JPH086980A - 消費電力の推定方法,消費電力の推定装置,配置配線の決定方法及び配置配線設計装置 - Google Patents

消費電力の推定方法,消費電力の推定装置,配置配線の決定方法及び配置配線設計装置

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JPH086980A
JPH086980A JP7087840A JP8784095A JPH086980A JP H086980 A JPH086980 A JP H086980A JP 7087840 A JP7087840 A JP 7087840A JP 8784095 A JP8784095 A JP 8784095A JP H086980 A JPH086980 A JP H086980A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CMOS等の電気回路のLSI設計におい
て、電気回路の正確な消費電力を迅速に推定する方法を
提供する。 【構成】 要素とこれに入出力信号を伝達するための信
号線とを備えた電気回路の消費電力を推定する方法であ
る。各要素について入力信号に対する出力信号が変化す
る確率を求め、これを利用して出力信号の変化確率を入
力信号の変化確率の関数として表す式を求めるステップ
と、入力信号の変化確率を与えるステップと、この式を
使用して、所定の変化確率を有する入力信号に対する各
信号線における信号の変化確率を求めるステップと、各
信号線の変化確率と各信号線の負荷との積を総和して電
気回路の消費電力を推定するステップとからなる。これ
により、テストパターンを使用して論理シミュレーショ
ンを行わなくても、各信号線の変化確率から回路の消費
電力を簡易かつ迅速に推定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CMOS・LSI等の
電気回路に配置される各要素の配置配線を設計するのに
利用される消費電力の推定方法,消費電力の推定装置,
配置配線の決定方法及び配置配線の設計装置に係り、特
に消費電力の推定の簡易,迅速化対策に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路等の高密度化に伴
い、回路内に配置される要素数は飛躍的に増大してお
り、各要素をどのように配置しどのように配線するか
は、重要な課題となっている。すなわち、同じ数の要素
数を同じ数の信号線で接続しても、配置配線の相違によ
って消費電力に差が生じ、消費電力の高い場合には、電
力の無駄を生じたり、発熱をどのように外部に放出する
か等の問題が生じる。
【0003】そこで、ある回路の消費電力を予め正確に
推定することができれば、この推定結果を基に最適な配
置配線の設計を行うことが容易となる。かかる消費電力
の推定方法として、例えば刊行物「VLSIの設計I:
岩波講座マイクロエレクトロニクスシリーズ(岩波書
店)」に開示されるように、回路の多点間を接続する信
号線の近似的な仮想配線長を求め、この仮想配線長に基
づき評価関数を設定し、繰り返し改善法によって、目的
関数を最小化する方法が知られている。すなわち、配線
の断面積をほぼ一定とすれば配線の負荷は配線の長さに
比例するので、仮想配線長によって消費電力や信号の遅
延等を総合的に評価し得るからである。
【0004】また、例えば特開平2−171861号公
報に開示されるごとく、回路に所定のテストパターンを
与え、論理シミュレータ等を用いて各信号線のスイッチ
回数を求め、上記信号線の配線容量とスイッチ回数との
積の総和を求めることで回路の消費電力を推定しようと
するものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記刊
行物に記載の消費電力の推定方法のように、単に近似的
な配線長だけを考慮しても、消費電力の正確な値を見積
もることは困難である。すなわち、同じ総配線長を有す
る回路であっても、ある使用期間内に、各信号線のうち
長い信号線のスイッチング回数が多い回路では、長い信
号線のスイッチング回数が少ない回路よりも消費電力が
大きくなる。したがって、単に配線長を考慮して消費電
力を推定しただけでは、消費電力の推定結果に相当の誤
差が生じることになる。
【0006】一方、上記公報の方法は、信号が切換わる
ときに特に大きな電流が流れることを利用する方法であ
り、このようにスイッチ回数を考慮することで消費電力
の推定精度を高めることができる。しかるに、論理シミ
ュレーションを行うにはその回路に適したテストパター
ンをも用いる必要があり、このテストパターンを作成す
るために多大の労力が費やされている。また、論理シミ
ュレーションの実行に際しても膨大な時間を要するとい
う問題がある。
【0007】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、以下の目的を有する。
【0008】第1の目的は、テストパターンを用いた論
理シミュレーションによることなく、簡易かつ迅速に、
かつ比較的高精度で電気回路の消費電力を推定しうる方
法を提供することにある。
【0009】第2の目的は、上記第2の目的に加えて、
電気回路の消費電力を最小にするように電気回路の配置
配線を決定する方法を提供することにある。
【0010】第3の目的は、テストパターンを用いた論
理シミュレーションにを行うことなく、迅速かつ比較的
高精度で電気回路の消費電力を推定しうる装置を低コス
トで提供することにある。
【0011】第4の目的は、上記第3の目的に加えて、
電気回路の消費電力を最小にするように電気回路の配置
配線を決定しうる装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明では、請求項1〜9に記載される手段を
講じている。すなわち、出力信号の変化確率を入力信号
の変化確率の関数として表す式を求め、この式を利用し
て各信号線における信号の変化確率を求めることによ
り、電気回路の消費電力を正確かつ迅速に推定するもの
である。
【0013】具体的に請求項1が講じた手段は、少なく
とも1つの要素と、上記要素に接続され少なくとも1つ
の入力信号及び少なくとも1つの出力信号をそれぞれ伝
達するための少なくとも2つの信号線とを備えた電気回
路の消費電力を推定する方法として、上記少なくとも1
つの要素への上記入力信号の変化に応じて出力信号が変
化する確率と上記入力信号の変化確率との積に基づき、
上記出力信号の変化確率を入力信号の変化確率の関数と
して表す式を求める第1のステップと、上記入力信号の
変化確率を与える第2のステップと、上記式を使用し
て、所定の変化確率を有する入力信号が上記電気回路に
入力されるときの各信号線における信号の変化確率を求
める第3のステップと、上記各信号線の変化確率と各信
号線の負荷との積を総和して、電気回路の消費電力を推
定する第4のステップとを備えた方法である。
【0014】請求項2明が講じた手段は、請求項1にお
いて、上記要素を互いに直列に接続される少なくとも2
つの要素からなるものとし、上記第3のステップでは、
電気回路の入力側に配置された要素に接続される各信号
線の入力信号の変化確率と出力信号の変化確率とから順
次算出していく方法である。
【0015】請求項3が講じた手段は、請求項1又は2
において、上記第1のステップでは、上記各要素の入力
信号と出力信号との真理値表を用いて上記式を求める方
法である。
【0016】請求項4が講じた手段は、請求項1又は2
において、上記第1のステップでは、BDD(Binary
Decision Diagram)を用いて上記式を求める方法であ
る。
【0017】請求項5が講じた手段は、請求項1又は2
において、上記第2のステップでは、上記入力信号が複
数ビットのデータからなる信号である場合に、上記入力
信号の分布状態と1クロック信号毎の入力信号のデータ
変化量の上限とを指定して、1クロック信号入力後の各
ビット値の変化確率を求める方法である。
【0018】請求項6が講じた手段は、請求項1又は2
において、上記第2のステップでは、上記入力信号のデ
ータ変化量の上限が大きい場合に、上記各ビット値の変
化する確率Pvrを下記式 Pvr=2×P(1)×P(0) (ただし、P(1),P(0)は、各ビット値が
“1”,“0”である確率)により求める方法である。
【0019】請求項7が講じた手段は、請求項1又は2
において、上記第2のステップでは、上記入力信号のデ
ータ変化量の上限が小さい場合に、入力信号の分布領域
を変数の所定幅毎にn個の領域に区画し、各領域i(i
=1〜n)ごとに、各ビット値が“1”から1クロック
信号入力後に“0”に変化する確率P1i(0)とビッ
ト値が“0”から1クロック信号入力後に“1”に変化
する確率P0i(1)とを求め、各ビット値の変化する
確率Pvrを下記式 Pvr=Σ{P1i(0)+P0i(1)} により求める方法である。
【0020】請求項8が講じた手段は、請求項1におい
て、上記第2のステップでは、入力信号がランダムな論
理値を有するデータからなる信号である場合には、ビッ
ト値が変化する確率を1/2とする方法である。
【0021】請求項9が講じた手段は、請求項1,2,
3,4,5,6,7又は8において、上記電気回路に
は、複数の素子及び信号線からなるAND回路,OR回
路,NOR回路,NAND回路,EXOR回路等の基本
論理回路が配置されているものとし、上記各論理回路を
ユニット化し、これを1つの要素として、その入出力信
号の変化確率を予め求めておく方法である。
【0022】上記第2の目的を達成するために、本発明
では、請求項10に記載される配置配線の決定方法を講
じている。
【0023】具体的に請求項10が講じた手段は、複数
の要素と、上記各要素に接続される複数の信号線とを備
えた電気回路の消費電力を推定し、この消費電力に基づ
き最適な配置配線を決定する方法として、上記各要素へ
の入力信号の変化に応じて当該要素からの出力信号が変
化する確率と上記入力信号の変化確率との積に基づき、
上記出力信号の変化確率を入力信号の変化確率の関数と
して表す式を求める第1のステップと、上記電気回路へ
の入力信号の変化確率を与える第2のステップと、上記
式を使用して、所定の変化確率を有する入力信号が上記
電気回路に入力されたときの各信号線における信号の変
化確率を順次求める第3のステップと、上記各信号線の
変化確率と各信号線の負荷との積を総和して、電気回路
の消費電力を推定する第4のステップと、変化確率の高
い信号線の負荷を下げることで上記第4のステップで推
定される消費電力を抑制するように配置配線を決定する
第5のステップとを備えた方法である。
【0024】上記第3の目的を達成するために、本発明
では、請求項11に記載される手段を講じている。
【0025】請求項11が講じた手段は、複数の要素
と、上記各要素に接続される複数の信号線とを備えた電
気回路の消費電力を推定する消費電力の推定装置を対象
とする。そして、上記各要素への入力信号の変化に応じ
て当該要素からの出力信号が変化する確率と上記入力信
号の変化確率との積に基づき、上記出力信号の変化確率
を入力信号の変化確率の関数として表す式を予め記憶す
る記憶手段と、上記入力信号の変化確率を設定する変化
確率設定手段と、上記記憶手段に記憶される式を使用し
て、上記変化確率設定手段で設定される入力信号の変化
確率に対する各信号線の変化確率を求め、上記各信号線
の変化確率と各信号線の負荷との積を総和して、電気回
路の消費電力を推定演算する推定演算手段とを設ける構
成としたものである。
【0026】上記第4の目的を達成するために、本発明
では、請求項12に記載される手段を講じている。
【0027】具体的に請求項12が講じた手段は、複数
の要素と、上記要素に接続され少なくとも1つの入力信
号及び少なくとも1つの出力信号をそれぞれ伝達するた
めの少なくとも2つの信号線とを備えた電気回路の消費
電力を推定し、この消費電力に基づき最適な配置配線を
決定する配置配線の設計装置を対象とする。そして、上
記各要素への入力信号の変化に応じて当該要素からの出
力信号が変化する確率と上記入力信号の変化確率との積
に基づき、上記出力信号の変化確率を入力信号の変化確
率の関数として表す式を予め記憶する記憶手段と、上記
入力信号の変化確率を設定する変化確率設定手段と、上
記記憶手段に記憶される式を使用して、上記変化確率設
定手段で設定される入力信号の変化確率に対する各信号
線の変化確率を求め、上記各信号線の変化確率と各信号
線の負荷との積を総和して、電気回路の消費電力を推定
演算する推定演算手段と、該推定演算手段の演算結果を
用いて、上記変化確率の高い信号線の負荷を下げること
で消費電力を抑制するように配置配線を決定する配置配
線決定手段とを設ける構成としたものである。
【0028】
【作用】請求項1では、入力信号の変化確率と出力信号
の変化確率との間の式を利用して、ある要素への入力信
号の変化確率が与えられると、当該要素からの出力信号
を伝達する各信号線における信号の変化確率が求められ
る。一般的に、トランジスタを配置した電気回路では、
各信号線が容量をもっており、信号のオン・オフの切換
わりによって消費される電力が最も大きい。したがっ
て、信号が変化する頻度を考慮した正確な消費電力の推
定が行われる。すなわち、テストパターンを用いた論理
シミュレーションを実行しなくても、迅速,簡易かつ比
較的高精度で消費電力の推定が行われる。
【0029】請求項2では、第3のステップで、入力側
に配置された第1の要素に対する入力信号の変化確率を
変数として当該第1の要素の出力信号の変化確率が求め
られる。次に、上記第1の要素から出力された信号を入
力信号とする第2の要素について、上記第1の要素から
の出力信号を第2の要素への入力信号とし、すでに求め
られているこの入力信号の変化確率に基づき第2の要素
の出力信号の変化確率が求められる。そして、順次全て
の要素に接続される信号線における信号の変化確率が求
められることになる。
【0030】請求項3では、各要素の真理値表から各信
号線における信号の変化確率が容易かつ確実に求められ
る。
【0031】請求項4では、BDDを利用して各信号線
における信号の変化確率が短時間で求められることにな
る。
【0032】請求項5では、複数ビットのデータ信号が
入力信号である場合、当該ビット数で表される数値以上
の信号変化は生じないので、データの変化量の上限が指
定されると、分布状態に基づきMSBからLSBに至る
各ビットの1クロックに対する変化確率が容易に求めら
れる。
【0033】請求項6では、入力データ値の変化量の上
限が大きい場合には、入力信号の変化後の値が変化前の
値の影響を受けないので、論理値“1”,“0”になる
確率を乗じて2倍することで、迅速に各ビットの変化確
率が求められる。
【0034】請求項7では、入力信号のデータ値の変化
量の上限が小さい場合には、データ値の変化後の値が変
化前の値の影響を受けるが、かかる条件下でも、各領域
ごとにビットが“1”,“0”からそれぞれ“1”,
“0”に変化する確率が各変化幅毎に求められると、各
領域についての総和から各ビットの変化確率が容易に求
まることになる。
【0035】請求項8では、ランダムな論理値からなる
入力データに対しても、容易に変化確率が求められる。
【0036】請求項9では、AND回路,OR回路等の
基本論理回路は入出力信号間の真理値表が一義的に定ま
るので、これらをユニット化して1要素とすることで、
消費電力の推定処理がより迅速に行われることになる。
【0037】請求項10では、上記請求項1における第
1〜第4のステップによって、消費電力の推定が行われ
ると、次に第5のステップで、変化確率の高い信号線の
負荷例えば長さを下げるように配置配線が行われる。従
って、消費電力の少ない電気回路を迅速に構成すること
が可能となる。
【0038】請求項11では、変化確率設定手段により
ある要素への入力信号の変化確率が与えられると、推定
演算手段により、入力信号の変化確率と出力信号の変化
確率との間の式を利用して、当該要素からの出力信号を
伝達する各信号線における信号の変化確率が求められ
る。従って、テストパターンやテストパターンを用いた
論理シミュレーションを行うための装置を備えていなく
ても、比較的高精度で消費電力の推定が行われ、消費電
力の推定装置のコストの低減が可能となる。
【0039】請求項12では、請求項11の構成に加
え、配置配線決定手段を設けることだけで、電気回路の
信号線の負荷を最小にしうる配置配線が行われる。従っ
て、配置配線の設計装置のコストの低減が可能となる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
き説明する。
【0041】(第1実施例)図1は第1実施例に係るL
SI設計装置の一部の構成を示すブロック図である。図
1に示すように、LSI設計装置は、セルライブラリ1
1,ネットリスト部12,ネット信号統計情報部13等
を内蔵する記憶手段としての記憶装置1と、該記憶装置
1の記憶情報に基づいて回路の消費電力を推定演算する
消費電力推定演算手段としての消費電力解析システム2
と、該消費電力解析システム2で推定された回路の消費
電力に基づき最適な配置配線を決定する配置配線決定手
段としての計算機3と、解析,演算結果を表示する表示
装置4とを備えている。上記記憶装置1及び消費電力解
析システム2により本発明にいう消費電力推定装置が構
成されている。
【0042】ここで、上記セルライブラリ11には、ピ
ン情報,各要素の入出力信号間の真理値表,各信号線に
おける信号の変化確率,ピンのデータ,コントロールの
区別等が記憶されている。図3は、セルライブラリ11
に登録されているある要素の入出力信号の真理値表及び
各ピン間における信号の変化確率の例を示し、図4はネ
ット信号統計情報部13の記憶内容の例を示す。ただ
し、これらは、図5に示すように、要素41に、各々入
力信号IP1 ,IP2 が入力される2つの入力端子42
a,42bと、制御信号QP1 が入力される1つの制御
入力端子43と、各々出力信号OP1 ,OP2 が出力さ
れる2つの出力端子44a,44bとが設けられている
電気回路についての例である。
【0043】また、図2は上記LSI設計装置による最
適配置配線の決定手順を示すフロ―チャ―トである。ま
ず、ステップST1で、セルライブラリ11,ネット情
報部12等の記憶内容に基づいて、入力信号の変化確率
を変数とし出力信号の変化確率を入力信号の変化確率の
関数とする式を算出し、ステップST2で電気回路への
入力信号の変化確率を与え、ステップST3で各信号線
における信号の変化確率を算出し、ステップST4で、
消費電力の推定演算を行った後、ステップST5で消費
電力をも考慮して最適な配置配線を決定する。
【0044】次に、上記フロ―チャ―トの各ステップに
おける具体的な処理について、詳細に説明する。ここ
で、処理対象となる電気回路として、上記図3に示すよ
うな電気回路をさらに一般化して、入力信号IPi と出
力信号OPj とを有する電気回路を想定する。
【0045】まず、ステップST1の式を計算するステ
ップにおける処理について説明する。各要素に対して、
電気回路の入力信号の変化確率と出力信号の変化確率と
の間の式を計算するが、この式は、以下の方法で求め
る。例えば要素のある入力信号IPi とある出力信号O
j との組み合わせ(つまり起こりうる事象)は下記表
1に示す入力信号−出力信号間の論理の真理値表によっ
て記述され、各事象が生じる確率P1〜P4とする。
【0046】
【表1】 上記入力信号−出力信号間の論理の真理値表に基づき、
入力信号が“1”である時に出力信号が“1”となる確
率P1、同様に、入力信号が“0”で出力信号が“1”
となる確率P2、入力信号が“1”で出力信号が“0”
となる確率P3、入力信号が“0”で出力信号が“0”
となる確率P4をそれぞれ求める。
【0047】この時、入力信号が“1”から“0”に変
化した時に出力信号が変化する確率は、下記式(1) PvO1-0 =P1×P4+P2×P3 (1) で表される。同様に、入力信号が“0”から“1”に変
化した時に出力信号が変化する確率は、下記式(2) PvO0-1 =P4×P1+P3×P2 (2) で表される。すなわち、入力信号IPi が変化した時に
出力信号が変化する確率PvOi-j は、下記式(3) PvOi-j =2×(P4×P1+P3×P2) (3) で与えられる。
【0048】上記(3) 式を一般化すると、各入力信号I
i が変化する確率PvIi が与えられているとすれば、
一般に、出力信号が変化する確率PvOj は、下記式(4) PvOj =ΣPvOi-j ×PvIi (4) で与えられる。ただし、上記式(4) 中の文字Σは、当該
要素への入力信号の数nに対して、i=1〜nについて
加算を行なうことを意味する。上記式(4) は、各入力信
号IPi の変化に応じて各出力信号OPj が変化する確
率PvOi-j を真理値表から求め、この変化確率PvOi-j
と各入力信号IPi の変化確率PIi との積を各入力信
号線について加算したものである。すなわち、出力信号
の変化確率を入力信号の変化確率の関数として表す式で
ある。
【0049】なお、現実に消費電力を推定する際には、
信号の変化確率から信号の変化回数に換算しておくほう
が計算上都合がよい。上記式(4) から容易に換算し得る
ように、各入力信号IPi が変化する回数CvIi が与え
られているとすれば、一般に、出力信号OPj が変化す
る回数CvOj は、下記式(5) CvOj =ΣPvOi-j ×CvIi (5) で与えられる。したがって、実際の計算では、入力信号
の変化回数CvIi を変数とし出力変化回数CvOj をその
関数とする式(5) を使用するのが好ましい。
【0050】ここで、上記表1に示す真理値表を有する
電気回路(図5参照)に対する計算例を説明する。ま
ず、入力信号IP1 の変化に応じて出力信号OP1 が変
化する確率PvO1-1 を計算する。図3からわかるよう
に、入力信号IP1 が“1”で出力信号OP1 が“1”
である確率P1は「1/4」であり、入力信号IP1
“0”で出力信号OP1 が“1”である確率P2は「1
/8」であり、入力信号IP1 が“1”で出力信号OP
1 が“0”である確率P3は「1/4」であり、入力信
号IP1 が“0”で出力信号OP1 が“0”である確率
P4は「3/8」である。したがって、入力信号IP1
が変化したときに出力信号OP1 が変化する確率PvO
1-1 は、上記式(3) を利用して下記のように算出され
る。ただし、入力信号の各状態の発生確率は、セルライ
ブラリ11内への設定時には決定することができないの
で、すべて均等である(1/8)としている。
【0051】PvO1-1 =2×(P4×P1+P3×P
2)=2×{(3/8)×(1/4)+(1/4)×
(1/8)}=1/4=0.25 以下、上述の手順と同様に計算することで、上記図3の
下段に示すような入力信号IPi の変化に応じて出力信
号OP1 ,OP2 が変化する確率PvOi-1 ,PvOi-2
算出される。そして、各入力信号IP1 ,IP2 が変化
する確率PvI1,PvI2 が分かれば、上記式(4) を利用
して、各入力端子IP1 ,IP2 からの入力信号の変化
に応じて出力信号OP1 が変化する確率PvO1 と、各入
力信号IP1 ,IP2 の変化に応じて出力信号OP2
変化する確率PvO2 とが求められることになる。
【0052】次に、入力信号の変化確率を与えるステッ
プST2における処理内容について説明する。入力信号
の変化確率は、入力データの種類等に応じて、次の
(I)、(II)のいずれかの方法により求める。
【0053】(I)入力信号が複数ビットで表現された
数値データである場合 入力信号の分布状態つまり正規分布であるか均一分布で
あるか等と、1クロック当たりの入力信号の変化量の上
限とを指定することにより、1クロック分の時間が経過
した時の入力信号値の変化確率を統計的に求める。例え
ば、入力信号の分布状態によって、下記のように、MS
BからLSBに至る各ビットの値を示す信号の論理値
(以下、単に「ビット値」という)が変化する確率が求
まる。
【0054】 信号値の変化量の上限が十分大きく、
変化後の信号値が変化前の信号値の影響を受けない場合 この場合には、変化後の信号値は変化前の信号値に依存
しない。つまり変化前の信号値の束縛を受けることなく
変化しうる。従って、信号値が“1”となる確率は、変
化前に“1”で変化後に“0”となる確率と、変化前に
“0”で変化後に“1”となる確率とを加算することに
より求まる。従って、ビット値が“1”である確率をP
k (1)、ビット値が“0”である確率をPk (0)と
すると、ビット値が変化する確率Pvrk は、下記式(6) Pvrk =2×Pk (1)×Pk (0) (6) で表される。
【0055】 入力データ値の変化幅が小さい場合つ
まり変化後の値が変化前の値の影響を受ける場合 例えば図8に示すような入力信号の分布状態を示すグラ
フを、変数の分布方向に対して、均等な変化幅で区切
り、各領域Rei毎に、上記ビット値が“1”で1クロッ
ク信号が入力された後に上記ビット値が“0”に変化す
る確率Pvrk (0)と、上記ビット値が“0”で1クロ
ック信号が入力された後に上記ビット値が“1”である
確率Pvrk (1)とをそれぞれの変化幅ごとに求める。
上記ビット値が変化する確率Pvrk は、下記式(7) Pvrk =Σ{Pvrk (0)+Pvrk (1)} (7) で表される。
【0056】(II)入力データ(1ビット)がランダム
な論理値である場合上記各ビット値が“1”である確率
Pk (1)と“0”である確率Pk (0)はともに1/
2である。故に、上記ビット値が変化する確率Pvrk
は、下記式(8) Pvrk =2×Pk (1)×Pk (0)=1/2 (8) で表される。これは、例えば自動制御を行う電気回路に
おいてしばしば生じる現象である。
【0057】そして、入力信号の変化回数は、上述の方
法により、入力信号の変化確率が求められると、その変
化確率に均一な数値(全変化回数)をかけることにより
求められる。
【0058】以下、上述の基本的方法に従い入力信号の
変化確率を求める手順を具体的に説明する。
【0059】例えば、図6に示すような電気回路を想定
する。つまり、各々“1”又は“0”からなる4つのビ
ット値SA0〜SA3で表されるデータDA からなる入力信
号と、各々論理値“1”又は“0”からなる4つのビッ
ト値SB0〜SB3で表されるデータDB からなる入力信号
とが入力され、各要素45〜47で信号の変換を受けた
後、各々論理値“1”又は“0”からなる4つのビット
値SO0〜SO3で表されるデータDO からなる出力信号が
得られる電気回路である。ただし、ビット値SAO,SB
0,SO0がLSBであり、ビット値SA3,SB3,SO3が
MSBである。そして、上記データDA については、図
7に示すように、発生確率PA が均一値1/16となる
分布状態を示し、データDB については、図8に示すよ
うに、データDB が大きくなるほど発生確率PB が小さ
くなるような分布状態を示しているものとする。
【0060】ここで、値の変化量が大きい場合における
各ビット値SA0〜SA3,SB0〜SB3が論理値“1”とな
る確率Pk (1)(k =A0〜A3,B0〜B3)と、各ビット
値SA0〜SA3,SB0〜SB3が論理値“1”のときに入力
データ値DA ,DB が取りうる値(場合の数)とを下記
表2に示す。
【0061】
【表2】 また、データDB の各値に対し、同データをとり得る確
率PB を下記表3に示す。
【0062】
【表3】 上記表3のうちデータDB の値がそれぞれ「8」〜「1
5」となる確率の総和が、入力信号のMSBであるビッ
ト値SB3が論理値“1”となる確率に相当し、この場
合、表2に示すように、ビット値SB3が“1”となる確
率は「0.24」となる。
【0063】上述のように、各ビット値SA0〜SA3,S
B0〜SB3が論理値“1”となる確率が求まると、これに
基づき入力信号の変化確率が求められる。また、各ビッ
ト値SA0〜SA3,SB0〜SB3が論理値“0”となる確率
Pk (0)は、各ビット値SA0〜SA3,SB0〜SB3が論
理値“1”となる事象の余事象の確率であるから、下記
式(9) Pk (0)=1−Pk (1) (9) で表される。したがって、上記式(6) から、各ビット値
SA0〜SA3が変化する確率PvrA0〜PvrA3及びビット値
SB0〜SB3が変化する確率PvrB0〜PvrB3は、それぞ
れ、以下のように計算される。
【0064】PvrA0=2×PA0(1)×PA0(0) =2×0.5×0.5=0.5 PvrA1=2×PA1(1)×PA1(0) =2×0.5×0.5=0.5 PvrA2=2×PA2(1)×PA2(0) =2×0.5×0.5=0.5 PvrA2=2×PA3(1)×PA3(0) =2×0.5×0.5=0.5 PvrB0=2×PB0(1)×PB0(0) =2×0.5×0.5=0.5 PvrB1=2×PB1(1)×PB1(0) =2×0.5×0.5=0.5 PvrB2=2×PB2(1)×PB2(0) =2×0.4×0.6=0.48 PvrB3=2×PB3(1)×PB3(0) =2×0.24×0.76=0.36 すなわち、図6に示す要素45,46への各入力信号線
における入力信号の変化確率が求まることになる。
【0065】次に、信号値の変化量が小さい場合におけ
る入力信号の変化確率の具体的な算出手順について説明
する。この場合も、上記図6〜図8に示す信号状態を前
提として考える。また、信号値の変化は1クロック当り
「4」以下であるとつまり信号値の変化の上限が「4」
であると仮定し、ビット値SA3についての算出手順を説
明する。図9に示すように、入力データDA の値「0」
〜「15」間での領域を変化幅「4」で、4つの領域R
e1〜Re4に区画する。すると、各領域Re1〜Re4におけ
るビット値SA3が論理値“1”である確率PA3(1)
と、1クロック信号が入力された後に“0”である確率
P1A3(0)とは、下記表4に示される値となる。
【0066】
【表4】 ただし、上記表4において、1クロック信号が入力され
た後に“0”である確率P1A3(0)は、下記のように
算出される。すなわち、ビット値SA3が“0”のときと
はデータ値DA が「0」〜「7」のときであるから、領
域Re1では、データ値の変化量が「4」であっても
「7」であることから、P1A3(0)は「1」になる。
領域Re2では、P1A3(0)は、現在データDA が
「4」,「5」,「6」,「7」である確率(いずれも
均一値1/16)と、この各データ値から最大「4」し
か移動しないとして1クロック信号が入力された後に
“0”となる確率8/9,7/9,6/9,5/9とを
乗じた後、各積を総和したものになる。領域Re3では、
P1A3(0)は、現在データDA が「8」,「9」,
「10」,「11」である確率(いずれも1/16)
と、この各データ値から最大「4」しか移動しないとし
て1クロック信号が入力された後に“0”となる確率4
/9,3/9,2/9,1/9とを乗じた後、各積を加
算したものになる。また、領域Re4では、現在のデータ
値が最小値「12」のときでも、1クロック信号が入力
された後に「8」よりも小さくなることはないので、P
1A3(0)は「0」になる。
【0067】従って、上記表4を用いて、各領域Re1〜
Re4においてビット値SA3が論理値“1”から“0”に
変化する確率PvrRi(0)(i =1〜4)は、下記のよ
うに算出される。
【0068】PvrR1(0)=0×1=0 PvrR2(0)=0×(26)/(16×9)=0 PvrR3(0)=10/(16×9)=5/72 PvrR4(0)=1×0=0 したがって、ビット値SA3が“1”から1クロック信号
が入力された後に“0”に変化する確率PvrA3(0)
は、下記のように算出される。
【0069】PvrA3(0)=ΣPvrRi(0)=5/72 同様に、ビット値SA3が“0”から1クロック信号が入
力された後に“1”に変化する確率PvrA3(1)は、下
記のように算出される。
【0070】PvrA3(1)=ΣPvrRi(1)=5/72 よって、ビット値SA3が変化する確率PvrA3は、式(7)
を用いて下記のように算出される。
【0071】PvrA3=ΣPvrRi(0)+ΣPvrRi(1) =5/72+5/72=0.14 次に、図2のフロ―チャ―トの消費電力を推定するステ
ップST4における処理内容について説明する。
【0072】各信号線の消費電流In は、上記信号線の
信号の変化回数Sn 上記信号線の配線容量Cn (Cn は
配線に接続するゲート容量も含む)の積で与えられる。
したがって、電気回路全体の消費電流I、消費電力Wは
それぞれ下記式(10),(11) I=Σ(Sn ×Cn ×V) (10) W=V×Σ(Sn ×Cn ) (11) で表される(ただし、電圧Vは一定であると仮定)。こ
こで、上記式(5) を用いることで、信号の変化確率を信
号の変化回数に容易に換算し得る。
【0073】そして、上記図2のフロ―チャ―トのステ
ップST5における処理で、消費電力Wを考慮して、最
適な配置配線が決定されることになる。
【0074】図10は、上記図2のステップST5の詳
細を示すサブフローを示す。この配置配線の最適化処理
では、まず目的関数を設定し、繰り返し改善法によっ
て、目的関数を最小化する。繰り返し改善方法とは、セ
ルの移動あるいは交換等の1回の変化をランダムあるい
はある評価規準のもとで選択し、上記の変化を起こした
場合の目的関数の変化を観測し、ある条件のもとで、そ
の変化を受理するというプロセスを繰り返し、目的関数
の最適化を図ろうとするものである。図10は、繰り返
し改善法の1種であるシミュレーティッド・アニーリン
グ法による配置配線の最適化処理を示している([21]
S.Kirkpatrick, C.D.Gelatt andM.P.Vecc
hi,“Optimization by Simulated Annealing”,
Science,Vol.220, N.4598,pp.671-680, May 1983.
参照)。本実施例では、上述の繰り返し改善法によって
用いられる配置配線の評価関数を以下のように設定する
ことによって実現する。
【0075】まず、上記配置配線の評価関数Fとして、
下記式(12) F=A1×ΣLn +A2×W (12) を設定する。ここで、式(12)において、A1、A2はパ
ラメータ、ΣLn は配線長、Wは上記のステップST1
〜ST4で求めた消費電力である。本実施例では、2項
目の最適化を優先するために、A1=1、A2=100
を用いる(ただし、この評価式において、信号線からク
ロック配線は除外する)。
【0076】図10のフロー中、T、α、Kはシミュレ
ーティッドアニーリング法の最適効果に影響を与えるパ
ラメータであり、本発明の本実施例においては、T0=
1、α=0.9 、K=3000を用いた。
【0077】まず、ステップST51でT=T0と設定
し、ステップST52で電気回路内の要素をランダムに
配置して配置配線の評価関数Fを求める。次に、ステッ
プST53でI=0と設定してから、ステップST54
で要素又は要素のペアをランダムに交換し、移動又は交
換を行ったと仮定した場合の増分ΔFを計算する。
【0078】そして、ステップST55でΔF≧0か否
かを判別し、ΔF≧0であれば、要素の移動又は交換に
よって改善効果が生じると判断し、ステップST56に
進んで上記ステップST54で仮定した要素の移動又は
交換を実行した後、ステップST57でI=I+1と更
新をする。一方、上記ステップST55の判別で、ΔF
≧0でない場合には、要素の移動又は交換による改善効
果が疑わしいと判断してステップST57に移行する。
そして、ステップST58で乱数R(0<R<1)を発
生し、ステップST59で、R<exp(−ΔF/T)
か否かを判別する。そして、R<exp(−ΔF/T)
でなければステップST56に進んで要素の移動又は交
換を行ってから上記ステップST57でIの更新を行
い、R<exp(−ΔF/T)であれば要素の移動又は
交換を行うことなくステップST57に進んでIの更新
を行う。つまり、このステップST58,ST59の処
理を行うことで、局所最適解に陥るのを回避している。
【0079】次に、ステップST60に進み、I≧Kか
否かを判別し、I≧KでなければステップST54に戻
って、上記ステップST54〜57の処理を繰り返し、
I≧Kになると、ステップST61で、ステップST5
3の初期値の設定以降、要素の移動又は交換が起こった
か否かを判別し、要素の移動又は交換が起こっていれば
ステップST62に進んで、まだ改善し得る可能性があ
ると判断して、T=αTとパラメータTを所定割合だけ
小さくするよう再設定してから、上記ステップST52
に戻る。
【0080】そして、上記ステップST61の判別で、
ステップST53の処理以降、要素の移動又は交換が起
こっていなければ、配置配線の改善の余地はないと判断
し、最適化のための処理を終了する。
【0081】次に、本実施例で行った具体的な配置配線
の最適化の例について、図11に示す論理回路を用いて
説明する。図11に示すように、論理回路には、2つの
入力端子Px,Pyと各々信号線61,62を介して接
続され2つの入力信号がいずれも“1”のときにのみ論
理信号“0”を出力する第1NAND回路51と、該第
1NAND回路51の出力側と出力端子Pzとに各々信
号線63,64を介して接続され2つの入力信号がいず
れも“1”のときにのみ論理信号“0”を出力する第2
NAND回路52と、該第2NAND回路52と信号線
65を介して接続され入力信号を一時的に保持した後出
力するフリップフロップ53とが配置されている。図1
1の()内の数字は、上述の解析で求められた所定時間
内における信号の変化回数である。
【0082】図12は、本実施例の配置配線の最適化処
理方法を用いて、配置配線を最適化した論理集積回路の
レイアウトの例を示す図である。図中の()内の数値は
各信号線の配線容量を示している。
【0083】上記評価関数の適用範囲は極めて広く、ア
レー状の配置配線のみならず、データパスレイアウト等
に用いられる線形配置や、形状の異なるゼネラルブロッ
クの配置配線等の、あらゆる配置配線問題に用いること
ができる。
【0084】したがって、上記実施例では、電気回路の
消費電力を推定するに際し、信号線の総延長となる配線
長だけでなく、各信号線における信号の変化回数を考慮
することで、消費電力の推定精度が高くなる。特に、C
MOS型半導体集積回路の場合、消費電力はほとんどが
信号線の充放電に要する電力で占められるので、前述し
た配線容量と、各信号線の信号が変化する回数に基づい
て消費電力を算出することで、推定精度が極めて高くな
る。
【0085】その場合、上記従来の消費電力の推定方法
のごとく、テストパターンを用いる方法では、テストパ
ターンの準備とシミュレーションの実行とに膨大な時間
を要したが、上記実施例のごとく、高速かつ精度の高い
消費電力の推定を行うことができ、もって、電気回路の
最適な配置配線を行うことができる。
【0086】(第2実施例)次に、第2実施例について
説明する。本実施例においても、上記第1実施例の図1
に示す装置の全体構成や、図2に示すフローチャートに
示す基本的な処理手順は、そのまま適用される。
【0087】ここで、本実施例では、出力信号の変化確
率を入力信号の変化確率の関数として求めるステップ
(図2のステップST1)において、論理の真理値表で
はなく、BDD(Binary Decision Diagram)を利用
する。図13(a),(b)は、上記図5に示す電気回
路でかつ図3に示す真理値表に示すと同じ入力信号−出
力信号の対応関係を有する場合について、入力信号の変
化に応じて出力信号OP1 ,OP2 が変化する確率を求
めるためのBDDをそれぞれ示す。図中の円で示される
各頂点CR1〜CR8は、1個のバイナリー関数を表現
しており、そこから出るパス70A〜70H,71A〜
71Hは、その入力変数の値が“0”の場合,“1”の
場合の関数をそれぞれ表現する頂点に向かって延びてい
る。また、図中矩形で示される頂点SQ1,SQ2は出
力信号OP1 の値がそれぞれ“1”,“0”の場合を示
し、頂点SQ3,SQ4は出力信号OP2 の値がそれぞ
れ“1”,“0”の場合を示す。
【0088】例えば図13(a)の場合、IP1 =0an
d IP2 =0and QP1 =1のときと、IP1 =1and
IP2 =0のとき(つまりQP1 の値に拘らず)に出力
信号OP1 が“1”になることを示している。
【0089】また、図13(b)の場合、IP1 =0an
d IP2 =1のとき(QP1 の値に拘らず)と、IP1
=1and IP2 =0and QP1 =1のときに出力信号O
2 が“1”になることを示している。
【0090】つまり、上記第1実施例における図3に示
す真理値表と同じ内容を表現している。
【0091】次に、このBDDを利用して、入力信号I
1 ,IP2 ,QP1 の変化に応じて出力信号OP1
OP2 が変化する確率PvOi-j を求める手順を説明す
る。
【0092】(A) 入力信号IP1 が“1”で出力信
号OP1 が“1”となる確率 各入力信号IP1 ,IP2 が“1”である確率も“0”
である確率も等しいので、IP1 =1の確率つまり70
Fを通過する確率は1/2である。次に、頂点CR3か
ら頂点SQ1に延びるパス全てについて確率を求めれ
ば、入力信号IP1 が“1”で出力信号OP1 が“1”
となる確率が求まる筈である。結局、頂点CR3から頂
点SQ1に到達するパスは70Gのみなので、出力信号
OP1 が“1”となる確率は、 (1/2)×(1/2)=1/4 となる。
【0093】(B) 入力信号IP2 が“1”で出力信
号OP1 が“0”となる確率 パス70A及びパス70Fを通って頂点SQ2 に到達す
る場合と、パス70D及びパス70Eを通って頂点SQ
2 に到達する場合との2通りである。従って、出力信号
OP1 が“0”となる確率は、 (1/2)×(1/2)+(1/2)×(1/2)=1
/2 となる。
【0094】(C) 入力制御信号QP1 が“1”で出
力信号OP1 が“0”となる確率 頂点CR4から頂点SQ2 に至る場合はないので、頂点
CR4を通らずに頂点SQ2 に到達する場合のみであ
る。したがって、この場合の確率は、 (1/2)×(1/2)+(1/2)×(1/2)=1
/2 となる。
【0095】(D) その他 以上の例と同様に計算することにより、各入力信号IP
1 ,IP2 の値“1”,“0”に対して出力信号O
1 ,OP2 の値“1”,“0”が対応する確率を求め
ることができる。その値を以下にまとめて示す。
【0096】1.入力信号IP1 と出力信号OP1 との
間 入力信号IP1 が“1”で出力信号OP1 が“1”とな
る確率 1/4 入力信号IP1 が“0”で出力信号OP1 が“1”とな
る確率 1/8 入力信号IP1 が“1”で出力信号OP1 が“0”とな
る確率 1/4 入力信号IP1 が“0”で出力信号OP1 が“0”とな
る確率 3/8 2.入力信号IP1 と出力信号OP2 との間 入力信号IP1 が“1”で出力信号OP2 が“1”とな
る確率 1/8 入力信号IP1 が“0”で出力信号OP2 が“1”とな
る確率 1/4 入力信号IP1 が“0”で出力信号OP2 が“1”とな
る確率 3/8 入力信号IP1 が“0”で出力信号OP2 が“0”とな
る確率 1/4 3.入力信号IP2 と出力信号OP1 との間 入力信号IP2 が“1”で出力信号OP1 が“1”とな
る確率 0 入力信号IP2 が“0”で出力信号OP1 が“1”とな
る確率 3/8 入力信号IP2 が“1”で出力信号OP1 が“0”とな
る確率 1/2 入力信号IP2 が“1”で出力信号OP1 が“1”とな
る確率 1/8 4.入力信号IP2 と出力信号OP2 との間 入力信号IP2 が“1”で出力信号OP2 が“1”とな
る確率 1/4 入力信号IP2 が“0”で出力信号OP2 が“1”とな
る確率 1/8 入力信号IP2 が“1”で出力信号OP2 が“0”とな
る確率 1/4 入力信号IP2 が“0”で出力信号OP2 が“0”とな
る確率 3/8 そして、最終的に、上記第1実施例と同様に、上記図3
の下段に示すごとく入力信号IPi の変化に応じて出力
信号OP1 ,OP2 が変化する確率PvOi-1 ,PvOi-2
が算出される。そして、各入力信号IP1 ,IP2 が変
化する確率PvI1 ,PvI2 が分かれば、上記式(4) を利
用して、各入力信号IP1 ,IP2 の変化に応じて出力
信号OP1 が変化する確率PvO1 と、各入力信号I
1 ,IP2の変化に応じて出力信号OP2 が変化する
確率PvO2 とが求められることになる。
【0097】なお、説明は省略するが、入力信号の変化
確率を求める手順,方法や消費電力を最小にするための
配置配線の最適化処理については、上記第1実施例で述
べた方法が適用される。
【0098】本実施例では、上記第2実施例と比較し
て、各信号線の変化確率の計算時間を短縮できるという
利点がある。すなわち、第1実施例のごとく真理値表を
利用すると、入力信号線がn個で出力信号線がn個の場
合には2n 個の真理値表を作成する必要があるが、本実
施例のごとくBDDを利用する場合には、多くの場合に
おいてn×K(Kは定数)個の頂点を有するDiagramに
圧縮できるので、要素数が多くなればなるほど計算時間
が大幅に短縮できるのである。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1によれ
ば、電気回路の消費電力の推定方法として、入力信号の
変化確率と出力信号の変化確率との間の関数関係を表す
式に基づき、入力信号の変化確率を与え、入力信号に対
する各信号線における信号の変化確率を求め、各信号線
の変化確率と各信号線の負荷との積を総和して電気回路
の消費電力を推定するようにしたので、テストパターン
を使用してシミュレーションを行う方法のような膨大な
手間と時間とを要することなく精度の高い消費電力の推
定を行うことができ、よって、推定処理の簡易化と迅速
化とを図ることができる。
【0100】請求項2によれば、複数の直列に配置され
る要素を有する回路の場合には、入力側に配置された要
素の入出力信号の変化確率から順次各要素の入出力信号
の変化確率を求めるようにしたので、全ての要素に接続
される信号線における信号の変化確率を迅速に求めるこ
とができる。
【0101】請求項3によれば、各要素の真理値表を用
いて各信号線における信号の変化確率を求めるようにし
たので、演算の容易化と確実化とを図ることができる。
【0102】請求項4によれば、BDDを利用して各信
号線における信号の変化確率を求めるようにしたので、
演算速度の向上を図ることができる。
【0103】請求項5,6又は7によれば、入力信号が
複数ビットのデータ信号である場合、データ変化量の上
限を指定して1クロック信号入力後の各ビット値の変化
確率を求めるようにしたので、各ビットの1クロックに
対する変化確率をより正確に算出することができる。
【0104】請求項8によれば、ランダムな論理値から
なる入力データに対しては、入力信号のビット値が変化
する確率を1/2としたので、変化確率を容易に算出す
ることができる。
【0105】請求項9によれば、AND回路,OR回路
等の基本論理回路は予めユニット化して入出力信号の変
化確率を求めておくようにしたので、消費電力の推定処
理の迅速化を図ることができる。
【0106】請求項10によれば、電気回路の配置廃線
の決定方法として、上述の消費電力の推定結果を利用し
て消費電力を最小にするようにしたので、消費電力の小
さい最適な配置配線構造を有する電気回路を提供するこ
とができる。
【0107】請求項11によれば、消費電力の推定装置
として、入出力信号の変化確率間の関数関係を示す式を
予め記憶する記憶手段と、入力信号の変化確率を設定す
る変化確率設定手段と、式を使用して、入力信号の変化
確率に対する各信号線の変化確率を求め各信号線の変化
確率と各信号線の負荷との積を総和して電気回路の消費
電力を推定演算する推定演算手段とを設ける構成とした
ので、テストパターンを備えることなく迅速かつ比較的
高精度で消費電力の推定を行うことができる消費電力の
推定を行うことができ、よって、消費電力推定装置の性
能の向上とコストの低減とを図ることができる。
【0108】請求項12によれば、配置配線の設計装置
として、上記請求項11の手段に加え、信号の変化確率
の高い信号線の負荷を下げるように配置配線を決定する
手段を設けたので、迅速かつ比較的高精度な処理により
消費電力の小さい電気回路を構成することができ、よっ
て配置配線の設計装置の性能の向上と製造コストの低減
とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1及び第2実施例に係るLSI設計装置の一
部の構成を示すブロック図である。
【図2】第1及び第2実施例に係る配置配線の決定方法
の手順を示すフロ―チャ―ト図である。
【図3】第1実施例に係るLSI設計装置のセルライブ
ラリの登録内容を示す図である。
【図4】第1及び第2実施例に係るLSI設計装置のネ
ット信号統計情報部の登録内容を示す図である。
【図5】第1及び第2実施例で入力信号の変化に応じて
出力信号が変化する確率を求めるために例として用いた
基本的な要素の構成を概略的に示す模式図である。
【図6】第1実施例に係る4ビットの入力信号が入力さ
れる論理回路の例を示すブロック図である。
【図7】第1実施例に係る均一な分布状態を有する入力
データの特性図である。
【図8】第1実施例に係る数値が大きくなるほど発生確
率が小さくなる入力データの特性図である。
【図9】第1実施例において4ビットの信号からなるデ
ータを複数の領域に区画する方法を説明するための図で
ある。
【図10】シミュレーテッド・アニーリング法による配
置配線最適化処理の手順を示すフロ―チャ―ト図であ
る。
【図11】第1実施例に係る配置配線の最適化処理に使
用した論理回路の例を示す電気回路図である。
【図12】第1実施例に係る最適化処理を行った論理集
積回路のレイアウトを示す図である。
【図13】第2実施例に係るBDDを示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 記憶装置(記憶手段) 2 消費電力解析システム(推定演算手段) 3 計算機(配置配線決定手段) 4 表示装置 11 セルライブラリ 12 ネットリスト部 13 ネット信号統計情報部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの要素と、上記要素に接
    続され少なくとも1つの入力信号及び少なくとも1つの
    出力信号をそれぞれ伝達するための少なくとも2つの信
    号線とを備えた電気回路の消費電力を推定する方法であ
    って、 上記少なくとも1つの要素への上記入力信号の変化に応
    じて出力信号が変化する確率と上記入力信号の変化確率
    との積に基づき、上記出力信号の変化確率を入力信号の
    変化確率の関数として表す式を求める第1のステップ
    と、 上記入力信号の変化確率を与える第2のステップと、 上記式を使用して、所定の変化確率を有する入力信号が
    上記電気回路に入力されるときの各信号線における信号
    の変化確率を求める第3のステップと、 上記各信号線の変化確率と各信号線の負荷との積を総和
    して、電気回路の消費電力を推定する第4のステップと
    を備えたことを特徴とする消費電力の推定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の消費電力の推定方法にお
    いて、 上記要素は、互いに直列に接続される少なくとも2つの
    要素からなり、 上記第3のステップでは、電気回路の入力側に配置され
    た要素に接続される各信号線の入力信号の変化確率と出
    力信号の変化確率とから順次算出していくことを特徴と
    する消費電力の推定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の消費電力の推定方
    法において、 上記第1のステップでは、上記各要素の入力信号と出力
    信号との真理値表を用いて上記式を求めることを特徴と
    する消費電力の推定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の消費電力の推定方
    法において、 上記第1のステップでは、BDD(Binary Decision
    Diagram)を用いて上記式を求めることを特徴とする消
    費電力の推定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の消費電力の推定方
    法において、 上記第2のステップでは、上記入力信号が複数ビットの
    データからなる信号である場合に、上記入力信号の分布
    状態と1クロック信号毎の入力信号のデータ変化量の上
    限とを指定して、1クロック信号入力後の各ビット値の
    変化確率を求めることを特徴とする消費電力の推定方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の消費電力の推定方
    法において、 上記第2のステップでは、上記入力信号のデータ変化量
    の上限が大きい場合に、上記各ビット値の変化する確率
    Pvrを下記式 Pvr=2×P(1)×P(0) (ただし、P(1),P(0)は、各ビット値が
    “1”,“0”である確率)により求めることを特徴と
    する消費電力の推定方法。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の消費電力の推定方
    法において、 上記第2のステップでは、上記入力信号のデータ変化量
    の上限が小さい場合に、入力信号の分布領域を変数の所
    定幅毎にn個の領域に区画し、各領域i(i=1〜n)
    ごとに、各ビット値が“1”から1クロック信号入力後
    に“0”に変化する確率P1i(0)とビット値が
    “0”から1クロック信号入力後に“1”に変化する確
    率P0i(1)とを求め、各ビット値の変化する確率P
    vrを下記式 Pvr=Σ{P1i(0)+P0i(1)} により求めることを特徴とする消費電力の推定方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の消費電力の推定方法にお
    いて、 上記第2のステップでは、入力信号がランダムな論理値
    を有するデータからなる信号である場合には、ビット値
    が変化する確率を1/2とすることを特徴とする消費電
    力の推定方法。
  9. 【請求項9】 請求項1,2,3,4,5,6,7又は
    8記載の消費電力の推定方法において、 上記電気回路には、複数の素子及び信号線からなるAN
    D回路,OR回路,NOR回路,NAND回路,EXO
    R回路等の基本論理回路が配置されており、 上記各基本論理回路をユニット化し、これを1つの要素
    として、その入出力信号の変化確率を予め求めておくこ
    とを特徴とする消費電力の推定方法。
  10. 【請求項10】 複数の要素と、上記各要素に接続され
    る複数の信号線とを備えた電気回路の消費電力を推定
    し、この消費電力に基づき最適な配置配線を決定する方
    法であって、 上記各要素への入力信号の変化に応じて当該要素からの
    出力信号が変化する確率と上記入力信号の変化確率との
    積に基づき、上記出力信号の変化確率を入力信号の変化
    確率の関数として表す式を求める第1のステップと、 上記電気回路への入力信号の変化確率を与える第2のス
    テップと、 上記式を使用して、所定の変化確率を有する入力信号が
    上記電気回路に入力されたときの各信号線における信号
    の変化確率を順次求める第3のステップと、 上記各信号線の変化確率と各信号線の負荷との積を総和
    して、電気回路の消費電力を推定する第4のステップ
    と、 変化確率の高い信号線の負荷を下げることで上記第4の
    ステップで推定される消費電力を抑制するように配置配
    線を決定する第5のステップとを備えたことを特徴とす
    る配置配線の決定方法。
  11. 【請求項11】 複数の要素と、上記各要素に接続され
    る複数の信号線とを備えた電気回路の消費電力を推定す
    る消費電力の推定装置であって、 上記各要素への入力信号の変化に応じて当該要素からの
    出力信号が変化する確率と上記入力信号の変化確率との
    積に基づき、上記出力信号の変化確率を入力信号の変化
    確率の関数として表す式を予め記憶する記憶手段と、 上記入力信号の変化確率を設定する変化確率設定手段
    と、 上記記憶手段に記憶される式を使用して、上記変化確率
    設定手段で設定される入力信号の変化確率に対する各信
    号線の変化確率を求め、上記各信号線の変化確率と各信
    号線の負荷との積を総和して、電気回路の消費電力を推
    定演算する推定演算手段とを備えたことを特徴とする消
    費電力の推定装置。
  12. 【請求項12】 複数の要素と、上記要素に接続され少
    なくとも1つの入力信号及び少なくとも1つの出力信号
    をそれぞれ伝達するための少なくとも2つの信号線とを
    備えた電気回路の消費電力を推定し、この消費電力に基
    づき最適な配置配線を決定する配置配線の設計装置であ
    って、 上記各要素への入力信号の変化に応じて当該要素からの
    出力信号が変化する確率と上記入力信号の変化確率との
    積に基づき、上記出力信号の変化確率を入力信号の変化
    確率の関数として表す式を予め記憶する記憶手段と、 上記入力信号の変化確率を設定する変化確率設定手段
    と、 上記記憶手段に記憶される式を使用して、上記変化確率
    設定手段で設定される入力信号の変化確率に対する各信
    号線の変化確率を求め、上記各信号線の変化確率と各信
    号線の負荷との積を総和して、電気回路の消費電力を推
    定演算する推定演算手段と、 該推定演算手段の演算結果を用いて、上記変化確率の高
    い信号線の負荷を下げることで消費電力を抑制するよう
    に配置配線を決定する配置配線決定手段とを備えたこと
    を特徴とする配置配線の設計装置。
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