JPH085795A - 軟x線多層膜反射鏡 - Google Patents
軟x線多層膜反射鏡Info
- Publication number
- JPH085795A JPH085795A JP6140381A JP14038194A JPH085795A JP H085795 A JPH085795 A JP H085795A JP 6140381 A JP6140381 A JP 6140381A JP 14038194 A JP14038194 A JP 14038194A JP H085795 A JPH085795 A JP H085795A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substance
- soft
- ray
- carbon
- refractive index
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 軟X線波長領域における反射率を増加させ
る。 【構成】 軟X線多層膜反射鏡1は、軟X線に対する屈
折率が高い第1の物質と、それより屈折率の低い第2の
物質とが交互に積層される多層膜構造を有し、第1の物
質より成る高屈折率層4の厚さと、第2の物質より成る
低屈折率層5の厚さとが、それら両層の複数の境界でそ
れぞれ反射される軟X線がお互いに強めあうように設定
される。この発明では、第1の物質としてフラーレン又
はナノチューブ(分子)構造を有する炭素が選定され
る。その炭素分子として、比較的入手容易なC60,
C70,C76又はC84を用いるのが望ましい。また第2の
物質として例えば、従来のニッケルを用いることができ
る。
る。 【構成】 軟X線多層膜反射鏡1は、軟X線に対する屈
折率が高い第1の物質と、それより屈折率の低い第2の
物質とが交互に積層される多層膜構造を有し、第1の物
質より成る高屈折率層4の厚さと、第2の物質より成る
低屈折率層5の厚さとが、それら両層の複数の境界でそ
れぞれ反射される軟X線がお互いに強めあうように設定
される。この発明では、第1の物質としてフラーレン又
はナノチューブ(分子)構造を有する炭素が選定され
る。その炭素分子として、比較的入手容易なC60,
C70,C76又はC84を用いるのが望ましい。また第2の
物質として例えば、従来のニッケルを用いることができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体素子製造プロセ
スのリソグラフィ等に使用される軟X線多層膜反射鏡に
関し、特に反射率の向上に係わる。
スのリソグラフィ等に使用される軟X線多層膜反射鏡に
関し、特に反射率の向上に係わる。
【0002】
【従来の技術】軟X線多層膜反射鏡1は、図4Aに示す
ように、軟X線(X線は一般に波長の大小によって軟X
線と硬X線とに分けられる)に対する屈折率が高い第1
の物質と、それより屈折率の低い第2の物質とが交互に
積層される多層膜構造を有し、第1の物質より成る高屈
折率層4の厚さと、第2の物質より成る低屈折率層5の
厚さとが、それら両層の複数の境界でそれぞれ反射され
る軟X線の反射光Lbがお互いに強めあうように設定さ
れている。
ように、軟X線(X線は一般に波長の大小によって軟X
線と硬X線とに分けられる)に対する屈折率が高い第1
の物質と、それより屈折率の低い第2の物質とが交互に
積層される多層膜構造を有し、第1の物質より成る高屈
折率層4の厚さと、第2の物質より成る低屈折率層5の
厚さとが、それら両層の複数の境界でそれぞれ反射され
る軟X線の反射光Lbがお互いに強めあうように設定さ
れている。
【0003】高入射角で入射する軟X線波長域の光に対
する吸収率の変化特性は図5に示すように、吸収端と呼
ばれる波長λaの近傍で急激に変化する。これは物質の
屈折率が大きく変動するためである。この吸収端λaは
物質に固有の値であり、カーボンでは4.4nmであ
る。軟X線多層膜反射鏡の反射率は吸収端の前後で大き
く変化し、吸収端より長波長側で高反射率を示す。その
ため使用する軟X線の波長により必要に応じて物質を変
える必要がある。例えば高又は低屈折率層としてそれぞ
れカーボン(炭素)又はニッケルを使用した場合には、
カーボン又はニッケルの吸収端λaはそれぞれ4.4n
m又は1.6nmであるので、これらの吸収端λaの近
傍を除いた波長の軟X線に対して用いられる。
する吸収率の変化特性は図5に示すように、吸収端と呼
ばれる波長λaの近傍で急激に変化する。これは物質の
屈折率が大きく変動するためである。この吸収端λaは
物質に固有の値であり、カーボンでは4.4nmであ
る。軟X線多層膜反射鏡の反射率は吸収端の前後で大き
く変化し、吸収端より長波長側で高反射率を示す。その
ため使用する軟X線の波長により必要に応じて物質を変
える必要がある。例えば高又は低屈折率層としてそれぞ
れカーボン(炭素)又はニッケルを使用した場合には、
カーボン又はニッケルの吸収端λaはそれぞれ4.4n
m又は1.6nmであるので、これらの吸収端λaの近
傍を除いた波長の軟X線に対して用いられる。
【0004】従来のカーボンとニッケルを用いた199
層より成る多層膜反射鏡1の入射角70°における反射
率は、図4Bに示すように、60%以下である。
層より成る多層膜反射鏡1の入射角70°における反射
率は、図4Bに示すように、60%以下である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】LSI等の高密度化に
伴い、リソグラフィを用いるパターニング工程におい
て、パターン幅が1μm或いはそれ以下とますます超微
細になっている。このような超微細で高精度のパターニ
ング技術に用いる軟X線多層膜反射鏡に対して現状の反
射率では不充分で、その改善が要望されていた。この発
明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、目的
とするところは反射率の改善である。
伴い、リソグラフィを用いるパターニング工程におい
て、パターン幅が1μm或いはそれ以下とますます超微
細になっている。このような超微細で高精度のパターニ
ング技術に用いる軟X線多層膜反射鏡に対して現状の反
射率では不充分で、その改善が要望されていた。この発
明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、目的
とするところは反射率の改善である。
【0006】
(1)請求項1の発明では、前記第1の物質が炭素のフ
ラーレン分子構造を有する。 (2)請求項2の発明では、前記第1の物質が炭素のナ
ノチューブ(分子)構造を有する。
ラーレン分子構造を有する。 (2)請求項2の発明では、前記第1の物質が炭素のナ
ノチューブ(分子)構造を有する。
【0007】(3)請求項3の発明では、前記(1)又
は(2)において、前記第1の物質を構成する炭素のフ
ラーレン分子又はナノチューブ(分子)がC60,C70,
C76又はC84分子とされる。 (4)請求項4の発明では前記(1)〜(3)のいずれ
かにおいて、前記第2の物質としてニッケルが選定され
る。
は(2)において、前記第1の物質を構成する炭素のフ
ラーレン分子又はナノチューブ(分子)がC60,C70,
C76又はC84分子とされる。 (4)請求項4の発明では前記(1)〜(3)のいずれ
かにおいて、前記第2の物質としてニッケルが選定され
る。
【0008】
【実施例】図4に示した従来の軟X線多層膜反射鏡1に
おいて、高屈折率層(C層)4のカーボン分子を構成す
るカーボン原子の密度が小さくなるに従い、反射鏡の屈
折率の増加することが発明者によって予測され、更に理
論的に検証された。即ち、カーボン原子の密度を50%
と仮定し、軟X線の波長を変えると図1Bの反射率特性
が計算により得られ、更にカーボン原子の密度を小さく
して行き、その極限として真空状態になったと仮定した
場合には、図2Bの反射率特性が得られる。
おいて、高屈折率層(C層)4のカーボン分子を構成す
るカーボン原子の密度が小さくなるに従い、反射鏡の屈
折率の増加することが発明者によって予測され、更に理
論的に検証された。即ち、カーボン原子の密度を50%
と仮定し、軟X線の波長を変えると図1Bの反射率特性
が計算により得られ、更にカーボン原子の密度を小さく
して行き、その極限として真空状態になったと仮定した
場合には、図2Bの反射率特性が得られる。
【0009】これにより多層膜反射鏡1の反射率を大き
くするには、高屈折率層(C層)4のカーボン原子の密
度を小さくすればよいことが分った。このようにカーボ
ン原子の密度が小さい物質としては、C60(カーボン原
子60個で1個のカーボン分子を構成する、他も同
様),C70,C76又はC84…(原子数120程度又はそ
れ以上の物質まで知られている)より成り、その分子構
造が図3Aに示すようにカーボン原子が球面状に結合し
たフラーレン分子構造、又は図3Bに示すようにカーボ
ン原子が単層又は多層の同心円筒状(図の場合は3層)
に結合したナノチューブ分子構造をもつ物質が存在す
る。これらの物質は球面内部又は内側円筒の内部は中空
で原子の存在しないものである。
くするには、高屈折率層(C層)4のカーボン原子の密
度を小さくすればよいことが分った。このようにカーボ
ン原子の密度が小さい物質としては、C60(カーボン原
子60個で1個のカーボン分子を構成する、他も同
様),C70,C76又はC84…(原子数120程度又はそ
れ以上の物質まで知られている)より成り、その分子構
造が図3Aに示すようにカーボン原子が球面状に結合し
たフラーレン分子構造、又は図3Bに示すようにカーボ
ン原子が単層又は多層の同心円筒状(図の場合は3層)
に結合したナノチューブ分子構造をもつ物質が存在す
る。これらの物質は球面内部又は内側円筒の内部は中空
で原子の存在しないものである。
【0010】フラーレン分子又はナノチューブ分子を構
成するカーボンとしては、比較的入手が容易で、分子構
造や特性の解明が進んでいるC60,C70,C76,C84等
を用いるのが望ましい。また低屈折率層5としては、化
学的特性が比較的安定で、比較的安価に得られ、使用実
績もあるニッケルを用いるのが望ましい。
成するカーボンとしては、比較的入手が容易で、分子構
造や特性の解明が進んでいるC60,C70,C76,C84等
を用いるのが望ましい。また低屈折率層5としては、化
学的特性が比較的安定で、比較的安価に得られ、使用実
績もあるニッケルを用いるのが望ましい。
【0011】
【発明の効果】この発明では、高屈折率層4として、C
60,C70,C76,C84…等のフラーレン又はナノチュー
ブ分子構造をもつ物質を用いることによって、カーボン
分子を構成するカーボン原子の密度を50%以下に低減
することが可能であり、その結果、軟X線に対する反射
率を従来より大幅に増加できる。
60,C70,C76,C84…等のフラーレン又はナノチュー
ブ分子構造をもつ物質を用いることによって、カーボン
分子を構成するカーボン原子の密度を50%以下に低減
することが可能であり、その結果、軟X線に対する反射
率を従来より大幅に増加できる。
【図1】Aはこの発明の実施例を示す断面図、BはAの
軟X線波長領域における反射率特性を示すグラフ。
軟X線波長領域における反射率特性を示すグラフ。
【図2】Aは高屈折率層が真空層で、低屈折率層がニッ
ケルより成るものと仮定した場合の軟X線多層膜反射鏡
の断面図、BはAの軟X線波長領域の反射率特性を示す
グラフ。
ケルより成るものと仮定した場合の軟X線多層膜反射鏡
の断面図、BはAの軟X線波長領域の反射率特性を示す
グラフ。
【図3】AはC60フラーレン分子の構造を示す模式図、
Bはカーボンナノチューブ(分子)構造を示す原理的な
斜視図。
Bはカーボンナノチューブ(分子)構造を示す原理的な
斜視図。
【図4】Aは従来の軟X線多層膜反射鏡の断面図、Bは
Aの軟X線波長領域における反射率特性を示すグラフ。
Aの軟X線波長領域における反射率特性を示すグラフ。
【図5】カーボン、ニッケル又はその他の1種類の原子
よりなる物質の軟X線波長領域における原理的な光吸収
率特性を示すグラフ。
よりなる物質の軟X線波長領域における原理的な光吸収
率特性を示すグラフ。
Claims (4)
- 【請求項1】 軟X線に対する屈折率が高い第1の物質
と、それより屈折率の低い第2の物質とが交互に積層さ
れる多層膜構造を有し、前記第1の物質より成る高屈折
率層の厚さと、前記第2の物資より成る低屈折率層の厚
さとが、それら両層の複数の境界でそれぞれ反射される
軟X線がお互いに強めあうように設定されている軟X線
多層膜反射鏡において、 前記第1の物質が炭素のフラーレン分子構造を有するこ
とを特徴とする軟X線多層膜反射鏡。 - 【請求項2】 軟X線に対する屈折率が高い第1の物質
と、それより屈折率の低い第2の物質とが交互に積層さ
れる多層膜構造を有し、前記第1の物質より成る高屈折
率層の厚さと、前記第2の物資より成る低屈折率層の厚
さとが、それら両層の複数の境界でそれぞれ反射される
軟X線がお互いに強めあうように設定されている軟X線
多層膜反射鏡において、 前記第1の物質が炭素のナノチューブ(分子)構造を有
することを特徴とする軟X線多層膜反射鏡。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、前記第1の物
質を構成する炭素のフラーレン分子又はナノチューブ
(分子)がC60,C70,C76又はC84分子であることを
特徴とする軟X線多層膜反射鏡。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前
記第2の物質がニッケルであることを特徴とする軟X線
多層膜反射鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6140381A JPH085795A (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | 軟x線多層膜反射鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6140381A JPH085795A (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | 軟x線多層膜反射鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH085795A true JPH085795A (ja) | 1996-01-12 |
Family
ID=15267498
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6140381A Pending JPH085795A (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | 軟x線多層膜反射鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH085795A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1416329A1 (en) * | 2002-10-31 | 2004-05-06 | ASML Netherlands B.V. | Lithographic apparatus and device manufacturing method |
JP2011530184A (ja) * | 2008-08-06 | 2011-12-15 | エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. | リソグラフィ装置用の光学素子、かかる光学素子を含むリソグラフィ装置、およびかかる光学素子を製造する方法 |
GB2623356A (en) * | 2022-10-14 | 2024-04-17 | Edwards Ltd | Scroll pump and scroll pump inlet valve |
-
1994
- 1994-06-22 JP JP6140381A patent/JPH085795A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1416329A1 (en) * | 2002-10-31 | 2004-05-06 | ASML Netherlands B.V. | Lithographic apparatus and device manufacturing method |
JP2011530184A (ja) * | 2008-08-06 | 2011-12-15 | エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. | リソグラフィ装置用の光学素子、かかる光学素子を含むリソグラフィ装置、およびかかる光学素子を製造する方法 |
US9897930B2 (en) | 2008-08-06 | 2018-02-20 | Asml Netherlands B.V. | Optical element comprising oriented carbon nanotube sheet and lithographic apparatus comprising such optical element |
GB2623356A (en) * | 2022-10-14 | 2024-04-17 | Edwards Ltd | Scroll pump and scroll pump inlet valve |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6402799B2 (ja) | 光吸収型偏光素子、透過型プロジェクター、及び液晶表示装置 | |
CN105388551B (zh) | 无机偏光板及其制造方法 | |
JPH04502213A (ja) | X線〜紫外線域のミラー装置 | |
FR2899697A1 (fr) | Masque de photolitographie en extreme ultra-violet, avec couche d'arret resonante | |
JP2016528550A (ja) | 多層吸収性ワイヤグリッド偏光子 | |
JP2022508831A (ja) | 非反射領域を備えた反射層を有するフォトマスク | |
WO2008018247A1 (fr) | Élément polarisant à transmission, et plaque polarisante complexe utilisant l'élément | |
JP2005308722A (ja) | 軟x線多層膜反射鏡および軟x線反射光学系 | |
JP2005156201A (ja) | X線全反射ミラーおよびx線露光装置 | |
JPH085795A (ja) | 軟x線多層膜反射鏡 | |
JP2007273656A (ja) | 反射型マスクブランクス及び反射型マスク並びに半導体装置の製造方法 | |
JPH0545498A (ja) | 多層膜反射鏡 | |
JPH0727198B2 (ja) | 多層膜反射型マスク | |
JPH01175736A (ja) | 反射型マスクならびにこれを用いた露光方法 | |
JP3463406B2 (ja) | X線反射型マスク | |
US11385536B2 (en) | EUV mask blanks and methods of manufacture | |
JPH0634107B2 (ja) | X線用多層膜反射鏡 | |
US5745286A (en) | Forming aspheric optics by controlled deposition | |
JP3094648B2 (ja) | X線マスク | |
JPH0729794A (ja) | 反射型マスク | |
JPH0271198A (ja) | X線用ハーフミラー | |
US11435661B2 (en) | Reflective type blankmask for EUV, and method for manufacturing the same | |
JP3101695B2 (ja) | 軟x線光学素子用多層膜 | |
JPH01175734A (ja) | 反射型マスク及びその製造方法 | |
JPH05346496A (ja) | 多層膜反射鏡 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19990119 |