JPH085497A - 添架ガス管漏洩検知装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】橋梁に添架したガス管に漏洩検知装置を容易に
設置し、ガス管の漏洩を確実に検知する。 【構成】橋梁に添架したガス管１の上部に沿わせて漏洩
検知管４を取付ける。添架ガス管１にガス漏れが生じた
場合、ガス管１の上方に流れる漏洩ガスを漏洩検知管４
の下部に設けた臭気孔６から漏洩検知管４に導入する。
漏洩検知管４に導入したガスを漏洩検知管４の両端部に
立設した立管５に送る。立管５の先端部を利用して定期
的に臭気調査等を行い、添架ガス管１の漏洩の有無を確
認する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は道路等の橋梁を利用し
て添架したガス管からのガス漏洩を検知する添架ガス管
漏洩検知装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば口径100Ａから750Ａ程度のガス管
を河川を経由して敷設する場合、敷設費用等の低減を図
るために、ガス管を河川下部の地中に埋設せずに道路等
の橋梁を利用して添架する方法が多く採用されている。
通常、道路等の橋梁を利用してガス管を添架する場合
は、橋台や橋脚にＨ鋼や型鋼からなる保持部を取付け、
この保持部にガス管を一定間隔毎にＵボルトで固定して
いる。通常、地中に埋設したガス管は一定期間毎にボ−
リング等により臭気調査などで漏洩の無いことを確認し
ているが、橋梁に添架したガス管は大気中に直接露出し
ているため臭気調査などが困難であり、添架ガス管単体
の漏洩検査は行われていなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、道路等
の橋梁に添架してあるガス管には道路を走行する自動車
によって生じる振動や衝撃が直接加えられる。この振動
や衝撃が長期間にわたり繰り返してガス管に加えられる
と、ガス管の接合部等に微小な亀裂が生じガスが漏洩す
る危険性がある。ガス管には例えば10kgf/cm²Ｇの高圧
のガスが流れているガス管もあり、このガス管に亀裂が
生じる大量のガスが漏洩し、道路交通が危険になる。こ
のな危険性を未然に防止するため橋梁に添架してあるガ
ス管の漏洩検知を行うことが要望されている。

【０００４】この発明はかかる要望を満たすためになさ
れたものであり、簡単な構造で容易に設置することがで
きるとともに橋梁に添架したガス管の漏洩を検知するこ
とができる添架ガス管漏洩検知装置を得ることを目的と
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明に係る添架ガス
管漏洩検知装置は、下部に一定間隔に設けた臭気孔を有
し、両端部を鉛直方向に立設した立管に接続し、橋梁に
添架したガス管の上部に沿わせて固定した１又は複数の
漏洩検知管を有することを特徴とする。

【０００６】上記臭気孔を有する部分の漏洩検知管とガ
ス管の外周に緩衝材を介して取付けた保護管を有するこ
とが好ましい。

【０００７】

【作用】この発明においては、橋梁に添架したガス管の
上部に沿わせて漏洩検知管を取付け、万一、添架ガス管
にガス漏れが生じた場合、添架ガス管の上方に流れる漏
洩ガスを漏洩検知管の下部に設けた臭気孔から漏洩検知
管に導入する。この漏洩検知管に導入したガスを漏洩検
知管の両端部に立設した立管に送る。この立管の先端部
を利用して定期的に臭気調査等を行い、添架ガス管の漏
洩の有無を確認する。

【０００８】漏洩検知管とガス管の臭気孔を有する部分
の外周を保護管で覆い、臭気孔に雨水等が入り込むこと
を防ぐ。

【０００９】

【実施例】図１はこの発明の一実施例を示す正面図であ
る。図に示すように、ガス管１の河川の部分は道路橋の
橋台２ａ，２ｂと橋脚３に添架されている。この添架さ
れたガス管１の上端部に沿って漏洩検知管４が取付けら
れ、漏洩検知管４の両端部は河川の両側に設けられた立
管５に接続されている。

【００１０】漏洩検知管４はガス管１が例えば口径300
Ａの場合、直径が10mm程度のステンレス管からなり、図
２の部分断面図に示すように、ガス吸入管４ａと取付管
４ｂとを有する。ガス吸入管４ａと取付管４ｂは例えば
耐水性，耐候性が良好なウレタンチュ−ブ等からなる連
結管４ｃで連結されている。この漏洩検知管４のガス吸
入管４ａには、図３の部分拡大図に示すように、下端部
に直径３mm程度の臭気孔６が一定間隔をおいて設けられ
ている。そして漏洩検知管４のガス吸入管４ａと連結管
４ｃの部分には一定間隔毎に耐熱性や耐水性が良い合成
樹脂テ−プ、例えば塩化ビニル樹脂テ−プを一定厚さで
巻回したスペ−サ７を有する。

【００１１】この漏洩検知管４を添架したガス管１に取
付けるときは、図３に示すように、漏洩検知管４をガス
管１の上端にスペ−サ７を介して沿わせてから、ガス吸
入管４ａとガス管１に塩化ビニル樹脂テ−プ等からなる
仮止めテ−プ８を巻回して固定する。次ぎに、図２，図
３に示すように、取付管４ｂの位置のガス管１の下部に
緩衝材９を配置して、取付管４ｂをガス管１にＵボルト
１０と押え板１１で固定する。このように漏洩検知管４
をガス管１に取り付けるときに、スペ−サ７を介してガ
ス吸入管４ａをガス管１に取付けるから、ガス吸入管４
ａの臭気孔６をガス管１の上端部から一定距離例えば２
mm離れた位置に連続的に配置することができる。また、
取付管４ｂとガス管１の固定部に緩衝材９を配置してあ
るから、取付管４ｂをつぶさずにガス管１に固定でき
る。

【００１２】ガス管１と漏洩検知管４の固定部を除いた
ガス管１と漏洩検知管４の外周には例えばクロロプレン
ゴムからなり、図５の斜視図に示すように、上端部の漏
洩検知管４の位置に漏洩検知管４の管径に応じた一定幅
の溝を有する緩衝材１２が一定間隔で取付られ、ガス管
１と漏洩検知管４の固定部を除いた部分の外周に緩衝材
１２を介してステンレス板からなる防護板１３が巻回さ
れバンド等により固定してある。このように漏洩検知管
４の臭気孔６を有するガス吸入管４ａを完全に覆って、
臭気孔６から雨水等が入り込んで漏洩検知管４内に水溜
りができることを防ぐ。

【００１３】ガス管１に取付た漏洩検知管４の両端部は
河川の両側に設けられた立管５に接続する。立管５は図
６の断面図に示すように、道路橋の端部に設けられガス
管１を覆う鞘管１４に対して垂直方向に固定された保護
管１５内に取付られ、先端部にウレタンチュ−ブ１６が
取付られている。保護管１５には先端にウレタンチュ−
ブ１６を貫通したキャップ１７が取付られ、この保護管
１５の先端部は開閉自在な蓋を有するレジンボックス１
８内に収納され、立管５の先端のウレタンチュ−ブ１６
はレジンボックス１８内に丸め込まれている。

【００１４】上記のように道路橋の橋梁に添架され、上
端部に沿って漏洩検知管４を配置したガス管１に道路橋
を走行する車両の振動等により万一亀裂等が生じガス漏
れが生じると、漏洩したガスはガス管１の上方に流れ、
漏洩検知管４の下部に設けた臭気孔５から漏洩検知管４
内に入る。この漏洩検知管４内に入った漏洩ガスは漏洩
検知管４内を通り両端部に立設した立管５に流れ込む。
そこで立管５を収納したレジンボックス１８の蓋を開い
て立管５の先端のウレタンチュ−ブ１６を引き出し、定
期的に臭気調査等を行うことにより、ガス管１の漏洩の
有無を確認することができる。このようにして橋梁の両
端部で橋梁に添架したガス管１からのガス漏れの有無を
簡単に検知することができる。

【００１５】なお、上記実施例はガス管１の上部に１本
の漏洩検知管４を沿わせて配置した場合について説明し
たが、ガス管１の口径が大きい場合には外径が小さい複
数本の漏洩検知管４をガス管１の上部に配置すると良
い。このように外径が小さい複数本の漏洩検知管４を配
置することにより、漏洩検知管４の取付を容易にすると
ともに占有面積を小さくすることができる。

【００１６】

【発明の効果】この発明は以上説明したように、橋梁に
添架したガス管の上部に沿わせて漏洩検知管を取付け、
万一、添架ガス管にガス漏れが生じた場合、添架ガス管
の上方に流れる漏洩ガスを漏洩検知管の下部に設けた臭
気孔から漏洩検知管に導入し、導入したガスを漏洩検知
管の両端部に立設した立管に送ようにしたから、橋梁の
両端部で添架ガス管のガス漏れの有無を簡単に検知する
ことができる。

【００１７】また、橋梁の両端部で添架ガス管のガス漏
れの有無を検知するから、定期点検を簡単に行うことが
でき、道路交通の安全性を確保することもできる。

【００１８】さらに、漏洩検知管とガス管の臭気孔を有
する部分の外周を保護管で覆い、臭気孔に雨水等が入り
込むことを防ぐから、漏洩検知管内に水溜りができて漏
洩ガスが流れなくなることを防ぐことができ、ガス漏れ
を安定して検知することができる。

【００１９】また、添架ガス管の上部に漏洩検知管を設
置すれば良いから、施工を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示す正面図である。

【図２】ガス管と漏洩検知管の部分断面図である。

【図３】ガス管と漏洩検知管の部分拡大図である。

【図４】漏洩検知管の取付状態を示す側面図である。

【図５】ガス管と漏洩検知管を示す斜視図である。

【図６】立管を示す断面図である。

【符号の説明】

１ ガス管 ４ 漏洩検知管 ５ 立管 ６ 臭気孔 ７ スペ−サ １０ Ｕボルト １２ 緩衝材 １３ 防護板 １４ 鞘管 １５ 保護管 １８ レジンボックス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関本 好三 東京都三鷹市井の頭５−４−32 (72)発明者 佐藤 成一 東京都調布市菊野台３−11−48 (72)発明者 中野 敏雄 神奈川県相模原市緑が丘２−39−15 (72)発明者 堀内 一夫 神奈川県横須賀市長沢580グリ−ンハイツ 12−４−202

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部に一定間隔に設けた臭気孔を有し、
   両端部を鉛直方向に立設した立管に接続し、橋梁に添架
   したガス管の上部に沿わせて固定した１又は複数の漏洩
   検知管を有することを特徴とする添架ガス管漏洩検知装
   置。
2. 【請求項２】 上記臭気孔を有する部分の漏洩検知管と
   ガス管の外周に緩衝材を介して巻回した保護管を有する
   請求項１記載の添架ガス管漏洩検知装置。