
【0014】さらにカーボン堆積を軽減する他の有効な
装置として、本発明の第2の実施例である走査型電子線
露光装置内に赤外線導入用ファイバーを配置したときの
装置構成を図2に示す。装置外に設置された赤外線ラン
プからの光は集光されサファイヤポートを通して電子線
露光装置内に導入されている。装置内にはファイバー7
が設置され、赤外線を局所的に電子線スポット近傍まで
搬送している。このとき赤外線が照射されている箇所の
基板温度は約70℃程度であった。本実施例を用いるこ
とにより1C/cm2 をはるかに越える電子線ドーズを行
った後でもカーボン堆積は観測限界値(約1nm以下)と
なっていた。カーボン堆積に対する基板温度の効果は、
炭化物の基板表面への吸着が温度上昇とともに減少した
ためと考えられるが、同時に、基板の温度上昇と共にア
ルカリ金属の膜中への拡散速度も上昇したために実質的
なパターン形成速度が早くなったことも大きく関与して
いると考えられる。実験的には約40℃程度の温度上昇
でカーボン堆積が減少する。
装置として、本発明の第2の実施例である走査型電子線
露光装置内に赤外線導入用ファイバーを配置したときの
装置構成を図2に示す。装置外に設置された赤外線ラン
プからの光は集光されサファイヤポートを通して電子線
露光装置内に導入されている。装置内にはファイバー7
が設置され、赤外線を局所的に電子線スポット近傍まで
搬送している。このとき赤外線が照射されている箇所の
基板温度は約70℃程度であった。本実施例を用いるこ
とにより1C/cm2 をはるかに越える電子線ドーズを行
った後でもカーボン堆積は観測限界値(約1nm以下)と
なっていた。カーボン堆積に対する基板温度の効果は、
炭化物の基板表面への吸着が温度上昇とともに減少した
ためと考えられるが、同時に、基板の温度上昇と共にア
ルカリ金属の膜中への拡散速度も上昇したために実質的
なパターン形成速度が早くなったことも大きく関与して
いると考えられる。実験的には約40℃程度の温度上昇
でカーボン堆積が減少する。
【0015】ナノメートル程度の微細パターン形成もし
くはULSI製造等の超微細パターン形成を最終目的と
した時、電子ビーム露光装置内の温度分布、特に基板ホ
ルダの位置決め精度が重要になってくる。この位置決め
精度は温度に非常に敏感で例えば鏡筒の温度が1℃変わ
ると基板座標が約1μm 変化する。つまり基板ステージ
全体を加熱して40℃温度上昇させることは簡単である
が、その時装置全体の温度が1℃変わろうものなら、と
てもナノメートル描画はできなくなる。本実施例はこの
ような位置決め精度の厳しい条件のもとで赤外線で局所
的に基板の加熱を行うことにより鏡筒の温度変化の影響
を最小限に押さえている。
くはULSI製造等の超微細パターン形成を最終目的と
した時、電子ビーム露光装置内の温度分布、特に基板ホ
ルダの位置決め精度が重要になってくる。この位置決め
精度は温度に非常に敏感で例えば鏡筒の温度が1℃変わ
ると基板座標が約1μm 変化する。つまり基板ステージ
全体を加熱して40℃温度上昇させることは簡単である
が、その時装置全体の温度が1℃変わろうものなら、と
てもナノメートル描画はできなくなる。本実施例はこの
ような位置決め精度の厳しい条件のもとで赤外線で局所
的に基板の加熱を行うことにより鏡筒の温度変化の影響
を最小限に押さえている。
【0016】また本実施例では局所的に基板温度を上げ
るために赤外線を用いたがこれに限られるものではな
く、局所的に基板の温度を上げることができれば他の波
長(例えば可視光)でも良い。
るために赤外線を用いたがこれに限られるものではな
く、局所的に基板の温度を上げることができれば他の波
長(例えば可視光)でも良い。
【0017】さらに本発明は第3の実施例として図3の
ように第1の実施例と第2の実施例の構成を持った装置
構成(走査型電子線露光装置内に水素ラジカル噴射ノズ
ルと赤外線導入用ファイバーを配置した構成)も可能で
ある。また本発明は発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
の変形が可能である。
ように第1の実施例と第2の実施例の構成を持った装置
構成(走査型電子線露光装置内に水素ラジカル噴射ノズ
ルと赤外線導入用ファイバーを配置した構成)も可能で
ある。また本発明は発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
の変形が可能である。
【0018】
【発明の効果】本発明の無機レジスト描画装置を適用す
ることで、通常の走査型電子線露光装置を用いた無機レ
ジストの超微細加工が可能となる。このことから、Si
基板等を用いた量子効果素子の大規模集積回路化へと容
易に発展できる。
ることで、通常の走査型電子線露光装置を用いた無機レ
ジストの超微細加工が可能となる。このことから、Si
基板等を用いた量子効果素子の大規模集積回路化へと容
易に発展できる。
【図1】本発明の第1の実施例である描画装置の構成図
である。
である。
【図2】本発明の第2の実施例である描画装置の構成図
である。
である。
【図3】本発明の第3の実施例である描画装置の構成図
である。
である。
1 走査電子ビーム 2 対物電子レンズ 3 基板 4 マイクロ波励起源 5 水素ラジカル導入チューブ 6 水素ラジカル 7 赤外線ファイバー 8 赤外線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/20 506
Claims (6)
- 【請求項1】電子線あるいはイオンビームにより無機レ
ジスト膜を描画する無機レジスト描画装置において、無
機レジスト描画部に局所的に水素ラジカルを照射する手
段を有することを特徴とする無機レジスト描画装置。 - 【請求項2】電子線あるいはイオンビームにより無機レ
ジスト膜を描画する無機レジスト描画方法において、無
機レジスト描画部に局所的に水素ラジカルを照射しなが
ら描画することを特徴とする無機レジスト描画方法。 - 【請求項3】電子線あるいはイオンビームにより無機レ
ジスト膜を描画する無機レジスト描画装置において、無
機レジスト描画部を局所的に加熱する手段を有すること
を特徴とする無機レジスト描画装置。 - 【請求項4】電子線あるいはイオンビームにより無機レ
ジスト膜を描画する無機レジスト描画方法において、無
機レジスト描画部を局所的に加熱しながら、前記無機レ
ジスト膜を描画することを特徴とする無機レジスト描画
方法。 - 【請求項5】電子線あるいはイオンビームにより無機レ
ジスト膜を描画する無機レジスト描画装置において、無
機レジスト描画部に局所的に水素ラジカルを照射する手
段と、さらに無機レジスト描画部を局所的に加熱する手
段を有することを特徴とする無機レジスト描画装置。 - 【請求項6】電子線あるいはイオンビームにより無機レ
ジスト膜を描画する無機レジスト描画方法において、無
機レジスト描画部に局所的に水素ラジカルを照射し、さ
らに無機レジスト描画部を局所的に加熱しながら無機レ
ジスト膜を描画することを特徴とする無機レジスト描画
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20523294A JP2666734B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 無機レジスト描画装置及び描画方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20523294A JP2666734B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 無機レジスト描画装置及び描画方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0869960A true JPH0869960A (ja) | 1996-03-12 |
JP2666734B2 JP2666734B2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=16503600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20523294A Expired - Fee Related JP2666734B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 無機レジスト描画装置及び描画方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2666734B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008088076A1 (ja) | 2007-01-17 | 2008-07-24 | Sony Corporation | 現像液、および微細加工体の製造方法 |
JP2012151304A (ja) * | 2011-01-19 | 2012-08-09 | Canon Inc | エネルギービーム描画装置及びデバイス製造方法 |
TWI594069B (zh) * | 2011-09-21 | 2017-08-01 | Hoya Corp | Method of manufacturing a transfer mask |
-
1994
- 1994-08-30 JP JP20523294A patent/JP2666734B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008088076A1 (ja) | 2007-01-17 | 2008-07-24 | Sony Corporation | 現像液、および微細加工体の製造方法 |
JP2012151304A (ja) * | 2011-01-19 | 2012-08-09 | Canon Inc | エネルギービーム描画装置及びデバイス製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2666734B2 (ja) | 1997-10-22 |
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