JPH0857159A - ロボット - Google Patents

ロボット

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JPH0857159A
JPH0857159A JP6202330A JP20233094A JPH0857159A JP H0857159 A JPH0857159 A JP H0857159A JP 6202330 A JP6202330 A JP 6202330A JP 20233094 A JP20233094 A JP 20233094A JP H0857159 A JPH0857159 A JP H0857159A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生物に特有な現象を模倣することができるロ
ボットを提供することを目的とする。 【構成】 ロボット1は、いわばロボシャクトリムシと
呼ぶべきロボットであり、任意の数の単位モジュール1
0が一列に接続されて構成される。単位モジュール10
の側面には、他の単位モジュール10を接続し、あるい
は、これを分離する結合装置、上面には、それぞれ他の
単位モジュール10を捕捉し、検出する2個のアームと
センサとが配設されている。ロボット1は、これらを用
いて他の単位モジュール10を捕捉し、捕捉した単位モ
ジュール10を接続することにより成長し、単位モジュ
ール10の一部を分離して増殖する。このように、ロボ
ット1は、捕食および成長といった生物の行動を模倣す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モジュール構造を有
し、自律的に構成を変更することができるロボットに関
する。
【0002】
【従来の技術】ロボットを愛玩のため、あるいは、鑑賞
のために用いるというアイディアが古くからある。この
ような用途のロボットとして、例えば人の呼びかけに対
して簡単な反応を示したり、歩いたりといった単純な機
能を有するロボットが従来から実用化されている。ま
た、このような用途のロボットの一種として、例えば特
公平01−9873号公報(文献1)に開示された「ロ
ボット玩具」、あるいは、特公平04−17075号公
報(文献2)に開示された「合体ロボット玩具」に開示
されたロボットが知られている。
【0003】文献1,2に開示されたロボットは、例え
ば、アニメーションフィルムに登場する戦闘用ロボット
に似せて形成されており、その腕等を任意に着脱してロ
ボットの形状の変化を楽しむように構成されている。ま
た、ロボットから外した腕を組み合わせて、さらに他の
ロボットを作って楽しむこともできる。
【0004】また、アパート等ではペット等を飼うこと
が禁じられている場合が多く、また、都市住民にとって
動物に触れる機会が非常に少なくなってきている。一
方、都市住民にはペットを飼いたいという願望を持つ者
が多い。かかる現状の下、生身の動物ではなく、好みの
動物の動作を真似する、いわばペットもどきの愛玩用ロ
ボットが商品化され、愛玩用ロボットを身近に置く都市
住民も増えてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、文献1,2に
開示されたロボットは、いわば、ロボット型の玩具とい
ったものであり、人手により部品が着脱されて構成が変
化しても、自律的に構成が変化することはなく、いくつ
かの決まった形状以外をとりえない。また、現在までに
実現化されている愛玩用ロボットのほとんどは、極めて
限られた運動機能および応答機能しか有さない。つま
り、愛玩用ロボットとしては、現在の所、例えば、手を
叩くと吠える犬の形をしたロボット程度のものしか実現
されていない。
【0006】ここで、愛玩用あるいは鑑賞用ではない
が、構成が自律的に変化するロボットとして、例えば
「自己修復する機械システム(村田他、第11回日本ロ
ボット学会学術講演会予稿集149頁〜152頁、
(社)日本ロボット学会発行、発行日1993年11月
12日)」(文献3)、あるいは、「モジュール型ロボ
ットの開発試作(松丸他、第11回日本ロボット学会学
術講演会予稿集153頁〜154頁、発行者、発行日は
文献3に同じ)」(文献4)に開示されたロボットが知
られている。これらのモジュール構造のロボットに関す
る技術を応用することにより、愛玩・鑑賞用のロボット
の形状変化、動作および反応等を複雑化することがで
き、例えば障害物を避けて動き回るような愛玩・鑑賞用
ロボットを実現することができると考えられている。
【0007】しかし、このような複雑な形状変化等が可
能なロボットであっても、従来のモジュール構造のロボ
ットの延長上の技術によっては、成長、増殖あるいは死
といった、生物に特有な現象を模倣することはできな
い。本発明は以上述べたような従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、複雑な形状変化、動作および反
応等を実現することができ、しかも、成長、増殖あるい
は死といった、生物に特有な現象をも模倣することがで
きるロボットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のロボットは、複数の単位モジュールが一体に
接続され、該複数の単位モジュールの1つが頭脳モジュ
ールとして機能するロボットであって、前記単位モジュ
ールそれぞれは、該単位モジュールそれぞれを頭脳モジ
ュールが指示する方向に移動させる移動手段と、近傍の
他の単位モジュール、または、近傍の複数の単位モジュ
ールが一体に接続された他のロボットを検出する検出手
段と、前記頭脳モジュールの指示に基づいて、前記他の
単位モジュール、または、前記他のロボットを検出した
場合に、これらを捕捉する捕捉手段と、前記頭脳モジュ
ールの指示に従って、捕捉または他のロボットから分離
した他の単位モジュールと当該単位モジュールとを該頭
脳モジュールの指示が伝達されるように接続し、また
は、当該単位モジュールに接続されている他の単位モジ
ュールを分離する接続・分離手段とを有する。
【0009】好適には、前記ロボットを構成する単位モ
ジュールのいずれかの接続・分離手段は、前記頭脳モジ
ュールの指示に従って、該ロボットを構成する単位モジ
ュールの数が所定の数を超えた場合に、該ロボットを構
成する単位モジュールの一部を分離する。
【0010】好適には、前記ロボットを構成する単位モ
ジュールのいずれかの接続・分離手段は、前記頭脳モジ
ュールの指示に従って、該単位モジュールの接続・分離
手段それぞれに、該ロボットが所定の形状になるように
他の単位モジュールを接続させ、あるいは、分離させ
る。好適には、前記ロボットを構成する単位モジュール
それぞれの接続・分離手段は、前記ロボットを構成する
単位モジュールの数が基準値以下になった場合に、前記
頭脳モジュールの指示に従って、他の単位モジュールを
それぞれ分離する。
【0011】
【作用】ロボットを構成する単位モジュールそれぞれの
移動手段は、それぞれ任意の方向に単位モジュールを移
動させる。検出手段は、周囲の他の単位モジュール等が
ある方向を検出する。ロボットを構成する単位モジュー
ルのいずれかの移動手段、つまり後述する頭脳モジュー
ルの移動手段は、他の単位モジュールの移動手段をも制
御して、ロボットが全体として動こうとする方向に単位
モジュールそれぞれを、検出手段が検出した他の単位モ
ジュール等の方向に単位モジュールそれぞれを移動させ
る。捕捉手段は、検出手段が検出した単位モジュールを
捕捉し、あるいは、他のロボットから単位モジュールを
むりやりにでも分離させて捕捉する。さらに、捕捉手段
は、必要な場合には、捕捉した単位モジュールを、接続
・分離手段が接続可能な位置まで移送する。
【0012】接続・分離手段は、捕捉手段が捕捉した単
位モジュール等を機械的接続し、さらに、頭脳モジュー
ルからの制御信号が伝達可能に電気的に接続する。ま
た、接続分離手段は、所定の条件において、接続されて
いる単位モジュールを分離する。つまり、例えば、ロボ
ットを構成する単位モジュールのいずれかの接続・分離
手段は、ロボットを構成する単位モジュール数が所定の
数を超えた場合にロボットの単位モジュールの一部を分
離する。
【0013】
【実施例1】以下、図1〜図8を参照して本発明の第1
の実施例を説明する。まず、図1〜図5を参照してロボ
ット1およびロボット1を構成する単位モジュール10
i (iは整数、以下同じ)の構成を説明する。図1は、
本発明のロボット1の構成を例示する図であって、
(A)は最小数(3個)の単位モジュール101 〜10
3 から構成されるロボット1aを示し、(B)は(A)
に示したロボット1aに2個の単位モジュール104
105 が接続されたロボット1bを示す。
【0014】図2は、図1に示した単位モジュール10
i の構成を例示する斜視図である。図3は、図2に示し
た単位モジュール10i を第1の接続装置1201 の方
向から見た側面図である。図4は、図2に示した単位モ
ジュール10i の底面図である。図5は、図2に示した
単位モジュール10i の内部構成を示す図である。
【0015】図1(A),(B)のロボット1a,1b
に例示するように、ロボット1は、いわばロボシャクト
リムシと呼ぶべきロボットであり、3個以上の任意の数
の単位モジュール10i が一列に接続されて構成され
る。ロボット1を構成する単位モジュール10i は、例
えば全て同一の構成となっている。単位モジュール10
i は、例えば図2に示すように、上面および底面が同一
の正方形である箱型に形成された筐体100に組み立て
られており、各側面に単位モジュール10i と他の単位
モジュール10i-1 ,10i+1 とを接続し、あるいは、
分離する接続装置120が配設されている。
【0016】また、単位モジュール10i の上面には、
第1および第2のアーム1021 ,1022 およびセン
サ104が配設されている。アーム1021 ,1022
は、それぞれ図2中の矢印a、bに示すように、関節を
任意の角度に折り曲げることができ、回転軸の回りに自
在に回転することができる腕と、物を掴むことができる
爪とを有している。ロボット1は、アーム1021 ,1
022 を、図6を参照して後述する捕食動作を行う際
に、他の単独の単位モジュール10j (jは整数,j≠
i、以下同じ)、あるいは、他のロボット1を構成して
いる単位モジュール10j を捕捉するために用いる。ア
ーム1021 ,1022 は、例えば工作機械のアームを
単位モジュール10 i の大きさに合わせて小型化したよ
うな構成になっており、爪の部分に物体が触れた場合に
は、このことを検出して制御回路200に通知する。
【0017】センサ104は、例えば、それぞれ前後左
右を写すテレビカメラ1061 〜1064 を有してお
り、テレビカメラ1061 〜1064 それぞれが向いて
いる方向の映像を写す。接続装置1201 〜120
4 は、それぞれ接続部材1221 〜1224 ,1241
〜1244 と接続コネクタ1261 〜1264 とを有し
ており、単位モジュール10i の接続装置1201 〜1
204 は、他の単位モジュール10j の接続装置120
1 〜1204 と当接されて、単位モジュール10i と単
位モジュール10j とを機械的および電気的に接続す
る。
【0018】つまり、単位モジュール10i ,10j
移動して、これらの接続装置120 1 同士が当接される
と、図5を参照して後述する単位モジュール10i ,1
jの制御回路200の制御に従って、接続部材122
1 ,1241 同士および接続部材1222 ,1242
機械的に接続して単位モジュール10i ,10j を機械
的に接続し、接続コネクタ1261 の接点(図示せず)
同士が電気的に接触して単位モジュール10i ,10j
間で制御信号等を送受信させる。また、逆に、所定の条
件下では、制御回路200の制御に従って、単位モジュ
ール10i ,10j の接続部材122,124は互いに
機械的な接続を解き、単位モジュール10i ,10j
機械的および電気的に分離する。
【0019】図3および図4に示すように、単位モジュ
ール10i の底面には、キャスタ1301 〜1304
よび移動装置140が配設されている。キャスタ130
1 〜1304 は、それぞれ車輪を有しており、図4の矢
印に示すように、車輪が単位モジュール10i の進行方
向を向くように保持する。移動装置140は、モーター
と車輪1421 ,1422 とを有しており、図5を参照
して後述する制御回路200の制御に従って、図4の矢
印に示すように、単位モジュール10i の進行方向に向
けて車輪1421 ,1422 を回転させ、単位モジュー
ル10i を移動させる。
【0020】単位モジュール10i は、図5に示すよう
な内部構成になっている。制御回路200は、図2およ
び図3に示したセンサ104のテレビカメラ1061
1064 がそれぞれ写した単位モジュール10i の周
囲、それぞれの方向の映像を画像処理し、単位モジュー
ル10i の周囲にあるロボット1を構成しない単独の単
位モジュール10j または他のロボット1(以下、「単
位モジュール10j 等」と記す)の方向を算出し、移動
装置駆動回路204を介して移動装置140を制御し
て、算出した方向に単位モジュール10i を移動させ
る。
【0021】また、制御回路200は、左アーム駆動回
路2021 および右アーム駆動回路2022 を介してア
ーム1021 ,1022 をそれぞれ制御して、単位モジ
ュール10j 等を捕捉させる。また、制御回路200
は、ロボット1の形状に関するデータ(ロボットタイプ
情報)、つまり、ロボット1は単位モジュール10i
一列に接続されて構成されるといった情報を記憶してお
り、ロボット1を構成する他の単位モジュール10i
の接続関係を認識し、ロボット1のロボットタイプ情報
に従って、アーム1021 ,1022 が捕捉した単位モ
ジュール10i を接続装置1201 〜1204 のいずれ
に接続するか、あるいは、接続装置1201 〜1204
のいずれに接続されている単位モジュール10i を分離
するかを決定し、接続装置1201〜1204 を制御し
て他の単位モジュール10i を接続または分離する。
【0022】なお、ロボット1を構成する単位モジュー
ル10i のいずれかの制御回路200、例えば図1
(A)のロボット1aに最初から含まれる3個の単位モ
ジュール101 〜103 の中央に位置する単位モジュー
ル102 の制御回路200は、ロボット1a全体を制御
するマスタ制御回路として動作する。以下、マスタ制御
回路として動作する制御回路200を有する単位モジュ
ール10i を、頭脳モジュールとも称する。頭脳モジュ
ール(単位モジュール102 )の制御回路200は、他
の単位モジュール10i からも、ロボット1を構成する
単位モジュール10i の数等、ロボット1の動作を決定
するために必要なデータを接続コネクタ1261 〜12
4を介して受け入れ、図6〜図8を参照して後述する
ロボット1の動作を制御する制御データを生成して他の
単位モジュール10i に対して出力する。
【0023】頭脳モジュールに隣接しない単位モジュー
ル10i には、その間に接続された単位モジュール10
i が制御信号を中継する。つまり、例えば、頭脳モジュ
ールの制御回路200は、ロボット1全体の移動方向を
決定し、制御信号を介して他の単位モジュール10i
制御回路200に移動方向を指示し、同じ方向に単位モ
ジュール10i それぞれを移動させる。
【0024】左アーム駆動回路2021 および右アーム
駆動回路2022 は、制御回路200の制御に従って、
それぞれアーム1021 ,102を駆動する。移動装置
駆動回路204は、制御回路200の制御に従って、移
動装置140を駆動する。なお、上述したロボット1の
各構成要素の内、移動装置140が本発明に係る移動手
段に相当し、センサ104が本発明に係る検出手段に相
当し、アーム1021 ,1022 本発明に係る捕捉手段
に相当し、接続装置120が本発明に係る接続・分離手
段に相当する。また、制御回路200は、これらのロボ
ット1の各構成要素を制御する。
【0025】以下、図6〜図8を参照してロボット1の
動作を説明する。図6は、図1に示したロボット1の捕
食行動および成長を示す図であって、(A)はロボット
1aと単位モジュール104 の最初の状態を示し、
(B)はロボット1aが単位モジュール104 を捕食す
る動作を示し、(C)は単位モジュール103 に単位モ
ジュール104 が接続されて成長したロボット1fを示
す。図6(A)に示すように、最小数(3個)の単位モ
ジュール10i から構成され、単位モジュール104
頭脳モジュールとするロボット1aが、任意の方向に移
動している。また、単位モジュール104 も、それ自身
の制御回路200の制御に従って、任意の方向に移動し
ている。
【0026】ある時点で、ロボット1aの単位モジュー
ル102 のセンサ104を介して制御回路200が単位
モジュール104 の存在を検出し、単位モジュール10
4 がある方向を算出し、その方向を移動方向に決定す
る。単位モジュール102 の制御回路200は、接続装
置120を介して単位モジュール101 ,103 の制御
回路200に対して、制御信号を介して移動方向をを通
知する。単位モジュール10i の制御回路200は移動
装置140を制御して、それぞれ図6(A)に示す矢印
aの方向に移動させる。移動の間、単位モジュール10
i それぞれは、単位モジュール104 がアーム10
1 ,1022 の爪に触れた場合に検出することができ
るように、それぞれアーム1021 ,1022 を振り回
す。
【0027】図6(B)に示すように、単位モジュール
103 のアーム1021 ,1022のいずれかが単位モ
ジュール104 に触れると、単位モジュール103 の制
御回路200は、単位モジュール104 に触れたアーム
1021 ,1022 を制御して単位モジュール103
捕捉し、開いている接続装置1201 〜1204 のいず
れかの位置、つまり、接続後のロボット1fの形状が一
列になるように、単位モジュール103 が接続装置12
1 で単位モジュール102 と接続している場合には、
接続装置1203 の位置に単位モジュール104 を移送
して接続する。このようなロボット1の行動を、例えば
ロボット1の捕食行動という。図6(C)に示すよう
に、単位モジュール103 ,104 の接続が終わると、
ロボット1は4個の単位モジュール10i から構成され
るロボット1fに成長する。
【0028】図7は、図1に示したロボット1が増殖す
る動作を説明する図である。図8は、図7に示したロボ
ット1の増殖動作における制御回路200の処理を示す
フローチャートである。図7に示すように、2個の単位
モジュール10i から構成されるロボット1(記号a)
を、例えばロボット1の「幼虫」と呼ぶ。ロボット1の
幼虫は、他の単位モジュール103 を捕食して(矢印
b)、3個の単位モジュール10i から構成されるロボ
ット1に成長する(矢印c,d)。ロボット1はさらに
成長して(矢印e)、7個の単位モジュール10i から
構成されるロボット1に成長する(記号f)。ロボット
1は、3個の単位モジュール10i から構成されるよう
になった時点で一人前になり、また幼虫は2個の単位モ
ジュール10から構成されるので、例えば幼虫を生むこ
とができる5個以上の単位モジュール10i から構成さ
れるロボット1を、例えばロボット1の「成虫」と呼
ぶ。
【0029】ロボット1の成虫は、上述のように、例え
ば単位モジュール102 を頭脳モジュールとして動作す
る。成虫(親)となると、単位モジュール102 の制御
回路200は、単位モジュール105 ,106 の制御回
路200に対して制御情報を送出し、単位モジュール1
5 ,106 間の接続を切らせ、新たな幼虫を放出する
(矢印g,h)。なお、幼虫は、親(成虫)と同じ形に
成長するようなロボットタイプ情報を有している。つま
り、成虫の単位モジュール101 〜105 は、そのまま
成虫として存在を続け、再び成長して幼虫を発生する。
また、成虫から切り離された単位モジュール106 ,1
7 は、新たな幼虫として成長して親と同じ形状の成虫
となり、幼虫を発生する。
【0030】図8を参照してロボット1の増殖動作を説
明する。新たな単位モジュール10i がロボット1に接
続されるたびに、その情報が単位モジュール102 の制
御回路200に入力される。ステップ10(S10)に
おいて、単位モジュール102 の制御回路200は、ロ
ボット1を構成する単位モジュール10i の数が所定の
数、例えば7個以上となったか否かを判断する。7個以
上である場合にはS11の処理に進み、7個未満である
場合には処理を終了する。ステップ11(S11)にお
いて、単位モジュール102 の制御回路200は、単位
モジュール105 ,106 の制御回路200に、単位モ
ジュール105 ,106 間の接続を切らせる。以上のよ
うに、ロボット1は、ロボット1を構成する単位モジュ
ール10i の数を変更し、また、単位モジュール10i
を一列に接続した形状であるというロボット1の構成を
自律的に保つことができる。また、ロボット1によれ
ば、生物の捕食、成長および増殖を模倣することができ
る。
【0031】
【実施例2】以下、図9〜図14を参照して本発明の第
2の実施例を説明する。図9は、本発明のロボット1の
構成を例示する図であって、(A)は最小数(5個)の
単位モジュール101 〜105 から構成されるロボット
2aを示し、(B)は(A)に示したロボット2aに4
個の単位モジュール106 〜109 が接続されたロボッ
ト2bを示す。なお、単位モジュール10i は、第1の
実施例に示した単位モジュール10iと同じ構成であ
り、アーム1021 ,1022 は適宜、省略して示して
ある。図9に示したロボット2は、ロボット1と同様な
機能を有しながら形状が異なる、いわばロボヒトデと呼
ぶべきものであり、ロボット2を構成する単位モジュー
ル10i は十字形に接続される。
【0032】以下、図10〜図13を参照してロボット
2の動作を説明する。図10は、図9に示したロボット
2cが他のロボット1cを捕食する動作を示す図であっ
て、(A)は捕食前のロボット2cとロボット1cを示
し、(B)はロボット2がロボット1cを分離、捕食す
る動作を示す。図11は、図10に示した捕食動作の結
果成長したロボット2dの構成を示す図である。図9に
示したロボット2は、例えば単位モジュール101 の制
御回路200を頭脳モジュールとして動作する。図10
(A)に示すように、ロボット2cは、ロボット1cを
検出すると、その方向に移動してゆく(矢印a)。
【0033】図10(B)に示すように、ロボット2c
は、ロボット1cを捕捉すると、ロボット1cをロボッ
ト1d,1eに分解して、それぞれ接続しようとする位
置に移送して接続する(矢印b,c)。以上の捕食動作
が終了すると、ロボット2cは、図11に示すように、
13個の単位モジュール10i から構成されるロボット
2dに成長する。第1の実施例に示したロボット1と同
様に、ロボット2を用いても生物の捕食動作および成長
を模倣することができる。
【0034】図12は、11個の単位モジュール10i
から構成されるロボット2fが分裂して増殖する様子を
示す図であって、(A)は分裂前のロボット2fを示
し、(B)は分裂して生じたロボット2g,2hを示
し、(C)はロボット2g,2hがそれぞれ再配列され
て生じたロボット2k,2mを示す。図12(A)に示
すように、ロボット2fの単位モジュール101 が、ロ
ボット2fを構成する単位モジュール10i の数が所定
数、例えば13個以上になったことを検出すると、分裂
を開始する。つまり、単位モジュール101 は、ロボッ
ト2fを図12(A)の点線aで示すように分裂させる
ために、単位モジュール108 と単位モジュール1010
を分離する。
【0035】この分裂により、図12(B)に示すよう
に、ロボット2g,2hが発生する。ロボット2gの形
状が十字形になっていないので、分裂の後、ロボット2
gの頭脳モジュール(単位モジュール101 )は、ロボ
ット2の構成上必要ではあるがその接続位置が適切でな
い単位モジュール104 ,106 を、アーム1021
1022 により分離させ、所定の位置に移送し、さらに
接続装置1201 〜1204 のいずれかを介して接続す
るという動作を図12(C)に示すロボット2kの形に
なるまで行う。
【0036】また、ロボット2hは、互いに上述の捕食
行動をとり、例えば、最初に三方に他の単位モジュール
10i が接続された単位モジュール10i を頭脳モジュ
ールとして、ロボット2gと同様の動作を行う。以上
で、ロボット2fが分裂し、増殖してロボット2k,2
mを生じる動作を終了する。
【0037】図13は、図9に示したロボット2が死ぬ
場合を説明する図であって、(A)は最小数(5個)の
単位モジュール10i から構成されたロボット2nの構
成を示し、(B)は他のロボット1,2により、ロボッ
ト2nの単位モジュール10 5 が捕食された後に残った
ロボット2pを示し、(C)はロボット2pが分解した
後を示す図である。図10(A)に示すように、上述の
分裂を行う場合以外であって、5個の単位モジュール1
i から構成されるロボット2nを構成する単位モジュ
ール10iが、他のロボット1,2により捕食されてし
まうことがある(矢印a)。
【0038】図10(B)に示すように、ロボット2n
の単位モジュール105 が捕食されて、4個のからロボ
ット2pが残ることになる。ロボット2pは、もはや十
字形をとりえない。このような場合には、単位モジュー
ル101 は、他の単位モジュール102 〜104 の動き
をとめて分離する(矢印b,c,d)。このように、ロ
ボット2は生物の死を模倣する。上述のように分離され
た単位モジュール101 〜104 は、それぞれ任意の方
向に動いても、あるいは、移動せずにその場所に留まっ
ていてもよい。
【0039】図14は、図9に示したロボット2が死ぬ
場合の制御回路200の処理を示す図である。ステップ
20(S20)において、単位モジュール101 の制御
回路200は、ロボット2を構成する単位モジュール1
i の数が最小数未満であるか否かを判断する。最小数
未満である場合にはS21の処理に進み、最小数以上で
ある場合には処理を終了する。ステップ21(S21)
において、単位モジュール101 の制御回路200は、
単位モジュール102 〜単位モジュール104 を分離す
る。
【0040】
【実施例3】以下、本発明の第3の実施例を説明する。
第3の実施例においては、ロボット1,2の単位モジュ
ール10i からキャスタ1301 〜1304 および移動
装置140を取り外した、図15に示す構成の単位モジ
ュール20i により、ロボット1,2と同様な形状のロ
ボット3を構成する。ロボット3を構成する単位モジュ
ール20i は、頭脳モジュールの制御回路200の制御
によりそれぞれ機能分化する。つまり、ロボット3は、
例えばロボット3がロボット1と同様な形態である場合
には、ロボット3の一端の単位モジュール201 が頭脳
モジュールとして動作し、単位モジュール201 以外の
単位モジュール20i のアーム1021 ,1022 を制
御して、あたかもムカデの脚のように動かすことにより
移動する。
【0041】このように、アーム1021 ,1022
用いてロボット3を移動させることにより、ロボット3
は、車輪を用いて移動するロボット1,2が移動不可能
な場所にも移動することができる。なお、単位モジュー
ル201 以外の単位モジュール20i のアーム10
1 ,1022 が本発明に係る移動手段であり、単位モ
ジュール201 のアーム102 1 ,1022 は本発明に
係る捕捉手段である。
【0042】また、ロボット3は、先頭の単位モジュー
ル20i のアーム1021 ,102 2 のみを腕として用
い、他の単位モジュール20j を捕捉する。ロボット3
も、ロボット1,2と同様に、生物の捕食、成長、増
殖、および、死を模倣する。特に、ロボット3が死ぬ場
合に、単位モジュール20i それぞれの機能分化をも消
失させ、他のロボット3に接続された場合に新たに機能
分化するように単位モジュール20i 構成することによ
り、ロボット1,2の単位モジュール10i と同様に他
のロボット3の構成要素として再利用され得ることにな
る。
【0043】以上説明した実施例1〜3に示した本発明
のロボット1〜3によれば、例えば分裂により生じた幼
虫ロボットが成長することを観者に示すことができ、あ
るいは、成虫ロボット2から生じた直後の、小さく、何
の機能もない幼虫ロボットが成長するにつれて大きくな
り、種々の機能を獲得することを観者に示すことができ
る。従って、最初から完成されており変化しないロボッ
トではなく、時間の経過につれて変化するロボットを構
成することができるので、観者に生物の成長を見守る場
合と同様な感動を与えることができる。
【0044】また、本発明のロボット1〜3によれば、
生物の捕食、成長、増殖および死を模倣することができ
るので、例えば観者にロボット1〜3の集団の任意の組
み合わせを一緒に、一定の範囲内に置くことにより、ロ
ボット1〜3それぞれの集団の変化を観者に示すことが
できる。具体的には、ロボット1〜3の集団を置いた範
囲を自然界の生態系に類似するものとして考えて、ロボ
ット1〜3それぞれの集団の盛衰、つまり、ある集団の
数が大きくなる一方、ある集団が他の集団に全て捕食さ
れて消滅する等の現象を観者に示し、自然界の生態系に
ついての深い洞察を与えることができる。
【0045】また、ロボット1〜3によれば、制御回路
200のプログラミングあるいはアーム1021 ,10
2 の大きさ、強さ等をロボットの種類ごとに変更する
ことにより、強力な武器で獲物を狩るロボット、あるい
は、物陰に隠れて獲物を待つロボット等を実現すること
ができ、自然界のスペクタクルを再現することができ
る。
【0046】また、ロボット1〜3によれば、コンピュ
ータ上で生物集団の生態をシュミレートするプログラム
を実行するのと異なり、実体あるロボットの集団が、大
きな音をたてたり、食いついたりする光景を観者に見せ
ることができるので、観者に大きなインパクトを与える
ことができる。また、ロボット集団の盛衰には、偶然の
要素が強く働くので、個々のロボットの運命や、一種類
のロボットの運命が全く予想できず、観者はその意外性
を楽しむことができる。
【0047】以上説明した第1〜第3の実施例に示した
ほか、本発明のロボット1〜3は、単位モジュール10
i ,20i の接続を容易にするために、例えば、接続装
置120の角度あるいは位置を変更可能に構成してもよ
い。また、ロボット1,2を構成する単位モジュール1
i も、ロボット3を構成する単位モジュール20i
同様に、ロボット1,2における位置によって機能が分
化するように構成してもよい。
【0048】また、単位モジュール10i ,20i の接
続が、外部の操作、例えば単位モジュール10i ,20
i の表面の所定のスイッチが押された場合に解けるよう
に構成し、他のロボット1〜3を構成する単位モジュー
ル10i ,20を捕食しやすいようにしてもよい。ま
た、ロボット1〜3の形状を、直線状あるいは十字形の
ほか、例えばT字形等としてもよい。
【0049】また、センサ104には、テレビカメラ1
06の他に、例えば磁気センサ、熱センサおよびマイク
等をさらに付加することができ、これらのセンサ類から
のデータに基づいて他の単位モジュール10i ,20i
を検出するように制御回路200を構成してもよい。ま
た、例えば接続装置120を介して単位モジュール10
i ,20i 間で、制御信号の他に、電力を供給するよう
に構成してもよい。また、単位モジュール10i ,20
i の形状は、箱型に限らず、例えば円柱形であってもよ
い。
【0050】また、単位モジュール10i ,20i の形
状を2種類とし、ロボット2のような形状をとる場合に
は、4方向に単位モジュール10i ,20i が接続され
る単位モジュールのみに上面および底面が正方形の箱型
の単位モジュールを用い、他の単位モジュールには、幅
が狭く、接続装置を2つしか有さない単位モジュールを
用いられるようにロボット1〜3を構成してもよい。ま
た、単位モジュール10i には、車輪の他、例えばキャ
タピラあるいは昆虫の節足状の脚を移動手段として用い
てもよい。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように本発明のロボットによ
れば、ロボットの形状の複雑な変化、あるいは、複雑な
動作および反応等を実現することができる。また、本発
明のロボットによれば、成長、増殖あるいは死といっ
た、生物に特有な現象をもロボットに模倣させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロボットの構成を例示する図であっ
て、(A)は最小数(3個)の単位モジュールから構成
されるロボットを示し、(B)は(A)に示したロボッ
トに2個の単位モジュールが接続されたロボットを示
す。
【図2】図1に示した単位モジュールの構成を例示する
斜視図である。
【図3】図2に示した単位モジュールを第1の接続装置
の方向から見た側面図である。
【図4】図2に示した単位モジュールの底面図である。
【図5】図2に示した単位モジュールの内部構成を示す
図である。
【図6】図1に示したロボットの捕食行動および成長を
示す図であって、(A)はロボットと単位モジュールの
最初の状態を示し、(B)はロボットが単位モジュール
を捕食する動作を示し、(C)は単位モジュールに単位
モジュールが接続されて成長したロボットを示す。
【図7】図1に示したロボットが増殖する動作を説明す
る図である。
【図8】図7に示したロボットの増殖動作における制御
回路の処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明のロボットの構成を例示する図であっ
て、(A)は最小数(5個)の単位モジュールから構成
されるロボットを示し、(B)は(A)に示したロボッ
トに4個の単位モジュールが接続されたロボットを示
す。
【図10】図9に示したロボットが他のロボットロボッ
トを捕食する動作を示す図であって、(A)は捕食前の
ロボットとロボットを示し、(B)はロボットがロボッ
トを分離、捕食する動作を示す。
【図11】図10に示した捕食動作の結果成長したロボ
ットの構成を示す図である。
【図12】11個の単位モジュールから構成されるロボ
ットが分裂して増殖する様子を示す図であって、(A)
は分裂前のロボットを示し、(B)は分裂して生じた2
つのロボットを示し、(C)はロボットがそれぞれ再配
列されて生じたロボットを示す。
【図13】図9に示したロボットが死ぬ場合を説明する
図であって、(A)は最小数(5個)の単位モジュール
から構成されたロボットの構成を示し、(B)は他のロ
ボットにより、ロボットの単位モジュールが捕食された
後に残ったロボットを示し、(C)はロボットが分解し
た後を示す図である。
【図14】図9に示したロボットが死ぬ場合の制御回路
の処理を示す図である。
【図15】第3の実施例における単位モジュールの構成
を示す図である。
【符号の説明】
1,2,3…ロボット、10,20…単位モジュール、
100…筐体、102…アーム、104…センサ、10
6…テレビカメラ、120…接続装置、122,124
…接続部材、126…接続コネクタ、130…キャス
タ、140…移動装置、142,144…車輪

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の単位モジュールが一体に接続され、
    該複数の単位モジュールの1つが頭脳モジュールとして
    機能するロボットであって、 前記単位モジュールそれぞれは、 該単位モジュールそれぞれを、前記頭脳モジュールが指
    示する方向に移動させる移動手段と、 近傍の他の単位モジュール、または、近傍の複数の単位
    モジュールが一体に接続された他のロボットを検出する
    検出手段と、 前記頭脳モジュールの指示に基づいて、前記他の単位モ
    ジュール、または、前記他のロボットを検出した場合
    に、これらを捕捉する捕捉手段と、 前記頭脳モジュールの指示に従って、捕捉または他のロ
    ボットから分離した単位モジュールと当該単位モジュー
    ルとを該頭脳モジュールの指示が伝達されるように接続
    し、または、当該単位モジュールに接続されている他の
    単位モジュールを分離する接続・分離手段とを有するロ
    ボット。
  2. 【請求項2】前記ロボットを構成する単位モジュールの
    いずれかの接続・分離手段は、前記頭脳モジュールの指
    示に従って、該ロボットを構成する単位モジュールの数
    が所定の数を超えた場合に、該ロボットを構成する単位
    モジュールの一部を分離する請求項1に記載のロボッ
    ト。
  3. 【請求項3】前記ロボットを構成する単位モジュールの
    いずれかの接続・分離手段は、前記頭脳モジュールの指
    示に従って、該単位モジュールの接続・分離手段それぞ
    れに、該ロボットが所定の形状になるように他の単位モ
    ジュールを接続させ、あるいは、分離させる請求項1ま
    たは2に記載のロボット。
  4. 【請求項4】前記ロボットを構成する単位モジュールそ
    れぞれの接続・分離手段は、前記ロボットを構成する単
    位モジュールの数が基準値以下になった場合に、前記頭
    脳モジュールの指示に従って、他の単位モジュールをそ
    れぞれ分離する請求項1〜3いずれかに記載のロボッ
    ト。
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