JPH0862751A - 放射線画像の画像処理条件決定装置及び画像処理装置 - Google Patents

放射線画像の画像処理条件決定装置及び画像処理装置

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JPH0862751A
JPH0862751A JP6200845A JP20084594A JPH0862751A JP H0862751 A JPH0862751 A JP H0862751A JP 6200845 A JP6200845 A JP 6200845A JP 20084594 A JP20084594 A JP 20084594A JP H0862751 A JPH0862751 A JP H0862751A
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radiation
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Abstract

(57)【要約】 【目的】撮影部位,撮影条件の変化に対応して診断に適
した画像処理が施されるようにする。 【構成】照射野領域内の画像信号に基づいて、被写体の
画像信号領域(Smin 〜ThresH) を特定し、該被写体領
域の画像信号のヒストグラムを作成する(S1〜S
3)。ここで、前記ヒストグラムにおける頻度の総和を
求め、該総和の0.1 %の値を閾値として設定する。次い
で、前記最大値ThresHに最も近い頻度のピーク位置から
低信号側に向かって前記閾値と頻度とを比較し、最初に
閾値未満となる信号値を所望画像信号領域の最小値Thre
sLとする(S8)。そして、前記最小値ThresLから最大
値ThresHまでの間で累積ヒストグラムを作成し(S
9)、累積ヒストグラム値が10%をとる信号値が所定の
出力濃度に対応するように階調変換テーブルをを決定し
て、放射線画像信号に階調処理を施す(S10)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放射線画像の画像処理条
件決定装置及び画像処理装置に関し、詳しくは、放射線
画像毎に適切な画像処理条件を決定すると共に、該画像
処理条件に従って画像処理を施すことで、放射線画像を
個々の特性に応じて見やすく表現する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】X線画像のような放射線画像は、病気診
断用などに多く用いられており、このX線画像を得るた
めに、被写体を透過したX線を蛍光体層(蛍光スクリー
ン)に照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視
光を通常の写真と同様に銀塩を使用したフィルムに照射
して現像した、所謂、放射線写真が従来から多く利用さ
れている。
【0003】しかし、近年、銀塩を塗布したフィルムを
使用しないで、蛍光体層から直接画像を取り出す方法が
工夫されるようになってきている。この方法としては、
被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる
後、この蛍光体を例えば光又は熱エネルギーで励起する
ことによりこの蛍光体が上記吸収により蓄積している放
射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を光
電変換し、更にA/D変換してディジタル画像信号を得
る方法がある(米国特許3,859,527 号,特開昭55−1214
4 号公報等参照)。
【0004】このようにして得られた放射線画像信号
は、そのままの状態で、或いは画像処理を施されて銀塩
フィルム,CRT等に出力されて可視化される。また、
放射線画像を記録した銀塩フィルムに、レーザ・蛍光灯
などの光源からの光を照射して、銀塩フィルムの透過光
を得て、かかる透過光を光電変換して放射線画像信号を
得る方法もある。
【0005】ところで、上記のようにして得た放射線画
像信号を再生する際には、再生画像における関心領域
(医療用において診断に必要な画像部分)の濃度を一定
に仕上げる目的、及び、人体の構造や病変の陰影をより
見やすく出力するなどの目的で、階調処理や空間周波数
処理等の各種画像処理を施してからCRT等に出力して
可視化し、診断に供するようにしている。
【0006】従来、前記画像処理条件を決定する方法と
しては、被写体の撮影部位及び撮影方法に関する情報を
入力させ、前記情報に基づいて撮影部位,撮影方法に適
合する画像処理条件を決定する方法があった(特開昭61
−68031 号公報参照)。また、特に胸部放射線画像にお
いて、画像信号のヒストグラム形状に基づいて背骨・心
臓・肺野に分けて階調処理条件を決定する方法があった
(特開昭55−116339号公報参照)。
【0007】また、累積ヒストグラムの特性値に基づい
て信号範囲を決定し、その範囲が所定の出力信号範囲に
対応するように階調処理条件する方法があり、例えば頻
度の累積値が50%となる信号値を中心としてその前後に
一定幅の信号範囲を決定していた(特開昭63−31641 号
公報参照)。更に、ヒストグラムの頻度が、最大頻度の
5%に落ち込む点を所望信号範囲の最大値・最小値とし
て、画像処理条件を決定する方法があった(特開昭55−
88740 号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の画像処理条件の決定方法には、以下のような問題点
があった。特開昭61−68031 号公報に開示される方法で
は、撮影部位の情報を与えないと画像処理ができない構
成であり、ユーザーがメニューボタン等を用いて撮影部
位を入力する必要があり操作が煩雑である。また、撮影
部位をコンピュータが自動認識する構成とすると、部位
認識のための複雑なアルゴリズムが必要になり、また、
多数の部位全てに対して予め処理のアルゴリズムを定め
ておかなければならず、使用するメモリ容量が大きくな
ってしまうという問題がある。
【0009】また、特開昭55−116339号公報に開示され
る方法では、部位によってヒストグラム形状が異なるた
め、他の部位には使用できず、汎用性がないという問題
がある。また、特開昭63−31641 号公報に開示される方
法では、部位によって診断上不要とされる部分が画像に
含まれている場合と含まれていない場合とがあるため、
累積ヒストグラム値を基準にすると、前記診断に必要で
ない画像部分の影響によって、必ずしも所望の画像信号
領域が選ばれないという問題があった。
【0010】更に、特開昭55−88740 号公報に開示され
る方法では、最大頻度をもつ信号値は、診断上不要な画
像部分の信号となる可能性があり、所望画像信号範囲を
定めるための基準としては不安定であるという問題があ
った。例えば、腹部正面や腰椎正面の放射線画像におい
ては、一般に図8に示すようなヒストグラム形状になっ
て、累積ヒストグラム値を用いる方法、最大頻度に基づ
く方法のいずれにおいても診断に必要な部分の画像部分
を特定することが可能であるが、胸部,頭部,四肢骨な
どの放射線画像においては、診断に不要な放射線の素抜
け領域(放射線が被写体を透過しない領域)が存在する
ため、ヒストグラム形状が図9に示すようになって、最
大頻度に基づく方法では診断に必要な画像部分を特定で
きなくなってしまう惧れがある。更に、頸椎などの放射
線画像においては、図10に示すように、放射線の素抜け
領域と共に、低信号側にも診断に不要な画像部分(顎や
肩の部分など)が存在するため、累積ヒストグラム値を
用いる方法、最大頻度に基づく方法のいずれによっても
診断に必要となる画像部分を精度良く特定できず、以
て、適切な画像処理を設定させることができない。
【0011】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、広範な放射線画像に対して簡便なアルゴリズムに
よって適性な画像処理条件を決定でき、また、かかる画
像処理条件に基づく画像処理によって広範な放射線画像
を見やすく表現できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1の発明
にかかる放射線画像の画像処理条件決定装置は、図1に
示すように構成される。図1において、ヒストグラム作
成手段は、被写体を透過する放射線の透過量に対応して
形成される放射線画像の画像信号のヒストグラムを作成
し、閾値決定手段は、ヒストグラム作成手段で作成され
たヒストグラムに基づいて画像信号頻度の閾値を決定す
る。
【0013】そして、所望画像信号領域決定手段は、前
記ヒストグラム作成手段で作成されたヒストグラムと前
記閾値決定手段で決定された閾値とに基づいて所望画像
信号領域を決定する。ここで、画像処理条件決定手段
は、所望画像信号領域決定手段で決定された所望画像信
号領域に含まれる画像信号の特徴量に基づいて画像処理
条件を決定する。
【0014】請求項2の発明にかかる放射線画像の画像
処理条件決定装置では、前記ヒストグラム作成手段が、
被写体領域と放射線素抜け領域とからなる画像全体のヒ
ストグラムを作成すると共に、該画像全体のヒストグラ
ムの統計量に基づいて前記被写体領域に対応するヒスト
グラムを分離・作成し、前記閾値決定手段及び前記所望
画像信号領域決定手段が、前記被写体領域に対応するヒ
ストグラムに基づいて閾値及び所望画像信号領域を決定
する構成とした。
【0015】請求項3の発明にかかる放射線画像の画像
処理条件決定装置では、前記閾値決定手段が、前記ヒス
トグラム作成手段で作成されたヒストグラムの頻度の総
和に基づいて頻度の閾値を決定する構成とした。請求項
4の発明にかかる放射線画像の画像処理条件決定装置で
は、前記所望画像信号領域決定手段が、前記閾値決定手
段で決定された閾値と前記ヒストグラム作成手段で作成
されたヒストグラムの頻度との比較に基づいて所望画像
信号領域の最大値と最小値との少なくとも一方を決定す
る構成とした。
【0016】請求項5の発明にかかる放射線画像の画像
処理条件決定装置では、前記所望画像信号領域決定手段
が、所定の開始信号値から低信号側へ向かってヒストグ
ラム上の頻度と閾値とを比較して最初に頻度が閾値未満
となる信号値を所望画像信号領域の最小値として決定す
る一方、前記所定の開始信号値から高信号側へ向かって
ヒストグラム上の頻度と閾値とを比較して最初に閾値未
満となる信号値と、被写体領域に対応する画像信号の最
大値とのいずれか一方を所望画像信号領域の最大値とし
て決定する構成とした。
【0017】請求項6の発明にかかる放射線画像の画像
処理条件決定装置では、前記所望画像信号領域決定手段
が、被写体領域に対応する画像信号の最大値に最も近い
頻度のピーク位置又は被写体領域に対応する画像信号幅
の所定割合位置を、前記所定の開始信号値として、所望
画像信号領域を決定する構成とした。請求項7の発明に
かかる放射線画像の画像処理条件決定装置では、前記ヒ
ストグラム作成手段が、前記放射線画像の画像信号に基
づいて放射線照射野領域を識別する照射野識別手段を含
んで構成され、該照射野識別手段で識別された放射線照
射野内の画像信号を用いてヒストグラムを作成する構成
とした。
【0018】請求項8の発明にかかる放射線画像の画像
処理条件決定装置では、前記画像処理条件決定手段が、
放射線画像の階調を変換するための階調変換テーブルを
画像処理条件として決定する構成とした。請求項9の発
明にかかる放射線画像の画像処理条件決定装置では、前
記画像処理条件決定手段が、入力信号値と出力信号値と
からなる階調変換の座標系において階調変換特性を示す
基本特性曲線を少なくとも1種類記憶する基本特性曲線
記憶手段と、前記所望画像信号領域決定手段で決定され
た所望画像信号領域に含まれる画像信号の特徴量に基づ
いて基準信号値を決定する基準信号値決定手段と、前記
基本特性曲線記憶手段に記憶された基本特性曲線を前記
基準信号値が所定の出力信号値に変換されるように変形
させることにより階調変換テーブルを設定する階調変換
テーブル設定手段と、を含んで構成されるものとした。
【0019】請求項10の発明にかかる放射線画像の画像
処理装置は、前記請求項1,2,3,4,5,6,7,
8又は9のいずれかに記載の放射線画像の画像処理条件
決定装置における画像処理条件決定手段で決定された画
像処理条件に基づいて放射線画像を画像処理する画像処
理手段を有して構成される。
【0020】
【作用】請求項1の発明にかかる画像処理条件決定装置
によると、まず、放射線画像信号のヒストグラムが作成
され、該ヒストグラムから頻度の閾値が決定される。そ
して、前記ヒストグラム上の頻度と前記閾値との比較に
基づいて所望画像信号領域(所望画像に対応する画像信
号領域)が決定され、該所望画像信号領域に含まれる画
像信号の特徴量に基づいて前記所望画像の可視化に適当
な画像処理条件が決定される。
【0021】請求項2の発明にかかる画像処理条件決定
装置では、放射線画像が、被写体領域と放射線素抜け領
域とからなる場合に、まず、画像全体についてのヒスト
グラムを作成した後、かかるヒストグラムに基づいて放
射線素抜け領域に対応する画像信号を除く被写体領域の
画像信号のみからなるヒストグラムを分離・作成し、か
かる被写体領域に対応するヒストグラムに基づいて閾値
及び所望画像信号領域が決定されるようにして、放射線
素抜け領域の画像信号が閾値及び所望画像信号領域の決
定に影響を与えることがないようにした。
【0022】請求項3の発明にかかる画像処理条件決定
装置では、ヒストグラムの頻度の総和を演算し、該総和
に基づいてヒストグラム上の頻度を判別する頻度の閾値
を決定して、該閾値に基づいて所望画像信号領域を決定
する。請求項4の発明にかかる画像処理条件決定装置で
は、ヒストグラム上の頻度と閾値との大小比較によっ
て、所望画像信号領域の最大値と最小値との少なくとも
一方を決定し、該決定に応じて所望画像信号領域が特定
される。
【0023】請求項5の発明にかかる画像処理条件決定
装置では、ヒストグラム上で所定の開始信号値から低信
号側に向かってヒストグラム上の頻度と閾値とを順次比
較し、最初に頻度が閾値未満となる信号値を所望画像信
号領域の最小値として決定する一方、同様にヒストグラ
ム上で所定の開始信号値から高信号側に向かってヒスト
グラム上の頻度と閾値とを順次比較し最初に頻度が閾値
未満となる信号値を所望画像信号領域の最大値とする
か、又は、被写体領域に対応する画像信号の最大値を所
望画像信号領域の最大値とし、前記所定の開始信号値を
含む信号領域を所望画像信号領域とする。
【0024】請求項6の発明にかかる画像処理条件決定
装置では、前記所定の開始信号値を、被写体領域に対応
する画像信号の最大値に最も近い頻度のピーク位置又は
被写体領域に対応する画像信号幅の所定割合位置とし
て、被写体領域に対応する画像信号内で所望画像信号領
域が決定されるようにした。請求項7の発明にかかる画
像処理条件決定装置では、照射野絞りが行われて放射線
撮影が行われた場合に、照射野領域を識別して照射野領
域内の画像信号に用いてヒストグラムを作成する構成と
することで、閾値及び所望画像信号領域の決定が照射野
絞りが行われた領域の画像信号に影響されることを回避
する。
【0025】請求項8の発明にかかる画像処理条件決定
装置では、前記決定された所望画像信号領域に含まれる
画像信号の特徴量に基づいて階調変換テーブルを決定
し、前記特徴量に対応する適性な階調で放射線画像が可
視化されるようにした。請求項9の発明にかかる画像処
理条件決定装置では、階調変換テーブルを決定する構成
において、入力信号値と出力信号値とからなる階調変換
の座標系において階調変換の特性を示す基本特性曲線を
記憶させておき、ヒストグラムから求めた所望画像信号
領域の基準信号値が所定の出力信号値に変換されるよう
に前記基本特性曲線を変形させて、所望画像に適切な階
調変換テーブル(即ち、階調変換処理における入力信号
値と出力信号値との個々の対応を示すルックアップテー
ブル)を設定するものとした。
【0026】請求項10の発明にかかる画像処理装置で
は、上記のようにヒストグラムに基づいて決定した所望
画像信号領域に従って決定した画像処理条件によって放
射線画像信号を画像処理して、前記所望画像の可視化に
適当な放射線画像信号が得られるようにした。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図2は、本発明にかかる放射線画像の画像処理条
件決定装置及び画像処理装置を含む医療用の放射線画像
記録読取装置であって、ここでは、被写体として人体各
部(胸部,腹部等)Mを撮影し、該撮影された人体各部
の画像を再生させて人体構造や病変を診断するものとし
て以下に説明する。
【0028】ここで、放射線発生源1は、放射線制御装
置2によって制御されて、被写体に向けて放射線(一般
的にはX線)を照射する。記録読取装置3は、被写体を
挟んで放射線源1と対向する面に放射線画像変換パネル
4を備えており、この変換パネル4は放射線源1からの
照射放射線量に対する人体各部の放射線透過率分布に従
ったエネルギーを輝尽性蛍光体層に蓄積し、そこに人体
各部の潜像を形成する。
【0029】前記変換パネル4は、支持体上に輝尽性蛍
光体層を、輝尽性蛍光体の気相堆積、或いは輝尽性蛍光
体塗料塗布によって設けてあり、該輝尽性蛍光体層は環
境による悪影響及び損傷を遮断するために、保護部材に
よって遮蔽若しくは被覆されている。尚、前記輝尽性蛍
光体材料としては、例えば、特開昭61−72091号
公報、或いは、特開昭59−75200号公報に開示さ
れるような材料が使われる。
【0030】光ビーム発生部(ガスレーザ,固体レー
ザ,半導体レーザ等)5は、出射強度が制御された光ビ
ームを発生し、その光ビームは種々の光学系を経由して
走査器6に到達し、そこで偏向を受け、更に、反射鏡7
で光路を偏向させて、変換パネル4に輝尽励起走査光と
して導かれる。集光体8は、輝尽励起光が走査される変
換パネル4に近接して光ファイバ又はシート状光ガイド
部材からなる集光端が位置され、上記光ビームで走査さ
れた変換パネル4からの潜像エネルギーに比例した発光
強度の輝尽発光を受光する。9は、集光体8から導入さ
れた光から輝尽発光波長領域の光のみを通過させるフィ
ルタであり、該フィルタ9を通過した光は、フォトマル
チプライヤ10に入射して、その入射光に対応した電流信
号に光電変換される。
【0031】フォトマルチプライヤ10からの出力電流
は、電流/電圧変換器11で電圧信号に変換され、増幅器
12で増幅された後、A/D変換器13でディジタルデータ
(ディジタル放射線画像信号)に変換される。そして、
この被写体各部の放射線透過量に比例するディジタル画
像信号は、画像処理装置14において順次画像処理され
て、画像処理後の画像信号がインターフェイス16を介し
てプリンタ17に伝送されるようになっている。
【0032】15は画像処理装置14における画像処理を制
御するCPUであり、A/D変換器13から出力されるデ
ィジタルの放射線画像データに対して階調処理を含む種
々の画像処理(例えば空間周波数処理,ダイナミックレ
ンジの圧縮,拡大,縮小,移動,回転,統計処理等)を
画像処理装置14において施させ、診断に適した形として
からプリンタ17に出力させ、プリンタ17で人体各部の放
射線画像のハードコピーが得られるようにする。
【0033】尚、インタフェイス16を介して接続される
のは、CRT等のモニタであっても良く、更に、半導体
記憶装置などの記憶装置(ファイリングシステム)であ
っても良い。18は読取ゲイン調整回路であり、この読取
ゲイン調整回路18により光ビーム発生部5の光ビーム強
度調整、フォトマルチプライヤ用高圧電源19の電源電圧
調整によるフォトマルチプライヤ10のゲイン調整、電流
/電圧変換器11と増幅器12のゲイン調整、及びA/D変
換器13の入力ダイナミックレンジの調整が行われ、放射
線画像信号の読取ゲインが総合的に調整される。
【0034】前記画像処理装置14の本発明にかかる画像
処理条件決定及び画像処理に関わる部分は、具体的に
は、図3のブロック図に示すような各種機能部分から構
成される。変換パネル4の輝尽性蛍光体層から光電的に
読み取られた人体各部Mのディジタル放射線画像信号
は、まず、照射野識別部21(照射野識別手段)によって
照射野領域の識別が行われる。即ち、放射線撮影の際
に、照射野絞りが行われている場合には、前記放射線画
像に放射線絞りが行われた領域(放射線が遮蔽され照射
されなかった領域)が含まれることになるので、後述す
るヒストグラムの作成において前記照射野絞りが行われ
た領域の信号を排除できるように、前処理として照射野
領域の識別を行う。
【0035】前記照射野領域の識別は、例えば特開平5
−7579号公報に開示されるような方法を用いて行わ
れる。具体的には、ディジタル放射線画像信号の間引き
を行ってから、画像領域を複数の小領域に分割し、各小
領域毎に、当該小領域内に含まれる画像信号の分散値を
求める。そして、分散値が所定値以上である小領域(含
まれる画像信号のばらつき範囲が広い小領域)が所定数
以上含まれる小領域の行・列を照射野の輪郭を規定する
候補として設定する。更に、前記照射野輪郭の候補とし
て設定された小領域の外側の小領域での画像信号に基づ
いて、前記輪郭識別の結果の正誤を判断し、該判断結果
に基づいて最終的に照射野領域を特定する。
【0036】照射野領域の識別が終了すると、ヒストグ
ラム作成部22(ヒストグラム作成手段)において、照射
野領域内の画像信号に基づいて画像信号毎の頻度を示す
ヒストグラムが作成される。尚、前記ヒストグラム作成
部22におけるヒストグラム作成は、比較的粗いものであ
って良く、例えば10ビット画像即ち階調数1024の画像に
対して画像信号の区間幅を10程度にすると良い。
【0037】次に、被写体ヒストグラム分離部23では、
前記ヒストグラム作成部22で作成されたヒストグラムか
ら被写体部分のヒストグラムを分離・作成する。即ち、
照射野領域内であっても、被写体の部分と被写体が存在
せずに放射線が直接変換パネル4に照射される部分(以
下、素抜け領域という。)とに分けられるため、被写体
の特性に適合する画像処理条件を決定できるように、素
抜け領域の画像信号を除外し被写体部分の画像信号のみ
を抽出するものである。
【0038】前記被写体部分のヒストグラムは、例えば
素抜け領域を含んで作成された全体ヒストグラム上の高
信号部(放射線透過量の多い側)に鋭いピークがある場
合には、前記ピーク部分(統計量)を素抜け領域の信号
と見做してこれを除いて作成される。ヒストグラム上の
ピークの検出方法としては、所定の頻度(例えば最大頻
度の1/2)を越える頻度をもつ画像信号領域をヒスト
グラムの「山」と見做し、その領域で最も頻度の高い点
をピークとして検出することができる。また、ヒストグ
ラム曲線をそのままかスムージング処理した後に、微分
処理することによりピークを検出しても良い。
【0039】また、特開昭63−262141号公報に開示され
るように、全体ヒストグラムの統計量に基づいて被写体
の画像信号領域の最大値S2を求め、該最大値S2を越
える信号領域を素抜け領域に対応する信号として除く処
理を行っても良い。前記統計量に基づく最大値S2の検
出は、ヒストグラム上の画像信号を任意の信号値(中間
値から最大値までの間の値)に基づいて2領域に分け、
各領域に含まれる頻度の平均値に基づいて各領域に含ま
れる頻度の違いを示すクラス分離度を演算し、前記分離
度が最も大きくなったときの信号領域の区分に基づいて
高信号側の領域を素抜け領域として特定する構成とすれ
ば良い。
【0040】上記のようにして被写体ヒストグラム(被
写体部分の信号値のみからなるヒストグラム)を作成す
ると、次に、頻度閾値決定部24(閾値決定手段)で、所
望画像信号領域の特定に用いる頻度の閾値を、前記被写
体ヒストグラムから決定する。前記閾値は、被写体ヒス
トグラムの頻度の総和(被写体ヒストグラム上で画像信
号の最小値Smin から最大値S2における面積に相当す
る値)の所定割合値として決定される。前記所定割合と
しては、0.01%〜1.0 %が好ましく、更に、0.1 %程度
が最も好ましい。
【0041】所望画像信号領域決定部25(所望画像信号
領域決定手段)では、前記被写体ヒストグラム及び閾値
に基づいて所望画像信号領域を決定する。前記所望画像
信号領域は最小値ThresLと最大値ThresHとで挟まれる信
号領域として特性される構成としてあり、所定の開始信
号値から低信号側へ向かって前記閾値と被写体ヒストグ
ラム上の頻度とを順次比較していって、頻度が最初に閾
値未満となる信号値を探し、その信号値を前記最小値Th
resLとする(図4〜図6参照)。
【0042】一方、前記最大値ThresHは、前記最小値Th
resLと同様に、所定の開始信号値から高信号側へ向かっ
て前記閾値と被写体ヒストグラム上の頻度とを順次比較
していって、頻度が最初に閾値未満となる信号値を探
し、その信号値を前記最大値ThresHとするか、或いは、
被写体ヒストグラム上に示される被写体に対応する画像
信号の最大値S2を前記最大値ThresHとして決定する。
【0043】ここで、前記閾値とヒストグラム上の頻度
との比較を開始させる信号値である開始信号値として
は、前記最大値S2よりも低信号側で前記最大値S2に
最も近い位置で頻度がピークとなる信号値とするか、或
いは、最小値Smin から最大値S2の間の信号領域で最
小値Smin から所定割合のところの信号値とすることが
好ましく、前記所定割合としては、60〜80%が適当であ
る。
【0044】上記構成によると、ヒストグラム形状が診
断上不要な画像部分の有無やその大小,被写体の特性,
撮影条件などによって図4〜図6に示すように種々変化
しても、所期の信号領域を所望画像信号領域として安定
的に求めることができ、人体のどのような部位又はどの
ような撮影条件の放射線画像に対しても、診断に必要な
画像部分を適切に判断して、診断に適した出力画像を得
ることができる。
【0045】具体的には、例えば図6に示すようにヒス
トグラム上で所望画像信号領域内に頻度の谷があって
も、前記谷の部分が誤って所望画像信号領域の境界とし
て選ばれることを、被写体ヒストグラムの頻度の総和に
基づいて閾値を設定させることによって回避できる。更
に、低信号側に診断に不要な画像が含まれる図5のよう
なヒストグラム(頸椎などの放射線画像のヒストグラ
ム)においては、閾値とヒストグラム上の頻度との比較
を高信号側から開始させることで、前記低信号側の診断
に不要な部分の画像領域を確実に排除できる。
【0046】また、上記実施例では、ユーザーが撮影部
位の情報を入力する必要がなく、また、複雑なアルゴリ
ズムを必要とする撮影部位の自動認識を必要としないか
ら、画像処理を高速に実行させることが可能であり、更
に、撮影部位毎の画像処理条件決定アルゴリズムを記憶
させる必要がないので、使用するメモリ量が少なくて済
む。
【0047】また、前記被写体ヒストグラムが画像信号
の区間幅を10程度にする粗いものとしてあれば、ノイズ
の影響を受けることなく、前記最小値ThresL,最大値Th
resHを求めることができる。上記のようにして所望画像
信号領域が、前記最小値ThresL,最大値ThresHで挟まれ
る領域として決定されると、次にかかる所望画像信号領
域内に含まれる画像信号の特徴量に基づいて画像処理条
件、具体的には、階調変換の変換テーブルが決定され
る。
【0048】階調変換テーブルの決定は、まず、基準信
号値決定部26(基準信号値決定手段)において所望画像
信号領域から基準信号値(特徴量)を決定することから
行われる。前記基準信号値決定部26では、最小値ThresL
から最大値ThresHまでの間の累積頻度を求め、該累積頻
度が全体の所定割合となる点の信号値を基準信号値とす
る。
【0049】尚、最小値ThresLから最大値ThresHまでの
間の累積頻度に基づいて基準信号値を決定するに当たっ
ては、基準信号値を精度良く決定させるために、画像信
号の区間幅を1として信号値毎にそれぞれ頻度を求める
ようにすることが好ましい。また、前記所定割合として
は、0%〜30%が好ましく、特に10%程度がより好まし
い。これは、被写体が人体の場合にはどの部位でも通常
骨が含まれ、骨の部分を基準にした方が安定した階調変
換が行えるので、所望画像信号領域の中でも放射線透過
量の小さい方即ち低信号寄りに基準信号値を決定させる
ためである。
【0050】ここで、簡易的には、最小値ThresLから最
大値S2の間で最小値ThresLから所定割合のところの信
号値を基準信号値としても良い。基準信号値が決定され
ると、階調処理条件決定部27(画像処理条件決定手段,
階調変換テーブル設定手段)において基本階調特性記憶
部28の記憶データと前記基準信号値とに基づいて階調変
換テーブルの設定が行われる。
【0051】前記基本階調特性記憶部28(基本特性曲線
記憶手段)は、入力信号値と出力信号値とからなる階調
変換の座標系において階調変換の基本特性を示す基本特
性曲線を予め記憶しており、階調処理条件決定部27は、
前記基準信号値が予め設定された所定の出力信号値(出
力濃度又は輝度)に変換されるように、前記基本特性曲
線を、回転移動又は/及び平行移動させて、所望の階調
変換テーブルを得る。ここで、前記所定の出力信号値と
出力濃度又は輝度との対応は、使用する画像出力装置
(プリンタ,CRTなど)の固有の特性に基づいて定め
られる。
【0052】前記基本階調記憶部は、前記基本特性曲線
を表す入力信号値と出力信号値との関係式を記憶するも
のでも良いし、前記基本特性曲線に相当する入力信号値
対出力信号値の個々の対応を示すルックアップテーブル
を記憶するものであっても良い。尚、前記基本階調特性
記憶部28に複数の基本特性曲線を記憶させておき、前記
ヒストグラム処理によって求められた所望画像信号領域
に含まれる画像信号の特徴に基づいて、前記複数の基本
特性曲線の中から最も適切な曲線を選択して読み出し、
該読み出した基本特性曲線を前記座標系上での移動を行
って当該放射線画像の階調処理に用いる階調変換テーブ
ルを設定する構成としても良い。
【0053】所望画像信号領域に含まれる画像信号の特
徴量(基準信号値)に基づいて階調変換テーブルを設定
すると、階調処理部29(画像処理手段)では、記録読取
装置3で得られたディジタル放射線画像信号を前記階調
変換テーブルによって変換して階調処理を施し、該階調
処理された画像信号を、インタフェイス16を介してプリ
ンタ17に出力し、放射線画像が可視化される。
【0054】尚、上記実施例では、所望画像信号領域に
含まれる画像信号に基づく画像処理条件の決定として、
階調処理のための変換テーブルを決定する構成について
述べたが、階調処理の他、周波数処理やダイナミックレ
ンジの圧縮処理の条件を、前記所望画像信号領域に含ま
れる画像信号に基づいて決定する構成としても良い。次
に、図7のフローチャートに従って、より好ましい実施
例を上記に説明した画像処理に沿って説明する。
【0055】図7のフローチャートにおいて、まず、S
1(照射野識別手段)では、照射野絞りが撮影時に行わ
れた場合に備えて照射野の認識処理を実行する。次にS
2では、被写体領域と素抜け領域との境界信号S2(こ
こでは、S2=ThresHとする。)を決定する。かかる決
定は、上記に説明した全体ヒストグラムに基づくクラス
分離度を用いた方法(判別分析法と称する)を用いて行
う。
【0056】S3(ヒストグラム作成手段)では、画像
信号の最小値Smin と前記被写体領域の最大値に相当す
る信号ThresHとの間で粗いヒストグラム(被写体ヒスト
グラム)を作成する。前記粗いヒストグラムとは、例え
ば画像信号の区間幅を10程度としたヒストグラムであ
る。S4では、前記被写体ヒストグラムでの最大頻度に
基づく閾値処理(最大頻度の1/2以上の頻度をもつ信
号範囲の検出)により、頻度のピーク部の検出を行う。
【0057】S5では、所定の低信号部に鋭いピークが
あるか否かを判別する。ここで、低信号部に鋭いピーク
があると判別されたときには、S6へ進み、前記低信号
部で頻度がピークとなる位置の信号値(ピーク位置)
に、かかるピーク位置前後でピーク頻度の半分以上の頻
度を示す信号幅(半値幅)を加算した値を、カットオフ
値Cutoffとして設定する。
【0058】一方、S5で所定の低信号部に鋭いピーク
はないと判別されたときには、S7へ進み、画像信号の
最小値Smin を前記カットオフ値Cutoffとして設定す
る。前記S6又はS7で設定されるカットオフ値Cutoff
は、後述するように、所望画像信号領域を求める信号範
囲を規定するものであり、撮影条件が不適当で低信号が
飽和した場合には、S6の処理によって、飽和している
低信号が所望画像信号領域を求める信号範囲から除外さ
れて、撮影条件の不備が所望画像信号領域の決定に悪影
響を与えることを回避できるようにしてある。S8で
は、前記カットオフ値Cutoffから前記被写体領域の最大
値に相当する信号ThresHとの間での閾値処理によって、
診断に必要な信号領域の最小値ThresLを設定する。
【0059】具体的には、前記粗いヒストグラム上での
前記カットオフ値Cutoffから前記被写体領域の最大値に
相当する信号ThresHまでの間における頻度の総和を求
め、該総和の1000分の1の値を頻度の閾値とする(閾値
決定手段)。そして、前記信号値ThresHよりも低信号側
で前記信号値ThresHに最も近い頻度のピーク位置から低
信号側に向かって各信号値の頻度と前記閾値とを順次比
較していって、頻度が初めて閾値以下となる信号を探索
し、その信号を所望画像信号領域の最小値ThresLとする
(図4〜図6参照)。これにより、所望画像信号領域
が、最小値ThresLから前記信号値ThresHまでの領域とし
て決定される(所望画像信号領域決定手段)。
【0060】次いで、S9では前記信号ThresH,ThresL
の間(所望画像信号領域)で、画像信号の区間幅を1と
した累積ヒストグラムを作成する。そして、S10では、
前記作成した累積ヒストグラム値の10%をとる信号値S
std を基準濃度信号値とし、前記基準信号値Sstd が所
定の出力信号値(出力濃度又は輝度)に変換されるよう
に階調変換テーブルを設定し(画像処理条件決定手
段)、該階調変換テーブルに基づいて放射線画像の階調
変換を行わせる(画像処理手段)。
【0061】ところで、上記実施例では、画像処理とし
て階調処理を例として述べたが、階調処理の他、例えば
特公昭62−62376号公報に開示されるような空間
周波数処理の条件を、前述のようにして決定された所望
画像信号領域内の画像信号に基づいて設定させるように
しても良い。即ち、前記所望画像信号領域の画像信号に
対して、強調度が比較的大きくなるように強調パラメー
タ(特公昭62−62376号公報における強調係数
β)を設定することにより、診断に必要な部分を選択的
に強調して見やすくすることができる。
【0062】また、前記決定された所望画像信号領域の
画像信号に基づいてダイナミックレンジの圧縮処理の内
容を変化させる構成としても良い。例えば所望画像信号
領域の決定によって被写体のダイナミックレンジ情報
(特徴量)が得られるから、かかる情報に基づいてダイ
ナミックレンジの圧縮度合いを変化させる構成とするこ
とができる。或いは、特開平2−292679号公報に
おけるダイナミックレンジ圧縮用補正データの補正の程
度を決定する基準値Sx又はSyを所望画像信号領域の
画像信号に基づいて決定する構成としても良い。
【0063】更に、画像処理(階調処理等)を施された
放射線画像信号は、上記のように直ちにプリンタ17によ
ってハードコピーさせるようにしても良いが、同時又は
単独にCRT上に再生させたり、又は、ファイリングシ
ステムに一旦記憶させ、必要なときに読み出してハード
コピーしたりCRTに表示させるようにしても良い。上
記実施例では、最終的に観察読影の対象となる放射線画
像そのものを使用してS1〜S10の全ステップを実行し
ているが、特開昭58−67240号公報に開示される
ように、観察読影のための放射線画像信号を得る読取操
作(「本読み」と称する)に先立って、「本読み」の読
取条件を決定するための「先読み」操作を行う方法を用
いた場合には、例えばS1〜S2或いはS1〜S7のよ
うな前半のステップは「先読み」信号を用いて実行し、
その中間結果に基づいて「本読み」の読取ゲイン等を決
定して「本読み」をを行った上で、後半のステップは
「本読み」信号を用いて実行するようにしても良い。
【0064】また、上記実施例において、S1〜S10は
観察読影の対象となる放射栓画像信号の全情報量を利用
して実行する必要はなく、例えば画素の間引き処理によ
り縮小した画像信号を使用することが、処理速度の向上
及びメモリ容量の節減の観点から好ましい。その場合、
前記縮小画像の実効画素サイズとしては0.4mm 〜10.0mm
が好ましく、更に、1.0mm 〜6.0mm が最も好ましい。
【0065】放射線画像をファイリングシステムに記憶
させる際には、画像処理(階調処理等)を施された処理
済の放射線画像信号を記憶させても良いが、処理前の放
射線画像信号と画像処理条件(階調変換テーブル等)と
を対にして記憶し、読み出し時に階調処理を行うように
しても良い。また、本実施例では、輝尽性蛍光体層から
光電的に読み取った放射線画像信号を階調処理する構成
としたが、輝尽性蛍光体を用いた画像読取りに限定され
るものではなく、他の2次元的放射線ディテクタや1次
元放射線ディテクタを用いた構成であっても良く、例え
ば放射線画像を記録した銀塩フィルムに、レーザ・蛍光
灯などの光源からの光を照射して、銀塩フィルムの透過
光を得て、かかる透過光を光電変換して放射線画像信号
を得る構成であっても良い。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明にか
かる放射線画像の画像処理条件決定装置によると、放射
線画像信号のヒストグラムに基づいて設定した頻度の閾
値に基づいて所望画像信号領域が決定され、該信号領域
に対応して画像処理条件が決定される構成であるから、
撮影部位の情報を与える必要がなく、各種の撮影部位,
撮影条件の放射線画像において所望画像信号領域を決定
させることができるという効果がある。
【0067】請求項2の発明にかかる装置によると、放
射線の素抜け領域の信号を除外して所望画像信号領域を
決定させることができ、被写体領域と素抜け領域とから
なる放射線画像において、精度良く所望画像信号領域を
決定させることができ、以て、適切な画像処理条件を決
定させることができるという効果がある。請求項3の発
明にかかる装置によると、ヒストグラムの頻度の総和に
基づいて所望画像信号領域を決定するための閾値を決定
する構成としたので、所望画像信号領域内での頻度の変
動に影響されずに、所望画像信号領域を決定できるとい
う効果がある。
【0068】請求項4及び請求項5の発明にかかる装置
によると、閾値とヒストグラム上の頻度との比較に基づ
いて所望画像信号領域の境界を検出する構成としたの
で、ヒストグラム形状に関わらず、安定的に所望画像信
号領域を決定させることができるという効果がある。請
求項6の発明にかかる装置によると、所望画像信号領域
の比較的高信号側を開始信号値として低信号側に向けて
頻度の比較を順次行わせるので、低信号側の不要な画像
部分を確実に排除して所望画像信号領域を決定させるこ
とができるという効果がある。
【0069】請求項7の発明にかかる装置によると、照
射野絞りが行われた放射線画像であっても、放射線照射
野内の画像信号を用いてヒストグラムを作成し、照射野
絞り領域の画像信号に影響されて、所望画像信号領域が
不適切に決定されることを回避できるという効果があ
る。請求項8の発明にかかる装置によると、画像処理条
件として階調変換のための変換テーブルを決定する構成
とし、所望画像の可視化に適切な階調処理を可能にでき
るという効果がある。
【0070】請求項9の発明にかかる装置によると、予
め記憶されている階調変換の基本特性を、所望画像信号
領域の画像信号の特徴量に基づいて変形させて、所望画
像信号領域に対応する階調変換条件を決定する構成とし
たので、所望画像に最適な階調処理条件を簡単に決定す
ることができるという効果がある。請求項10の発明にか
かる放射線画像の画像処理装置によると、所望画像に最
適な画像処理条件によって画像処理が施され、特に医療
用の放射線画像においては、診断に必要な部位をより見
やすく可視化することができるようになるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明にかかる装置の基本構成を示す
ブロック図。
【図2】本発明の一実施例を示す全体システム概略図。
【図3】実施例における画像処理部の構成を示すブロッ
ク図。
【図4】所望画像信号領域の最小値ThresL決定の様子を
示す線図。
【図5】所望画像信号領域の最小値ThresL決定の様子を
示す線図。
【図6】所望画像信号領域の最小値ThresL決定の様子を
示す線図。
【図7】階調処理のより好ましい実施例を示すフローチ
ャート。
【図8】従来装置における問題点を説明するための線
図。
【図9】従来装置における問題点を説明するための線
図。
【図10】従来装置における問題点を説明するための線
図。
【符号の説明】
1 放射線発生源 3 記録読取装置 4 変換パネル 5 光ビーム発生部 10 フォトマルチプライヤ 14 画像処理装置 15 CPU 17 プリンタ 21 照射野識別部 22 ヒストグラム作成部 23 被写体ヒストグラム分離部 24 頻度閾値決定部 25 所望画像信号領域決定部 26 基準信号値決定部 27 階調処理条件決定部 28 基本階調特性記憶部 29 階調処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06T 7/00 9061−5H G06F 15/70 325

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被写体を透過する放射線の透過量に対応し
    て形成される放射線画像の画像信号のヒストグラムを作
    成するヒストグラム作成手段と、 該ヒストグラム作成手段で作成されたヒストグラムに基
    づいて画像信号頻度の閾値を決定する閾値決定手段と、 前記ヒストグラム作成手段で作成されたヒストグラムと
    前記閾値決定手段で決定された閾値とに基づいて所望画
    像信号領域を決定する所望画像信号領域決定手段と、 該所望画像信号領域決定手段で決定された所望画像信号
    領域に含まれる画像信号の特徴量に基づいて画像処理条
    件を決定する画像処理条件決定手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする放射線画像の画像
    処理条件決定装置。
  2. 【請求項2】前記ヒストグラム作成手段が、被写体領域
    と放射線素抜け領域とからなる画像全体のヒストグラム
    を作成すると共に、該画像全体のヒストグラムの統計量
    に基づいて前記被写体領域に対応するヒストグラムを分
    離・作成し、前記閾値決定手段及び前記所望画像信号領
    域決定手段が、前記被写体領域に対応するヒストグラム
    に基づいて閾値及び所望画像信号領域を決定することを
    特徴とする請求項1記載の放射線画像の画像処理条件決
    定装置。
  3. 【請求項3】前記閾値決定手段が、前記ヒストグラム作
    成手段で作成されたヒストグラムの頻度の総和に基づい
    て頻度の閾値を決定することを特徴とする請求項1又は
    2のいずれかに記載の放射線画像の画像処理条件決定装
    置。
  4. 【請求項4】前記所望画像信号領域決定手段が、前記閾
    値決定手段で決定された閾値と前記ヒストグラム作成手
    段で作成されたヒストグラムの頻度との比較に基づいて
    所望画像信号領域の最大値と最小値との少なくとも一方
    を決定することを特徴とする請求項1,2又は3のいず
    れかに記載の放射線画像の画像処理条件決定装置。
  5. 【請求項5】前記所望画像信号領域決定手段が、所定の
    開始信号値から低信号側へ向かってヒストグラム上の頻
    度と閾値とを比較して最初に頻度が閾値未満となる信号
    値を所望画像信号領域の最小値として決定する一方、前
    記所定の開始信号値から高信号側へ向かってヒストグラ
    ム上の頻度と閾値とを比較して最初に閾値未満となる信
    号値と、被写体領域に対応する画像信号の最大値とのい
    ずれか一方を所望画像信号領域の最大値として決定する
    ことを特徴とする請求項4記載の放射線画像の画像処理
    条件決定装置。
  6. 【請求項6】前記所望画像信号領域決定手段が、被写体
    領域に対応する画像信号の最大値に最も近い頻度のピー
    ク位置又は被写体領域に対応する画像信号幅の所定割合
    位置を、前記所定の開始信号値とすることを特徴とする
    請求項5記載の放射線画像の画像処理条件決定装置。
  7. 【請求項7】前記ヒストグラム作成手段が、前記放射線
    画像の画像信号に基づいて放射線照射野領域を識別する
    照射野識別手段を含んで構成され、該照射野識別手段で
    識別された放射線照射野内の画像信号を用いてヒストグ
    ラムを作成することを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5又は6のいずれかに記載の放射線画像の画像処理
    条件決定装置。
  8. 【請求項8】前記画像処理条件決定手段が、放射線画像
    の階調を変換するための階調変換テーブルを画像処理条
    件として決定することを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5,6又は7のいずれかに記載の放射線画像の画像
    処理条件決定装置。
  9. 【請求項9】前記画像処理条件決定手段が、入力信号値
    と出力信号値とからなる階調変換の座標系において階調
    変換特性を示す基本特性曲線を少なくとも1種類記憶す
    る基本特性曲線記憶手段と、前記所望画像信号領域決定
    手段で決定された所望画像信号領域に含まれる画像信号
    の特徴量に基づいて基準信号値を決定する基準信号値決
    定手段と、前記基本特性曲線記憶手段に記憶された基本
    特性曲線を前記基準信号値が所定の出力信号値に変換さ
    れるように変形させることにより階調変換テーブルを設
    定する階調変換テーブル設定手段と、を含んで構成され
    ることを特徴とする請求項8記載の放射線画像の画像処
    理条件決定装置。
  10. 【請求項10】請求項1,2,3,4,5,6,7,8又
    は9のいずれかに記載の放射線画像の画像処理条件決定
    装置における画像処理条件決定手段で決定された画像処
    理条件に基づいて放射線画像を画像処理する画像処理手
    段を有することを特徴とする放射線画像の画像処理装
    置。
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