JPH0856478A - 園芸用培土 - Google Patents

園芸用培土

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JPH0856478A
JPH0856478A JP6195258A JP19525894A JPH0856478A JP H0856478 A JPH0856478 A JP H0856478A JP 6195258 A JP6195258 A JP 6195258A JP 19525894 A JP19525894 A JP 19525894A JP H0856478 A JPH0856478 A JP H0856478A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】塩基交換容量が50meq/100gから20
0meq/100gの範囲である無機素材、非木質系繊
維有機素材、肥料成分及び硝化抑制剤から実質的になる
ことを特徴とする園芸用培土および該園芸用培土を用い
て植物を生育させることを特徴とする植物の育苗方法 【効果】本発明により、長期間に渡る肥効を備える園芸
用培土が製造できるようになった。特に育苗用連結型容
器のための培土として利用価値が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は園芸用培土およびその利
用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、農園芸作業の合理化や農作物の増
収の目的で、苗の集中生育に適した、例えば、成型苗用
連結型プラスチックトレー、紙筒製連結型ポット等の育
苗用連結型容器による生育が盛んに行われるようになっ
てきた。こうした手法には、比較的均一で強健な苗が得
やすく、かつ根を傷めずに容易に土付き苗を移植するこ
とができるというすぐれた特徴がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような育苗用連結型容器は一穴の容量が小さいために、
詰められる培土の量が限られてしまい、このため培土か
らの長期間に渡る肥料効果(以下、肥効と記す。)を得
にくいという問題があった。一方で、この問題を解決す
るために肥料成分の添加量を増加させる試みがなされた
が、あまり多くの肥料成分を添加すると、培土のEC値
が高くなりすぎ、このため種子の発芽を阻害するという
新たな問題が生じるようになった。従って、できるだけ
長期間に渡る肥効を備える園芸用培土が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下で、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、ある種の無機素材と
非木質系繊維有機素材の混合物に肥料成分及び硝化抑制
剤を混合することによって、長期間に渡る肥効を備える
園芸用培土が製造できることを見い出し本発明を完成さ
せた。すなわち、本発明は、塩基交換容量が50meq
/100gから200meq/100gの範囲である無
機素材、非木質系繊維有機素材、肥料成分及び硝化抑制
剤から実質的になることを特徴とする園芸用培土(以
下、本発明培土と記す。)および該園芸用培土を用いて
植物を生育させることを特徴とする植物の育苗方法を提
供するものである。
【0005】以下、さらに詳細に本発明を説明する。本
発明において用いられる無機素材とは、塩基交換容量
〔塩基交換吸収の最大量を意味し、100gに対するミ
リグラム当量(meq)で示す。〕が50meq/10
0gから200meq/100gの範囲である必要があ
る。上記のような高い塩基交換容量を有する無機素材
は、例えば、ベントナイト、ゼオライド等の鉱物の中か
ら適するものを選択すればよい。もちろん、これらを組
み合わせることも可能である。仮にベントナイト、ゼオ
ライド等の鉱物であっても、塩基交換容量が50meq
/100g未満の無機素材の場合には、塩基交換能が低
くなりすぎ、本発明が解決するような長期間に渡る肥効
性が得られない。一方、200meq/100gを超え
るような超塩基交換能を有する無機素材の場合には、塩
基交換能が高くなりすぎ、他の成分との関係が複雑にな
るために調製が難しくなる恐れがある。なお、上記に具
体的に例示されたような無機素材が有する無数の微細孔
は肥料成分を吸着するのに適しており、すぐれた肥効性
に寄与する。
【0006】本発明において用いられる非木質系繊維有
機素材としては、例えば、藁、籾殻、ピートモス、バガ
ス等の植物性の非木質系繊維有機素材をあげることがで
きる。特に高い塩基交換容量を有する前記の無機素材を
用いる場合には、ピートモスがよく適する。また、非木
質系繊維有機素材は、ある程度疎水性であることが好ま
しい。例えば、上記のような植物性の非木質系繊維有機
素材は、リグニン、樹脂、ロウ等の疎水性の物質を比較
的に多く含有しているために比較的疎水性が高い。
【0007】なお、本発明培土において、塩基交換容量
が50meq/100gから200meq/100gの
範囲である無機素材と非木質系繊維有機素材との混合割
合は、1:3から3:1程度の範囲であることがよい。
【0008】本発明において用いられる肥料成分として
は、前記の無機素材に吸着されやすいものが適してお
り、主として、アンモニア態窒素が用いられる。この
他、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、チタン、コバ
ルト、ニッケル、マンガン、銅、モリブデン等が補助的
に用いられる。また必要に応じて、硝酸態窒素、尿素態
窒素、または過燐酸石灰、熔燐タブリン、重焼リン、苦
土過燐酸等の燐酸肥料等を添加してもよい。もちろん、
これらを組み合わせて用いることも可能である。アンモ
ニア態窒素としては、例えば、硫安(アンモニア態窒素
約21%含有)、塩安(アンモニア態窒素約25%含
有)、硝安(アンモニア態窒素約16%含有)等があげ
られる。
【0009】本発明において用いられる硝化抑制剤と
は、アンモニア態窒素が硝酸態窒素に変化する反応を抑
制する能力を有する化合物を意味し、例えば、チオ尿
素、2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、
2−メルカプトベンゾチアゾール、ジシアンジアミド、
サルファーチアゾール、N−2,5−ジクロロフェニル
サクシナミド酸、1−アミジノ−2−チオウレア、また
は4−アミノ−1、2、4−トリアゾール塩酸塩等をあ
げることができる。もちろん、これら化合物を一種以上
組み合わせて用いることも可能である。本発明培土にお
ける硝化抑制剤の混合割合は、上記の肥料成分及び非木
質系繊維有機素材中に含まれるアンモニア態窒素の量や
肥効期間の長さにより異なるが、例えば、肥料成分及び
非木質系繊維有機素材中に含まれるアンモニア態窒素に
対して約0.1重量%から約30重量%程度の範囲、好
ましくは約1重量%から約10重量%程度の範囲がよ
い。
【0010】また本発明培土は、塩基交換容量が50m
eq/100gから200meq/100gの範囲であ
る無機素材、非木質系繊維有機素材、肥料成分及び硝化
抑制剤から実質的になることを特徴とする園芸用培土で
あるが、他の成分として界面活性剤や殺菌剤、殺虫剤等
の農薬、発芽促進剤等の植物成長調節剤等を本発明培土
が有する効果を阻害しない範囲において適当量含有させ
ることもできる。界面活性剤は、本発明培土において強
い疎水性である非木質系繊維有機素材を用いる場合に、
使用するとよい。このような場合、界面活性剤を本発明
培土が有する効果を阻害しない範囲において適当量含有
させることによって底面吸水、上面灌水等のいかなる灌
水方法、灌水条件でも容易に灌水可能な状態に本発明培
土を調製することができる。使用される界面活性剤とし
ては、H.L.B.価が約8から約18である非イオン
性の界面活性剤が適するものとしてあげられ、例えば、
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル型のもの、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンブロックコポリマー等のエーテル型のも
の、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のエステ
ルエーテル型のものをあげることができる。界面活性剤
の添加量としては、例えば、本発明コート材料に対して
約0.01容量%から約5容量%、より好ましくは約
0.05容量%から約0.5容量%程度をあげることが
できる。
【0011】以下、本発明を実施例によってさらに詳し
く説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定される
ものではない。
【0012】
【実施例】
実施例1 無機素材として塩基交換容量が120meq/100g
であるゼオライトと非木質系繊維有機素材としてピート
モスの混合物(混合割合 1:1)に、肥料成分として
硫安(N成分量で本発明培土1リットルあたり800m
g)及び過リン酸石灰(P2 O5 成分量で本発明培土1
リットルあたり1600mg)と硝化抑制剤としてN−
2,5−ジクロロフェニルサクシナミド酸(本発明培土
が含有するアンモニア態窒素に対して5重量%)を混合
することによって、本発明培土を得た。さらに得られた
本発明培土に、あらかじめ非イオン性界面活性剤(ソル
ポール8043:東邦化学社製)を所定量(本発明培土
1リットルあたり界面活性剤5mlの割合)添加した水
溶液(本発明培土の約1/10倍量)を加え、均一にな
るまで充分に混合した。
【0013】試験例1 実施例1によって得られた本発明培土の肥効性を調査す
るために、該培土をつめた連結型プラスチックトレー
(ランドマーク社製、30x55cm、200穴)にネ
ギ種子を4粒/1穴の割合で播種し、上面から灌水して
60日間栽培した。生育した植物の葉色を葉緑素計(S
PAD−501:ミノルタカメラ製)を用いて測定し、
さらに葉重を新鮮重として測定した。その結果を表1に
示す。本発明培土の場合、生育した植物は高い葉緑素含
量を示し、また葉重も大きかった。これは本発明培土が
長期間に渡る肥効を備えることを示すものである。
【0014】
【表1】
【0015】実施例2 無機素材として塩基交換容量が50meq/100gで
あるベントナイトと非木質系繊維有機素材としてピート
モスの混合物(混合割合 1:1)に、肥料成分として
硫安(N成分量で本発明培土1リットルあたり800m
g)及び過リン酸石灰(P2 O5 成分量で本発明培土1
リットルあたり1600mg)と硝化抑制剤としてN−
2,5−ジクロロフェニルサクシナミド酸(本発明培土
が含有するアンモニア態窒素に対して1重量%または1
0重量%)を混合することによって、本発明培土a、b
を得た。さらに得られた本発明培土a、bに、あらかじ
め非イオン性界面活性剤(ソルポール8043:東邦化
学社製)を所定量(本発明培土1リットルあたり界面活
性剤5mlの割合)添加した水溶液(本発明培土の約1
/10倍量)を加え、均一になるまで充分に混合した。
【0016】比較例1 硝化抑制剤を全く加えないこと以外は実施例2と同様に
して比較培土を製造そた。
【0017】試験例2 実施例2によって得られた本発明培土a、b及び比較例
1によって得られた比較培土の肥効性を調査するため
に、該培土をつめた連結型プラスチックトレー(ランド
マーク社製、30x55cm、200穴)にネギ種子を
4粒/1穴の割合で播種し、上面から灌水して60日間
栽培した。生育した植物の葉色を葉緑素計(SPAD−
501:ミノルタカメラ製)を用いて測定し、さらに葉
重を新鮮重として測定した。その結果を表2に示す。本
発明培土a、bの場合、生育した植物は高い葉緑素含量
を示し、また葉重も大きかった。これは本発明培土が長
期間に渡る肥効を備えることを示すものである。これに
対して比較培土の場合、生育した植物の葉緑素含量は本
発明培土a、bの場合と比較して約半減し、また葉重も
約30%低下した。
【0018】
【表2】
【0019】実施例3 無機素材として塩基交換容量が200meq/100g
であるゼオライトと非木質系繊維有機素材としてピート
モスの混合物(混合割合 1:1)に、肥料成分として
硫安(N成分量で本発明培土1リットルあたり800m
g)及び過リン酸石灰(P2 O5 成分量で本発明培土1
リットルあたり1600mg)と硝化抑制剤としてN−
2,5−ジクロロフェニルサクシナミド酸(本発明培土
が含有するアンモニア態窒素に対して1重量%または1
0重量%)を混合することによって、本発明培土a、b
を得た。さらに得られた本発明培土a、bに、あらかじ
め非イオン性界面活性剤(ソルポール8043:東邦化
学社製)を所定量(本発明培土1リットルあたり界面活
性剤5mlの割合)添加した水溶液(本発明培土の約1
/10倍量)を加え、均一になるまで充分に混合した。
【0020】比較例2 硝化抑制剤を全く加えないこと以外は実施例3と同様に
して比較培土を製造そた。
【0021】試験例3 実施例3によって得られた本発明培土a、b及び比較例
2によって得られた比較培土の肥効性を調査するため
に、該培土をつめた連結型プラスチックトレー(ランド
マーク社製、30x55cm、200穴)にネギ種子を
4粒/1穴の割合で播種し、上面から灌水して60日間
栽培した。生育した植物の葉色を葉緑素計(SPAD−
501:ミノルタカメラ製)を用いて測定し、さらに葉
重を新鮮重として測定した。その結果を表3に示す。本
発明培土a、bの場合、生育した植物は高い葉緑素含量
を示し、また葉重も大きかった。これは本発明培土が長
期間に渡る肥効を備えることを示すものである。これに
対して比較培土の場合、生育した植物の葉緑素含量は本
発明培土a、bの場合と比較して約半減し、また葉重も
約30%低下した。
【0022】
【表3】
【0023】比較例3 無機素材として塩基交換容量がほぼゼロであるパーライ
トと非木質系繊維有機素材としてピートモスの混合物
(混合割合 1:1)に、肥料成分として硫安(N成分
量で比較培土1リットルあたり800mg)及び過リン
酸石灰(P2 O5成分量で比較培土1リットルあたり1
600mg)と硝化抑制剤としてN−2,5−ジクロロ
フェニルサクシナミド酸(比較培土が含有するアンモニ
ア態窒素に対して0重量%、1重量%または10重量
%)を混合することによって、比較培土a、b、cを得
た。さらに得られた比較培土a、b、cに、あらかじめ
非イオン性界面活性剤(ソルポール8043:東邦化学
社製)を所定量(比較培土1リットルあたり界面活性剤
5mlの割合)添加した水溶液(比較培土の約1/10
倍量)を加え、均一になるまで充分に混合した。
【0024】試験例4 比較例3によって得られた比較培土a、b、cの肥効性
を調査するために、該培土をつめた連結型プラスチック
トレー(ランドマーク社製、30x55cm、200
穴)にネギ種子を4粒/1穴の割合で播種し、上面から
灌水して60日間栽培した。生育した植物の葉色を葉緑
素計(SPAD−501:ミノルタカメラ製)を用いて
測定し、さらに葉重を新鮮重として測定した。その結果
を表4に示す。比較培土a、b、cのいずれの場合に
も、生育した植物の葉緑素含量は著しく減少し、また葉
重も相当量低下した。
【0025】
【表4】
【0026】比較例4 無機素材として塩基交換容量が15meq/100gで
あるバーミキュライトと非木質系繊維有機素材としてピ
ートモスの混合物(混合割合 1:1)に、肥料成分と
して硫安(N成分量で比較培土1リットルあたり800
mg)及び過リン酸石灰(P2 O5 成分量で比較培土1
リットルあたり1600mg)と硝化抑制剤としてN−
2,5−ジクロロフェニルサクシナミド酸(比較培土が
含有するアンモニア態窒素に対して0重量%、1重量%
または10重量%)を混合することによって、比較培土
a、b、cを得た。さらに得られた比較培土a、b、c
に、あらかじめ非イオン性界面活性剤(ソルポール80
43:東邦化学社製)を所定量(比較培土1リットルあ
たり界面活性剤5mlの割合)添加した水溶液(比較培
土の約1/10倍量)を加え、均一になるまで充分に混
合した。
【0027】試験例5 比較例4によって得られた比較培土a、b、cの肥効性
を調査するために、該培土をつめた連結型プラスチック
トレー(ランドマーク社製、30x55cm、200
穴)にネギ種子を4粒/1穴の割合で播種し、上面から
灌水して60日間栽培した。生育した植物の葉色を葉緑
素計(SPAD−501:ミノルタカメラ社製)を用い
て測定し、さらに葉重を新鮮重として測定した。その結
果を表5に示す。比較培土a、b、cのいずれの場合に
も、生育した植物の葉緑素含量は著しく減少し、また葉
重も相当量低下した。
【0028】
【表5】
【0029】
【発明の効果】本発明により、長期間に渡る肥効を備え
る園芸用培土が製造できるようになった。特に育苗用連
結型容器のための培土として利用価値が高い。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基交換容量が50meq/100gから
    200meq/100gの範囲である無機素材、非木質
    系繊維有機素材、肥料成分及び硝化抑制剤から実質的に
    なることを特徴とする園芸用培土
  2. 【請求項2】硝化抑制剤がN−2,5−ジクロロフェニ
    ルサクシナミド酸であることを特徴とする請求項1記載
    の園芸用培土
  3. 【請求項3】請求項1記載の園芸用培土を用いて植物を
    生育させることを特徴とする植物の育苗方法
  4. 【請求項4】請求項1記載の園芸用培土を用いて植物を
    育苗用連結型容器によって生育させることを特徴とする
    植物の育苗方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1680954A1 (en) 2005-01-14 2006-07-19 Chisso Corporation Nursery bed for transplantation

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1680954A1 (en) 2005-01-14 2006-07-19 Chisso Corporation Nursery bed for transplantation

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