JPH0863456A - カオス性判定手段および方法 - Google Patents

カオス性判定手段および方法

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JPH0863456A
JPH0863456A JP20176694A JP20176694A JPH0863456A JP H0863456 A JPH0863456 A JP H0863456A JP 20176694 A JP20176694 A JP 20176694A JP 20176694 A JP20176694 A JP 20176694A JP H0863456 A JPH0863456 A JP H0863456A
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prediction
series data
chaoticity
data
predicting
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JP20176694A
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Masami Naito
正美 内藤
Naoki Tanaka
尚樹 田中
Hiroshi Okamoto
博司 岡本
Masahiro Shikayama
昌宏 鹿山
Yasuo Morooka
泰男 諸岡
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 系列データの変動がカオスによるものである
かノイズによるものであるかを、容易にかつ確実に判定
する。 【構成】 系列データの変動を将来に向かって予測する
処理とその予測の良好度を得る処理、該系列データの変
動を過去に向かって予測する処理とその予測の良好度を
得る処理、およびこれら二つの良好度を比較する処理を
設けた。二つの良好度が異なれば系列データの変動をカ
オスによるものと判定し、該良好度が実質的に等しけれ
ば該データの変動をノイズによるものと判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、時系列データとして取
り扱うことができるように順序付けられた系列データの
処理に関する。例えば、カオスを利用する装置、あるい
はカオス外乱を的確に除去することによって制御や予測
などを高精度に行う装置、またデータの解析装置におい
て、変動する時系列データのカオス性を判定する方法に
係わり、該データの変動が決定論的な規則を持つところ
のカオスによるものかあるいはノイズによるものかを判
定する手段および方法に関する。
【0002】時系列データの変動がノイズによるもので
なくカオスによるものであれば、一見すると不規則に変
動するデータでも背後に決定論的な規則を持つ。このた
め、この時系列データの処理過程を含む産業装置におい
て、変動がカオスであればその特徴を利用した処理がで
き、一方、変動がノイズによるものならばノイズに対応
した処理をするなど、データの特性によって適切な処理
アルゴリズムを選べるので、データの変動がカオスによ
るのかノイズによるのか判定することは重要である。
【0003】
【従来の技術】その判定方法として、従来、時系列デー
タを基に構成した、系の運動の様子を表すアトラクタの
相関次元を求める方法が使われる。相関次元は、例えば
フィジカルレビューレターズ、50 (1983 年)第346頁
から第349頁(Physical ReviewLetters, 50(1983), pp.
346-349)に述べられた方法で求める。時系列データか
らアトラクタの再構成を試みるには、埋め込みとよばれ
る手順を踏むが、カオス性の解析では、埋め込みの際の
埋め込み次元を増やしながら、埋め込みの結果得られた
図形の相関次元を計算する。
【0004】フィジックスレターズ、111A(1985年)第
152頁から第156頁(Physics Letters, 111A (1985), p
p.152-156)に述べられているように、このとき相関次
元が一定値に飽和すれば系にアトラクタが存在して、す
なわち力学系つまり規則が存在して系の変動は決定論的
であり、その時、上記フィジカルレビューレターズ、50
(1983 年)第346頁から第349頁(Physical Review Let
ters, 50(1983), pp.346-349)に述べられているよう
に、相関次元が整数でない場合、系はカオス状態にある
と判定される。
【0005】また、時系列の変動値の予測を用いてカオ
スとノイズを区別する提案もなされている(Nature, 35
8(1992), pp. 217-220)。この方法では、予測値と実測
値の相関係数が、カオスの場合にはどれだけ先を予測す
るかという予測期間と共に指数関数的に減少し、一方、
時系列値に相関を有するノイズでは冪関数的に減少する
ことにより、カオスとノイズを区別する。相関を有しな
いノイズの場合は、上記相関係数は、予測期間によらな
い小さな値となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法によるカオスの判定方法では、データによっては相関
次元をうまく計算できず、その方法を使えないなどの問
題点があった。さらに、フィジカD、35(1989)第357
頁から第381頁(Physica D, 35(1989), pp. 357-381)
およびフィジックスレターズA、155(1991年)第480頁
から第493頁(Physics Letters A, 155 (1991), pp.480
-493)に述べられているように、データの変動が通常見
られるように相関を持つ場合、その変動がカオスでなく
ノイズによるときにも相関次元が一定値に飽和すること
があり、したがって従来の方法では、特に相関を有する
時系列データに対して、確実にカオスかノイズかの判定
をすることが必ずしもできないという問題点があった。
【0007】また、変動値の予測を用い、予測値と実測
値の相関係数の予測期間依存性によりカオスとノイズを
区別する方法では、データによっては、データ自体が不
完全であったりデータ数が不足であったりして明確な区
別ができない場合があった。
【0008】本発明の目的は、一見不規則に変動する時
系列データの変動が、カオスによるものであるかノイズ
によるものであるかを、確実に判定する方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明において上記目的
は、与えられた時系列データに対して2種類の変動予測
をし、それらの結果を比較することにより達成される。
【0010】一つのの変動予測法においては、与えられ
た時系列の変動を将来に向かって予測し、予測値と実際
の値との一致度又は誤差、すなわち予測の良好度を求め
る。他の変動予測法では、該時系列の変動を過去に向か
って予測し、予測の良好度を求める。これら二つの予測
における良好度が異なれば、与えられた時系列の変動は
カオスによるものと判定され、良好度が実質的に等しけ
ればその変動はノイズによるものと判定される。ここ
で、変動を将来に向かって予測するとは将来の変動を予
測することであり、過去に向かって予測するとは、順序
を逆転した時系列に対して将来の変動の予測をするのと
等価な予測をすることである。
【0011】
【作用】本発明は、カオスによって変動する時系列にお
いては、順序を逆転した時系列のエントロピーが与えら
れた時系列のエントロピーよりも大きくなることに着目
してなされた。カオス時系列はエントロピーが大きいほ
ど変動の予測が当たりにくいので、両者の時系列では予
測結果が異なる。一方ノイズの場合には、時系列は平均
値、分散、自己相関などの統計量で特徴付けられる。時
系列の順序を逆転してもノイズの統計量はかわらないの
で、順序を逆転した時系列と元の時系列とで理想的には
変動の予測結果が同じになる。現実にはデータ自体や予
測結果の統計的なばらつきなどのため、両者の変動予測
が完全には一致しないこともあるが、それらが実質的に
一致すれば時系列の変動はノイズによるものであると判
定される。
【0012】以下、本発明の作用をさらに詳しく説明す
る。
【0013】時系列の値の変動がカオスによるものであ
る場合には、変動の予測が当たる程度は正のリアプノフ
指数に依存する。リアプノフ指数は決定論的な規則にし
たがう系の変動の様子を表す量であり、そのような系は
一般に複数のリアプノフ指数をもつが、その中に正のも
のがあれば系の変動はカオスである。変動予測が当たる
程度は、より詳しくは、エントロピーとよばれる、正の
リアプノフ指数の和に依存する。エントロピーは時系列
の情報が変化する平均の速さを表し、このエントロピー
が大きいほど予測が当たりにくいことが知られている。
【0014】与えられたカオス時系列の順序を逆にする
ことにより得られた新しい時系列は、やはり決定論的な
規則に従って変動する。その規則は、もとの時系列にお
ける規則で時間を逆転したものに対応する。このとき、
新しい時系列を与える系のリアプノフ指数は、元の時系
列を与える系のリアプノフ指数の符号を変えたものとし
て与えられる。
【0015】カオス的な変動が観測されるからには変動
する系が安定でなければならず、そのためには、公知の
ようにその系のリアプノフ指数の和が負でなければなら
ない。したがって、時系列の順序を逆にすることによっ
て人為的に作った新しい時系列の系のエントロピーは、
元の系のエントロピーよりも大きくなければならない。
このため、順序を逆転した時系列では、元の時系列より
も変動の予測結果が悪いことが結論される。
【0016】上記したエントロピーの大小関係は、次の
ようにして示される。元の系のリアプノフ指数で0でな
いものが n 個あったとしてそれらを大きさの順に λ
{1},λ{2}, …, λ{n-1}, λ{n} とし、λ{1} 〜 λ{j}
を正、λ{j+1} 〜 λ{n} を負とする。ここで、{ }内
は下付き添字を表す。すると、元の系のエントロピーは
【0017】
【数1】
【0018】で与えられる。新しい系で正のリアプノフ
指数は -λ{j+1} 〜 -λ{n} であるから、エントロピー
【0019】
【数2】
【0020】で与えられる。一方、
【0021】
【数3】
【0022】であるから、K-K' < 0 であり
【0023】
【数4】
【0024】となる。
【0025】このように、本発明によれば、与えられた
時系列および順序を逆転した時系列に対して変動の予測
を比較することにより、確実にカオスとノイズを区別す
ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図にしたがって詳細
に説明する。図1に、本発明を、埋め込みを利用してデ
ータの変動を予測する場合に適用した例を示す。
【0027】カオス性判定手段100は時系列信号の入力
手段120から時系列データを受け取り、その時系列の変
動がカオスによるものかノイズによるものかを判定して
判定結果を出力する。該判定手段100は、まず、入力手
段120からのデータを時系列信号記憶手段101に蓄える。
蓄えられたデータは埋め込み処理102に送られてそこで
埋め込みが行われ、埋め込まれたデータは埋め込み信号
記憶手段103に記憶される。双方向予測処理104は、埋め
込まれたデータを使って時系列データの将来に向かった
変動の予測と過去に向かった変動の予測をする。本実施
例では、将来および過去に向かった変動予測を同一の予
測処理104によって一挙に行う。将来に向かった予測の
結果は順方向予測記憶手段105に蓄えられる。一方、過
去に向かった予測の結果は逆方向予測記憶手段106に蓄
えられる。予測結果評価処理107でそれらの予測の良好
度が評価され、評価結果比較処理108で順逆両者の予
測、すなわち将来に向かった予測と過去に向かった予
測、の良好度が比較される。判定処理109は、両者で予
測の良好度が異なれば時系列の変動はカオスによるもの
と判定し、予測の良好度が両者で実質的に一致すれば変
動はノイズによるものと判定する。
【0028】次に、各部の動作を詳細に説明する。時系
列信号記憶手段101には、入力手段120により各タイミン
グで時系列に取り込んだ入力信号の値が、図2に示すよ
うに取り込み順序を示す時系列番号と共に格納されてい
る。ここではξ{N}が最も直近のデータであるとして、
以下新しいデータの順に、ξ{N-1}、ξ{N-2}とする。た
だし{ }内は下付き添字を表す。以下、同様である。
【0029】図3に埋め込み処理102が実行する処理の
アルゴリズムを示す。一般に埋め込み処理とは,取り込
んだ時系列信号、
【0030】
【数5】
【0031】に対して、
【0032】
【数6】
【0033】のようなm次元のベクトル(以下、再構成
ベクトル)を再構成する処理を言う。
【0034】時系列番号がNのデータに対応したベクト
ルから順に再構成していくが、以下では時系列番号tの
データを再構成する例を示す。まずS3ー1でξ{t}を
X(1)に格納する。次にS3ー2でjを1にセットす
る。以下、S3ー3でξ{t-τ}をX(2)に、ξ{t-j・τ}
をX(j+1)へ順次格納していく。S3ー4でj=mー1
の成立を判定し、成立していなければjに1を加えなが
らS3ー3の処理を繰り返す。成立していればt番目の
データの再構成は終了し、時系列番号がtー1のデータ
の再構成を行う。S3ー5で処理の終了を判定する。処
理の終了は所望の個数の再構成ベクトルを生成したこと
で判定される。遅れ時間τの値の設定法については「ニ
ューラルシステムにおけるカオス」(合原編、第3章、
91-124頁、東京電機大学出版局、1993)で示されてい
る。また、埋め込み次元mとしては通常3あるいは4と
するが、これらの値に限らず本発明の個々の応用にした
がって適宜設定される。
【0035】図4に埋め込み処理102により構築された
埋め込み信号記憶手段103の構成を示す。N〜t〜n の
時系列番号に対応して、X(1) 〜X(m) からなるm次元
の再構成ベクトルが格納されている。
【0036】双方向予測処理104は、埋め込み信号記憶
手段103に格納された再構成ベクトルを用いて、予測結
果評価処理107で評価するための予測データを作る。図
5に、双方向予測処理104が実行する処理のアルゴリズ
ムを示す。はじめに再構成ベクトルの集合を2つに分
け、時間的により過去の部分X{M}〜X{n}とより新しい
部分X{N}〜X{M+1}とする。そして、より過去の部分X
{M}〜X{n}を予測のデータベースとし、より新しい部分
X{N}〜X{M+1}を予測の良さを評価するためのデータベ
ースとする。
【0037】図5で、S5−1で時系列の何ステップ先
から何ステップ先までを予測するのか、また同時に何ス
テップ前から何ステップ前までを予測するのか、そのス
テップ数の範囲の最小値Tpminと最大値Tpmaxを設定す
る。
【0038】S5−2でカウンターiを1にセットす
る。
【0039】S5−3では、評価データベースの時系列
番号N〜M+1のうちN−Tpmax〜M+1+Tpmaxのな
かから番号Kを選ぶ。以下の手順は、再構成ベクトルX
{K}の成分のうち時間的にもっとも新しい成分である第
一成分ξ{K}に対してTpステップだけ将来のξ{K+Tp}の
値の予測、および時間的にもっとも古い成分である第m
成分ξ{Kー(m-1)τ}に対してTpステップだけ過去のξ
{K-(m-1)τ-Tp}の値の予測をするもので、この例では0
次の予測法と呼ばれる手法を用いる。
【0040】S5−4で予測データベース中の再構成ベ
クトルのなかからX{K}にもっとも近いベクトルを探索
する。このときの距離としては、ユークリッド距離でも
よく、ハミング距離でもよく、さらに最大距離など他の
距離計算法で計算できる。以下、探索したベクトルがX
{L}であったとする。
【0041】S5ー5でTpをTpminに設定する。
【0042】S5−6では、X{L}の第一成分ξ{L}のT
pステップ先の時系列信号の値ξ{L+Tp}をξ{K+Tp}の予
測値η{K+Tp}、X{L}の第m成分ξ{L-(m-1)τ-Tp}をξ
{K-(m-1)τ-Tp}の予測値η{K-(m-1)τ-Tp}とする。図で
は省略されているが、予測値η{K+Tp}および実測値ξ{K
+Tp}の値が順方向予測記憶手段105に格納される。ここ
で実測値ξ{K+Tp}は、評価データベース中にある再構成
ベクトルX{K+Tp}の第一成分である。同様に、予測値η
{K-(m-1)τ-Tp}および実測値ξ{K-(m-1)t-Tp}の値が逆
方向予測記憶手段106に格納される。実測値ξ{K-(m-1)
τ-Tp}は評価データベース中にある再構成ベクトルX{K
-Tp}の第m成分である。
【0043】S5−7でTpがTpmaxに達しているかどう
かを判定し、達していなければTpに1を加えながらS
5ー6の処理を繰り返す。
【0044】S5−8では予測値と実測値の組が所定の
数Qに達したかどうか判定し、達していなければカウン
ターを1だけ増やして処理S5−3に戻る。
【0045】S5−3では、次のKの値としてそれまで
に使っていない値を設定する。
【0046】図6は、こうして順方向予測記憶手段105
に格納されたデータの構成例であり、η(i,Tp)とξ(i,T
p)に予測ステップTp、データ番号iのそれぞれ予測値
と実測値が格納されている。図6は、Tpとして1から
始まっている例である。逆方向予測記憶手段106に格納
されたデータの構成も図6と同様である。
【0047】予測結果評価処理107は、記憶手段105およ
び106に格納されている予測値と実測値のデータを用
い、将来方向の予測と過去方向の予測のそれぞれに対し
て、各予測ステップでの予測の良好度として予測値と実
測値の相関係数を計算する。
【0048】評価結果比較処理108は、上記の評価処理1
07で計算された将来方向予測の予測・実測相関係数と過
去方向予測の予測・実測相関係数に基づいて、両方向の
予測結果を比較する。判定処理109は、その比較結果を
基に、時系列の変動がカオスによるものかノイズによる
ものかを判定する。
【0049】これらの過程では、具体的には、各予測ス
テップにおいて、将来方向予測の相関係数と過去方向予
測の相関係数を等しいと見なせるかどうかを、公知の検
定処理により次のように統計的に検定する。ある予測ス
テップでの将来方向予測の予測・実測相関係数がr
{f}、過去方向予測の予測・実測相関係数がr{b}であっ
た場合、評価結果比較処理108は
【0050】
【数7】
【0051】により量z{f}とz{b}を計算し、これらを
用いて次のようにt値を求める。
【0052】
【数8】
【0053】Qは、標本数である。判定処理109は、こ
の値が検定の限界値よりも大きければ、r{f}≠r{b}と
判定する。限界値は、例えば有意水準1%ではt(0.01)
=2.58、有意水準5%ではt(0.05)=1.96である。これ
により、(数8)のtが限界値より大きければ、将来方
向と過去方向の両予測の一致度が異なり時系列の変動が
カオスによるもの、tが限界値以下ならば、該一致度が
実質的に等しく時系列の変動がノイズによるものと判定
する。
【0054】以上において、予測ステップTpの選び方
は、本発明のカオス判定装置を適用するシステムが限定
されるなどによりシステムの変動の性質が比較的良くわ
かっているような場合には、Tpとして適当なもの一つ
を選んでもよい。このときは、図1の予測処理104で計
算し順方向予測記憶手段105および逆方向予測記憶手段1
06に格納するデータは、そのTpにおけるデータだけで
よい。より一般には、複数の予測ステップでの結果を基
に判定するのがよい。
【0055】これは次の理由による。例えば、カオスで
あっても予測スッテプTpが小さい、つまり直近の予測
だと、将来方向と過去方向の予測の差が十分に大きくな
らない場合があり、したがってtの値が小さくなること
がある。このときでも、Tpを大きくすればtが有意に
大きくなる。また、ノイズであってもデータの統計性に
よってはある予測ステップでtが大きくなることもあ
る。したがって、複数の予測ステップにおいて検定を
し、tの値が限界値を越える予測ステップが所定の割
合、例えば全体の半数、を越えたときに時系列がカオス
であると判定するようにすれば、より確実に判定ができ
る。
【0056】以上述べたカオス性判定手段100の処理
は、ハードウェアで実現しても良いしソフトウェアで実
現しても良い。
【0057】なお、上の実施例では、双方向予測処理に
おいて、(数6)で再構成した再構成ベクトルX{n}か
らX{N}を2つに分けて、それぞれ評価データベースと
予測データベースとした。このかわりに、(数6)で再
構成した再構成ベクトルの全体から、それらを合わせて
も全体とならないような2組の一部分を取りだし、それ
らを評価データベースと予測データベースに当てること
もできる。その際、予測すべき値が評価データベースに
含まれていて予測データベースには含まれないように2
つの部分を取り出す。予測データベースは実施例のよう
に時間的に連続したベクトル列とするが、評価データベ
ースはその限りではない。さらに、(数6)のような再
構成ベクトルの組を別々に2つ作り、一つを予測データ
ベースとし、他を評価データベースとしても良い。
【0058】図7は本発明の他の実施例である。図1と
異なるところは、データの将来と過去の変動を共に予測
する双方向予測処理104の代わりに、将来方向の変動を
予測する第一の予測処理である順方向予測処理110と、
過去方向の変動を予測する第二の予測処理である逆方向
予測処理111を分けて設けたことである。順方向予測処
理110の予測結果は順方向予測記憶手段105に蓄えられ、
逆方向予測処理111の予測結果は逆方向予測記憶手段106
に蓄えられる。順方向予測処理110と逆方向予測処理111
は同時に並列に動作するようにしても良いし、逐次的に
動作するようにすることもできる。並列に動作するよう
にすれば、将来過去両方向を同時に予測するから計算時
間が短くてすむ。
【0059】図8に、順方向予測処理110が実行する処
理のアルゴリズムを示す。この処理は図5に示した双方
向予測処理104における将来変動の予測と同様であるか
ら、詳しい説明は省く。S8ー7では、予測値と実測値
の値を順方向予測記憶手段105に格納する。
【0060】図9は、逆方向予測処理111が実行する処
理のアルゴリズムである。時系列を逆方向に、すなわち
過去方向に予測することを除けば、図8のアルゴリズム
と同様である。埋め込み信号記憶手段103に格納された
再構成ベクトルをより過去の部分X{S}〜X{n}とより新
しい部分X{N}〜X{S+1}に分け、より新しい部分を予測
のデータベース、より過去の部分を予測評価のデータベ
ースに使う。
【0061】S9−3では、評価データベースの時系列
番号S〜nのうちS〜n+Tpmaxのなかから番号Kを選
ぶ。以下の手順で、再構成ベクトルX{K}の成分のうち
時間的にもっとも古い成分である第m成分ξ{K-(m-1)
τ}に対してTpステップ前のξ{K-(m-1)τ-Tp}の値を予
測する。
【0062】S9−4で予測データベース中の再構成ベ
クトルのなかからX{K}にもっとも近いベクトルを探索
する。探索したベクトルがX{L}であったとすると、S
9−6のようにその第m成分ξ{L-(m-1)τ}のTpステッ
プ前の時系列信号の値ξ{L-(m-1)τ-Tp}をξ{K-(m-1)τ
-Tp}の予測値η{K-(m-1)τ-Tp}とする。
【0063】S9−7では、予測値η{K-(m-1)τ-Tp}お
よび実測値ξ{K-(m-1)τ-Tp}の値を逆方向予測記憶手段
106に格納する。
【0064】他の各手段あるいは処理101,102,103,107,
108,109における動作は、図1の実施例と同様である。
ただし、予測値と実測値の組の数が、将来方向の予測で
はQ{f}、過去方向の予測ではQ{b}というように異なる
場合には、(数8)のtはt=|z{f}-z{b}|/√[1/(Q{f}-
3)+(1/(Q{b}-3)]により与えられる。この式は、Q{f}=
Q{b}=Qの場合、(数8)となる。
【0065】なお、この実施例では順方向予測処理、逆
方向予測処理ともに(数6)で構成した再構成ベクトル
の組を2つに分けて、それぞれ評価データベースと予測
データベースとした。このかわりに、(数6)で再構成
した再構成ベクトルの全体から、それらを合わせても全
体とならないような2組の一部分を取りだし、それらを
評価データベースと予測データベースに当てることもで
きる。また、(数6)のような再構成ベクトルの組を別
々に2つ作り、一つを予測データベースとし、他を評価
データベースとしても良い。さらに、(数6)のような
再構成ベクトルの組を別々に2つ作って、その一つを順
方向予測処理のために用い、他の一つを逆方向予測処理
のために用いるようにしても良い。このとき、それぞれ
の再構成ベクトルの組において、ベクトルの組を2つに
分けて評価データベース、予測データベースとしても良
く、またそれらを合わせても全体とならないような2組
の一部分を取りだし、それらを評価データベースと予測
データベースに当てることもできる。
【0066】以上の実施例では入力手段120により取り
込む時系列信号がスカラー値であるとして説明したが、
取り込んだ信号がベクトル信号列であるとき、すなわ
ち、たとえば信号ξ{t}がd次元のベクトルとしてξ{t}
=[ξ{t}(1),ξ{t}(2),…,ξ{t}(d)]のように表わされ
る場合でも、(数6)と同様に再構成ベクトルX{t}を
構成できる。その場合、再構成ベクトルの実質的な次元
はm×d次元となる。このとき、予測をする対象として
は、d次元ベクトル信号の一つの成分でも良く、或いは
複数の成分ないし全ての成分でも良い。
【0067】以上、本発明を特定の実施例について述べ
たが、本発明はこれに限られることはない。
【0068】例えば、図7の実施例では、時系列の過去
方向の変動予測を、元の時系列の変動をそのまま過去に
向かって予測することにより実施したが、かわりに元の
時系列の順序を逆転した時系列を新たに作り、その時系
列の変動を通常のように将来に向かって予測してもよ
い。このときは、時系列信号記憶手段101に格納されて
いるデータを、系列逆転処理を設けて順序を逆に並べ、
逆転した時系列に対して図7の順方向予測処理110と同
様の処理により変動を予測し、予測結果評価処理で予測
の良好度を計算する。順方向予測処理や予測結果評価処
理は、元の時系列の変動予測用と逆転した時系列の予測
用の二組を用意して二つの時系列の予測を並列して同時
に実施してもよいし、あるいは、二つの時系列の予測ア
ルゴリズムに将来方向予測という同一のアルゴリズムを
使えるので、一組の順方向予測処理や予測結果評価処理
のみを用い、データを入れ替えることによって二つの時
系列の予測を逐次的に実施してもよい。並列に予測する
場合には計算時間が短くてすむし、逐次的に予測する場
合にはメモリが少なくてすむ。
【0069】予測法および予測結果評価法についても、
実施例のものに限られることはなく、他の様々な方法を
利用することができる。例えば予測法ではヤコビ法、区
分線形法、テセレーション法、ニューラルネット、動径
基底関数法などを使うことができる。将来と過去の変動
予測を同一の予測処理を用いて行う際に例えばニューラ
ルネットを用いる場合には、単一のニューラルネットが
将来と過去の予測値を共に出力するように構成すればよ
い。また、将来と過去の変動予測処理を分けるなら別々
のネットを用いればよい。動径基底関数法などの関数近
似を用いる場合も同様で、将来と過去の変動予測を同一
の予測処理で行うならば該処理において例えば将来の変
動予測関数と過去の変動予測関数を共に設定するように
する。
【0070】評価方法についても、次のような方法を使
うことができる。
【0071】一つの方法では予測結果評価処理107で予
測の良好度として、相関係数のかわりに予測誤差の相対
分散を計算する。すなわち、Q{f}個の将来方向予測値
と実測値の差の分散σ{f}、Q{b}個の過去方向予測値と
実測値の差の分散σ{b}を計算する。これらを時系列デ
ータの分散σ{ξ}で割って規格化し、e{f}=σ{f}/σ
{ξ}、e{b}=σ{b}/σ{ξ}とする。これらのe{f}とe{b}
が異なるかどうか評価結果比較処理108と判定処理109で
(数7)、(数8)と同様の検定をし、e{f}≠e{b}なら
ば時系列がカオス、実質的にe{f}=e{b}ならばノイズと
判定する。このとき、Q{f}≠Q{b}ならば、(数8)の
かわりにそれと同等な前記の式t=|z{f}-z{b}|/√[1/(Q
{f}-3)+(1/(Q{b}-3)]を用いればよい。
【0072】また、単純に、評価結果比較処理108で、
相関係数を使って表した予測誤差の将来と過去方向での
差 log(1-r{f})-log(1-r{b}) の絶対値を計算し、判定
処理109でその値が所定の値dよりも大きいときに時系
列データをカオスと判定してもよい。なお、評価結果比
較処理108と判定処理109とを一体とした構成としてもよ
い。
【0073】本発明の妥当性と効果を示すために、図10
に例として、カオスとわかっている時系列データ、およ
びノイズとわかっている時系列データで従来法ではカオ
スとの区別が困難な時系列データに対する、将来方向予
測と過去方向予測の良好度の結果を誤差の対数値により
示す。図10(a)は、ローレンツ方程式が生成するカオス
時系列データの場合、図10(b)はパワースペクトルが1
/f2であるような相関の強いノイズの場合である。埋
め込み次元は(a)では4、(b)では3とした。図に示し
たように、図10(a)のカオスの場合には将来方向予測と
過去方向予測で予測誤差が大きく異なるが、図10(b)の
ノイズの場合にはほとんど一致する。
【0074】図11は、図10に対応して(数8)のtの値
を各予測ステップでプロットした図である。図11(a)
のローレンツ方程式が生成するカオス時系列データの場
合にはどの予測ステップでもtが限界値より大きく、一
方図11(b)のノイズの場合にはtが限界値より小さ
く、カオスとノイズの識別が正しくなされている。
【0075】以下、本発明を産業装置に適用した応用例
を述べる。
【0076】図12は、本発明を制御装置に適用した場合
の実施例である。制御装置1200は制御指令発生装置1210
から制御指令を受け取り、制御対象1220をこの指令に従
って適切に動作させるための信号を制御対象1220に対し
て出力する。制御装置1200は複数の制御アルゴリズムと
して、第1の制御アルゴリズム1201、第2の制御アルゴ
リズム1202を備えており、さらに入力手段1203、カオス
性判定処理1204、切り換え処理1205、出力手段1206から
なる。
【0077】まず全体の処理の流れを簡単に説明する。
入力手段1203は、制御対象1220から信号を取り込み、カ
オス性判定処理1204、第2の制御アルゴリズム1202に出
力する。カオス性判定処理1204は取り込んだ信号がカオ
スかどうかを判定し、切り換え処理1205の入切を制御す
る。第2の制御アルゴリズム1202は入力手段1203の出力
を受け取り、演算結果を切り換え処理1205に出力する。
この出力は切り換え処理1205により、有効な信号として
以下の演算に用いられたり、無効化されたりする。第1
の制御アルゴリズム1201は、入力手段1203の出力から切
り換え処理1205の出力を差し引いた値を制御対象1220か
らの実質的な帰還信号とし、これと制御指令発生装置12
10の出力との差分で与えられる制御偏差を入力信号とす
る。そしてあらかじめ定義された演算の結果を出力手段
1206に出力する。出力手段1206はこの値を制御対象1220
に出力する。
【0078】カオス性判定処理1204には、図1あるいは
図7に示したカオス性判定処理100を使うことができ
る。切り換え処理1205は、入力手段1203から得た時系列
信号がカオスであると判定された場合にはスイッチをオ
ンにし、カオスでないと判定された場合にはスイッチを
オフにする。オンの場合には第2の制御アルゴリズム12
02の出力が有効化され、オフの場合には無効化される。
【0079】図13に第1の制御アルゴリズム1201の構成
図を示す。図13は第1の制御アルゴリズム1201が通常の
PID制御系の場合の実施例で、入力信号である制御偏
差に1301で比例ゲインを乗じ、その結果に1302で積分処
理、1303で微分処理を施し、比例ゲインを乗じた結果
と、積分処理、微分処理結果の総和を第1の制御アルゴ
リズムの出力とする。制御アルゴリズムとしては対象を
制御するのに適当なものであればよく、最適制御系や適
応制御系等種々考えられる。
【0080】図14に第2の制御アルゴリズム1202の構成
を示す。本実施例では第2の制御アルゴリズムが、入力
信号にカオス外乱が重畳しているという前提で、直近の
外乱成分の値を基に、近い将来印加される外乱の値を予
測する処理を行う場合の実施例を示す。入力手段1203か
ら時系列信号を受け取る時系列信号記憶手段1401、埋め
込み処理1402、埋め込み信号記憶手段1403の処理は図1
の101〜103と同じにすることが可能なため、詳細な説明
は省略する。
【0081】予測データベース作成処理1404は、時々刻
々変化する埋め込み信号記憶手段1403の内容を、隣接し
た時間タイミング(以下ではΔt)のペア単位に記憶す
る。図15にこのようにして作成された予測データベース
の構成を示す。予測データベース1405には、ある時刻
(t1)における埋め込み信号に対して、Δtだけ経過
したタイミング(t2)に対応した埋め込み信号がペア
として蓄えられている。例えば番号1では、時刻t1に
おける再構成ベクトル(0.2234,0.2457,0.2681,・・
・,0.3781)がΔt時間後には(0.2457,0.2681,0.325
9,・・・,0.4001)に変化したことと対応する。予測デー
タベース1405にはこのようなデータのペアが多数蓄えら
れている。
【0082】図16に外乱予測処理1406が実行する処理の
アルゴリズムを示す。
【0083】まずS16−1で埋め込み信号記憶手段1403
より、入力信号として直近の再構成ベクトルであるX
{N}を取り込む。次にS16−2で、入力した再構成ベク
トルX{N}を予測データベース1405の入力部(時刻t1に
おける埋め込み信号)と照合し、類似度が一定値以上の
データを抽出する。類似度Rを空間距離で判定するとし
た場合、空間距離が小さいほど類似度Rは大きな値とな
る。そこでX{N}が(a{1},a{2},・・・・,a{m})、予
測データベース1405から抽出されたデータが(b{1},
b{2},・・・・,b{m})であるとき、これらの類似度Rを
空間距離に反比例する値と定義すれば、(数9)で表さ
れる。
【0084】
【数9】
【0085】S16ー2では予測データベース1405を検索
し、取り込んだ再構成ベクトルとのRの値が一定値以上
のデータを抽出する。S16−3では、抽出したデータが
複数ある場合に、これらの出力部(時刻t2における埋
め込み信号)を内挿して予測値の算出を行う。内挿演算
としては、抽出されたデータの個数がpであり、出力部
の値がそれぞれ(c{11},c{12},・・・・,c{1m})、
(c{21},c{22},・・・・,c{2m})、・・・・ ,(c{p
1},c{p2},・・・・,c{pm})、再構成ベクトルとの距離
がR{1}、R{2}、・・・・ 、R{m}であるとき,予測値Sは
各出力部のc{11}〜c{p1}の値を類似度で重み付けして
加算することにより、次式で算出できる。
【0086】
【数10】
【0087】S16−4では算出した予測値Sを切り換え
処理1205に対して出力する。切り換え処理1205は前述し
たように、制御対象1220から検出した時系列信号がカオ
スの場合には予測値Sを検出値から差し引く処理を行
い、時系列信号がカオスでない場合にはこの処理を行わ
ない。したがってカオスが断続的に発生する場合や、時
間とともに時系列信号のカオス性が増減する場合にも、
これを加味した外乱除去特性が実現できる。
【0088】なお、第2の制御アルゴリズム1202は、時
系列信号記憶手段1401、埋め込み処理1402、埋め込み信
号記憶手段1403を、カオス判定手段100における対応す
る各手段101、102、103と共通にしてもよい。その場
合、予測データベース作成処理1404と外乱予測処理1406
は、再構成ベクトルを埋め込み信号記憶手段103から取
り込む。このようにして、全体の構成を簡単化できる。
【0089】さらに、予測データベース作成処理1404と
予測データベース1405を省略し、外乱予測処理1406にお
いて、図16のアルゴリズムにかわって図17に示すアルゴ
リズムを採用することもできる。
【0090】S17−1で、時間差Dtに相当する予測ステ
ップを与え、S17−2では埋め込み信号記憶手段に記憶
されたX{N-Tp}〜X{n}の中からX{N}との類似度が一定
値以上の再構成ベクトルを求める。そして求まった都
度、S17−3のようにその再構成ベクトルの第一成分の
Tpステップ先の時系列値を出力値としてc{i1}とし、後
はS17−4とS17−5で図16のS16−3およびS16−4
に相当する処理をする。
【0091】ここで、iは類似度が一定値以上の再構成
ベクトルが複数個あった場合の、それらベクトルの番号
を表す。こうして、予測データベースを省略し使用メモ
リを減少することができる。
【0092】図18に、本発明のカオス判定手段を時系列
信号の予測装置に適用した実施例を示す。
【0093】予測装置1800は、複数の予測アルゴリズム
として第1の予測アルゴリズム1801、第2の予測アルゴ
リズム1802を備え、さらに時系列信号を受信する入力手
段1803、入力した時系列信号のカオス性を判定するカオ
ス性判定処理1804、カオス性の判定結果を基に予測アル
ゴリズムの選択を行う切り換え処理1805、切り換え処理
1805により有効化された予測アルゴリズムの演算結果を
出力する出力手段1806からなる。
【0094】カオス性判定処理1804は図1あるいは図7
のカオス性判定処理100と同一構成で実現できる。また
第1の予測アルゴリズム1801の構成例としてカオス短期
予測を行うとすると、図14の構成をそのまま適用でき
る。あるいは、図14で時系列信号記憶手段1401、埋め込
み処理1402、埋め込み信号記憶手段1403を、カオス判定
手段100における対応する各手段101、102、103と共通に
し、さらに予測データベース作成処理1404と予測データ
ベース1405を省略し、外乱予測処理として図17のアルゴ
リズムを用いた構成を適用してもよい。
【0095】第2の予測アルゴリズム1802として線形回
帰予測を行う場合の実施例を示す。直近の時系列信号
(ξ{1},ξ{2},・・・,ξ{N})からξ{N+1}を予測する
場合を考えると、第2の予測アルゴリズム1802は、
【0096】
【数11】
【0097】の線形式を計算し、計算の結果得られたξ
{N+1}を切り換え処理1805に出力する。切り換え処理180
5は、時系列信号のカオス性があると判定された場合に
は第1の予測アルゴリズム1801で計算されたカオス短期
予測結果を出力手段1806に出力する。またカオス性が存
在しないと判定された場合には、(数11)で計算された
線形回帰予測の結果を出力手段1806に出力する。予測装
置1800に備えるべきアルゴリズムとしてはこれらの他に
もニューラルネットを用いた非線形予測等種々考えられ
るが、必要に応じて予測アルゴリズムを変更、追加する
ことは容易である。
【0098】図19に本発明を制御装置に適用し、カオス
性判定結果にしたがって制御アルゴリズムを切り換える
実施例を示す。制御装置1900は制御対象1910から帰還さ
れた信号を入力手段1903で受信し、カオス性判定処理の
判定結果にしたがって、切り換え処理1905を操作する。
第1の制御アルゴリズム1901および第2の制御アルゴリ
ズム1902は、制御指令発生装置1910の信号から入力手段
1903で受信した信号を差し引いた信号を入力し、制御演
算を行った結果を切り換え処理1905に出力する。切り換
え処理1905はこれらのうち有効なものを選択し、出力手
段1906に転送する。出力手段1906はこの結果を制御対象
1910に出力する。制御アルゴリズムとしては、制御対象
に応じてPID制御系、PD制御系、最適制御系など種
々考えられる。
【0099】図20に制御対象1220として、熱間圧延ライ
ンで鋼材の昇温を行う加熱炉プラントの例を示す。
【0100】図において加熱炉2000はガスバーナ2003で
高温状態に保たれている。入口に挿入されたスラブ(鋼
材)2001は高温雰囲気中で昇温され、出口から装出され
る。制御装置1200は、入力手段1203を介して温度計2002
より加熱炉2000の温度を検出し、この値と温度指令値か
らガスバーナ2003に送る燃料流量の値を決定し、出力手
段1206を介して出力する。ここで温度計2002から検出さ
れる値には、本来検出すべき温度Tに、熱対流に起因し
たカオスゆらぎTdが重畳されている。カオスゆらぎ
は、ミクロには分子同士の規則性を持った相互作用など
により発生し、さらに炉壁や空気入出力部との相互作用
等、炉帯内部の幾何形状に依存した効果が重畳される。
【0101】いずれにしても観測された温度(T+T
d)を基に操作量算出の演算を行った場合、燃料流量の
値がTdを反映して決定されることになり、加熱炉2000
の温度にばらつきが生じる。したがって装出されるスラ
ブ2001の温度もばらつきを持ち、この結果、目標温度か
らへだたる場合がある。温度を高精度に制御するために
はTdの効果を除外した値を基に燃料流量の値を決定す
る必要がある。カオスを発生させている力学系がp次元
のとき、検出可能な信号が1次元であっても、埋め込み
処理で高次空間に再構成することにより力学系の挙動の
性質が再現できることが知られている。
【0102】したがって本実施例の場合も、埋め込み処
理によりデータの持つカオスの性質が再現でき、短期予
測を行える。制御装置1200の入力手段1203は、温度計20
02から加熱炉2000の温度T+Tdを検出する。外乱成分
抽出処理1207で外乱成分Tdが抽出され、カオス性判定
処理100で時系列に蓄えられたTdにおけるカオス性の有
無が判定される。この判定にしたがって切り換え処理12
05が開閉される。第2の制御アルゴリズム1202は、時系
列に蓄えられたTdから時々刻以降のTdの値を予測す
る。Tdの時系列の振る舞いがカオスの場合には、予測
されたTdの値が入力手段1203で得た信号から除かれ
る。この値が制御対象1220からの実質的な帰還信号と見
なされ、制御指令との偏差に対して第1の制御アルゴリ
ズムで制御演算を行った結果が操作量として、出力手段
1206を介して制御対象1220へ出力される。
【0103】具体的には、操作量は例えばガスバーナ20
03に送られる燃料流量の値として算出される。以上によ
り、検出した温度に含まれるカオス外乱に影響されない
高精度な制御が可能となる。
【0104】外乱成分抽出処理1207は、入力手段1203か
ら取り込んだ信号から制御対象の本質的な動作を取り除
き、外乱の成分を抽出する。本実施例で外乱成分抽出処
理1207は、図21に示すように制御対象モデル2101および
ローパスフィルタ(LPF)2102を備えている。制御対
象モデル2101には制御対象1220の入出力ダイナミクスが
蓄えられており、制御対象1220に出力したのと同様の信
号を第1の制御アルゴリズム1201から受け取り、対応し
た値を出力する。LPF2102は必要なければ省略しても
よい。入出力ダイナミクスが既知の場合は(数12)のよ
うな伝達関数の形で蓄えてもよいし、実験データから最
小二乗近似等で同定した場合には(数13)のような回帰
式の形で蓄えてもよい。
【0105】
【数12】
【0106】
【数13】
【0107】また、制御対象モデルを、制御対象1220の
入出力から学習により同定することもできる。この場
合、ニューラルネットを使うことができる。外乱成分抽
出処理1207は、このようにして得られた制御対象モデル
2101の出力を入力手段の出力から差し引き、さらにロー
パスフィルタ2102で高調波の除去を行った後、カオス判
定手段100に出力する。これにより入力手段1203から得
た信号から、カオス外乱成分が抽出されたことになる。
【0108】図22に制御対象1220が浄水プラントの例を
示す。
【0109】浄水プラント2200は川や湖から取水した原
水に凝固材注入器2204より適当量の凝固材を注入し、水
道水を精製するシステムである。制御装置1200は、入力
手段1203を介してセンサ2203より水の精製度を検出し、
この値から出力手段1206を介してバルブ2205を操作する
信号を出力し、注入すべき凝固材の量を決定する。同様
にセンサ2203から検出する値には流体のゆらぎに起因し
たカオス外乱が重畳されている。ゆらぎを生じさせる原
因としては、ミクロには水の分子同士の規則性を持った
相互作用やこれにより発生する渦の効果、凝固剤の不一
様な落下挙動等により発生し、さらにプラントの幾何形
状に依存した効果が重畳される。この場合も図20の実施
例と同様の信号処理が適用でき、本実施例の構成によ
り、水質を目標値の近傍で均一化した高精度な制御が可
能となる。
【0110】図23に制御対象1220が圧延システムの例を
示す。
【0111】鋼材2300はロール2301により圧延される。
制御装置1200は、入力手段1203を介して厚みセンサ2302
より鋼材2300の厚みを検出し、この値を基に出力手段12
06を介してロール2301をプレスするロールプレス2303の
操作量を出力する。同様にセンサ2302から検出する値に
はロール2301のダイナミックな磨耗や鋼材の不均一性に
起因したカオス外乱が重畳されている。この場合も図20
の実施例と同様の信号処理方法の適用が可能で、本実施
例の構成により、できあがった板厚を目標値の近傍で均
一にでき、制御の精度を高めることが可能となる。
【0112】本発明によるカオス判定手段は、実施例で
述べたように様々な産業装置に適用することができる。
本発明を適用するとデータのカオス性にしたがって適切
なデータ処理アルゴリズムを選択できるため、装置を適
切に運用することができる。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、時系列データの変動が
カオスによるものかノイズによるものかを、与えられた
時系列の変動を将来および過去に向かって予測し比較す
ることにより、確実に区別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による本発明の一構成図。
【図2】時系列信号記憶手段の構成図。
【図3】埋め込み処理が実行するアルゴリズム。
【図4】埋め込み信号記憶手段の構成図。
【図5】両方向予測処理が実行するアルゴリズム。
【図6】順方向予測記憶処理の構成図。
【図7】他の実施例による、本発明の一構成図。
【図8】順方向予測処理が実行するアルゴリズム。
【図9】逆方向予測処理が実行するアルゴリズム。
【図10】本発明によるカオスとノイズの識別効果の例を
表す図。
【図11】本発明によるカオスとノイズの識別効果の例を
表す別の図。
【図12】本発明を制御装置に適用した一構成図。
【図13】第一の制御アルゴリズムの構成図。
【図14】第二の制御アルゴリズムの構成図。
【図15】予測データベースの構成図。
【図16】外乱予測処理が実行するアルゴリズム。
【図17】外乱予測処理が実行する他のアルゴリズム。
【図18】本発明を予測装置に適用した実施例。
【図19】本発明を制御装置に適用した構成図。
【図20】本発明を適用した加熱炉プラント制御の構成
図。
【図21】外乱成分抽出処理の構成図。
【図22】本発明を適用した浄水プラント制御の構成図。
【図23】本発明を適用した圧延システム制御の構成図。
【符号の説明】
100:カオス性判定処理、101:時系列信号記憶手段、10
2:埋め込み処理、103:埋め込み信号記憶手段、104:
双方向予測処理、105:順方向予測記憶手段、106:逆方
向予測記憶手段、107:予測結果評価処理、108:評価結
果比較処理、110:順方向予測処理、111:逆方向予測処
理、120:入力手段、1200:制御装置、1220:制御対
象、1800:予測装置、1900:制御装置。
フロントページの続き (72)発明者 鹿山 昌宏 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 諸岡 泰男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】系列データの変動を将来に向かって予測す
    る手段とその予測の良好度を得る手段、該系列データの
    変動を過去に向かって予測する手段とその予測の良好度
    を得る手段、およびこれら二つの良好度を比較する手段
    を有し、二つの良好度が異なれば系列データの変動をカ
    オスによるものと判定し、該良好度が実質的に等しけれ
    ば該データの変動をノイズによるものと判定することを
    特徴とするカオス性判定手段。
  2. 【請求項2】系列データの変動を将来に向かって予測す
    る手段と、該系列データの変動を過去に向かって予測す
    る手段とが、同一の手段によって構成されることを特徴
    とする請求項1記載のカオス性判定手段。
  3. 【請求項3】系列データの変動の将来に向かった予測
    と、該系列データの変動の過去に向かった予測が、同一
    の手段によって同時になされることを特徴とする請求項
    2記載のカオス性判定手段。
  4. 【請求項4】系列データの変動を将来に向かって予測す
    る第一の予測手段と、該系列データの変動を過去に向か
    って予測する第二の予測手段とを有することを特徴とす
    る請求項1記載のカオス性判定手段。
  5. 【請求項5】前記第二の予測手段が、該系列データの変
    動を逆方向に予測することを特徴とする請求項4記載の
    カオス性判定手段。
  6. 【請求項6】前記第二の予測手段が、該系列データの順
    序を逆転して並べ換えることによって得られる系列デー
    タの変動を順方向に予測することを特徴とする請求項4
    記載のカオス性判定手段。
  7. 【請求項7】前記第一と第二の予測手段を並列に動作さ
    せることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか
    1項に記載のカオス性判定手段。
  8. 【請求項8】系列データに対する埋め込み処理を施す埋
    め込み手段を有し、予測手段が該埋め込みによって得ら
    れた再構成ベクトルの近接点の決定を含むことを特徴と
    する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のカオ
    ス性判定手段。
  9. 【請求項9】予測手段がニューラルネットワークを用い
    て予測することを特徴とする請求項1から請求項7のい
    ずれか1項に記載のカオス性判定手段。
  10. 【請求項10】予測手段が関数近似を用いて予測するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に
    記載のカオス性判定手段。
  11. 【請求項11】予測の良好度が予測値と実測値の相関係
    数であることを特徴とする請求項1から請求項10のい
    ずれか1項に記載のカオス性判定手段。
  12. 【請求項12】予測の良好度が予測値の実測値からの誤
    差であることを特徴とする請求項1から請求項10のい
    ずれか1項に記載のカオス性判定手段。
  13. 【請求項13】データの変動を将来に向かって予測した
    予測の良好度と、過去に向かって予測した予測の良好度
    が異なるかどうかを、統計的に検定することを特徴とす
    る請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のカオ
    ス性判定手段。
  14. 【請求項14】前記二つの良好度を比較し、それらが所
    定の値以上に異なっている場合に系列データの変動をカ
    オスによるものと判定することを特徴とする請求項1か
    ら請求項12のいずれか1項に記載のカオス性判定手
    段。
  15. 【請求項15】複数の予測ステップにおいてデータ変動
    の将来に向かった予測と過去に向かった予測をし、所定
    の割合以上の予測ステップにおいて上記二つの予測の良
    好度が異なる場合に、系列データの変動をカオスによる
    ものと判定することを特徴とする請求項1から請求項1
    4のいずれか1項に記載のカオス性判定手段。
  16. 【請求項16】系列データの変動を将来に向かって予測
    すること、将来に向かっての予測の良好度を得ること、
    該系列データの変動を過去に向かって予測すること、過
    去に向かっての予測の良好度を得ること、およびこれら
    二つの良好度を比較することとよりなり、二つの良好度
    が異なれば系列データの変動をカオスによるものと判定
    し、該良好度が実質的に等しければ該データの変動をノ
    イズによるものと判定することを特徴とするカオス性判
    定方法。
  17. 【請求項17】データの変動を将来に向かって予測した
    予測の良好度と、過去に向かって予測した予測の良好度
    が異なるかどうかを、統計的に検定することを特徴とす
    る請求項16記載のカオス性判定方法。
  18. 【請求項18】系列データを入力するための手段、該系
    列データを順序付けるためのデータとともに記憶する手
    段および前記データを所定のプログラムによって処理す
    るためのプロセッサとよりなるカオス性判断装置におけ
    るカオス性判定方法において、該系列データの変動を順
    序付けの方向に予測することとその予測の良好度を得る
    こと、該系列データの変動を前記順序付けと逆方向に予
    測することとその予測の良好度を得ること、およびこれ
    ら二つの良好度を比較することとよりなり、二つの良好
    度が異なれば系列データの変動をカオスによるものと判
    定し、該良好度が実質的に等しければ該データの変動を
    ノイズによるものと判定することを特徴とするカオス性
    判定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002373002A (ja) * 2001-06-14 2002-12-26 Toshiba Corp プロセスシミュレータ応用制御装置及び方法
DE19748312B4 (de) * 1996-10-31 2004-12-02 Kabushiki Kaisha Meidensha Vorrichtung zum Unterscheiden eines Zeitreihendatenwerts
JP2016202462A (ja) * 2015-04-20 2016-12-08 フクダ電子株式会社 生体信号処理装置およびその制御方法

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