JPH085744A - 投光装置,発光装置および車間距離検出装置を備えた車両 - Google Patents

投光装置,発光装置および車間距離検出装置を備えた車両

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JPH085744A
JPH085744A JP6159675A JP15967594A JPH085744A JP H085744 A JPH085744 A JP H085744A JP 6159675 A JP6159675 A JP 6159675A JP 15967594 A JP15967594 A JP 15967594A JP H085744 A JPH085744 A JP H085744A
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JP
Japan
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light
lens
reflected
light emitting
vehicle
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JP6159675A
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English (en)
Inventor
Hidenori Miyazaki
秀徳 宮崎
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ発光装置において,シリンドリカル凹
レンズおよび窓ガラスにおける反射光がレーザ発光器に
入射することを防止する。 【構成】 レーザ発光器21からの光はコリメート・レン
ズ22によってコリメートされ,シリンドリカル凹レンズ
23によってスリット光に変換される。スリット光は回転
ミラー24で反射して窓ガラス25を通して外部に投射され
る。コリメート・レンズ22からシリンドリカル凹レンズ
23に入射した光の一部はシリンドリカル凹レンズ23の第
1の面23a で反射する。第1の面23a はレーザ発光器21
およびコリメート・レンズ22の光軸に対して角度ψ1 だ
け傾いているので,反射光はレーザ発光器21からそれた
位置に集光される。同様に,窓ガラス25も角度ψ2 だけ
傾いて配置されているので,窓ガラス25の第1の面25a
で反射した光もレーザ発光器21からそれた位置に集光さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は,光を投射する投光装置,光を
発光する発光装置,および車間距離計測装置を備えた車
両に関する。
【0002】
【従来技術】乗用車,バス,トラック等の車両には,前
方を走行する車両との車間距離を計測するための車間距
離計測装置が搭載されることがある。車間距離計測装置
は,車両の前方に向けて光を投射する発光装置,車両の
前方にある物体から反射して戻ってくる光を受光する受
光装置,投光信号と受光信号とに基づいて物体までの距
離を算出する距離算出装置および同一車線に存在する先
行車両の有無の判断等の処理を行う信号処理装置を備え
ている。
【0003】発光装置は,自車両の前方のあらかじめ定
めらた計測角度範囲内においてレーザ光を掃引しながら
一定時間間隔で投射する。これにより,パルス状のレー
ザ光が計測角度範囲内において,一定の角度間隔で投射
されることになる。自車両の前方の上記計測角度範囲内
において,先行する車両(先行車両)が走行しているな
らば,投射された光はこの先行車両の後部に取り付けら
れたリフレクタで反射する。先行車両には,自車両と同
じ車線(自車線)を走行している車両,および片道2車
線や3車線のように複数車線がある場合には,他の車線
(他車線)を走行している車両も含まれる。
【0004】受光装置は,先行車両のリフレクタで反射
した光を受光する。距離算出装置は,レーザ光の投光時
点から反射光の受光時点までの時間に基づいて,投光角
度ごとに先行車両との距離を算出する。
【0005】信号処理装置は,先行車両が自車線を走行
しているかどうかを,発光装置が発光したレーザ光の投
光角度に基づいて判断する。信号処理装置は,自車線を
走行していると判断した先行車両との距離を車間距離と
する。
【0006】図12(A) は,従来の車間距離計測装置にお
ける投光装置の投光光学系の構成を示す平面図である。
レーザ・ダイオード・チップ(LDチップ)100 はステ
ー(Stay; 保持部材)101 に取り付けられている。LD
チップ100 はパルス状のレーザ光を一定時間間隔ごとに
発光する。レーザ光は一般に高い指向性をもち,LDチ
ップ100 から発光するレーザ光の広がり角は小さいが,
図面では説明をわかり易くするために広がり角が実際よ
りも大きく描かれている(図12(A) 以外の他の図面につ
いても同じである)。
【0007】LDチップ100 からのレーザ光は,コリメ
ート・レンズ102 によってコリメートされる。このコリ
メート光は回転ミラー103 で反射し,シリンドリカル凹
レンズ104 によって鉛直方向に広がりをもつスリット状
の光(スリット光)に変換される。スリット光は,投光
窓に取り付けられた透明な窓ガラス105 を通って車両の
前方に投射される。
【0008】回転ミラー103 は,モータ106 の回転軸に
取り付けられている。モータ106 の回転軸は,角度ε/2
の範囲内で往復回転する。これにより,回転ミラー103
で反射したレーザ光は,車両の前方の計測角度εの範囲
内で往復するように掃引されることになる。
【0009】図12(B) は,LDチップ100 からのレーザ
光の一部が,シリンドリカル凹レンズ104 の表面104aで
反射する様子を示している。LDチップ100 からのレー
ザ光の大部分はシリンドリカル凹レンズ104 および窓ガ
ラス105 を通過して車両の前方に投射される(この光を
符号Aで示す)。レーザ光の一部はシリンドリカル凹レ
ンズ104 の表面104aで反射する。この反射光は回転ミラ
ー103 で反射し,コリメート・レンズ102 を通ってステ
ー101 に向かう。
【0010】ステー101 の材質は一般に金属である。そ
の表面の反射率は非常に高い。したがって,ステー101
に向かった光はステー101 の表面で反射し,再びコリメ
ート・レンズ102 ,回転ミラー103 ,シリンドリカル凹
レンズ104 および窓ガラス105 を通って車両の前方に投
射される(この光を符号Bで示す)。
【0011】図12(C) に示すように,窓ガラス105 の表
面105aで反射した光がステー101 に向かい,ステー101
の表面で反射して,車両の前方に投射される場合もある
(この光を符号Cで示す)。図12(B) および(C) におい
ては,モータ106 の図示が省略されている。
【0012】このような光BおよびC(以下,「ゴース
ト光」という)が,前方を走行する車両のリフレクタで
反射し,受光装置に受光されることがある。この場合に
も,距離算出装置は光Aの発光時点からゴースト光の受
光時点までの時間に基づいて先行車両との距離を算出す
る。また,信号処理装置は,光Aの投光角度に基づいて
先行車両が自車線を走行しているかどうかを判断する。
【0013】したがって,このような場合に,信号処理
装置は,ゴースト光の伝播経路上に存在する車両を,光
Aの進行経路上に存在する車両と誤認することになる。
ゴースト光の伝播経路上に存在する車両が他車線を走行
する車両であっても,この車両が自車線を走行する車両
と誤認され,誤った車間距離の計測が行われる場合があ
る。
【0014】また,場合によっては,シリンドリカル凹
レンズ104 の表面104aまたは窓ガラス105 の表面105aで
反射した光が,LDチップ100 のレーザ光の出射口に入
射することもある。このような場合には,レーザ光の発
光が乱れるという問題もある。
【0015】
【発明の開示】この発明の目的は,発光装置から発光し
た光が投光装置を構成するレンズ,ガラス等で反射して
発光装置に戻ることを防止することにある。また,この
発明の他の目的は,発光装置を構成する部材に向かう光
が保持部材で反射することを防止することにある。
【0016】第1の発明による投光装置は,光を発光す
る発光装置,上記発光装置からの光をコリメートする第
1のレンズ,および上記第1のレンズからの光を屈折さ
せる第2のレンズを備えている。
【0017】上記第2のレンズの上記第1のレンズに向
かっている面が平面であって,上記第1のレンズからの
光が上記平面で反射した場合に,その反射光が上記第1
のレンズを通して上記発光装置からそれた位置に戻るよ
うに,上記第2のレンズが上記発光装置および第1のレ
ンズの光軸と垂直な面に対して傾いて配置されている。
【0018】上記発光装置は,たとえば半導体発光素子
および半導体発光素子を保持する保持部材によって構成
される。半導体発光素子には,レーザ・ダイオード等が
含まれる。
【0019】第1の発明によると,発光装置から発光し
た光は,第1のレンズによってコリメートされる。第1
のレンズによってコリメートされた光は,第2のレンズ
によって屈折される。
【0020】第1のレンズから第2のレンズに入射した
光のほとんどは第2のレンズを通過する。第1のレンズ
から第2のレンズに入射した光の一部は,第2のレンズ
における第1のレンズに向いている平面で反射する。こ
の反射光は,第1のレンズを通過して発光装置の方に向
かう。第2のレンズにおける第1のレンズに向いている
平面は,この反射光が上記第1のレンズを通して上記発
光装置からそれた位置に戻るように,上記発光装置およ
び第1のレンズの光軸と垂直な面に対して傾いて配置さ
れている。
【0021】したがって,第1の発明によると,反射光
が発光装置に入射することを防止できる。これにより,
反射光が,発光装置を構成する保持部材の表面で反射す
ることを防止できる。また,反射光が発光装置の光の出
射口に入射することも防止でき,この入射光により発光
装置の発光が乱れるという問題もない。
【0022】第1の発明の一実施態様においては,上記
投光装置は,上記第2のレンズによって屈折された光の
進行方向上に,この光を偏向するための反射鏡を備えて
いる。また,上記反射鏡は,あらかじめ定められた角度
の範囲内で往復回転するものである。
【0023】さらに,上記投光装置には,上記反射鏡で
反射した光の進行方向上に,光を通過させる透明板が設
けられており,上記反射鏡からの光が上記透明板で反射
した場合に,この反射光が上記反射鏡に進み,上記反射
鏡で反射した後に,上記第2のレンズおよび第1のレン
ズを通して上記発光装置からそれた位置に戻るように,
上記透明板が上記反射鏡から上記透明板に向かう光の光
軸と垂直な面に対して傾いて配置されている。
【0024】透明板に入射した光の一部は,透明板の反
射鏡に向いた面で反射する。透明板が,入射光の光軸と
垂直な面に対して傾いて配置されており,この傾き角
は,透明板の表面で反射した光が発光装置からそれた位
置に戻るような角度である。
【0025】したがって,この実施態様によると,透明
板で反射した光が発光装置に入射することを防止でき
る。これにより,反射光が,発光装置を構成する保持部
材の表面で反射することを防止できる。また,反射光が
発光装置の光の出射口に入射することも防止でき,この
入射光により発光装置の発光が乱れるという問題もな
い。
【0026】上記第1のレンズ,第2のレンズ,反射鏡
および透明板は一つの筐体に格納されているのが好まし
い。
【0027】第2の発明は,光を発光する半導体発光素
子,および半導体発光素子を保持する保持部材を備えた
発光装置において,上記保持部材の表面がシボ加工され
ている,または上記半導体発光素子から発光した光を吸
収する色彩に着色されていることを特徴とする。これに
より,保持部材に入射した光が保持部材で反射すること
を防止できる。
【0028】第3の発明は,車間距離計測装置を備えた
車両において,上記車間距離計測装置は,投光装置,受
光装置および車間距離算出手段を備えていることを特徴
とする。
【0029】上記投光装置は,パルス状の光を発光する
発光装置,上記発光装置からの光をコリメートする第1
のレンズ,上記第1のレンズからの光を屈折させ,上記
第1のレンズに向かっている面が平面であって,上記第
1のレンズからの光が上記平面で反射した場合に,その
反射光が上記第1のレンズを通して上記発光装置からそ
れた位置に戻るように,上記発光装置および第1のレン
ズの光軸と垂直な面に対して傾いて配置されている第2
のレンズ,上記第2のレンズによって屈折された光を車
両の前方のあらかじめ定められた角度の範囲内で掃引す
るために,あらかじめ定められた角度の範囲内で往復回
転する反射鏡,および上記発光装置がパルス状の光を出
力した時点を表すタイミング信号を生成する第1のタイ
ミング信号生成手段を含んでいる。
【0030】上記受光装置は,外部からの光を受光する
受光器,および光を受光した時点を表すタイミング信号
を生成する第2のタイミング信号生成手段を含んでい
る。
【0031】上記車間距離算出手段は,上記第1および
第2のタイミング信号生成手段からのタイミング信号の
時間差に基づいて車間距離を算出するものである。
【0032】発光装置には,レーザ・ダイオード等の半
導体発光素子が含まれる。受光器には,フォト・ダイオ
ード等が含まれる。
【0033】第3の発明によれば,パルス状の光が,車
両の前方に向けて投光装置から投射される。投射された
光は,たとえば前方を走行する車両のリフレクタによっ
て反射される。反射され,車両に戻ってきた光が受光装
置によって受光される。発光装置がパルス状の光を投射
したときに,第1のタイミング信号生成手段は,光を発
光した時点を表す第1のタイミング信号を車間距離算出
手段に与える。受光器が光を受光したときには,第2の
タイミング信号生成手段が光を受光した時点を表す第2
のタイミング信号を車間距離算出手段に与える。車間距
離算出手段はこの第1タイミング信号から第2のタイミ
ング信号までの時間に基づいて,車両と光を反射した物
体との間の距離と算出する。
【0034】発光装置の第2のレンズは,第1のレンズ
に向いている面が平面であって,第1のレンズからの光
がこの平面で反射した場合に,この反射光が上記第1の
レンズを通して上記発光装置からそれた位置に戻るよう
に,発光装置および第1のレンズの光軸と垂直な面に対
して傾いて配置されている。
【0035】したがって,第2のレンズの表面で反射し
た光が,発光装置に入射することを防止できる。これに
より,第2のレンズの表面で反射した光が発光装置の保
持部材等によって再度反射されることにより発生するゴ
ースト光を防止できる。また,発光装置の光の出射口に
反射光が入射することも防止でき,この入射光により発
光装置の発光に乱れが生じるという問題を回避できる。
【0036】
【実施例の説明】この発明を,乗用車等の車両に搭載さ
れる車間距離計測装置に適用した実施例について述べ
る。
【0037】(1) 車間距離計測装置による車間距離計測
の概要 図1は,3台の車両が道路上を走行している様子を示し
ている。センタ・ラインCの片側の道路のみが図示され
ている。この道路は車線L1 およびL2 からなる片側2
車線の道路である。車両1および車両2は内側の車線L
1 上を走行している。車両3は外側の車線L2 上を走行
している。路側に沿って適当な間隔で多数のリフレクタ
R(以下「路側リフレクタ」という)が設けられてい
る。
【0038】乗用車,バス,トラック等の一般に四輪以
上の車両(以下,単に「車両」という)には,その後部
の両端部(尾燈が取り付けられている箇所付近)に各1
個ずつ合計2個のリフレクタが取り付けられている。二
輪車には1個のリフレクタが取り付けられている。車両
および二輪車に取り付けられたリフレクタを以下単に
「車両リフレクタ」という。
【0039】路側リフレクタおよび車両リフレクタは再
帰反射板といわれるもので,このリフレクタに入射した
光は,入射方向とほぼ同じ方向に反射される。
【0040】車間距離計測装置は車両に搭載される。こ
こでは,この車間距離計測装置は車両1に搭載されてい
るものとする。
【0041】図2(A) は,車間距離計測装置が搭載され
た車両1を示している。図2(B) は,図2(A) に示す車
両1の前部にあるバンパ1aの部分を拡大したものであ
る。バンパ1aには,その前面の車幅灯1cの内側におい
て,窓1bが設けられている。車間距離計測装置を構成す
るスリット光投光装置11(詳細は後述する)および受光
装置12(詳細は後述する)は,窓1bの後側において,バ
ンパ1aの内部にあるフレーム1dに固定されている。スリ
ット光投光装置11は,光を,窓1bを通して車両1の前方
に投射する。受光装置12は,車両1の前方から来る光
を,窓1bを通して受光する。
【0042】図1に戻って,車間距離計測装置(スリッ
ト光投光装置11)は車両1の前方に向かってパルス状の
レーザ光を投射する。このレーザ光は所定の計測角度α
の範囲にわたって掃引される。レーザ光は上記計測角度
αの範囲内において一定の角度間隔で投射されることに
なる。たとえば,計測角度α=200[mrad] であり,車両
1の走行方向の左右にそれぞれ 100[mrad]の広がりをも
つ。また,この計測角度範囲は等角度間隔で80分割さ
れ,この角度間隔ごとにレーザ光が投射される。レーザ
光は 2.5[mrad]の角度間隔で投射されることになる。
【0043】車間距離計測装置(スリット光投光装置1
1)から投射されたレーザ光は,路側リフレクタRまた
は車両1に先行する車両2および3(以下,単に「先行
車両」という)に取り付けられた車両リフレクタで反射
して車間距離計測装置(受光装置12)に戻る。車間距離
計測装置は,この反射光に基づいて路側リフレクタRと
先行車両の車両リフレクタとを被検出物体として検出す
る。
【0044】レーザ光の投射時点からその反射光の受光
時点までの時間に基づいて,被検出物体までの距離が算
出される。また,レーザ光の投射角度に基づいて,被検
出物体の方向が求められる。これらの距離および方向か
ら,被検出物体の相対位置(車両1を基準とした位置)
が求められる。
【0045】異なる時点において2回以上にわたって求
められた被検出物体の相対位置に基づいて,その被検出
物体の移動ベクトルが算出される。被検出物体の相対位
置とその移動ベクトルに基づいて,車両(車両2および
車両3)が識別される。また被検出物体の移動ベクトル
に基づいて,路側リフレクタRが識別される。
【0046】路側リフレクタであると識別された被検出
物体の相対位置に基づいて路側形状が認識される。検出
された被検出物体のすべて(路側リフレクタを含む)に
ついて,それぞれの被検出物体から,認識された路側形
状に基づく路側までの距離(以下「路側までの距離」と
いう)(車両1の走行方向に垂直な方向の距離)が算出
される。検出された被検出物体のすべてについて,各被
検出物体の相対位置,その移動ベクトルおよび路側まで
の距離のそれぞれに基づいて,先行車両(車両2および
3)の走行車線を判別するための評価が行われる。これ
らの評価結果に基づいて総合的に,車両1の自車線上を
走行している先行車両が車両2であることが判定され
る。
【0047】このようにして,判定された自車線上を走
行する先行車両2と,車両1との距離が車間距離とな
る。自車線上を走行する先行車両が複数台存在する場合
には,それらの先行車両との距離の最小のものが車間距
離として出力される。
【0048】車間距離を求める処理の詳細は,本願と同
一出願人による特許出願,特願平6-52512 号に開示され
ている。
【0049】(2) 車間距離計測装置のシステム構成 図3は,車間距離計測装置の電気的構成を示すブロック
図である。
【0050】スリット光投光装置11は,レーザ光を鉛直
方向に広がりをもつスリット状の光(以下,「スリット
光」という)に変換する。スリット光は時間的にみると
パルス状であり,一定の投光時間間隔で投光される。こ
の投光時間間隔は,たとえば計測可能な距離が150[m]で
あるとすると,この距離をレーザ光が往復するのに要す
る時間,(150[m]×2)/(3×108[m/s])=1[μs]
,またはそれ以上の時間である。レーザ光は,スリッ
ト光投光装置11の内部にある回転ミラー(後述する)に
よって計測角度αの範囲内で掃引されながら投射され
る。したがって,レーザ光は,一定角度間隔(上述した
等角度間隔)で前方に向かって投射されることになる。
【0051】また,スリット光投光装置11は,レーザ光
を発光した時点を表す投光タイミング信号を距離算出装
置13に与え,レーザ光を発光したときの掃引角度θ(車
両1の走行方向に垂直な方向を基準とする)を信号処理
装置14に与える。
【0052】スリット光投光装置11から投射されたスリ
ット光は被検出物体(上述の路側リフレクタまたは車両
リフレクタ)で反射し,その反射光が受光装置12によっ
て受光される。反射光は,スリット光投光装置11からス
リット光が投射されてから,次のスリット光が投射され
るまでの間に受光される。
【0053】受光装置12は,反射光を受光すると,その
反射光を受光した時点を表す受光タイミング信号を出力
する。この受光タイミング信号は受光装置12から距離算
出装置13に与えられる。
【0054】距離算出装置13は,スリット光投光装置11
から与えられる投光タイミング信号の入力時点から,受
光装置12から与えられる受光タイミング信号の入力時点
までの時間を計測して,被検出物体までの距離dを算出
する。距離dを表すデータは,距離算出装置13から信号
処理装置14に与えられる。
【0055】車速センサ15は,車速v(車間距離計測装
置が搭載された車両1の車速)を検出するものである。
車速vを表すデータは,車速センサ15から信号処理装置
14に与えられる。
【0056】信号処理装置14は,スリット光投光装置11
から与えられる掃引角度θおよび距離算出装置13から与
えられる距離dに基づいて,上述したように,被検出物
体の相対位置,移動ベクトル,路側までの距離等を求め
る。また,信号処理装置14は,先行車両の走行車線を判
別する評価を行い,自車線を走行する先行車両との車間
距離を求める。
【0057】さらに,信号処理装置14は,自車線の先行
車両までの車間距離,その移動ベクトル,車速v等に基
づいて危険度を算出し,この危険度に基づいて警報信号
を出力するとともに,追突事故を回避するためのアクチ
ュエータ(ブレーキやスロットル・バルブ等)17に与え
るべき操作量を決定して出力する。たとえば,先行車両
までの車間距離が短いときには,その先行車両に追突す
る危険性が高い。このような場合には,警報信号が警報
装置16に出力され,減速または停止するための操作量が
アクチュエータ17に与えられる。
【0058】警報装置16は,信号処理装置19から与えら
れる警報信号に応答して警報を鳴らす,または表示灯を
点灯(もしくは点滅)させる。これによって上述した先
行車両と追突する危険を自車両の運転手に知らせること
ができる。
【0059】アクチュエータ17は,信号処理装置14から
与えられる操作量に基づいて車両を制動する,燃料の供
給を断つ等の動作を行う。
【0060】(3) スリット光投光装置の構成 図4(A) はスリット光投光装置11の水平断面図,図4
(B) は垂直断面図である。これらの図4(A) および(B)
において,車両の進行方向を+Y方向と,水平面をX−
Y平面と,鉛直上方向を+Z方向とそれぞれする。ま
た,図4(A) および(B) において角度を表すときは,Z
−X平面およびY−Z平面をそれぞれ基準に,反時計回
りに角度をとる方向を正の方向とする。
【0061】スリット光投光装置11は,レーザ発光器2
1,コリメート・レンズ22,シリンドリカル凹レンズ2
3,回転ミラー24,窓ガラス25,発光ダイオード(LE
D)26,位置検出素子(Position Sensitive Device ,
以下「PSD」という)27,回転ミラー24を回転させる
モータ28,およびモータ駆動装置40を含んでいる。
【0062】スリット光投光装置11の外枠35には,投光
窓36が開けられている。この投光窓36には,透明な窓ガ
ラス25が固定されている。この投光窓36がバンパ1aに形
成された窓1bに臨んでいる。
【0063】レーザ発光器21,コリメート・レンズ22お
よびシリンドリカル凹レンズ23は,ホルダ31に固定され
ている。ホルダ31はX−Y平面と平行に固定されている
基板34に固定されている。
【0064】レーザ発光器21の内部には,図5(A) (平
面図)および図5(B) (正面図)に示すようにレーザ・
ダイオード・チップ(以下,「LDチップ」という)6
1,このLDチップ61を固定するステー(Stay; 保持部
材)62,ならびに後述するレーザ駆動装置50(図示略)
が内蔵されている。
【0065】図4(A) および(B) に戻って,LDチップ
61の出射端面は−X方向に向いており,LDチップ61か
ら−X方向に向かってレーザ光が出射される。レーザ発
光器21からの出射光は,コリメート・レンズ22によって
コリメートされ,シリンドリカル凹レンズ23によって鉛
直方向(Z方向)に広がりをもつスリット光に変換され
る。このスリット光は回転ミラー24の第1の面24a によ
って反射され,窓ガラス25を通過して車両の前方に投射
される。
【0066】コリメート・レンズ22の焦点距離をf1 と
する。コリメート・レンズ22は,レーザ発光器21からの
出射光をコリメートするために,その主平面とLDチッ
プ61の出射端面との距離が焦点距離f1 と等しくなる位
置に配置されている。
【0067】シリンドリカル凹レンズ23の,コリメート
・レンズ22の方に向いている第1の面23a は平面をな
し,回転ミラー24の方に向いている第2の面23b は凹面
をなしている。第1の面23a は,X−Y平面に対しては
垂直であるが,Y−Z平面(LDチップ61およびコリメ
ート・レンズ22の光軸と垂直な面)に対しては,角度+
ψ1[rad](>0)だけ傾いている。この角度ψ1 は,コ
リメート・レンズ22からのコリメート光の一部が第1の
面23a で反射した場合に,この反射光がコリメート・レ
ンズ22を通してLDチップ61およびステー62に戻らない
範囲の角度である。角度ψ1 の具体的な範囲については
後に詳述する。
【0068】回転ミラー24の第1の面24a および第2の
面24b は,光をほぼ完全に反射できる鏡面になってい
る。回転ミラー24は,モータ28の回転軸28a に取り付け
られ,モータ28の回転軸28a の回転の伴い回転する。回
転ミラー24は,Z−X平面に対して−π/4[rad] をなす
平面(X−Y平面に直交する)を基準に±α/4[rad]
(αは上述した計測角度)の角度の範囲内で往復回転す
る。これにより,第1の面24a で反射したスリット光
は,車両の前方において上記の計測角度αの範囲内で往
復するように掃引される。
【0069】モータ28の回転軸28a のこのような回転制
御は,モータ駆動装置40によって行われる。
【0070】窓ガラス25は,X−Y平面に対しては垂直
であるが,Z−X平面に対して角度−ψ2[rad](<0)
をなすように固定されている。この角度ψ2 は,回転ミ
ラー24からのスリット光の一部が窓ガラス25の第1の面
25a で反射した場合に,この反射光が回転ミラー24の第
1の面24a で反射した後,シリンドリカル凹レンズ23お
よびコリメート・レンズ22を通してLDチップ61および
ステー62に戻らない範囲の角度である。この角度ψ2 の
具体的な範囲については,後に詳述する。
【0071】LED26およびPSD27は,保持板32およ
び33において,回転ミラー24の中央部の高さとほぼ同じ
高さになる位置にそれぞれ取り付けられている。保持板
32および33は基板34に固定されている。
【0072】LED26の光の出射端面は+Y方向に向い
ている。LED26の出射端面にはコリメート・レンズ26
a が取り付けられている。LED26からの出射光は,コ
リメート・レンズ26a で集光される。この集光された光
は,回転ミラー24の第2の面24b で反射した後,PSD
27の表面上で焦点を結び,PSD27に入射する。PSD
27の表面における光の入射位置は,回転ミラー24が上述
のように±α/4[rad]の角度の範囲内で回転することに
より変化する。
【0073】図6は,モータ駆動装置40の電気的構成を
示すブロック図である。
【0074】モータ駆動装置40のI/V変換回路42およ
び43には,PSD27からの二つの出力電流I1 およびI
2 がそれぞれ入力される。電流I1 およびI2 の値は,
PSD27における光の入射位置をパラメータとする関数
に基づいて変化する。したがって,電流I1 およびI2
の値に基づいて,PSD27の表面における光の入射位置
を求めることができる。
【0075】I/V変換回路41および42は,それぞれ入
力した電流I1 およびI2 を,その入力電流の大きさに
比例した大きさの電圧V1 およびV2 にそれぞれ変換す
る。I/V変換回路41および42は,同じ値の比例定数を
持っている。電圧V1 およびV2 は,掃引角度検出回路
43に与えられる。
【0076】掃引角度検出回路43は,電圧V1 およびV
2 に基づいて掃引角度θを求める。上述したように,電
流I1 およびI2 の大きさに基づいて(すなわち電圧V
1 およびV2 に基づいて),PSD27の表面に入射した
光の入射位置が求められる。この光の入射位置に基づい
て,回転ミラー24の回転角が求められる。回転ミラー24
の回転角に基づいて,掃引角度θが求められる。求めら
れた掃引角度θは,操作量演算装置44および上述した信
号処理装置14(図3)に与えられる。
【0077】CPU46は,一定時間間隔ごとに,各時刻
における目標となる掃引角度(以下,「目標角度」とい
う)を操作量演算回路45に与える。操作量演算回路45
は,掃引角度検出回路44から与えられる掃引角度θと,
CPU46から与えられる目標角度とを比較し,掃引角度
θが目標角に近づくように,モータ28の操作量を算出す
る。算出された操作量は,操作量演算回路44からモータ
・ドライブ回路46に与えられる。
【0078】モータ・ドライブ回路46は,操作量演算装
置45から与えられた操作量にしたがってモータ28の回転
を制御する。これにより,モータ28は,CPU47から与
えられる目標角度に向かって回転するように制御され
る。
【0079】図7は,レーザ発光器21に内蔵されている
レーザ駆動装置50の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【0080】タイミング生成回路52は,上述した一定の
投光時間間隔ごとに投光タイミング信号を発生し,この
タイミング信号をレーザ駆動回路51および距離算出装置
13(図3)に与える。レーザ駆動回路51は,この投光タ
イミング信号に基づいて,LDチップ61をパルス駆動す
る。
【0081】(4) シリンドリカル凹レンズの傾斜角度 図8(A) は,図4(A) におけるLDチップ61,ステー6
2,コリメート・レンズ22およびシリンドリカル凹レン
ズ23を抽出して示したものである。説明を分かりやすく
するために,LDチップ61およびステー62を拡大して表
している。
【0082】LDチップ61からの光は,コリメート・レ
ンズ22によってコリメートされる。このコリメート光の
大部分は,シリンドリカル凹レンズ23によってスリット
光に変換されて回転ミラー24に向かう。コリメート光の
一部は,従来技術の項で述べたようにシリンドリカル凹
レンズ23の第1の面23a で反射してLDチップ61の方に
向かう。
【0083】シリンドリカル凹レンズ23の第1の面23a
は,上述したように,LDチップ21およびコリメート・
レンズ22の光軸と垂直な面(Y−Z平面)に対して角度
+ψ1[rad]だけ傾いている。したがって,シリンドリカ
ル凹レンズ23の第1の面23aで反射した光は,コリメー
ト・レンズ22によって,LDチップ61およびステー62の
位置から+Y方向に少し離れた位置(反射光の焦点位
置)F1 に集光される。この反射光が焦点位置F1 に集
光するための傾斜角ψ1 の許容範囲は次にようにして求
められる。
【0084】図8(B) は,LDチップ61,ステー62,コ
リメート・レンズ22の主平面およびシリンドリカル凹レ
ンズ23の第1の面23a を示している。
【0085】LDチップ61のレーザ光の出射口を座標の
原点とする。原点からLDチップ61の側面61a までの距
離をd(>0),レーザ光の出射口から反射光の焦点位
置F1 までの距離をy(>0)(焦点位置F1 の座標を
(0,y,0))とそれぞれする。
【0086】シリンドリカル凹レンズ23の第1の面23a
で反射する光のうちで,コリメート・レンズ22の主平面
の中心を通る光は,コリメート・レンズ22で屈折される
ことなく,焦点位置F1 に直進する。このコリメート・
レンズ22の主平面の中心を通る光とLDチップ61および
コリメート・レンズ22の光軸(X軸)とのなす角度をδ
(>0)とする。y,ψ1 およびδの間には次の関係が
成立する。
【0087】 y=f1・tanδ≒f1・δ …(1) ψ1=δ/2 …(2)
【0088】上記式(1) において,f1・tanδ≒f1・
δ と表せるのは,LDチップ61の出射口とその側面61a
との間の距離dは非常に小さく,したがってδ<<1で
あるからである。
【0089】シリンドリカル凹レンズ23の第1の面23a
で反射した光が,焦点位置F1 に集光するにはy>dと
なる必要がある。式(1) および(2) により,y>dとす
るための傾斜角ψ1 の最小角度は次のようになる。
【0090】 ψ1>d/(2・f1) …(3)
【0091】一方,角度ψ1 をどこまで大きくできるか
という最大角度は,シリンドリカル凹レンズ23が機能し
なくなる角度,すなわち第1の面23a とコリメート・レ
ンズ22からのコリメート光とが平行になる角度である。
この角度は,ψ1 =π/2である。式(3) とあわせて,シ
リンドリカル凹レンズ23の傾斜角ψ1 の許容範囲は次の
ようになる。
【0092】 d/(2・f1)<ψ1 <π/2 …(4)
【0093】好ましくは,傾斜角ψ1 を式(4) に示され
る許容範囲内でできるだけ小さくする,すなわちd/
(2・f1 )に近づけるのがよい。なぜならば,傾斜角
ψ1 を大きくすると,シリンドリカル凹レンズ23の第1
の面23a における反射能(エネルギー反射率)が大きく
なるからである。
【0094】このようにして,シリンドリカル凹レンズ
23をLDチップ61およびコリメート・レンズ22の光軸に
対して一定の傾斜角を持たせて配置することにより,シ
リンドリカル凹レンズ23の第1の面23a で反射する光が
LDチップ61およびステー62に戻ることを防止できる。
これにより,反射光によるLDチップ61の発光の乱れを
防止でき,またステー62で反射する光(ゴースト光)の
発生を防止できる。
【0095】図9(A) は,シリンドリカル凹レンズ23を
図6(A) (図8(A) )とは反対(−ψ1[rad]<0)に傾
けたものを示している。この場合に,LDチップ61のレ
ーザ光の出射口からステー62の側面62a までの距離を−
d(<0),出射口から焦点位置F2 までの距離を−y
(<0)(焦点位置F2 の座標を(0,−y,0))と
する。y>d(−y<−d)とするためには,ψ1 は上
記式(4) の関係を満たせばよい。
【0096】このようにシリンドリカル凹レンズ23を図
6(A) と逆方向に傾けることによっても,シリンドリカ
ル凹レンズ23の第1の面23a からの反射光を,LDチッ
プ61およびステー62からに離れた位置に集光させ,第1
の面23a で反射した光がLDチップ61およびステー62に
戻ることを防止できる。
【0097】また,図9(B) および(C) は,図4(B) に
おけるLDチップ61,ステー62,コリメート・レンズ22
およびシリンドリカル凹レンズ23を抽出して示したもの
である。これらの図に示すように,シリンドリカル凹レ
ンズ23をZ−X平面に対しては垂直に,Y−Z平面に対
しては+ψ1[rad]または−ψ1[rad]だけ傾けて,第1の
面23a で反射した光が,LDチップ61およびステー62に
戻ることを防ぐことができる。
【0098】(5) 投光窓の傾斜角度 図10(A) は,図4(A) におけるLDチップ61,ステー6
2,コリメート・レンズ22の主平面,回転ミラー24の第
1の面24a および窓ガラス25の第1の面25a を抽出して
示したものである。シリンドリカル凹レンズ23において
は,光はZ方向に長い光に変換され,Y方向においては
コリメート光のままである。シリンドリカル凹レンズ23
におけるZ方向の光の屈折は窓ガラス25a の傾斜角ψ2
には関係しないので,図面では,シリンドリカル凹レン
ズ23の図示は省略されている。
【0099】LDチップ61からの光は,コリメート・レ
ンズ22によってコリメートされ,回転ミラー24の第1の
面24a で反射する。この反射光の大部分は,窓ガラス25
を通過して車両の前方に投射される。回転ミラー24の第
1の面24a における反射光の一部は,従来技術の項で述
べたように窓ガラス25の第1の面25a で反射し,回転ミ
ラー24の第1の面24a で再び反射して,コリメート・レ
ンズ22によって焦点位置F5 に集光される。
【0100】回転ミラー24の第1の面24a で反射し,焦
点位置F5 に集光される光のうち,コリメート・レンズ
22の主平面の中心を通過する光のみが示されている。こ
の光は,コリメート・レンズ22の主平面の中心を通るの
で,コリメート・レンズ22によって屈折されることな
く,焦点位置F5 に直進する。
【0101】回転ミラー24の第1の面24a は,Z−X平
面に対して−π/4[rad] をなす平面を基準に角度−ω[r
ad] (<0)だけ回転しているものとする。コリメート
・レンズ22から回転ミラー24に向かう光が回転ミラー24
の第1の面24a となす角度をδ1 (>0)とする。回転
ミラー24の第1の面24a で反射した光が窓ガラスの第1
の面25a で反射して再び回転ミラー24に戻るときに,こ
の反射光が回転ミラー24の第1の面24a となす角度をδ
2 (>0)とする。また,この反射光が第1の面24a で
反射してLDチップ61の方向に向かうときに,この光が
LDチップ61およびコリメート・レンズ22の光軸(X
軸)となす角度をδ3 (>0)とする。符号dおよびy
は,上述した図6(B) におけるものと同じである。y,
δ1 〜δ3,ωおよびψ2 の間には,以下の関係式が成
立する。
【0102】 δ1 =π/4+ω …(5) δ2 =2・(ψ2−ω) …(6) δ3 =2・(ψ2−2・ω) …(7) y=f1・tanδ3 ≒f1・δ3 …(8)
【0103】ここで,LDチップ61からの光が回転ミラ
ー24の第1の面24a で反射してから再度回転ミラー24に
戻るまでに,回転ミラーは僅かに回転する。しかし,こ
の間の時間は非常に短いので,この回転ミラーの回転角
は無視できる。したがって,式(5) 〜(8) においては,
この回転角を考慮していない。
【0104】y>dとするためには,ψ2 は式(5) 〜
(8) から,以下に示す関係を満たす必要がある。
【0105】 ψ2 > d/(2・f1)+2・ω …(9)
【0106】−α/4≦ω≦α/4であるから,ψ2 の最小
角度は以下のようになる。
【0107】 ψ2 > d/(2・f1)+α/2 …(10)
【0108】また,上述のシリンドリカル凹レンズ23の
場合と同様に,ψ2 はπ/2未満になる必要がある。した
がって,傾斜角ψ2 の許容範囲は以下に示す範囲とな
る。
【0109】 d/(2・f1)+α/2< ψ2 <π/2 …(11)
【0110】例えば,計測角度範囲α=200[mrad] の場
合には,ψ2 の許容範囲は式(11)から次にようになる。
【0111】 d/(2・f1)+0.1 <ψ2 <π/2 …(12)
【0112】好ましくは,上述のシリンドリカル凹レン
ズ23の傾斜角ψ1 と同様に,角度ψ2 は,上記式(11)の
範囲内においてできるだけ小さい方がよい。
【0113】このようにして,窓ガラス25を一定の傾斜
角を持たせて設置することにより,窓ガラス25の第1の
面25a での反射光がLDチップ61およびステー62に戻る
ことを防止できる。したがって,ステー62での反射によ
るゴースト光の発生を防止できる。また,窓ガラス25の
第1の面25a で反射した光がLDチップ61の出射口に戻
ることも防止でき,これによりLDチップ61の発光に乱
れが生じることも防止できる。
【0114】図10(B) に示すように,窓ガラス25の第1
の面25a を図10(A) とは逆の方向(+ψ2[rad]>0)に
傾けて,窓ガラス25の第1の面25a で反射した光がLD
チップ61およびステー62から離れた位置F6 に集光する
ようにすることもできる。
【0115】また窓ガラス25についても,図9(B) およ
び(C) におけるシリンドリカル凹レンズ23と同じように
して,Z−X平面に対しては垂直に,Y−Z平面に対し
て一定の角度だけ傾けることもできる。
【0116】図11は,窓ガラス25をZ−X平面に対して
は垂直に,Y−Z平面に対しては+ψ2[rad]だけ傾けた
場合の,LDチップ61,ステー62,コリメート・レンズ
22の主平面,シリンドリカル凹レンズ23の主平面および
窓ガラス25の第1の面25a を示している。実際には,シ
リンドリカル凹レンズ23からの光は回転ミラー24におい
てX方向からY方向に偏向される。しかし,回転ミラー
24による偏向は,角度ψ2 には関係しないので,図面で
は回転ミラー24およびこのミラー24による光の偏向の図
示は省略されている。
【0117】窓ガラス25の第1の面25a で反射した光の
うち,コリメート・レンズ22の主平面の中心を通過する
光のみが示されている。この光は,コリメート・レンズ
22の主平面の中心を通過するので,コリメート・レンズ
22によって屈折されることなく,焦点位置F7 に直進す
る。
【0118】LDチップ61の出射口を座標の原点とす
る。この出射口からステー62の側面62b までの距離を−
d(<0),出射口から焦点位置F7 までの距離を−z
(<0)(焦点位置F7 の座標を(0,0,z))とそ
れぞれする。シリンドリカル凹レンズ23の焦点距離をf
2 (>0)とする。また,コリメート・レンズの主平面
とシリンドリカル凹レンズの主平面との距離をa(>
0),シリンドリカル凹レンズの主平面と窓ガラス25の
第1の面25a における光の反射点との距離をb(>0)
とそれぞれする。
【0119】シリンドリカル凹レンズ23から窓ガラス25
に向かう光とX軸(LDチップ61およびコリメート・レ
ンズ22の光軸)とのなす角を−τ1 (<0),窓ガラス
25の第1の面25a で反射した光とX軸とのなす角を−τ
2 (<0),シリンドリカル凹レンズ23からコリメート
・レンズ22に向かう光とX軸とのなす角を−τ3 (<
0)とそれぞれする。さらに,コリメート光がシリンド
リカル凹レンズ23の主平面を通過する点とシリンドリカ
ル凹レンズ23の主平面の中心との距離をz1 と,窓ガラ
スの第1の表面25a で反射した光がシリンドリカル凹レ
ンズ23の主平面を通過する点とシリンドリカル凹レンズ
23の主平面の中心との距離をz2 とそれぞれする。
【0120】f1 ,f2 ,z1 ,z2 ,a,b,および
τ1 〜τ3 の間には以下の関係式が成立する。
【0121】 τ2 =2・ψ2−τ1 …(12) z2 =z1−b・tan(τ2−τ1)≒z1−b・(τ2−τ1) …(13) z=f1・tanτ3 ≒f1・τ3 …(14) τ3=τ2−z2/f2 …(15)
【0122】式(12)〜(15)により,zは次のようにな
る。
【0123】 z=f1・{f2・(2・ψ2−τ1)+2・b・(ψ2−τ1)−z1}/f2 …(16)
【0124】z>d(−z<−d)とするためには,窓
ガラス25の傾斜角ψ2 は以下の関係式を満たす必要があ
る。
【0125】 ψ2 >{f2・d/f1+z1+τ1・(f2+2・b)}/{2・(f2+b)} …(17)
【0126】式(17)において,τ1 およびz1 の値は,
LDチップ61から放射される光のZ方向の広がり角なら
びに焦点距離f1 およびf2 の値によって一意に求める
ことができる。したがってψ2 の最小角度を式(17)によ
って求めることができる。
【0127】傾斜角ψ2 の最大角度は上述したようにπ
/2[rad] である。したがって,傾斜角ψ2 の許容範囲は
次のようになる。
【0128】 {f2・d/f1+y1+τ1・(f2+2・b)}/{2・(f2+b)} <ψ2 <π/2 …(18)
【0129】シリンドリカル凹レンズ23を,回転ミラー
24と窓ガラス25との間におくこともできる。この場合
に,シリンドリカル凹レンズ23を上記の窓ガラス25と同
様に傾けることにより,シリンドリカル凹レンズ23の第
1の面23a で反射した光がステー62およびLDチップ61
に戻ることを防止できる。
【0130】また,シリンドリカル凹レンズ23または窓
ガラス25で反射した光が,LDチップ61とステー62とを
格納するレーザ発光器21のパッケージまたはレーザ発光
器21を固定するホルダ31に入射する場合もある。しか
し,これらのパッケージおよびホルダの反射率は小さ
く,ゴースト光の発生は無視できる。
【0131】ステー62の表面を黒色等の光を吸収する色
にして,ステー62による反射光の発生を防止することも
できる。また,ステー62の表面をシボ加工して,表面で
光を散乱させて,ゴースト光の発生を防止することもで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】3台の車両が片道2車線の道路上を走行してい
る様子を示す。
【図2】(A) は車間距離計測装置が搭載された車両を示
す斜視図,(B) は(A) に示す車両の前部にあるバンパを
拡大して示す斜視図である。
【図3】車間距離計測装置の電気的構成を示すブロック
図である。
【図4】スリット光投光装置の構成を示すもので,(A)
は水平断面図,(B) は垂直断面図である。
【図5】レーザ発光器を示すもので,(A) は一部を破断
して示す拡大平面図,(B) は一部を破断して示す拡大正
面図である。
【図6】モータ駆動装置の電気的構成を示すブロック図
である。
【図7】レーザ駆動装置の電気的構成を示すブロック図
である。
【図8】(A) は,LDチップ,ステー,コリメート・レ
ンズおよびシリンドリカル凹レンズの配置を示す。(B)
は,LDチップおよびステー,コリメート・レンズの主
平面およびシリンドリカル凹レンズの第1の面の光学的
関係を示す。
【図9】(A) 〜(C) は,LDチップ,ステー,コリメー
ト・レンズおよびシリンドリカル凹レンズの光学的関係
を示す。
【図10】(A) および(B) は,LDチップ,ステー,コ
リメート・レンズの主平面,回転ミラーの第1の面およ
び窓ガラスの第1の面の光学的関係を示す。
【図11】LDチップ,ステー,コリメート・レンズの
主平面,回転ミラーの第1の面および窓ガラスの第1の
面の光学的関係を示す。
【図12】従来技術の投光装置の構成を示す。
【符号の説明】 11 スリット光投光装置 12 受光装置 13 距離算出装置 14 信号処理装置 15 車速センサ 21 レーザ発光器 61 レーザ・ダイオード・チップ(LDチップ) 62 ステー(保持部材) 22 コリメート・レンズ 23 シリンドリカル凹レンズ 23a シリンドリカル凹レンズ23の第1の面 24 回転ミラー 25 窓ガラス 25a 窓ガラス25の第1の面 28 モータ 31 ホルダ 40 モータ駆動装置 ψ1 シリンドリカル凹レンズ23の傾斜角 ψ2 窓ガラス25の傾斜角
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】 第1の発明を反射鏡と透明板との関係を
中心に記述すると次のように表現できる。すなわち,第
1の発明による投光装置は,光を発光する発光装置,上
記発光装置からの光を投射するためのレンズ系,上記レ
ンズ系からの投射光を偏向するための反射鏡,および上
記反射鏡で反射した光を透過させる透明板を備え,上記
反射鏡からの光のうち上記透明板で反射した光が上記反
射鏡に向い,上記反射鏡で反射した後に上記レンズ系を
通して上記発光装置からそれた位置に戻るように,上記
透明板が,上記反射鏡から上記透明板に向う光の光軸と
垂直な面に対して傾いて配置されているものである。こ
の構成によっても上述したように,透明板で反射した光
が発光装置に入射するのを防止でき,発光装置の発光が
乱れるという問題を解決できる。レンズ系(少なくとも
第1のレンズ),反射鏡および透明板は一つの筐体に格
納することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 27/18 Z G08G 1/16 C // G05D 1/02 S

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を発光する発光装置,上記発光装置か
    らの光をコリメートする第1のレンズ,および上記第1
    のレンズからの光を屈折させる第2のレンズを備え,上
    記第2のレンズの上記第1のレンズに向かっている面が
    平面であって,上記第1のレンズからの光が上記平面で
    反射した場合に,その反射光が上記第1のレンズを通し
    て上記発光装置からそれた位置に戻るように,上記第2
    のレンズが上記発光装置および第1のレンズの光軸と垂
    直な面に対して傾いて配置されている,投光装置。
  2. 【請求項2】 上記発光装置が,半導体発光素子および
    半導体発光素子を保持する保持部材によって構成され
    る,請求項1に記載の投光装置。
  3. 【請求項3】 上記半導体発光素子はレーザ・ダイオー
    ドである,請求項2に記載の投光装置。
  4. 【請求項4】 上記第2のレンズによって屈折された光
    の進行方向上に,この光を偏向するための反射鏡を備え
    ている,請求項1から3のいずれか1項に記載の投光装
    置。
  5. 【請求項5】 上記反射鏡は,あらかじめ定められた角
    度の範囲内で往復回転するものである,請求項4に記載
    の投光装置。
  6. 【請求項6】 上記反射鏡で反射した光の進行方向上
    に,光を通過させる透明板が設けられており,上記反射
    鏡からの光が上記透明板で反射した場合に,この反射光
    が上記反射鏡に進み,上記反射鏡で反射した後に,上記
    第2のレンズおよび第1のレンズを通して上記発光装置
    からそれた位置に戻るように,上記透明板が上記反射鏡
    から上記透明板に向かう光の光軸と垂直な面に対して傾
    いて配置されている,請求項4または5に記載の投光装
    置。
  7. 【請求項7】 上記第1のレンズ,第2のレンズ,反射
    鏡および透明板が一つの筐体に格納されている,請求項
    6に記載の投光装置。
  8. 【請求項8】 光を発光する半導体発光素子,および半
    導体発光素子を保持する保持部材を備えた発光装置にお
    いて,上記保持部材の表面がシボ加工されている,また
    は上記半導体発光素子から発光した光を吸収する色彩に
    着色されている,発光装置。
  9. 【請求項9】 車間距離計測装置を備えた車両におい
    て,上記車間距離計測装置は,投光装置,受光装置およ
    び車間距離算出手段を備えており,上記投光装置は,パ
    ルス状の光を発光する発光装置,上記発光装置からの光
    をコリメートする第1のレンズ,上記第1のレンズから
    の光を屈折させ,上記第1のレンズに向かっている面が
    平面であって,上記第1のレンズからの光が上記平面で
    反射した場合に,その反射光が上記第1のレンズを通し
    て上記発光装置からそれた位置に戻るように,上記発光
    装置および第1のレンズの光軸と垂直な面に対して傾い
    て配置されている第2のレンズ,上記第2のレンズによ
    って屈折された光を車両の前方のあらかじめ定められた
    角度の範囲内で掃引するために,あらかじめ定められた
    角度の範囲内で往復回転する反射鏡,および上記発光装
    置がパルス状の光を出力した時点を表すタイミング信号
    を生成する第1のタイミング信号生成手段を含み,上記
    受光装置は,外部からの光を受光する受光器,および光
    を受光した時点を表すタイミング信号を生成する第2の
    タイミング信号生成手段を含み,上記車間距離算出手段
    は,上記第1および第2のタイミング信号生成手段から
    のタイミング信号の時間差に基づいて車間距離を算出す
    るものである,車間距離計測装置を備えた車両。
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