JPH086099B2 - 噴流層式石炭ガス化炉のスラグ排出装置 - Google Patents

噴流層式石炭ガス化炉のスラグ排出装置

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JPH086099B2
JPH086099B2 JP2016549A JP1654990A JPH086099B2 JP H086099 B2 JPH086099 B2 JP H086099B2 JP 2016549 A JP2016549 A JP 2016549A JP 1654990 A JP1654990 A JP 1654990A JP H086099 B2 JPH086099 B2 JP H086099B2
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芳樹 渡部
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バブコツク日立株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は噴流層式石炭ガス化炉に係り、特にガス化炉
からスラグを安定して排出するのに好適なスラグ排出装
置に関する。
〔従来の技術〕
従来の噴流層式石炭ガス化炉のスラグ排出装置は、特
開昭62−236891号公報に記載されているように、ガス化
炉の底部にスラグタップとガスタップが設けられ、微粉
砕された石炭を石炭供給バーナからガス化炉のガス化室
へ接線方向に吹込むことによりガス化室内部で旋回流を
起こさせ、炉壁面部と炉中心部とで圧力差(炉壁面部の
圧力が炉中心部の圧力より高くなる)を生じさせて、こ
れによりガス化室内部の高温ガスをスラグタップからガ
スタップへと自己循環させている。そして、循環する高
温ガスにより、スラグタップを高温状態にし、スラグを
溶解させて排出するようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、スラグタップ下方の冷却室にはスター
トアップ用のオイルバーナが設けられており、このオイ
ルバーナがスラグによって詰まったり焼損したりするの
を防止するために、オイルバーナには不使用時にも常に
N2ガス等が吹込まれている。
上記従来技術では、この吹込みガスに対する配慮され
ておらず、吹込みガスにより高温ガスの自己循環が阻害
されると、スラグを安定して排出することが困難にな
る。
また、吹込む石炭の量を減らすと、ガス化室の炉壁面
部と中心部との圧力差が小さくなり、高温ガスの循環量
が少なくなってしまう。すなわち、低負荷でガス化炉を
運転すると、スラグが十分に排出されないという問題が
ある。
本発明の目的は、高温ガスを強制的に循環させること
により、スラグを常に安定して排出することができる噴
流層式石炭ガス化炉のスラグ排出装置を提供することで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、石炭から可燃
性ガスを生成するガス化室とガス生成時に生じるスラグ
を冷却する冷却室とをスラグタップとガスタップで連通
し、燃焼時に前記ガス化室内で生じる旋回流により、前
記ガス化室の高温ガスを前記スラグタップを介して前記
冷却室へ、さらに前記ガスタップを介して前記ガス化室
へと循環させて、前記スラグタップを高温状態にしてス
ラグを溶融し、その溶融したスラグを前記冷却室に流下
させて排出する噴流層式石炭ガス化炉のスラグ排出装置
において、低負荷時で前記高温ガスの循環量が低下した
ときに前記ガスタップを介して前記ガス化室へガス体を
噴射することにより、前記ガス化室と冷却室との間で高
温ガスを強制的に循環させる噴射手段を設けたことを特
徴としている。
〔作用〕
上記構成によれば、噴射手段によりガス体(例えばス
チーム等のガス化剤)を吹込むと、吹込まれたガス体の
運動エネルギによりエゼクタ効果を生じ、冷却室にある
高温ガスをガスタップを介してガス化室内に吹上げると
ともに、ガス化室内で加熱された高温ガスをスラグタッ
プを介して吸引する。これにより、ガス化室と冷却室と
の間で高温ガスを強制的に循環させ、スラグタップを常
に高温状態に維持することができ、スラグを完全に溶融
させ安定して排出することが可能となる。
〔実施例〕
以下に本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明に係る噴流層式石炭ガス化炉のスラグ
排出装置の概略構成を示している。図に示すように、ガ
ス化炉はケーシング3で形成され、その内部には耐火材
16で囲まれたガス化室17と冷却室19が設けられている。
ガス化室17の底部にはスラグタップ1とガスタップ2が
設けられ、このスラグタップ1とガスタップ2を介して
ガス化室17は冷却室19に連通している。ガス化室17の周
囲には複数の石炭供給ノズル21がガス化室17の接線方向
に配設され、石炭供給ノズル21には石炭供給管22と冷却
水供給管23が接続されている。なお、図の符号24は石炭
供給ノズル21の開口部を示している。
冷却室19の壁面にはスチームを吹込むためのスチーム
供給管4が固定され、このスチーム供給管4内のスチー
ム量は調節弁14で調節される。スチーム供給管4は冷却
室19内で折り曲げられ、その先端部がガス化室17に向く
ようにしてガスタップ2の中心に配置されている。また
スチーム供給管4にはミニマムフローライン20が設けら
れ、ガス化剤としても作用するスチームの最少必要量が
確保されている。スラグタップ1の下方には、スラグタ
ップ1より吹出す高温ガスの温度を測定するための熱電
対5が取り付けられており、この熱電対5の測定温度は
調節弁14にカスケードされるようになっている。
また、冷却室19には給水管10と排水管11が設けられて
いる。排水管11にはレベル検出座12からの液面検出信号
に応じて作動する液面調整弁15が配設され、冷却室19内
に張られた冷却水18を一定レベルに保持できるようにな
っている。さらに、冷却室19の壁面には、油供給管7に
接続されたスタートアップ用のオイルバーナ6が取付け
られている。オイルバーナ6では、高圧条件下で使用可
能なように、燃焼空気として高圧N2ガスと高圧ガスの混
合気が用いられる。このため、オイルバーナ6には酸素
供給管8と窒素供給管9が接続されている。また冷却室
19の底部にはスラグ排出ノズル13が設けられ、冷却室19
底部へ流下して冷却水18で急冷されたスラグを炉外へ排
出できるようになっている。
なお、本実施例では、スチーム供給管4、熱電対5、
および調節弁14が噴射手段を構成している。
次に本実施例の作用について説明する。
ガスタップ2を介してスチーム供給管4からスチーム
を吹込むと、吹込まれたスチームの運動エネルギにより
エゼクタ効果を生じ、冷却室19内の高温ガスはガス化室
17へ吹上げられる。これによって、ガス化室17と冷却室
19とで圧力差が発生し、ガス化室17内の高温ガスがスラ
グタップ1を介して冷却室19へ吹出す。このようにし
て、ガス化室17と冷却室19との間で高温ガスを強制的に
循環させることができる。この場合、スラグタップ1か
ら冷却室19へ吹出す高温ガスの温度は熱電対5により検
出され、その検出温度に応じて調節弁14の開度が調節さ
れて、スラグタップ1の温度をスラグの溶融流下温度以
上に保つべくスチームの吹込み量が制御される。
なお、本実施例ではガス化室17へスチームを吹込みよ
うにしたが、スチームの代わりに、ガス化炉からの生成
ガスを吹込んだり、窒素ガスを吹込んだりしても良い。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、低負荷時で高
温ガスの循環量が低下したときに、ガス化室と冷却室と
の間で高温ガスを強制的に循環させることができるの
で、スラグタップは循環する高温ガスによって加熱さ
れ、スラグタップの温度を常時スラグの溶融温度以上に
保持することができ、スラグタップ付近のスラグは容易
に溶融される。その結果、スラグを常に安定して排出す
ることができ、石炭ガス化炉の連続運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る噴流層式石炭ガス化炉のスラグ排
出装置の概略構成図である。 1……スラグタップ、2……ガスタップ、 4……スチーム供給管、5……熱電対、 6……オイルバーナ、13……スラグ排出ノズル、 14……調節弁、17……ガス化室、18……冷却水、 19……冷却室、21……石炭供給バーナ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭から可燃性ガスを生成するガス化室と
    ガス生成時に生じるスラグを冷却する冷却室とをスラグ
    タップとガスタップで連通し、燃焼時に前記ガス化室内
    で生じる旋回流により、前記ガス化室の高温ガスを前記
    スラグタップを介して前記冷却室へ、さらに前記ガスタ
    ップを介して前記ガス化室へと循環させて、前記スラグ
    タップを高温状態にしてスラグを溶融し、その溶融した
    スラグを前記冷却室に流下させて排出する噴流層式石炭
    ガス化炉のスラグ排出装置において、 低負荷時で前記高温ガスの循環量が低下したときに前記
    ガスタップを介して前記ガス化室へガス体を噴射するこ
    とにより、前記ガス化室と冷却室との間で高温ガスを強
    制的に循環させる噴射手段を設けたことを特徴とする噴
    流層式石炭ガス化炉のスラグ排出装置。
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