JPH0861117A - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

Info

Publication number
JPH0861117A
JPH0861117A JP22243994A JP22243994A JPH0861117A JP H0861117 A JPH0861117 A JP H0861117A JP 22243994 A JP22243994 A JP 22243994A JP 22243994 A JP22243994 A JP 22243994A JP H0861117 A JPH0861117 A JP H0861117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel ratio
air
fuel
target air
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22243994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3551488B2 (ja
Inventor
Futoshi Nishioka
太 西岡
Tetsushi Hosogai
徹志 細貝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP22243994A priority Critical patent/JP3551488B2/ja
Priority to US08/497,330 priority patent/US5685283A/en
Publication of JPH0861117A publication Critical patent/JPH0861117A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3551488B2 publication Critical patent/JP3551488B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 目標空燃比の切り換えに伴うトルクショック
を防止しつつ、空燃比がリーンからリッチへの移行する
際の燃焼安定性を確保してエンストを防止し、特に、オ
フアイドルからアイドルへの移行時のような減速に伴う
リーンからリッチへの移行時の出力低下とオーバーリー
ンによるエンストを防止する。 【構成】 例えばオフアイドルの目標空燃比をリーンと
し、アイドルの目標空燃比を理論空燃比(λ=1)とし
た場合に、λ=1ゾーンからリーンゾーンへ移行する時
にはトルクショック防止を重視して比較的ゆっくりとし
た速度で目標空燃比を切り換え、リーンゾーンからλ=
1ゾーンへ移行する時にはエンスト防止を重視して速く
切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、運転領域によって空燃
比の設定をリーン側とリッチ側とに切り換えるエンジン
の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用等のエンジンにおいて、比較的
低負荷側の所定運転領域ではエンジンの燃焼室に供給す
る混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーン(空燃比
大)側に設定して運転することにより燃費向上を図るよ
うにしたものが従来から知られている。そして、このよ
うにリーン空燃比で運転する領域を有するエンジンで
は、運転領域が変わって空燃比の設定をリーンからリッ
チへ、あるいはリッチからリーンへ移行させる時に、ト
ルクショックが生じないよう、その移行を徐々に行うよ
うな制御が行われている。また、特開昭63−1285
0号公報に記載されているように、一部運転領域で目標
空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定するエンジン
において、目標空燃比の設定をリーン側から理論空燃比
に切り換える時には切換速度を比較的遅くすることによ
ってショック防止を図り、一方、理論空燃比側の設定か
らリーン側の設定に切り換える時は、切換速度を速くし
て、NOx排出量が増大する空燃比16あたりの領域を
速やかに通過させるようにしたものも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】比較的低負荷の領域で
空燃比を理論空燃比よりもリーン側の設定にすることに
よって燃費向上を図る所謂リーンバーンエンジンの場合
でも、アイドル領域では、空燃比がリーンであると燃焼
安定性が確保できないためリッチ空燃比(例えば理論空
燃比)に切り換えるのが普通である。この場合、従来の
制御では、オフアイドルの低負荷領域からアイドル領域
に入った時に空燃比はリーン空燃比から理論空燃比へと
徐々に移行する。しかしながら、オフアイドルからアイ
ドルに移行する時というのは、負荷が低下し、また、減
速によりエンジン回転が落ちて、特に急ブレーキ時には
回転落ちが大きくなってエンジン出力が低下する。ま
た、空燃比は徐々移行によりリーンの状態を引きずるの
で、アイドル時のリーン限界を越える場合があり、オー
バーリーンによる失火が起きやすい。そのため、従来の
制御では、このような出力低下と失火が重なることによ
てエンストが発生しやすいという問題があった。
【0004】また、空燃比をリーンからリッチへ、ある
いはリッチからリーンへ切り換える時のトルクショック
を防止するためには、上記のように目標空燃比の移行を
徐々に行うことが有効であるが、そのうち、リーン空燃
比からリッチ空燃比への移行時というのは、本来は速や
かにリッチ空燃比に移行することが要求されるわけで、
リッチ側への移行が遅れると燃焼安定性が悪化する。従
来の空燃比制御はこのような燃焼性の悪化を伴うもの
で、アイドル時でなくても、リーンからリッチに移行す
る際にエンストを起こす恐れがあった。
【0005】本発明はこのような問題点を解決するため
のものであって、目標空燃比の切り換えに伴うトルクシ
ョックを防止しつつ、空燃比がリーンからリッチへの移
行する際の燃焼安定性を確保してエンストを防止し、特
に、オフアイドルからアイドルへの移行時のような減速
に伴うリーンからリッチへの移行時の出力低下とオーバ
ーリーンによるエンストを防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、目標空燃比の
切り換えに際しトルクショック防止の観点から一律に切
換速度を遅くしたのでは上述のようなエンストの問題が
あること、また、そのような問題を解決するには、燃焼
安定性を悪化させる懸念の少ないリーン側への移行時に
おいてはトルクショック防止を重視した切換速度の設定
を行い、リッチ側への移行時には、トルクショック防止
を多少犠牲にしてもエンスト防止のため切換速度を大き
くするのが有利であることを見いだしたことによるもの
であって、その構成はつぎのとおりである。
【0007】本発明の構成は、空燃比調整手段を駆動制
御してエンジンの燃焼室に供給する混合気の空燃比を目
標空燃比に制御するエンジンの空燃比制御装置であっ
て、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段
と、前記運転状態検出手段により検出されたエンジンの
運転状態が予め設定された第1の運転領域にある時は当
該エンジンの目標空燃比を燃料リーン側の第1の目標空
燃比に設定し、前記運転状態が前記第1の運転領域に隣
接する予め設定された第2の運転領域にある時は当該エ
ンジンの目標空燃比を燃料リッチ側の第2の目標空燃比
に設定する目標空燃比設定手段と、前記目標空燃比設定
手段による目標空燃比の設定が燃料リーン側の前記第1
の目標空燃比と燃料リッチ側の前記第2の目標空燃比と
の間を移行する時に、燃料リーン側の前記第1の目標空
燃比から燃料リッチ側の前記第2の目標空燃比に移行す
る時の移行速度が燃料リッチ側の前記第2の目標空燃比
から燃料リーン側の前記第1の目標空燃比に移行する時
の移行速度に対して大きくなるよう切換速度を変更する
切換速度変更手段と、前記目標空燃比設定手段により設
定された目標空燃比となるよう制御量を設定し前記空燃
比調整手段を制御する駆動制御手段を備えたことを特徴
とする。
【0008】また、本発明は、上記構成において、例え
ば、前記第2の運転領域が、エンジン負荷が設定値以下
の領域であり、前記第1の運転領域が、前記第2の運転
領域よりもエンジン負荷が大きい領域であり、したがっ
て、エンジン負荷が設定値以下の領域で目標空燃比を燃
料リッチ側に設定し、エンジン負荷が設定値より大きい
領域で目標空燃比を燃料リーン側に設定するものであっ
てよい。
【0009】そして、本発明は、前記設定値がエンジン
のアイドル運転時の負荷に相当する値であり、したがっ
て、アイドル領域で目標空燃比を燃料リッチ側に設定
し、オフアイドル領域で目標空燃比を燃料リーン側に設
定するものであってよい。
【0010】また、本発明は、燃料リーン側の前記第1
の目標空燃比が理論空燃比よりも大きい空燃比であり、
燃料リッチ側の前記第2の目標空燃比が理論空燃比であ
ってよい。
【0011】また、本発明は、前記目標空燃比設定手段
を、目標空燃比の移行時に移行前の運転領域における目
標空燃比の反映度合を段階的に小さくするとともに移行
後の運転領域における目標空燃比の反映度合を段階的に
大きくするものとし、前記切換速度変更手段を、燃料リ
ーン側の前記第1の目標空燃比から燃料リッチ側の前記
第2の目標空燃比に移行する時と、燃料リッチ側の前記
第2の目標空燃比から燃料リーン側の前記第1の目標空
燃比に移行する時とで、前記各反映度合を変えることに
より前記切換速度の変更を行うものとすることができ
る。
【0012】図1は本発明の全体構成図である。
【0013】
【作用】本発明の上記構成によれば、エンジンの運転状
態が予め設定された第1の運転領域にある時は目標空燃
比が燃料リーン側に設定され、また、第2の運転領域に
ある時は同目標空燃比が燃料リッチ側に設定され、それ
ぞれ設定された目標空燃比となるようエンジンの燃焼室
に供給する混合気の空燃比が制御される。そして、エン
ジンの運転状態の変化に伴い目標空燃比の設定がリーン
側からリッチ側へ移行する時には、その移行速度が大き
くされる。それにより、空燃比が速やかにリッチ側に移
行し、燃焼安定性の悪化によるエンストが防止される。
一方、目標空燃比の設定がリッチ側からリーン側へ移行
する時には、その移行速度が比較的小さくされ、トルク
ショックが防止される。
【0014】また、本発明によれば、エンジン負荷が設
定値以下の領域において目標空燃比が燃料リーン側に設
定され、エンジン負荷がそれより大きい領域において目
標空燃比が燃料リッチ側に設定されるものである場合、
減速に伴って目標空燃比の設定がリーン側からリッチ側
へ移行する時に、その移行速度が大きくされ空燃比が速
やかにリッチ側に移行することによって燃焼安定性の悪
化に伴う失火が防止され、負荷が低下し回転が落ちるこ
とによる出力の低下と燃焼安定性の悪化が重なってエン
ストが発生するのが防止される。そして、特に、前記設
定値がアイドル運転時の負荷に相当する値である場合
に、急ブレーキ時等の負荷低下と回転落ちとによる出力
低下にオーバーリーンによる失火が重なることによるエ
ンストが防止される。
【0015】上記作用は、例えば燃料リーン側の目標空
燃比が理論空燃比よりも大きい空燃比であり、燃料リッ
チ側の目標空燃比が理論空燃比である場合に得られる。
【0016】また、上記作用は、目標空燃比設定手段
が、目標空燃比の移行時に移行前の運転領域における目
標空燃比の反映度合を段階的に小さくするとともに移行
後の運転領域における目標空燃比の反映度合を段階的に
大きくするものであり、前記切換速度変更手段が、燃料
リーン側の前記第1の目標空燃比から燃料リッチ側の前
記第2の目標空燃比に移行する時と、燃料リッチ側の前
記第2の目標空燃比から燃料リーン側の前記第1の目標
空燃比に移行する時とで、前記各反映度合を変えること
により前記切換速度の変更を行うものである場合に得る
ことができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0018】図2は本発明の一実施例のシステム図であ
る。図において、1はエンジン本体である。該エンジン
本体1は列型配置の複数の気筒を形成するシリンダブロ
ック2と、その各気筒に配置されたピストン3と、シリ
ンダブロック2の上部に固定されたシリンダヘッド4
と、シリンダブロック2の底部を覆うオイルパン5と、
シリンダヘッド4の頭部を覆うヘッドカバー6とで構成
されている。
【0019】エンジンの吸気系は、シリンダヘッド4に
連結された吸気マニホールド7と、吸気マニホールド7
の入口に連結されたスロットルボディー8と、スロット
ルボディー8の上流に配置された吸気管9と、吸気管9
の入口に設けられたエアフローメータ10と、その上流
側のエアクリーナ11とで構成されている。そして、ス
ロットルボディー8にはバタフライ形のスロットル弁1
2が配置されている。
【0020】吸気マニホールド7に形成される各気筒の
独立吸気通路7aは、それぞれ下流側が二つの通路部分
に分岐し、その一方の通路部分に低負荷側の所定運転領
域で閉じるスワールコントロールバルブ(SCV)13
が配置されている。分岐した二つの通路部分はそれぞれ
各気筒の独立した二つの吸気ポートに連通する。スワー
ルコントロールバルブ13を閉じると、各気筒の燃焼室
に片方の吸気ポート(スワールポート)から吸気が導入
され、それにより、燃焼室内にスワールが生成される。
また、分岐した通路部分の他方には燃料噴射弁14が設
けられている。
【0021】吸気系には、また、スロットル弁12を迂
回するバイパス通路15が形成され、このバイパス通路
15にはバイパス流量を制御するデューティー制御式の
アイドルスピードコントロール(ISC)弁16が配置
されている。
【0022】また、上記バイパス通路15から分岐して
燃料噴射弁14にエアを導くエア通路17が設けられて
いる。燃料噴射弁14にはこのエア通路を介して燃料気
化霧化用のエアが供給される。そして、アイドル時に閉
じるソレノイド弁18が上記エア通路17に配設されて
いる。アイドル時にはこのソレノイド弁18が閉じてス
ロットル弁12を迂回するエア量の増大を抑え、ISC
弁16によるアイドル回転数のフィードバック制御に支
障が生ずるのを防止する。
【0023】上記エア通路17にはソレノイド弁18の
下流にチャンバー19が設けられ、このチャンバー19
に後述のパージ通路41が接続されている。
【0024】スワールコントロールバルブ13は、ダイ
アフラム式の負圧アクチュエータ20により駆動するも
のであって、このアクチュエータ20に吸気マニホール
ド7の集合部から作動負圧を導く負圧通路21が設けら
れ、この負圧通路21には集合部側から順にチェック弁
22,バキュームチャンバー23,ソレノイド弁24お
よび1ウエイバルブ25が配設されている。
【0025】また、エンジンの排気系は、シリンダヘッ
ド4に対し吸気マニホールド7と対向する位置に連結さ
れた排気マニホールド26と、その先端集合部に連結さ
れた触媒コンバータ27と、該触媒コンバータ27の下
流側に連結された排気管28とで構成されている。そし
て、触媒コンバータ27の上流側には、燃焼室に供給さ
れる混合気の空燃比に関連して排気ガス中の酸素濃度に
対しリニアな出力特性を示すリニアO2センサ29が配
設されている。また、触媒コンバータ27には、触媒温
度を検出する触媒温度センサ30が設けられている。
【0026】各気筒に対する独立吸気通路7aに配置さ
れた各燃料噴射弁14には、燃料タンク31内の燃料
(ガソリン)が燃料供給通路32を介して供給される。
また、各燃料噴射弁14からは余剰燃料が燃料リターン
通路33を介して燃料タンク31に戻される。
【0027】上記燃料供給通路32は燃料タンク31に
内蔵された燃料ポンプ34の吐出口に接続されている。
そして、燃料ポンプ34の吸込側に低圧側の燃料フィル
タ35が設けられ、燃料供給通路32に高圧側の燃料フ
ィルタ36が配置されている。また、燃料リターン通路
33には燃圧調整のためのプレッシャレギュレータ37
が配設されている。
【0028】また、燃料タンク31の上部空間は連通路
38によってキャニスタ39に接続され、その連通路3
8の途中には2ウエイバルブ40が介設されている。そ
して、キャニスタ39のパージ出口から延びるパージ通
路41が、上記エア通路17の途中のチャンバー19に
連通され、そのパージ通路41の途中にはデューティー
制御式の流量制御弁であるパージバルブ42が介設され
ている。また、プレッシャレギュレータ37には、基準
圧となるブースト圧を導くブースト圧通路43が接続さ
れている。
【0029】図2において、44はマイクロコンピュー
タによって構成されたエンジンコントロールユニットで
ある。このエンジンコントロールユニット44には、エ
ンジン点火系のディストリビュータ45からのクランク
角信号および回転信号が入力され、エアフローメータ1
0からの吸入空気量信号,リニアO2センサ29からの
空燃比信号,触媒温度センサ30からの触媒温度信号が
入力される。また、その他、スロットル弁12の開度を
検出するスロットルセンサ46の検出信号,エンジン冷
却水温を検出する水温センサ47の検出信号,エアクリ
ーナー11に設置された吸気温センサ48の検出信号等
がエンジンコントロールユニット43に入力される。そ
して、エンジンコントロールユニット43では、各種信
号に基づいて点火時期,燃料噴射量,バイパスエア量,
パージ流量等の演算が行われる。そして、イグナイタ
(図示せず),燃料噴射弁14,ISC弁16,パージ
バルブ42等にそれぞれ制御信号が出力される。
【0030】エンジンの空燃比制御は燃料噴射量の制御
によって行われる。そのため、回転信号からエンジン回
転数が演算され、その演算されたエンジン回転数と吸入
空気量に基づいて基本噴射量が演算され、それに水温補
正,吸気温信号等の各種補正が加えられ、さらに、低中
負荷側の所定フィードバック領域において水温が所定値
(例えば40゜C)以上という空燃比フィードバック制
御実行条件が成立したときは、リニアO2センサ29の
出力に基づいて空燃比を目標空燃比に収束させるための
空燃比フィードバック補正量が演算され、また、後述の
パージ補正量による補正が加えられて最終的な燃料噴射
量が決定される、そして、その燃料噴射量に相当する噴
射パルスが燃料噴射弁14に出力され、燃料噴射が実行
される。
【0031】アイドル時のエンジン回転数は、バイパス
エア量のフィードバック制御によって所定の目標アイド
ル回転数に制御される。そのため、実エンジン回転数と
目標アイドル回転数との偏差を基にISC弁16の駆動
デューティーが演算されISC弁16が制御される。
【0032】燃料タンク31内に発生した蒸発燃料はキ
ャニスタ39に吸着貯溜され、パージ実行条件成立時に
吸気系に供給される。そして、空燃比フィードバック領
域であって所定のパージ実行条件が成立した時に、エン
ジンの運転状態に応じたパージ流量となるようマップに
よりバージバルブ42の制御デューティーが設定され、
パージバルブ42が駆動される。その際、この蒸発燃料
の供給による空燃比のずれを補正するためパージバルブ
42の流量特性に基づいたパージ補正量が設定され、こ
のパージ補正量によって燃料噴射量の制御に補正が加え
られる。
【0033】空燃比フィードバック制御における目標空
燃比は、エンジンの回転数と負荷によって、理論空燃比
よりも燃料リーン側の所定空燃比(第1の目標空燃比)
と、理論空燃比(第2の目標空燃比)と、燃料リッチ側
の所定空燃比とに切り換えられる。図3はこの目標空燃
比設定の領域図である。図3のリーンゾーンは、比較的
低負荷低回転の領域(第1の運転領域)であり、この領
域では目標空燃比は理論空燃比よりも燃料リーン側の設
定とされる。また、図3のλ=1ゾーンは、アイドル運
転に相当する領域で、この領域では理論空燃比が目標空
燃比とされる。また、図3のエンリッチゾーンは、高負
荷高回転側の領域であって、目標空燃比は理論空燃比も
しくはそれより燃料リーン側に設定される。したがっ
て、エンジンの負荷および回転数が図3に矢印Aで示す
ようにλ=1ゾーンからリーンゾーンへ移行すると、目
標空燃比の設定はリーンからリッチ(λ=1)に切り換
えられる。また、逆に、エンジンの負荷および回転数が
図3に矢印Bで示すようにリーンゾーンからλ=1ゾー
ンへ移行すると、目標空燃比の設定はリッチ(λ=1)
からリーンに切り換えられる。その際、これら移行時の
目標空燃比の切り換えは、λ=1ゾーンからリーンゾー
ンへ移行する場合(A)には、トルクショック防止を重
視した比較的ゆっくりとした速度で行われ、リーンゾー
ンからλ=1ゾーンへ移行する場合(B)はエンスト防
止を重視した速い速度で行われる。図4は、これら
(A)と(B)のそれぞれの目標空燃比の切り換えを示
すタイムチャートである。
【0034】つぎに、図5および図6に示すフローチャ
ートによってこの実施例の空燃比制御における目標空燃
比の設定と、空燃比を目標空燃比に収束させるための燃
料噴射量制御のフィードバック補正量の演算を具体的に
説明する。
【0035】まず、図5は目標空燃比を設定する処理の
フローチャートであって、ステップS1〜ステップS1
1からなり、スタートすると、S1でリーンバーン実行
フラグxleanおよび空燃比切換係数cgmodを初
期化する。すなわち、xlean=0、cgmod=0
とする。ここで、xleanは、オフアイドルで、水温
がリーンバーン実行水温(例えば88゜C以上)で、さ
らに、スワールコントロールバルブ(SCV)閉作動領
域であるというリーンバーン実行条件が成立した時にセ
ット(xlean=1)するものである。また、cgm
odは、目標空燃比を切り換える時の切換速度を決める
係数である。
【0036】S1でxleanおよびcgmodを初期
化したら、つぎに、S2でアイドルフラグxidleを
見る。xidleはアイドル時には1で、オフアイドル
時には0(ゼロ)となるもので、その処理は別途ルーチ
ンによる。
【0037】S2で、xidleが0であれば、オフア
イドルで、図3のλ=1ゾーンより高負荷側ということ
であって、このときは、S3でエンジン水温thwがリ
ーンバーン実行水温であるα(例えば88゜C)以上か
どうかを見る。そして、thwがα以上であれば、さら
にS4で、スワールコントロールバルブ(SCV)が閉
じる領域かどうか、すなわち、図3のエンリッチゾーン
より低負荷側かどうか見る。
【0038】S4で、SCVが閉じる領域というとき
は、オフアイドル,水温α以上,SCV閉という、リー
ンバーン実行のための三つの条件が成立したということ
で、S5でリーンバーン実行フラグxleanを立てる
(xlean=1)。そして、S6へ進み、cgmod
を、前回値cgmod[i−1]を定数βだけ大きくし
た値に1という上限ガードをかけた値に設定する。β
は、cgmodの移行速度を遅速側に設定する定数で、
0≦β≦1であり、かつ、後述の定数γに対し、β<γ
である。
【0039】S6でcgmodを設定すると、S7へ進
み、図3のλ=1ゾーンに対応したリッチ側の目標空燃
比(理論空燃比)cafrと図3のリーンゾーンに対応
したリーン側の目標空燃比caflとを、上記係数cg
modを用いて重み付けし、1回毎にリーン側の目標空
燃比caflの反映度合を大きくする形で両者を足し込
んで目標空燃比cafを設定する。この場合、βの値が
小さいことにより、cgmodの増加は緩やかで、ca
fはリッチ側のcafrが長く反映することになり、緩
やかにリーン側の設定に移行する。そして、cgmod
が上限値1に張り付いて、caf=caflとなる。
【0040】また、S2でxleanが0でないとき、
すなわち、xlean=1であれば、アイドルというこ
とで、この時はS8でリーンバーン実行フラグxlea
nを0(ゼロ)にセットする。そして、S9へ進み、c
gmodを、前回値cgmod[i−1]を定数γだけ
小さくし、下限ガード0をかけた値に設定する。γは、
cgmodの移行速度を急速側に設定する定数で、0≦
γ≦1であり、かつ、上述のように、β<γである。そ
して、S7へ進み、cafrとcaflとを係数cgm
odを用いて重み付けして、この場合は1回毎にリッチ
側の目標空燃比cafrの反映度合を大きくする形で両
者を足し込んだ値を目標空燃比cafとする。この場
合、γの値が大きいことにより、cgmodは急速に減
少し、cafはリーン側のcaflを長く反映させない
で速やかにリッチ側の設定に移行する。そして、cgm
odが下限値0に張り付いて、caf=cafrとな
る。
【0041】また、S2でオフアイドルであっても、S
3の判定で水温thwがαより低いときは、リーンバー
ン実行条件が成立せず、目標空燃比をリッチ側に設定す
るということで、S10でリーンバーン実行フラグxl
eanを0(ゼロ)にセットし、この場合は、S11
で、cgmodを、前回値cgmod[i−1]を定数
βだけ小さくし、下限ガード0をかけた値に設定する。
また、S4でSCVが閉じる領域でないというときは、
図3のエンリッチゾーンということで、この場合もやは
りS10でリーンバーン実行フラグxleanを0(ゼ
ロ)にセットし、S11で、cgmodを、前回値cg
mod[i−1]を定数βだけ小さくし、下限ガード0
をかけた値に設定する。
【0042】こうして設定した目標空燃比cafに基づ
き、図6のフローチャートによりフィードバック補正量
cfbを演算する。
【0043】図6のフローチャートは、ステップP1〜
ステップP5からなり、スタートすると、まずP1で今
回の目標空燃比caf[k]とリニアO2センサ出力l
afs[k]との偏差daf[k]を求める。そして、
その偏差daf[k]を基に、P2〜P4の各ステップ
でcfbの比例項cfbp,積分項cfbi,微分項c
fbdを順次演算する。
【0044】すなわち、P2で、上記偏差daf[k]
に比例ゲインkpを掛けた値を今回の比例項cfbp
[k]とする。
【0045】また、P3で、偏差daf[k]を1回当
たりの加減量クリップ値αでガードした値に積分ゲイン
Iを掛け、それを前回値cfbi[k−1]に足し込
んだものを今回の積分項cfbi[k]とする。
【0046】また、P4で、今回の偏差daf[k]と
前回の偏差daf[k−1]の偏差に比例ゲインkD
掛けたものを今回の微分項cfbd[k]とする。
【0047】そして、P5で、これら比例項cfbp
[k]と積分項cfbi[k]と微分項cfbd[k]
を足し込んだものを、今回の最終的なフィードバック補
正量cfb[k]とする。
【0048】なお、上記実施例においては、スワールコ
ントロールバルブを有するエンジンについて説明した
が、本発明はそのようなエンジンに限定されるものでは
なく、オフアイドルで目標空燃比をリーン設定としアイ
ドルで目標空燃比をリッチ設定とするエンジンに対し一
般に適用できるものである。また、本発明は、このよう
なアイドルとオフアイドルとの間で目標空燃比を切り換
える場合に限るものではなく、一般にリーン領域とリッ
チ領域との間の移行時の空燃比制御に適用し、リーンか
らリッチに移行する際の目標空燃比の移行を速くし、リ
ッチからリーンに移行する際の移行を遅くすることによ
って、トルクショックを防止しつつ燃焼安定性の悪化に
よるエンストを防止するようにできる。
【0049】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、目標空燃比がリーンからリッチへ移行する際には移
行を速やかにに行わせるようにして燃焼安定性の悪化に
よるエンストが防止することができ、目標空燃比がリッ
チからリーンへ移行する際には移行を緩やかにしてトル
クショックを防止するようにでき、目標空燃比の切り換
えに伴うトルクショックの防止とエンストの防止とを可
及的に両立させることができる。
【0050】また、減速に伴って目標空燃比の設定がリ
ーン側からリッチ側へ移行する時に速やかにリッチ側に
移行させるようにして燃焼安定性の悪化に伴う失火を防
止し、出力の低下に燃焼安定性の悪化が重なることによ
るエンストの発生を防止することができる。そして、特
に、オフアイドルからアイドルへの移行時のような減速
に伴うリーンからリッチへの移行時の出力低下とオーバ
ーリーンによるエンストを防止するができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成図。
【図2】本発明の一実施例のシステム図。
【図3】本発明の一実施例における目標空燃比設定の領
域図。
【図4】本発明の一実施例における目標空燃比切り換え
のタイムチャート。
【図5】本発明の一実施例における目標空燃比設定のフ
ローチャート。
【図6】本発明の一実施例における空燃比フィードバッ
ク補正量演算のフローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン本体 10 エアフローメータ 13 スワールコントロールバルブ 14 燃料噴射弁 29 リニアO2センサ 44 エンジンコントロールユニット 45 ディストリビュータ 46 スロットルセンサ 47 水温センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空燃比調整手段を駆動制御してエンジン
    の燃焼室に供給する混合気の空燃比を目標空燃比に制御
    するエンジンの空燃比制御装置であって、エンジンの運
    転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検
    出手段により検出されたエンジンの運転状態が予め設定
    された第1の運転領域にある時は当該エンジンの目標空
    燃比を燃料リーン側の第1の目標空燃比に設定し、前記
    運転状態が前記第1の運転領域に隣接する予め設定され
    た第2の運転領域にある時は当該エンジンの目標空燃比
    を燃料リッチ側の第2の目標空燃比に設定する目標空燃
    比設定手段と、前記目標空燃比設定手段による目標空燃
    比の設定が燃料リーン側の前記第1の目標空燃比と燃料
    リッチ側の前記第2の目標空燃比との間を移行する時
    に、燃料リーン側の前記第1の目標空燃比から燃料リッ
    チ側の前記第2の目標空燃比に移行する時の移行速度が
    燃料リッチ側の前記第2の目標空燃比から燃料リーン側
    の前記第1の目標空燃比に移行する時の移行速度に対し
    て大きくなるよう切換速度を変更する切換速度変更手段
    と、前記目標空燃比設定手段により設定された目標空燃
    比となるよう制御量を設定し前記空燃比調整手段を制御
    する駆動制御手段を備えたことを特徴とするエンジンの
    空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の運転領域はエンジン負荷が設
    定値以下の領域であり、前記第1の運転領域は前記第2
    の運転領域よりもエンジン負荷が大きい領域である請求
    項1記載のエンジンの空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 前記設定値はエンジンのアイドル運転時
    の負荷に相当する値である請求項2記載のエンジンの空
    燃比制御装置。
  4. 【請求項4】 燃料リーン側の前記第1の目標空燃比は
    理論空燃比よりも大きい空燃比であり、燃料リッチ側の
    前記第2に目標空燃比は理論空燃比である請求項1,2
    または3記載のエンジンの空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】 前記目標空燃比設定手段は、目標空燃比
    の移行時に移行前の運転領域における目標空燃比の反映
    度合を段階的に小さくするとともに移行後の運転領域に
    おける目標空燃比の反映度合を段階的に大きくするもの
    であり、前記切換速度変更手段は、燃料リーン側の前記
    第1の目標空燃比から燃料リッチ側の前記第2の目標空
    燃比に移行する時と、燃料リッチ側の前記第2の目標空
    燃比から燃料リーン側の前記第1の目標空燃比に移行す
    る時とで、前記各反映度合を変えることにより前記切換
    速度の変更を行うものである請求項1,2,3または4
    記載のエンジンの空燃比制御装置。
JP22243994A 1994-07-01 1994-08-23 エンジンの空燃比制御装置 Expired - Fee Related JP3551488B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22243994A JP3551488B2 (ja) 1994-08-23 1994-08-23 エンジンの空燃比制御装置
US08/497,330 US5685283A (en) 1994-07-01 1995-06-30 Air-fuel ratio control system for engine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22243994A JP3551488B2 (ja) 1994-08-23 1994-08-23 エンジンの空燃比制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0861117A true JPH0861117A (ja) 1996-03-05
JP3551488B2 JP3551488B2 (ja) 2004-08-04

Family

ID=16782423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22243994A Expired - Fee Related JP3551488B2 (ja) 1994-07-01 1994-08-23 エンジンの空燃比制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3551488B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112166245A (zh) * 2018-05-31 2021-01-01 株式会社电装 内燃机的控制装置以及内燃机的控制方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112166245A (zh) * 2018-05-31 2021-01-01 株式会社电装 内燃机的控制装置以及内燃机的控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3551488B2 (ja) 2004-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3211677B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関の点火時期制御装置
US6877479B2 (en) Apparatus and a method for controlling an internal combustion engine
JP3248439B2 (ja) 筒内噴射型内燃機関の制御装置
USRE39137E1 (en) Control apparatus for cylinder fuel injection internal combustion engines
JP3273174B2 (ja) エンジンの制御装置
US6390083B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine
JP3551488B2 (ja) エンジンの空燃比制御装置
JPH09324672A (ja) リーンバーンエンジンの燃料噴射時期制御装置
JPH10246143A (ja) ガスエンジンの過回転防止装置
JP3204113B2 (ja) 排気ガス還流制御装置
JP2515300B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JPS6263128A (ja) エンジンの燃料制御装置
JP3193103B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2906052B2 (ja) エンジンの排気還流制御装置
JP3575075B2 (ja) エンジンの空燃比制御装置
JP3937702B2 (ja) 内燃機関のエバポパージ制御装置
JP2853436B2 (ja) 内燃機関の吸入空気量制御装置
JP2002013437A (ja) 筒内噴射式内燃機関の制御装置
JP3161248B2 (ja) Egr装置付内燃機関の空燃比制御装置
JPH07109941A (ja) エンジンの燃料制御装置
JP2913835B2 (ja) 燃料蒸発ガス排出抑止装置
JPH08312399A (ja) 吸気制御装置
JPH06108894A (ja) エンジンの吸気装置
JPS62191628A (ja) 多気筒内燃機関の吸気路装置
JPH10299536A (ja) 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040419

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees