JPH0857488A - 汚水の土壌浸潤処理装置 - Google Patents

汚水の土壌浸潤処理装置

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JPH0857488A
JPH0857488A JP22595494A JP22595494A JPH0857488A JP H0857488 A JPH0857488 A JP H0857488A JP 22595494 A JP22595494 A JP 22595494A JP 22595494 A JP22595494 A JP 22595494A JP H0857488 A JPH0857488 A JP H0857488A
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佳奈 白木
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一幸 羽田野
Masao Nojiri
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 汚水の土壌浸潤処理装置において、汚水を装
置の下部土壌層全体に均一に拡散浸潤させて、下部土壌
層の局部的な目詰まりを防止し、処理効率と十分な浄化
能とを持続させる。 【構成】 土壌浸潤室1は、大地に掘られた溝2の内側
に張りめぐらされた遮水槽3と、遮水槽底部の幅方向中
央部に配設された集水管4と、遮水槽底部から順に積層
された砂利・礫層5、下部土壌層6、汚水拡散層7、通
水装置8及び上部土壌層9とから構成されている。通水
装置8は、外部から供給された汚水を左右の散水口32
から汚水拡散層7に散水する。汚水拡散層7は下部土壌
層6より透水性が高いので、汚水は汚水拡散層7内を短
時間で幅方向全体に流れた後、下部土壌層6全体に均一
に拡散浸潤する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、し尿、生活廃水、工業
廃水等の汚水を土壌に浸透させ、同汚水を土壌中の微生
物の浄化作用によって処理・処分するための土壌浸潤処
理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】汚水の土壌浸潤処理方法は、例えば実開
平3−128495号公報で開示されているように、土
壌中に散水管と浸潤マットなどを埋設し、散水管に供給
した汚水を浸潤マットなどを介して周囲の土壌に拡散浸
潤させて浄化処理を行なう方法で、他の方法にない多く
の利点を持っている。例えば、自然の機構をほぼそのま
ま利用できるので資源やエネルギーの節約を図れる、装
置構造が簡単で済む、悪臭や害虫の発生がない、維持管
理の手間が少なくそのコストも低くて済む等々である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この土壌浸
潤処理方法は、土壌浸潤処理装置の処理効率が数年程度
の短期間で低下してしまうという耐用期間の問題点を抱
えており、このことがその広い普及の上での大きな障害
となっている。この処理効率低下の要因が装置における
土壌の目詰まりにあることは古くより知られている。こ
の目詰まりには、物理的目詰まりと化学的目詰まりと生
物学的目詰まりとがある。
【0004】これらの目詰まりは、いずれも、汚水を装
置の土壌全体に均一に拡散浸潤させられなかった場合
に、その浸潤が集中した部位の土壌に偏って発生しやす
いことが分かってきた。このようにして土壌に局部的な
目詰まりが発生すると、処理効率が低下するだけでな
く、汚水を十分に浄化処理できないおそれがあり、特に
処理済水を集水及び排水する場合には問題となる。そし
て、従来の散水管及び浸潤マットでは、このような汚水
の不均一な拡散浸潤と、それによる土壌の局部的な目詰
まりとが起こる可能性があった。
【0005】そこで、本発明の目的は、汚水を装置の下
部土壌層全体に均一に拡散浸潤させて、下部土壌層の局
部的な目詰まりを防止でき、もって処理効率と十分な浄
化能とを持続させることができる汚水の土壌浸潤処理装
置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の汚水の土壌浸潤処理装置は、遮水槽と、遮
水槽の底部に配設された集水管と、遮水槽の底部に集水
管が埋まる程度に敷かれた砂利又は礫を主体とする砂利
・礫層と、砂利・礫層の上に積層された下部土壌層と、
下部土壌層の上に敷かれた、下部土壌層より透水性の高
い汚水拡散層と、汚水拡散層の中央部の上に載置され、
外部から供給された汚水を汚水拡散層に散水する通水装
置と、通水装置の周囲及び上に積層された上部土壌層と
を備えている。
【0007】ここで、下部土壌層の飽和透水係数が5×
10-4〜30×10-4cm/秒である一方、汚水拡散層
の飽和透水係数が1×10-2cm/秒以上であることが
好ましい。なお、本明細書における飽和透水係数は、J
IS A1218に規定される定水位透水試験によって
決定される飽和透水係数である。
【0008】また、汚水拡散層は、主要粒径分布0.0
2〜10.0mmの粒状体で構成されることが好まし
く、さらに好ましいのは主要粒径分布1〜5mmの粒状
体で構成されることである。この主要粒径分布とは、無
視し得ない程度に存在する主要な粒状体の粒径分布であ
って、たとえ当該範囲から外れる粒状体が無視し得る程
度に混ざっていたとしても、全体としては当該範囲に含
まれるものとする。なお、粒径0.02mm未満の粒状
体がかなりあると、汚水中の有機物によって汚水拡散層
が目詰まりするおそれがある。また、粒径10.0mm
を越える粒状体がかなりあると、上部土壌層の土壌の落
下混入によって汚水拡散層が目詰まりするおそれがあ
る。
【0009】この粒状体としては、粒径0.02〜0.
2mmの細砂、粒径0.2〜2.0mmの粗砂、粒径2
〜10mmの細礫等の天然鉱物をはじめ、多孔質珪酸カ
ルシウム水和物、スラグ等の人工鉱物、プラスチック等
の有機物よりなるものを例示できる。
【0010】通水装置としては、外部から供給された汚
水を流す通水管と、撓みにくい材質又は構造によって通
水管の両側方へ略水平に延びたろ材受けと、ろ材受けの
上に敷かれたろ材と、ろ材の上に被せられた透水性シー
トとを備え、通水管にはろ材受けの上に汚水を吐出する
多数の吐水孔が形成されたものを例示できる。
【0011】このろ材受けの幅方向両側方には、外部か
ら供給された空気を通水管と平行に流してろ材及び下部
土壌層に送り込む通気管が設けられることが好ましい。
【0012】この通気管としては、空気をろ材に送り込
むとともにろ材受けの上を経た汚水を取り込む送気兼取
水孔と、この取り込んだ汚水を汚水拡散層に散水する散
水口とが設けられたものを例示できる。
【0013】そして、吐水孔と送気兼取水孔とは、ろ材
受けの底面より少なくとも10mm上方において開口し
ていることが好ましい。
【0014】また、通水装置の載置時の姿勢を略水平に
調整する水平調整手段が設けられることが好ましい。
【0015】この水平調整手段としては、遮水槽の上に
立設された脚と、脚に対して高さ調整可能に取付けられ
た複数の受け座とから構成され、汚水拡散層の上面に露
出した受け座の上に通水装置が載置されるようにしたも
のを例示できる。
【0016】
【作用】本発明の汚水の土壌浸潤処理装置において、汚
水は通水装置から汚水拡散層に散水される。汚水拡散層
の透水性は下部土壌層より高いので、汚水は下部土壌層
へ下降するより前に汚水拡散層内を短時間で全体に流れ
る。その後、汚水は汚水拡散層から下部土壌層の上面全
体へ略均等に下降して散水され、下部土壌層全体に均一
に拡散浸潤して浄化処理される。このため、下部土壌層
の局部的な目詰まりを防止でき、もって処理効率と十分
な浄化能とを持続させることができる。下部土壌層で浄
化処理された処理済水は、下部土壌層から砂利・礫層へ
下降し、該砂利・礫層内を流れて集水管に集められる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体化した汚水の土壌浸潤処
理装置の実施例について、図面を参照して説明する。こ
の土壌浸潤処理装置は大きく分けて、土壌浸潤室1と、
多室型腐敗室40と、分水桝41と、消毒室42とから
構成されている。土壌浸潤室1は、大地に幅約2m×深
さ約0.8m×長さ約22mの内法(後述する遮水槽3
の寸法より若干大きくする)で掘られた溝2内に形成さ
れている。具体的には、溝2の内側に張りめぐらされた
遮水槽3と、該遮水槽3の底部の幅方向中央部に配設さ
れた集水管4と、該遮水槽3の底部から順に積層された
砂利・礫層5、下部土壌層6、汚水拡散層7、通水装置
8及び上部土壌層9とから構成されている。
【0018】遮水槽3は、土壌浸潤室1より外の土壌に
汚水が漏れないようにするとともに処理済水を集めるた
めのもので、厚さ約1.5mmの高密度ポリエチレン樹
脂シートが使用されている。遮水槽3の寸法は、幅が2
000mm、深さは土壌浸潤室1の入口(図2において
奥側)から出口(図2において手前側)の直前までが約
800mm、出口で下方へ傾斜して約850mm、長さ
は約22000mmである。
【0019】集水管4は、処理済水を集めて取り出すた
めのもので、直径約75mmの公知の通水ドレンが使用
されている。
【0020】砂利・礫層5は、遮水槽3の底部に下降し
た処理済水を集水管4に集めるためのもので、粒径の大
きい砂利と礫との混合物を用いて、集水管4が埋まるよ
う同底部に厚さ約100mmに敷かれている。なお、砂
利又は礫を主体として、これに人工鉱物、有機物等を加
えてもよい。
【0021】下部土壌層6は、浄化処理の主役となる部
分で、通気性と毛管浸潤性とを適度にバランスさせるよ
うに調整した土壌を用いて、砂利・礫層の上に厚さ約2
70mmに積層されている。本実施例では、この土壌と
して次の又はが場合分けして用いられた。 予め調整したものを用いることができる場合には、
粘度含量12〜15%、シルト含量20〜45%、砂含
量3〜65%のクレーローム(clay−loam)に
相当し、孔隙率50〜70%、有効孔隙率15〜20
%、飽和透水係数10.0×10-4cm/秒の土壌が用
いられた。
【0022】 現場で調整する場合には、溝2の形成
時に掘り出した土壌に、小野田エー・エル・シー株式会
社から商品名「芝健」として販売されている土壌改良剤
を約2kg/m3 程度添加してなる、飽和透水係数1
0.8×10-4cm/秒の土壌が用いられた。この芝健
は、有機物と多孔質珪酸とで醗酵させた多種多様の微生
物を含むケイ酸質土壌活性肥料であって、その化学成分
は窒素0.8%、リン酸1.0%、カリ1.3%、石灰
8.0%、苦土0.6%、ケイ酸17.2%、酸化鉄
0.4%、C/N比16%である。
【0023】汚水拡散層7は、通水装置8から散水され
た汚水を下部土壌層6の全体に均一に拡散浸潤させるた
めのもので、下部土壌層6より高い透水性を有するよう
に、粒状体を用いて、下部土壌層6の上に厚さ約30〜
40mmに敷かれている。この粒状体としては、例えば
小野田エー・エル・シー株式会社から商品名「TBX」
として販売されているような汚水浄化ろ材を使用するの
が好ましい。このTBXは、トバモライトを主成分とす
る粒状の多孔質珪酸カルシウム水和物であって、その化
学成分はSiO2 54.7%、CaO25.2%、Al
23 2.7%、Fe23 1.5%、MgO0.3%で
あり、粒径は1〜8mm程度である。本実施例では、汚
水拡散層7の下半部に主要粒径分布1〜4mmのTBX
(飽和透水係数5.0×10-1cm/秒以上)が用いら
れ、汚水拡散層7のうちの上半部に主要粒径分布2.5
〜10mmの細礫(飽和透水係数はTBXよりさらに大
きい)が用いられた。
【0024】通水装置8は、外部から供給された汚水を
長さ方向に流しながら複数箇所から汚水拡散層7に散水
するためのもので、汚水拡散層7の幅方向中央部の上に
載置されている。この通水装置8は、複数のプラスチッ
ク製のユニット10を長さ方向に連結して形成されてい
る。
【0025】各ユニット10は、幅約1000mm×長
さ約1000mmの底板11と、底板11の幅方向中央
部に約100mmの間隔をおいて立設されて長さ方向に
延びる高さ約80mmの一対の樋板12と、各樋板12
を支えるL型で高さ約40mmの支持部材13と、底板
11の幅方向両側縁から約80mm内側の位置に立設さ
れて長さ方向に延びる高さ約80mmの側板14と、各
側板14を支えるL型で高さ約20mmの支持部材15
と、両樋板12間の上面と各側板14の上面から側方ま
でとを覆う蓋板16と、底板11の長さ方向両縁に立設
されて幅方向に延びる高さ約80mmの端板17(両樋
板12間と各側板14の側方には無い。)と、底板11
の長さ方向中央部に立設されて幅方向に延びるL型の補
強部材18とからなる。
【0026】各部11〜18はプラスチック板で形成さ
れているが、他の材料、例えば不銹性の又は不銹処理を
した金属や、補強棒で補強された柔軟なシート等で形成
することもできる。各部11〜18は接着、熱溶着、嵌
着等により組立てられており、特に蓋板16は、蓋板1
6に一体形成された爪19が樋板12を掴むとともに、
底板11に形成された爪20が蓋板16の折曲げ端部2
1の内側面に入り込むことによって、樋板12等に取付
けられている。また、ユニット10相互間は、両樋板1
2間と各側板14の側方とに取付けられた四角筒状の連
結部材22によって連結されている。
【0027】そして、底板11と一対の樋板12と蓋板
16とで囲まれることによって、外部から供給された汚
水を長さ方向に流す幅方向中央部の通水管25が形成さ
れている。通水管25を構成する各樋板12には、次に
説明するろ材受け26の上に汚水を吐出する多数の吐水
孔30が形成されている。しかし、各樋板12には高さ
約40mmの支持部材13が沿っているので、吐水孔3
0はろ材受け26の底面より40mm以上上方において
開口している。
【0028】また、樋板12と側板14との間の底板1
1によって、通水管25の幅方向両側方へ略水平に延び
るろ材受け26が形成されている。このろ材受け26
は、底板11をはじめ各部12〜18がプラスチックで
形成されていることや、各部12〜18による補強作用
によって、幅方向においても長さ方向においても撓みに
くい構成となっている。ろ材受け26の上にはろ材27
が蓋板16と略同レベルまで敷かれ、該ろ材27には粒
径5〜8mmのTBXが用いられている。ろ材27及び
蓋板16の上には透水性シート28が被せられ、該透水
性シート28には100μm程度の網目をもった網状体
が用いられている。
【0029】また、ろ材受け26の幅方向両側方におい
て、底板11と各側板14と蓋板16とで囲まれること
によって、外部から供給された空気を通水管25と平行
に流してろ材27及び下部土壌層6に送り込む通気管2
9が形成されている。通気管29を構成する各側板14
には、空気をろ材27に送り込むとともにろ材受け26
の上を経た汚水を取り込む多数の送気兼取水孔31が形
成されている。しかし、各側板14には高さ約20mm
の支持部材15が沿っているので、送気兼取水孔31は
ろ材受け26の底面より20mm以上上方において開口
している。また、蓋板16の左右の各折曲げ端部21の
下端と底板11との間には、幅が約20mmで通水装置
8の全長にわたる隙間があり、この隙間は、通気管29
に取り込んだ汚水を汚水拡散層7に散水するための左右
の散水口32となっている。両散水口32は幅方向に約
1000mm相互離間している。
【0030】上部土壌層9は、浄化処理の補助となる部
分で、下部土壌層6の土壌と同じ土壌を用いて、通水装
置8の周囲及び上に厚さ約320〜400mmに積層さ
れている。
【0031】土壌浸潤室1の入口付近の上部土壌層9に
は左右一対の直径約40mmの給気管38が上下に挿通
され、該給気管38の上端は大気に開口し、下端は通気
管29の入口部位に接続・開口している。また、両給気
管38の間の上部土壌層9には点検管33が上下に挿通
され、該点検管33の上端は開口し、下端は通水管25
の入口部位に接続・開口していて、通水管25の入口部
位を外部から目視点検できるようになっている。また、
下部土壌層6のうち汚水拡散層7との境界部分近辺にお
ける酸化還元電位を計測するためのEh計34が、層
9,7に挿入されている。
【0032】上記のように構成される土壌浸潤室1の形
成方法を説明すると、まず、図4に示すように、大地に
掘った溝2の内側に遮水槽3を張りめぐらし、該遮水槽
3の底部の幅方向中央部に集水管4を配設する。次に、
通水装置8の載置時の姿勢を略水平に調整する水平調整
手段を設ける。この水平調整手段は、遮水槽3の上に立
設された幅方向に股がる門形の脚35と、この脚35に
対してねじの螺合調整によって高さ調整可能に取付けら
れた複数の受け座36とから構成されている。脚35は
長さ方向に間隔をおいて複数設けられ、各脚35の上面
は長さ方向に延びて溶接された連結棒37によって連結
されている。
【0033】続いて、図5に示すように、遮水槽3の底
部から順に砂利・礫層5、下部土壌層6及び汚水拡散層
7を積層し、汚水拡散層7の上面に受け座36を露出さ
せる。さらに、図6に示すように、受け座36の上に通
水装置8を載置し、受け座36の高さ調整によって通水
装置8の載置時の姿勢を略水平に調整する。このとき、
ろ材受け26は撓みにくい構成なので、水平に調整しや
すい。そして、ろ材受け26の上にろ材27を敷き、図
7に示すように、ろ材27及び蓋板16の上に透水性シ
ート28を被せ、通水装置8の周囲及び上に上部土壌層
9を積層すればよい。
【0034】土壌浸潤処理装置の他の部位について説明
すると、土壌浸潤室1の外部であって入口側には、汚水
(原水)中に含まれる固形部を沈澱分離するための多湿
型腐敗室40が設置されている。多湿型腐敗室40の出
口には、分水桝41を介して、通水管25の入口が接続
されている。分水桝41は、複数の土壌浸潤室1が並列
に設けられた場合(図2はその一つのみを示してい
る。)に、汚水を各土壌浸潤室1に略均等に分配するた
めのものである。一方、土壌浸潤室1の外部であって出
口側には、土壌浸潤室1の集水管4から出た処理済水を
放流前に消毒するための消毒室42が設置されている。
【0035】以上のように構成された土壌浸潤処理装置
による汚水の浄化処理は、次のようにしてなされる。汚
水(原水)は、まず多湿型腐敗室40に送られ、汚水中
に含まれる固形部が沈澱分離によりできる限り取り除か
れ、土壌浸潤室1での負荷が軽減される。多湿型腐敗室
40から出た汚水は、分水桝41を経て、複数の土壌浸
潤室1に略均等に分配され、通水管25の入口に通水さ
れる。この通水は間欠的に行われる。
【0036】汚水は、通水管25を長さ方向に流れると
ともに、図1に矢印で示すように、多数の吐水孔30か
ら左右のろ材受け26の上に吐出し、ろ材27の間を通
って側方へ流れ、送気兼取水孔31から左右の通気管2
9へ取り込まれる。ろ材27には前記TBX(粒状の多
孔質珪酸カルシウム水和物)が使用されているので、 ろ材27の孔隙に担持された微生物が、汚水中の有機
物を分解したり、窒素酸化物を酸化したりする作用、
汚水中のリン酸塩と化学反応し、リン酸カルシウム化合
物として除去する作用、有機物の分解で生成される乳
酸、酪酸、酢酸等を中和して微アルカリ性の環境をつく
り、アンモニアの硝化作用を促進する作用、等が発揮さ
れる。
【0037】上記作用は、汚水が短時間でろ材27の間
を通ってしまうと、十分に期待できない。しかし、本実
施例では、吐水孔30及び送気兼取水孔31がろ材受け
26の底面よりそれぞれ40mm及び20mm以上上方
において開口しているので、汚水の一部がろ材受け26
の上に長時間滞留し、これがろ材27に吸い上げられ
て、上記作用が十分に期待できる。
【0038】また、ろ材受け26は撓みにくい構成とな
っており、略水平に調整されているので、汚水は左右両
方のろ材受け26の上を略均等に流れる。このため、汚
水が片方のろ材27に偏って流れ、該ろ材27のみが早
期に目詰まりする、という心配がない。
【0039】なお、汚水の一部はろ材27の上面から透
水性シート28を通って上部土壌層9に浸潤し、上部土
壌層9中で浄化処理される。この処理済水は地表部に達
し、緑化等に寄与する。但し、本実施例では、この上部
土壌層9における浄化処理は補助的である。
【0040】次に、左右の通気管29へ取り込まれた汚
水は、左右の散水口32から汚水拡散層7に散水され
る。汚水拡散層7の透水性は下部土壌層6より高いの
で、図1に矢印で示すように、汚水は下部土壌層6に下
降するより前に汚水拡散層7内を短時間で幅方向全体に
流れる。特に本実施例では、汚水拡散層7の幅が約20
00mmであるのに対して、左右の散水口32が幅方向
に約1000mm相互離間しているので、汚水は両散水
口32から汚水拡散層7全体に行き渡りやすい。その
後、汚水は汚水拡散層7から下部土壌層6の上面全体に
略均等に下降し、下部土壌層6全体に均一に拡散浸潤し
て浄化処理される。このため、下部土壌層6の局部的な
目詰まりを防止でき、もって処理効率と十分な浄化能と
を持続させることができる。
【0041】下部土壌層6で浄化処理された処理済水
は、下部土壌層6から砂利・礫層5に下降し、該砂利・
礫層5内を幅方向に流れて集水管4に集められ、集水管
4内を長さ方向に流れる。そして、集水管4から出た処
理済水は、消毒室42に入り、消毒(例えば塩素消毒)
されてから放流される。
【0042】ところで、本実施例においても、BODな
どの濃度が高い状態の汚水が曝される部位、すなわちろ
材27や、散水口32との境界部分近辺にある下部土壌
層6の一部については、目詰まりについて考慮する必要
がある。
【0043】ここで、前述した物理的目詰まりは、土壌
の団粒構造が破壊されて微細粒子化した土壌による緻密
層の形成により発生するもので、その原因となる団粒構
造の破壊は、団粒構造の形成に働いている多荷電金属が
酸化体から還元体に移行する際に粘土鉱物と腐植複合物
との結合が弱まることを主因としており、土壌中におけ
る一定以上の嫌気的状態の発生に大きく依存している。
【0044】また、生物学的目詰まりは、主に微生物が
合成する多糖の過剰蓄積に起因し、多糖の過剰蓄積は、
当該部位の土壌が一定以上の嫌気的状態となることによ
り、分解能力が小さく逆に多糖の合成量の多い嫌気性菌
に活動の主体が移ることにある。
【0045】そして、これらに共通する嫌気的状態は、
BODなどの濃度が高い状態の汚水が曝される部位にお
いて、微生物が大量に増殖して酸素を過度に消費するこ
とによりもたらされることが分かっている。
【0046】そこで、本実施例では、外部の空気を給気
管38に自然に取り込み、通気管29に供給して長さ方
向に流し、この空気を、送気兼取水孔31からろ材27
に送り込むとともに、散水口32からその近辺にある下
部土壌層6の一部に送り込むことによって、ろ材27と
該上部土壌層9の一部とに嫌気的状態を生じにくくし、
目詰まりを防止している。給気管38に自然に取り込め
る空気の量は、約80リットル/日である。
【0047】上記のように自然に取り込む空気の量だけ
では不十分な場合には、図1に示すように、時折、ブロ
アー39によって空気を給気管38に強制的に送り、ろ
材27と前記上部土壌層9の一部とに一定以上の嫌気的
状態を生じないように管理すればよい。その場合、Eh
計34によって下部土壌層6の一部における酸化還元電
位を計測し、その値が基準値(例えば100mV)以下
になったときに、その値を所定値(例えば150〜30
0mV)に戻す範囲で、空気を強制的に送るようにすれ
ばよい。
【0048】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で任
意に変更して具体化することもできる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明に係る汚水の
土壌浸潤処理装置によれば、汚水を装置の下部土壌層全
体に均一に拡散浸潤させて、土壌の局部的な目詰まりを
防止でき、もって処理効率と十分な浄化能とを持続させ
ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る土壌浸潤処理装置の土壌
浸潤室を示す断面図である。
【図2】同土壌浸潤処理装置全体の斜視図である。
【図3】同土壌浸潤室内に用いる通水装置の斜視図であ
る。
【図4】同土壌浸潤室の形成における初期の手順を示す
斜視図である。
【図5】同土壌浸潤室の形成における次の手順を示す斜
視図である。
【図6】同土壌浸潤室の形成における次の手順を示す斜
視図である。
【図7】同土壌浸潤室の形成における次の手順を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 土壌浸潤室 2 溝 3 遮水槽 4 集水管 5 砂利・礫層 6 下部土壌層 7 汚水拡散層 8 通水装置 9 上部土壌層 25 通水管 26 ろ材受け 27 ろ材 28 透水性シート 29 通気管 30 吐出孔 31 送気兼取水孔 32 散水口 35 脚 36 受け座
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白木 佳奈 大阪府大阪市淀川区木川東四丁目8番4号 太陽工業株式会社内 (72)発明者 羽田野 一幸 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 小野 田エー・エル・シー株式会社材料研究所内 (72)発明者 野尻 正男 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 小野 田エー・エル・シー株式会社材料研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮水槽と、 前記遮水槽の底部に配設された集水管と、 前記遮水槽の底部に前記集水管が埋まる程度に敷かれた
    砂利又は礫を主体とする砂利・礫層と、 前記砂利・礫層の上に積層された下部土壌層と、 前記下部土壌層の上に敷かれた、前記下部土壌層より透
    水性の高い汚水拡散層と、 前記汚水拡散層の中央部の上に載置され、外部から供給
    された汚水を前記汚水拡散層に散水する通水装置と、 前記通水装置の周囲及び上に積層された上部土壌層とを
    備えた汚水の土壌浸潤処理装置。
  2. 【請求項2】 前記下部土壌層の飽和透水係数が5×1
    -4〜30×10-4cm/秒である一方、前記汚水拡散
    層の飽和透水係数が1×10-2cm/秒以上である請求
    項1記載の汚水の土壌浸潤処理装置。
  3. 【請求項3】 前記汚水拡散層は、主要粒径分布0.0
    2〜10.0mmの粒状体で構成された請求項1記載の
    汚水の土壌浸潤処理装置。
  4. 【請求項4】 前記通水装置は、外部から供給された汚
    水を流す通水管と、撓みにくい材質又は構造によって前
    記通水管の両側方へ略水平に延びた板状のろ材受けと、
    前記ろ材受けの上に敷かれたろ材と、前記ろ材の上に被
    せられた透水性槽とを備え、前記通水管には前記ろ材受
    けの上に前記汚水を吐出する多数の吐水孔が形成された
    請求項1記載の汚水の土壌浸潤処理装置。
  5. 【請求項5】 前記ろ材受けの幅方向両側方には、外部
    から供給された空気を前記通水管と平行に流して前記ろ
    材及び前記下部土壌層に送り込む通気管が設けられた請
    求項4記載の汚水の土壌浸潤処理装置。
  6. 【請求項6】 前記通気管には、前記空気を前記ろ材に
    送り込むとともに前記ろ材受けの上を経た汚水を取り込
    む送気兼取水孔と、この取り込んだ汚水を前記汚水拡散
    層に散水する散水口とが設けられた請求項5記載の汚水
    の土壌浸潤処理装置。
  7. 【請求項7】 前記吐水孔と前記送気兼取水孔とは、前
    記ろ材受けの底面より少なくとも10mm上方において
    開口している請求項6記載の汚水の土壌浸潤処理装置。
  8. 【請求項8】 前記通水装置の載置時の姿勢を略水平に
    調整する水平調整手段が設けられた請求項4、5、6又
    は7記載の汚水の土壌浸潤処理装置。
  9. 【請求項9】 前記水平調整手段は、前記遮水槽の上に
    立設された脚と、前記脚に対して高さ調整可能に取付け
    られた複数の受け座とから構成され、前記汚水拡散層の
    上面に露出した前記受け座の上に前記通水装置が載置さ
    れた請求項8記載の土壌浸潤処理装置。
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