JPH0860439A - ポリマーブレンド繊維及びその混繊糸 - Google Patents

ポリマーブレンド繊維及びその混繊糸

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JPH0860439A
JPH0860439A JP6189420A JP18942094A JPH0860439A JP H0860439 A JPH0860439 A JP H0860439A JP 6189420 A JP6189420 A JP 6189420A JP 18942094 A JP18942094 A JP 18942094A JP H0860439 A JPH0860439 A JP H0860439A
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polymer blend
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JP6189420A
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Seiji Ishii
清治 石井
Tsutomu Nakamura
勤 中村
Hiromasa Minematsu
宏昌 峯松
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリアミド繊維の優れた強力、耐摩耗性を維
持したままで、洗濯堅牢性、酸性染料汚染性を改善し、
酸性染料可染性ポリアミド繊維を混繊した場合の同浴染
色による異色効果を高める。 【構成】 末端アミノ基が30meq/kg以下のポリ
アミド40〜98重量%と、ガラス転移点が40℃以上
のカチオン染料可染性ポリエステル60〜2重量%とか
らなるポリマーブレンド繊維及び該ポリマーブレンド繊
維10〜70重量%と酸性染料可染性ポリアミド繊維9
0〜30重量%とを混繊した混繊糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、染色堅牢性のうち、洗
濯堅牢性に優れ、特に敷物用途に適した、カチオン染料
可染性ポリアミド・ポリエステルポリマーブレンド繊維
及びその繊維を含む混繊糸に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド繊維は、強力、耐摩耗性、弾
性回復性、染色性に優れているため、多くの用途に用い
られている。
【0003】しかし、近年、織編物、敷物などにおいて
は、ポリアミド繊維に高度の染色堅牢性が要求されるよ
うになってきており、例えば敷物に用いるため、酸性染
料可染性のポリアミド繊維とカチオン染料可染性ポリア
ミド繊維を組み合わせ、カチオン染料と酸性染料を含む
同浴でそれぞれ異色に染色して、所謂、異染糸を得る場
合、カチオン染料可染性ポリアミド繊維の染色堅牢性の
低さが指摘されている。
【0004】従来は、カチオン染料可染性ポリアミド繊
維は、染色堅牢性が低いために、淡色に染色するか、あ
るいは染色することなく白糸のままで使用されていた。
しかしながら、近年は、異色効果をより高度に発揮させ
るために、カチオン染料可染性ポリアミド繊維をカラフ
ルな濃色に染色することに対する市場の要望が強くな
り、カチオン染料可染性ポリアミド繊維の染色堅牢性を
高めることが、焦眉の急務となってきている。
【0005】その一つの手段として、強力、耐摩耗性、
弾性回復性に優れたポリアミドを鞘成分として、スルホ
ネート基を含有する、カチオン染料可染性ポリエステル
を芯成分とする芯鞘型複合繊維が提案されているが、複
合界面が剥離し易いため、鮮明発色性が失われるという
問題があり、更には、表面がポリアミド鞘成分で被覆さ
れているため、芯成分のカチオン染料発色性が阻害さ
れ、濃色に着色することができないという問題もあっ
た。
【0006】更に、上記複合繊維の芯鞘複合界面剥離を
生じ難くするために、ポリアミドを鞘成分とし、スルホ
ネート基を含有する変性ポリエステルとポリアミドとを
10:90〜70:30の混合重量比で混合したものを
芯成分とした複合繊維も提案されている(特開平5―9
8515号公報)。
【0007】しかしながら、この複合繊維も、表面がポ
リアミド鞘成分で被覆されているため、芯成分のカチオ
ン染料発色性が阻害され、カチオン染料による濃色着色
が得られないという問題は依然として解決されない。
【0008】また、特開平5―98515号公報におい
て、スルホネート基を含有する変性ポリエステルとポリ
アミドの混合物を芯成分に用いるのは、芯成分と鞘成分
の複合界面を剥離し難くするのが目的であり、ポリマー
ブレンド繊維そのものの染色堅牢性、特に洗濯堅牢性を
向上させようとする本発明とは、その目的を異にするも
のである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、ポ
リアミド繊維の優れた強力、耐摩耗性を維持したまま
で、洗濯堅牢性、耐候堅牢性、ガス堅牢性などの染色堅
牢性のうち、特に、優れた洗濯堅牢性を有し、酸性染料
により汚染されないカチオン染料可染性ポリマーブレン
ド繊維を提供すること、更には、該ポリマーブレンド繊
維を含む異色効果に優れた混繊糸を提供することを課題
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、末端アミノ基量が
30meq/kg以下であるポリアミドとカチオン染料
可染性ポリエステルとを混合したポリマーブレンド繊維
が、良好なカチオン染料可染性を示し、しかも洗濯堅牢
性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】即ち、本発明によれば、末端アミノ基量が
30meq/kg以下のポリアミド40〜98重量%
と、ガラス転移点が40℃以上のカチオン染料可染性ポ
リエステル60〜2重量%からなることを特徴とするポ
リマーブレンド繊維が提供され、更に、該ポリマーブレ
ンド繊維10〜70重量%と酸性染料可染性ポリアミド
繊維90〜30重量%とを混繊したことを特徴とする混
繊糸が提供される。
【0012】本発明のポリマーブレンド繊維に用いるポ
リアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン46、ナイロン12などのアミド結合を有する重合体
を挙げることができ、それらの共重合体あるいはブレン
ド物でもよい。
【0013】なかでも、安価な製品を提供できることか
ら、汎用的なナイロン6が好ましく用いられる。
【0014】本発明のポリマーブレンド繊維は、カチオ
ン染料可染糸として、酸性染料可染糸と組み合わせ、同
浴染色して異染糸を得るうえで、該ポリマーブレンド繊
維を構成する一方の成分であるポリアミドを、酸性染料
に染まり難くしておく必要がある。そのためには、該ポ
リアミドの末端アミノ基量は、30meq/kg以下で
あることが必要であり、特に、20meq/kg以下で
あることが好ましい。
【0015】ポリアミドの末端アミノ基量は、末端アミ
ノ基を適当な基でブロックすることにより調整すること
ができるが、例えば、5―ナトリウムスルホイソフタル
酸、3―カルボキシルベンゼンスルホン酸ナトリウムな
どのスルホン酸化合物でブロックした、カチオン染料可
染性ポリアミドであってもよい。
【0016】このようなカチオン染料可染性成分を含む
ポリアミドを用いても、洗濯堅牢性は低下しないが、そ
の理由はまだ、十分解明されていない。
【0017】一方、本発明のポリマーブレンド繊維を構
成するもう一方の成分であるカチオン染料可染性ポリエ
ステルは、カチオン染料と反応する基を有するポリエス
テルであれば特に限定されないが、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート等にスルホネー
ト基を含有する化合物を共重合させたものが好ましく、
ガラス転移点、染色堅牢性の点から、ポリエチレンテレ
フタレート共重合体が特に好ましい。
【0018】また、上記スルホネート基を含有する化合
物としては、5―ナトリウムスルホイソフタル酸及びそ
の誘導体、5―ホスホニウムイソフタル酸及びその誘導
体、p―ヒドロキシエトキシベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、2,5―ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンス
ルホン酸カリウムなどが好ましく用いられる。
【0019】上記スルホネート基を含有する化合物の共
重合量は、酸成分に対して0.5〜7モル%が好まし
く、更に好ましくは、1〜4モル%であり、特に好まし
くは、2〜3モル%である。この共重合量が少なすぎる
と、カチオン染料染着性が低下し、濃色に染色すること
ができず、逆に多すぎると、カチオン染料可染性ポリエ
ステルの溶融粘度が高くなって、紡糸加工性が悪化す
る。
【0020】本発明のポリマーブレンド繊維に用いるカ
チオン染料可染性ポリエステルは、共重合成分として、
例えば、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、ナフタレ
ン―2,6―ジカルボン酸等のジカルボン酸成分、トリ
メリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸成分、
p―オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸成
分、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,4―シクロヘキサンジメ
タノール等のジオール成分を含んでいてもよい。
【0021】更に、これらのカチオン染料可染性ポリエ
ステルは、ガラス転移点が40℃以上であることが必要
であり、特に50℃以上であることが好ましい。ガラス
転移点が40℃未満であると、洗濯堅牢性の向上が望め
ない。このガラス転移点は、高ければ高いほど、洗濯堅
牢性が向上する。
【0022】上記ポリアミドと上記カチオン染料可染性
ポリエステルとの混合重量比は、ポリアミドが、40〜
98重量%、カチオン染料可染性ポリエステルが60〜
2重量%であることが必要であり、更に、ポリアミドが
60〜95重量%、カチオン染料可染性ポリエステルが
40〜5重量%であることが好ましい。ポリアミドの比
率が98重量%よりも多くなると、所望の洗濯堅牢性が
得られず、逆に、40重量%よりも少なくなると、ポリ
アミドの持つ長所である強力、耐摩耗性が失われるので
不適当である。
【0023】本発明のポリマ−ブレンド繊維は、上記ポ
リアミドと上記カチオン染料可染性ポリエステルとを、
上記混合比にて、チップ状態又は溶融状態で混合し、常
法で溶融紡糸、延伸し、必要に応じて捲縮などの加工を
施すことにより得ることができる。
【0024】本発明のポリマーブレンド繊維の横断面形
状は、円形、非円形のいずれでもよく、横断面形状が本
発明の効果に影響を与えるようなことはないが、非円形
にすると、横断面積に対する表面積の比が大きくなり、
カチオン染料可染性ポリエステルの染料吸着速度が速く
なるため、常圧染色するのに適している。
【0025】本発明のカチオン染料可染性のポリマーブ
レンド繊維は、そのまま単独で織編物等に用いることも
できるが、酸性染料可染性のポリアミド繊維と混繊し
て、カチオン染料と酸性染料を含む同浴でそれぞれ異な
る色に染色し、敷物用の異染混繊糸として用いるのに適
している。
【0026】この場合、カチオン染料可染性のポリマー
ブレンド繊維と酸性染料可染性のポリアミド繊維との混
繊重量比は、ポリマーブレンド繊維が10〜70重量
%、酸性染料可染性のポリアミド繊維が90〜30重量
%であることが好ましく、ポリマーブレンド繊維が20
〜50重量%、酸性染料可染性のポリアミド繊維が80
〜50重量%であることが更に好ましい。
【0027】敷物用の混繊糸は、通常、BCF(Bul
ked Continuous Filament)と
呼ばれる400de以上の捲縮糸として用いられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0029】なお、実施例中、「%」は、特にことわら
ない限り「重量%」を示す。また、切断強度、洗濯堅牢
性、摩耗耐久性は、次のようにして測定した。 (1)切断強度 島津製作所製オートグラフHS―100型を使用し、試
料長20cm、引張速度100%/分で測定して、切断
するまでの最大応力をデニール当りに換算した。 (2)洗濯堅牢性 JIS LD844 A―2法により測定した。但し、
退色の程度は、日本電色工業社製 Z―Σ80型測色色
差計を使用し、Lab表色法(JIS 8729―19
80)に基づき、試験前を基準として試験後の色相変化
をΔEで表わした。ΔEの値が小さいほど、洗濯堅牢性
が良好であることを示す。 (3)摩耗耐久性 JIS L1021―参考2のFuzz摩耗試験法によ
り測定、評価し、1〜5級に級付けした。級の数値が大
きいほど、摩耗耐久性が良好であることを示す。
【0030】[実施例1〜4、比較例1〜3]テレフタ
ール酸により末端アミノ基をブロックして、末端アミノ
基量を12.0meq/kgとした、固有粘度が1.3
0のナイロン6ポリマー(カチオン染料に対して非可染
性)と、ガラス転移点が60℃で、固有粘度が0.55
のカチオン染料可染性ポリエチレンテレフタレート(5
―ナトリウムスルホイソフタル酸を2.6モル%共重合
したポリエチレンテレフタレート)とを、表1に示すよ
うに混合比を変えて混合し、紡糸温度250℃、紡糸速
度600m/分で溶融紡糸し、延伸倍率3.7倍、延伸
速度2220m/分で延伸した後、180℃に予熱し、
押込圧6.5kg/cm2 、押込空気温度210℃で
エアスタッファーに押し込み、引取速度1850m/分
で引き取り、800デニール/56フィラメントのトラ
イローバール断面捲縮糸条を得た。
【0031】また、従来例として比較のために、末端ア
ミノ基量が12.0meq/kgで、固有粘度が1.1
8のカチオン染料可染性ナイロン6ポリマー(5―ナト
リウムスルホイソフタル酸で末端基をブロックしたナイ
ロン6)を用い、上記と同様にして捲縮糸条を得た(比
較例3)。
【0032】得られた各捲縮糸条を丸編みし、カチオン
染料で下記条件にて染色し、洗濯堅牢性を評価すると共
に、摩耗耐久性を測定した。
【0033】染色染料 染料:Astorazon Blue 5GL(200
%) 染料濃度:0.40重量%/糸重量 染色温度:90℃ 染色時間:20分
【0034】結果は、表1に示す通りであった。
【0035】
【表1】
【0036】表1からも明らかなように、カチオン染料
可染性ポリエステルを含まず、非カチオン染料可染性の
ナイロン6のみからなる比較例1は、切断強度、摩耗耐
久性は良好であるが、カチオン染料にはほとんど染まら
ず、しかも洗濯堅牢性も極めて悪い。一方、ポリアミド
の比率が40%末端である場合(比較例2)は、洗濯堅
牢性は良好であるが、切断強度、摩耗耐久性が低下す
る。これに対して、ポリアミドの比率が40〜98%、
カチオン染料可染性ポリエステルの比率が60〜2%の
場合(実施例1〜4)には、切断強度、摩耗耐久性が良
好であると共に、洗濯堅牢性も優れており、特に、ポリ
アミドの比率が60〜95%カチオン染料可染性ポリエ
ステルの比率が40〜5%の場合(実施例2、3)に、
更に好ましい結果が得られる。
【0037】従来のカチオン染料可染性ナイロン6を用
いた場合(比較例3)は、切断強度、摩耗耐久性は良好
であるが、洗濯堅牢性が不良である。
【0038】[実施例5〜10、比較例4、5]テレフ
タール酸により末端アミノ基をブロックして、表2に示
すように末端アミノ基量を変更した、固有粘度が1.3
0のナイロン6ポリマー(カチオン染料に対して非可染
性)と、5―ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合量
を変えることにより表2に示すようにガラス転移点を変
更した固有粘度が0.55のカチオン染料可染性ポリエ
チレンテレフタレートとを、前者が80%、後者が20
%の割合で混合し、その他は実施例1〜4と同じ条件
で、800デニール/56フィラメントのトライローバ
ル断面捲縮糸条を得た。
【0039】得られた各捲縮糸条の切断強度は、表2に
示す通りであった。
【0040】更に、得られた各捲縮糸条を丸編みし、実
施例1〜4と同様にして、カチオン染料で染色し、洗濯
堅牢性を評価すると共に、摩耗耐久性を測定した。結果
は、表2に示す通りであった。
【0041】
【表2】
【0042】更に、これらの各捲縮糸条と、末端アミノ
基量が42.0meq/kgで、800デニール/56
フィラメント、トライローバル断面の酸性染料可染性ナ
イロン6捲縮糸条とを、50:50の比率で混合、編立
し、カチオン染料Astorazon Blue 5G
L(200%)0.2重量%/糸総重量と酸性染料Te
ctilon Red 2B(200%)0.2重量%
/糸総重量の混合染料で染色して、カチオン染料可染成
分の酸性染料汚染性を評価した。
【0043】結果は、表3に示す通りであった。
【0044】
【表3】
【0045】なお、表3において、酸性染料汚染性は、
下記基準で表示した。 ◎:汚染が非常に少なく極めて良好である。 ○:汚染が少なく良好である。 △:若干の汚染は認められるが実用上支障なし。 ×:汚染が著しく実用に供することができない。
【0046】表2及び表3からも明らかなように、カチ
オン染料可染性ポリエステルと混合するナイロン6の末
端アミノ基量が30meq/kgを越える場合(比較例
4)は、切断強度、摩耗耐久性、洗濯堅牢性共に良好で
あるが、酸性染料による汚染が著しく、同浴で異色に染
色して、異染糸を得るのには不適当である。これに対し
て、ナイロン6の末端アミノ基量が30meq/kg以
下であれば(実施例5〜8)、酸性染料による汚染が少
なく、特に、末端アミノ基量が20meq/kg以下の
場合(実施例5〜7)は、酸性染料による汚染がなく、
良好である。
【0047】一方、カチオン染料可染性ポリエチレンテ
レフタレートのガラス転移点が40℃未満では(比較例
5)、洗濯堅牢性が悪化する。これに対して、ガラス転
移点が40℃以上の場合(実施例9、10)は、洗濯堅
牢性が良好であり、特に、50℃以上の場合(実施例1
0)に、洗濯堅牢性が著しく向上する。
【0048】[実施例11]実施例6において、カチオ
ン染料に対し非可染性のナイロン6に代えて、5―ナト
リウムスルホイソフタル酸で末端アミノ基をブロックし
た、末端アミノ基量が12.5meq/kgのカチオン
染料可染性のナイロン6を用い、その他の条件は実施例
6と同じにして、捲縮糸条を作成し、評価を行った。
【0049】その結果は、切断強度:3.6g/de
摩耗耐久性:3.4、洗濯堅牢性:3.5、酸性染料汚
染性:◎であり、実施例6の結果と同等で、良好であっ
た。
【0050】[実施例12〜22、比較例6〜9]実施
例1〜11及び比較例2〜5で得たポリマーブレンド捲
縮糸条を、それぞれ、末端アミノ基量が64.0meq
/kgで、800デニール/56フィラメント、トライ
ローバル断面の酸性染料可染性ナイロン6捲縮糸条及び
末端アミノ基量が42.0meq/kgで、800デニ
ール/56フィラメント、トライローバル断面の酸性染
料可染性ナイロン6捲縮糸条と共に、ベルモント社製コ
ミングル機で流体交絡処理し、2430デニール/16
8フィラメントの混繊糸を作成した。
【0051】これらの各混繊糸を、1/10ゲージ、パ
イル長4mm,パイル目付620g/m2 でタフト
し、得られたタフト生機を、酸性染料とカチオン染料の
混合染料で、ウインス染色機を用い、下記条件にて染色
した。
【0052】染色条件 染料:Astorazon Blue 5GL(200
%) 0.02重量%/糸総重量 Astorazon Yellow 8G 0.05重
量%/糸総重量 Astorazon Red BBL(200%)
0.02重量%/糸総重量 Telon Blue GGLL(200%) 0.1
0重量%/糸総重量 Tectilon Yellow 4R(200%)
0.07重量%/糸総重量 Tectilon Red 2B (200%) 0.
08重量%/糸総重量 染浴PH:6 浴比:1:30 染色温度:90℃ 染色時間:20分 次いで、乾燥、バッキングを行い、カーペットとした。
【0053】これらのカーペットについて、色相外観、
洗濯堅牢性、摩耗耐久性を評価した。結果は、表4に示
す通りであった。
【0054】
【表4】
【0055】なお、表4において、色相外観は、カーペ
ットの色相を目視により観察し、下記基準で表示した。 ◎:それぞれの染料による所望の色相が得られ、異色効
果が極めて優れている。 ○:異色効果が良好である。 ×:カチオン染料可染性糸条への酸性染料の汚染が多
く、所望の色相が得られない。
【0056】表4からも明らかなように、本発明のポリ
マーブレンド捲縮糸を含む混繊糸を用いた場合(実施例
12〜22)は、洗濯堅牢性、摩耗耐久性に優れ、色相
外観も良好であるが、ポリアミドの比率が40%末端の
ポリマーブレンド捲縮糸を含む混繊糸を用いた場合(比
較例6)は、摩耗耐久性が劣ったものとなる。また、従
来のカチオン染料可染性ナイロン6からなる捲縮糸を含
む混繊糸用いた場合(比較例7)は、洗濯堅牢性が不良
である。更に、末端アミノ基量が30meq/kgを越
えるナイロン6を含むポリマーブレンド捲縮糸の混繊糸
を用いた場合(比較例8)は、酸性染料による汚染が著
しく、同浴で異色に染色しても、所望の色相が得られ
ず、ガラス転移点が40℃未満のカチオン染料可染性ポ
リエチレンテレフタレートを含むポリマーブレンド捲縮
糸の混繊糸を用いた場合(比較例9)は、洗濯堅牢性が
悪化する。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアミド繊維の優れ
た強力、耐摩耗性を維持したままで、洗濯堅牢性に優
れ、しかも酸性染料により汚染されないカチオン染料可
染性ポリマーブレンド繊維を得ることができる。更に、
酸性染料可染性ポリアミド繊維と混繊することにより、
異色効果に優れた混繊糸とすることができ、カーペット
用途等において、極めて実用性が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06P 3/00 P

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端アミノ基量が30meq/kg以下
    のポリアミド40〜98重量%と、ガラス転移点が40
    ℃以上のカチオン染料可染性ポリエステル60〜2重量
    %とからなることを特徴とするポリマーブレンド繊維。
  2. 【請求項2】 ポリアミドの末端アミノ基量が20me
    q/kg以下である請求項1記載のポリマーブレンド繊
    維。
  3. 【請求項3】 カチオン染料可染性ポリエステルのガラ
    ス転移点が50℃以上である請求項1記載のポリマーブ
    レンド繊維。
  4. 【請求項4】 ポリアミド60〜95重量%と、カチオ
    ン染料可染性ポリエステル40〜5重量とからなる請求
    項1記載のポリマーブレンド繊維。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載のポリ
    マーブレンド繊維10〜70重量%と、酸性染料可染性
    ポリアミド繊維90〜30重量%とを混繊したことを特
    徴とする混繊糸。
JP6189420A 1994-08-11 1994-08-11 ポリマーブレンド繊維及びその混繊糸 Pending JPH0860439A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011058149A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Jen-Taut Yeh ポリアミド及びポリオレフィンの濃い染め製造プロセス
CN103628329A (zh) * 2013-10-17 2014-03-12 上海缀菱纺织品有限公司 一种cdp/尼龙/pu针织面料的染色方法
US8900702B2 (en) * 2006-08-14 2014-12-02 Aderans Company Limited Artificial hair and wig using the same
KR20190053625A (ko) * 2017-11-10 2019-05-20 주식회사 휴비스 산성염료 가염성 분할 극세사

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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