JPH0866739A - トロイダル型無段変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工による成形方法 - Google Patents
トロイダル型無段変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工による成形方法Info
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- JPH0866739A JPH0866739A JP20576294A JP20576294A JPH0866739A JP H0866739 A JPH0866739 A JP H0866739A JP 20576294 A JP20576294 A JP 20576294A JP 20576294 A JP20576294 A JP 20576294A JP H0866739 A JPH0866739 A JP H0866739A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】トロイダル型無段変速機におけるローディング
カムの成形において、高荷重の冷間鍛造プレスを必要と
しない、かつ、加工効率に優れたトロイダル型無段変速
機におけるローディングカムの冷間サイジング加工によ
る成形方法を提供する。 【構成】 冷間サイジング加工によるローディングカム
１の成形において、ローディングカム１のカム面１ｄの
常用面１ｄ−Ｂとレシービングダイ７に形成された型面
とが接触し、かつ、非常用面１ｄ−Ａとレシービングダ
イ７に形成された型面との間に隙間Ｃができるような形
状にローディングカム１を熱間鍛造または温間鍛造によ
ってあらかじめ成形しておく構成とした。
カムの成形において、高荷重の冷間鍛造プレスを必要と
しない、かつ、加工効率に優れたトロイダル型無段変速
機におけるローディングカムの冷間サイジング加工によ
る成形方法を提供する。 【構成】 冷間サイジング加工によるローディングカム
１の成形において、ローディングカム１のカム面１ｄの
常用面１ｄ−Ｂとレシービングダイ７に形成された型面
とが接触し、かつ、非常用面１ｄ−Ａとレシービングダ
イ７に形成された型面との間に隙間Ｃができるような形
状にローディングカム１を熱間鍛造または温間鍛造によ
ってあらかじめ成形しておく構成とした。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、トロイダル型無段変速
機における環状の連続カム面を有するローディングカム
を成形するのに好適なトロイダル型無段変速機における
ローディングカムの冷間サイジング加工による成形方法
に関するものである。
機における環状の連続カム面を有するローディングカム
を成形するのに好適なトロイダル型無段変速機における
ローディングカムの冷間サイジング加工による成形方法
に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図４は、トロイダル型無段変速機の基本
的構成を示す説明図であって、図４において、トロイダ
ル型無段変速機は、図示しないエンジン等からの一定方
向の回転トルクが軸継手部１ａを通じて入力されるロー
ディングカム１と、ローディングカム１に入力された回
転トルクがカムローラ２を介して入力される入力ディス
ク３と、入力ディスク３に対向配置される出力ディスク
４と、入力ディスク３および出力ディスク４の対向面間
に摩擦接触されるパワーローラ５から基本的に構成され
る。
的構成を示す説明図であって、図４において、トロイダ
ル型無段変速機は、図示しないエンジン等からの一定方
向の回転トルクが軸継手部１ａを通じて入力されるロー
ディングカム１と、ローディングカム１に入力された回
転トルクがカムローラ２を介して入力される入力ディス
ク３と、入力ディスク３に対向配置される出力ディスク
４と、入力ディスク３および出力ディスク４の対向面間
に摩擦接触されるパワーローラ５から基本的に構成され
る。
【０００３】ここで、図５はローディングカム１の形状
を示すカム面側から見た斜視図（図５の（ａ））および
カム面の反対側から見た斜視図（図５の（ｂ））であっ
て、図５に示すように、ローディングカム１は、軸継手
部１ａおよび軸継手部１ａと同心のフランジ部１ｂから
なる軸対称形状の部品であって、軸継手部１ａの端面に
角形の複数のツメ１ｃが環状に形成されており、またフ
ランジ部１ｂの図５の（ａ）における上端面に従節とし
てのカムローラ２が当接する凹凸状でかつ同一形状の複
数のカム面１ｄ（図５の（ａ）においては４つ）が周方
向に連続して形成されて環状の連続カム面をなしてお
り、カム面１ｄは、矢印Ｒの方向に回転させて使用する
場合には図に示すような位置関係にある非常用面１ｄ−
Ａと常用面１ｄ−Ｂをそなえるものとなっている。
を示すカム面側から見た斜視図（図５の（ａ））および
カム面の反対側から見た斜視図（図５の（ｂ））であっ
て、図５に示すように、ローディングカム１は、軸継手
部１ａおよび軸継手部１ａと同心のフランジ部１ｂから
なる軸対称形状の部品であって、軸継手部１ａの端面に
角形の複数のツメ１ｃが環状に形成されており、またフ
ランジ部１ｂの図５の（ａ）における上端面に従節とし
てのカムローラ２が当接する凹凸状でかつ同一形状の複
数のカム面１ｄ（図５の（ａ）においては４つ）が周方
向に連続して形成されて環状の連続カム面をなしてお
り、カム面１ｄは、矢印Ｒの方向に回転させて使用する
場合には図に示すような位置関係にある非常用面１ｄ−
Ａと常用面１ｄ−Ｂをそなえるものとなっている。
【０００４】また、ローディングカム１の環状の連続カ
ム面に対向する入力ディスク３の背面にも同様に環状の
連続カム面が形成されている。
ム面に対向する入力ディスク３の背面にも同様に環状の
連続カム面が形成されている。
【０００５】そして、ローディングカム１の軸継手部１
ａを通じて入力された回転トルクはカムローラ２を介し
て入力ディスク３の背面に形成された環状の連続カム面
に伝達されるが、このとき、入力ディスク３は軸方向に
は固定されておらず、したがって入力された回転トルク
の大きさに応じてローディングカム１と入力ディスク３
との間隔が拡がって、入力ディスク３、出力ディスク４
およびパワーローラ５間に働く押し付け力が発生するよ
うになっている。
ａを通じて入力された回転トルクはカムローラ２を介し
て入力ディスク３の背面に形成された環状の連続カム面
に伝達されるが、このとき、入力ディスク３は軸方向に
は固定されておらず、したがって入力された回転トルク
の大きさに応じてローディングカム１と入力ディスク３
との間隔が拡がって、入力ディスク３、出力ディスク４
およびパワーローラ５間に働く押し付け力が発生するよ
うになっている。
【０００６】また、入力ディスク３、出力ディスク４お
よびパワーローラ５間に介在させたトラクション油によ
って入力ディスク３から出力ディスク４への回転トルク
の伝達を行ない、かつ、パワーローラ５の傾転によって
入力ディスク３と出力ディスク４との間の回転速度比を
変えて変速後のトルクを出力する。
よびパワーローラ５間に介在させたトラクション油によ
って入力ディスク３から出力ディスク４への回転トルク
の伝達を行ない、かつ、パワーローラ５の傾転によって
入力ディスク３と出力ディスク４との間の回転速度比を
変えて変速後のトルクを出力する。
【０００７】ところで、このようなトロイダル型無段変
速機における環状の連続カム面が形成されたフランジ部
１ｂおよび角形の複数のツメ１ｃが環状に形成された軸
継手部１ａからなるローディングカム１の加工方法とし
ては、従来、図６に示すような軸対称部品を熱間鍛造ま
たは温間鍛造により成形した後、ＮＣ機械加工装置で切
削加工して所望の形状を得る方法が採られていた。
速機における環状の連続カム面が形成されたフランジ部
１ｂおよび角形の複数のツメ１ｃが環状に形成された軸
継手部１ａからなるローディングカム１の加工方法とし
ては、従来、図６に示すような軸対称部品を熱間鍛造ま
たは温間鍛造により成形した後、ＮＣ機械加工装置で切
削加工して所望の形状を得る方法が採られていた。
【０００８】しかしながら、ローディングカム１をＮＣ
機械加工装置を用いて切削加工すると、カム面１ｄや軸
継手部１ａの角形の複数のツメ１ｃは軸対称形状ではな
いため、旋削加工することができず、また、形状が複雑
であるため加工時間が非常に長くなるとともに、このよ
うな加工に用いられるＮＣ機械加工装置は高価であると
いう問題があった。
機械加工装置を用いて切削加工すると、カム面１ｄや軸
継手部１ａの角形の複数のツメ１ｃは軸対称形状ではな
いため、旋削加工することができず、また、形状が複雑
であるため加工時間が非常に長くなるとともに、このよ
うな加工に用いられるＮＣ機械加工装置は高価であると
いう問題があった。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】そこで、加工時間の短
縮を図るために、カム面等を有するローディングカム１
を高荷重の冷間鍛造プレスにより冷間サイジング加工し
て成形すると、切削加工ではないため加工時間は短縮で
きるのであるが、高荷重の冷間鍛造プレスは非常に高価
であるため初期の設備投資が大きくなるという問題があ
り、この問題を解決することが課題であった。
縮を図るために、カム面等を有するローディングカム１
を高荷重の冷間鍛造プレスにより冷間サイジング加工し
て成形すると、切削加工ではないため加工時間は短縮で
きるのであるが、高荷重の冷間鍛造プレスは非常に高価
であるため初期の設備投資が大きくなるという問題があ
り、この問題を解決することが課題であった。
【００１０】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題に鑑み
てなされたもので、トロイダル型無段変速機におけるロ
ーディングカムの成形において、高荷重の冷間鍛造プレ
スを必要としない、かつ、加工効率に優れたトロイダル
型無段変速機におけるローディングカムの冷間サイジン
グ加工による成形方法を提供することを目的とする。
てなされたもので、トロイダル型無段変速機におけるロ
ーディングカムの成形において、高荷重の冷間鍛造プレ
スを必要としない、かつ、加工効率に優れたトロイダル
型無段変速機におけるローディングカムの冷間サイジン
グ加工による成形方法を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係る
トロイダル型無段変速機におけるローディングカムの冷
間サイジング加工による成形方法は、エンジン等からの
一定方向の回転トルクが入力されるローディングカム
と、ローディングカムに入力された回転トルクがカムロ
ーラを介して入力される入力ディスクと、入力ディスク
に対向配置される出力ディスクと、入力ディスクおよび
出力ディスクの対向面間に摩擦接触されるパワーローラ
と、カムローラを介してローディングカムにより入力デ
ィスクを押し付けることにより入力ディスク、出力ディ
スクおよびパワーローラ間に働く押し付け力を変化させ
る機構を備え、入力ディスク、出力ディスクおよびパワ
ーローラ間に介在させたトラクション油によって入力デ
ィスクから出力ディスクへの回転トルクの伝達を行な
い、かつ、パワーローラの傾転によって入力ディスクと
出力ディスクとの間の回転速度比を変えて変速後のトル
クを出力することを基本的構成とするトロイダル型無段
変速機において、軸継手部および軸継手部と同心のフラ
ンジ部からなる軸対称形状の部品であって、軸継手部の
端面に角形の複数のツメが環状に形成され、またフラン
ジ部の端面に従節としてのカムローラが当接する凹凸状
でかつ同一形状の複数のカム面が周方向に連続する環状
の連続カム面が形成されるローディングカムを成形加工
するに際して、被加工物をあらかじめ熱間鍛造または温
間鍛造により所定近似形状に成形したのち、この所定近
似形状に成形された被加工物を冷間サイジング加工によ
り仕上げ加工する場合に、環状の連続カム面形状の嵌合
部が型面に形成されたレシービングダイと角形の複数の
ツメが環状に形成された軸継手部の形状の嵌合部が型面
に形成されたパンチとの間に被加工物を介してプレス機
でサイジングする際に、カム面の凹凸状面のうちカムロ
ーラと当接する常用面とレシービングダイに形成された
型面とが接触し、かつ、カム面の凹凸状面のうちカムロ
ーラと当接しない非常用面とレシービングダイに形成さ
れた型面との間に隙間ができるような所定近似形状に被
加工物を熱間鍛造または温間鍛造により成形しておく構
成としたことを特徴としている。
トロイダル型無段変速機におけるローディングカムの冷
間サイジング加工による成形方法は、エンジン等からの
一定方向の回転トルクが入力されるローディングカム
と、ローディングカムに入力された回転トルクがカムロ
ーラを介して入力される入力ディスクと、入力ディスク
に対向配置される出力ディスクと、入力ディスクおよび
出力ディスクの対向面間に摩擦接触されるパワーローラ
と、カムローラを介してローディングカムにより入力デ
ィスクを押し付けることにより入力ディスク、出力ディ
スクおよびパワーローラ間に働く押し付け力を変化させ
る機構を備え、入力ディスク、出力ディスクおよびパワ
ーローラ間に介在させたトラクション油によって入力デ
ィスクから出力ディスクへの回転トルクの伝達を行な
い、かつ、パワーローラの傾転によって入力ディスクと
出力ディスクとの間の回転速度比を変えて変速後のトル
クを出力することを基本的構成とするトロイダル型無段
変速機において、軸継手部および軸継手部と同心のフラ
ンジ部からなる軸対称形状の部品であって、軸継手部の
端面に角形の複数のツメが環状に形成され、またフラン
ジ部の端面に従節としてのカムローラが当接する凹凸状
でかつ同一形状の複数のカム面が周方向に連続する環状
の連続カム面が形成されるローディングカムを成形加工
するに際して、被加工物をあらかじめ熱間鍛造または温
間鍛造により所定近似形状に成形したのち、この所定近
似形状に成形された被加工物を冷間サイジング加工によ
り仕上げ加工する場合に、環状の連続カム面形状の嵌合
部が型面に形成されたレシービングダイと角形の複数の
ツメが環状に形成された軸継手部の形状の嵌合部が型面
に形成されたパンチとの間に被加工物を介してプレス機
でサイジングする際に、カム面の凹凸状面のうちカムロ
ーラと当接する常用面とレシービングダイに形成された
型面とが接触し、かつ、カム面の凹凸状面のうちカムロ
ーラと当接しない非常用面とレシービングダイに形成さ
れた型面との間に隙間ができるような所定近似形状に被
加工物を熱間鍛造または温間鍛造により成形しておく構
成としたことを特徴としている。
【００１２】本発明の請求項１に係るトロイダル型無段
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法の実施態様においては、請求項２とし
て、環状の連続カム面形状の型面が形成されたレシービ
ングダイと角形の複数のツメが環状に形成された軸継手
部の形状の嵌合部が型面に形成されたパンチとの間に被
加工物を介してプレス機でサイジングする際に、被加工
物の外周を囲みかつパンチおよびレシービングダイの外
周と摺動する円筒壁をプレス機に設置し、この円筒壁の
内径をローディングカムの所定の外径と同じにするとと
もに、被加工物の外径は冷間サイジング加工時に生ずる
塑性変形による外径の拡大分だけ小さい所定近似形状に
熱間鍛造または温間鍛造により成形しておく構成とする
ことができる。
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法の実施態様においては、請求項２とし
て、環状の連続カム面形状の型面が形成されたレシービ
ングダイと角形の複数のツメが環状に形成された軸継手
部の形状の嵌合部が型面に形成されたパンチとの間に被
加工物を介してプレス機でサイジングする際に、被加工
物の外周を囲みかつパンチおよびレシービングダイの外
周と摺動する円筒壁をプレス機に設置し、この円筒壁の
内径をローディングカムの所定の外径と同じにするとと
もに、被加工物の外径は冷間サイジング加工時に生ずる
塑性変形による外径の拡大分だけ小さい所定近似形状に
熱間鍛造または温間鍛造により成形しておく構成とする
ことができる。
【００１３】また、本発明の請求項３に係るトロイダル
型無段変速機におけるローディングカムの冷間サイジン
グ加工による成形方法は、請求項１に記載のトロイダル
型無段変速機におけるローディングカムを成形加工する
に際して、被加工物をあらかじめ熱間鍛造または温間鍛
造により所定近似形状に成形したのち、この所定近似形
状に成形された被加工物を冷間サイジング加工により仕
上げ加工する場合に、あらかじめ熱間鍛造または温間鍛
造により所定近似形状に成形された二つの被加工物をそ
れぞれ、角形の複数のツメが環状に形成された軸継手部
の形状の嵌合部が型面に形成されたパンチと両面に環状
の連続カム面形状の型面が形成された中間ダイの一方の
型面との間および中間ダイの他方の型面と角形の複数の
ツメが環状に形成された軸継手部の形状の嵌合部が型面
に形成されたレシービングダイとの間に介在させてプレ
ス機で冷間サイジング加工する構成としたことを特徴と
している。
型無段変速機におけるローディングカムの冷間サイジン
グ加工による成形方法は、請求項１に記載のトロイダル
型無段変速機におけるローディングカムを成形加工する
に際して、被加工物をあらかじめ熱間鍛造または温間鍛
造により所定近似形状に成形したのち、この所定近似形
状に成形された被加工物を冷間サイジング加工により仕
上げ加工する場合に、あらかじめ熱間鍛造または温間鍛
造により所定近似形状に成形された二つの被加工物をそ
れぞれ、角形の複数のツメが環状に形成された軸継手部
の形状の嵌合部が型面に形成されたパンチと両面に環状
の連続カム面形状の型面が形成された中間ダイの一方の
型面との間および中間ダイの他方の型面と角形の複数の
ツメが環状に形成された軸継手部の形状の嵌合部が型面
に形成されたレシービングダイとの間に介在させてプレ
ス機で冷間サイジング加工する構成としたことを特徴と
している。
【００１４】本発明の請求項３に係るトロイダル型無段
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法の実施態様においては、請求項４とし
て、カム面の凹凸状面のうちカムローラと当接する常用
面と中間ダイに形成された型面とが接触し、かつ、カム
面の凹凸状面のうちカムローラと当接しない非常用面と
中間ダイに形成された型面との間に隙間ができるような
所定近似形状に二つの被加工物を熱間鍛造または温間鍛
造により成形しておく構成とすることができ、同じく実
施態様において、請求項５として、二つの被加工物およ
び中間ダイの外周を囲みかつパンチ、中間ダイおよびレ
シービングダイの外周と摺動する円筒壁をプレス機に設
置し、この円筒壁の内径をローディングカムの所定の外
径と同じにするとともに、二つの被加工物の外径は冷間
サイジング加工時に生ずる塑性変形による外径の拡大分
だけ小さい所定近似形状に熱間鍛造または温間鍛造によ
り成形しておく構成とすることができる。
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法の実施態様においては、請求項４とし
て、カム面の凹凸状面のうちカムローラと当接する常用
面と中間ダイに形成された型面とが接触し、かつ、カム
面の凹凸状面のうちカムローラと当接しない非常用面と
中間ダイに形成された型面との間に隙間ができるような
所定近似形状に二つの被加工物を熱間鍛造または温間鍛
造により成形しておく構成とすることができ、同じく実
施態様において、請求項５として、二つの被加工物およ
び中間ダイの外周を囲みかつパンチ、中間ダイおよびレ
シービングダイの外周と摺動する円筒壁をプレス機に設
置し、この円筒壁の内径をローディングカムの所定の外
径と同じにするとともに、二つの被加工物の外径は冷間
サイジング加工時に生ずる塑性変形による外径の拡大分
だけ小さい所定近似形状に熱間鍛造または温間鍛造によ
り成形しておく構成とすることができる。
【００１５】
【発明の作用】本発明の請求項１に係るトロイダル型無
段変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加
工による成形方法では、トロイダル型無段変速機のロー
ディングカムには入力される回転トルクが一方向である
ことから、ローディングカムの凹凸状のカム面は、カム
ローラと当接する常用面と、カムローラと当接しない非
常用面とに分かれるが、常用面とレシービングダイに形
成された型面とが接触し、かつ、非常用面とレシービン
グダイに形成された型面との間に隙間ができるような所
定近似形状に被加工物を熱間鍛造または温間鍛造によっ
て成形しておくことにより、冷間サイジング加工したと
きにレシービングダイに形成された型面とカム面のうち
常用面とがまず最初に密着して、この常用面に優先的な
塑性加工がなされるため、常用面にレシービングダイか
らの高圧力が確保されて所望の塑性変形による加工硬化
層を有する面となるととともに、十分滑らかな面粗度を
有する面となる。
段変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加
工による成形方法では、トロイダル型無段変速機のロー
ディングカムには入力される回転トルクが一方向である
ことから、ローディングカムの凹凸状のカム面は、カム
ローラと当接する常用面と、カムローラと当接しない非
常用面とに分かれるが、常用面とレシービングダイに形
成された型面とが接触し、かつ、非常用面とレシービン
グダイに形成された型面との間に隙間ができるような所
定近似形状に被加工物を熱間鍛造または温間鍛造によっ
て成形しておくことにより、冷間サイジング加工したと
きにレシービングダイに形成された型面とカム面のうち
常用面とがまず最初に密着して、この常用面に優先的な
塑性加工がなされるため、常用面にレシービングダイか
らの高圧力が確保されて所望の塑性変形による加工硬化
層を有する面となるととともに、十分滑らかな面粗度を
有する面となる。
【００１６】また、常用面および非常用面の両方がレシ
ービングダイに形成された型面と密着する場合に必要と
されるプレス荷重と比較して、本発明では接触面積が半
分程度であるため、半分程度のプレス荷重で所望の形状
のカム面が得られることとなる。さらに、レシービング
ダイに形成された型面と非常用面との間に隙間があるこ
とから、冷間サイジング加工したときに被加工物を軸心
回りに回転させようとする力が発生する。このため、パ
ンチに形成された角形の複数のツメが環状に形成された
軸継手部の形状の型面が、トロイダル型無段変速機にロ
ーディングカムを組み込んで使用した際に従軸としての
軸継手部に連結された原軸からの回転トルクを受ける軸
継手部の角形の複数のツメにおける受圧面、すなわち軸
継手部のツメにおける常用面と密着し、この結果、上記
のカム面における常用面と同様に、軸継手部のツメにお
ける常用面も所望の塑性変形による加工硬化層を有する
面となるとともに、十分滑らかな面粗度を有する面とな
り、また、上記の軸心回りに回転しようとする力による
被加工物の回転が防止されることとなる。
ービングダイに形成された型面と密着する場合に必要と
されるプレス荷重と比較して、本発明では接触面積が半
分程度であるため、半分程度のプレス荷重で所望の形状
のカム面が得られることとなる。さらに、レシービング
ダイに形成された型面と非常用面との間に隙間があるこ
とから、冷間サイジング加工したときに被加工物を軸心
回りに回転させようとする力が発生する。このため、パ
ンチに形成された角形の複数のツメが環状に形成された
軸継手部の形状の型面が、トロイダル型無段変速機にロ
ーディングカムを組み込んで使用した際に従軸としての
軸継手部に連結された原軸からの回転トルクを受ける軸
継手部の角形の複数のツメにおける受圧面、すなわち軸
継手部のツメにおける常用面と密着し、この結果、上記
のカム面における常用面と同様に、軸継手部のツメにお
ける常用面も所望の塑性変形による加工硬化層を有する
面となるとともに、十分滑らかな面粗度を有する面とな
り、また、上記の軸心回りに回転しようとする力による
被加工物の回転が防止されることとなる。
【００１７】本発明の請求項２に係るトロイダル型無段
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法では、上記の構成としたことにより、パ
ンチ，レシービングダイおよび被加工物間の同心精度が
向上するとともに、余分なプレス荷重が必要なくなる。
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法では、上記の構成としたことにより、パ
ンチ，レシービングダイおよび被加工物間の同心精度が
向上するとともに、余分なプレス荷重が必要なくなる。
【００１８】本発明の請求項３に係るトロイダル型無段
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法では、一回のサイジング加工において２
個のローディングカムが成形されるため生産性が２倍に
なるとともに、中間ダイは少ない型材で済むため型費が
低減されることとなる。
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法では、一回のサイジング加工において２
個のローディングカムが成形されるため生産性が２倍に
なるとともに、中間ダイは少ない型材で済むため型費が
低減されることとなる。
【００１９】本発明の請求項４に係るトロイダル型無段
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法では、パンチ，レシービングダイおよび
二つの被加工物間の同心精度が向上するとともに、余分
なプレス荷重が必要なくなる。
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法では、パンチ，レシービングダイおよび
二つの被加工物間の同心精度が向上するとともに、余分
なプレス荷重が必要なくなる。
【００２０】本発明の請求項５に係るトロイダル型無段
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法では、二つの被加工物の常用面と中間ダ
イの両面に形成された型面とが接触し、かつ、二つの被
加工物の非常用面と中間ダイに形成された型面との間に
隙間ができるような形状に両方の被加工物を熱間鍛造ま
たは温間鍛造によって成形しておくことにより、冷間サ
イジング加工したときに中間ダイの両面に形成された型
面と両方の被加工物の常用面とがまず最初に密着して、
これらの常用面に優先的な塑性加工がなされるため、常
用面に中間ダイからの高圧力が確保されて所望の塑性変
形による加工硬化層を有する面となるとともに、十分滑
らかな面粗度を有する面となる。
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法では、二つの被加工物の常用面と中間ダ
イの両面に形成された型面とが接触し、かつ、二つの被
加工物の非常用面と中間ダイに形成された型面との間に
隙間ができるような形状に両方の被加工物を熱間鍛造ま
たは温間鍛造によって成形しておくことにより、冷間サ
イジング加工したときに中間ダイの両面に形成された型
面と両方の被加工物の常用面とがまず最初に密着して、
これらの常用面に優先的な塑性加工がなされるため、常
用面に中間ダイからの高圧力が確保されて所望の塑性変
形による加工硬化層を有する面となるとともに、十分滑
らかな面粗度を有する面となる。
【００２１】また、一つの被加工物をその常用面および
非常用面の両方がレシービングダイに形成された型面と
密着する場合と同じプレス荷重で成形されることとな
る。
非常用面の両方がレシービングダイに形成された型面と
密着する場合と同じプレス荷重で成形されることとな
る。
【００２２】さらに、冷間サイジング加工したときに、
二つの被加工物を軸心回りに回転させようとする力がれ
ぞれ逆方向に発生するが、力の方向が逆であるため互い
に打ち消しあって二つの被加工物の回転が防止されるこ
ととなる。
二つの被加工物を軸心回りに回転させようとする力がれ
ぞれ逆方向に発生するが、力の方向が逆であるため互い
に打ち消しあって二つの被加工物の回転が防止されるこ
ととなる。
【００２３】
【実施例】以下、本発明に係るトロイダル型無段変速機
におけるローディングカムの冷間サイジング加工による
成形方法の実施例を図面に基づいて説明する。
におけるローディングカムの冷間サイジング加工による
成形方法の実施例を図面に基づいて説明する。
【００２４】図１，図２は、本発明の請求項１および２
の方法の一実施例を示す説明図であって、図１におい
て、熱間鍛造または温間鍛造によりあらかじめ以下にお
いて明らかなようにローディングカム１の形状に近い所
定寸法に成形されたローディングカム１をレシービング
ダイ７上に配置する。このときレシービングダイ７の形
状は最終形状としての環状の連続カム面と同じ形状の型
面７ａが形成されているが、ローディングカム１のカム
面１ｄ（図５参照）の非常用面１ｄ−Ａはレシービング
ダイ７に対しわずかに隙間Ｃをもつように成形してお
く。
の方法の一実施例を示す説明図であって、図１におい
て、熱間鍛造または温間鍛造によりあらかじめ以下にお
いて明らかなようにローディングカム１の形状に近い所
定寸法に成形されたローディングカム１をレシービング
ダイ７上に配置する。このときレシービングダイ７の形
状は最終形状としての環状の連続カム面と同じ形状の型
面７ａが形成されているが、ローディングカム１のカム
面１ｄ（図５参照）の非常用面１ｄ−Ａはレシービング
ダイ７に対しわずかに隙間Ｃをもつように成形してお
く。
【００２５】パンチ６の型面６ａには、角形の複数のツ
メ１ｃが環状に形成された軸継手部１ａの形状の嵌合部
６ｂが形成されており、これによりパンチ６を図面下方
向に降下させて、ローディングカム１の冷間サイジング
加工を行なうことができるものとしている。
メ１ｃが環状に形成された軸継手部１ａの形状の嵌合部
６ｂが形成されており、これによりパンチ６を図面下方
向に降下させて、ローディングカム１の冷間サイジング
加工を行なうことができるものとしている。
【００２６】また、ローディングカム１の外周を囲みか
つパンチ６およびレシービングダイ７の外周と摺動する
円筒壁８を図示しないプレス機に設置し、この円筒壁８
の内径を最終的なローディングカム１の所定の外径と同
じにし、ローディングカム１の外径は冷間サイジング加
工時に生ずる塑性変形による外径の拡大分だけ小さく熱
間鍛造または温間鍛造により成形しておく。このため、
サイジング前には円筒壁８とローディングカム１との間
に外周部隙間Ｓが存在する。
つパンチ６およびレシービングダイ７の外周と摺動する
円筒壁８を図示しないプレス機に設置し、この円筒壁８
の内径を最終的なローディングカム１の所定の外径と同
じにし、ローディングカム１の外径は冷間サイジング加
工時に生ずる塑性変形による外径の拡大分だけ小さく熱
間鍛造または温間鍛造により成形しておく。このため、
サイジング前には円筒壁８とローディングカム１との間
に外周部隙間Ｓが存在する。
【００２７】ここで、パンチ６を図面下方向に降下させ
てサイジング加工を行なうと、カム面１ｄの常用面１ｄ
−Ｂが最初にレシービングダイ７に形成された型面７ａ
に密着し、常用面１ｄ−Ｂにレシービングダイ７に形成
された型面７ａからの高圧力が確保されて所望の塑性変
形による加工硬化層が形成されるとともに、十分滑らか
な面粗度を有する面に形成される。
てサイジング加工を行なうと、カム面１ｄの常用面１ｄ
−Ｂが最初にレシービングダイ７に形成された型面７ａ
に密着し、常用面１ｄ−Ｂにレシービングダイ７に形成
された型面７ａからの高圧力が確保されて所望の塑性変
形による加工硬化層が形成されるとともに、十分滑らか
な面粗度を有する面に形成される。
【００２８】この際に、常用面１ｄ−Ｂにのみレシービ
ングダイ７からの圧力が加わるため、ローディングカム
１が図２の矢印Ａの方向に回転しようとするが、パンチ
６の型面６ａに形成された嵌合部６ｂとの嵌合によって
回転は止められる。
ングダイ７からの圧力が加わるため、ローディングカム
１が図２の矢印Ａの方向に回転しようとするが、パンチ
６の型面６ａに形成された嵌合部６ｂとの嵌合によって
回転は止められる。
【００２９】このわずかな回転力により、軸継手部１ａ
のツメ１ｃの常用面１ｃ−Ｂのサイジングがカム面１ｄ
のサイジングと同時に行なわれ、軸継手部１ａのツメ１
ｃの常用面１ｃ−Ｂには所望の塑性変形による加工硬化
層が形成されるとともに、十分滑らかな面粗度を有する
面に形成される。
のツメ１ｃの常用面１ｃ−Ｂのサイジングがカム面１ｄ
のサイジングと同時に行なわれ、軸継手部１ａのツメ１
ｃの常用面１ｃ−Ｂには所望の塑性変形による加工硬化
層が形成されるとともに、十分滑らかな面粗度を有する
面に形成される。
【００３０】そして、カム面１ｄの常用面１ｄ−Ｂがサ
イジングされると、それにともなってカム面１ｄの非常
用面１ｄ−Ａ部の隙間Ｃが埋まり、続いて半径方向外側
への塑性流動により、外周部隙間Ｓが充填され、所望形
状のローディングカム１が成形されて冷間サイジング加
工が完了する。
イジングされると、それにともなってカム面１ｄの非常
用面１ｄ−Ａ部の隙間Ｃが埋まり、続いて半径方向外側
への塑性流動により、外周部隙間Ｓが充填され、所望形
状のローディングカム１が成形されて冷間サイジング加
工が完了する。
【００３１】冷間サイジング加工が完了した後、パンチ
６を図面上側へ上昇させるが、上部エジェクタピン１０
（パンチ６の一部も兼ねている。）によりローディング
カム１がパンチ６から分離され、下部エジェクタピン１
１によって円筒壁８の上部からローディングカム１が取
り出される。
６を図面上側へ上昇させるが、上部エジェクタピン１０
（パンチ６の一部も兼ねている。）によりローディング
カム１がパンチ６から分離され、下部エジェクタピン１
１によって円筒壁８の上部からローディングカム１が取
り出される。
【００３２】次に、図３は、本発明の請求項３〜５に記
載の方法の一実施例を示す説明図であって、図３におい
て示すように、パンチ６の型面６ａには、ローディング
カム１の角形の複数のツメ１ｃが環状に形成された軸継
手部１ａの形状の嵌合部６ｂが形成されており、また、
同様に、レシービングダイ７の型面７ｃにも角形の複数
のツメ１ｃが環状に形成された軸継手部１ａの形状の嵌
合部７ｂが形成されており、さらに、中間ダイ９にはそ
の両面に環状の連続カム面と同じ形状の型面９ａ，９ｂ
が形成されている。
載の方法の一実施例を示す説明図であって、図３におい
て示すように、パンチ６の型面６ａには、ローディング
カム１の角形の複数のツメ１ｃが環状に形成された軸継
手部１ａの形状の嵌合部６ｂが形成されており、また、
同様に、レシービングダイ７の型面７ｃにも角形の複数
のツメ１ｃが環状に形成された軸継手部１ａの形状の嵌
合部７ｂが形成されており、さらに、中間ダイ９にはそ
の両面に環状の連続カム面と同じ形状の型面９ａ，９ｂ
が形成されている。
【００３３】そして、上記した熱間鍛造または温間鍛造
により成形された近似形状ローディングカム１をレシー
ビングダイ７上に配置するとともに、中間ダイ９を挟む
形でもう一つの近似形状ローディングカム１を配置し、
さらに、図１における実施例と同様に２つのローディン
グカム１の外周を囲みかつパンチ６，レシービングダイ
７および中間ダイ９の外周と摺動する円筒壁８を図示し
ないプレス機に設置する。なお、このとき円筒壁８と２
つのローディングカム１との間には図１の実施例で説明
したと同様の外周部隙間Ｓが存在する。
により成形された近似形状ローディングカム１をレシー
ビングダイ７上に配置するとともに、中間ダイ９を挟む
形でもう一つの近似形状ローディングカム１を配置し、
さらに、図１における実施例と同様に２つのローディン
グカム１の外周を囲みかつパンチ６，レシービングダイ
７および中間ダイ９の外周と摺動する円筒壁８を図示し
ないプレス機に設置する。なお、このとき円筒壁８と２
つのローディングカム１との間には図１の実施例で説明
したと同様の外周部隙間Ｓが存在する。
【００３４】そして、パンチ６で冷間サイジング加工し
て２つのローディングカム１を成形するのであるが、こ
のとき２つのローディングカム１のカム面１ｄの非常用
面１ｄ−Ａは中間ダイ９の両方の型面９ａ，９ｂに対し
わずかに隙間Ｃをもつように成形しておく。
て２つのローディングカム１を成形するのであるが、こ
のとき２つのローディングカム１のカム面１ｄの非常用
面１ｄ−Ａは中間ダイ９の両方の型面９ａ，９ｂに対し
わずかに隙間Ｃをもつように成形しておく。
【００３５】こうすることにより、図１の実施例におい
て説明したのと同様の作用により、２つのローディング
カム１のカム面１ｄの常用面１ｄ−Ｂは、型面６ａ，９
ａの間および型面７ｃ，９ｂの間に挟まれて所望の塑性
変形による加工硬化層が形成されるとともに、十分滑ら
かな面粗度を有する面となる。また、冷間サイジング加
工したときに、２つのローディングカム１には、軸心回
りに回転させようとする力がそれぞれ逆方向に発生する
が、力の方向が逆であるため互いに打ち消しあうことに
より２つのローディングカム１の回転を防止することが
できる。
て説明したのと同様の作用により、２つのローディング
カム１のカム面１ｄの常用面１ｄ−Ｂは、型面６ａ，９
ａの間および型面７ｃ，９ｂの間に挟まれて所望の塑性
変形による加工硬化層が形成されるとともに、十分滑ら
かな面粗度を有する面となる。また、冷間サイジング加
工したときに、２つのローディングカム１には、軸心回
りに回転させようとする力がそれぞれ逆方向に発生する
が、力の方向が逆であるため互いに打ち消しあうことに
より２つのローディングカム１の回転を防止することが
できる。
【００３６】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の請求
項１に係るトロイダル型無段変速機におけるローディン
グカムの冷間サイジング加工による成形方法によれば、
ローディングカムのカム面の常用面とレシービングダイ
に形成された型面とが接触し、かつ、非常用面とレシー
ビングダイに形成された型面との間に隙間ができるよう
な所定近似形状に被加工物を熱間鍛造または温間鍛造に
よって成形しておくことにより、カム面の常用面にレシ
ービングダイからの高圧力が確保されて所望の塑性変形
による加工硬化層をととともに、十分滑らかな面粗度を
有する面とすることができ、同時に軸継手部のツメにお
ける常用面も所望の塑性変形による加工硬化層を有する
面とすることができ、また、従来に比較して半分程度の
プレス荷重で所望の形状のカム面を得ることができ、そ
の結果、高荷重の冷間鍛造プレスが必要なくなるという
優れた効果が得られる。
項１に係るトロイダル型無段変速機におけるローディン
グカムの冷間サイジング加工による成形方法によれば、
ローディングカムのカム面の常用面とレシービングダイ
に形成された型面とが接触し、かつ、非常用面とレシー
ビングダイに形成された型面との間に隙間ができるよう
な所定近似形状に被加工物を熱間鍛造または温間鍛造に
よって成形しておくことにより、カム面の常用面にレシ
ービングダイからの高圧力が確保されて所望の塑性変形
による加工硬化層をととともに、十分滑らかな面粗度を
有する面とすることができ、同時に軸継手部のツメにお
ける常用面も所望の塑性変形による加工硬化層を有する
面とすることができ、また、従来に比較して半分程度の
プレス荷重で所望の形状のカム面を得ることができ、そ
の結果、高荷重の冷間鍛造プレスが必要なくなるという
優れた効果が得られる。
【００３７】また、本発明の請求項２に記載の構成とす
れば、パンチ，レシービングダイおよび被加工物間の同
心精度を向上することができるとともに、余分なプレス
荷重が必要なくなるという効果が得られる。
れば、パンチ，レシービングダイおよび被加工物間の同
心精度を向上することができるとともに、余分なプレス
荷重が必要なくなるという効果が得られる。
【００３８】本発明の請求項３に係るトロイダル型無段
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法によれば、一回のサイジング加工におい
て２個のローディングカムを同時に成形することができ
るため生産性を２倍にすることができるとともに、中間
ダイは少ない型材で済むため型費を低減できるという効
果が得られる。
変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工
による成形方法によれば、一回のサイジング加工におい
て２個のローディングカムを同時に成形することができ
るため生産性を２倍にすることができるとともに、中間
ダイは少ない型材で済むため型費を低減できるという効
果が得られる。
【００３９】また、本発明の請求項４に記載の構成とす
れば、パンチ，レシービングダイおよび二つの被加工物
間の同心精度を向上できるとともに、余分なプレス荷重
が必要なくなるという効果が得られる。
れば、パンチ，レシービングダイおよび二つの被加工物
間の同心精度を向上できるとともに、余分なプレス荷重
が必要なくなるという効果が得られる。
【００４０】さらに、本発明の請求項５に記載の構成と
すれば、冷間サイジング加工したときに中間ダイの両面
に形成された型面と両方の被加工物の常用面とがまず最
初に密着して、これらの常用面に優先的な塑性加工がな
されることにより、常用面に中間ダイからの高圧力が確
保されて所望の塑性変形による加工硬化層を有する面と
することができるとともに、十分滑らかな面粗度を有す
る面とすることができ、また、一つの被加工物をその常
用面および非常用面の両方がレシービングダイに形成さ
れた型面と密着する場合と同じプレス荷重で成形するこ
とができ、実質的にプレス荷重を削減することができる
という効果が得られる。
すれば、冷間サイジング加工したときに中間ダイの両面
に形成された型面と両方の被加工物の常用面とがまず最
初に密着して、これらの常用面に優先的な塑性加工がな
されることにより、常用面に中間ダイからの高圧力が確
保されて所望の塑性変形による加工硬化層を有する面と
することができるとともに、十分滑らかな面粗度を有す
る面とすることができ、また、一つの被加工物をその常
用面および非常用面の両方がレシービングダイに形成さ
れた型面と密着する場合と同じプレス荷重で成形するこ
とができ、実質的にプレス荷重を削減することができる
という効果が得られる。
【図１】本発明のトロイダル型無段変速機におけるロー
ディングカムの冷間サイジング加工による成形方法の一
実施例を示す断面説明図である。
ディングカムの冷間サイジング加工による成形方法の一
実施例を示す断面説明図である。
【図２】図１のローディングカムとパンチの位置関係を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図３】本発明のトロイダル型無段変速機におけるロー
ディングカムの冷間サイジング加工による成形方法の他
の実施例を示す断面説明図である。
ディングカムの冷間サイジング加工による成形方法の他
の実施例を示す断面説明図である。
【図４】トロイダル型無段変速機の基本的構成を示す説
明図である。
明図である。
【図５】ローディングカムの形状を示すカム面側から見
た斜視説明図（図５の（ａ））および角型の複数のツメ
が形成された軸継手部側からみた斜視説明図（図５の
（ｂ））である。
た斜視説明図（図５の（ａ））および角型の複数のツメ
が形成された軸継手部側からみた斜視説明図（図５の
（ｂ））である。
【図６】熱間鍛造前の被加工物の形状を示す斜視説明図
である。
である。
１ ローディングカム １ａ 軸継手部 １ｂ フランジ部 １ｃ ツメ １ｃ−Ａ 非常用面 １ｃ−Ｂ 常用面 １ｄ カム面 １ｄ−Ａ 非常用面 １ｄ−Ｂ 常用面 ２ カムローラ ３ 入力ディスク ４ 出力ディスク ５ パワーローラ ６ パンチ ６ａ 型面 ６ｂ 型面６ａに形成した嵌合部 ７ レシービングダイ ７ａ 環状の連続カム面形状の型面 ７ｂ 型面７ｃに形成した嵌合部 ７ｃ 型面 ８ 円筒壁 ９ 中間ダイ ９ａ 環状の連続カム面形状の型面 ９ｂ 環状の連続カム面形状の型面 １０ 上部エジェクタピン １１ 下部エジェクタピン
Claims (5)
- 【請求項１】 エンジン等からの一定方向の回転トルク
が入力されるローディングカムと、ローディングカムに
入力された回転トルクがカムローラを介して入力される
入力ディスクと、入力ディスクに対向配置される出力デ
ィスクと、入力ディスクおよび出力ディスクの対向面間
に摩擦接触されるパワーローラと、カムローラを介して
ローディングカムにより入力ディスクを押し付けること
により入力ディスク、出力ディスクおよびパワーローラ
間に働く押し付け力を変化させる機構を備え、入力ディ
スク、出力ディスクおよびパワーローラ間に介在させた
トラクション油によって入力ディスクから出力ディスク
への回転トルクの伝達を行ない、かつ、パワーローラの
傾転によって入力ディスクと出力ディスクとの間の回転
速度比を変えて変速後のトルクを出力することを基本的
構成とするトロイダル型無段変速機において、軸継手部
および軸継手部と同心のフランジ部からなる軸対称形状
の部品であって、軸継手部の端面に角形の複数のツメが
環状に形成され、またフランジ部の端面に従節としての
カムローラが当接する凹凸状でかつ同一形状の複数のカ
ム面が周方向に連続する環状の連続カム面が形成される
ローディングカムを成形加工するに際して、被加工物を
あらかじめ熱間鍛造または温間鍛造により所定近似形状
に成形したのち、この所定近似形状に成形された被加工
物を冷間サイジング加工により仕上げ加工する場合に、
環状の連続カム面形状の嵌合部が型面に形成されたレシ
ービングダイと角形の複数のツメが環状に形成された軸
継手部の形状の型が形成されたパンチとの間に被加工物
を介してプレス機でサイジングする際に、カム面の凹凸
状面のうちカムローラと当接する常用面とレシービング
ダイに形成された型面とが接触し、かつ、カム面の凹凸
状面のうちカムローラと当接しない非常用面とレシービ
ングダイに形成された型面との間に隙間ができるような
所定近似形状に被加工物を熱間鍛造または温間鍛造によ
り成形しておくことを特徴とするトロイダル型無段変速
機におけるローディングカムの冷間サイジング加工によ
る成形方法。 - 【請求項２】 環状の連続カム面形状の型面が形成され
たレシービングダイと角形の複数のツメが環状に形成さ
れた軸継手部の形状の嵌合部が型面に形成されたパンチ
との間に被加工物を介してプレス機でサイジングする際
に、被加工物の外周を囲みかつパンチおよびレシービン
グダイの外周と摺動する円筒壁をプレス機に設置し、こ
の円筒壁の内径をローディングカムの所定の外径と同じ
にするとともに、被加工物の外径は冷間サイジング加工
時に生ずる塑性変形による外径の拡大分だけ小さい所定
近似形状に熱間鍛造または温間鍛造により成形しておく
ことを特徴とする請求項１に記載のトロイダル型無段変
速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工に
よる成形方法。 - 【請求項３】 請求項１に記載のトロイダル型無段変速
機におけるローディングカムを成形加工するに際して、
被加工物をあらかじめ熱間鍛造または温間鍛造により所
定近似形状に成形したのち、この所定近似形状に成形さ
れた被加工物を冷間サイジング加工により仕上げ加工す
る場合に、あらかじめ熱間鍛造または温間鍛造により所
定近似形状に成形された二つの被加工物をそれぞれ、角
形の複数のツメが環状に形成された軸継手部の形状の嵌
合部が型面に形成されたパンチと両面にカムローラが当
接する凹凸状でかつ同一形状の複数のカム面が周方向に
連続する環状の連続カム面形状の型面が形成された中間
ダイの一方の型面との間および中間ダイの他方の型面と
角形の複数のツメが環状に形成された軸継手部の形状の
嵌合部が型面に形成されたレシービングダイとの間に介
在させてプレス機で冷間サイジング加工することを特徴
とするトロイダル型無段変速機におけるローディングカ
ムの冷間サイジング加工による成形方法。 - 【請求項４】 カム面の凹凸状面のうちカムローラと当
接する常用面と中間ダイに形成された型面とが接触し、
かつ、カム面の凹凸状面のうちカムローラと当接しない
非常用面と中間ダイに形成された型面との間に隙間がで
きるような所定近似形状に二つの被加工物を熱間鍛造ま
たは温間鍛造により成形しておくことを特徴とする請求
項３に記載のトロイダル型無段変速機におけるローディ
ングカムの冷間サイジング加工による成形方法。 - 【請求項５】 二つの被加工物および中間ダイの外周を
囲みかつパンチ、中間ダイおよびレシービングダイの外
周と摺動する円筒壁をプレス機に設置し、この円筒壁の
内径をローディングカムの所定の外径と同じにするとと
もに、二つの被加工物の外径は冷間サイジング加工時に
生ずる塑性変形による外径の拡大分だけ小さい所定近似
形状に熱間鍛造または温間鍛造により成形しておくこと
を特徴とする請求項３または４に記載のトロイダル型無
段変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加
工による成形方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20576294A JP3191845B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | トロイダル型無段変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工による成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20576294A JP3191845B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | トロイダル型無段変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工による成形方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0866739A true JPH0866739A (ja) | 1996-03-12 |
| JP3191845B2 JP3191845B2 (ja) | 2001-07-23 |
Family
ID=16512253
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20576294A Expired - Fee Related JP3191845B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | トロイダル型無段変速機におけるローディングカムの冷間サイジング加工による成形方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3191845B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6176806B1 (en) | 1999-07-06 | 2001-01-23 | Nsk Ltd. | Cam disk for toroidal type continuously variable transmission |
| CN108637154A (zh) * | 2018-04-17 | 2018-10-12 | 苏州大学 | 一种用于大规格直齿锥齿轮多步成型设备的模具 |
-
1994
- 1994-08-30 JP JP20576294A patent/JP3191845B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6176806B1 (en) | 1999-07-06 | 2001-01-23 | Nsk Ltd. | Cam disk for toroidal type continuously variable transmission |
| CN108637154A (zh) * | 2018-04-17 | 2018-10-12 | 苏州大学 | 一种用于大规格直齿锥齿轮多步成型设备的模具 |
| CN108637154B (zh) * | 2018-04-17 | 2023-11-10 | 苏州大学 | 一种用于大规格直齿锥齿轮多步成型设备的模具 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3191845B2 (ja) | 2001-07-23 |
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