JPH085815A

JPH085815A - カラーフィルターの製造方法

Info

Publication number: JPH085815A
Application number: JP13715894A
Authority: JP
Inventors: Masayuki Nagaie; 正之長家
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1994-06-20
Filing date: 1994-06-20
Publication date: 1996-01-12

Abstract

(57)【要約】【目的】カラー液晶表示装置に用いられるカラーフィル
ターの製造方法において、顔料分散法で製造されるカラ
ーフィルターのＲ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）画素層の
側面形状をなだらかな斜面のフリンジを形成する順テー
パー状とすることにより、カラーフィルター上に膜付け
される透明電極の断線不良を防止することを目的とす
る。【構成】カラー液晶表示装置に用いられるカラーフィル
ターの製造方法において、ＲＧＢ画素パターン用開口部
の周囲に一辺０．６〜２．４μｍの正方形状もしくは直
径０．６〜２．４μｍの円状の補助開口部を千鳥状に複
数列設ける、または、ＲＧＢ画素パターン用開口部の周
囲に幅１〜３μｍ、長さ３〜５μｍの長方形状の補助開
口部を１〜３μｍの間隔でＲＧＢ画素パターン用開口部
に接するように設けたカラーフィルターパターニング用
露光マスクを用いることを特徴とするカラーフィルター
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カラー液晶表示装置に
用いられるカラーフィルターの製造方法に係わり、特
に、Ｒ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）のフィルター画素上
に透明電極を膜付けする際にＲＧＢ画素の形状により発
生する、透明電極の断線不良を防止する液晶カラーフィ
ルターの製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、カラーフィルターの製造方法に
は、図１に示すような、以下の製造方法が知られてい
る。まず、透明基板上に、画素部を開口部とする格子パ
ターン状の遮光層を形成する。次いで、赤色の顔料分散
型感光性樹脂を均一に塗布し、プリベークを行う。次い
で、液晶カラーフィルターパターニング用マスク（以
下、ＣＦパターニング用マスクという）を用いパターン
露光を行い、画素部の感光性樹脂を選択的に硬化させ
る。次いで、現像を行いパターン部以外の感光性樹脂を
除去する。次いで、ポストベークを行い、赤色の画素層
とする。

【０００３】次いで、上記の工程を各々緑色顔料、青色
顔料にも行い、それぞれ緑色の画素層、青色の画素層と
し、カラーフィルターとする。次いで、カラーフィルタ
ー上に、公知の方法、例えば、蒸着法により、透明電極
の膜付けを行う。

【０００４】上記工程で使用する顔料分散型感光性樹脂
は、感光性樹脂中に粒径０．０１〜１μｍの顔料が分散
して含まれている。そのために、ＲＧＢ画素部の樹脂を
光硬化させるために紫外線を照射しても、樹脂中に大量
に含まれる顔料により途中で紫外線が吸収され、樹脂層
の下部まで紫外線が到達しないため、ＲＧＢ画素部の樹
脂下部に未硬化の部分が残る。かつ、ＲＧＢ画素部の側
面下部への現像液の接触により過剰な溶失がおこる。

【０００５】そのため、図２に示すような、オーバーハ
ング（逆テーパー）状の画素形状を生ずる。そのため、
カラーフィルター上に、蒸着法等で透明電極４を膜付け
する際、ＲＧＢ画素層６のオーバーハング部により、側
壁部の膜付けが妨げられ、透明電極４の断線不良を発生
してしまうという、欠点を有している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に鑑み、カラー液晶表示装置に用いられるカラー
フィルターの製造方法において、ＲＧＢ画素層６のオー
バーハング（逆テーパー）形成を防止することにより、
上記したような欠点の生じないカラーフィルターの製造
方法を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題は、カラーフ
ィルターの製造の際、使用するＣＦパターニング用マス
クにおいて、図３に示すようにＲＧＢ画素パターン用開
口部１の周囲に一辺０．６〜２．４μｍの正方形状もし
くは直径０．６〜２．４μｍの円状の補助開口部２を千
鳥状に二列以上に複数列設けたＣＦパターニング用マス
ク、または、図４に示すようにＲＧＢ画素パターン用開
口部１の周囲に幅１〜３μｍ、長さ３〜５μｍの長方形
状の補助開口部２を１〜３μｍの間隔をおいてＲＧＢ画
素パターン用開口部１に接するように配置したＣＦパタ
ーニング用マスクを用いることによって解決出来る。こ
こで、図３、図４はＲＧＢ画素パターン用開口部の一部
分を拡大して示している。

【０００８】さらに、図３を部分拡大した図５を用い、
正方形状の補助開口部２の配置を具体的に説明する。な
お、説明を容易にするため図５に説明用の破線を入れて
いる。図５に示すように、正方形状の補助開口部２の縁
から距離を０．１Ａ〜０．２Ａの範囲で、等距離の位置
に引かれた破線で構成される正方形の一辺をＡとする。
ここで、Ａを１〜３μｍの範囲とすることにより、正方
形状の補助開口部２の一辺の大きさは０．６μｍ〜２．
４μｍとなる。次いで、ＲＧＢ画素パターン用開口部１
の縁から破線までの距離は０．２５Ａ〜０．７５Ａと
し、同様に二列目の正方形補助開口部２’は破線から
０．１Ａ〜０．２Ａの位置に配置する。以上のように他
の正方形補助開口部も上記位置条件を満たすように千鳥
状に二列以上に複数列配置する。円形の補助開口部の場
合も同様に、上記位置条件を満たすように千鳥状に二列
以上に複数列配置する。また、補助開口部２の周囲の遮
光部を境界遮光部３とする。

【０００９】また、図６は図４を部分拡大したものであ
り、補助開口部の幅１２は１〜３μｍ、補助開口部の長
さ１３は３〜５μｍ、補助開口部２同志に挟まれる遮光
部を境界遮光部３とし境界遮光部の幅１４は１〜３μｍ
とする。

【００１０】以下、本発明を図面を用いて説明する。図
７（ａ）に示すように、透明基板５上に感光性樹脂８を
塗布し、本発明によるＣＦパターンニング用マスク７を
用い露光を行う。

【００１１】その際、ＣＦパターンニング用マスク７の
補助開口部２を通過した光は、補助開口部２が微細なた
め、回折をおこし末広がりとなる。そのため、ＲＧＢ画
素パターン用開口部１による露光部１０の縁部では、Ｒ
ＧＢ画素パターン用開口部１を通過した光と、補助開口
部２を通過し回折した光が合成され、露光量が多くな
る。そのため、ＲＧＢ画素パターン用開口部１による露
光部１０の縁部の感光性樹脂の硬化は、従来より強固に
行われる。

【００１２】次いで、図７（ｂ）に示すように、ＣＦパ
ターンニング用マスク７を通過した光により露光された
感光性樹脂層８にたいし、現像を行い未露光部の感光性
樹脂の除去を行う。現像初期においては、図７（ｃ）に
示すように、境界遮光部３による未露光部９への現像液
による浸食は上部より行われ、かつ、境界遮光部３によ
る未露光部９の側面の浸食は、補助開口部２による露光
部１１が土手となり現像液の接触が少ないため緩やかに
行われる。また、同時に、現像液の溶解作用により補助
開口部２による露光部１１は、側面より浸食される。さ
らに現像を進めると、図７（ｄ）を得る。

【００１３】さらに現像を進め、現像の最終段階では、
ＣＦパターンニング用マスク７の補助開口部２による露
光部１１は幅が狭いため現像液の溶解作用により浸食、
除去される。また、境界遮光部３による未露光部９は幅
が狭いこと、かつ、現像液との接触領域が少ないため、
現像液による浸食は穏やかに行われる。また、ＲＧＢ画
素パターン用開口部１による露光部１０の縁部は、従来
より硬化が強固になっているため現像液の溶解作用によ
る、ＲＧＢ画素パターン用開口部１による露光部１０の
側面部の浸食は少ない。以上の理由により、現像終了後
ベーキングにより、残った感光性樹脂層の固定を行う
と、図７（ｅ）に示すような形状の、ＲＧＢ画素層６を
得る。

【００１４】ここで、本発明による図５のＣＦパターン
ニング用マスク７における、破線で形成される正方形の
一辺Ａの値の設定理由として、Ａが１μｍより小さい
と、ＲＧＢ画素パターン用開口部１と補助開口部２およ
び、補助開口部２同志の距離が小さくなるため、ＲＧＢ
画素パターン用開口部１による露光部１０と補助開口部
２による露光部１１、または、補助開口部２による露光
部１１同志が、光の回折、拡散等によりパターンとして
同一化し、かつ、補助開口部２が小さくなるため補助開
口部２による露光部１１が現像液により溶解してしま
い、境界遮光部３による未露光部９の側面の浸食を防ぐ
土手の役目が無くなる。

【００１５】また、Ａが３μｍより大きいと、現像液の
入り込みが大きくなりＲＧＢ画素パターン用開口部１に
よる露光部１０の側面下部を現像液から守る効果が無く
なること、および、現像終了後も補助開口部２による露
光部１１が完全に浸食、除去されずパターンとして残
り、ＲＧＢ画素形状を悪くすることなどが挙げられる。

【００１６】また、本発明による図６のＣＦパターンニ
ング用マスク７における境界遮光部の幅１４の設定理由
として、境界遮光部の幅１４が１μｍより小さいと、Ｒ
ＧＢ画素パターン用開口部１による露光部１０と補助開
口部２による露光部１１、または、補助開口部２による
露光部１１同志が、光の回折、拡散等によりパターンと
して同一化してしまい、また、境界遮光部の幅１４が３
μｍより大きいと、現像液の入り込みが大きくなりＲＧ
Ｂ画素パターン用開口部１による露光部１０の側面下部
を現像液から守る効果が無くなることなどが挙げられ
る。

【００１７】また、図６の補助開口部の幅１２および補
助開口部の長さ１３の設定理由として、補助開口部の幅
１２および補助開口部の長さ１３が各々１μｍおよび３
μｍより小さいと、補助開口部２による露光部１１は現
像液により溶解してしまい、境界遮光部３による未露光
部９の側面の浸食を防ぐ土手の役目が無くなる。また、
補助開口部の幅１２および補助開口部の長さ１３が各々
３μｍおよび５μｍより大きいと、現像終了後も補助開
口部２による露光部１１が完全に浸食、除去されずパタ
ーンとして残り、ＲＧＢ画素形状を悪くすることなどが
挙げられる。

【００１８】

【作用】以上のように、本発明により製造したカラーフ
ィルターでは、ＲＧＢ画素パターン用開口部１による露
光部１０の側面への現像液による浸食が防止されるた
め、得られるＲＧＢ画素層６の側面形状は逆テーパー状
とならず、順テーパー状のものが得られる。したがっ
て、このＲＧＢ画素層６上に積層される透明電極には、
断線が生じない。

【００１９】

【実施例】本発明の、実施例を図１に従い、説明を行
う。＜実施例１＞まず、１．１ｍｍ厚のガラス基板上に、公
知の方法、例えば、金属クロム蒸着後にエッチングを行
う方法などにより、金属クロムの格子状パターンの遮光
層を形成する。次いで、赤色顔料入り感光性樹脂（フジ
ハントテクノロジー（株）製商品名「ＣＲ−２００
０」）を塗布し、スピンコートにより２．０μｍの均一
膜厚とし、９０℃にて５分間プレベークを行う。

【００２０】次いで、本発明による図３および図５に示
すＣＦパターンニング用マスク（Ａの値２μｍ、正方形
状の補助開口部が二列に千鳥状に配列）を用い、照射量
６０ｍＪ／cm²にて露光を行う。次いで、アルカリ性現
像液にて現像を行い、未露光部の感光性樹脂の除去を行
う。次いで、２００℃、３０分間のポストベークを行
い、赤の画素層を形成する。

【００２１】次いで、緑色顔料入り感光性樹脂（フジハ
ントテクノロジー（株）製商品名「ＣＧ−２０００」）
を用い、上記と同様の工程で、照射量８０ｍＪ／cm²に
て露光を行い、緑の画素層を形成する。次いで、青色顔
料入り感光性樹脂（フジハントテクノロジー（株）製商
品名「ＣＢ−２０００」）を用い、上記と同様の工程
で、照射量１２０ｍＪ／cm²にて露光を行い、青の画素
層を形成し、ＲＧＢ画素をもつカラーフィルターを製造
した。

【００２２】＜実施例２＞ＣＦパターンニング用マスク
として、図４および図６に示すＣＦパターンニング用マ
スク（境界遮光部幅２μｍ、補助開口部幅２μｍ、補助
開口部長さ４μｍ）を用い、それ以外は実施例１と同様
にして、ＲＧＢ画素をもつカラーフィルターを製造し
た。

【００２３】以上の、製造方法にて得られた、ＲＧＢ画
素を持つカラーフィルターのＲＧＢ画素層の側面形状
は、なだらかな斜面のフリンジを形成する、順テーパー
状となる。

【００２４】

【発明の効果】本発明により製造される、カラーフィル
ターのＲＧＢ画素層の側面形状は、なだらかな斜面のフ
リンジを形成する、順テーパー状となる。そのため、公
知の方法、例えば、蒸着法により透明電極を膜付けする
際、従来発生していたＲＧＢ画素層の逆テーパー状のオ
ーバーハング部により膜付けが妨げられることが無くな
り、膜付け不良による透明電極の断線を防げるという点
で実用上優れている。

【００２５】また、従来工法で製造されたカラーフィル
ターでは、ＲＧＢ画素層のオーバーハングによる透明電
極の断線を防ぐために、カラーフィルター表面上に透明
被覆層を設け、カラーフィルターの表面平滑化を行う処
理が必要な場合もあったが、本発明では、透明被覆層を
設ける必要が無いため、カラーフィルターの製造方法の
簡易化にも役立つ。さらに言えば、本発明で形成される
カラーフィルターの側面のフリンジは、カラーフィルタ
ーに隣接する遮光膜により、外観からは隠蔽されるの
で、ＲＧＢ画素層の乱れにはならないという実用的な利
点がある。

【００２６】

【図面の簡単な説明】

【図１】カラーフィルターの製造方法を示す工程フロー
図。

【図２】従来の、カラーフィルターの製造方法で生じ
る、ＲＧＢ画素層側面のオーバーハング（逆テーパー
状）を示す説明図。

【図３】本発明に用いる、ＣＦパターンニグ用マスクの
一例を示す一部拡大平面図。

【図４】本発明に用いる、ＣＦパターンニグ用マスクの
他の例を示す一部拡大平面図。

【図５】本発明に用いる図３の、ＣＦパターンニグ用マ
スクの要部を拡大して示す説明図。

【図６】本発明に用いる図４の、ＣＦパターンニグ用マ
スクの要部を拡大して示す説明図。

【図７】（ａ）〜（ｅ）は、本発明のカラーフィルター
の製造方法の一実施例を工程順に示す説明図。

【符号の説明】

１ＲＧＢ画素パターン用開口部２補助開口部２’ 補助開口部３境界遮光部４透明電極５透明基板６ＲＧＢ画素層７マスク８感光性樹脂９境界遮光部による未露光部１０ＲＧＢ画素パターン用開口部による露光部１１補助開口部による露光部１２補助開口部の幅１３補助開口部の長さ１４境界遮光部の幅

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カラー液晶表示装置に用いられるカラーフ
ィルターの製造方法において、ＲＧＢ画素パターン用開
口部の周囲に一辺０．６〜２．４μｍの正方形状もしく
は直径０．６〜２．４μｍの円状の補助開口部を、千鳥
状に複数列設けたカラーフィルターパターニング用露光
マスクを用いることを特徴とするカラーフィルターの製
造方法。
【請求項２】カラー液晶表示装置に用いられるカラーフ
ィルターの製造方法において、ＲＧＢ画素パターン用開
口部の周囲に幅１〜３μｍ、長さ３〜５μｍの長方形状
の補助開口部を１〜３μｍの間隔でＲＧＢ画素パターン
用開口部に接するように配置したカラーフィルターパタ
ーニング用露光マスクを用いることを特徴とするカラー
フィルターの製造方法。