JPH0865887A - 光磁界センサを用いた短絡電流抑制装置 - Google Patents

光磁界センサを用いた短絡電流抑制装置

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JPH0865887A
JPH0865887A JP6198799A JP19879994A JPH0865887A JP H0865887 A JPH0865887 A JP H0865887A JP 6198799 A JP6198799 A JP 6198799A JP 19879994 A JP19879994 A JP 19879994A JP H0865887 A JPH0865887 A JP H0865887A
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JP6198799A
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Hiroyuki Katsukawa
裕幸 勝川
Seigo Yokoi
清吾 横井
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複雑な電気回路を必要としなく、かつ高精度に
短絡電流を検出して短絡電流抑制装置に設置されたリア
クトルを確実に投入し、短絡電流を抑制する。 【構成】電力系統500に直列に挿入される直列コンデ
ンサ530と、この直列コンデンサ530に直列に接続
され、電力系統500に流れる短絡電流を検出して光信
号を発する光磁界センサを有する短絡電流検出装置60
0と、この短絡電流検出装置の光磁界センサに光ファイ
バを介して光を出射する発光源100と、直列コンデン
サ530に並列に接続され、電力系統500の電源周波
数で直列コンデンサ530と並列共振するリアクトル5
20と、このリアクトル520に直列に接続され、短絡
電流検出装置600からの光出力に基づきリアクトル5
20を投入させる光スイッチ300とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は短絡電流抑制装置に係
り、特に、光磁界センサを用いて短絡電流に基づくファ
ラディ回転角の変化を光出力の変化として検出して、こ
の検出した光出力により短絡電流抑制装置に配置された
リアクトルを投入する短絡電流抑制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電力需要の増加に伴って電力系統
の広域化や大容量化が進み、系統の安定度の向上や短絡
容量増加が課題となっている。そこで、常時は系統を直
列補償し、短絡故障発生時に故障電流(短絡電流)を抑
制する方法が考えられるようになった。図8は並列共振
型短絡電流抑制装置の回路構成を示す図であり、図8に
おいて、常時は直列コンデンサC1で系統を直列補償
し、短絡事故時には直列コンデンサC1と並列に電源周
波数で並列共振するリアクトルL1を投入し、高インピ
ーダンスのLC並列共振回路を構成して短絡電流を抑制
するようにしている。このものは、リアクトルL1の投
入スイッチとしてサイリスタを用いた半導体スイッチS
1を使用し、常時は半導体スイッチSW1はオフ状態で
あり、直列コンデンサC1で系統を直列補償する。短絡
故障が発生した場合、短絡電流を検出して半導体スイッ
チSW1をターンオンしてリアクトルL1を投入し、短絡
故障を保護するものである。なお、直列コンデンサC1
には過電圧保護素子ZnOが並列接続されている。
【0003】また、図9は直列コンデンサバイパス型短
絡電流抑制装置の回路構成を示す図であり、図9におい
て、常時は直列コンデンサC2とこの直列コンデンサC2
に直列に接続した限流リアクトルL2との合成リアクタ
ンスを容量性とすることで系統を直列補償し、短絡事故
時には直列コンデンサC2をバイパスし、限流リアクト
ルL2で短絡電流を抑制するようにしている。このもの
は、図8の並列共振型と同様に、バイパススイッチとし
てサイリスタを用いた半導体スイッチSW2を使用し、
常時は半導体スイッチSW2はオフ状態であり、短絡故
障が発生した場合、短絡電流を検出して、半導体スイッ
チSW2をターンオンして直列コンデンサC2をバイパス
し、短絡故障を保護するものである。なお、直列コンデ
ンサC2には、図8の並列共振型と同様に過電圧保護素
子ZnOが並列接続されている。
【0004】ここで、短絡電流を抑制したい期間は電力
系統に設置されている保護継電装置が動作し、遮断器C
Bがトリップするまでの間であり、理想的には、短絡故
障発生後、瞬時に抑制できるのがよい。このためには、
短絡故障発生時に生じる短絡電流を瞬時に検出して、半
導体スイッチSW1、SW2のサイリスタをターンオンし
てリアクトルL1を投入、または直列コンデンサC2をバ
イパスする必要がある。
【0005】一方、電力系統に流れる電流を検出するた
めに、光磁界センサを用いることが知られている。光に
よる磁界の測定は、物質の中で磁界の方向と平行に進む
直線偏光の偏光面が回転する現象、即ち、ファラディ効
果を利用している。図10はその原理を示す図であり、
偏光子により直線偏光された光は、光磁気効果素子(フ
ァラディ素子)内を伝搬する間に、外部磁界によって偏
光面が回転し、検光子でその回転角φに応じた光強度に
変換される。この偏光面での回転角φは一般に次の式数
1によって表される。
【0006】
【数1】φ=V・H・L ここで、Vはファラディ素子のヴェルデ定数、Hは印加
磁界、Lはファラディ素子の厚みである。偏光子と検光
子の偏光方向の相対角度(光学的バイアス)をφBとす
ると、検光子から出力される光強度Pは、次の式数2に
よって表される。
【0007】
【数2】P=P0cos2(φB−φ) ここで、P0はファラディ素子の入射光量である。磁界
検出感度を最大かつ直線性が最良となるように光学的バ
イアスφBを45°に設定すると、検光子から出力され
る光強度Pは、次の式数3によって表される。
【0008】
【数3】P=(1/2)P0(1+sin2φ) ここで、被測定磁界を交流磁界H=H0sinωtと
し、2φ《1と仮定すると、検光子から出力される光強
度Pは、次の式数4によって表される。
【0009】
【数4】 P=(1/2)P0(1+2V・H0・L・sinωt) このように、偏光子、光磁気効果素子(ファラディ素
子)、検光子を組み合わせることにより、印加磁界の大
きさに比例した強度の光を得ることができる。
【0010】光磁界測定器は、これらの偏光子、光磁気
効果素子(ファラディ素子)、検光子からなる光磁界セ
ンサ部と、光送信器、光受信器、増幅器等を備えた信号
処理部とにより構成されている。図11に光磁界測定器
の構成例を示す。図11において、光送信器の発光ダイ
オードから出射された光は、光ファイバの中を伝搬し、
光磁界センサ部で光強度変換される。この光強度変換さ
れた光は、受光用光ファイバを介して、光受信器の受光
素子に入力されて、光−電圧変換される。この光−電圧
変換された電圧信号から光変調成分(交流成分)のみを
取り出すことにより、印加磁界を測定できる。
【0011】ところで、光磁界センサを透過する光量
と、偏光子と検光子との相対角度(光学バイアス)の関
係は、図12に示すような特性となる。この特性から分
かるように、偏光子と検光子との相対角度(光学バイア
ス)がπ/4(45°)となる点が直線性が最大(直線
性誤差が最小)となり、通常、この点が基準点となるよ
うに、偏光子と検光子とを組み合わせて使用している。
【0012】したがって、検出対象を電流とした場合、
この電流により発生する磁界を検出し、その磁界に比例
した出力を取り出すことにより、電線に流れる電流量を
検出することができる。このような目的で光磁界センサ
を用いる場合、偏光子と検光子との相対角度(光学バイ
アス)がπ/4(45°)となるようにして使用する必
要がある。
【0013】また、所定値以上の磁界強度によりファラ
ディ回転角が飽和する光磁気効果素子、例えば、強磁性
体よりなる光磁気効果素子を用いた光磁界センサの場
合、印加磁界に対するファラディ回転角の関係は、図1
3に示すような特性となる。この特性から分かるよう
に、印加磁界零の点を基準とし、検出電流に比例した交
流または直流の磁界が印加された場合に直線性のある領
域(0〜HF)で使用する必要がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このため、光磁界セン
サを用いて短絡電流を検出して短絡電流抑制装置に設置
されたリアクトルを投入させようとする場合、この光磁
界センサにより光強度変換した後、受光素子に入力して
光−電圧変換し、この光−電圧変換された電圧信号を増
幅して、その後フィルタを通してノイズを除去した電圧
信号と基準信号とを比較し、この電圧信号が基準信号よ
り大きい場合に短絡電流を検出して短絡電流抑制装置に
設置されたリアクトルを投入させる信号を発するように
する必要があるため、複雑な電気回路が必要になるとい
う問題を生じる。また、その電気回路自体が複雑になる
という問題も生じる。また、短絡電流を判定する場合
に、増幅してフィルタを通した電圧信号と基準信号とを
比較するため、短絡電流の判定精度にも問題を生じる。
【0015】さらに、使用する回路素子によりその温度
特性にも考慮する必要があり、高価になるという問題も
生じる。さらに、この種光磁界センサの信頼性を担保す
るために、定期的に点検しなければならなく、その保守
も容易ではないという問題も生じる。そこで、本発明は
上記問題点に鑑みてなされたものであり、複雑な電気回
路を必要としなく、かつ高精度に短絡電流を検出して短
絡電流抑制装置に設置されたリアクトルを確実に投入で
きるようにすることを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、短絡電流に基
づくファラディ回転角の変化を光出力の変化として検出
する光磁界センサを用いた短絡電流抑制装置であって、
本発明の構成上の第1の特徴は、電力系統に直列に挿入
される直列コンデンサと、この直列コンデンサに直列に
接続され、電力系統に流れる短絡電流を検出して光信号
を発する光磁界センサを有する短絡電流検出装置と、こ
の短絡電流検出装置の光磁界センサに光を出射する発光
源と、直列コンデンサに並列に接続され、電力系統の電
源周波数で直列コンデンサと並列共振するリアクトル
と、このリアクトルに直列に接続され、短絡電流検出装
置からの光出力に基づきリアクトルを投入させる光スイ
ッチとを有することにある。
【0017】また、本発明の構成上の第2の特徴は、上
述の光磁界センサとして、発光源より出射された光を直
線偏光する偏光子と、この偏光子により直線偏光された
光を磁界の強度に応じてファラディ回転し所定値以上の
磁界強度によりファラディ回転角が飽和する光磁気効果
素子と、この光磁気効果素子によりファラディ回転され
た光を当該ファラディ回転角に応じた光強度に変換する
検光子とを用い、偏光子と検光子の偏光方向の相対角度
を光磁気効果素子のファラディ回転角が飽和したとき光
出力が零となるような位置関係に偏光子と検光子とを配
置するとともに、電力系統に通常の負荷状態での電流が
流れることにより発生する磁界強度で光磁気効果素子の
ファラディ回転角が飽和するような直流磁界を印加する
直流磁界印加手段を備えたことにある。
【0018】さらに、本発明の構成上の第3の特徴は、
電力系統に短絡電流が流れることにより発生する大きな
磁界の発生方向に係わりなく光スイッチを確実に動作さ
せるために、発光源より出射された光を受光する第1の
光路と、発光源より出射された光を受光するとともに電
力系統の電線を挟んで第1の光路と平行な第2の光路と
により光磁界センサを構成したことにある。また、本発
明の構成上の第4の特徴は、上述の光スイッチとして双
方向光サイリスタを用いたことにある。
【0019】
【発明の作用・効果】上記のように構成した本発明の短
絡電流抑制装置においては、光磁界センサによって短絡
電流を検出し、この検出出力によって直接、双方向光サ
イリスタをターンオンしてリアクトルを投入するので、
この種短絡電流抑制装置の動作信頼性が向上するととも
に、動作時間が短縮するという格別の効果を生じる。ま
た、光磁気効果素子(ファラディ素子)そのものが持つ
磁界による飽和特性を利用しているので、常に物理的に
安定した状態にあり、かつ長期間にわたってその特性が
変化しないという格別の効果を生じる。また、変電所等
の電磁ノイズの多い環境で使用しても、これらの電磁ノ
イズに何等影響されることなく、高精度で、かつ安価な
この種短絡電流抑制装置を提供できるという格別の効果
を生じる。
【0020】また、通常の負荷状態での電流が流れるこ
とにより発生する磁界の大きさでは光出力が零となるよ
うにし、短絡電流が流れることにより発生する大きな磁
界においては光出力が得られるようになされているの
で、短絡電流の有無に対応したリアクトルを投入させる
信号を直接得ることができるようになる。そして、短絡
電流の有無に対応したリアクトルを投入させる信号の切
り換えは瞬時に行われるため、リアクトルの投入を瞬時
に行うことができるようになるという格別の効果を生じ
る。
【0021】また、偏光子と検光子の偏光方向の相対角
度をファラディ素子のファラディ回転角が飽和したとき
光出力が零となるような位置関係に偏光子と検光子とを
配置しており、常にファラディ素子が飽和する直流磁界
が印加されているので、通常の負荷状態での電流が流れ
ることにより発生する磁界の大きさでは光出力が零とな
り、短絡電流が流れることにより発生する大きな磁界に
おいては光出力が得られ、リアクトルを投入させるため
の複雑な電気回路が一切必要でなく、短絡電流判定の精
度も格段に向上するという格別の効果を生じる。
【0022】さらに、複雑な電気回路を一切使用してい
ないので、その電気回路の温度特性を考慮する必要もな
くなり、この種短絡電流抑制装置を安価に製造できると
いう格別の効果を生じる。また、複雑な電気回路を一切
使用していないので、短絡電流抑制装置としての信頼性
も向上し、かつ、その保守も容易になるという格別の効
果を生じる。
【0023】また、光磁界センサは、電力系統の電線を
挟むようにして、第1の光路と、この第1の光路と平行
に配置された第2の光路とにより形成されているので、
電力系統の電線にプラス方向に短絡電流が流れても、あ
るいは、マイナス方向に短絡電流が流れても、この短絡
電流に基づいて、これらの光路のどちらかが光出力を発
するので、電力系統の電線にどの方向の短絡電流が流れ
ても短絡電流を検出してリアクトルを正確に投入させる
ことができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の短絡電流抑制装置の実施例を
図面に基づいて説明する。図1は、本発明の光磁界セン
サを用いた短絡電流抑制装置の一実施例の全体構成を示
す図である。図1において、本実施例の光磁界センサを
用いた短絡電流抑制装置700は、電力系統500に直
列に挿入された直列コンデンサ530と、この直列コン
デンサ530に直列に接続され、電力系統500に流れ
る短絡電流を検出して光信号を発する光磁界センサ20
0(図2参照)を有する短絡電流検出装置600と、こ
の短絡電流検出装置600に光ファイバ610を介して
光を出射する発光源100と、直列コンデンサ530に
並列に接続され、電源周波数で直列コンデンサ530と
並列共振するリアクトル520と、このリアクトル52
0に直列に接続され、短絡電流検出装置600からの光
出力を光ファイバ650を介して入射させ、この光出力
に基づきリアクトル520を投入させる双方向光サイリ
スタ300と、直列コンデンサ530に並列に接続さ
れ、直列コンデンサ530に印加される過電圧から直列
コンデンサ530を保護する過電圧保護素子(ZnO)
540とから構成されている。
【0025】なお、この短絡電流抑制装置700は、複
数の絶縁碍子810、810・・・に支持された絶縁架
台800上に載置されており、複数の絶縁碍子810、
810・・・の内1本は光が透過できる光ファイバを埋
設したオプト碍子811により構成されている。また、
発光源100は、高電界、高磁界の影響を受けないよう
にするために、短絡電流抑制装置700を収容する容器
(図示せず)の外部に設置されている。
【0026】本実施例の短絡電流検出装置600は、図
2に示されるように、電力系統500の電線を挟むよう
にして第1の光路200aと第2の光路200bとが配
置された光磁界センサ200と、発光源100から出射
された光を第1の光路200aに透過するとともに第2
の光路200bに向けて90度反射させる第1のハーフ
ミラー110と、第1のハーフミラー110により90
度反射された光を第2の光路200bに向けて90度反
射する第1のミラー120と、第2の光路200bより
出射された光を第1の光路200aに向けて90度反射
する第2のミラー320と、第1の光路200aからの
光を透過するとともに第2の光路200bより出射され
た光を90度反射する第2のハーフミラー310とから
構成されている。
【0027】光磁界センサ200は、図2に示されるよ
うに、第1の偏光子210a、ファラディ素子からなる
第1の光磁気効果素子220aおよび第1の検光子23
0aよりなる第1の光路200aと、この第1の光路2
00aと電力系統500の電線を挟むようにして平行に
配置された、第2の偏光子210b、ファラディ素子か
らなる第2の光磁気効果素子220bおよび第2の検光
子230bよりなる第2の光路200bと、第1の光路
200a内に設置されて第1の光磁気効果素子220a
に直流磁界を印加する第1の永久磁石240aと、第2
の光路200b内に設置されて第2の光磁気効果素子2
20bに直流磁界を印加する第2の永久磁石240bと
から構成されている。なお、電力系統500の電線には
紙面の裏から表に向けて電流が流れているものとする。
【0028】なお、上述の第1のハーフミラー110の
代わりに偏光ビームスプリッタPBSを用いてもよい。
この場合、偏光子210a、210bは不要となる。ま
た、第1のミラー120の代わりに偏光ビームスプリッ
タPBSを用いてもよい。この場合、偏光子210bは
不要となる。
【0029】ここで、偏光子210aと検光子230a
および偏光子210bと検光子230bとは、次のよう
な位置関係となるように配置されている。即ち、第1の
偏光子210aと第1の検光子230aの偏光方向の相
対角度を第1の光磁界効果素子220aのファラディ回
転角が飽和したとき光出力が零となるような位置関係に
第1の偏光子220aと第1の検光子230aとを配置
するとともに、第2の偏光子210bと第2の検光子2
30bの偏光方向の相対角度を第2の光磁界効果素子2
20bのファラディ回転角が飽和したとき光出力が零と
なるような位置関係に第2の偏光子210bと第2の検
光子230bとを配置している。
【0030】偏光子210a、210bおよび検光子2
30a、230bとしては誘電体膜や天然方解石を素材
とするものが、また、光磁気効果素子220a、220
bとしては、YIG系(Tb−YIG、Bi−YIGな
ど)等の所定値以上の磁界強度によりファラディ回転角
が飽和する特性を有する強磁性体を用いる。また、発光
源100としては、レーザダイオード、発光ダイオード
(LED)、He−Neレーザ、Arイオンレーザ等が
好適に採用される。なお、例えば、光磁界効果素子とし
てYIG素子を用いる場合は、発光源100としては、
YIG素子の光吸収係数が小さく、受光素子の感度があ
る1.05μm付近の波長を有するものを用いる。ま
た、YIG素子の光吸収係数が極小さい1.3μm付近
の波長のものを用い、YIG素子通過後に非線形光学素
子、アップコンバージョン結晶およびガラス等を用い
て、双方向光サイリスタに適した波長に波長変換するこ
とも可能である。
【0031】永久磁石240a、240bとしては、光
磁気効果素子220a、220bを囲う大きさの径を有
する円筒状の永久磁石を用いる。また、図3、図4に示
されるように、被測定用の電力系統500の電線に通常
の負荷電流の範囲の電流(−A1〜+A1)(例えば−4
KA〜+4KA)が流れることにより生じる磁界強度
(−H1〜+H1)(例えば−68Oe〜+68Oe)に
おいて常に飽和領域にあるような直流磁界(H0)(例
えば1800Oe)を印加するものである。
【0032】ついで、本実施例の動作を説明する。図
1、図2において、レーザダイオード、発光ダイオード
(LED)、He−Neレーザ、Arイオンレーザ等か
らなる発光源100から出射された光は、光ファイバ6
10を介して第1のハーフミラー110に入射される。
この入射光は第1のハーフミラー110により、二方向
に分岐され、一方の光は第1のハーフミラー110を透
過して第1の光路200aの第1の偏光子210aに入
射され、他方の光は第1のハーフミラー110により9
0度反射されて第1のミラー120に入射し、この第1
のミラー120により再度90度反射されて第1の光路
200aに平行な第2の光路200bの第2の偏光子2
10bに入射される。この偏光子210a、210bに
入射された各々の光は偏光子210a、210bにより
各々直線偏光され、上述のファラディ素子よりなる光磁
気効果素子220a、220bに入射される。
【0033】この光磁界効果素子220a、220bに
入射された各々の光は、電力系統500の電線に流れる
電流により生じる磁界の強度に応じて、その偏光面がフ
ァラディ回転する。光磁界効果素子220a、220b
によりファラディ回転された各々の光は、それぞれ検光
子230a、230bに入射され、これらの検光子23
0a、230bにより各々のファラディ回転角に応じた
光強度に変換される。偏光子210aと検光子230a
および偏光子210bと検光子230bとは、上述のよ
うな配置関係に配置しており、永久磁石240a、24
0bにより、常に光磁界効果素子220a、220bが
飽和する直流磁界(H0)が印加されているので、図
3、図4に示されるように、通常の負荷電流(−A1
+A1)の範囲の電流(例えば−4KA〜+4KA)が
流れることにより生じる磁界強度(−H1〜+H1)(例
えば−68Oe〜+68Oe)においては、即ち、図4
の時間t0〜t1までの間は検光子230a、230bよ
り出力される出力光は零となる。
【0034】このような状態において、図4のt1の時
点にて、A地点において短絡、地絡等の事故が発生して
電力系統500の電線に短絡電流A2(例えば最大電流
31KA)が流れた場合、この短絡電流A2が流れるこ
とにより第1の光路200aに生じる磁界は、図4に示
されるように(−H2)(例えば−880Oe)とな
り、第1の光路200aの光磁界効果素子220aのフ
ァラディ回転角はθBとなり、したがって、第1の光路
200aの検光子230aより出力される出力光は、図
4のB2で示されるような大きな光強度となる。このよ
うな大きな光強度においては、双方向光サイリスタ30
0はターンオンし、リアクトル520が投入される。
【0035】双方向光サイリスタ300がターンオン
し、リアクトル520が投入されると、このリアクトル
520と直列コンデンサ530とで高インピーダンスの
LC並列共振回路が構成され、短絡電流が抑制されるこ
ととなる。なお、一旦、双方向光サイリスタ300がタ
ーンオンすると、双方向光サイリスタ300はこの状態
を維持し、短絡事故が回復して双方向光サイリスタ30
0の各ゲートにターンオフ信号を導入することにより、
双方向光サイリスタ300はターンオフする。
【0036】一方、短絡電流A2が流れることにより第
2の光路200bに生じる磁界は、図3に示されるよう
に(+H2)(例えば+880Oe)となり、第2の光
路200bの光磁界効果素子220bのファラディ回転
角はθFで飽和したままであるので、第2の光路200
bの検光子230bより出力される出力光は零のままで
ある。
【0037】続いて、図4のt2の時点において、電力
系統500の電線に短絡電流A2とは逆向きの短絡電流
3が流れた場合、この短絡電流A3が流れることにより
第2の光路200bに生じる磁界は、図4に示されるよ
うに(−H3)となり、第2の光路200bの光磁界効
果素子220bのファラディ回転角はθCとなり、した
がって、第2の光路200bの検光子230bより出力
される出力光は、図4のB3で示されるような大きな光
強度となる。しかしながら、双方向光サイリスタ300
は既にターンオンされているので、双方向光サイリスタ
300はこの状態を継続する。一方、短絡電流A3が流
れることにより第1の光路200aに生じる磁界は、図
3に示されるように(+H3)となり、第1の光路20
0aの光磁界効果素子220aのファラディ回転角はθ
Fで飽和したままであるので、第1の光路200aの検
光子230aより出力される出力光は零のままである。
【0038】同様にして、A4、A6、A8、A10の短絡
電流が電力系統500の電線に流れた場合には、第2の
光路200bの第2の光磁界効果素子220bのファラ
ディ回転は飽和したままであるが、第1の光路200a
の第1の光磁界効果素子220aがファラディ回転して
第1の検光子230aより光が出力(B4、B6、B8
10)される。一方、A5、A7、A9の短絡電流が電力
系統500の電線に流れた場合には、第1の光路200
aの第1の光磁界効果素子220aのファラディ回転は
飽和したままであるが、第2の光路200bの第2の光
磁界効果素子220bがファラディ回転して第2の検光
子230bより光が出力(B5、B7、B 9)される。
【0039】しかしながら、これらの場合も、双方向光
サイリスタ300は既にターンオンしているので、双方
向光サイリスタ300はこの状態を継続し、短絡事故が
回復して双方向光サイリスタ300の各ゲートにターン
オフ信号を導入することにより、双方向光サイリスタ3
00はターンオフする。
【0040】以上に説明したように、本実施例において
は、各々の偏光子210a、210bと各々の検光子2
30a、230bの偏光方向の相対角度を各々の光磁界
効果素子220a、220bのファラディ回転角が飽和
したとき光出力が零となるような位置関係に各々の偏光
子210a、210bと各々の検光子230a、230
bとを配置しており、永久磁石240a、240bによ
り、常に光磁界効果素子220a、220bが飽和する
直流磁界(H0)が印加されているので、通常の負荷状
態で電力系統500の電線に電流が流れることにより発
生する磁界の大きさ(−H1〜+H1)では光出力が零と
なり、短絡電流が流れることにより発生する大きな磁界
においては光出力が得られることとなるので、短絡電流
の有無に対応して双方向光サイリスタ300をターンオ
ンさせてリアクトル520を投入することができる。
【0041】そして、短絡電流の有無に対応した双方向
光サイリスタ300をターンオンさせる信号の切り換え
は瞬時に行われるため、リアクトル520の投入を瞬時
に行うことができるようになるという格別の効果を生じ
る。また、短絡電流検出のための複雑な電気回路が一切
必要でなく、短絡電流判定の精度も格段に向上するとい
う格別の効果を生じる。さらに、複雑な電気回路を一切
使用していないので、その電気回路の温度特性を考慮す
る必要もなくなり、この種、短絡電流抑制装置700を
安価に製造できるという格別の効果を生じる。また、複
雑な電気回路を一切使用していないので、短絡電流抑制
装置700としての信頼性も向上し、かつ、その保守も
容易になるという格別の効果を生じる。
【0042】また、光磁界センサ200は、電力系統5
00の電線を挟むようにして、第1の光路200aと、
この第1の光路200aと平行に配置された第2の光路
200bとにより形成されているので、電力系統500
の電線にプラス方向に短絡電流が流れても、あるいは、
電力系統500の電線にマイナス方向に短絡電流が流れ
ても、この短絡電流に基づいて、これらの光路200a
もしくは200bのどちらかが光出力を発するので、電
力系統500の電線にどの方向の短絡電流が流れても短
絡電流を検出して双方向光サイリスタ300をターンオ
ンさせてリアクトル520を正確に投入することができ
る。
【0043】なお、簡易型の光磁界センサとすることも
できる。この場合、第2の光路200bをなくし、電力
系統500の電線にプラス方向の短絡電流が流れた時の
み、短絡電流が検出できるようにする。この場合、当
然、ハーフミラー110、310およびミラー120、
320は不要となる。
【0044】変形例1 以下、本実施例の第1変形例を図面に基づいて説明す
る。図5は第1変形例の全体構成を示す図であり、図5
において、本第1変形例の短絡電流検出装置600は、
電力系統500の電線を挟むようにして第1の光路20
0aと第2の光路200bとが配置された光磁界センサ
200を配置するとともに、発光源100から出射され
た光を光ファイバ610を介して入射させて第1の光路
200aと第2の光路200bに分岐する第1の光ファ
イバカプラー140と、この第1の光ファイバカプラー
140から第1の光路200aに出射する光ファイバ6
10aと、第2の光路200bに出射する光ファイバ6
10bと、第1の光路200aからの光を出射する光フ
ァイバ650aと、第2の光路200bからの光を出射
する光ファイバ650bと、両光ファイバ650a、6
50bからの光を入射させて合成する第2の光ファイバ
カプラー340とから構成されている。なお、光磁界セ
ンサ200の構成およびその動作は上述の実施例と同様
であるので、その説明は省略する。
【0045】本第1変形例においては、ハーフミラーお
よびミラー等を使用しなくて、光ファイバにより直接各
光路200a、200bに光を導くようにしているの
で、光が減衰することがなく、効率よく短絡電流を検出
できるようになる。また、1つの発光源を使用して光フ
ァイバカプラー140により光を分岐して各光路200
a、200bに光を導入し、あるいは各光路200a、
200bから光を導出して光ファイバカプラー340に
より合成するので、この種短絡電流検出装置を安価に製
造することができるようになる。
【0046】変形例2 以下、本実施例の第2変形例を図面に基づいて説明す
る。本第2変形例は、発光源を2つ用いたことにその特
徴がある。図6は第2変形例を示す図であり、図6にお
いて、本第2変形例の短絡電流抑制装置700は、電力
系統500の電線を挟むようにして第1の光路200a
と第2の光路200bとが配置された光磁界センサ20
0を配置するとともに、この第1の光路200aに光を
出射する第1の発光源150と、この第1の発光源15
0から出射された光を第1の光路200aに入射させる
光ファイバ610と、第2の光路200bに光を出射す
る第2の発光源160と、この第2の発光源160から
出射された光を第2の光路200bに入射させる光ファ
イバ630と、第1の光路200aからの光を出射する
光ファイバ650cと、第2の光路200bからの光を
出射する光ファイバ650dと、両光ファイバ650
c、650dからの光を入射して合成する光ファイバカ
プラー350と、光ファイバカプラー350からの光を
双方向光サイリスタ300に出射する光ファイバ650
とから構成されている。
【0047】本第2変形例においては、ハーフミラーお
よびミラー等を使用しなくて、直接各光路200a、2
00b用の発光源150および160により、各光路2
00a、200bに光を導くようにしているので、光が
減衰することがなく、効率よく短絡電流を検出できるよ
うになる。
【0048】なお、上述の実施例および第1、第2変形
例においては、永久磁石240aおよび240bにより
印加する直流磁界はH0と固定されていたが、光磁界セ
ンサ200を設置する系統により、系統の短絡、故障に
起因して発生する短絡電流の大きさの程度が相違するの
で、永久磁石240aおよび240bにより印加する直
流磁界の大きさをそれらの系統に対応させる必要があ
る。この場合、図7に示されるように、系統の短絡、故
障に起因して発生する短絡電流が大きい系統の場合は、
永久磁石240aおよび240bにより印加する直流磁
界をH01からH02に変化させるようにする。
【0049】例えば、永久磁石240aおよび240b
により印加する直流磁界をH01、H02となるように設定
しておき、光磁気効果素子220a、220bの位置を
変更することによって実現できる。また、直流磁界H01
を印加した光磁気効果素子220a、220bと、直流
磁界H02を印加した光磁気効果素子220a、220b
を用意しておき、設置する系統によりこれらを切り換え
ることによっても実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の全体構成の概略を示す図であ
る。
【図2】図1の短絡電流検出装置の概略を示す図であ
る。
【図3】本発明の光磁界センサに用いる光磁気効果素子
(ファラディ素子)の印加磁界とファラディ回転角の関
係を示す図である。
【図4】負荷電流と光磁界センサ出力および受光素子出
力の関係を示す図である。
【図5】本発明の実施例の第1変形例を示す図である。
【図6】本発明の実施例の第2変形例を示す図である。
【図7】本発明の光磁界センサの直流磁界を変化させた
場合の光磁気効果素子(ファラディ素子)の印加磁界と
ファラディ回転角の関係を示す図である。
【図8】従来の短絡電流抑制装置の一例を示す図であ
る。
【図9】従来の短絡電流抑制装置の他の例を示す図であ
る。
【図10】ファラディ効果を示す原理図である。
【図11】一般的な光磁界測定器の構成例を示す図であ
る。
【図12】偏光子と検光子との偏波面の相対角度と出力
光強度との関係を示す図である。
【図13】強磁性体の光磁気効果素子(ファラディ素
子)のの印加磁界とファラディ回転角の関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
100、150…光源、200a、200b…光磁界セ
ンサ、210a、210b…偏光子、220a、220
b…光磁気効果素子(ファラディ素子)、230a、2
30b…検光子、300…受光部、310、340…受
光素子、400…遮断器、500…電力系統。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過電流に基づくファラディ回転角の変化を
    光出力の変化として検出する光磁界センサを用いた短絡
    電流抑制装置であって、 電力系統に直列に挿入される直列コンデンサと、 前記直列コンデンサに直列に接続され、電力系統に流れ
    る短絡電流を検出して光信号を発する光磁界センサを有
    する短絡電流検出装置と、 前記短絡電流検出装置の光磁界センサに光を出射する発
    光源と、 前記直列コンデンサに並列に接続され、電力系統の電源
    周波数で前記直列コンデンサと並列共振するリアクトル
    と、 前記リアクトルに直列に接続され、前記短絡電流検出装
    置からの光出力に基づき前記リアクトルを投入させる光
    スイッチと、を有することを特徴とする光磁界センサを
    用いた短絡電流抑制装置。
  2. 【請求項2】過電流に基づくファラディ回転角の変化を
    光出力の変化として検出する光磁界センサを用いた短絡
    電流抑制装置であって、 電力系統に直列に挿入される直列コンデンサと、 前記直列コンデンサに直列に接続され、電力系統に流れ
    る短絡電流を検出して光信号を発する光磁界センサを有
    する短絡電流検出装置と、 前記短絡電流検出装置の光磁界センサに光を出射する発
    光源と、 前記直列コンデンサに並列に接続され、電力系統の電源
    周波数で前記直列コンデンサと並列共振するリアクトル
    と、 前記リアクトルに直列に接続され、前記短絡電流検出装
    置からの光出力に基づき前記リアクトルを投入させる光
    スイッチと、を有し、 前記光磁界センサは、前記発光源より出射された光を直
    線偏光する偏光子と、前記偏光子により直線偏光された
    光を磁界の強度に応じてファラディ回転し所定値以上の
    磁界強度によりファラディ回転角が飽和する光磁気効果
    素子と、前記光磁気効果素子によりファラディ回転され
    た光を当該ファラディ回転角に応じた光強度に変換する
    検光子とを備え、 前記偏光子と前記検光子の偏光方向の相対角度を前記光
    磁気効果素子のファラディ回転角が飽和したとき光出力
    が零となるような位置関係に前記偏光子と前記検光子と
    を配置するとともに、 電力系統に通常の負荷状態での電流が流れることにより
    発生する磁界強度で前記光磁気効果素子のファラディ回
    転角が飽和するような直流磁界を印加する直流磁界印加
    手段を備えたことを特徴とする光磁界センサを用いた短
    絡電流抑制装置。
  3. 【請求項3】過電流に基づくファラディ回転角の変化を
    光出力の変化として検出する光磁界センサを用いた短絡
    電流抑制装置であって、 電力系統に直列に挿入される直列コンデンサと、 前記直列コンデンサに直列に接続され、電力系統に流れ
    る短絡電流を検出して光信号を発する光磁界センサを有
    する短絡電流検出装置と、 前記短絡電流検出装置の光磁界センサに光を出射する発
    光源と、 前記直列コンデンサに並列に接続され、電力系統の電源
    周波数で前記直列コンデンサと並列共振するリアクトル
    と、 前記リアクトルに直列に接続され、前記短絡電流検出装
    置からの光出力に基づき前記リアクトルを投入させる光
    スイッチと、を有し、 前記光磁界センサは、前記発光源より出射された光を受
    光する第1の光路と、前記発光源より出射された光を受
    光するするとともに、電力系統の電線を挟んで前記第1
    の光路と平行に形成された第2の光路とを有し、 前記光磁界センサの第1の光路および第2の光路は、 前記発光源より出射された光を直線偏光する偏光子と、 前記偏光子により直線偏光された光を磁界の強度に応じ
    て偏光面がファラディ回転し、所定値以上の磁界強度に
    よりファラディ回転角が飽和する光磁気効果素子と、 前記光磁気効果素子によりファラディ回転された光を当
    該ファラディ回転角に応じた光強度に変換する検光子
    と、をそれぞれ有し、 前記偏光子と前記検光子の偏光方向の相対角度を前記光
    磁気効果素子のファラディ回転角が飽和したとき光出力
    が零となるような位置関係に前記偏光子と前記検光子と
    をそれぞれ配置するとともに、 通常の負荷状態での電流が流れることにより発生する磁
    界強度で前記光磁気効果素子のファラディ回転角が飽和
    するような直流磁界を印加する直流磁界印加手段を備え
    たことを特徴とする光磁界センサを用いた短絡電流抑制
    装置。
  4. 【請求項4】前記光スイッチを双方向光サイリスタによ
    り構成したことを特徴とする請求項1乃至3記載の光磁
    界センサを用いた短絡電流抑制装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3336049A1 (de) * 1982-10-05 1984-04-05 Japan Vilene Co.,Ltd. Gegenstrom-waermetauscher
WO2006010725A1 (de) * 2004-07-26 2006-02-02 Siemens Aktiengesellschaft Strombegrenzer mit funkenstrecke
CN109375076A (zh) * 2018-11-28 2019-02-22 周超超 一种用于干式空心电抗器匝间绝缘故障的在线监测方法

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WO2006010725A1 (de) * 2004-07-26 2006-02-02 Siemens Aktiengesellschaft Strombegrenzer mit funkenstrecke
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