JPH0865007A

JPH0865007A - 高周波フィルタ

Info

Publication number: JPH0865007A
Application number: JP22114194A
Authority: JP
Inventors: Takashi Makita; 田隆志牧; Yutaka Sasaki; 々木豊佐; Toshimi Kaneko; 子敏己金
Original assignee: Murata Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1994-08-22
Filing date: 1994-08-22
Publication date: 1996-03-08

Abstract

(57)【要約】【目的】良好な特性を有し、低コストで製造可能で、
しかもフィルタ特性の設計の自由度が大きい高周波フィ
ルタを得る。【構成】誘電体基板１２の一方主面上に、アース電極
１４を形成する。誘電体基板１２の他方主面上に、２つ
のパターン電極１６，１８を形成し、その一端をアース
電極１４に接続する。パターン電極１６，１８を折り曲
げて、その他端を誘電体基板１２の対向する端部付近に
配置する。パターン電極１６，１８と間隔を隔てて、誘
電体基板１２の端部に入出力電極２０，２２を形成す
る。パターン電極１６，１８と入出力電極２０，２２と
の間に、インタディジタル電極２４，２６を形成する。
また、２つのパターン電極１６，１８間にインタディジ
タル電極を形成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は高周波フィルタに関
し、特にたとえば、誘電体基板上のアース電極とパター
ン電極とで形成される分布定数型の高周波フィルタに関
する。

【０００２】

【従来の技術】図１０は従来の高周波フィルタの一例を
示す平面図である。高周波フィルタ１は、誘電体基板２
を含む。誘電体基板２の一方主面上には、アース電極３
が形成される。アース電極３は、誘電体基板２の端部を
通って、他方主面側に回り込むように形成される。ま
た、誘電体基板２の他方主面上には、２つのパターン電
極４，５が形成される。パターン電極４，５の一端は、
それぞれアース電極３に接続される。アース電極３に接
続されたパターン電極４，５は互いに平行になるように
配置され、中間部で逆方向に折り曲げられる。

【０００３】パターン電極４，５の他端は、誘電体基板
２の対向する端部側に配置される。このパターン電極
４，５の端部と間隔を隔てて、入出力電極６，７が形成
される。したがって、パターン電極４，５と入出力電極
６，７との間には、図１１に示すように、ギャップによ
って静電容量が形成される。また、図１２に示すよう
に、誘電体層８を挟んでパターン電極４，５と入出力電
極６，７とを重ね、静電容量が形成される場合もある。
さらに、誘電体基板２の一方主面上に入出力電極６，７
を形成し、誘電体基板２を挟んでパターン電極４，５と
入出力電極６，７とを対向させて、静電容量を形成する
こともできる。その他としては、パターン電極４，５と
入出力電極６，７との間に、チップ型コンデンサを取り
付けることもある。

【０００４】この高周波フィルタ１では、誘電体基板２
を介してパターン電極４，５とアース電極３とが対向す
ることにより、２つの１／４波長の分布定数型共振器が
形成される。これらの共振器は、パターン電極４とパタ
ーン電極５とが平行した部分で電磁気的に結合する。そ
れによって、２つの入出力電極６，７間には、フィルタ
が形成される。この高周波フィルタ１では、パターン電
極４，５と入出力電極６，７との間に形成された静電容
量によって、外部回路との間のマッチングをとることが
できる。図１３は図１０に示す高周波フィルタ１の等価
回路であり、矢印は電磁気的な結合を示す。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ギャッ
プ容量を用いたフィルタでは、パターン電極と入出力電
極との対向部分が小さいため、大きい静電容量を得るた
めに、ギャップ寸法を小さくする必要がある。そのた
め、フィルタの製造が困難であり、静電容量のばらつき
が大きくなっていた。また、誘電体層や誘電体基板を挟
んで、パターン電極と入出力電極とを対向させたフィル
タでは、電極や誘電体層の形成位置などを精度よくコン
トロールしなければならず、製造が困難であり、静電容
量のばらつきが大きくなっていた。そのため、フィルタ
特性や中心周波数にばらつきがあった。しかも、これら
のフィルタの場合、ギャップ間の距離，電極の寸法およ
び絶縁層の厚みなどに基づくＳパラメータを決定する要
素が少なく、フィルタの設計の自由度が小さく、所望の
特性を細かく調整することが難しかった。

【０００６】また、チップ型コンデンサを用いる場合、
所望の静電容量を有するコンデンサを用いることができ
る。しかしながら、高周波領域においては、半田付けな
どの取り付け精度が影響し、等価的に静電容量のばらつ
きが発生する。そのため、半田付けのやり直しや、チッ
プ型コンデンサの交換などを行う必要があった。このよ
うに、これらの高周波フィルタでは、製造工程が複雑と
なり、製造コストが高くなっていた。

【０００７】さらに、２つのパターン電極の平行した部
分で電磁気的に結合し、２段の共振器が結合している
が、これらの共振器の結合のばらつきによるフィルタ特
性のばらつきも存在する。このような共振器のばらつき
を小さくするためには、パターン電極の寸法や形成位置
などを精度よくコントロールしなければならず、製造が
困難であった。

【０００８】それゆえに、この発明の主たる目的は、良
好な特性を有し、低コストで製造可能で、しかもフィル
タ特性の設計の自由度が大きい高周波フィルタを提供す
ることである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明は、誘電体基板
と、誘電体基板の一方主面上に形成されるアース電極
と、誘電体基板の他方主面上に形成される複数のパター
ン電極と、パターン電極の端部と間隔を隔てて形成され
る入出力電極と、入出力電極の少なくとも一方とパター
ン電極の端部との間に形成されるインタディジタル電極
とを含む、高周波フィルタである。また、この発明は、
誘電体基板と、誘電体基板の一方主面上に形成されるア
ース電極と、誘電体基板の他方主面上に形成される複数
のパターン電極と、パターン電極の端部と間隔を隔てて
形成される入出力電極とを含み、複数のパターン電極の
少なくとも２つがインタディジタル電極を介して結合し
た、高周波フィルタである。

【００１０】

【作用】インタディジタル電極部は、高周波領域におい
ては、単なる容量素子としてではなく、分布定数回路的
なＳパラメータ素子として働く。したがって、Ｓパラメ
ータの決定に関わる要素が多く、インタディジタル電極
の寸法などを変えることにより、Ｓパラメータを細かく
調整することができる。このようなインタディジタル電
極部は、パターン電極や入出力電極と同時に形成するこ
とができる。

【００１１】また、インタディジタル電極を介してパタ
ーン電極を結合させる場合、インタディジタル電極部は
容量素子として働き、パターン電極で形成される共振器
は容量結合する。インタディジタル電極はくし歯状の電
極が組み合わされることによって形成されているため、
インタディジタル電極の寸法や形成位置などを変えるこ
とにより、共振器間の容量結合を細かく調整することが
できる。

【００１２】

【発明の効果】この発明によれば、パターン電極と入出
力電極との間、つまりインタディジタル電極部のＳパラ
メータを細かく変えることができるため、設計の自由度
が大きく、所望の特性を得ることができる。また、イン
タディジタル電極を介してパターン電極を結合させれ
ば、共振器間の容量結合を細かく変えることができるた
め、設計の自由度が大きく、所望の特性を得ることがで
きる。

【００１３】しかも、インタディジタル電極は対向する
部分が大きいため、その間隔を極端に小さくする必要が
なく、製造が容易である。また、パターン電極や入出力
電極と同時にインタディジタル電極を形成することがで
きるため、誘電体層などを挟む場合のように、微妙な調
整を行うことなく、製造が容易である。また、インタデ
ィジタル電極の各寸法を決定すれば、それによってパタ
ーン電極と入出力電極間のＳパラメータやパターン電極
間の静電容量も決定され、特性ばらつきの少ない高周波
フィルタを得ることができる。さらに、製造が容易であ
るため、高周波フィルタの製造コストの低減を図ること
ができる。

【００１４】この発明の上述の目的，その他の目的，特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。

【００１５】

【実施例】図１はこの発明の一実施例を示す斜視図であ
る。また、図２はその平面図であり、図３は線ＩＩＩ−
ＩＩＩにおける断面図であり、図４は線ＩＶ−ＩＶにお
ける断面図である。高周波フィルタ１０は、誘電体基板
１２を含む。誘電体基板１２の一方主面上には、ほぼ全
面にアース電極１４が形成される。アース電極１４は、
誘電体基板１２の端部を通って、他方主面側に回り込む
ように形成される。

【００１６】誘電体基板１２の他方主面上には、２つの
パターン電極１６および１８が形成される。パターン電
極１６，１８の一端は、アース電極１４に接続される。
パターン電極１６，１８は、アース電極１４との接続部
分から、互いに平行となるように形成される。そして、
その中間部付近において、パターン電極１６，１８は、
逆方向に折り曲げられる。折り曲げられたパターン電極
１６，１８は、互いに９０°の角度をもって延び、その
端部が誘電体基板１２の対向する端部付近に配置され
る。

【００１７】パターン電極１６，１８の端部に対向する
部分には、入出力電極２０，２２が形成される。入出力
電極２０，２２は、誘電体基板１２の対向する端部に引
き出される。そして、パターン電極１６，１８と入出力
電極２０，２２との間には、インタディジタル電極２
４，２６が形成される。インタディジタル電極２４，２
６は、図５に示すように、くし歯状の電極が組み合わさ
って、対向するように形成される。そして、入出力電極
２０，２２に対向する部分において、アース電極１４に
切欠き部１４ａが形成される。したがって、入出力電極
２０，２２は、アース電極１４と対向していない。切欠
き部１４ａを形成することにより、入出力電極２０，２
２とアース電極１４との間に生じる静電容量を小さくす
ることができ、この部分の静電容量によるフィルタ特性
への影響を小さくすることができる。

【００１８】この高周波フィルタ１０では、誘電体基板
１２を介してパターン電極１６，１８とアース電極１４
とが対向することにより、２つの１／４波長の共振器が
形成される。これらの共振器は、パターン電極１６，１
８の平行な部分において、電磁気的に結合する。さら
に、インタディジタル電極２４，２６は、互いに複雑に
入り組んでいるため、高周波領域において、Ｓパラメー
タ素子として働く。したがって、入出力電極２０，２２
間には、図６に示すように、分布定数型の高周波フィル
タが形成される。このとき、インタディジタル電極２
４，２６で形成されるＳパラメータ素子によって、外部
回路とのマッチングをとることができる。なお、図６に
おいて、矢印は電磁気的な結合を示す。

【００１９】この高周波フィルタ１０では、インタディ
ジタル電極２４，２６は分布定数回路として働くため、
くし歯部分の長さや幅を変えるだけで、Ｓパラメータを
微調整することができる。したがって、Ｓパラメータを
調整することによって、高周波フィルタ１０の特性を自
由に設計することができる。また、フォトリソグラフィ
などによって正確に電極を形成することができるため、
電極の寸法を決定すれば、ばらつきのない所望の特性を
得ることができる。しかも、パターン電極１６，１８や
入出力電極２０，２２と同時にインタディジタル電極２
４，２６を形成することができるため、製造が簡単であ
り、高周波フィルタ１０のコストダウンを図ることがで
きる。

【００２０】さらに、インタディジタル電極２４，２６
を用いれば、ギャップ容量を形成する場合のように、電
極間の間隔を小さくする必要がなく、製造が簡単であ
る。また、パターン電極１６，１８と入出力電極２０，
２２との間に誘電体層を挟んだフィルタに比べて、誘電
体層や電極の位置合わせなどを行う必要がなく、製造が
簡単である。

【００２１】なお、上述の実施例では、パターン電極１
６，１８は互いに離れるように折り曲げられたが、図７
に示すように、互いに交わるように折り曲げられてもよ
い。この高周波フィルタ１０では、パターン電極１６，
１８の交差部分に誘電体層２８が形成され、パターン電
極１６，１８間に静電容量が形成される。このような高
周波フィルタ１０では、パターン電極１６，１８の形成
領域を小さくすることができ、高周波フィルタ１０の小
型化を図ることができる。

【００２２】さらに、図８に示すように、パターン電極
１６，１８の一端をアース電極１４に接続せず、１／２
波長の高周波フィルタとすることもできる。この実施例
では、２つのパターン電極間にも、インタディジタル電
極２９が形成されている。このインタディジタル電極２
９によって、２つの共振器は容量結合し、それによって
フィルタが形成されている。このような高周波フィルタ
１０では、電極の寸法や形成位置などを決定することに
より所望の容量結合を得ることができ、したがって所望
の特性を有する高周波フィルタを得ることができる。さ
らに、パターン電極と入出力電極との間にインタディジ
タル電極を形成した場合と同様に、製造が簡単であり、
高周波フィルタ１０のコストダウンを図ることができ
る。

【００２３】さらに、図９に示すように、パターン電極
１６，１８の間に別のパターン電極３０，３２を形成す
ることによって多段の共振器を形成し、これらの共振器
を結合させて高周波フィルタを形成してもよい。また、
このようなインタディジタル電極は、マイクロストリッ
プ線路によるフィルタばかりでなく、トリプレート型の
分布定数型フィルタにも適用可能である。さらに、上述
の実施例では、２つの入出力電極部分にインタディジタ
ル電極を形成したが、少なくとも一方の入出力電極部分
に形成されていれば、この発明が目的とする効果を得る
ことができる。また、図８に示すようにパターン電極間
にインタディジタル電極を形成する場合、入出力電極部
分にインタディジタル電極が形成されていなくても、こ
の発明の目的とする効果を得ることができる。そして、
３段以上の共振器を結合させる場合、少なくとも２つの
共振器がインタディジタル電極を介して結合していれば
よい。なお、この発明によれば、正確な寸法でインタデ
ィジタル電極２４，２６を形成することができるが、よ
り正確な調整が必要であれば、トリミングなどを行うこ
ともできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す斜視図である。

【図２】図１に示す高周波フィルタの平面図である。

【図３】図１の線ＩＩＩ−ＩＩＩにおける断面図であ
る。

【図４】図１の線ＩＶ−ＩＶにおける断面図である。

【図５】図１に示す高周波フィルタのインタディジタル
電極付近を示す拡大平面図である。

【図６】図１に示す高周波フィルタの等価回路図であ
る。

【図７】この発明の他の実施例を示す平面図である。

【図８】この発明のさらに他の実施例を示す平面図であ
る。

【図９】この発明の別の実施例を示す平面図である。

【図１０】従来の高周波フィルタの一例を示す平面図で
ある。

【図１１】図１０に示す従来の高周波フィルタの入出力
電極付近を示す拡大平面図である。

【図１２】従来の高周波フィルタの他の例の入出力電極
付近を示す断面図である。

【図１３】図１０に示す従来の高周波フィルタの等価回
路図である。

【符号の説明】

１０高周波フィルタ１２誘電体基板１４アース電極１６，１８パターン電極２０，２２入出力電極２４，２６，２９インタディジタル電極３０，３２パターン電極

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】誘電体基板、前記誘電体基板の一方主面上に形成されるアース電極、前記誘電体基板の他方主面上に形成される複数のパター
ン電極、前記パターン電極の端部と間隔を隔てて形成される入出
力電極、および前記入出力電極の少なくとも一方と前記
パターン電極の端部との間に形成されるインタディジタ
ル電極を含む、高周波フィルタ。
【請求項２】誘電体基板、前記誘電体基板の一方主面上に形成されるアース電極、前記誘電体基板の他方主面上に形成される複数のパター
ン電極、および前記パターン電極の端部と間隔を隔てて
形成される入出力電極を含み、複数の前記パターン電極の少なくとも２つがインタディ
ジタル電極を介して結合した、高周波フィルタ。