JPH0866851A - 研削砥石のドレッシング装置 - Google Patents

研削砥石のドレッシング装置

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JPH0866851A
JPH0866851A JP20330294A JP20330294A JPH0866851A JP H0866851 A JPH0866851 A JP H0866851A JP 20330294 A JP20330294 A JP 20330294A JP 20330294 A JP20330294 A JP 20330294A JP H0866851 A JPH0866851 A JP H0866851A
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dresser
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Takeshi Nonokawa
岳司 野々川
Kuniaki Unno
邦昭 海野
Yasushi Ikuse
康史 幾瀬
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 研削砥石の表層が必要以上に除去されないド
レッシング装置を提供する。 【構成】 ドレッシングが行われると同時に振動子72
の駆動電圧が検出され、モニタ44,45に表示され
る。駆動電圧は研削面12の凹凸或いは外周振れの大き
さに応じて変動させられるため、この駆動電圧の変動の
大きさが予め定められた所定の大きさ以下となるまでド
レッシングを行うことにより、研削面形状或いは偏心量
を別途測定することなく、研削砥石10の研削面12の
凹凸および外周振れを良好な加工品位が得られる程度の
大きさとすることができる。したがって、従来のように
研削面12の凹凸および偏心量を測定すると共に、それ
らの大きさに余裕を見てドレッシングを行っていた場合
に比較して、研削砥石10の表層が必要以上に除去され
ることがなく、しかも、高い作業効率が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、研削砥石のドレッシン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属やセラミックス等の被削材の表面を
除去加工し、所望の形状或いは表面粗さを得る研削加工
に用いられる研削砥石は、目つぶれや目詰まりによって
劣化した切れ味を回復させると共に良好な仕上げ面粗さ
を得るために、定期的に目立ておよび形状修正(以下、
本願においてはドレッシングという)が行われて、砥石
表面に切刃が生成されると同時に研削面形状が修正され
る。また、良好な仕上げ面粗さを得るには、研削面と被
削材表面との距離が一定に保たれて研削砥石が安定して
作用することも必要であるため、研削砥石をその研削面
が回転中心に対し真円となるように偏心(外周振れ)が
除去される。
【0003】ところで、上記の形状修正および外周振れ
除去は、例えば研削砥石をその軸心回りに回転させ、ド
レッサをその研削面に押圧すると共に軸心と平行な方向
に往復させることにより行われる。従来、この際の除去
量(すなわち、研削砥石の径方向の切込量)は、形状修
正を行う場合には、例えば鋳鉄等から成る比較的柔らか
い型取り板を研削砥石の研削面に押圧してその形状を写
し取り、微小変位計等でその写し取られた形状を測定す
る(すなわち、研削面形状の崩れを測定する)ことによ
って決定され、また、外周振れ除去を行う場合には、研
削砥石の研削面の振れがダイヤルゲージ等によって測定
されていた。
【0004】
【発明が解決すべき課題】ところが、上記のようにドレ
ッサの切込量を決定して機械的にその量だけ研削砥石と
ドレッサの相対位置を変化させても、一般に研削砥石の
弾性変形等のために必要な切込量が得られない。そのた
め、従来は、弾性変形等による切込量の低下を経験的に
把握し、上記のようにして決定された切込量よりも大き
な切込量を設定して形状修正および外周振れ除去を行っ
ていた。この大きな切込量は、形状或いは外周振れを再
測定することなく一回のドレッシングで、確実に形状修
正或いは外周振れ除去が終了する値に設定されるため、
実際の切込量は上記決定された切込量よりも大きな値と
なる。
【0005】したがって、研削砥石の表層が必要以上に
除去されることとなって無駄が多いという問題があっ
た。特に、比較的摩耗量の少ない超砥粒等が用いられた
研削砥石においては、ドレッサの摩耗量も大きいことか
ら上記の切込量の設定が一層困難となり、研削加工時の
摩耗量が数μm程度であるのに対し、ドレッサによる除
去量が同程度以上となり得て一層大きな無駄が発生す
る。なお、上記の設定切込量を比較的小さい値とし、ド
レッシングを中断して研削面形状或いは外周振れの測定
を繰り返す方法をとれば、研削砥石の表層が必要以上に
除去されることはなくなるが、その場合には作業効率が
大きく低下するという問題が発生する。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、研削砥石の表層を必要以
上に除去しないドレッシング装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、一定のインピーダン
スを備えた整合回路を有する超音波発振器と、その整合
回路の出力側に接続されてその超音波発振器から所定の
周波数の駆動電圧が印加されることにより微振動させら
れる振動子と、その振動子に固着されたドレッサとを備
えたドレッシング装置であって、(a) 前記ドレッサを研
削砥石の研削面に対して接近離隔する方向に微振動させ
つつドレッシングするドレッシング手段と、(b) 前記振
動子に印加される駆動電圧を検出する駆動電圧検出手段
と、(c) その検出された駆動電圧を処理することにより
前記研削面の変位を表す変位信号を出力する変位信号出
力手段とを、含むことにある。
【0008】
【作用および発明の効果】このようにすれば、ドレッシ
ング手段によって、ドレッサは研削砥石の研削面に対し
て接近離隔する方向に微振動させられつつその研削面を
ドレッシングさせられるが、研削面形状の崩れや外周振
れ等があるとその研削面が変位するため、ドレッサと研
削面との距離の変動が生じて切込量が変動し、その研削
面からドレッサに与えられる加工負荷が変動する。この
とき、ドレッサおよび振動子(以下、機械振動系とい
う)の等価回路を考えると、この等価回路のインピーダ
ンスは加工負荷によって変動する。一方、機械振動系の
微振動は、超音波発振器から所定の周波数の駆動電圧が
印加されることにより生じるが、整合回路は一定のイン
ピーダンスを備えているため、整合回路の入力側の電圧
に変化がなければ、機械振動系の駆動電圧は等価回路の
インピーダンスの変動に応じて変化させられる。
【0009】すなわち、研削面の変位に対応して駆動電
圧が変化させられるため、駆動電圧検出手段によって検
出される駆動電圧は、変位の原因となる研削砥石の研削
面形状或いは外周振れに対応して変化させられる。その
ため、変位信号出力手段によってその駆動電圧を処理し
て出力される前記研削面の変位を表す変位信号は、研削
面形状或いは外周振れに対応するものとなる。したがっ
て、この変位信号すなち研削面形状の崩れ或いは外周振
れが所定の値以下となったときにドレッシングを終了す
ることにより、研削砥石の表層が必要以上に除去される
ことなく、形状修正および外周振れ除去が行われるので
ある。しかも、ドレッシング中に研削面形状或いは外周
振れが検出されて表示されることから、ドレッシングを
中断してそれらを測定する必要がなくなり、作業効率が
向上することとなる。
【0010】ここで、好適には、前記変位信号出力手段
は、所定の時間間隔毎にその時間内における前記駆動電
圧の最大値を求めて記憶する最大値記憶手段を含み、そ
の最大値のみに対応する変位信号が出力される。上記所
定の時間間隔は、適宜設定されることによって研削砥石
の回転角或いは幅方向の間隔に対応させられるものであ
る。このようにすれば、変位信号出力手段によって上記
所定間隔毎に最大値のみに対応する変位信号が出力され
るため、出力される変位信号が単純化されて研削砥石の
研削面形状や外周振れの状態を確認することが一層容易
となる。
【0011】また、好適には、前記変位信号出力手段
は、前記最大値記憶手段によって記憶された駆動電圧の
最大値に対応する変位信号を包絡線処理する包絡線処理
手段を更に含み、その包絡線処理された変位信号が出力
される。このようにすれば、出力される変位信号が一層
単純化されるため、研削砥石の研削面形状や外周振れの
状態を確認することが一層容易となる。
【0012】また、好適には、前記整合回路の入力側の
電圧は一定値とされる。このようにすれば、駆動電圧の
変化は機械振動系のインピーダンスの変化すなわち研削
砥石の研削面形状或いは外周振れのみによって生じるこ
ととなって、変位信号出力手段によって出力される変位
信号は、これらの値を一層正確に表すこととなる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を図面を参照して
説明する。
【0014】図1は本発明の機能ブロック線図である。
ドレッシング手段により、ドレッサが研削砥石10の研
削面12に接近離隔する方向に微振動させられつつその
研削面12のドレッシングが行われ、その際の微振動の
駆動電圧が駆動電圧検出手段によって検出されるが、そ
の駆動電圧の変動は研削面12の変位に基づくものであ
るため、変位信号出力手段によってその駆動電圧が処理
されることにより、研削面12の変位を表す変位信号が
出力される。したがって、この変位信号に基づき、ドレ
ッシングを行いつつ研削面12の状態、すなわち、外周
振れ或いは研削面形状を確認することが可能となる。
【0015】図2は、本発明の一実施例のドレッシング
装置を説明する図である。平面研削盤14には、例えば
円盤状の研削砥石10が回転軸16において固定されて
おり、この回転軸16が図示しない回転駆動手段によっ
て回転させられることにより、研削砥石10が図2にお
ける紙面と垂直な軸回りに図の矢印方向へ回転させられ
る。また、平面研削盤14の上面に備えられたテーブル
18上には、ドレッシング装置20のドレッサ部22
が、例えば図示しないマグネットチャックによって固定
されている。ドレッサ部22は、ドレッサ保持装置24
と、ドレッサ保持装置24に微振動可能に保持され、例
えば多数の粒状のダイヤモンドが埋設されたダイヤモン
ドドレッサ26を保持する振動駆動手段としての振動駆
動装置28とを備えている。この振動駆動装置28は、
リード30によって超音波発信器32に接続されてお
り、その超音波発信器32からの駆動信号によって図の
矢印方向、すなわち研削砥石10の研削面12に接近離
隔する方向に微振動させられる。本実施例においては、
ドレッサ部22および超音波発振器32がドレッシング
手段に相当する。
【0016】また、上記超音波発信器32には、A/D
変換器34を介して、CPU36,RAM38,ROM
40を備えた制御装置42が接続されており、その制御
装置42には例えばデジタルオッシロスコープ等のモニ
タ44,45が接続されている。CPU36は、超音波
発信器32から振動駆動装置28に出力される駆動電圧
を示す駆動電圧信号がA/D変換器34を介して入力さ
れると、RAM38の一次記憶機能を利用しつつROM
40に予め記憶されたプログラムに従ってその駆動電圧
信号を処理し、モニタ44,45によって、例えば横軸
に時間軸、縦軸に駆動電圧を表す二次元図表上に出力す
る。この時間軸は、例えばモニタ44においては研削砥
石10の回転角に対応し、モニタ45においては研削砥
石10の幅方向位置に対応するものである。
【0017】上記ドレッサ保持装置24は、図3に詳細
を示すように、例えば円板状部材46上に、円筒状部材
48、受け部材50および押え部材52が、それぞれの
軸心が一致するように順次積み重ねられて構成されてい
る。円筒状部材48は、シール部材54を介してボルト
等によって円板状部材46に固定されており、その円板
状部材46に近い位置の側面には、前記リード30を通
すための段付き穴56が設けられている。受け部材50
および押え部材52は、それぞれ円筒状部材48よりも
小さい内径を有するリング状を成しており、上記円筒状
部材48の円板状部材46とは反対側の端部に、シール
部材58を介して、ボルト等によって固定されている。
【0018】また、受け部材50の円筒状部材48側の
端部には、その端面を延長するように内径方向に僅かに
張り出した薄肉の張出部60が備えられており、一方、
押え部材52の受け部材50側の端面の内周側には、そ
の内周面を延長するように受け部材50側に突き出す周
状突部62が備えられている。これら張出部60および
周状突部62により、ドレッサ保持装置24の上部側内
周面には、周溝64が形成されている。なお、上記ドレ
ッサ保持装置24を構成する各部材は、何れもSS鋼材
或いはSUS鋼材から形成されている。
【0019】また、上記振動駆動装置28は、例えばア
ルミニウム合金(JIS H4040に規定されるA5
056等)に電歪振動子が組み合わされて成るもので、
上記受け部材50および押え部材52の内径よりも小さ
い直径を備えた円柱状部材66と、基端部の直径が円柱
状部材66と略同等にされると共に先端部がやや先細り
にされ、基端部側すなわち円柱状部材66側中間部に基
端部よりも大きな直径の薄肉の鍔状部68を備えた円錐
台状部材70とが、チタン酸バリウム等から成る縦型電
歪振動子72を介して例えば接着等によって一体的に組
み立てられて構成されている。
【0020】円錐台状部材70の上記先端部には、その
先端面に開口する有底のネジ穴74が設けられており、
このネジ穴74に、前記ドレッサ26が螺着されてい
る。振動駆動装置28は、例えばシリコンゴムから成る
一対のOリング76,76を介して、上記鍔状部68が
前記周溝64内に保持されてドレッサ保持装置24に取
り付けられることによって音響的損失が小さくされ、効
率良く駆動される。また、上記周溝64の底面と鍔状部
68の外周面との間には、鍔状部68とドレッサ保持装
置24との直接接触を防止するために、例えばポリエス
テルプラスチックから成る薄肉円筒状シート78が備え
られている。
【0021】上記縦型電歪振動子72の上下両面(円柱
状部材66および円錐台状部材70との接合面)には、
前記リード30が接続された一対の電極80,80が固
着されており、縦型電歪振動子72はこの一対の電極8
0,80に交流電圧が印加されることによって、その電
圧に応じた周期で図3における上下方向に伸長或いは収
縮させられることにより振動させられる。この縦型電歪
振動子72を備えた振動駆動装置28は、前記超音波発
信器32からの駆動信号に従って、例えば共振周波数3
3kHz、振動力180N、振幅2.5μm程度の縦振動
モードで、図2の矢印方向に微振動させられる。なお、
上記の振動力および振幅は、何れも音響負荷抵抗が80
0N・s/mの条件下で測定した値である。また、超音
波発信器32は、100Vの交流電圧を受けて振動帰還
発振によって上記駆動信号を発するものであり、20〜
50Wの範囲で連続的に出力が可変とされている。ま
た、前記段付穴56の大径側底部には、防水のためシリ
コンゴムから成るOリング82が備えられている。
【0022】以下、上記構成のドレッシング装置20を
用いた、研削砥石10(例えば直径250mm程度のS
D600P100M)のドレッシング方法を説明する。
好適な研削比および仕上げ面を得るためには、ドレッシ
ングと同時に外周振れ除去を行う必要がある。
【0023】ドレッシングに際しては、例えばドレッサ
26が研削砥石10に対して図2における下方にに離隔
させられている状態で、研削砥石10が所定の回転速度
(例えば3000rpmすなわち周速度2400m/m
in)で図2における矢印方向へ回転させられる。その
後、回転軸16を下方に移動させ、或いはテーブル18
を上方に移動させることにより、ドレッサ26が所定の
切込量で研削面12に押圧される。このとき、振動駆動
装置28が超音波発信器32からの駆動信号に基づい
て、図3に示される鍔状部68を節として微振動させら
れることによって、その振動駆動装置28の先端に螺着
されているドレッサ26は、図2の矢印方向すなわち研
削砥石10の研削面12に接近離隔する方向に微振動さ
せられる。本実施例においては、ドレッサ26を微振動
させつつ研削面12に押圧する工程がドレッシング工程
に対応する。
【0024】なお、通常のドレッシングにおいては、研
削面12にドレッサ26の先端面の形状を写し取らない
ために、ドレッサ26が研削砥石10の軸方向に相対移
動させられつつドレッシングが行われるが、本実施例は
例えば研削砥石10がその研削面12に一定の形状を備
えた所謂総形砥石の場合のドレッシングであり、ドレッ
サ26のその先端面の研削砥石10の幅方向における長
さがその研削砥石10の幅よりも大きくされ、且つその
先端面に上記一定の形状が備えられており、上述のよう
にプランジ切込方式でドレッシングが行われる。
【0025】上記のようにしてドレッシングが行われて
いる間、振動駆動装置28の駆動電圧である一対の電極
80,80間の電圧信号は、所定の時間間隔毎に、A/
D変換器34を介して制御装置42のCPU36によっ
て検出され、その電圧信号は、例えば図4(a) 或いは
(b) に示されるように、モニタ44によって横軸に時
間、縦軸に駆動電圧(例えば電位の実効値)をとった二
次元図表上に順次表示される。なお、上記時間間隔は、
研削砥石10が1回転する(すなわち回転角2πとな
る)時間に比して短い時間であり、回転角2πに相当す
る図4(a) の凸部の頂点の間隔内で多数回の検出が行わ
れる。本実施例においては、上記A/D変換器34が駆
動電圧検出手段に、制御装置42およびモニタ44が変
位信号出力手段にそれぞれ相当する。また、制御装置4
2により電圧信号を検出する工程が駆動電圧検出工程
に、モニタ44によって電圧信号を二次元図表上に表示
する工程が変位信号出力工程にそれぞれ対応する。
【0026】上記の図4(a) ,(b) は、ドレッシング開
始時(すなわち、例えばドレッサ26が研削砥石10の
径方向に最初に移動させられた際)、およびドレッシン
グ終了時(すなわち、ドレッサ26の最後の径方向の移
動時)の駆動電圧の波形をそれぞれ示すものであり、そ
れぞれの図には、その時点での研削砥石10の外周振れ
の大きさが示されている。この研削砥石10の外周振れ
の大きさは、例えば、テーブル18上に載置したダイヤ
ルゲージによって、研削砥石10を僅かな量だけ回転さ
せる毎に平面研削盤14のテーブル18上面と研削砥石
10の外周面(研削面12)との距離を測定し、その最
大値と最小値との差から求めたものであり、ドレッシン
グ開始時では16μm程度、ドレッシング終了時では2
μm程度であった。
【0027】ここで、本実施例においては、ドレッシン
グが行われると同時に振動子72の駆動電圧が検出さ
れ、モニタ44に表示される。本実施例のようにドレッ
サ26がプランジ切込され且つ検出時間間隔が研削砥石
10の回転速度よりも充分小さくされている場合には、
駆動電圧は主に外周振れの大きさに応じて変動させられ
るため、この駆動電圧の変動の大きさすなわち図4に示
される凹凸の大きさが予め定められた所定の大きさ(例
えば図4(b) に示される程度)以下となるまで外周振れ
除去を行うことにより、偏心量を別途測定することな
く、研削砥石10の外周振れを良好な加工品位が得られ
る程度の大きさとすることができる。したがって、従来
のようにダイヤルゲージによって偏心量を測定すると共
に、その偏心量に余裕を見て外周振れ除去を行っていた
場合に比較して、研削砥石10の表層が必要以上に除去
されることがなく、しかも、外周振れを測定する必要が
ないため、高い作業効率が得られる。
【0028】すなわち、上記図4(a) における凸部は、
ドレッサ26が研削砥石10の外周面12を切り込んで
いることを示し、その縦軸の値(駆動電圧)は加工負荷
の大きさ(すなわちドレッサ26の切込量)に対応す
る。外周振れがあると研削面12が変位してドレッサ2
6とその研削面12との距離が変化することにより切込
量が変化し、加工負荷延いては駆動電圧の変化が生じる
ため、駆動電圧を検出することにより外周振れの大きさ
を確認することができるのである。
【0029】以下にその原理を説明する。図5は振動駆
動装置28およびそれに接続された超音波発信器32の
整合回路84を示す図である。この整合回路84は、整
合トランス86と、直列インピーダンスとしてのコイル
LおよびコンデンサC2 と、並列インピーダンスとして
のコンデンサCとを備えており、ドレッサ26の加工負
荷および振動駆動装置28の電気インピーダンスを、整
合回路84の振動駆動装置28とは反対側に接続される
図示しない電力増幅器の最適出力インピーダンスに整合
させるためのものである。振動駆動装置28はコンデン
サCの両端に接続されており、このコンデンサCの両端
から駆動電圧が印加され、A/D変換器34によって検
出される。本実施例においては、上記直列インピーダン
スおよび並列インピーダンスが一定のインピーダンスに
相当する。
【0030】振動駆動装置28およびドレッサ26すな
わち機械振動系は、図6に示されるような等価回路で示
すことができるが、ドレッシング時においては機械振動
系内で共振状態が実現されるため、その内部の機械イン
ピーダンス中のリアクタンス(すなわち、インダクタン
スおよびキャパシタンス)は互いに打ち消しあって零と
なる。したがって、ドレッシング時の共振角速度をω0a
とすると、下記 (1)式が成立し、図6に示される等価回
路は図7のように単純化される。
【0031】
【数1】
【0032】上記図7において、機械振動系の合成イン
ピーダンスをZ1 (なお、インピーダンスは位相を含む
ため、下記 (2)式等に見られるように上に・を付けて表
示するのが一般的であるが、表記の便宜上、以下の文中
では・を省略する。)とすると、図7は図8のように書
き換えられる。このとき、Z1 は下記 (2)式で表され、
並列インピーダンスCをZ2 、直列インピーダンス(L
およびC2 の合成インピーダンス)をZ3 とおくと、整
合回路84に電圧V0 が印加されたときの駆動電圧V
は、下記 (3)式で表される。すなわち、Z2 およびZ3
は一定であるため、V0 が一定であるとすると、駆動電
圧Vは機械振動系の合成インピーダンスZ 1 の変化に応
じて変化させられる。
【0033】
【数2】
【0034】一方、研削砥石10の外周振れによって、
研削面12の図2における下端の位置が変位しドレッサ
26との距離が変化させられると、ドレッサ26の切込
量すなわち加工機械負荷ra が変化させられ、合成イン
ピーダンスZ1 が変化させられる。具体的には、外周振
れによって研削面12の下端が図2における下方に変位
すると、加工機械負荷ra が大きくされて合成インピー
ダンスZ1 が大きくされ、反対に上方に変位するとra
が小さくされてZ1 が小さくされる。すなわち、ドレッ
シング開始前においてはra の変化がないため、検出さ
れる駆動電圧Vは図9(a) に示されるように振幅の一定
した正弦波であるが、ドレッシングが開始された後は、
研削砥石10の外周振れによって研削面12とドレッサ
26との距離が変化させられると、Z1 の変化に応じて
上記 (3)式に従ってV0 が変化させられるため、図9
(b) に示されるように振幅の乱れが生じる。したがっ
て、このV0 を検出して表示することによって外周振れ
の大きさを確認することができるのである。
【0035】また、本実施例のドレッシング装置によれ
ば、ドレッサ26に微振動が加えられていることにより
負荷が減少するため、ドレッサ26の摩耗量が従来の微
振動が加えられていない場合に比較して約30%減少す
る。そのため従来のドレッシング装置に比較してドレッ
サ26の寿命が1.4倍程度に向上する。
【0036】次に、ドレッシング装置20を用いた、研
削砥石10(例えば、φ300×15t程度の寸法のC
BN砥石;CB80L200VN1)のドレッシング方
法を説明する。この場合、ドレッサ26としては、例え
ば単石ダイヤモンドドレッサが用いられる。
【0037】上記研削砥石10は、研削加工に用いられ
た結果、その研削面12に図10に示されるように幅方
向(すなわち軸方向)に2μm程度の凹凸の形状崩れが
生じているものである。このような状態の研削砥石10
によって被削材を加工すると、研削面12全面が被削材
の表面に作用させられないため、良好な仕上げ面粗さが
得られないと共に、プランジ研削に用いられる場合には
この凹凸形状が被削材表面に転写されることとなるた
め、例えばこの凹凸がない平坦な状態に形状修正する必
要がある。なお、上記研削面形状は、例えば回転させら
れている研削砥石10の研削面12に鋳鉄或いはカーボ
ン等から成る比較的柔らかい型取板を押し付け、その形
状を写し取った後に、例えば微小変位計等を厚さ方向に
対応する方向に走査して得たものであり、研削砥石10
の研削面12の凹凸が反転して示されている。
【0038】ドレッシングに際しては、ドレッサ26が
研削砥石10の直下から回転軸16と平行な方向(すな
わち、図2における紙面と垂直な方向)に離隔させられ
ている状態で、研削砥石10を例えば周速度1700m
/minで回転させる。このとき、ドレッサ26の上端
面は、研削砥石10の下端部において研削面12に接す
る水平面に対して、切込量に対応する距離だけ上側に位
置させられている。その後、テーブル18を図2におけ
る紙面に垂直な方向に往復移動させると共に、例えば1
往復毎に回転軸16を下方に所定量移動させることによ
り、例えば軸方向に研削砥石10の1回転当たり0.0
2mmの送り速度、切込量2μm/passでドレッシング
が行われる。このとき、ドレッサ26は、前述の実施例
と同様に、研削面12に接近離隔する方向に微振動させ
られる。
【0039】上記のようにしてドレッシングが行われて
いる間、前述の実施例と同様にして、振動駆動装置28
の駆動電圧である一対の電極80,80間の電圧信号
は、所定の第1時間間隔毎に、A/D変換器34を介し
て制御装置42のCPU36によって検出され、前記図
3(a) ,(b) に示されるようにモニタ44によって横軸
に時間、縦軸に駆動電圧をとった二次元図表上に順次表
示される。なお、上記の第1時間間隔は、前述の実施例
と同様な時間間隔すなわち研削砥石10が1回転する時
間より短い時間である。
【0040】同時に、一対の電極80,80間の電圧信
号は、所定の第2時間間隔毎に、A/D変換器34を介
して制御装置42のCPU36によって検出される。こ
の第2時間間隔は、上記第1時間間隔よりも比較的長い
時間であり、研削砥石10の幅方向に多数に分割される
大きさに設定される。CPU36は、例えば図11に示
されるフローチャートに従って電圧信号を処理し、モニ
タ45によって図12(a) ,(b) に示されるように二次
元図表上に表示する。すなわち、本実施例においては、
制御装置42およびモニタ44,45が変位信号出力手
段に相当する。
【0041】すなわち、ステップS1においては、ドレ
ッサ26が研削砥石10の外周面32に接触し始めたか
否かが検出される。この接触の検出は、例えば上記電圧
信号の変動が予め定められた所定値ΔVを越えたか否か
によって判断される。未だ接触し始めていないと判断さ
れると待機させられるが、接触し始めたと判断される
と、ステップS2に進んで表示位置カウンタnが1にセ
ットされ、続くステップS3において、タイマTおよび
電圧信号Vmax がそれぞれ0にリセットされる。
【0042】ステップS4においては、A/D変換器3
4から送られた電圧信号Vが所定の時間間隔(前記第2
時間間隔よりは充分短い時間間隔)で読み込まれ、ステ
ップS5においては、その電圧信号VがVmax よりも大
きいか否かが判断される。V>Vmax と判断されると、
ステップS6においてVmax がVによって置き換えられ
てステップS7に進むが、V≦Vmax と判断された場合
は置き換えが行われず、直ちにステップS7に進む。ス
テップS7においては、タイマTが1だけ加算され、ス
テップS8においてTが予め定められた所定値T1 より
も大きいか否かが判断される。この所定値T1 は、電圧
信号Vの最大値を求める第2時間間隔すなわち、モニタ
44に電圧信号が表示される研削砥石10の幅方向の間
隔に相当するものである。T≦T1 と判断された場合に
は、再びステップS4に戻って電圧信号Vが読み込まれ
るが、T>T1 と判断されると、ステップS9におい
て、二次元図表の横軸のnT1 に対応する位置にVmax
が表示される。本実施例においては、上記ステップS4
が駆動電圧検出工程に、ステップS9が変位信号出力工
程にそれぞれ対応する。
【0043】ステップS10においては、表示位置カウ
ンタnに1が加算され、ステップS11においては、ド
レッサ26と研削面12の接触状態が継続しているか否
か、すなわち、ドレッサ26が研削砥石10の軸方向の
移動を1回終了したか否かが判断される。接触していな
いと判断されると一連の工程が終了させられるが、接触
している、すなわち軸方向の移動が終了していないと判
断されると、ステップS3に戻って、TおよびVmax
再びリセットされ、(n+1)T1 に対応する次の幅方
向位置について同様に電圧信号Vの最大値Vmax が求め
られ、同様に二次元図表上の(n+1)T1 に対応する
位置に表示される。
【0044】このようにして、ドレッサ26が研削砥石
10の軸方向の移動を1回終了すると、モニタ44には
図12(a) 或いは(b) に示されるように電圧信号Vmax
の波形が表示される。この図12(a) ,(b) は、ドレッ
シング開始された後において外周振れが除去された時、
およびドレッシング終了時(すなわち、ドレッサ26の
最後の幅方向の移動時)について示すものであり、ドレ
ッサ26が回転軸16の軸方向に移動させられることか
ら、時間軸である横軸がその軸方向に対応し、図のdの
範囲が研削砥石10の幅に相当する。なお、図4および
図12の時間軸の大きさは、それぞれモニタ44,45
の表示画面内に電圧信号波形が大きく表示されるように
定められており、両図の時間軸の大きさは必ずしも同じ
ものではない。
【0045】上記の図12(a) ,(b) における駆動電圧
max の凹凸は、研削砥石10の研削面形状に相当する
ものであり、この凹凸が予め定められた大きさ(例えば
図12(b) に示される程度)以下となったときにドレッ
シングを終了することによって、研削砥石10の研削面
形状を好適な加工品位が得られる状態にすることができ
る。
【0046】すなわち、前述のように、駆動電圧Vの凹
凸はドレッサ26と研削面12との距離の変動に対応す
るものであり、研削面12の凸部においてはドレッサ2
6が大きな切込量で研削面12を切り込むこととなるた
め、機械負荷抵抗ra が大きくすなわち機械振動系の合
成インピーダンスZ1 が大きくなって、前記 (3)式に従
って駆動電圧Vが高くなる。一方、研削面12の凹部に
おいては、切込量が小さくなるため、Z1 が小さい値と
なって駆動電圧Vが低くなる。そのため、研削砥石10
の研削面形状に対応して駆動電圧Vの凹凸が生じ、その
駆動電圧Vを検出することによってその形状を確認する
ことが可能となる。なお、図10および図12(a) の対
比から明らかなように、本実施例によって従来の型取板
によった場合と同程度の感度で研削面12の凹凸が検出
できる。
【0047】ところで、本実施例においては、ドレッシ
ングが開始されると前述の実施例と同様に外周振れに相
当する駆動電圧信号(すなわち変位信号)がモニタ44
に出力され、同時に軸方向の研削面形状に相当する駆動
電圧信号がモニタ45に出力され、それぞれ時間軸と駆
動電圧軸を有する二次元図表上に表示される。しかしな
がら、研削面形状に相当する駆動電圧信号は、所定の幅
方向長さの範囲内での最大値であるため、外周振れがあ
る場合には研削面12が最も下端側に位置した回転角度
における値が表示されることとなり、研削面形状に対応
した信号波形が得られない。
【0048】例えば、比較的大きな外周振れがある図4
(a) に示される状態からドレッシングが開始された場合
には、研削面12の周方向の一部のみがドレッサ26に
よって切り込まれてその幅方向の形状が修正され、その
形状に対応する駆動電圧信号がモニタ45に表示される
こととなる。したがって、図12に示される駆動電圧信
号のみを確認してドレッシングを行うと、研削面12の
周方向の全体が形状修正されない状態でドレッシングが
終了した判断することとなる。
【0049】そのため、ドレッシングをするに際して
は、先ずモニタ44に表示される外周振れに対応する駆
動電圧信号が図4(b) に示されるように回転各2πの範
囲内で充分平坦になった後に、モニタ45に表示される
研削面形状に対応する駆動電圧信号を確認する。そし
て、この駆動電圧信号が図12(b) に示されるように充
分平坦になった時にドレッシングを終了することによ
り、研削砥石10は、外周振れがなく且つ良好な研削面
形状を有する状態とされる。
【0050】図13は、上述の実施例において適用され
得る他のフローチャートの要部を示す図である。本実施
例においては、研削面形状を示す電圧信号Vの最大値V
maxは逐次表示されず、ステップS9′においてnT1
に対応して記憶され、ステップS11の判断が肯定され
たときにステップS12において包絡線処理される。そ
して、ステップS13においては、この包絡線処理され
た最大値Vmax が表示される。すなわち、本実施例にお
いては、上記ステップS13が変位信号出力工程に対応
する。図14は、このようにして処理されてモニタ44
によって二次元図表上に表示された電圧信号の最大値V
max を示すものであり、図12(b) に対応する図であ
る。
【0051】本実施例においては、包絡線処理された電
圧信号Vの最大値Vmax がモニタ44に表示されるた
め、外周振れの大きさが一層容易に確認される。
【0052】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0053】例えば、前述の実施例においては、振動子
72の駆動電圧を直ちにA/D変換器34に取り込んだ
が、振動子72とA/D変換器34との間にリニアライ
ザが備えられていても良い。一般に、ドレッサ26およ
び振動駆動装置28を介して検出した電圧信号は、研削
砥石10の研削面形状を忠実に再現するものとはならな
いため、その電圧信号と形状との関係を直線的に補正す
るリニアライザが備えられていれば、研削砥石10の研
削面形状を一層正確に確認することが可能となる。
【0054】また、整合回路84は、実施例で示したコ
イルL,コンデンサC2 ,Cが備えられたものに限ら
ず、一定のインピーダンスを備えたものであれば種々の
回路構成が適用され得る。好適には、整合回路84は、
整合トランス86と、直列インピーダンスおよび/また
は並列インピーダンスを有するものであれば、その回路
構成は特に限定されない。
【0055】また、実施例においては、整合回路84に
入力される電圧V0 が一定である場合について説明した
が、この入力電圧V0 は必ずしも一定でなくとも良い。
但し、可変とされている場合には、 (3)式から明らかな
ように、その変動によっても駆動電圧Vが変動すること
になるため、入力電圧V0 を示す電圧信号も制御装置4
2に送り、駆動電圧Vの変動を入力電圧V0 の変動で補
正することが必要である。
【0056】また、第2実施例においては、制御装置4
2に2つのモニタ44,45が接続されて外周振れおよ
び研削面形状に対応する電圧信号がそれぞれ表示されて
いたが、モニタ44を1つだけ備えると共に制御装置4
2に切換装置を設け、ドレッシング開始当初は外周振れ
に対応する電圧信号を表示し、外周振れが除去された後
に切換装置を切り換えることによって研削面形状に対応
する電圧信号を表示するように構成しても良い。外周振
れがあるときには研削面形状に対応する電圧信号は確認
を要さないので必ずしも表示されなくとも良いのであ
る。
【0057】また、第2実施例において、第1時間間隔
毎に電圧信号が検出されてモニタ44に表示されると共
に、第2時間間隔毎に検出された電圧信号が処理された
が、上述のように外周振れがあるときには研削面形状に
対応する電圧信号は確認を要さないので、例えばモニタ
44に出力される電圧信号の凹凸の大きさをCPU36
によって検出し、その大きさが予め定められた所定値以
下となった後から第2時間間隔毎に検出された電圧信号
が処理されるように構成されても良い。
【0058】また、モニタ44を1つだけ備え、そのモ
ニタ44の表示画面内に時間軸の異なる2つの二次元図
表を表示させることによって、1つのモニタ44で外周
振れおよび研削面形状に対応する電圧信号が同時に表示
されるように構成されても良い。
【0059】また、制御装置42において駆動電圧信号
Vを処理するに際しては、必ずしも最大値Vmax が決定
されなくとも良い。すなわち、検出された電圧信号Vが
全て重ねて表示されても、その電圧信号Vにより研削砥
石10の外周振れ或いは研削面形状を確認することが可
能である。但し、確認を容易とするためには最大値V
max のみが表示されることが好ましく、更に、そのV
max が包絡線処理されて表示されることが一層好まし
い。
【0060】また、例えば研削盤14やドレッシング装
置20等を制御装置42によって運転制御すると共に、
駆動電圧の変化(すなわちモニタ44,45に表示され
る波形の凹凸)の大きさを検出し、その変化が所定の大
きさ以下となったとき、すなわち、外周振れ或いは研削
面形状の崩れが研削加工に好適な所定値以下となったと
きに、ドレッシングを終了させるように構成しても良
い。
【0061】また、前述の実施例においては、平面研削
盤14の回転軸16に取り付けられた研削砥石10の円
筒状の研削面12に対してドレッシングを施した場合を
説明したが、円筒研削盤等のその他の研削盤や切削盤等
に取り付けられた研削砥石に対しても同様に適用され、
また、平形砥石の側面やカップ状砥石、超仕上げ砥石等
のドレッシングをする場合にも本発明は適用される。ま
た、研削砥石10は、実施例で示したダイヤモンド砥粒
およびCBN砥粒が用いられたものの他に、WA砥粒や
SiC砥粒等が用いられたものでも良く、特に砥粒の種
類は限定されない。
【0062】また、振動駆動装置28の振幅や振動周波
数等の条件、或いは切込量や送り量等のドレッシング条
件は、ドレッサ16の寸法・形状等や研削砥石10の種
類や形状等によって適宜定められる。
【0063】また、前述の実施例においては、ドレッサ
26が振動駆動装置28に比較して小さく、ドレッサ2
6は、ドレッサ保持装置24に振動駆動装置28を介し
て保持されていたが、ドレッサ26が比較的大きく、鍔
状部68と同様に振動の節と成り得る鍔状部を設けるこ
とが可能な場合には、振動駆動装置28に鍔状部68を
設けず、ドレッサ26の鍔状部によってドレッサ保持装
置24に保持させるようにしても良い。なお、ドレッサ
26やドレッサ保持装置24および振動駆動装置28等
の構成や寸法等は、必要な微振動の振幅や振動周波数お
よび振動力等によって適宜決定される。
【0064】また、ドレッサ26としては、実施例で示
した多数の粒状のダイヤモンドや単石ダイヤモンドが埋
設されたものの他に、柱状にカットされた単結晶ダイヤ
モンドが埋設されたドレッサ等が用いられても良い。
【0065】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能ブロック線図である。
【図2】本発明の一実施例のドレッシング装置を説明す
る図である。
【図3】図2のドレッシング装置のドレッサ部の断面構
造を示す図である。
【図4】図2のドレッシング装置によってドレッシング
した場合に得られる回転角−駆動電圧曲線を示す図であ
り、(a) はドレッシング開始時を、(b) はドレッシング
終了時をそれぞれ示す。
【図5】図2のドレッシング装置に用いられる超音波発
振器の回路構成の要部を説明するための図である。
【図6】図5において機械振動系を等価回路に置き換え
て示す図である。
【図7】ドレッシングが行われている場合の機械振動系
の等価回路を示す図であって、図6に対応する図であ
る。
【図8】図7の等価回路を説明のために変形した図であ
る。
【図9】ドレッシング時の駆動電圧の変化を説明するた
めの図であって、(a) はドレッシングが行われていない
場合を、(b) はドレッシング時をそれぞれ示す図であ
る。
【図10】本発明の他の実施例において、研削砥石の断
面形状を説明する図である。
【図11】本発明の他の実施例において、制御装置によ
る駆動電圧信号の処理方法を示すフローチャートであ
る。
【図12】図11の実施例によって得られた研削砥石の
幅方向位置と駆動電圧との関係を示す図であって、(a)
はドレッシング開始時を、(b) はドレッシング終了時を
それぞれ示す図である。
【図13】本発明の更に他の実施例におけるフローチャ
ートの要部を示す図である。
【図14】図12(b) を包絡線処理した場合の駆動電圧
信号の波形を示す図である。
【符号の説明】
10:研削砥石 12:研削面 20:ドレッシング装置 {22:ドレッサ部、32:超音波発振器}(ドレッシ
ング手段) 24:ドレッサ保持装置 26:ドレッサ 28:振動駆動装置 34:A/D変換器(駆動電圧検出手段) {42:制御装置、44,45:モニタ}(変位信号出
力手段) 72:振動子 84:整合回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野々川 岳司 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 海野 邦昭 神奈川県津久井郡城山町原宿4−15−31 (72)発明者 幾瀬 康史 広島県福山市加茂町粟根50の7

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定のインピーダンスを備えた整合回路
    を有する超音波発振器と、該整合回路の出力側に接続さ
    れて該超音波発振器から所定の周波数の駆動電圧が印加
    されることにより微振動させられる振動子と、該振動子
    に固着されたドレッサとを備えたドレッシング装置であ
    って、 前記ドレッサを研削砥石の研削面に対して接近離隔する
    方向に微振動させつつドレッシングするドレッシング手
    段と、 前記振動子に印加される駆動電圧を検出する駆動電圧検
    出手段と、 該検出された駆動電圧を処理することにより前記研削面
    の変位を表す変位信号を出力する変位信号出力手段と
    を、含むことを特徴とする研削砥石のドレッシング装
    置。
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