JPH0857461A - 有機物の分解消化装置 - Google Patents

有機物の分解消化装置

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Publication number
JPH0857461A
JPH0857461A JP6218011A JP21801194A JPH0857461A JP H0857461 A JPH0857461 A JP H0857461A JP 6218011 A JP6218011 A JP 6218011A JP 21801194 A JP21801194 A JP 21801194A JP H0857461 A JPH0857461 A JP H0857461A
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JP
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digestion
digestion tank
decomposition
stirring
organic matter
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Application number
JP6218011A
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English (en)
Inventor
Kimio Shibata
公雄 柴田
Keiko Shibata
啓子 柴田
Hiroshi Watanabe
洋 渡辺
Toshikatsu Kawasumi
利勝 川隅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
S T KENKYUSHO KK
Original Assignee
S T KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 狭い設置スペースで大型の分解消化槽を設置
し得、かつその内部を好気性菌の最良増殖条件に調え、
有機物の分解消化を良好にする装置の提供。 【構成】 円筒容器状の分解消化槽1を直立させ、その
底板4上に、回転軸6aと各一対の攪拌棒6cからなる
四段の攪拌部6bとで攪拌機構6を構成する。回転軸6
aと攪拌棒6cとは相互に連通するパイプ材からなり、
エアコンプレッサ6eの供給圧縮空気を後者のノズル孔
nから吹出す。回転軸6aには電動モータ6dを接続す
る。分解消化槽1の下部に、これを横切り、搬送筒部7
bの周側上部を開口した横移送部7を配し、これで、有
機物を、選択的に、給排出口8又は縦移送部9に移送す
る。分解消化槽1の側部には、横移送部7で運ばれた有
機物を引き上げて上方からこれに投入する縦移送部9を
立設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、これに、レストラン又
は食堂等の厨房又は食品工場から排出される生ゴミやこ
れらの排水処理施設より発生する余剰汚泥の脱水ケーキ
等の要廃棄有機物を概ね水と二酸化炭素に分解して固形
成分を消化減容させる有機物の分解消化装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来装置の一つに、支持体に、
両端を閉じた円筒状の処理容器を横向きかつその軸心を
中心に回転自在に配し、その端部に、使用者がこれを回
転させるためのハンドルを固設し、かつ上記処理容器の
周側の一部に生ゴミの投入口を開閉自在に構成した生ゴ
ミ処理機がある。
【0003】この従来装置は、投入口を開いて生ゴミを
投入し、その前に又は後から、自然菌を濃縮したとされ
る菌であって、人、ペット及び植物に無害な菌及び水分
調整材を添加し、更に前記ハンドルを用いて処理容器を
1〜2回手回しし、その後放置すれば、投入した生ゴミ
を消化減容させることができるとされている。より具体
的には、野菜、魚及び肉類は5〜10日で原形がなくな
り、悪臭も殆ど気にならない、とされている。
【0004】しかし本件発明者等が実際にテストしたと
ころ、前記処理容器は密閉されているので、外部に殆ど
悪臭が漏れないことは認められるが、内部では過剰水分
の除去や空気の導入が行われないので、好気性菌の維持
・増殖が困難になり、腐敗が進行することとなる、と云
う不都合な結果を得ている。
【0005】またこの種の他の従来装置には、支持体
に、八角筒状の処理容器を横向きかつその軸心を中心に
回転自在に配し、上記処理容器の周側の一部に生ゴミの
投入口を開閉自在に構成し、かつ投入口の蓋体に多数の
小孔を穿設した生ゴミ消滅機がある。
【0006】この従来装置は、予め特殊処理した木質細
片を充填剤として処理容器中に存在させておき、その処
理容器中に、投入口の蓋体をあけて生ゴミを投入し、必
要に応じて該処理容器を1〜2回手回しし、その後放置
すれば、投入した生ゴミを消化消滅させることができ、
悪臭も殆ど気にならない、とされている。また前記充填
剤は1年間で10%程度減るので、その補充を必要とす
る、と説明されている。
【0007】しかしこの従来装置についても、本件発明
者等が実際にテストしたところによれば、先に説明した
従来例と同様に、好気性菌の維持・増殖が充分ではなく
腐敗が進行してしまう、と云う不都合な結果を得てい
る。
【0008】廃棄物処理の原則は減容化、安定化及び無
害化を進めることであるが、以上のような従来装置で
は、好気性菌の活動の条件が整えられないため、その維
持増殖が困難になり、投入した生ゴミ等の有機物に腐敗
が生じる等の不都合な結果となっている。そこで本件出
願人は、未だ公知となっている技術ではないが、以上の
従来技術の問題点を解決し、最小限のエネルギーで好気
性菌の増殖の条件を調え、廃棄物である種々の有機物を
殆ど水と二酸化炭素に分解して固形物を最小限まで減容
し得る簡易な装置として有機物の分解消化装置を提案し
た(特願平5−61162号)。
【0009】この技術は、軸心を中心に回転自在に配し
た分解消化槽であって、内外を通じる複数の小孔を有す
る分解消化槽と、上記分解消化槽を、その軸心を中心に
回転させる回転駆動手段と、上記分解消化槽の内部に配
した有機物破砕攪拌手段であって、上記分解消化槽の回
転にともないその内部に投入された有機物を破砕して攪
拌し得る有機物破砕攪拌手段とで構成した有機物の分解
消化装置である。
【0010】この技術は、前記目的を達成し得る優れた
ものであるが、内部に投入した有機物を前記有機物破砕
攪拌手段によって破砕攪拌するために、分解消化槽を回
転させるものであり、その点で、大型の装置に構成する
には困難な面がある。それ故、増大する大量の有機廃棄
物の処理には適せず、主としてレストランや食堂等の小
規模の設備から廃棄される有機物の分解消化処理に適す
るものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明に於ては、分解
消化槽を、大型化し、大量の有機廃棄物をできるだけ短
期間で分解消化し、増大する廃棄物や下水処理場等の余
剰汚泥のスピーディな分解消化処理を確保し得る有機物
の分解消化装置であって、狭いスペース中に設置し得る
有機物の分解消化装置を提供することを解決の課題とす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の構成の要旨とす
るところは、側壁に断熱材を配し、かつ底部を水分透過
部材で構成した縦形の分解消化槽と、上記分解消化槽中
に配する攪拌手段であって、該分解消化槽中に投入され
る有機物を、それ自体の動作で攪拌する攪拌手段と、前
記分解消化槽の下部に位置し、有機物を、選択的に、給
排出口又は後記縦移送手段に移送する横移送手段であっ
て、前記分解消化槽を降下して来る有機物を受け入れる
開口部を上部に備えた横移送手段と、上記横移送手段で
移送されて来る有機物を引き上げて上方から前記分解消
化槽中に投入する縦移送手段と、で構成した有機物の分
解消化装置であり、これによって前記課題を解決するこ
とができる。
【0013】前記分解消化槽は、設置スペースを広げな
いために、縦形とする必要があるが、形状としては方形
容器状あるいは円筒容器状等を自由に採用することがで
きる。また前記攪拌手段は、前記したように、それ自体
の動作、例えば、回転とか、揺動とかの動作により、分
解消化槽中に投入された生ゴミ等の被処理有機物を破砕
し、攪拌し、混合し、かつ分散できるものであれば、そ
の構成は自由である。例えば、前記分解消化槽を直立さ
せた円筒状容器で構成した場合には、前記攪拌手段を、
該分解消化槽の軸心に沿って立ち上げた回転軸と、該回
転軸に、上下方向に定間隔で複数段配した攪拌部であっ
て、該回転軸に直交する向きに配した複数本の攪拌棒か
らなる攪拌部とで構成することができる。
【0014】また前記分解消化槽には、その内部での好
気性バクテリアの活動を良好にするために空気の導入手
段を設けるのが適当であるが、前記のように、攪拌手段
を回転軸と複数の攪拌棒からなる攪拌部とで構成する場
合には、上記回転軸及び攪拌棒を相互に連通するパイプ
部材で構成し、該回転軸に空気の供給手段を接続し、該
回転軸を通じて空気を攪拌棒に送給し、攪拌棒に開口し
た一以上のノズル孔から分解消化槽内に空気を噴出させ
るように構成するのが良い。こうすることによって被処
理有機物中に容易に万遍なく空気を吹き込むことが可能
になる。
【0015】もっとも空気の導入手段は、以上のものに
限らず、種々の構成を自由に採用することができ、被処
理有機物の種類と条件とによっては、分解消化槽の上部
に空気の導入用の開口を設けるだけでも良い。屋外に設
置した場合でも雨滴等が入らないように、例えば、分解
消化槽を分解消化槽本体と蓋体とで構成し、蓋体を載置
する分解消化槽の上端部の一箇所又は複数箇所に、空気
導入用切欠を設ける等の手段によって空気を導入するこ
ととしても良い。被処理有機物への空気の導入が充分に
行なわれ得る限り、これ以外の手段を採用することも更
に自由である。
【0016】前記分解消化槽に投入される被処理物は有
機物であるから、通性嫌気性菌又は好気性バクテリアそ
の他によって、殆どが水と二酸化炭素に分解される。水
はときに水蒸気となる。また前記分解過程にともなって
有臭のガスが発生することもあり、これらは脱臭手段を
通じて排出するのが好ましい。例えば、前記分解消化槽
にガス排出管を介して脱臭手段を接続し、これを通じて
ガス類の排出を行なうように構成する訳である。脱臭手
段としては、云うまでもなく、既存の手段を自由に採用
することができる。もっともこの装置によれば、被処理
有機物の分解消化は良好に進行し、水と二酸化炭素に良
好に分解されるので、臭いは比較的少なく、脱臭手段無
しに排気しても問題は比較的少ない。
【0017】ところで、前記横移送手段の給排出口は、
文字通り、被処理有機物をここから投入したり、分解消
化残渣をここから取り出したりするための出入り口であ
るが、特に、被処理有機物を投入する際には、後の分解
消化のためにできるだけ細かく砕かれていた方が都合が
良い。そこで前記横移送手段の給排出口には、投入する
被処理有機物を破砕する破砕手段を付設しておくことが
好ましい。
【0018】また前記分解消化槽の底部を構成する水分
透過部材は、生ゴミ等とともに投入される過剰水分及び
内部で発生した水分の排出を目的とするものであるか
ら、この内部に投入され、細片化された生ゴミその他の
有機物については容易に外部に出ない程度の多数の径の
小孔を穿設した板材や、網材等で構成することができ
る。該小孔の径又は網の目のサイズは0.5〜10mm程
度が適当である。なおこの底部の下方には降下する水を
受け止めて一時保持する受皿乃至タンクを構成しておく
必要がある。この水には有機物が溶け込んでいる可能性
があるので、更に分解消化処理して排水するように構成
するのが適当である。
【0019】前記横移送手段は、操作者の選択に従い有
機物を縦移送手段側に移送し、又は有機物の分解残渣等
を前記給排出口に逆移送できる構成であり、かつ上方が
開放しており、分解消化槽を降下して来る被処理有機物
がそれに容易に進入することができるものであれば、具
体的な構成は自由である。例えば、搬送筒部の周側上部
が開口したスクリュウコンベア等を用いることができ
る。これを正逆回転可能に構成しておけば良い。また縦
移送手段も前記横移送手段で運び込まれた被処理有機物
を分解処理槽の上方まで縦移送できるものであれば、そ
の具体的構成を問わない。この縦移送手段は、分解消化
槽の内部又は外部に設置することができる。勿論、その
設置位置に対応して前記横移送手段の移送先が定められ
るべきは云うまでもない。
【0020】なお前記縦移送手段、横移送手段及び前記
攪拌手段は、基本的に、相互に連動して動作させること
とし、適当な時間、定期的に又は不定期的に動作させる
ための制御手段を構成する。この動作は、予め定められ
た通りに、例えば、1時間動作して8時間停止するサイ
クルを繰り返すように構成したり、又は、有機物の投入
の都度、一定時間動作するように定めることもできる。
もっとも前記横移送手段は、必要に応じて、他の二つ、
即ち、縦移送手段及び攪拌手段と連動せずに、有機物の
分解残渣等を、給排出口に逆送する動作を行ない得るよ
うに構成してあることは云うまでもない。
【0021】
【作用】しかして本発明の有機物の分解消化装置は、以
上のように構成したので、次のように使用することがで
きる。
【0022】分解消化槽内には、予め、鋸くずや枯葉等
を60%程度の充填率になるように投入し、必要に応じ
て光合成菌や変異バクテリア又は酵素剤等を添加して置
くこととする。加えて前記横移送手段、縦移送手段及び
攪拌手段についての制御手段を適当な動作条件に設定し
て置くこととする。
【0023】こうした準備の後、使用を開始し、分解消
化槽の中に被処理有機物を投入する。投入は、横移送手
段及び縦移送手段を用いて行なう。これらが動作してい
る状態で、前記給排出口より被処理有機物を投入する。
給排出口に破砕手段を付設してある場合には、被処理有
機物は、これによって破砕されつつ給排出口に投入され
ることとなる。投入された被処理有機物は、破砕され、
又はされないで、横移送手段により縦移送手段の最下部
の受け入れ口まで移送され、ここで受け取られ、縦移送
され、その上端の排出口より前記分解消化槽中に投下さ
れることになる。
【0024】分解消化槽に投下された被処理有機物は、
このとき、連動して動作している攪拌手段により、破砕
されて細片化されつつ、攪拌混合され、かつ分散され
て、種々の有機物が混じり合うこととなる。また密着し
あった有機物片間にすき間が空いてその間に空気が導入
されたりもする。また、被処理有機物の種類やその条件
に応じて適切な空気の導入手段が導入されていることに
より、以上の攪拌過程で、有機物細片間に一層適切に空
気が導入されることにもなる。こうして被処理有機物
は、細片化され、攪拌されつつ降下して行くこととな
る。
【0025】また他方では、前記攪拌過程で、被処理有
機物に含まれていた過剰水分、及び有機物の分解消化過
程で発生する水分が降下し、水分透過部材で構成した底
部を通じて、その下方に排出されることとなる。前記の
ような攪拌手段の攪拌動作は、水分の降下流出も促進
し、分解消化槽の内部を適切な水分状態にもするもので
ある。
【0026】最下部まで降下した被処理有機物片は、攪
拌手段で攪拌されつつ、ついには前記横移送手段に、そ
の上部の開口部から導入され、前記したと同様に、縦移
送手段の最下部の受け入れ口まで移送され、ここで受け
取られ、縦移送され、その上端の排出口より再度前記分
解消化槽中に投下されることになる。しかして横移送手
段、縦移送手段及び攪拌手段が動作している間は、分解
消化槽に投入された有機物は、その中で攪拌手段により
攪拌されつつ、分解消化過程を進行し、横移送手段及び
縦移送手段により、分解消化槽の上部に運ばれて投入さ
れ、順次下降して最下部に至るとまた上部に移送されて
分解消化槽の上部に投下されるサイクルを繰り返すこと
となる。
【0027】以上の過程を経て、分解消化槽内に投入さ
れた被処理有機物は、予め充填した枯葉等の充填剤とと
もに団粒化し、好気性の微生物の増殖に好適な条件とな
り、破砕された有機物細片は徐々に分解され、二酸化炭
素と水とになって排出されていくこととなる。水は前記
のように底部より排出され、二酸化炭素、水蒸気その他
のガスは、前記のように、脱臭手段が設けてある場合
は、これを介して脱臭された上で大気に放出され、また
設けてない場合は、そのまま分解消化槽の上部から大気
に放出されることとなる。こうして微生物の活動によっ
て温度が上昇し、一層条件が良くなるとますます微生物
の活動が活発になり、分解消化作用は進行する。こうし
て固形成分は徐々に減少することとなる。
【0028】しかして高効率で有機物の分解消化作用が
行なわれるので、云うまでもなく、その能力内で、毎
日、有機物が投入された場合は、以上に述べたところが
繰り返され、有機物であるかぎり、二酸化炭素と水とに
なって排出されるため、固形成分は最終的には殆ど残留
しないこととなる。
【0029】なお冬季等の微生物の活動条件が悪い時期
にも、この発明装置では、断熱材によって内外を熱的に
遮断するようにしているので、分解消化槽内に生成した
良好な環境条件は容易に維持され、高効率の分解消化が
継続される。また前記底部から下部の受皿又はタンク等
に流出された水は、その中に溶け込み又は混じっている
有機物を分解消化した上で放流する。
【0030】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の一実施例を説明
する。図1に示したように、円筒形の分解消化槽1を、
その軸心を直立させた状態、即ち、縦向きに配設する。
この分解消化槽1は、この例では、耐食性金属で構成し
たもので、その容量は8.8m3である。周側を二重構
造とし、その間に断熱材2を充填する。また下部途中に
は多数の小孔3、3…を穿設した底板4を固設し、その
下方に上記小孔3、3…を通じて流下する水分を一時保
持するタンク部5を構成する。
【0031】前記分解消化槽1には、この中への空気の
導入手段を兼ねた攪拌機構6を構成する。分解消化槽1
の軸心に沿って回転軸6aを立ち上げ、該回転軸6a
に、上下方向に定間隔で配した四段の攪拌部6bを構成
する。各攪拌部6bは、水平方向に延びる一対の攪拌棒
6c、6cで構成したものである。また前記回転軸6a
は、前記底板4を貫通してその下部まで延長してあり、
下端には減速機を介して電動モータ6dを接続してあ
る。
【0032】前記回転軸6a及び攪拌棒6c、6c…
は、いずれもパイプ部材で構成し、相互を連通状態に結
合する。上記各攪拌棒6c、6c…には、複数のノズル
孔n、n…を開口しておくものとする。そして前記回転
軸6aの上端にはエアコンプレッサ6eを接続する。エ
アコンプレッサ6eは、ユニバーサルジョイントを用い
て、回転自在な状態で接続する。
【0033】しかして攪拌機構6の回転軸6aが電動モ
ータ6dの作用により回転すれば、攪拌棒6C、6cで
構成される各攪拌部6bにより、分解消化槽1内の被処
理有機物の攪拌作用が行なわれ、他方、前記エアコンプ
レッサ6eが動作すれば、その圧縮空気がパイプ部材で
構成された回転軸6aを通じて各攪拌棒6cに送り込ま
れ、それらのノズル孔n、n…を通じて、その周囲の被
処理有機物内に噴出されることとなる。しかして被処理
有機物内に極めて均一かつ良好に空気を吹き込むことが
できるものである。
【0034】また前記底板4の直下には、分解消化槽1
の軸心を少しづれて横移送部7を構成する。この横移送
部7はスクリュウコンベアで構成し、スクリュウ部材7
aを外装している搬送筒部7bの上部側を切欠き開放
し、かつ前記底板4の該横移送部7に沿った部位も切欠
き開口して置き、この開口を通じて分解消化槽1を降下
する被処理有機物が搬送部7b中に進入できるようにす
る。
【0035】上記横移送部7の一端(図中左端)には被
処理物の給排出口8を接続する。この給排出口8は、横
移送部7の軸心を中心に回動自在に配し、排出口として
使用する場合に下向きにできるようにしておく。また同
じ端部には、電動モータ7cを接続し、前記スクリュウ
コンベアのスクリュウ部材7aを正逆回転可能に構成す
る。
【0036】また前記横移送部7の他端には縦移送部9
の下端の受け入れ口を接続する。この縦移送部9は、分
解消化槽1の外側部に直立させたもので、この縦移送部
9もスクリュウコンベアで構成したものである。その下
部に於いて、スクリュウ部材9aを外装している搬送筒
部9bの一部を切り欠いて、前記横移送部7の末端と接
続するものである。スクリュウ部材9aの下端には電動
モータ9cを接続する。またこの縦移送部9の上端に
は、搬送筒部9bから分解消化槽1の上部にその先端が
突き込んだ排出口9dを構成しておくものとする。
【0037】他方、分解消化槽1の外側部には、脱臭塔
10を付設する。これは筒形の塔本体10aの中間部に
接触材を充填した接触材充填部10bを構成し、その上
部には液体噴霧ノズル部10c及び接触材充填部10b
から立上るガス排気管10dを設け、更に下部には、前
記接触材充填部10bから雫状になって垂れ落ちる水分
を保持するタンク部10eを構成する。このタンク部1
0eには、その中に溜った水分を排水する排水口10f
が付設してある。
【0038】前記脱臭塔10の接触材充填部10bに
は、分解消化槽1からのガスを導入するガス導入管11
を接続し、更に、前記液体噴霧ノズル部10cには、分
解消化槽1の最下部のタンク部5に流下した水分をポン
プ装置12で汲み上げ送給するべく接続する。前記ガス
導入管11の途中にはガスを吸引する吸引ファン13を
挿入する。
【0039】なお図中14は分解消化槽1の上部蓋体で
ある。
【0040】ところで、前記横移送部7、縦移送部9、
攪拌機構6及び前記ポンプ装置12は、基本的に、相互
に連動して動作させることとし、所望の時間、定期的又
は不定期的に動作させるための制御部(図示せず)を構
成する。この動作は、例えば、1時間動作して8時間停
止するサイクルを繰り返すように設定したり、又は、有
機物の投入の都度、一定時間動作するように設定したり
することができるように構成する。勿論、前記横移送部
7については、必要に応じて、特に他の二者、即ち、縦
移送部9及び攪拌機構6と連動せずに、有機物の分解残
渣等を、給排出口8に逆送する動作を行ない得るように
構成する。
【0041】しかしてこの実施例の有機物の分解消化装
置は、以上のように構成したので、次のように使用する
ことができる。
【0042】この装置の動作開始に先立って、予め制御
部について条件の設定を行う。この例では、前記横移送
部7、縦移送部9及び攪拌機構6は2時間の動作の後、
6時間停止するサイクルで動作させ、攪拌機構6は、回
転軸6aが6rpmの回転速度で回転するように設定し
た。前記脱臭塔10に、分解消化槽1の最下部のタンク
部5に流下した水分を送り込むポンプ装置12及び分解
消化槽1内のガスを吸引して脱臭塔10に送り込む吸引
ファン13は、前記タンク部5の水位がポンプの動作に
不都合になるほど低下した場合を除いて、常時動作する
ように設定した。なお前記タンク部5の水位は図示しな
いセンサで常時チェックするように構成してある。
【0043】またこの例では、分解消化槽1中に、予め
オガ粉(木質粉体)及び炭粉を充填率58%程度(約5
100リットル)になるまで床材として充填し、分解菌
として、床材に対して6%(容量%、約306リット
ル)の変異バクテリア(通性嫌気性菌、空気の存在不存
在に拘らず良好に活動する。自然状態で存在する好気性
菌と良好に共存する)を添加した。
【0044】こうして動作条件を設定し、運転を開始し
て、前記横移送部7の給排出口8より被処理有機物を投
入する。ここでは、食品工場で発生した野菜屑、生魚屑
及び廃油等の有機物を投入した。
【0045】これらの被処理有機物は、横移送部7のス
クリュウコンベアで分解消化槽1の下部を通過して前記
縦移送部9の最下部の受け入れ口まで運ばれる。この
間、既に分解消化槽1中に投入されている床材の一部が
若干搬送筒部7bの開口している上部側から降下混合す
ることもある。こうして縦移送部9の受け入れ口に運ば
れた被処理有機物は、更にこの縦移送部9のスクリュウ
コンベアにより最上部まで運ばれ、分解消化槽1の最上
部に投入されることとなる。
【0046】被処理有機物が分解消化槽1の上部に投下
されると、設定条件にしたがって、先ず初めは、攪拌機
構6が回転攪拌動作しており、前記床材と混合され、破
砕されつつ徐々に降下して行くこととなる。
【0047】即ち、前記設定条件のように、2時間の動
作時には、攪拌機構6の回転軸6aが6rpmの回転速度
で回転させられ、前記のように投入された被処理有機物
は、攪拌機構6の回転動作にともない、攪拌棒6c、6
c…により小さな塊に分断され、また既に投入されてい
る変異バクテリア担体等の床材とも混じり合うこととな
る。過剰水分も流下し易くなり、水分状態もより適切と
なる。このとき同時に、前記エアコンプレッサ6eも動
作しており、これで発生された圧縮空気が回転軸6aを
介して攪拌棒6c、6cに送り出され、そのノズル孔
n、n…より噴出されるので、攪拌され、床材と混合さ
れつつある被処理有機物の間に、確実かつ均一に空気が
導入され、存在する好気性のバクテリア類の活動を活発
にすることができる。
【0048】また前記給排出口8からの被処理有機物の
投入がなくなり、これが横移送部7に送られてこなくな
ると、今度は、分解消化槽1の最下部から初めは床材
が、そして時間の経過とともに床材と被処理有機物との
混合物が、搬送筒部7bの上部の開口から降下進入する
ようになり、これが前記縦移送部9に運ばれ、これによ
って分解消化槽1の上部まで運ばれて順次再投入される
こととなる。こうして分解消化槽1内では、前記攪拌機
構6による水平方向の攪拌混合と横移送部7及び縦移送
部9による上下方向の混合が行なわれることとなる。
【0049】以上の動作は、前記設定条件にしたがっ
て、2時間行なわれ、これに引続く6時間、停止され
る。そしてまた2時間の動作が行なわれ、また6時間停
止するというように繰り返される。
【0050】こうして分解消化槽1内の被処理有機物
は、床材として投入されているオガ粉や炭粉とともに団
粒化し、好気性の微生物の増殖に好適な条件となり、変
異バクテリア、及びその他存在する好気性のバクテリア
によっても、徐々に分解され、二酸化炭素と水とにな
る。
【0051】水は、分解消化槽1内を徐々に降下して底
板4の小孔3、3…を通じてその下方の前記タンク部5
に流下する。タンク部5に流下した水はポンプ装置12
で汲み上げられ、前記脱臭塔10の接触材充填部10b
に、液体噴霧ノズル部10cを通じて噴霧供給される。
また二酸化炭素等を含む発生ガスは、分解消化槽1の上
部で、前記吸引ファン13に吸引され、ガス導入管11
を通じて前記脱臭塔10の接触材充填部10b中に導入
される。
【0052】前記分解消化槽1の最下部のタンク部5に
流下した水は、前記変異バクテリア、及びその他、好気
性のバクテリアをも含んでおり、これが前記のように、
脱臭塔10の接触材充填部10bに供給されると、バク
テリアは接触材に付着して、水のなかに溶け込んでいる
有機物を分解しつつ増殖し、更に前記のように、接触材
充填部10b中に導入されたガス中の臭い成分も対応す
るバクテリアに分解されることとなる。
【0053】しかして接触材充填部10b中に供給され
た水は、この中に含まれる有機物が分解され、浄化され
て、下方のタンク部10eに滴下し、また接触材充填部
10b中に導入されたガスもその臭い成分が除去されて
前記ガス排気管10dを通じて大気に放出される。前記
タンク部10eに滴下した水は、排水口10fを通じて
排水される。
【0054】この例では、以上のようにして、1993
年12月〜1994年7月の間に、食品工場で発生した
野菜屑、生魚屑及び廃油等を、そのまま、500Kg/
日の投入割合で投入継続したところ、順調に分解消化が
行われた。その間、特に保温のための処理はしなかった
が断熱材2の作用により良好な温度条件(45〜65
℃)を維持し得た。変異バクテリアは、前記期間中に1
度だけ分解状態を見て追加した。追加量は、当初の投入
量(約306リットル)に対して約20%となる量、即
ち、約61リットルであった。また前記横移送部7は、
前記期間中に一度だけ前記給排出口8を下向きにした上
で、逆移送させ、分解消化槽1内の分解残渣を取り出し
た。400リットル程度が取り出されたが、これは、無
機質分等の本来の分解残渣の他に、分解可能な有機質分
が、実際上、分離取り出し不可能なため相当量含まれて
いるものである。
【0055】またこの装置でし尿の分解消化をも行っ
た。実施期間は、1993年12月〜1994年6月で
ある。この場合は、横移送部7、縦移送部9及び攪拌機
構6を、1時間の動作の後、7時間停止するサイクルで
動作させ、その攪拌機構6を5rpmの回転速度で回転す
るように設定した。前記脱臭塔10に水を送るポンプ装
置12及びガスを送り込む吸引ファン13は常時動作さ
せておくように設定した。分解消化槽1には、予めオガ
粉(木質粉体)及び鉱物粉を充填率が67%程度になる
ように床材として充填した。分解菌として光合成菌を用
いた。
【0056】し尿を200リットル/日の投入割合で投
入継続したところ、臭気が消失し、蠅の発生はなかっ
た。また昇温しなかった。必要に応じて光合成菌を追加
投入した。
【0057】
【発明の効果】本発明では、攪拌手段を構成して、分解
消化槽内の被処理有機物を現在する一定の高さ位置で攪
拌混合するばかりでなく、前記のように、横移送手段と
縦移送手段とを設けて、分解消化槽の下部の被処理有機
物を上方に移動投下することとしたため、上部の被処理
有機物が下方に順次降下し、最下部に至った被処理有機
物が上方に移動投下されると云う上下方向の循環も生
じ、分解消化槽を、縦形の高さの高いものに構成して
も、内部の被処理有機物の攪拌混合が極めて良好に行な
われ、その結果、分解消化が良好に行なわれ得るという
利点が得られる。
【0058】そして以上のように、高さの高い縦形に構
成しても被処理有機物の分解消化を良好に行なえるた
め、高さを一層高くして容量の大きなものに構成し得る
一方で、縦形であるため、横形のものに比べて遥かに小
さな設置スペースで大容量の分解消化槽を構成し得るも
のである。
【0059】また従来例及び未だ公知となっていない本
件出願人の提案した技術のいずれも分解消化槽を回転す
る構成になっており、これによって内部の被処理有機物
を混合することとしているが、本発明では、分解消化槽
を縦形で固定タイプとし、その内部に攪拌手段を構成す
ることとすることにより、その分解消化槽の大型化を容
易にしたものであり、これによって現時点で要望されつ
つある大量の有機性廃棄物の分解消化処理を可能とした
ものである。
【0060】なお本発明に於いて、分解消化槽を直立さ
せた円筒状容器で構成し、攪拌手段を、該分解消化槽の
軸心に沿って立ち上げた回転軸と、該回転軸に、上下方
向に定間隔で複数段配した攪拌部であって、該回転軸に
直交する向きで配した複数本の攪拌棒からなる攪拌部と
で構成し、更に、上記回転軸及び攪拌棒を相互に連通す
るパイプ部材で構成し、空気の供給手段を回転軸に接続
し、これを通じて空気を攪拌棒に送給し、攪拌棒に開口
した複数のノズル孔から空気を噴出させるように構成し
た場合には、被処理有機物の攪拌混合過程で、被処理有
機物の隙間に攪拌棒のノズル孔から空気を吹き込むこと
ができるため、被処理有機物に確実かつ均一に空気を吹
き込むことが容易になり、気相条件が良好となり、好気
性のバクテリアの活動が良好となって、被処理有機物の
分解消化が高効率で進行することとなる。
【0061】本発明に於ては、前記したように、攪拌手
段、横移送手段及び縦移動手段によって被処理有機物の
攪拌混合を良好にし、これによって、予め投入し、又は
途中で投入することのあるバクテリア担体である床材と
の混合を良好にしつつ、気相条件をもととのえて、好気
性バクテリアの増殖を促進する。こうして被処理有機物
の分解消化は高効率で行なわれることとなる。即ち、そ
れらの被処理有機物を高効率で、殆ど水と二酸化炭素に
分解して固形物を最小限まで減容し得ることとなったも
のである。
【0062】また生じた又は被処理有機物の投入時の過
剰水分は、分解消化槽の底部から流下するようになって
おり、これによって水分状態も調整される。前記過剰水
分は、前記攪拌手段による攪拌動作によって保持されて
いた有機物から分離して流下する作用もあり、これによ
っても水分状態の調整が行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の側断面概略説明図。
【符号の説明】
1 分解消化槽 2 断熱材 3 小孔 4 底板 5 タンク部 6 攪拌機構 6a 回転軸 6b 攪拌部 6c 攪拌棒 6d 電動モータ 6e エアコンプレッサ 7 横移送部 7a スクリュウ部材 7b 搬送筒部 7c 電動モータ 8 給排出口 9 縦移送部 9a スクリュウ部材 9b 搬送筒部 9c 電動モータ 9d 排出口 10 脱臭塔 10a 塔本体 10b 接触材充填部 10c 液体噴霧ノズル部 10d ガス排気管 10e タンク部 10f 排水口 11 ガス導入管 12 ポンプ装置 13 吸引ファン 14 上部蓋体 n ノズル孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川隅 利勝 茨城県水戸市谷津町1−69

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側壁に断熱材を配し、かつ底部を水分透
    過部材で構成した縦形の分解消化槽と、 上記分解消化槽中に配する攪拌手段であって、該分解消
    化槽中に投入される有機物を、それ自体の動作で攪拌す
    る攪拌手段と、 前記分解消化槽の下部に位置し、有機物を、選択的に、
    給排出口又は後記縦移送手段に移送する横移送手段であ
    って、前記分解消化槽を降下して来る有機物を受け入れ
    る開口部を上部に備えた横移送手段と、 上記横移送手段で移送されて来る有機物を引き上げて上
    方から前記分解消化槽中に投入する縦移送手段と、 で構成した有機物の分解消化装置。
  2. 【請求項2】 前記分解消化槽を直立させた円筒状容器
    で構成し、前記攪拌手段を、該分解消化槽の軸心に沿っ
    て立ち上げた回転軸と、該回転軸に、上下方向に定間隔
    で複数段配した攪拌部であって、該回転軸に直交する向
    きに配した複数本の攪拌棒からなる攪拌部とで構成した
    請求項1の有機物の分解消化装置。
  3. 【請求項3】 前記攪拌手段の回転軸及び攪拌棒を相互
    に連通するパイプ部材で構成し、空気の供給手段を前記
    回転軸に接続し、これを通じて空気を攪拌棒に送給し、
    攪拌棒に開口した一以上のノズル孔から空気を噴出させ
    るように構成した請求項2の有機物の分解消化装置。
  4. 【請求項4】 前記分解消化槽にガス排出管を介して脱
    臭手段を接続した請求項1の有機物の分解消化装置。
  5. 【請求項5】 前記横移送手段の給排出口に、投入する
    被処理有機物を破砕する破砕手段を付設した請求項1の
    有機物の分解消化装置。
JP6218011A 1994-08-19 1994-08-19 有機物の分解消化装置 Pending JPH0857461A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108420351A (zh) * 2018-03-07 2018-08-21 苏州顶裕生物科技有限公司 一种自动降解处理的公共厕所

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CN108420351A (zh) * 2018-03-07 2018-08-21 苏州顶裕生物科技有限公司 一种自动降解处理的公共厕所

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