JPH0862888A - 感光性トナー - Google Patents

感光性トナー

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JPH0862888A
JPH0862888A JP6201156A JP20115694A JPH0862888A JP H0862888 A JPH0862888 A JP H0862888A JP 6201156 A JP6201156 A JP 6201156A JP 20115694 A JP20115694 A JP 20115694A JP H0862888 A JPH0862888 A JP H0862888A
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JP
Japan
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carbon black
toner
photosensitive
photosensitive toner
formula
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Application number
JP6201156A
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English (en)
Inventor
Naomi Nakayama
尚美 中山
Shuji Komura
修司 小村
Junko Yamada
順子 山田
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 着色剤としてカーボンブラックを使用し、な
おかつ十分な光感度を有する感光性トナーを提供する。 【構成】 光導電性材料と、一般式(1) 〜(3) : (式中、X1〜X12は、同一または異なって、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基または水素原
子を示し、Mは1価の金属原子を示す。)のいずれかで
表される増感色素と、カーボンブラックとを、定着用樹
脂からなる単一構造の粒子中に含有させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光導電性を有する感
光性トナーに関し、より詳細には、着色剤としてカーボ
ンブラックを用いた、黒色の感光性トナーに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光導電性の感光体と帯電性のトナーとを
用いた画像形成方法に代わるものとして、光導電性を有
する感光性トナーを使用した画像形成方法が、レーザー
ビームプリンタ等の画像形成装置において採用されつつ
ある。上記画像形成方法においては、まず光未照射の高
抵抗の状態の感光性トナーを単独で、またはキャリヤと
混合して帯電させる。
【0003】つぎに、帯電状態の感光性トナーを、導電
性の基体の表面に均一に静電付着させて、基体表面に感
光性トナーの薄層を形成する。つぎに、上記感光性トナ
ーの薄層を、半導体レーザー等を用いて、形成画像に対
応する所定のパターンに露光すると、光が照射された部
分の感光性トナーは導電性を生じ、電荷が基体に逃げて
帯電電位が低下する。
【0004】しかるのち、感光性トナーの薄層に紙など
の被転写体を接触させつつ、その裏面から感光性トナー
と同極性の電場を印加すると、光が照射されなかった感
光性トナーは基体表面に残るが、光が照射されて帯電電
位が低下した感光性トナーは紙に転写され、紙面に、露
光パターンに対応したトナー像が形成される。上記画像
形成方法に使用される感光性トナーは、通常、光導電性
材料と増感色素と着色剤とを、定着用樹脂からなる単一
構造の粒子中に含有させることで構成される。かかる感
光性トナーは、たとえば上記各成分を適当な溶媒に溶解
または分散させた溶液を噴霧して乾燥させる、いわゆる
スプレードライ法によって製造される。
【0005】光導電性材料としては、酸化亜鉛(Zn
O)などの無機光導電性材料が使用され、増感色素とし
てはシアニン色素(λmax =780nm)が一般に用い
られる。シアニン色素は、半導体レーザー光等の、画像
形成装置の光源として使用される可視ないし赤外領域の
光に感度のない酸化亜鉛(λmax =380nm)を増感
して、感光性トナーの感度領域を、画像形成装置の光源
の波長付近まで拡げるために添加される。
【0006】また着色剤としては主に染料が使用され、
中でも、光導電性材料の感度特性に影響を及ぼす官能基
を有しない、キノン系の染料が好適に使用される。また
黒色の感光性トナーの場合は、その感度特性に影響を及
ぼさないように、増感色素の感度域に吸収のない複数色
の染料、たとえばシアン、マゼンダ、イエローの3色の
染料を併用して、黒色に着色している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが染料は吸湿性
が高いため、これを用いた感光性トナーは、とくに高湿
条件下において使用した際に帯電電位が逃げやすく、形
成画像の余白部分にトナーが付着するいわゆるかぶりが
発生して、形成画像のかぶり濃度が高くなるという問題
がある。
【0008】また染料着色した感光性トナーは、暗電流
値、すなわち光を照射しない状態での電流値の温度依存
性が高く、高温になるほど暗電流値が大きく上昇するた
め、とくに高温条件下において使用した際に、高湿時と
同様に形成画像のかぶり濃度が高くなる他、画像濃度が
低くなるという問題もある。さらに黒色の感光性トナー
の場合、前記のように複数色の染料が使用されるが、染
料は着色性が弱いため、形成画像のベタ部の画像濃度の
低下や色むら、色味の薄れによる黒色の灰色化等が発生
しやすく、十分な黒色度を得るには多量の染料を添加す
る必要が生じる。しかしその場合には、感光性トナーの
光感度が低下してしまうという問題がある。
【0009】そこで発明者らは、感光性トナーの着色剤
として、上記のような種々の問題を有する染料に代え
て、カーボンブラックを使用することを検討した。かか
るカーボンブラックは吸湿性がないため、これを着色剤
として使用した感光性トナーは耐湿性が向上して、高湿
条件下で使用した際に、染料着色した感光性トナーのよ
うに形成画像のかぶり濃度が大幅に上昇することがな
い。
【0010】また、カーボンブラックで着色された感光
性トナーは暗電流値の温度依存性が低く、高温になって
も、染料着色した感光性トナーのように暗電流値が大き
く上昇することがないため、高温条件下で使用した際に
かぶり濃度が大幅に上昇したり、あるいは画像濃度が大
幅に低下したりすることがない。さらにカーボンブラッ
クは、染料に比べて着色力が強く、少量の添加で十分な
黒色度が得られるとともに、それ自体が導電性を有する
ものゆえ、十分な黒色度と高い光感度とを両立すること
ができる。
【0011】しかもカーボンブラックは、染料に比べて
安価であるため、感光性トナーの製造コストを下げるこ
ともできる。しかし発明者らの検討では、従来の構成
で、単に着色剤をカーボンブラックに変更しただけで
は、十分な光感度を有する感光性トナーは得られなかっ
た。またとくに耐湿性向上の効果が、期待した程度には
得られないという問題もあった。
【0012】この発明の目的は、着色剤としてカーボン
ブラックを使用し、なおかつ十分な光感度を有する感光
性トナーを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】発明者らの検
討によると、増感色素であるシアニン色素が、カーボン
ブラックと組み合わせると増感効果を失い、その結果、
光感度が不十分になることがわかった。そこで発明者ら
は、シアニン色素に代わる新たな増感色素について種々
検討した結果、一般式(1) :
【0014】
【化4】
【0015】(式中、X1 ,X2 ,X3 およびX4 は、
同一または異なって、ハロゲン原子、アルキル基、アル
コキシ基、水酸基または水素原子を示し、Mは1価の金
属原子を示す。)で表されるエリトロシン系化合物、一
般式(2) :
【0016】
【化5】
【0017】(式中、X5 ,X6 ,X7 およびX8 は、
同一または異なって、ハロゲン原子、アルキル基、アル
コキシ基、水酸基または水素原子を示す。)で表される
フェノールスルホンフタレイン系化合物、および一般式
(3) :
【0018】
【化6】
【0019】(式中、X9 ,X10,X11およびX12は、
同一または異なって、ハロゲン原子、アルキル基、アル
コキシ基、水酸基または水素原子を示す。)で表される
フルオレセイン系化合物が、カーボンブラックと組み合
わせた際に増感効果を失わないため、増感色素として有
効であることを見出し、この発明を完成するに至った。
【0020】すなわちこの発明の感光性トナーは、定着
用樹脂からなる単一構造の粒子中に、光導電性材料と、
増感色素としての、上記一般式(1) で表されるエリトロ
シン系化合物、一般式(2) で表されるフェノールスルホ
ンフタレイン系化合物、および一般式(3) で表されるフ
ルオレセイン系化合物のうちの少なくとも1種と、着色
剤としてのカーボンブラックとを含有することを特徴と
するものである。
【0021】以下にこの発明を説明する。この発明の感
光性トナーは、前述したように、光導電性材料と、増感
色素と、着色剤としてのカーボンブラックとを、定着用
樹脂からなる単一構造の粒子中に含有させることで構成
される。定着用樹脂としては、たとえばスチレン系樹
脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリ
エステル樹脂、ブチラール樹脂等があげられる。
【0022】かかる定着用樹脂は、各々単独で使用され
る他、2種以上を併用することもできる。上記定着用樹
脂からなる単一構造の粒子中に含有される光導電性材料
としては、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化カドミウム、セ
レン等の無機光導電性材料があげられる。
【0023】かかる光導電性材料は、各々単独で使用さ
れる他、2種以上を併用することもできる。光導電性材
料は、定着用樹脂100重量部に対して、100〜50
0重量部の割合で添加されるのが好ましい。光導電性材
料の添加量が上記範囲未満では、感光性トナーの光感度
が不十分となるおそれがあり、逆に上記範囲を超えた場
合には、トナーの熱定着性が低下するおそれがある。な
お光導電性材料の添加量は、光感度とトナーの熱定着性
の両立を考慮すると、上記範囲内でもとくに、200〜
400重量部であるのが好ましい。
【0024】増感色素としては、前記一般式(1) 〜(3)
で表される3種の化合物のうちの少なくとも1種が使用
される。このうち一般式(1) で表されるエリトロシン系
化合物の具体的化合物としては、たとえば前記式中のX
1 〜X4 がいずれもよう素で、かつMがナトリウムであ
る、式(4) :
【0025】
【化7】
【0026】で表される3′,6′−ジヒドロキシ−
2′,4′,5′,7′−テトラヨードスピロ[イソベ
ンゾフラン−1(3H),9′−[9H]キサンテン]
−3−オンのジナトリウム塩〔λmax =550nm、別
名エリトロシン、たとえばチバ−ガイギー社製の商品名
エリトロシンB、ビーエーエスエフ(BASF)社製の
商品名エリトロシンJ〕があげられる。
【0027】また一般式(2) で表されるフェノールスル
ホンフタレイン系化合物の具体的化合物としては、たと
えば前記式中のX5 〜X8 がいずれも臭素である、式
(5) :
【0028】
【化8】
【0029】で表される3,3′,5,5′−テトラブ
ロムフェノールスルホンフタレイン〔λmax =620n
m、別名ブロムフェノールブルー〕等があげられる。さ
らに一般式(3) で表されるフルオレセイン系化合物の具
体的化合物としては、たとえば前記式中のX9 〜X12
いずれも水素である、式(6) :
【0030】
【化9】
【0031】で表される3′,6′−ジヒドロキシスピ
ロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−[9H]キ
サンテン]−3−オン〔λmax =510nm、別名フル
オレセイン〕等があげられる。かかる増感色素は、各々
単独で使用される他、2種以上を併用することもでき
る。
【0032】増感色素の添加量は、光導電性材料の使用
量の0.01〜0.5重量%であるのが好ましい。増感
色素の添加量が上記範囲未満では、増感作用が不十分
で、感光性トナーの光感度が十分に得られないおそれが
あり、逆に上記範囲を超えた場合には、余剰の増感色素
が光を吸収して、増感色素の増感作用が妨害されるた
め、却って、感光性トナーの光感度が低下するおそれが
ある。なお増感色素の添加量は、感光性トナーの光感度
を考慮すると、上記範囲内でもとくに0.1重量%前後
であるのが好ましい。
【0033】カーボンブラックとしては、種々の物性を
有するものが使用可能であるが、とくに定着用樹脂に対
する分散性や感光性トナーの着色性等を考慮すると、平
均粒径が15〜30nmの範囲内で、かつpHが6未満
のカーボンブラックが、この発明に好適に使用される。
平均粒径が15nm未満のカーボンブラックは凝集しや
すく、定着用樹脂に対する分散性が不十分であるため、
感光性トナー中に均一に分散されにくく、トナーの表面
にカーボンブラックが露出する傾向がある。このため帯
電電位が逃げやすくなり、かぶりが発生して、形成画像
のかぶり濃度が高くなるおそれがある。
【0034】一方、平均粒径が30nmを超えるカーボ
ンブラックは黒色度が低く、着色力が弱いので、形成画
像のベタ部の画像濃度の低下や色むら、色味の薄れによ
る黒色の灰色化等を生じるおそれがある。また、これを
防止すべくカーボンブラックを多量に添加した場合に
は、暗電流値の上昇と、それにともなう帯電電位の低下
によって画像濃度の低下やかぶりが発生するおそれがあ
る。
【0035】なおカーボンブラックの平均粒径は、着色
性を考慮すると、上記範囲内でもとくに、16〜27n
mであるのが好ましい。また、pHが6以上のカーボン
ブラックは、とくにスチレン−アクリル系の定着用樹脂
に対する分散性が不十分であるため、前記と同様に帯電
電位が逃げやすくなり、かぶりが発生して、形成画像の
かぶり濃度が高くなるおそれがある。
【0036】なおカーボンブラックのpHは、定着用樹
脂に対する分散性を考慮すると、上記範囲内でもとく
に、2〜5であるのが好ましい。かかる条件を満足する
カーボンブラックとしては、たとえばファーネスブラッ
クのHCF、MCF等のグレートがあげられる。具体的
には、たとえばキャボット(CABOT)社製の商品名
MOGUL(pH2.5、平均粒径24nm)、三菱化
成社製の商品名MA100R(pH3.5、平均粒径2
2nm)、コロンビアン社製の商品名RAUEN125
5(pH2.5、平均粒径23nm)等がこれに相当す
る。
【0037】カーボンブラックの、上記平均粒径および
pH以外の特性についてはとくに限定されないが、カー
ボンブラックの揮発分が、当該カーボンブラックの表面
に活性を与え、そのpHを支配する他、分散性や電気特
性に影響を与えることを考慮すると、揮発分は3〜10
重量%であるのが好ましい。またカーボンブラックのス
トラクチャーが導電性を左右することを考慮すると、そ
のストラクチャーの大小を判断する指標の1つであるジ
ブチルフタレート吸油量は50〜140ml/100m
gであるのが好ましい。さらに、カーボンブラックの表
面状態もまた、導電性を左右することから、比表面積は
100〜400m2 /gであるのが好ましい。
【0038】かかるカーボンブラックは、定着用樹脂1
00重量部に対して、6〜25重量部の割合で添加され
るのが好ましい。カーボンブラックの添加量が上記範囲
未満では、感光性トナーの黒色度が不十分となるおそれ
があり、逆に上記範囲を超えた場合には、暗電流値の上
昇と、それにともなう帯電電位の低下によって画像濃度
の低下やかぶりが発生するおそれがある。
【0039】なおカーボンブラックの添加量は、着色性
と形成画像のかぶり濃度を考慮すると、上記範囲内でも
とくに、7〜15重量部であるのが好ましい。上記各成
分から製造される、この発明の感光性トナーの平均粒径
は、とくに限定されないが、7〜14μm程度であるの
が好ましく、感光性トナーを使用する画像形成装置にお
いて、導電性の基体上に均一なトナー層を形成させるた
めには、上記範囲内でもとくに8〜13μmであるのが
好ましい。
【0040】この発明の感光性トナーは、従来同様に、
上記の各成分を適当な溶媒に溶解または分散させた溶液
を噴霧して乾燥させる、いわゆるスプレードライ法によ
って製造される。かかるスプレードライ法に使用される
溶媒としては、定着用樹脂を溶解するためのトルエンが
主に使用され、これに低級アルコールまたはテトラヒド
ロフランを併用してもよい。
【0041】
【実施例】以下にこの発明の感光性トナーを、実施例、
比較例に基づいて説明する。 実施例1 容量1リットルのビーカー中で、増感色素としての、前
記式(4) で表されるエリトロシン0.072gを10m
lのメタノールに溶解した後、この溶液に、200ml
のトルエンを加えて希釈した。つぎにこの希釈液に、無
機光導電性材料としての酸化亜鉛72gを加えて超音波
分散させた。
【0042】一方、600mlのトルエン中に、定着用
樹脂としてのスチレン−アクリル系樹脂24gを溶解
し、さらに着色剤としてのカーボンブラック(平均粒径
2.2nm、pH2.5)2.4gを分散させた溶液を
作製し、これを、前記ビーカー中に加えてさらに超音波
分散させて、スプレードライ液を作製した。そして、上
記スプレードライ液を、アトマイザーまたは2流体ノズ
ルを用いてスプレードライ処理して、体積基準の中心粒
径D50が11.3μmの感光性トナーを作製した。 実施例2 増感色素として、前記式(5) で表されるブロムフェノー
ルブルー0.072gを使用したこと以外は、実施例1
と同様にして感光性トナーを作製した。 実施例3 増感色素として、前記式(6) で表されるフルオレセイン
0.072gを使用したこと以外は、実施例1と同様に
して感光性トナーを作製した。 比較例1 増感色素として、式(7) :
【0043】
【化10】
【0044】で表されるシアニン色素0.072gを使
用したこと以外は、実施例1と同様にして感光性トナー
を作製した。 従来例1 増感色素として、上記式(7) で表されるシアニン色素
0.072gを使用するとともに、着色剤として、シア
ン、マゼンダ、イエローの3色のキノン系染料を合計で
3g使用したこと以外は、実施例1と同様にして感光性
トナーを作製した。
【0045】上記各実施例、比較例、従来例の感光性ト
ナーについて、以下の試験を行い、その特性を評価し
た。 光感度試験 (試料の作製)実施例、比較例の感光性トナーを、ステ
ンレス基板の表面に敷き並べ、プレス機を用いて圧縮成
形して、図1に示すように、ステンレス基板Sの表面に
プレストナー層Tを形成した。
【0046】つぎに、このプレストナー層Tの表面に、
真空蒸着法によって、一対の櫛形電極層E,Eを、櫛の
歯が互いに噛み合うように形成した。 (電流値の測定)上記試料を暗室内に置き、プレストナ
ー層Tに光を照射しない状態で、櫛形電極層E,E間に
100Vの電圧を印加して、プレストナー層Tを流れた
電流値を暗電流値として測定した。
【0047】つぎに上記プレストナー層Tに、モノクロ
メータを用いて取り出した、波長387nm、450n
m、510nm、550nm、620nm、700nm
および780nmの光(それぞれ光強度50μW)を
3.8秒間照射したときに、プレストナー層Tを流れた
電流値を光電流値として測定した。そして上記測定値か
ら、光電流値/暗電流値で表される光感度(ゲイン)を
求めた。
【0048】プレストナー層Tに照射した光の波長と、
その波長でのゲインとの関係を図2に示す。なお図にお
いて□−□は実施例1、△−△は実施例2、○−○は実
施例3、●−●は比較例1の結果を示している。図2よ
り、カーボンブラックとシアニン色素とを組み合わせた
比較例1の感光性トナーは、シアニン色素による増感効
果が得られず、波長500〜630nmの領域での光感
度が不十分であることがわかった。
【0049】これに対し、カーボンブラックと、式(4)
〜(6) のいずれかの増感色素とを組み合わせた実施例1
〜3の感光性トナーはいずれも、上記波長領域で高い光
感度を示すことがわかった。 トナー反射濃度試験 実施例、比較例、従来例の感光性トナーそれぞれ0.6
gを、一端が開口したポリプロピレン製のサンプル管
(3ml)に入れた後、このサンプル管の開口部を覆う
ように、ステンレス製の金網フィルター(400メッシ
ュ)を、両面粘着テープを用いて貼りつけた。つぎに、
紙上にて、上記サンプル管の開口部を下にしてサンプル
管の底を指で叩くことで、感光性トナーを紙上に均一に
振りまいた後、熱ローラを通してトナーを紙に熱定着さ
せて、試料を作製した。そしてこの試料の反射濃度を、
反射濃度計(東京電色社製のTC−6D)にて測定し
た。
【0050】結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1より、カーボンブラックで着色した各
実施例の感光性トナーは、染料着色した従来例1の感光
性トナーに比べて、十分な黒色度を有することがわかっ
た。 耐環境試験 実施例、比較例、従来例の感光性トナーを、図3に示す
画像形成試験機に使用して、24℃、37%RHの常温
常湿条件下、24℃、85%RHの常温高湿条件下、お
よび40℃、37%RHの高温常湿条件下で、それぞれ
白黒画像を形成して、その黒べた部分の画像濃度(I
D)と、余白部分のかぶり濃度(FD)を、前出の反射
濃度計にて測定した。
【0053】図3の試験機は、導電性の基体ドラム1の
周囲に、当該基体ドラム1の回転方向(図中矢印で示
す)に沿って、現像器2と、露光光源3と、転写ローラ
4とを配置したものである。現像器2は、光未照射の高
抵抗の状態の感光性トナーをキャリヤと混合して帯電さ
せるとともに、内部に磁石を設けたスリーブ21の周囲
に付着させて磁気ブラシを形成し、それを基体ドラム1
の表面に接触させつつ、バイアス電圧の印加によるクー
ロン力によって、磁気ブラシ中の感光性トナーtを、基
体ドラム1の表面に均一に静電付着させて、当該基体ド
ラム1の表面に感光性トナーtの薄層を形成するもので
ある。また現像器2には、後述する工程で、露光光源3
からの露光によって帯電電位が低下した感光性トナーT
が、転写ローラ4によって紙Pに転写された後、基体ド
ラム1の表面に残留する未露光の感光性トナーtを、ト
ナーホッパ22に回収するためのブレード23も設けら
れている。
【0054】露光光源3は、基体ドラム1の表面に形成
された感光性トナーtの薄層に、形成画像に対応する所
定のパターンに合わせて光を照射するためのもので、半
導体レーザ等からなる。転写ローラ4は、露光光源3で
露光された後の薄層に紙Pを接触させつつ、その裏面か
ら、感光性トナーt,Tと同極性の電場を印加するため
のもので、この電場の印加により、光が照射されなかっ
た感光性トナーtは基体ドラム1の表面に残るが、光が
照射されて帯電電位が低下した感光性トナーTは紙に転
写され、紙面に、露光パターンに対応したトナー像が形
成される。
【0055】画像濃度の結果を表2、かぶり濃度の結果
を表3に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】上記両表の、常温常湿条件下および常温高
湿条件下の測定結果より、各実施例の感光性トナーは、
従来例1の感光性トナーに比べて、常温高湿条件下での
かぶり濃度の増加が少ないことから、耐湿性にすぐれて
いることがわかった。また、常温常湿条件下および高温
常湿条件下の測定結果より、上記各実施例の感光性トナ
ーは、従来例1の感光性トナーに比べて、高温常湿度条
件下での画像濃度の低下がほとんどなく、かつかぶり濃
度の増加が少ないことから、温度依存性が低く、温度変
化に対しての安定性にすぐれていることがわかった。
【0059】なお比較例1の感光性トナーは、常温高湿
条件下および高温常湿条件下での特性の低下が激しく、
画像を形成できなかったので、画像濃度およびかぶり濃
度の測定を断念した。 カーボンブラックの物性検討I 表4に示した物性を有するカーボンブラックを、それぞ
れ2.4g使用したこと以外は、前記実施例1と同様に
して感光性トナーを作製した。
【0060】そして、各感光性トナーを、前記画像形成
試験機に使用して、24℃、37%RHの常温常湿条件
下で、それぞれ白黒画像を形成して、その黒べた部分の
画像濃度(ID)と、余白部分のかぶり濃度(FD)
を、前出の反射濃度計にて測定した。結果を表4に示
す。
【0061】
【表4】
【0062】表4より、pHが6未満のカーボンブラッ
クを使用した場合には、実用上差し支えのない程度の画
像濃度を有し、かつかぶり濃度が十分に低い画像が得ら
れた。これに対し、pHが6以上のカーボンブラックを
使用した場合には、かぶり濃度が高くなる傾向がみられ
た。 カーボンブラックの物性検討II 表5に示した物性を有するカーボンブラックを、それぞ
れ2.4g使用したこと以外は、前記実施例1と同様に
して感光性トナーを作製した。
【0063】そして、各感光性トナーを、前記画像形成
試験機に使用して、24℃、37%RHの常温常湿条件
下で、それぞれ白黒画像を形成して、その黒べた部分の
画像濃度(ID)と、余白部分のかぶり濃度(FD)
を、前出の反射濃度計にて測定した。結果を表5に示
す。
【0064】
【表5】
【0065】表5より、平均粒径が15〜30nmの範
囲内のカーボンブラックを使用した場合には、実用上差
し支えのない程度の画像濃度を有し、かつかぶり濃度が
十分に低い画像が得られた。これに対し、平均粒径が1
5nm未満のカーボンブラックを使用した場合には、画
像濃度が向上するものの、かぶり濃度も高くなる傾向が
みられた。また、平均粒径が30nmを超えるカーボン
ブラックを使用した場合には、画像濃度が低下する傾向
がみられた。
【0066】
【発明の効果】以上、詳述したように、この発明の感光
性トナーは、着色剤としてのカーボンブラックと、前記
一般式(1) 〜(3) のいずれかで表される増感色素とを組
み合わせたものゆえ、従来の、染料着色のトナーの持つ
種々の問題点を解決することができ、しかも高感度であ
る。
【0067】また上記カーボンブラックとして、特定の
物性を有するものを使用した場合には、さらに良好な画
像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光性トナーの光電流値、暗電流値を測定する
方法を説明する斜視図である。
【図2】図1の方法で測定した光電流値、暗電流値から
求めたゲインと、光電流値を測定した際に照射した光の
波長との関係を示すグラフである。
【図3】実施例、比較例および従来例の感光性トナーの
特性を評価するために使用した画像形成試験機の構成を
説明する説明図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】定着用樹脂からなる単一構造の粒子中に、
    光導電性材料と、増感色素としての、一般式(1) : 【化1】 (式中、X1 ,X2 ,X3 およびX4 は、同一または異
    なって、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水
    酸基または水素原子を示し、Mは1価の金属原子を示
    す。)で表されるエリトロシン系化合物、一般式(2) : 【化2】 (式中、X5 ,X6 ,X7 およびX8 は、同一または異
    なって、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水
    酸基または水素原子を示す。)で表されるフェノールス
    ルホンフタレイン系化合物、および一般式(3) : 【化3】 (式中、X9 ,X10,X11およびX12は、同一または異
    なって、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水
    酸基または水素原子を示す。)で表されるフルオレセイ
    ン系化合物のうちの少なくとも1種と、着色剤としての
    カーボンブラックとを含有することを特徴とする感光性
    トナー。
  2. 【請求項2】カーボンブラックの平均粒径が15〜30
    nm、pHが6未満である請求項1記載の感光性トナ
    ー。
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