JPH0868301A - 石炭ガス化発電プラント - Google Patents

石炭ガス化発電プラント

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JPH0868301A
JPH0868301A JP20550494A JP20550494A JPH0868301A JP H0868301 A JPH0868301 A JP H0868301A JP 20550494 A JP20550494 A JP 20550494A JP 20550494 A JP20550494 A JP 20550494A JP H0868301 A JPH0868301 A JP H0868301A
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JP
Japan
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nitrogen
combustor
cooling
coal gasification
transition piece
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JP20550494A
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Inventor
Hiroshi Matsui
井 宏 松
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラントの設備投資やランニングコスト増大
を招くことなく、希薄燃焼による高効率かつサーマルN
Ox の発生が少ない石炭ガス化発電プラントを提供す
る。 【構成】 空気分離装置5と、希薄燃焼を行うガスター
ビンとを備えた石炭ガス化発電プラントにおいて、空気
分離装置5によって分離された窒素7をガスタービンに
導き、この窒素によってガスタービンの燃焼器13ある
いはトランジションピース23を冷却する窒素冷却手段
22を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空気分離装置(ASU)
を有する石炭ガス化発電プラントに係り、特に空気分離
装置によって分離された窒素を利用してガスタービンの
燃焼器等を冷却するようにした石炭ガス化発電プラント
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、空気分離装置を備え、空気中の
酸素を分離して石炭と反応させ、発熱量の高い中カロリ
ーの燃料ガスを生成する石炭ガス化発電プラントが知ら
れている。この石炭ガス化発電プラントでは、空気分離
装置で酸素とともに発生する窒素をガスタービンに供給
される圧縮空気に混合して燃焼させているが、上記ガス
タービンの燃料には上記中カロリーの燃料ガスが使用さ
れるので、ガスタービン燃焼器中の燃焼温度が高くな
り、サーマルNOx が発生し易い状態となる。
【0003】サーマルNOx の発生を抑制する方法とし
ては、燃焼器中の火炎の温度を下げることが考えられる
が、具体的な方法として窒素ガスを燃料ガスに混ぜて燃
料ガスの発熱量を下げて燃焼させる方法、蒸気または水
を燃焼器中に噴射して燃焼温度を下げる方法、空気と燃
料を予混合して燃料を希薄状態で燃焼させる方法等が挙
げられる。
【0004】図8は空気分離装置を有する希薄燃焼方式
による従来の石炭ガス化発電プラントの概略の系統を示
している。図8において空気分離装置31は、タービン
32と同軸に連結された圧縮機33が圧縮した圧縮空気
34と大気35を取り込んでこれを分離して酸素36と
窒素37を発生する。酸素36はガス化炉38で石炭3
9と反応して脱硫・脱塵前の未処理の石炭ガス化燃料4
0となる。この未処理石炭ガス化燃料40はクリーンア
ップ装置41で脱硫・脱塵された後に、処理済石炭ガス
化燃料42としてガスタービンの燃焼器43に送られ
る。この処理済石炭ガス化燃料42は、燃焼させる前に
圧縮機33からの圧縮空気44と一部予混合され、希薄
な状態で燃焼される。上記希薄燃焼に使用される圧縮空
気44には、空気分離装置31からの窒素37が混入さ
れる。この圧縮空気44は、一部処理済石炭ガス化燃料
42との予混合に使用されるか、一部は燃焼器43の冷
却に使用される。
【0005】上記燃焼器43の燃焼ガス45は、タービ
ン32に導入され、タービン32を回転駆動し、このタ
ービン32の回転力は、一部は圧縮機33の駆動に使用
され、一部は図示しない発電機の駆動に使用される。さ
らに、タービン32を回転駆動した後の低圧燃料ガス4
6は、なお高い温度を有しているので、排熱回収ボイラ
47に導かれ、蒸気の発生熱源となる。
【0006】図9は上記従来の希薄燃焼方式のガスター
ビン燃焼器周辺の構造を示している。燃焼器43はター
ビン32と圧縮機33の中間に位置し、その燃料供給口
に処理済石炭ガス化燃料40の一部からなる拡散用燃料
48と、残りの処理済石炭ガス化燃料40からなる予混
合用燃料49とが供給される。拡散用燃料48は直接燃
焼器43内に噴出され、一方、予混合用燃料49は圧縮
機33からの圧縮空気44の一部からなる予混合用空気
50と十分混合され、しかる後に燃焼器43内に噴出さ
れる。燃焼器43内では拡散用燃料48に点火され、炎
の拡散によって空気と混合された希薄燃料の全体が燃焼
される。燃焼ガス45はトランジションピース51を通
ってタービン32の翼に衝突し、そのエネルギーをター
ビン32の回転力に変換する。
【0007】上記従来の石炭ガス化発電プラントにおい
て、空気分離装置31からの窒素37は圧縮空気44に
混入されて燃焼されるが、希薄燃焼の燃焼温度が低いた
め、サーマルNOx を発生させることは少ない。
【0008】図10は空気分離装置が分離した窒素を石
炭ガス化燃料に混入する方式による従来の石炭ガス化発
電プラントの概略の系統を示している。本方式による石
炭ガス化発電プラントでは、上記希薄燃焼に替えて昇圧
装置51を設け、この昇圧装置51によって空気分離装
置31からの窒素37を圧縮して処理済石炭ガス化燃料
42に混入し、燃焼器43で燃焼させる。他の構成につ
いては、上記希薄燃焼方式の石炭ガス化発電プラントと
同一であるので、同一構成部分に同一符号を付して説明
を省略する。
【0009】本方式による石炭ガス化発電プラントによ
れば、処理済石炭ガス化燃料42に窒素37が混入され
るため、上記燃料の燃焼温度が低くなり、これによって
サーマルNOx を低減を図ることができる。
【0010】図11は燃焼器内に水や蒸気を噴射する方
式の従来の石炭ガス化発電プラントの概略の系統を示し
ている。本方式による石炭ガス化発電プラントでは、希
薄燃焼に替えて燃焼器中に水や蒸気を噴射して燃焼温度
を低下させる。すなわち、燃焼器43に水または蒸気の
配管52を接続し、この水/蒸気配管52を介して石炭
ガス化燃料の炎中に水または蒸気を噴射する。この水ま
たは蒸気の噴射により、石炭ガス化燃料の燃焼温度は低
下し、これによってサーマルNOx の低減を図ることが
できる。なお、この場合の窒素37は圧縮機33の圧縮
空気44に混入することができる。なお、本方式による
石炭ガス化発電プラントの他の構成部分については、上
記希薄燃焼方式の石炭ガス化発電プラントと同一なの
で、図11中の同一部分について図8と同一符号を付し
て説明を省略する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の窒素ガスを燃料ガスに混ぜる方法は、窒素ガスを燃
料ガス以上の圧力に昇圧する必要があり、このために圧
縮装置を新に設置しなければならない。このことは、プ
ラントの設備投資あるいはランニングコストの増大を招
き、好しくなかった。
【0012】また、上記燃焼器中に蒸気や水を噴射する
方法は、補給用の水を供給する設備を要し、プラントの
効率の低下やランニングコストの増加を招くことがあっ
た。
【0013】また、上記燃料ガスと予混合用空気とを予
混合して希薄燃焼させる方法は、予混合用の空気が大量
に必要となり、このためにガスタービンの燃焼器を冷却
する空気が不足し、結局大量の圧縮空気を供給する圧縮
機が必要となる問題があった。特に高効率の石炭ガス化
発電プラントでは、ガスタービンのタービン入口ガス温
度が1300℃以上に達してしまうため、燃焼器を冷却
する空気を圧縮機の吐出空気から確保するのが大変困難
であった。
【0014】そこで、本発明の目的は、上記従来の技術
の課題を解決し、ガスタービンでの中カロリー燃料ガス
の燃焼によるサーマルNOx 低減のために希薄燃焼を行
う場合に、プラントの設備投資やランニングコスト増大
を招くことなく、燃焼器の冷却を十分行って高効率かつ
サーマルNOx の発生が少ない石炭ガス化発電プラント
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る石炭
ガス化発電プラントは、石炭ガス化装置に供する酸素と
窒素を発生する空気分離装置と、前記炭素ガス化装置に
よって生成された石炭ガス化燃料を拡散用燃料と予混合
用燃料とに分け、前記拡散用燃料を燃焼器に直接供給
し、前記予混合用燃料を予混合用空気と混合した後に前
記燃焼器に供給して希薄燃焼を行うガスタービンとを備
えた石炭ガス化発電プラントにおいて、前記空気分離装
置によって分離された窒素を前記ガスタービンに導き、
この窒素によって前記ガスタービンの燃焼器あるいはト
ランジションピースを冷却する窒素冷却手段を設けたこ
とを特徴とするものである。
【0016】本願請求項2に係る石炭ガス化発電プラン
トは、請求項1の発電プラントにおいて、前記窒素冷却
手段は、前記燃焼器あるいはトランジションピースの表
面の少なくとも一部を前記窒素で覆う室を画成する冷却
窒素プレナムと、前記燃焼器あるいはトランジションピ
ースの壁体中に設けられ、前記冷却窒素プレナム内の窒
素をフィルム状の流れにして前記燃焼器あるいはトラン
ジションピース内に送り込む冷却孔とを備えていること
を特徴とするものである。
【0017】本願請求項3に係る石炭ガス化発電プラン
トは、請求項2の発電プラントにおいて、前記冷却窒素
プレナムの内部に前記燃焼器あるいはトランジションピ
ースの壁面とほぼ平行な多孔板を設け、この多孔板によ
って窒素が噴流となって前記冷却窒素プレナムに覆われ
た燃焼器あるいはトランジションピースの表面に衝突す
るように構成したことを特徴とするものである。
【0018】本願請求項4に係る石炭ガス化発電プラン
トは、請求項1ないし請求項3のいずれかつ発電プラン
トにおいて、前記窒素冷却手段は、前記燃焼器あるいは
トランジションピースの表面の少なくとも一部を前記窒
素で覆う室を画成する冷却窒素プレナムを有し、前記冷
却窒素プレナムの内部に前記燃焼器あるいはトランジシ
ョンピースの壁面とほぼ平行な多孔板を設け、前記多孔
板と前記燃焼器あるいはトランジションピースの壁面の
間の空間を前記燃焼器のスワーラと連通させ、前記燃焼
器あるいは前記トランジションピースの壁面に前記窒素
が噴流となって衝突した後に前記窒素の一部または全部
が前記スワーラから前記燃焼器内に流入するように構成
したことを特徴とするものである。
【0019】
【作用】本願請求項1ないし請求項4に係る石炭ガス化
発電プラントのいずれにおいても、空気分離装置によっ
て分離した窒素をガスタービンに導き、窒素冷却手段に
よって前記窒素でガスタービンの燃焼器あるいはトラン
ジションピースを冷却するので、その分ガスタービンの
燃焼器等を冷却する圧縮空気が不要となり、希薄燃焼を
行う場合に必要となる多量の圧縮空気に対する要求を緩
和することができる。これにより、圧縮機吐出空気を希
薄燃焼の予混合用空気として用いることができ、希薄燃
焼によってサーマルNOx の発生を低減させることがで
きる。また、本発明によれば、窒素を昇圧等するために
新たな圧縮機等を設置する必要がなく、プラントの設備
投資およびランニングコストの増大を招くこともない。
【0020】本願請求項2に係る石炭ガス化発電プラン
トは、前記請求項1の窒素冷却手段が燃焼器あるいはト
ランジションピースの表面の少なくとも一部を窒素で覆
う室を画成する冷却窒素プレナムと、前記冷却窒素プレ
ナム内の窒素をフィルム状の流れにして燃焼器あるいは
トランジションピース内に噴出させる冷却孔とを有して
いる。上記構成により、プラント運転中では、空気分離
装置で分離された窒素は配管等を介して冷却窒素プレナ
ムに導入され、燃焼器やトランジションピースの表面か
ら熱を奪ってこれらを外側から冷却し、さらに一部の窒
素は冷却孔からフィルム状の流れになって燃焼器やトラ
ンジションピース内に流れ込み、燃焼器やトランジショ
ンピースの内面に層状の流れを形成し、燃焼器やトラン
ジションピースの内面の過熱を防止することができる。
上記窒素による内外面からの冷却により、燃焼器やトラ
ンジションピースの壁体を効果的に冷却でき、上述した
希薄燃焼によるサーマルNOx 低減の方法における冷却
用圧縮空気不足の問題を解決することができる。
【0021】本願請求項3に係る石炭ガス化発電プラン
トでは、前記請求項2の冷却窒素プレナム中に燃焼器等
の表面とほぼ平行な多孔板を設けている。プラント運転
中では、多孔板の貫通孔から窒素が噴流となって燃焼器
やトランジションピースの表面に衝突する。この窒素の
噴流による冷却は単に静的な接触による冷却より効果的
なインピンジメント冷却を実現し、これによって希薄燃
焼によるサーマルNOx 低減方法における冷却用圧縮空
気の不足の問題を効果的に解決することができる。
【0022】本願請求項4に係る石炭ガス化発電プラン
トは、ガスタービンの燃焼器あるいはトランジションピ
ースの窒素冷却手段として冷却窒素プレナムを有し、こ
の冷却窒素プレナム中に燃焼器等の壁面とほぼ平行な多
孔板を備え、さらにこの多孔板と燃焼器等の壁面との間
の空間を燃焼器のスワーラに連通させている。上記構成
により、空気分離装置から冷却窒素プレナムに導入され
た窒素は、多孔板を通って噴流となって燃焼器等の表面
を冷却した後に、その少なくとも一部はスワーラを通っ
て燃焼器中に流入する。この窒素の流入は燃焼器の燃焼
温度を直接的に低入させ、サーマルNOx を発生しにく
くすることができる。
【0023】すなわち、本発明によれば、空気分離装置
によって分離された窒素によって燃焼器等を冷却し、希
薄燃焼が抱える冷却用空気の不足の問題を解決するとと
もに、窒素を燃焼器内に送り込むことによって直接燃焼
温度を下げてサーマルNOxの発生を低減させることが
できる。
【0024】
【実施例】次に本発明による石炭ガス化発電プラントの
実施例について添付の図面を用いて説明する。
【0025】図1は、本願請求項1に係る石炭ガス化発
電プラントの概略の系統を示している。図1において、
大気1と、タービン2と同軸に連結された圧縮機3から
の圧縮空気4は、空気分離装置5(ASU)に取り込ま
れ、酸素6と窒素7とに分離される。空気分離装置5に
よって分離された酸素6は、石炭8とガス化炉9におい
て反応し、空気と反応させた場合に比べて窒素が無い分
だけカロリーが高い脱硫・脱塵前の未処理石炭ガス化燃
料10となる。この未処理石炭ガス化燃料10は、クリ
ーンアップ装置11で脱硫および脱塵され、処理済ガス
化燃料12となって、燃焼器13に供給される。この燃
焼器13において、上記石炭ガス化燃料12は前記圧縮
機3によって圧縮された空気14と一部予混合され、希
薄状態で燃焼される。燃焼器13の燃焼ガス15はター
ビン2へ送られ、タービン2を回転駆動する。前記空気
分離装置5によって分離された窒素7は、上記燃焼器1
3へ送られ、燃焼器13を冷却した後に燃焼ガス15の
一部となってタービン2へ送られる。タービン2は、上
記燃焼ガス15によって回転し、この動力によって図示
しない発電機を回転駆動して発電を行う。同時に上記タ
ービン2と同軸に連結された圧縮機3は、大気1を圧縮
し、空気分離装置5に供給する圧縮空気4と、燃焼器1
3に送る圧縮空気14とを発生する。
【0026】また、タービン2を出た低圧燃焼ガス16
はまだ十分高い温度を有しているので、排熱回収ボイラ
17(HRSG)にて図示しない蒸気タービンを駆動す
る蒸気を発生する熱源となる。
【0027】上記本実施例の石炭ガス化発電プラントの
特徴的な部分は、空気分離装置5で分離された窒素7が
ガスタービン(タービン2と圧縮機3と燃焼器13とか
らなる)の燃焼器13を冷却するために供給されている
ことにある。図2は、本実施例のガスタービン周りの構
成および流体の流れをさらに詳しく示したものである。
【0028】図2に示すように、処理済の石炭ガス化燃
料12は、燃焼器13の近傍で、希薄燃焼用の予混合用
燃料18と、燃焼を拡散させる拡散用燃料19とに分け
られる。一方、圧縮機3によって圧縮された空気14
は、希薄燃焼の予混合用空気20と、燃焼用空気21と
に分けられる。
【0029】上記拡散用燃料19は燃焼器13に直接供
給され、一方、予混合用燃料18は上記予混合用空気2
0と予め十分混合された後に燃焼器13に供給される、
上記希薄燃焼の方法は高カロリーの燃料を燃焼させる際
のNOx 低減の公知の方法を中カロリーの石炭ガス化燃
料に応用したものである。
【0030】また上記窒素による燃焼器の冷却を実現す
るために、本実施例の燃焼器13は、その表面の少なく
とも一部を覆う室を画成する冷却窒素プレナム22を有
している。空気分離装置5からの窒素7は、上記冷却窒
素プレナム22に供給され、燃焼器13の表面を冷却し
た後に燃焼器13内に導入され、燃焼ガス15と混合さ
れる。
【0031】図3は上記燃焼器13周辺の具体的構成を
示したものである。燃焼器13は圧縮機3とタービン2
の中間的位置に配設され、燃焼器13の燃料供給口に
は、拡散用燃料19と予混合用燃料20とが供給され
る。拡散用燃料19は燃焼器13の燃焼部に直接噴出さ
れ、予混合用燃料20は圧縮機3から吐出された圧縮空
気14の一部からなる予混合用空気20と十分混合され
た後に燃焼器13の燃焼部内に噴出される。燃焼器13
の燃焼部では拡散用燃料19が噴出された領域に点火さ
れ、その炎が混合された希薄燃料の全体に拡散される。
この燃焼の拡散を促進するために、燃焼器13の燃料供
給部に、拡散用燃料と混合された希薄燃料の旋回流を生
じる図示しないスワーラを設けることもできる。
【0032】上記燃焼によって生じた燃焼ガスは、燃焼
器13からトランジションピース23を通ってタービン
2の翼に衝突し、そのエネルギーによってタービン2を
回転駆動する。
【0033】冷却窒素プレナム22は、燃焼器13の外
表面を覆う二重管構造からなり、このプレナムの内部空
間は燃焼器ケーシング24と上記二重管構造の外壁に貫
設された窒素ノズル25を介して外部の窒素配管系に連
通されている。上記構成により、空気分離装置5からの
窒素7は、上記窒素ノズル25から冷却窒素プレナム2
2に導入され、燃焼器13の表面を冷却した後に燃焼器
13の壁体に設けられた後述する冷却孔を通って燃焼器
13内部に流入し、燃焼ガスの一部となる。
【0034】図4は上記ガスタービン燃焼器13に取り
付けられた冷却窒素プレナムの構造の一例を示したもの
である。本実施例の冷却窒素プレナム22aは燃焼器1
3の外表面を取り囲む二重管構造を有し、窒素ノズル2
5により上記二重管構造の内部は図示しない外部の窒素
配管系と連通している。また、上記二重管構造で覆われ
た燃焼器13の壁体26には、冷却窒素プレナム22a
内の窒素をフィルム状の流れにして燃焼器内に噴出させ
る複数の冷却孔27が設けられている。
【0035】上記構成により、本実施例の冷却窒素プレ
ナム22aによれば、窒素ノズル25から冷却窒素プレ
ナム22a内に導入された窒素7は、燃焼器13の表面
を冷却した後に冷却孔27を通ってフィルム状の流れと
なって燃焼器13の内面に沿って噴出する。この結果、
燃焼器13の内面には層状の窒素の流れが形成され、こ
の層状流れによる断熱および冷却効果により、燃焼器1
3の壁体26の内部からの過熱を防止することができ
る。
【0036】図5は冷却窒素プレナムの他の実施例を示
している。本実施例による冷却窒素プレナム22bは図
4で説明した冷却窒素プレナム22aとほぼ同一の構造
を有しているので、図4と同一の部分については同一の
符号を付して説明を省略する。この冷却窒素プレナム2
2bは、プレナム内に燃焼器壁体26とほぼ平行な多孔
板28を備え、他の構成については上記冷却窒素プレナ
ム22aと同一である。
【0037】この冷却窒素プレナム22bによれば、冷
却窒素プレナム22b内に流入した窒素7は、多孔板2
8により、多数の噴流29となって燃焼器の壁体26に
衝突し、インピンジメント冷却を行う。また、燃焼器の
壁体26の外面を冷却した窒素は、冷却孔27を通って
燃焼器13の内面にフィルム状の多層の流れを形成し、
燃焼器13の壁体26を内面から冷却する。このように
本実施例は、多孔板28の作用によって燃焼器の壁体2
6を窒素の噴流29によってインピンジメント冷却をす
るので、静的な接触による冷却に比べてさらに効果的な
冷却が可能となる。
【0038】図6は本発明による冷却窒素プレナムのさ
らに他の実施例を示している。本実施例による冷却窒素
プレナム22cは、燃焼器の外壁をインピンジメント冷
却し窒素を、燃焼器スワーラから吹き出す構造を有して
いる。
【0039】すなわち、本実施例の冷却窒素プレナム2
2cは、燃焼器壁体26に冷却孔を設けておらず、この
冷却窒素プレナム22c内を二つの室に区分する多孔板
28を燃焼器壁体26とほぼ平行に設けるとともに、多
孔板28と燃焼器壁体26との間の空間を燃焼器13の
スワーラ30に連通させている。
【0040】本実施例の冷却窒素プレナム22cによれ
ば、冷却窒素プレナム22c内の外側の環状空間に流入
した窒素7は、多孔板28の作用により噴流29となっ
て燃焼器壁体26に衝突してインピンジメント冷却をし
た後に、多孔板28と燃焼器壁体26との間の空間と連
通したスワーラ30を通って燃焼器13内に流入する。
これにより、窒素7は燃焼器壁体26のインピンジメン
ト冷却とともに、燃焼器13内の燃焼温度を直接低下さ
せるので、希薄燃焼によるサーマルNOx の低減をさら
に促進することができる。
【0041】なお、本実施において燃焼器の壁体に図5
に示したような冷却孔を設けることもできる。また、図
4に示したような、冷却窒素プレナムを設け、プレナム
内の空間をスワーラ30に連通させてもよい。これらの
場合、それぞれの冷却窒素プレナムの作用を奏すること
ができる。
【0042】上述したいずれも冷却窒素プレナムも空気
分離装置5によって分離された窒素を利用して燃焼器1
3を冷却するので、従来の燃焼器13を冷却する空気が
不要となり、その分圧縮機3で発生する圧縮空気14を
希薄燃焼の予混合用空気20に使用できる。これによ
り、新たな設備投資を要することなく、大量の予混合用
空気を必要とする希薄燃焼を可能にする。
【0043】上記作用・効果は、空気分離装置からの窒
素によってトランジションピースを冷却する場合にも得
られる。
【0044】図7は上記空気分離装置からの窒素によっ
てトランジションピースを冷却する場合のガスタービン
燃焼器の構造の一例を示している。この場合の冷却窒素
プレナム22は、図3に示したものと同一の構造を有
し、冷却する部分がトランジションピース23である点
のみが異なるので、図3と同一の部分について同一の符
号を付して説明を省略する。なお、冷却窒素プレナム2
2の具体的な構造は図4ないし図6の冷却窒素プレナム
22a,22b,22cのいずれの構造も採り得る。
【0045】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本願請求
項1ないし請求項4の石炭ガス化発電プラントによれ
ば、ガスタービンの燃焼器やトランジションピースに冷
却窒素プレナムを備えたことにより、空気分離装置によ
って分離された窒素を上記冷却窒素プレナムに導き、ガ
スタービンの燃焼器やトランジションピースを冷却する
ことができるので、従来燃焼器やトランジションピース
を冷却するのに必要であった圧縮機の圧縮空気を他の用
途に使用できるようになった。この圧縮空気を希薄燃焼
の予混合用空気に使用することにより、新たな設備投資
することなく、サーマルNOx を低減でき、かつプラン
ト効率上好ましい石炭ガス化燃料の希薄燃焼を行うこと
ができ、高効率かつサーマルNOx の発生が少ない石炭
ガス化発電プラントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による希薄燃焼方式の石炭ガス化発電プ
ラントの系統を概略示したブロック図。
【図2】本発明による石炭ガス化発電プラントのガスタ
ービン周辺の系統を概略示した図。
【図3】本発明による石炭ガス化発電プラントのガスタ
ービン燃焼器の一構造例を示した断面図。
【図4】本発明による冷却窒素プレナムの一実施例を概
略示した図。
【図5】本発明による冷却窒素プレナムの他の実施例を
概略示した図。
【図6】本発明による冷却窒素プレナムのさらに他の実
施例を概略示した図。
【図7】本発明による冷却窒素プレナムをトランジショ
ンピースに適用した例を示した図。
【図8】希薄燃焼方式による従来の石炭ガス化発電プラ
ントの系統を概略示した図。
【図9】希薄燃焼方式による従来の石炭ガス化発電プラ
ントのガスタービン燃焼器の構造を概略示した断面図。
【図10】空気分離装置の窒素を石炭ガス化燃料に混入
するようにした従来の石炭ガス化発電プラントの系統を
概略示した図。
【図11】燃焼器中に水または蒸気を噴出するようにし
た従来の石炭ガス化発電プラントの系統を概略示した
図。
【符号の説明】
2 タービン 3 圧縮機 4 圧縮空気 5 空気分離装置 6 酸素 7 窒素 8 石炭 9 ガス化炉 12 処理済石炭ガス化燃料 13 燃焼器 14 圧縮空気 15 燃焼ガス 18 予混合用燃料 19 拡散用燃料 20 予混合用空気 21 燃焼用空気 22 冷却窒素プレナム 23 トランジションピース 26 壁体 27 冷却孔 28 多孔板 29 噴流 30 スワーラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭ガス化装置に供する酸素と窒素を発生
    する空気分離装置と、前記炭素ガス化装置によって生成
    された石炭ガス化燃料を拡散用燃料と予混合用燃料とに
    分け、前記拡散用燃料を燃焼器に直接供給し、前記予混
    合用燃料を予混合用空気と混合した後に前記燃焼器に供
    給して希薄燃焼を行うガスタービンとを備えた石炭ガス
    化発電プラントにおいて、 前記空気分離装置によって分離された窒素を前記ガスタ
    ービンに導き、この窒素によって前記ガスタービンの燃
    焼器あるいはトランジションピースを冷却する窒素冷却
    手段を設けたことを特徴とする石炭ガス化発電プラン
    ト。
  2. 【請求項2】前記窒素冷却手段は、 前記燃焼器あるいはトランジションピースの表面の少な
    くとも一部を前記窒素で覆う室を画成する冷却窒素プレ
    ナムと、 前記燃焼器あるいはトランジションピースの壁体中に設
    けられ、前記冷却窒素プレナム内の窒素をフィルム状の
    流れにして前記燃焼器あるいはトランジションピース内
    に送り込む冷却孔とを備えていることを特徴とする請求
    項1に記載の石炭ガス化発電プラント。
  3. 【請求項3】前記冷却窒素プレナムの内部に前記燃焼器
    あるいはトランジションピースの壁面とほぼ平行な多孔
    板を設け、この多孔板によって窒素が噴流となって前記
    冷却窒素プレナムに覆われた燃焼器あるいはトランジシ
    ョンピースの表面に衝突するように構成したことを特徴
    とする請求項2に記載の石炭ガス化発電プラント。
  4. 【請求項4】前記窒素冷却手段は、 前記燃焼器あるいはトランジションピースの表面の少な
    くとも一部を前記窒素で覆う室を画成する冷却窒素プレ
    ナムを有し、 前記冷却窒素プレナムの内部に前記燃焼器あるいはトラ
    ンジションピースの壁面とほぼ平行な多孔板を設け、 前記多孔板と前記燃焼器あるいはトランジションピース
    の壁面の間の空間を前記燃焼器のスワーラと連通させ、 前記燃焼器あるいは前記トランジションピースの壁面に
    前記窒素が噴流となって衝突した後に前記窒素の一部ま
    たは全部が前記スワーラから前記燃焼器内に流入するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3
    のいずれかに記載の石炭ガス化発電プラント。
JP20550494A 1994-08-30 1994-08-30 石炭ガス化発電プラント Pending JPH0868301A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008169390A (ja) * 2006-12-18 2008-07-24 Pratt & Whitney Rocketdyne Inc ダンプ冷却型ガス化装置、およびダンプ冷却ライナ
JP2010230287A (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 Hitachi Ltd 石炭ガス化発電プラント及び石炭ガス化発電プラントの燃焼方法
JP2013142531A (ja) * 2012-01-06 2013-07-22 General Electric Co <Ge> 作動流体を燃焼器に供給するためのシステムおよび方法

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