JPH0858675A - 水上高速航行体 - Google Patents

水上高速航行体

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JPH0858675A
JPH0858675A JP22247894A JP22247894A JPH0858675A JP H0858675 A JPH0858675 A JP H0858675A JP 22247894 A JP22247894 A JP 22247894A JP 22247894 A JP22247894 A JP 22247894A JP H0858675 A JPH0858675 A JP H0858675A
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Takashi Kobayashi
林 隆 小
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 簡単な手段により、高速航行時の造波抵抗が
少なく、小さいプロペラの推進力で高速航行を可能にす
ると共に、安定的に高速航行可能な水上高速航行体を得
る。 【構成】 機体1が水面上に若干浮上すると、フロート
板7がその自重により下端が水面Sに浮くところまで下
がり、フロート板7と機体1の下面1aとに囲まれる機
体1の下部に気流通路10が形成され、そしてこの気流
通路10の後端付近にあるフラップ11を下げると、そ
の気流通路10の圧力が上がり、機体1に大きな揚力が
発生するので、機体1は安定的に水面上に浮上した状態
に保持されると同時に、フロート板7と水との接触面積
が小さくなるため、フロート板7における造波抵抗が小
さくなり、高速に航行できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水面より一定の間隔を
保って高速で航行する水上高速航行体に関するものであ
り、特に、水面に接触しながら飛行するような態様で航
行することから、空水船と名付けることができる水上高
速航行体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロペラの推進力によって水上を高速航
行する航行体は従来から知られているところである。か
かる航行体においては、機体を水上に浮かせた状態で航
行するのが通例であり、そのため、高速航行時の造波抵
抗が大きく、速度を高めるためにはプロペラの推進力を
一層大きくする必要があって全体として大型化し、ある
いは造波抵抗を小さくするための手段を別途設けるため
に、構成が複雑化するといった問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、簡単な手段により機体を水面より一定の間隔を保つ
ように浮上させて、高速航行時における造波抵抗を少な
くし、小さいプロペラの推進力で高速航行を可能にする
と共に、簡単な手段により機体を安定的に保持して高速
航行可能にした水上高速航行体を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の水上高速航行体は、機体に、推進力を得る
ためのプロペラと、昇降舵をもった水平翼と、方向舵を
もった垂直尾翼とを備えた水上高速航行体において、左
右の舷板に沿って進行方向に配向され、該舷板の下方に
昇降自在に設けたフロート板と、高速航行時に上記フロ
ート板と機体の下面とに囲まれて機体の下部に形成され
る気流通路の後部に配置され、その昇降により気流通路
内の圧力を高めて機体に揚力を発生させる昇降操作可能
なフラップとを設けたことを特徴とするものである。
【0005】
【作用】上記構成を有する水上高速航行体は、その停止
時または低速航行時には、通常の船と同様に機体が水上
に浮いた状態となる。高速航行に際しては、機体が水上
に浮いた停止または低速航行の状態から、プロペラの推
進力によりスピードを増し、スピードが上がったところ
で、機体自体の形状に起因する揚力あるいは水平翼の昇
降舵を操作することにより得られる揚力で、機体が水面
上に若干浮上すると、上記フロート板がその自重により
下端が水面に浮くところまで下がり、フロート板と機体
の下面とに囲まれて機体の下部に気流通路が形成され
る。そして、この気流通路の後端付近にあるフラップを
下げると、その気流通路の圧力が上がり、機体に揚力が
発生するので、機体は安定的に水面上に浮上した状態に
保持されると同時に、フロート板と水との接触面積が小
さくなるため、フロート板における造波抵抗が小さくな
り、延いては高速に航行することが可能となる。この高
速航行時に、水平翼は機体の水平バランスを保ち、旋回
には垂直尾翼における方向舵を利用する。
【0006】左右のフロート板は、機体が停止または低
速航行の状態においては、それ自体の浮力により上昇位
置にあり、左右舷板内に収納されて造波抵抗を少なくし
ている。機体のスピードが上がって、気流通路における
圧力の上昇により機体が浮上を開始すると、フロート板
はその自重により水面上に浮上し、下端が若干水中に突
入した状態になる。機体が高速航行するようになると、
機体が更に浮上し、フロート板は下方に最も突出した状
態になる。
【0007】高速航行中にフロート板が水面から上に上
がるまで機体が上昇すると、機体の下部に形成されてい
る気流通路が外部に開放して、その気流通路における圧
力が低下するので、機体が沈降し、結果的に機体はフロ
ート板の下部が若干水面下に没した状態で安定化する。
このように、フロート板はその下端が若干水中に没した
状態、つまり、フロート板と水との接触面積が非常に小
さい状態にあるので、スピード上げているときや高速航
行中の造波抵抗を少なくすることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面に基づいて
詳細に説明するに、図1乃至図4は、本発明にかかる水
上高速航行体の構成を示すもので、図1、図2及び図3
において、図上Sは水面を表すものである。本実施例の
水上高速航行体は、アルミ合金等の軽量材により軽量で
強度を持つように形成した機体1に、推進力を得るため
のプロペラ3と、機体1の安定を保つための昇降舵4a
をもった前方の水平翼4と、進行方向を制御するための
方向舵5aをもった後方の垂直尾翼5とを備えている。
また、機体1は、その左右に進行方向に向いた舷板6を
備え、それらの舷板6に沿って進行方向に配向されたフ
ロート板7を備えている。
【0009】これらのフロート板7は、軽量材または中
空部材によりその体積のほとんどが水面上に浮上する程
度に軽量に形成し、舷板6の内側でその下方に自重によ
り昇降自在としたものである。なお、このフロート板7
は、図示していないが、舷板6から下方に最も突出した
最下端位置で機体1の一部に係止し、機体1から脱落し
ないものである。
【0010】また、図5に示すように、上記フロート板
7と機体1との間に、波の衝撃を吸収するための、スプ
リングあるいはショック・アブソーバのような衝撃緩和
装置12を取り付けることもできる。
【0011】さらに、上記機体1には、高速航行時に上
記フロート板7と機体1の下面1aとに囲まれて該機体
1の下部に形成される気流通路10の後部に配置され、
その昇降により高速航行時における上記気流通路内の圧
力を高めて機体1に揚力を発生させる角度調整可能なフ
ラップ11を設けている。
【0012】上記機体1は、図3に示すように、側面視
が航空機における主翼の断面形状またはそれに近いもの
であり、その材質は、例えばアルミ合金等の軽量で強度
の大きいもので形成される。それゆえ、これらの相互作
用により、航行時における空気抵抗を小さくすることが
できると同時に、高速航行を可能にする一因となるもの
である。
【0013】上記構成を有する水上高速航行体は、図1
に示すように、その停止時または低速航行時には、通常
の船と同様に機体1が水上に浮いた状態となる。高速航
行に際しては、機体1が水上に浮いた停止または低速航
行の状態から、プロペラ3の推進力によりスピードを増
し、スピードが上がったところで、機体自体の形状に起
因する揚力あるいは水平翼4の昇降舵4aを操作するこ
とによる揚力で、機体1が水面上に若干浮上すると、上
記フロート板7がその自重により下端が水面Sに浮くと
ころまで下がり、フロート板7と機体1の下面1aとに
囲まれる機体1の下部に気流通路10が形成され、そし
てこの気流通路10の後端付近にあるフラップ11を下
げると、その気流通路10の圧力が上がり、機体1に大
きな揚力が発生するので、図2及び図3に示すように、
機体1は安定的に水面上に浮上した状態に保持されると
同時に、フロート板7と水との接触面積が小さくなるた
め、フロート板7における造波抵抗が小さくなり、延い
ては高速に航行することが可能となる。フラップ11
は、その傾斜角度を調整することにより気流通路10に
発生する圧力を調節し、機体の浮上高さを制御すること
ができる。この高速航行時に、水平翼4は機体1の水平
バランスを保ち、旋回には垂直尾翼5における方向舵5
aを利用する。
【0014】また、上記左右のフロート板7は、機体1
が停止または低速航行の状態においては、図1に示すよ
うに、それ自体の浮力により上昇位置にあり、左右の舷
板6内に収納されて造波抵抗を少なくしている。機体1
のスピードが上がって、気流通路10における圧力の上
昇により機体1が浮上を開始すると、図2及び図3に示
すように、フロート板7はその自重により水面上に浮上
し、下端が若干水中に突入した状態になる。機体1が高
速航行するようになると、機体1が更に浮上し、フロー
ト板は下方に最も突出した状態になる。フロート板7の
下端を舟形に形成した構造は、高速航行時にフロート板
7を浮上させ、造波抵抗を小さくするために有効であ
る。
【0015】高速航行中にフロート板7が水面Sから上
に上がるまで機体1が上昇すると、機体1の下部に形成
されている気流通路10が外部に開放して、該気流通路
10における圧力が低下するので、機体1が沈降し、結
果的に該機体1はフロート板7の下部が若干水面下に没
した状態で安定化する。このように、フロート板7はそ
の下端が若干水中に没した状態、つまり、フロート板7
と水との接触面積が非常に小さい状態にあるので、スピ
ードを上げているときや高速航行中の造波抵抗を少なく
することができる。
【0016】また、機体自体がアルミ合金等の軽量材で
形成されており、非常に軽量であるため、図1及び図2
からわかるように、機体1の下面1aが常に水面近くか
ら深く沈むことがないので、比較的水深の浅い場所での
航行が可能になると同時に、水面近くの岩礁などに衝突
する危険性を小さくすることができる。
【0017】上述のような構成、作用が相互に影響する
ことにより、上記高速航行体は、その高速航行時に、1
50〜500km/hrで高速航行することが可能であ
る。また、その速度、安定性、安全性により、離島や小
島との緊急輸送に適している。
【0018】
【発明の効果】以上に詳述した如く、本発明の水上高速
航行体によれば、簡単な手段により、機体を水面より一
定の間隔を保つように浮上させて高速航行時における造
波抵抗を少なくし、小さいプロペラの推進力で高速航行
が可能になるばかりでなく、簡単な手段により、機体を
安定的に保持しながらも高速航行が可能な水上高速航行
体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる高速航行体の停止時または低速
航行時の正面図である。
【図2】同高速航行時の正面図である。
【図3】同高速航行時の右側面図である。
【図4】同平面図である。
【図5】フロート板の他の取付け構造例を示す要部拡大
断面図である。
【符号の説明】
1 機体 1a 下面 3 プロペラ 4 水平翼 4a 昇降舵 5 垂直尾翼 5a 方向舵 6 舷板 7 フロート板 10 気流通路 11 フラップ S 水面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機体に、推進力を得るためのプロペラと、
    昇降舵をもった水平翼と、方向舵をもった後方の垂直尾
    翼とを備えた水上高速航行体において、 左右の舷板に沿って進行方向に向けて配向され、該舷板
    の下方に昇降自在に設けたフロート板と、 高速航行時に上記フロート板と機体の下面とに囲まれて
    機体の下部に形成される気流通路の後部に配置され、そ
    の昇降により気流通路内の圧力を高めて機体に揚力を発
    生させる昇降操作可能なフラップと、を設けたことを特
    徴とする水上高速航行体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100921934B1 (ko) * 2007-11-05 2009-10-15 한국해양연구원 확장판 지지봉을 이용한 위그선의 지면효과 증강 및조절장치
KR100921935B1 (ko) * 2007-11-05 2009-10-15 한국해양연구원 확장판 구동기어를 이용한 위그선의 지면효과 증강 및조절장치

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03153487A (ja) * 1989-11-10 1991-07-01 Yusuke Uzawa 滑走艇
JPH05286434A (ja) * 1992-04-14 1993-11-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 面効果翼機

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