JPH0861548A - 電磁流体制御弁 - Google Patents

電磁流体制御弁

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Publication number
JPH0861548A
JPH0861548A JP6210641A JP21064194A JPH0861548A JP H0861548 A JPH0861548 A JP H0861548A JP 6210641 A JP6210641 A JP 6210641A JP 21064194 A JP21064194 A JP 21064194A JP H0861548 A JPH0861548 A JP H0861548A
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JP
Japan
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rod
bimetal
temperature
valve
coil
Prior art date
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Application number
JP6210641A
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English (en)
Inventor
Kazumi Okura
一美 大倉
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Keihin Corp
Original Assignee
Keihin Seiki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バイメタルの選定が容易で、機関停止時にお
いてバイパス通路を介してガソリン蒸気が大気に開放さ
れることがなく、更に空気量の制御範囲を大きくとるこ
とのできる電磁流体制御弁を得る。 【構成】 ロッド10の一端面10Aに対向して感温作
動部材15を対向配置し、一端面10Aと感温作動部材
15との間に間隙Tを形成する。間隙Tは温度の低い状
態において大をなし、温度の高い状態において小をな
す。弁体20と同期して移動するロッド10は、電磁装
置Sのコイル7への電流に応じ、間隙Tの範囲において
移動し、この範囲において、弁体20が弁座2の開口を
制御して空気量を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弁本体を弁座にて一次
側流路と二次側流路とに区分し、前記二次側流路に臨ん
で形成される弁座を、コイルに生起する磁力によって動
作する可動コアに一体的に取着された弁体によって開閉
制御する電磁流体制御弁に関するもので、例えば、電子
制御式燃料噴射装置のアイドリング運転時におけるアイ
ドリング空気の制御に用いられる。
【0002】
【従来の技術】かかるアイドリング空気を制御する電磁
流体制御弁は、吸気管内を流れる空気量を制御する絞り
弁の上流側(エアクリーナ側)と下流側(機関側)とを
迂回するバイパス空気通路内に配置される。従来の電磁
流体制御弁は、実公平1−28286号公報に示され
る。この電磁流体制御弁によると、弁体の後端に形成さ
れるロッドの途中に細径部が形成され、この細径部に板
状のバイメタルの先端部に形成された貫通孔が遊嵌して
配置される。このバイメタルはその温度によってわん曲
してロッドの細径部を介して弁体を動作するもので、コ
イルによるロッドの移動範囲はロッドに形成された細径
部の長さからバイメタルの板厚を引いた値がその制御範
囲である。すなわち、弁体の制御範囲(移動範囲)はバ
イメタルによって押圧移動される範囲と、コイルによっ
て磁気的に動作される範囲とによって決定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の電磁流体
制御弁によると、次の課題を有する。 バイメタルは常にロッドに形成された段部に当接し、
この状態において、バイメタルは弁体を閉方向側に押圧
するスプリングのバネ力を、機関の始動状態、運転状
態、停止状態に拘わらず常に受けるものである。これに
よると、機関の運転時において、機関及び車輌に発生す
る振動によってロッドが振動した際、ロッドの係止段部
とバイメタルとの当接面がこすれ、それら当接面に摩耗
の発生する恐れがある。この為に、バイメタルの板厚、
材質、剛性、形状、更には弁体を閉方向側に押圧するス
プリングのバネ荷重、等の選定に多大なる時間を要する
もので開発効率の向上を望むことができない。 特に機関雰囲気温度の低い状態において、バイメタル
は弁体を押し上げてバイパス通路を大きく開放した状態
に保持する。これによると、絞り弁より下流側の吸気管
(機関側)とエアークリーナ側の吸気管(大気側)とは
機関の停止状態においてもバイパス通路を介して連通状
態に保持されるもので、絞り弁より下流側に発生するガ
ソリン蒸気がバイパス通路を介して大気に放出される恐
れがあり好ましくない。 弁体のソレノイドによる空気量の制御範囲は、ロッド
の細径部の長さからバイメタルの板厚を引いた値によっ
て一義的に決定されるもので、これによると、ソレノイ
ドによる空気量の制御範囲を大きくとることが困難であ
り、機関アイドリング運転時に於る空気量の制御が制限
されて好ましいものでない。
【0004】本発明になる電磁流体制御弁は、かかる課
題に鑑み成されたもので、バイメタル及び弁体を閉方向
側に押圧するスプリングの選定を極めて容易に且つ短時
間にて行なうことができるとともに機関の停止時におい
てバイパス通路を介してガソリン蒸気が大気に放出され
ることがなく、更にはソレノイドによる空気量の制御範
囲を大きくとることのできる、特に電子制御式燃料噴射
装置のアイドリング運転時におけるアイドリング空気量
の制御を良好に行なうことのできる電磁流体制御弁を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明になる電磁流体制御
弁は、弁本体を弁座にて一次側流路と二次側流路とに区
分し、前記二次側流路に臨んで形成される弁座を、コイ
ルに生起する磁力によって動作する可動コアに一体的に
取着された弁体によって開閉制御する電磁流体制御弁に
おいて、有底筒状のハウジングと、ハウジング内に配置
されるとともにその外周にコイルが巻回わされたコイル
ボビンと、コイルボビン内に固定して配置された固定コ
アと、固定コア内を、その長手方向に沿って移動自在に
配置されるロッドに取着され、前記固定コアに対向して
配置された可動コアと、によって電磁装置を形成し、ス
プリングにて弁座を閉塞するよう付勢された弁体を可動
コア又はロッドに一体的に取着し、一方、ロッドには、
コイルへの非通電時において、ロッドの長手方向におい
て間隙を形成するとともに、該間隙を温度の低い状態に
おいて大であって、温度の高い状態において小となる感
温作動部材を対向配置したことを第1の特徴とする。
【0006】又、本発明になる電磁流体制御弁は、弁本
体を弁座にて一次側流路と二次側流路とに区分し、前記
二次側流路に臨んで形成される弁座を、コイルに生起す
る磁力によって動作する可動コアに一体的に取着された
弁体によって開閉制御する電磁流体制御弁において、有
底筒状のハウジングと、ハウジング内に配置されるとと
もにその外周にコイルが巻回わされたコイルボビンと、
コイルボビン内に固定して配置された固定コアと、固定
コア内を、その長手方向に沿って移動自在に配置される
ロッドに取着され、前記固定コアに対向して配置された
可動コアと、によって電磁装置を形成し、スプリングに
て弁座を閉塞するよう付勢された弁体を可動コア又はロ
ッドに一体的に取着し、一方、可動コアと弁体との間
に、その外周方向に向かって拡大する鍔部を形成し、コ
イルへの非通電時において、ロッドの長手方向において
鍔部との間に間隙を形成するとともに、該間隙を温度の
低い状態において大であって、温度の高い状態において
小となる感温作動部材を対向配置したことを第2の特徴
とする。
【0007】更に又、本発明の電磁流体制御弁は、上記
第1の特徴に加えて、感温作動部材を板状のバイメタル
にて形成するとともに固定コアを貫通するロッドの一端
面をバイメタルの他側面に対向して配置し、バイメタル
の一側面にストッパー部を対向して配置し、前記バイメ
タルを温度上昇とともにストッパー部より離れ、ロッド
の一端面に近づくよう配置したことを第3の特徴とす
る。
【0008】
【作用】第1の特徴によると、機関の停止状態におい
て、弁座はスプリングによって押圧される弁体にて閉塞
保持され、ロッドと感温作動部材との間に間隙が形成保
持される。機関の始動時において、コイルへ所望の電流
が流れると、ロッド及び可動コアはもっとも固定コア側
に吸引され、ロッドが感温作動部材に当接する迄、間隙
に相当して移動し、弁体が弁座を開放する。感温作動部
材は、温度状態の低いとき前記間隙を大とし、温度状態
の高いとき前記間隙を小とするので、機関雰囲気温度の
低い状態において増量されたファーストアイドル空気を
機関に向けて供給でき、一方機関雰囲気温度の高い状態
においてファーストアイドル空気より減少された適正な
るアイドル空気を機関へ供給することができる。
【0009】又、第2の特徴によると、感温作動部材
は、可動コアと弁体との間に配置され、弁座近傍を暖め
る冷却水通路の近傍に配置することができるので、感温
作動部材は機関温度に相当する冷却水温度に応じて作動
することができ、もって機関の温度状態に適合したアイ
ドル空気の制御を行なうことができたものである。
【0010】又、第3の特徴によると、感温作動部材が
何等かの原因によって損傷して不作動状態となった際に
おいて、ロッドの最大ストロークをストッパー部にて規
制することができたので、かかる状態において弁体の開
放が一定開度以上に開放されることがなく、機関のアイ
ドリング回転を異常に上昇させることがないものであ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明になる電磁流体制御弁の一実施
例を図1によって説明する。電磁流体制御弁は弁装置V
と電磁装置Sとから構成され、弁装置Vは以下よりな
る。1は弁座2によって一次側流路3と二次側流路4と
に区分される弁本体であり、この弁座2は二次側流路4
に臨んで形成され、一次側流路3が図示せぬ絞り弁より
上流側の吸気管に連絡され、二次側流路4が絞り弁より
下流側の吸気管に接続される。5は弁座2の近傍の外周
に凹設された冷却水通路であり、機関のウォータージャ
ケット内の冷却水が循環する。弁座2は冷却水通路5内
を流れる冷却水にて暖められるもので、これによって弁
座2の近傍に発生するアイシング現象が抑止される。
【0012】電磁装置Sは以下よりなる。6は一側方
(本例で一側方とは図において左側をいい、他側方とは
図において右側をいう)が開口された有底筒状のハウジ
ングであり、底部には更に他側方に向かって突出する環
状突部6Aが形成される。ハウジング6の内方には、そ
の外周にコイル7が巻回わされたコイルボビン8が収納
配置されるとともにハウジング6の一側方の開口は固定
コア9によって閉塞される。固定コア9はハウジング6
の一側方の開口を閉塞する円板状部9Aと、コイルボビ
ン8内に挿入される円柱突部9Bとにより形成され、円
板状部9Aをハウジング6の一端近傍に形成した係止段
部6B上に配置して固定(固定方法は後述する)するこ
とによって、ハウジング6の一端の開口が閉塞されると
ともに円柱突部9Bがコイルボビン8内に固定的に配置
される。尚、固定コア9の中心にはその長手方向に沿っ
てガイド孔9Cが貫通して穿設される。
【0013】10は固定コア9のガイド孔9Cにベアリ
ング11を介して長手方向移動自在に案内配置されたロ
ッドであり、ロッド10の一端10Aは一側方に向か
い、ロッド10の他端10Bは固定コア9の他端より更
に他側方に向かって突出する。そして、ロッド10の他
端10Bに可動コア12が一体的に取着されるもので、
このとき固定コア9の円柱突部9Bの他端と可動コア1
2との間にはスプリング13が縮設され、可動コア12
は固定コア9の円柱突部9Bの他端より離れるよう付勢
される。ロッド10と可動コア12とは一体的に移動す
ることになる。
【0014】そして、固定コア9の円板状部9Aの一側
面とそれをおおうカバー部材14との間に感温作動部材
15が配置されるもので、ハウジング6の一側方の開口
端をカバー部材14上に向けて内方へカシメることによ
って、ハウジング6内にコイルボビン8、固定コア9、
感温作動部材15,カバー部材14を固定的に配置でき
た。感温作動部材15の一例としてはバイメタル16が
使用されるもので、このバイメタル16の形状は平板円
板形状のものでも、平板の矩形片でもよいもので、特に
その形状に限定されない。バイメタル16の外周端は固
定コア9の円板状部9Aとカバー部材14とにより挟持
される。又、この感温作動部材15としてのバイメタル
16は固定コア9の円板状部9Aとカバー部材14との
間に形成される凹部室17A、17B内に配置されて温
度変化に応じて変形しうるもので、バイメタル16の他
側面16Aはロッド10の一端面10Aに対向して配置
され、バイメタル16の一側面16Bはカバー部材14
に設けたストッパー部14Aに対向して配置される。
【0015】そして、この感温作動部材15としてのバ
イメタル16は温度の高い状態において、図の右側の他
側方に向かって変形し、温度の低い状態にあっては、左
側の一側方に向かって変形するものであるが、コイル7
への非通電時においては、バイメタル16の他側面16
Aとロッド10の一端面10Aとの間には常に間隙Tが
形成され、バイメタル16の他側面16Aとロッド10
の一端面10Aとが当接することはない。そしてこの間
隙Tは、温度の高い状態において小なるもので、温度の
低い状態で大となるようバイメタル16は温度に依存し
て変形する。一方、バイメタル16の一側面16Bは、
特に温度の低い状態にあって、バイメタル16が左側の
一側方に向かって変形した際においてもストッパー部1
4Aと当接しないようストッパー部14Aの突出位置が
選定される。すなわち、感温作動部材15としてのバイ
メタル16は、電磁流体制御弁が電子制御式燃料噴射装
置に搭載されて使用される温度状態(例えば−30℃か
ら+90℃)であって且つコイル7に通電されない状態
において、バイメタル16の他側面16Aはロッド10
の一端面10Aに当接することなく常に間隙Tを有し、
一方バイメタル16の一側面16Bはカバー部材14の
ストッパー部14Aに当接することなく間隙を有する。
【0016】そして、以上の構成よりなる電磁装置Sが
弁装置Vに次の如く組みつけられて電磁流体制御弁が形
成される。可動コア12の他側方の端部近傍に形成した
係止段部12A上に、円筒形状をなす弁体20を取着
し、該弁体20を弁座2に臨んで弁本体1に穿設され一
側方に向かって開口する嵌合孔1Aを介して弁座2に向
けて配置するとともに嵌合孔1A内に電磁装置Sの環状
突部6Aを圧入して電磁装置Sを弁本体1に固定する。
この際、弁体20の左側端に固定配置した傘状のダイヤ
フラム21の左端の取りつけ鍔部21Aは、嵌合孔1A
の段部と環状突部6Aの右端面との間に挟持される。以
上によると、弁本体1に弁体20を備えた電磁装置Sを
固定して配置できたもので、弁体20は弁座2に対向し
て配置されるとともに弁体20、ロッド10、可動コア
12はスプリング13のバネ力によって他側方に向かっ
て押圧され、弁体20は弁座2を弾性的に押圧して弁座
2を閉塞保持する。尚、22は、一次側流路3内に縮設
されて、弁体20を弁座2より開放する側に押圧する第
2スプリングであり、この第2スプリング22のバネ力
は、弁体20を弁座2に向けて押圧するスプリング13
のバネ力より弱く設定される。この第2スプリング22
は、弁体20にスプリング13を介して加わる弁座閉方
向側の押圧バネ荷重を調整する為に用いられるもので、
この調整は弁本体1に螺着された調整ネジ23を螺動す
ることによって第2スプリング22のバネ力を変えるこ
とによって行なわれる。
【0017】次にその作用について説明する。まず、機
関の停止状態について説明すると、かかる状態において
感温作動部材15としてのバイメタル16は機関雰囲気
温度を感知して変形するもので、温度が高い状態にあっ
ては右方へ変形し、バイメタル16とロッド10の一端
面10Aとによって形成される間隙Tを小さく保持し、
温度の低い状態にあっては左方へ変形し、バイメタル1
6とロッド10の一端面10Aとによって形成される間
隙Tを大きく保持する。一方、かかる機関の停止状態に
あっては、コイル7へ電流が流れることがないので、ロ
ッド10を含む可動コア12はスプリング13のバネ力
によって右方へ押圧され、これによって弁体20は弁座
2を閉塞保持する。すなわち、かかる機関の停止状態に
あっては、弁体20はスプリング13のバネ力によって
弁座2を閉塞保持し、さらにロッド10の一端面10A
と感温作動部材15としてのバイメタル16とは、機関
雰囲気の温度状態に拘わらずその値は異なるものの間隙
Tをもって対向する。而して、機関停止状態において、
一次側流路3と二次側流路4とは弁体20にて閉塞保持
されているので、絞り弁より下流側の吸気管内のガソリ
ン蒸気が絞り弁より上流側の吸気管を介して大気に放出
されることがない。
【0018】次に機関雰囲気温度の高い状態(例えば5
0℃)における機関始動時及びアイドリング運転時にお
けるアイドリング空気制御について説明する。かかる状
態において、感温作動部材15としてのバイメタル16
は図1の点線で示される如く右方へ変形して配置され、
バイメタル16とロッド10の一端面10Aとの間には
小なる間隙T1が形成保持される。そして、機関の始動
に際してコイル7に電流が流れると、可動コア12はス
プリング13のバネ力に抗して固定コア9側に吸引作動
されるものであり、この可動コア12の固定コア9側へ
の移動は、ロッド10の一端面10Aがバイメタル16
に当接する迄の間、すなわち間隙T1に相当して移動す
るもので、弁体20は弁座2をT1だけ開放し、もって
高温始動に適した始動用空気を機関に向けて供給するこ
とができ、高温時における機関の始動を良好に行なうこ
とができたものである。そして、機関始動後における機
関のアイドリング運転時にあっては、そのアイドリング
空気量は、少なくとも前記機関始動時における空気量よ
り増量する必要は無いものであって、弁体20を含む可
動コア12の移動範囲は、間隙T1内にあってコイル7
に流れる電流の大きさに応じて移動して弁座2の有効開
口面積が制御されて所望のアイドリング空気が機関に供
給される。従って、機関の始動時にあっては、感温作動
部材15としてのバイメタル16によって規制される小
なる間隙T1に相当して弁体20が弁座2を開放して増
量された始動用空気を機関に供給し、機関始動以後のア
イドリング運転時にあっては、間隙T1内においてコイ
ル7を流れる電流の大きさに応じて適正なアイドリング
空気を機関に向けて供給できたものである。
【0019】次に機関雰囲気温度の低い状態(例えば−
30℃)における機関始動時及びアイドリング運転時に
おけるアイドリング空気制御について説明する。かかる
温度状態において、感温作動部材15としてのバイメタ
ル16は図1の一点鎖線で示される如く左方へ変形して
配置され、バイメタル16とロッド10の一端面10A
との間には大なる間隙T2が形成保持される。そして、
機関の始動に際してコイル7に電流が流れると、可動コ
ア12はスプリング13のバネ力に抗して固定コア9側
に吸引作動されるものであり、この可動コア12の固定
コア9側への移動は、ロッド10の一端面10Aがバイ
メタル16に当接する迄の間、すなわち間隙T2に相当
して大きく移動するもので、弁体20は弁座2をT1よ
り更に開放されたT2だけ開放し、もって高温始動に比
較して大きく増量された始動用空気を機関に向けて供給
することができ、低温時における機関の始動を良好に行
なうことができたものである。そして、機関始動後にお
ける機関のアイドリング運転時にあっては、そのアイド
リング空気量は、機関温度が上昇することもあいまって
少なくとも前記機関始動時における空気量より増量する
必要は無いものであって、弁体20を含む可動コア12
の移動範囲は、間隙T2内にあってコイル7に流れる電
流の大きさに応じて移動して弁座2の有効開口面積が制
御されて所望のアイドリング空気が機関に供給される。
尚、始動後の運転の経過とともに機関の温度は上昇し、
これによるとバイメタル16は右方へ変形してその間隙
T2を減少させるものであるので、可動コア12の移動
範囲もそれに応じて減少することになる。従って、機関
の始動時にあっては、感温作動部材15としてのバイメ
タル16によって規制される大なる間隙T2に相当して
弁体20が弁座2を大きく開放して大きく増量された始
動用空気を機関に供給し、機関始動以後のアイドリング
運転時にあっては、間隙T2内においてコイル7を流れ
る電流の大きさに応じて適正なアイドリング空気を機関
に向けて供給できたものである。
【0020】又、感温作動部材15としてのバイメタル
16が万が一に折損等を生じ、ロッド10の一端面10
Aに対して位置制御が不能となった場合において、機関
の始動を行なうべくコイル7に電流を流すと、ロッド1
0の一端面10Aは、バイメタル16の一側面16Bに
対向してカバー部材14に形成したストッパー部14A
に当接してロッド10の一側方(右方)への移動が抑止
されるので、弁体20の弁座2に対する開放もこの状態
にて停止させることができるものである。従って、かか
る状態における機関の始動時において、異常に機関の回
転が上昇させることを抑止できたものである。
【0021】以上の如く、前記第1の実施例によると、
感温作動部材15としてのバイメタル16とそれに対向
するロッド10の一端面10Aとが必ず当接されるの
は、機関の始動時と始動直後の暖機運転時のみであっ
て、機関停止状態においてはそれらを完全に非接触状態
とするとともに上記以外の運転時にあっても、ロッド1
0の一端面10Aはバイメタル16と直接的に当接する
ことはあまりなく、ロッド10の一端面10Aとバイメ
タル16とによって形成される間隙T内にあってその移
動が制御されてほぼ非接触状態としたので、バイメタル
16の板厚、材質、剛性、形状、更には弁体を閉方向側
に押圧するスプリングのバネ荷重の選定においてそれら
の摩耗を考慮する必要がなく、その選定を極めて容易に
行なうことができたものである。又、機関の停止時にお
いて、一次側流路と二次側流路とは弁体にて閉塞されて
いるので絞り弁より下流側の吸気管内に残留するガソリ
ン蒸気が大気に放出されることがないものである。更に
又、弁体20の弁座2に対する開放制御範囲は、弁座2
の閉状態からロッド10の一端面10Aがバイメタル1
6に当接する迄の間隙Tにおける全範囲に渡ってその開
口を制御でき、空気量の制御範囲を大きくとることがで
きるものであり、特に低温度状態において、空気量の制
御範囲を著しく拡大できたもので、例えば低温度状態の
機関減速運転時における空気量制御等、機関の空燃比制
御性を一層向上できたものである。
【0022】図2、図3に本発明になる電磁流体制御弁
の第二の実施例を示す。図2はその縦断面図、図3は図
2のA−A線における主にバイメタルの要部縦断面図で
ある。本第二の実施例は、感温作動部材としてのバイメ
タルが第一の実施例と異なる。第一の実施例と異なる部
分のみを説明する。30は、固定コア9のガイド孔9C
にベアリング11を介して長手方向に移動自在に配置さ
れるロッドであり、その他端(右端)は弁座2の近傍に
達してのびるとともに一端に傘状のダイヤフラム21を
備えた弁体20が取着される。そして、固定コア9の円
柱突部9Bの他端と弁体20との間のロッド30には固
定コア9の円柱突部9Bに対向する可動コア31が一体
的に取着される。そして可動コア31と弁体20との間
にあるロッド30から外周方向に向かって拡大する鍔部
32が形成される。一方感温作動部材33としてのバイ
メタル34は、ハウジング6の環状突部6Aの他端と弁
本体1の嵌合孔1Aの段部との間にスペーサ35を介し
てその外周部分が挟持されるもので、このバイメタル3
4は板状をなし、鍔部32の一側面32Aに間隙Tをも
って配置される。(鍔部32の一側面32Aとは弁座2
に対向する側面でない。) そして、バイメタル34と鍔部32の一側面32Aとに
よって形成される間隙Tは第一の実施例と同様に、高温
状態において小なる間隙をなし、高温状態において大な
る間隙を形成する。尚、バイメタル34の他の実施例が
図4に示される。
【0023】以上述べた第二の実施例によると、鍔部3
2は、可動コア31と弁体20との間に形成され、バイ
メタル34は鍔部32の一側面32Aに間隙Tをもって
配置されたもので、これによると、バイメタル34を機
関の冷却水が導入される冷却水通路5の近傍に配置で
き、冷却水温をバイメタル34に効果的に伝達すること
ができたもので、機関の温度を迅速にして且つ適確にバ
イメタル34に伝えてバイメタル34を動作することが
でき、もって機関の温度に対応した空気量制御を行なう
ことができたものである。尚、第二の実施例における他
の作用は第1の実施例と同様であるので省略する。
【0024】
【発明の効果】以上の如く、本発明になる電磁流体制御
弁の第1の特徴によると、感温作動部材としてのバイメ
タルにロッドの一端面が当接するのは、主に機関の始動
時及び始動直後の暖機運転時であって、その他の運転領
域にあっては当接することがほとんどなく、ロッドはバ
イメタルとロッドとの間に形成される間隙内においてコ
イルに流れる電流に応じて作動するものである。而し
て、バイメタルとロッドとの間の摩耗の発生を何等考慮
する必要がないもので、バイメタルの選定あるいは弁体
を弁座に押圧するスプリングの選定を極めて容易に且つ
効率的に行なうことができたものである。又、機関の停
止状態において、弁体は弁座を常に閉塞状態に保持しう
るもので、一次側流路から二次側流路を介して、絞り弁
より下流側の吸気管内にあるガソリン蒸気が大気に開放
されることがない。更に又、弁体の空気量制御範囲(い
いかえると弁体の弁座開放範囲)は、弁体の弁座閉塞状
態からロッドが感温作動部材としてのバイメタルに当接
する迄の間隙範囲内であり、これによると従来に増した
空気量の制御範囲が得られるもので良好な空気制御性が
得られるものである。
【0025】又、本発明になる電磁流体制御弁の第2の
特徴によると、感温作動部材としてのバイメタルを冷却
水通路の近傍に配置することができたもので、機関温度
を適確にバイメタルに伝達でき、機関温度に相対して空
気制御を行なうことができたものである。
【0026】又、本発明になる電磁流体制御弁の第3の
特徴によると、仮に感温作動部材としてのバイメタルが
不作動状態となった際、弁体が開放側に移動するロッド
の移動はストッパー部によって制限されるので、機関の
回転が一定以上に上昇することが抑止されるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる電磁流体制御弁の第一の実施例を
示す縦断面図。
【図2】本発明になる電磁流体制御弁の第二の実施例を
示す縦断面図。
【図3】図2のA−A線におけるバイメタルの要部縦断
面図。
【図4】バイメタルの他の実施例を示すバイメタルの要
部縦断面図。
【符号の説明】
S 電磁装置 V 弁装置 2 弁座 6 ハウジング 7 コイル 8 コイルボビン 9 固定コア 10 ロッド 10A ロッドの一端面 12 可動コア 13 スプリング 14A ストッパー部 15,33 感温作動部材 16 バイメタル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁本体を弁座にて一次側流路と二次側流
    路とに区分し、前記二次側流路に臨んで形成される弁座
    を、コイルに生起する磁力によって動作する可動コアに
    一体的に取着された弁体によって開閉制御する電磁流体
    制御弁において、有底筒状のハウジング6と、ハウジン
    グ6内に配置されるとともにその外周にコイル7が巻回
    わされたコイルボビン8と、コイルボビン8内に固定し
    て配置された固定コア9と、固定コア9内を、その長手
    方向に沿って移動自在に配置されるロッド10に取着さ
    れ、前記固定コアに対向して配置された可動コア12
    と、によって電磁装置Sを形成し、スプリング13にて
    弁座2を閉塞するよう付勢された弁体20を可動コア1
    2又はロッド10に一体的に取着し、一方、ロッド10
    には、コイル7への非通電時において、ロッド10の長
    手方向において間隙Tを形成するとともに、該間隙を温
    度の低い状態において大であって、温度の高い状態にお
    いて小となる感温作動部材15を対向配置したことを特
    徴とする電磁流体制御弁。
  2. 【請求項2】 弁本体を弁座にて一次側流路と二次側流
    路とに区分し、前記二次側流路に臨んで形成される弁座
    を、コイルに生起する磁力によって動作する可動コアに
    一体的に取着された弁体によって開閉制御する電磁流体
    制御弁において、有底筒状のハウジング6と、ハウジン
    グ6内に配置されるとともにその外周にコイル7が巻回
    わされたコイルボビン8と、コイルボビン8内に固定し
    て配置された固定コア9と、固定コア9内を、その長手
    方向に沿って移動自在に配置されるロッド10に取着さ
    れ、前記固定コアに対向して配置された可動コア12
    と、によって電磁装置Sを形成し、スプリング13にて
    弁座2を閉塞するよう付勢された弁体20を可動コア1
    2又はロッド10に一体的に取着し、一方、可動コア1
    2と弁体20との間に、その外周方向に向かって拡大す
    る鍔部32を形成し、コイル7への非通電時において、
    ロッド10の長手方向において鍔部32との間に間隙T
    を形成するとともに、該間隙を温度の低い状態において
    大であって、温度の高い状態において小となる感温作動
    部材33を対向配置したことを特徴とする電磁流体制御
    弁。
  3. 【請求項3】 前記、感温作動部材を板状のバイメタル
    16にて形成するとともに固定コア9を貫通するロッド
    10の一端面10Aをバイメタル16の他側面16Aに
    対向して配置し、バイメタル16の一側面16Bにスト
    ッパー部14Aを対向して配置し、前記バイメタルを温
    度上昇とともにストッパー部14Aより離れ、ロッド1
    0の一端面10Aに近づくよう配置したことを特徴とす
    る請求項1記載の電磁流体制御弁。
JP6210641A 1994-08-11 1994-08-11 電磁流体制御弁 Pending JPH0861548A (ja)

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