JPH0854365A - アルミニウム缶検査装置およびその方法 - Google Patents
アルミニウム缶検査装置およびその方法Info
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- JPH0854365A JPH0854365A JP19251794A JP19251794A JPH0854365A JP H0854365 A JPH0854365 A JP H0854365A JP 19251794 A JP19251794 A JP 19251794A JP 19251794 A JP19251794 A JP 19251794A JP H0854365 A JPH0854365 A JP H0854365A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】同一アルミ缶に充填された飲料中のアルミニウ
ム濃度の経時的変化を測定してアルミ缶の保護膜のピン
ホール量を評価する。 【構成】 気体導入管42から所定の温度、圧力の二酸
化炭素を連続的に導入し、缶容器本体10を気体48の
雰囲気中に置く。この状態で一定期間、缶容器本体10
および気体48を保管し、缶容器本体10からアルミニ
ウムを溶出させ、一定周期でポテンショスタット44に
より標準電極38と測定電極322(缶胴10)との間
の電流を測定し、気体48の抵抗値を算出する。算出さ
れた各時点における抵抗値に基づいて水溶液46中のア
ルミニウム濃度を求めることができ、このアルミニウム
濃度に基づいて缶胴10の保護膜の品質を評価、およ
び、検査することができる。
ム濃度の経時的変化を測定してアルミ缶の保護膜のピン
ホール量を評価する。 【構成】 気体導入管42から所定の温度、圧力の二酸
化炭素を連続的に導入し、缶容器本体10を気体48の
雰囲気中に置く。この状態で一定期間、缶容器本体10
および気体48を保管し、缶容器本体10からアルミニ
ウムを溶出させ、一定周期でポテンショスタット44に
より標準電極38と測定電極322(缶胴10)との間
の電流を測定し、気体48の抵抗値を算出する。算出さ
れた各時点における抵抗値に基づいて水溶液46中のア
ルミニウム濃度を求めることができ、このアルミニウム
濃度に基づいて缶胴10の保護膜の品質を評価、およ
び、検査することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内側にアルミニウム溶出
防止用の塗料が塗付されており、ジュース、および、炭
酸飲料等の保存に用いられるアルミニウム缶において、
塗付された塗膜に生じた欠陥(ピンホール)の量を評価
するアルミニウム缶検査装置およびその方法に関する。
防止用の塗料が塗付されており、ジュース、および、炭
酸飲料等の保存に用いられるアルミニウム缶において、
塗付された塗膜に生じた欠陥(ピンホール)の量を評価
するアルミニウム缶検査装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ジュース、および、炭酸飲料等の
保存のためにアルミニウム缶(アルミ缶)がよく用いら
れている。飲料の保存に用いられるアルミニウム缶の内
壁には化学的処理により化成皮膜が形成され、さらに化
成皮膜上にエポキシ系等の塗料が塗付されており、アル
ミニウムと飲料とが直接に触れ合わないように手当てさ
れている。しかしながら、化成皮膜、および、塗膜には
ピンホールが存在することがある。ピンホールにより飲
料とアルミニウム缶のアルミニウムとが触れ、アルミニ
ウムが腐食するとアルミニウム缶に穴が開いてしまうこ
とがある。アルミニウムの腐食は、酸性度の強い飲料、
例えばコーラといった炭酸飲料をアルミニウム缶に保存
した場合、缶内部の溶存酸素の脱気が不十分な場合にも
特に顕著である。従って、アルミニウム缶を出荷する前
に厳重な抜き取り検査を行い、内壁の化成皮膜、およ
び、塗膜(以下、アルミニウム缶の内壁の化成皮膜、お
よび、塗膜を単に保護膜と記す)の品質に不良を生じて
いる可能性が大きいアルミニウム缶を取り除く必要があ
る。
保存のためにアルミニウム缶(アルミ缶)がよく用いら
れている。飲料の保存に用いられるアルミニウム缶の内
壁には化学的処理により化成皮膜が形成され、さらに化
成皮膜上にエポキシ系等の塗料が塗付されており、アル
ミニウムと飲料とが直接に触れ合わないように手当てさ
れている。しかしながら、化成皮膜、および、塗膜には
ピンホールが存在することがある。ピンホールにより飲
料とアルミニウム缶のアルミニウムとが触れ、アルミニ
ウムが腐食するとアルミニウム缶に穴が開いてしまうこ
とがある。アルミニウムの腐食は、酸性度の強い飲料、
例えばコーラといった炭酸飲料をアルミニウム缶に保存
した場合、缶内部の溶存酸素の脱気が不十分な場合にも
特に顕著である。従って、アルミニウム缶を出荷する前
に厳重な抜き取り検査を行い、内壁の化成皮膜、およ
び、塗膜(以下、アルミニウム缶の内壁の化成皮膜、お
よび、塗膜を単に保護膜と記す)の品質に不良を生じて
いる可能性が大きいアルミニウム缶を取り除く必要があ
る。
【0003】従来からアルミニウム缶の保護膜の品質
は、実際にアルミニウム缶に所定の水溶液を入れ(充填
し)て一定条件の下に保管した後、水溶液に溶出したア
ルミニウムの濃度を測定することにより検査することが
多い。水溶液を保存する時間が同じであれば、保護膜の
ピンホールが多いほど腐食して水溶液に溶け出すアルミ
ニウムの量も多くなるからである。以下、従来から用い
られているアルミニウム缶に充填された水溶液中のアル
ミニウム濃度を測定し、アルミニウムの腐食を評価する
パックテストと呼ばれる評価方法(アルミニウム缶検査
方法)を説明する。このパックテストは、アルミニウム
缶に水溶液を充填し、密封して長期間保管した後に、ア
ルミニウム缶を開封して充填されていた水溶液を取り出
し、この水溶液中のアルミニウム濃度を測定してアルミ
ニウムの腐食を評価する方法である。アルミニウム缶か
ら取り出された水溶液中のアルミニウムの濃度の定量測
定は、例えばICP(イオン結合高周波プラズマ)法、
あるいは、滴定により行われる。
は、実際にアルミニウム缶に所定の水溶液を入れ(充填
し)て一定条件の下に保管した後、水溶液に溶出したア
ルミニウムの濃度を測定することにより検査することが
多い。水溶液を保存する時間が同じであれば、保護膜の
ピンホールが多いほど腐食して水溶液に溶け出すアルミ
ニウムの量も多くなるからである。以下、従来から用い
られているアルミニウム缶に充填された水溶液中のアル
ミニウム濃度を測定し、アルミニウムの腐食を評価する
パックテストと呼ばれる評価方法(アルミニウム缶検査
方法)を説明する。このパックテストは、アルミニウム
缶に水溶液を充填し、密封して長期間保管した後に、ア
ルミニウム缶を開封して充填されていた水溶液を取り出
し、この水溶液中のアルミニウム濃度を測定してアルミ
ニウムの腐食を評価する方法である。アルミニウム缶か
ら取り出された水溶液中のアルミニウムの濃度の定量測
定は、例えばICP(イオン結合高周波プラズマ)法、
あるいは、滴定により行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにパック
テストを用いてアルミニウム缶(試料)から充填された
水溶液へ溶出するアルミニウムの量を評価することがで
きる。しかしながら、パックテストによる水溶液中のア
ルミニウム濃度(溶出量)の測定においては、測定のた
びにアルミニウム缶を開封する必要があるので、アルミ
ニウム濃度の経時的変化を測定するためには、アルミニ
ウム缶が多数必要になるという問題がある。また、同一
アルミニウム缶について経時的にアルミニウム濃度を測
定することができないという問題がある。
テストを用いてアルミニウム缶(試料)から充填された
水溶液へ溶出するアルミニウムの量を評価することがで
きる。しかしながら、パックテストによる水溶液中のア
ルミニウム濃度(溶出量)の測定においては、測定のた
びにアルミニウム缶を開封する必要があるので、アルミ
ニウム濃度の経時的変化を測定するためには、アルミニ
ウム缶が多数必要になるという問題がある。また、同一
アルミニウム缶について経時的にアルミニウム濃度を測
定することができないという問題がある。
【0005】また、アルミニウム缶から水溶液へアルミ
ニウムが自然に溶出するまでアルミニウム缶に水溶液を
充填して保管しておく必要があるので、アルミニウム濃
度の測定に時間がかかるという問題がある。また、水溶
液中のアルミニウム濃度の測定をICP法、あるいは、
滴定法により測定した場合、これらの方法は電気化学的
評価でないために、水溶液中のアルミニウム濃度の測定
結果の精度が低いという問題がある。特に、試験液とし
てアルミニウムを含む水溶液を用いる場合に問題があ
る。
ニウムが自然に溶出するまでアルミニウム缶に水溶液を
充填して保管しておく必要があるので、アルミニウム濃
度の測定に時間がかかるという問題がある。また、水溶
液中のアルミニウム濃度の測定をICP法、あるいは、
滴定法により測定した場合、これらの方法は電気化学的
評価でないために、水溶液中のアルミニウム濃度の測定
結果の精度が低いという問題がある。特に、試験液とし
てアルミニウムを含む水溶液を用いる場合に問題があ
る。
【0006】本発明のアルミニウム缶検査装置およびそ
の方法は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされた
ものであり、同一アルミニウム缶に充填された水溶液中
のアルミニウム濃度の経時的変化を測定してアルミニウ
ム缶の保護膜のピンホール量を評価することができるア
ルミニウム缶検査装置およびその方法を提供することを
第1の目的とする。また、アルミニウム缶から水溶液へ
のアルミニウムの溶出を促進することにより、短期間の
内に水溶液中のアルミニウム濃度の測定を行ってアルミ
ニウム缶の保護膜のピンホール量を評価することができ
るアルミニウム缶検査装置およびその方法を提供するこ
とを第2の目的とする。また、水溶液中のアルミニウム
濃度を電気化学的に測定することができ、従ってアルミ
ニウム缶の保護膜のピンホール量を評価することができ
る精度が高いアルミニウム缶検査装置およびその方法を
提供することを第3の目的とする。
の方法は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされた
ものであり、同一アルミニウム缶に充填された水溶液中
のアルミニウム濃度の経時的変化を測定してアルミニウ
ム缶の保護膜のピンホール量を評価することができるア
ルミニウム缶検査装置およびその方法を提供することを
第1の目的とする。また、アルミニウム缶から水溶液へ
のアルミニウムの溶出を促進することにより、短期間の
内に水溶液中のアルミニウム濃度の測定を行ってアルミ
ニウム缶の保護膜のピンホール量を評価することができ
るアルミニウム缶検査装置およびその方法を提供するこ
とを第2の目的とする。また、水溶液中のアルミニウム
濃度を電気化学的に測定することができ、従ってアルミ
ニウム缶の保護膜のピンホール量を評価することができ
る精度が高いアルミニウム缶検査装置およびその方法を
提供することを第3の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のアルミニウム缶検査装置は、所定の水溶液を
入れた缶蓋を付す部分に開口部を有するアルミニウム缶
を実質的に密閉した条件で該アルミニウム缶に所定の圧
力を加える加圧手段と、前記加圧手段を介して前記開口
部から前記アルミニウム缶の内壁に所定の距離を保って
前記水溶液に浸漬される標準電極と、前記加圧手段を介
して前記開口部から前記水溶液に浸漬される対電極と、
前記加圧手段を介して前記アルミニウム缶の底部と導電
する測定電極と、前記標準電極と前記測定電極との間に
生じる電位差の変化を打ち消す電流を前記対電極から流
し、動電位法により該標準電極と該測定電極の間に流れ
る電流を測定する電流測定手段とを有する。
に本発明のアルミニウム缶検査装置は、所定の水溶液を
入れた缶蓋を付す部分に開口部を有するアルミニウム缶
を実質的に密閉した条件で該アルミニウム缶に所定の圧
力を加える加圧手段と、前記加圧手段を介して前記開口
部から前記アルミニウム缶の内壁に所定の距離を保って
前記水溶液に浸漬される標準電極と、前記加圧手段を介
して前記開口部から前記水溶液に浸漬される対電極と、
前記加圧手段を介して前記アルミニウム缶の底部と導電
する測定電極と、前記標準電極と前記測定電極との間に
生じる電位差の変化を打ち消す電流を前記対電極から流
し、動電位法により該標準電極と該測定電極の間に流れ
る電流を測定する電流測定手段とを有する。
【0008】また本発明のアルミニウム缶検査方法は、
缶蓋を付す部分に開口部を有しており、少なくとも当該
アルミニウム缶の内壁に所定の保護膜を有するアルミニ
ウム缶に所定の水溶液を入れ、少なくとも該アルミニウ
ム缶の内部を所定の気体の雰囲気中にして実質的に密閉
し、前記アルミニウム缶を外側から加圧して前記所定の
気体の漏れを防止し、前記水溶液中に浸した電極と前記
アルミニウム缶との間に流れる電流の値を動電位法によ
り測定し、該電流の値に対応する該水溶液中のアルミニ
ウム濃度を求め、該アルミニウム濃度に基づいて前記所
定の保護膜の品質を評価する。
缶蓋を付す部分に開口部を有しており、少なくとも当該
アルミニウム缶の内壁に所定の保護膜を有するアルミニ
ウム缶に所定の水溶液を入れ、少なくとも該アルミニウ
ム缶の内部を所定の気体の雰囲気中にして実質的に密閉
し、前記アルミニウム缶を外側から加圧して前記所定の
気体の漏れを防止し、前記水溶液中に浸した電極と前記
アルミニウム缶との間に流れる電流の値を動電位法によ
り測定し、該電流の値に対応する該水溶液中のアルミニ
ウム濃度を求め、該アルミニウム濃度に基づいて前記所
定の保護膜の品質を評価する。
【0009】
【作用】本発明のアルミニウム缶検査装置において、加
圧手段は水溶液が入っている缶蓋が付される前のアルミ
ニウム缶のフランジ部分の開口部を密閉し、さらに所定
の温度および圧力の気体、例えば熱した空気を気体導入
手段を介して導入して加熱および加圧する。アルミニウ
ム缶を密閉することにより水溶液と水溶液に溶けている
気体成分の分離を防いで実環境の腐食条件を実現すると
ともに、加熱および加圧することにより溶液中へのアル
ミニウムの溶出を促進する。電極挿入手段は加圧手段に
設けられた電極挿入用開口部と実質的に同一形状を有し
ており、この電極挿入用開口部と電極挿入手段には対を
なすネジ溝が刻まれている。電極挿入手段は電極挿入用
開口部にねじ込まれて固定され、アルミニウム缶に入っ
ている水溶液にポテンショスタットを用いた動電位法に
よる電流の測定用の対電極、および、標準電極とを挿入
して固定する。
圧手段は水溶液が入っている缶蓋が付される前のアルミ
ニウム缶のフランジ部分の開口部を密閉し、さらに所定
の温度および圧力の気体、例えば熱した空気を気体導入
手段を介して導入して加熱および加圧する。アルミニウ
ム缶を密閉することにより水溶液と水溶液に溶けている
気体成分の分離を防いで実環境の腐食条件を実現すると
ともに、加熱および加圧することにより溶液中へのアル
ミニウムの溶出を促進する。電極挿入手段は加圧手段に
設けられた電極挿入用開口部と実質的に同一形状を有し
ており、この電極挿入用開口部と電極挿入手段には対を
なすネジ溝が刻まれている。電極挿入手段は電極挿入用
開口部にねじ込まれて固定され、アルミニウム缶に入っ
ている水溶液にポテンショスタットを用いた動電位法に
よる電流の測定用の対電極、および、標準電極とを挿入
して固定する。
【0010】電極当接手段は加圧手段に設けられた電極
当接用開口部と実質的に同一形状を有しており、この電
極当接用開口部と電極当接手段には対をなすネジ溝が刻
まれている。電極当接手段は電極挿入用開口部にねじ込
まれて固定され、アルミニウム缶の外壁、例えばアルミ
ニウム缶の底面(ボトム)にポテンショスタットを用い
た電流の測定用の測定電極を当接し、測定電極と挿入し
て固定する。
当接用開口部と実質的に同一形状を有しており、この電
極当接用開口部と電極当接手段には対をなすネジ溝が刻
まれている。電極当接手段は電極挿入用開口部にねじ込
まれて固定され、アルミニウム缶の外壁、例えばアルミ
ニウム缶の底面(ボトム)にポテンショスタットを用い
た電流の測定用の測定電極を当接し、測定電極と挿入し
て固定する。
【0011】また、測定電極の少なくともアルミニウム
缶と当接する部分は、アルミニウム缶と同一の材質で構
成されており、アルミニウム缶と測定電極との間の接触
電位差の発生によるアルミニウム缶の腐食を防止する。
また電極当接手段は多孔質の絶縁材料で構成されてお
り、加圧手段と測定電極との絶縁を保つとともに、電極
当接手段および測定電極とアルミニウム缶とが当接する
部分の通気を図っている。
缶と当接する部分は、アルミニウム缶と同一の材質で構
成されており、アルミニウム缶と測定電極との間の接触
電位差の発生によるアルミニウム缶の腐食を防止する。
また電極当接手段は多孔質の絶縁材料で構成されてお
り、加圧手段と測定電極との絶縁を保つとともに、電極
当接手段および測定電極とアルミニウム缶とが当接する
部分の通気を図っている。
【0012】また、電極当接手段および測定電極のアル
ミニウム缶に当接する部分は、アルミニウム缶の当該部
分に沿った形状に形成されており、アルミニウム缶を安
定に固定する。加圧手段に電極挿入用開口部、および、
電極当接用開口部を設けて電極当接手段と電極挿入手段
とを固定することにより、電極当接手段と電極挿入手
段、および、測定に用いられる各電極の固定を容易にし
ている。
ミニウム缶に当接する部分は、アルミニウム缶の当該部
分に沿った形状に形成されており、アルミニウム缶を安
定に固定する。加圧手段に電極挿入用開口部、および、
電極当接用開口部を設けて電極当接手段と電極挿入手段
とを固定することにより、電極当接手段と電極挿入手
段、および、測定に用いられる各電極の固定を容易にし
ている。
【0013】本発明のアルミニウム缶検査方法において
は、アルミニウム缶に水溶液、例えば炭酸飲料を入れ、
少なくとも該アルミニウム缶の内側を所定の気体の雰囲
気にして密閉して収容し、アルミ缶の外部の気体を加圧
し加熱することにより、缶外面特に缶体ボトム部への結
露を防ぎつつ水溶液から気体、例えば炭酸飲料中の二酸
化炭素が分離すること、および、水が蒸発することを防
止しつつアルミニウム缶内面から水溶液へのアルミニウ
ムの溶出を促進する。また、水溶液に流れる電流の値を
ポテンショスタットを用いた電流測定手段により測定
し、電流の値に対応する水溶液中のアルミニウム濃度を
電気化学的に測定することにより、このアルミニウム濃
度からアルミニウム缶の保護膜の品質を評価する。
は、アルミニウム缶に水溶液、例えば炭酸飲料を入れ、
少なくとも該アルミニウム缶の内側を所定の気体の雰囲
気にして密閉して収容し、アルミ缶の外部の気体を加圧
し加熱することにより、缶外面特に缶体ボトム部への結
露を防ぎつつ水溶液から気体、例えば炭酸飲料中の二酸
化炭素が分離すること、および、水が蒸発することを防
止しつつアルミニウム缶内面から水溶液へのアルミニウ
ムの溶出を促進する。また、水溶液に流れる電流の値を
ポテンショスタットを用いた電流測定手段により測定
し、電流の値に対応する水溶液中のアルミニウム濃度を
電気化学的に測定することにより、このアルミニウム濃
度からアルミニウム缶の保護膜の品質を評価する。
【0014】
【実施例】以下、図1〜図5を参照して本発明のアルミ
ニウム缶検査装置およびその方法の実施例を説明する。
図1は、本発明のアルミニウム缶検査装置3の構成を示
す断面図である。図1に示すように、アルミニウム缶検
査装置3は、加圧容器30にアルミニウム缶1の缶胴1
0を収容し、缶胴10に水溶液46、例えば一般的な飲
料の内で最もアルミニウムを腐食させやすいコーラ等の
炭酸飲料を入れ、少なくとも缶胴10内部を炭酸ガスの
雰囲気として缶胴10を密閉し、圧力を加えて炭酸が水
溶液46から分離すること、および、加熱した場合に水
溶液46から水が蒸発することを防止する。さらに、ア
ルミニウム缶検査装置3は、加圧容器30の内部の温度
を上げて缶胴10から水溶液46へのアルミニウムの溶
出を促進する。
ニウム缶検査装置およびその方法の実施例を説明する。
図1は、本発明のアルミニウム缶検査装置3の構成を示
す断面図である。図1に示すように、アルミニウム缶検
査装置3は、加圧容器30にアルミニウム缶1の缶胴1
0を収容し、缶胴10に水溶液46、例えば一般的な飲
料の内で最もアルミニウムを腐食させやすいコーラ等の
炭酸飲料を入れ、少なくとも缶胴10内部を炭酸ガスの
雰囲気として缶胴10を密閉し、圧力を加えて炭酸が水
溶液46から分離すること、および、加熱した場合に水
溶液46から水が蒸発することを防止する。さらに、ア
ルミニウム缶検査装置3は、加圧容器30の内部の温度
を上げて缶胴10から水溶液46へのアルミニウムの溶
出を促進する。
【0015】水溶液46へは、電極挿入手段34により
固定されており、標準電極38、および、ポテンショス
タット44を用いた電流の測定において測定電極324
と標準電極38との間に印加した電位差で流れる電流を
測定する対電極36が挿入される。また、缶胴10には
電極当接手段32により測定電極324が当接され、電
気的導通が保たれる。ポテンショスタット44は、水溶
液46に流れる電流を測定することにより水溶液46中
の溶出するアルミニウム量を測定する。アルミニウム缶
検査装置3は、上述のように水溶液46のpH値等の内
部腐食環境を一定としつつ、缶胴10から水溶液46へ
のアルミニウムの溶出を促進し、電気化学的なアルミニ
ウム濃度の測定を行うことにより、缶胴10の内面の保
護膜(化成層148、および、塗膜層150)の品質、
すなわち缶胴10の保護膜のピンホールの量を評価し、
検査する。
固定されており、標準電極38、および、ポテンショス
タット44を用いた電流の測定において測定電極324
と標準電極38との間に印加した電位差で流れる電流を
測定する対電極36が挿入される。また、缶胴10には
電極当接手段32により測定電極324が当接され、電
気的導通が保たれる。ポテンショスタット44は、水溶
液46に流れる電流を測定することにより水溶液46中
の溶出するアルミニウム量を測定する。アルミニウム缶
検査装置3は、上述のように水溶液46のpH値等の内
部腐食環境を一定としつつ、缶胴10から水溶液46へ
のアルミニウムの溶出を促進し、電気化学的なアルミニ
ウム濃度の測定を行うことにより、缶胴10の内面の保
護膜(化成層148、および、塗膜層150)の品質、
すなわち缶胴10の保護膜のピンホールの量を評価し、
検査する。
【0016】以下、アルミニウム缶検査装置3の構成を
説明する。加圧容器30は、例えば材質としてSUS材
等を用いた耐圧密閉容器であって、図1に示すように上
下の部分に、電極挿入手段34を固定するための電極挿
入用開口部、電極当接手段32を固定するための電極当
接用開口部、および、気体導入管42、気体導入管42
と加圧容器30とを封止するOリング40を固定するた
めの気体導入用開口部、および、圧力弁52を有してい
る。電極挿入用開口部と電極挿入手段34の基板340
とが当接する部分、および、電極当接用開口部と電極当
接手段32の基板320とが当接する部分には、それぞ
れ対をなすネジ溝350,328が刻まれている。電極
挿入手段34は電極挿入用開口部に、電極当接手段32
は電極当接用開口部にねじ込まれて、それぞれネジ溝3
50,328により固定される。
説明する。加圧容器30は、例えば材質としてSUS材
等を用いた耐圧密閉容器であって、図1に示すように上
下の部分に、電極挿入手段34を固定するための電極挿
入用開口部、電極当接手段32を固定するための電極当
接用開口部、および、気体導入管42、気体導入管42
と加圧容器30とを封止するOリング40を固定するた
めの気体導入用開口部、および、圧力弁52を有してい
る。電極挿入用開口部と電極挿入手段34の基板340
とが当接する部分、および、電極当接用開口部と電極当
接手段32の基板320とが当接する部分には、それぞ
れ対をなすネジ溝350,328が刻まれている。電極
挿入手段34は電極挿入用開口部に、電極当接手段32
は電極当接用開口部にねじ込まれて、それぞれネジ溝3
50,328により固定される。
【0017】加圧容器30は、電極当接手段32および
電極挿入手段34が加圧容器30の所定の位置に固定さ
れ、加圧容器30が缶胴10のフランジの開口部を密閉
した状態において、所定の温度(例えば100°C)の
気体48、例えば空気を気体導入管42から導入して缶
胴10および水溶液46(試料)を熱し、缶胴10から
水溶液46へのアルミニウムの溶出を促進するととも
に、水溶液46から水溶液46に含まれている気体48
が分離することを防止して水溶液46のpH値等の性質
の変化を防止する。
電極挿入手段34が加圧容器30の所定の位置に固定さ
れ、加圧容器30が缶胴10のフランジの開口部を密閉
した状態において、所定の温度(例えば100°C)の
気体48、例えば空気を気体導入管42から導入して缶
胴10および水溶液46(試料)を熱し、缶胴10から
水溶液46へのアルミニウムの溶出を促進するととも
に、水溶液46から水溶液46に含まれている気体48
が分離することを防止して水溶液46のpH値等の性質
の変化を防止する。
【0018】電極当接手段32は、基板340、測定電
極322、Oリング324、および、絶縁材326から
構成される。基板340の開口部には、絶縁性を有する
Oリング324を用いて測定電極322が固定され、封
止されており、基板340上のOリング324の周囲に
は絶縁材326が配設される。電極挿入手段34は、上
述のように加圧容器30の電極当接用開口部にネジ溝3
28によりねじ込まれて固定され、缶胴10に測定電極
322の先端を押し当てて当接し、測定電極322と缶
胴10とを導通させる。測定電極322は、ポテンショ
スタット44の端子aに接続される。
極322、Oリング324、および、絶縁材326から
構成される。基板340の開口部には、絶縁性を有する
Oリング324を用いて測定電極322が固定され、封
止されており、基板340上のOリング324の周囲に
は絶縁材326が配設される。電極挿入手段34は、上
述のように加圧容器30の電極当接用開口部にネジ溝3
28によりねじ込まれて固定され、缶胴10に測定電極
322の先端を押し当てて当接し、測定電極322と缶
胴10とを導通させる。測定電極322は、ポテンショ
スタット44の端子aに接続される。
【0019】測定電極322は、缶胴10と測定電極3
22とが接触する部分に生じる接触電位差の発生を防ぐ
ために缶胴10と同一の材料で構成されており、缶胴1
0のボトム16とが接触する測定電極322の先端部分
は、ボトム16と測定電極322とが密着するようにボ
トム16の形状に沿った形状に形成されている。測定電
極322と缶胴10とが導通することにより、缶胴10
はポテンショスタット44を用いた電流測定における試
料電極となる。Oリング324は、測定電極322と基
板320とを封止し、電気的に絶縁する。
22とが接触する部分に生じる接触電位差の発生を防ぐ
ために缶胴10と同一の材料で構成されており、缶胴1
0のボトム16とが接触する測定電極322の先端部分
は、ボトム16と測定電極322とが密着するようにボ
トム16の形状に沿った形状に形成されている。測定電
極322と缶胴10とが導通することにより、缶胴10
はポテンショスタット44を用いた電流測定における試
料電極となる。Oリング324は、測定電極322と基
板320とを封止し、電気的に絶縁する。
【0020】絶縁材326は、ボトム16の形状に合わ
せて形成された多孔質の絶縁材料により構成され、缶胴
10を保持するとともに、測定電極322に加圧容器3
0内部の物体が接触することを防止する。絶縁材326
は多孔質の絶縁体、例えば軽石等により構成されている
ので通気性がよく、絶縁材326がボトム16に当接さ
れたことによりボトム16の温度が他の場所よりも低く
なるということはない。また、絶縁材326はボトム1
6の形状に合わせた形状に形成されているので、缶胴1
0を好適に保持することができる。
せて形成された多孔質の絶縁材料により構成され、缶胴
10を保持するとともに、測定電極322に加圧容器3
0内部の物体が接触することを防止する。絶縁材326
は多孔質の絶縁体、例えば軽石等により構成されている
ので通気性がよく、絶縁材326がボトム16に当接さ
れたことによりボトム16の温度が他の場所よりも低く
なるということはない。また、絶縁材326はボトム1
6の形状に合わせた形状に形成されているので、缶胴1
0を好適に保持することができる。
【0021】電極挿入手段34は、基板320、Oリン
グ342,344,348、および、シール材346か
ら構成される。基板340は、2個の開口部を有してお
り、これらの開口部それぞれに対電極36を接続する電
線がOリング344により、標準電極38がOリング3
42により固定され、封止される。電極当接手段32
は、上述のように加圧容器30の電極挿入用開口部にネ
ジ溝350によりねじ込まれて固定され、缶胴10に入
れられた水溶液46に対電極36および標準電極38の
先端を浸して固定する。対電極36はポテンショスタッ
ト44の端子cに接続され、標準電極38はポテンショ
スタット44の端子bに接続される。なお、缶胴10の
内壁と標準電極38とは所定の間隔に保たれる。シール
材346およびOリング348は、缶胴10のフランジ
12部分の開口部を密閉するとともに、缶胴10を保持
する。
グ342,344,348、および、シール材346か
ら構成される。基板340は、2個の開口部を有してお
り、これらの開口部それぞれに対電極36を接続する電
線がOリング344により、標準電極38がOリング3
42により固定され、封止される。電極当接手段32
は、上述のように加圧容器30の電極挿入用開口部にネ
ジ溝350によりねじ込まれて固定され、缶胴10に入
れられた水溶液46に対電極36および標準電極38の
先端を浸して固定する。対電極36はポテンショスタッ
ト44の端子cに接続され、標準電極38はポテンショ
スタット44の端子bに接続される。なお、缶胴10の
内壁と標準電極38とは所定の間隔に保たれる。シール
材346およびOリング348は、缶胴10のフランジ
12部分の開口部を密閉するとともに、缶胴10を保持
する。
【0022】対電極36は、例えば腐食の起こらない白
金電極(Pt)であって、ポテンショスタット44の端
子cに接続されており、ポテンショスタット44の制御
によって標準電極38と缶胴10(測定電極322)と
の間の電位差を印加しつつ電流を測定するのに用いられ
る。標準電極38は、例えば銀塩化銀電極であり、ポテ
ンショスタット44の端子bに接続されており、缶胴1
0の内壁から所定の距離を保つように固定されており、
缶胴10と対極36との間の電流測定に用いられる。
金電極(Pt)であって、ポテンショスタット44の端
子cに接続されており、ポテンショスタット44の制御
によって標準電極38と缶胴10(測定電極322)と
の間の電位差を印加しつつ電流を測定するのに用いられ
る。標準電極38は、例えば銀塩化銀電極であり、ポテ
ンショスタット44の端子bに接続されており、缶胴1
0の内壁から所定の距離を保つように固定されており、
缶胴10と対極36との間の電流測定に用いられる。
【0023】ポテンショスタット44は、標準電極38
と缶胴10との間の電位差を一定に保ち、対電極36か
ら水溶液46に流れる電流を測定する。ポテンショスタ
ット44の構成および動作原理は、図4および図5を参
照して後述する。コントローラ50は、ポテンショスタ
ット44の電圧源446を制御するとともに、電流計4
40において検出された電流の値を経時的に記録する。
圧力弁52は、加圧容器30の内部の圧力が一定以上に
なった場合に加圧容器30内部の気体46を外部に放出
し、加圧容器30内部の圧力を一定に保つ。
と缶胴10との間の電位差を一定に保ち、対電極36か
ら水溶液46に流れる電流を測定する。ポテンショスタ
ット44の構成および動作原理は、図4および図5を参
照して後述する。コントローラ50は、ポテンショスタ
ット44の電圧源446を制御するとともに、電流計4
40において検出された電流の値を経時的に記録する。
圧力弁52は、加圧容器30の内部の圧力が一定以上に
なった場合に加圧容器30内部の気体46を外部に放出
し、加圧容器30内部の圧力を一定に保つ。
【0024】次に、図2を参照してアルミニウム缶検査
装置3の検査対象となり、例えばジュースおよびコーラ
等の飲料を保存するために用いられる一般的なアルミニ
ウム缶(アルミ缶)1の構造を説明する。図2は、本発
明のアルミニウム缶検査装置3の検査対象となる一般的
なアルミニウム缶(アルミ缶)1の構造を説明する図で
ある。図2に示すように、アルミニウム缶1は、缶蓋1
8と缶胴と10から構成される。缶胴10において、缶
蓋18と缶胴10とが固定される部分はフランジ12
と、缶胴10の側壁部分はウォール14と、底の部分は
ボトム16と呼ばれる。缶胴10は、図2に断面部分a
として示すように、缶胴10を形成するアルミニウム1
46、アルミニウム146を化成処理して形成した化成
層144,148、および、化成層144,148上
に、例えばエポキシ系塗料等を塗付して形成した塗膜層
142,150から構成される。
装置3の検査対象となり、例えばジュースおよびコーラ
等の飲料を保存するために用いられる一般的なアルミニ
ウム缶(アルミ缶)1の構造を説明する。図2は、本発
明のアルミニウム缶検査装置3の検査対象となる一般的
なアルミニウム缶(アルミ缶)1の構造を説明する図で
ある。図2に示すように、アルミニウム缶1は、缶蓋1
8と缶胴と10から構成される。缶胴10において、缶
蓋18と缶胴10とが固定される部分はフランジ12
と、缶胴10の側壁部分はウォール14と、底の部分は
ボトム16と呼ばれる。缶胴10は、図2に断面部分a
として示すように、缶胴10を形成するアルミニウム1
46、アルミニウム146を化成処理して形成した化成
層144,148、および、化成層144,148上
に、例えばエポキシ系塗料等を塗付して形成した塗膜層
142,150から構成される。
【0025】缶蓋18におけるアルミニウム146(図
示せず)の材質は、例えばJISA−5083Al−M
n系合金である。ウォール14およびボトム16におけ
るアルミニウム146の材質は、例えばJIS A−3
004Al−Mn系合金であり、その厚さはウォール1
4の部分は0.1mm程度、ボトム16の部分は0.3
mm程度である。また、化成層144と塗膜層142を
合わせた厚さは通常3〜5μmである。
示せず)の材質は、例えばJISA−5083Al−M
n系合金である。ウォール14およびボトム16におけ
るアルミニウム146の材質は、例えばJIS A−3
004Al−Mn系合金であり、その厚さはウォール1
4の部分は0.1mm程度、ボトム16の部分は0.3
mm程度である。また、化成層144と塗膜層142を
合わせた厚さは通常3〜5μmである。
【0026】以下、図3を参照して缶胴10のアルミニ
ウム146からアルミニウムが溶け出す(溶出する)原
理を説明する。図3は、図2に示したアルミニウム缶1
の内壁からアルミニウムが溶出する塗膜下腐食の原理を
説明する図である。上述のように、化成層148および
塗膜層150の厚さは3μm〜5μmと非常に薄いの
で、図3に示すように、化成層148および塗膜層15
0を通してアルミニウム146に達するピンホール16
0a,160bが発生してしまうことがある。ピンホー
ル160a,160bを介して水溶液46がアルミニウ
ム146と接触すると、ピンホール160aにおいては
次式で示す化学反応(アノード反応;A)が起きてアル
ミニウムイオンAl3+が生じる。
ウム146からアルミニウムが溶け出す(溶出する)原
理を説明する。図3は、図2に示したアルミニウム缶1
の内壁からアルミニウムが溶出する塗膜下腐食の原理を
説明する図である。上述のように、化成層148および
塗膜層150の厚さは3μm〜5μmと非常に薄いの
で、図3に示すように、化成層148および塗膜層15
0を通してアルミニウム146に達するピンホール16
0a,160bが発生してしまうことがある。ピンホー
ル160a,160bを介して水溶液46がアルミニウ
ム146と接触すると、ピンホール160aにおいては
次式で示す化学反応(アノード反応;A)が起きてアル
ミニウムイオンAl3+が生じる。
【0027】
【化1】 Al → Al3+ + 3e- …(1)
【0028】一方、ピンホール160bにおいては、次
式で示す化学反応(カソード反応;K)が生じて気体水
素が発生する。
式で示す化学反応(カソード反応;K)が生じて気体水
素が発生する。
【0029】
【化2】 2H+ + 2e- → H2 ↑ …(2)
【0030】化学式1および化学式2に示した電子e-
は、アルミニウム146、および、水溶液46を介して
ピンホール160aからピンホール160bに供給され
るので、ピンホール160bからピンホール160aに
電流が流れることになる。つまり、化学式1および化学
式2に示した1組のピンホール160a,160bは、
一種の電池を構成している。このアルミニウム146上
の電池のアノード反応が起きるピンホール160aにお
いてアルミニウム146が腐食し、アルミニウムがアル
ミニウムイオンAl 3+となって水溶液46に溶出してし
まう。アルミニウム146の腐食が甚だしい場合には、
缶蓋18に穴が開いてしまうことがある。
は、アルミニウム146、および、水溶液46を介して
ピンホール160aからピンホール160bに供給され
るので、ピンホール160bからピンホール160aに
電流が流れることになる。つまり、化学式1および化学
式2に示した1組のピンホール160a,160bは、
一種の電池を構成している。このアルミニウム146上
の電池のアノード反応が起きるピンホール160aにお
いてアルミニウム146が腐食し、アルミニウムがアル
ミニウムイオンAl 3+となって水溶液46に溶出してし
まう。アルミニウム146の腐食が甚だしい場合には、
缶蓋18に穴が開いてしまうことがある。
【0031】化学式1,2に示して上述した化学反応
は、水溶液46の酸性が強ければ強いほど強くなる。す
なわち、水溶液46が一般的な飲料である場合、水溶液
46としてアルミニウム缶1に酸性の強いコーラ等の炭
酸飲料を充填した場合にアルミニウムの腐食が多く、酸
性が弱いウーロン茶等の非炭酸飲料を水溶液46として
アルミニウム缶1に充填した場合は少なくなる。ただ
し、炭酸飲料であってもビールは中性に近く、水溶液4
6としてビールをアルミニウム缶1に充填した場合、ほ
とんどアルミニウムの腐食は生じない。
は、水溶液46の酸性が強ければ強いほど強くなる。す
なわち、水溶液46が一般的な飲料である場合、水溶液
46としてアルミニウム缶1に酸性の強いコーラ等の炭
酸飲料を充填した場合にアルミニウムの腐食が多く、酸
性が弱いウーロン茶等の非炭酸飲料を水溶液46として
アルミニウム缶1に充填した場合は少なくなる。ただ
し、炭酸飲料であってもビールは中性に近く、水溶液4
6としてビールをアルミニウム缶1に充填した場合、ほ
とんどアルミニウムの腐食は生じない。
【0032】上述の化学反応によるアルミニウムイオン
Al3+の濃度(量)の変化に伴って流れる電流を測定す
ることにより水溶液46中のアルミニウム(アルミニウ
ムイオンAl3+)の腐食速度を測定することができる。
本発明のアルミニウム缶検査装置3は、この点に着目し
て缶胴10の保護膜(化成層148、および、塗膜層1
50)の品質の評価を行う。
Al3+の濃度(量)の変化に伴って流れる電流を測定す
ることにより水溶液46中のアルミニウム(アルミニウ
ムイオンAl3+)の腐食速度を測定することができる。
本発明のアルミニウム缶検査装置3は、この点に着目し
て缶胴10の保護膜(化成層148、および、塗膜層1
50)の品質の評価を行う。
【0033】以下、図4および図5を参照してポテンシ
ョスタット44の構成および動作原理を説明する。な
お、図4に示した各構成要素の内、以下に説明しないも
のは図1と同一符号を付して示した各構成要素に同一で
ある。図4は、図1に示した本発明のアルミニウム缶検
査装置3において電流の測定に用いられるポテンショス
タット44の動作原理を説明する図である。図5は、図
1に示したポテンショスタット44の電圧/電流特性を
グラフ形式で説明する図である。ポテンショスタット4
4は、電流計440、電流制御回路442、演算増幅器
444、および、電圧源446から構成される。電圧源
446は、ポテンショスタット44の端子bを介して標
準電極38に、電流計440および端子aを介して測定
電極322に所定の電位差を与える。演算増幅器444
は、ポテンショスタット44の端子aと端子bとの間の
電位差を検出して電流制御回路442に入力する。
ョスタット44の構成および動作原理を説明する。な
お、図4に示した各構成要素の内、以下に説明しないも
のは図1と同一符号を付して示した各構成要素に同一で
ある。図4は、図1に示した本発明のアルミニウム缶検
査装置3において電流の測定に用いられるポテンショス
タット44の動作原理を説明する図である。図5は、図
1に示したポテンショスタット44の電圧/電流特性を
グラフ形式で説明する図である。ポテンショスタット4
4は、電流計440、電流制御回路442、演算増幅器
444、および、電圧源446から構成される。電圧源
446は、ポテンショスタット44の端子bを介して標
準電極38に、電流計440および端子aを介して測定
電極322に所定の電位差を与える。演算増幅器444
は、ポテンショスタット44の端子aと端子bとの間の
電位差を検出して電流制御回路442に入力する。
【0034】電流制御回路442は、ポテンショスタッ
ト44の端子a,b間の電位差に変化が生じた場合、こ
の変化を打ち消すように端子cを介して対電極36に電
流を流す。電流計440は、標準電極38と測定電極3
22との間に流れる電流を測定する。また標準電極38
は、実際には図4に示すように細いガラスまたはテフロ
ンチューブ製の管380(Luggin capill
ary)で接続される甘こう(SCE)384に電極3
82が設けられた構造になっている。
ト44の端子a,b間の電位差に変化が生じた場合、こ
の変化を打ち消すように端子cを介して対電極36に電
流を流す。電流計440は、標準電極38と測定電極3
22との間に流れる電流を測定する。また標準電極38
は、実際には図4に示すように細いガラスまたはテフロ
ンチューブ製の管380(Luggin capill
ary)で接続される甘こう(SCE)384に電極3
82が設けられた構造になっている。
【0035】標準電極38と測定電極322(缶胴1
0)の間に図5の点線に示すような時間とともに直線的
に変化する電位差を加えた場合、流れる電流は、図5の
実線(分極曲線)に示すように加えられた電位差に依存
する。例えば、動電位法により電流の測定を行う場合
に、電圧源446が標準電極38と測定電極322との
間に図5の点線に示すような経時的に変化する電位差を
与えた場合、実際に測定電極322と標準電極38との
間の電位差は、流れる電流と溶液46の抵抗値とにより
生じる電位差の影響を受けてしまう。ポテンショスタッ
ト44は、演算増幅器444により標準電極38と測定
電極322との間の電位差を検出し、電流制御回路44
2によりこの電位差の変化を打ち消すように電流を流し
て水溶液46を流れる電流の測定を行う。ポテンショス
タット44によれば、図5の実線に示した分極曲線に起
因する不都合を除去することができる。従って、電圧源
446が経時的に変化する電位差を標準電極38と測定
電極322との間に加えた場合でも正確な電流測定が可
能となる。
0)の間に図5の点線に示すような時間とともに直線的
に変化する電位差を加えた場合、流れる電流は、図5の
実線(分極曲線)に示すように加えられた電位差に依存
する。例えば、動電位法により電流の測定を行う場合
に、電圧源446が標準電極38と測定電極322との
間に図5の点線に示すような経時的に変化する電位差を
与えた場合、実際に測定電極322と標準電極38との
間の電位差は、流れる電流と溶液46の抵抗値とにより
生じる電位差の影響を受けてしまう。ポテンショスタッ
ト44は、演算増幅器444により標準電極38と測定
電極322との間の電位差を検出し、電流制御回路44
2によりこの電位差の変化を打ち消すように電流を流し
て水溶液46を流れる電流の測定を行う。ポテンショス
タット44によれば、図5の実線に示した分極曲線に起
因する不都合を除去することができる。従って、電圧源
446が経時的に変化する電位差を標準電極38と測定
電極322との間に加えた場合でも正確な電流測定が可
能となる。
【0036】なおアルミニウム缶検査装置3において、
加圧容器30が本発明に係る加圧手段に相当し、電極当
接手段32が本発明に電極当接手段32に相当し、電極
挿入手段34が本発明に係る電極挿入手段34に相当
し、ポテンショスタット44が本発明に係る電流測定手
段に相当し、絶縁材326が本発明に係る保持手段に相
当し、気体導入管42が本発明に係る気体導入手段に相
当する。
加圧容器30が本発明に係る加圧手段に相当し、電極当
接手段32が本発明に電極当接手段32に相当し、電極
挿入手段34が本発明に係る電極挿入手段34に相当
し、ポテンショスタット44が本発明に係る電流測定手
段に相当し、絶縁材326が本発明に係る保持手段に相
当し、気体導入管42が本発明に係る気体導入手段に相
当する。
【0037】以下、各図を参照して本発明のアルミニウ
ム缶検査装置3の動作、および、アルミニウム缶検査装
置3を用いたアルミニウム缶検査の方法を説明する。ま
ず、加圧容器30に電極当接手段32を固定し、水溶液
46、例えばコーラ等の炭酸飲料を入れた缶胴10のボ
トム16を測定電極322および絶縁材326上に置
き、対電極36と標準電極38とを缶胴10のフランジ
12部分の開口部から挿入して水溶液46に浸しつつ電
極挿入手段34を固定して缶胴10および加圧容器30
を密閉する。
ム缶検査装置3の動作、および、アルミニウム缶検査装
置3を用いたアルミニウム缶検査の方法を説明する。ま
ず、加圧容器30に電極当接手段32を固定し、水溶液
46、例えばコーラ等の炭酸飲料を入れた缶胴10のボ
トム16を測定電極322および絶縁材326上に置
き、対電極36と標準電極38とを缶胴10のフランジ
12部分の開口部から挿入して水溶液46に浸しつつ電
極挿入手段34を固定して缶胴10および加圧容器30
を密閉する。
【0038】次に、気体導入管42から所定の温度、圧
力、例えば100°Cの気体48、例えば空気を連続的
に導入し、缶胴10を加熱および加圧する。気体48の
圧力が上がりすぎた場合には、圧力弁52から気体48
が放出されて加圧容器30の内部の圧力は一定に保たれ
る。この状態で一定期間、缶胴10および気体48を保
管し、缶胴10から水溶液46にアルミニウムを溶出さ
せ、一定周期でポテンショスタット44により標準電極
38と測定電極322(缶胴10)との間の電流を測定
する。ポテンショスタット44により測定された電流は
コントローラ50により記録され、液体46の抵抗値が
算出される。コントローラ50により算出された各時点
における抵抗値により、水溶液46中のアルミニウム濃
度を算出することができる。このアルミニウム濃度は、
上述のように缶胴10の保護膜のピンホールの量に対応
している。従って、測定したアルミニウム濃度に基づい
て缶胴10の保護膜の品質を検査することができる。
力、例えば100°Cの気体48、例えば空気を連続的
に導入し、缶胴10を加熱および加圧する。気体48の
圧力が上がりすぎた場合には、圧力弁52から気体48
が放出されて加圧容器30の内部の圧力は一定に保たれ
る。この状態で一定期間、缶胴10および気体48を保
管し、缶胴10から水溶液46にアルミニウムを溶出さ
せ、一定周期でポテンショスタット44により標準電極
38と測定電極322(缶胴10)との間の電流を測定
する。ポテンショスタット44により測定された電流は
コントローラ50により記録され、液体46の抵抗値が
算出される。コントローラ50により算出された各時点
における抵抗値により、水溶液46中のアルミニウム濃
度を算出することができる。このアルミニウム濃度は、
上述のように缶胴10の保護膜のピンホールの量に対応
している。従って、測定したアルミニウム濃度に基づい
て缶胴10の保護膜の品質を検査することができる。
【0039】以上説明したように、測定電極322には
缶胴10と同一の材質を用いているので、測定電極32
2と缶胴10(ボトム16)の接触部分に接触電位差が
生じることはない。従って、アルミニウム缶検査装置3
により測定される電流値は正確であり、かつ、缶胴10
がこの部分で不必要に腐食することがない。また、加圧
容器30に電極当接手段32および電極挿入手段34を
ネジ溝328,350により固定するので、加圧容器3
0の密閉性がよく保たれ、しかも缶胴10の出し入れが
容易である。
缶胴10と同一の材質を用いているので、測定電極32
2と缶胴10(ボトム16)の接触部分に接触電位差が
生じることはない。従って、アルミニウム缶検査装置3
により測定される電流値は正確であり、かつ、缶胴10
がこの部分で不必要に腐食することがない。また、加圧
容器30に電極当接手段32および電極挿入手段34を
ネジ溝328,350により固定するので、加圧容器3
0の密閉性がよく保たれ、しかも缶胴10の出し入れが
容易である。
【0040】また、測定電極322お絶縁材326と
は、缶胴10のボトム16の形状に合った形状を有し、
また、電極挿入手段34はシール材346、および、O
リング348を有するので、缶胴10の固定が確実であ
る。また、電流の測定のたびに加圧容器30を開閉する
必要がないので、測定に手間がかからず、同一の缶胴1
0について、水溶液46のアルミニウム濃度の経時的、
および、缶胴10の保護膜の品質の変化を容易に測定可
能である。また、ポテンショスタット44により電気化
学的に電流を測定するので、ICPを用いる場合よりも
正確な水溶液46のアルミニウム濃度を測定することが
できる。従って、正確な缶胴10の保護膜の検査結果を
得ることができる。
は、缶胴10のボトム16の形状に合った形状を有し、
また、電極挿入手段34はシール材346、および、O
リング348を有するので、缶胴10の固定が確実であ
る。また、電流の測定のたびに加圧容器30を開閉する
必要がないので、測定に手間がかからず、同一の缶胴1
0について、水溶液46のアルミニウム濃度の経時的、
および、缶胴10の保護膜の品質の変化を容易に測定可
能である。また、ポテンショスタット44により電気化
学的に電流を測定するので、ICPを用いる場合よりも
正確な水溶液46のアルミニウム濃度を測定することが
できる。従って、正確な缶胴10の保護膜の検査結果を
得ることができる。
【0041】アルミニウム缶検査装置3は、水溶液46
としてコーラ等の炭酸飲料を入れた場合の缶胴10の保
護膜の品質の変化の他、ジュース等の果汁飲料等、飲料
一般、および、食物を入れた場合等の缶胴10の保護膜
の品質の変化を検査することができる。さらにアルミニ
ウム缶検査装置3は、水溶性塗料、あるいは、各種化学
薬品等を入れた場合の缶胴10の保護膜の品質の変化
等、水溶液一般について用いることができる。また、電
極当接手段32、および、電極挿入手段34の加圧容器
30への固定方法は実施例に示した方法の他に、例えば
電極挿入手段34または加圧容器30の内の一方を加圧
容器30の内部に予め固定しておき、他方のみを加圧容
器30の開口部に装着する方法をとってもよい。
としてコーラ等の炭酸飲料を入れた場合の缶胴10の保
護膜の品質の変化の他、ジュース等の果汁飲料等、飲料
一般、および、食物を入れた場合等の缶胴10の保護膜
の品質の変化を検査することができる。さらにアルミニ
ウム缶検査装置3は、水溶性塗料、あるいは、各種化学
薬品等を入れた場合の缶胴10の保護膜の品質の変化
等、水溶液一般について用いることができる。また、電
極当接手段32、および、電極挿入手段34の加圧容器
30への固定方法は実施例に示した方法の他に、例えば
電極挿入手段34または加圧容器30の内の一方を加圧
容器30の内部に予め固定しておき、他方のみを加圧容
器30の開口部に装着する方法をとってもよい。
【0042】また、アルミニウム缶検査装置3において
は、缶胴10を加熱することは必ずしも必要でなく、ア
ルミニウム缶検査装置3を、缶胴10を加熱しないよう
に構成して常温におけるアルミニウムの水溶液への溶出
量を測定する用途に用いてもよい。以上述べた実施例に
示した他、本発明のアルミニウム缶検査装置は、例えば
気体導入管42から連続的に導入した水溶液46を加圧
容器30内部を循環させた後に排出するように構成する
等、種々の構成をとることができる。
は、缶胴10を加熱することは必ずしも必要でなく、ア
ルミニウム缶検査装置3を、缶胴10を加熱しないよう
に構成して常温におけるアルミニウムの水溶液への溶出
量を測定する用途に用いてもよい。以上述べた実施例に
示した他、本発明のアルミニウム缶検査装置は、例えば
気体導入管42から連続的に導入した水溶液46を加圧
容器30内部を循環させた後に排出するように構成する
等、種々の構成をとることができる。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように本発明のアルミニウム
缶検査装置によれば、アルミニウム缶に充填された飲料
中のアルミニウム濃度の経時的変化を測定して同一のア
ルミニウム缶の保護膜のピンホール量を評価することが
できる。また、検査の対象となる水溶液を入れたアルミ
ニウム缶の温度を高くすることによりアルミニウム缶の
腐食を促進しているので、常温でパックテストを行う場
合に比べて短期間で飲料中のアルミニウム濃度の測定を
行ってアルミニウム缶の保護膜のピンホール量を評価す
ることができる。また、飲料中のアルミニウム濃度を電
気化学的に測定することができる。従って、精度の高い
アルミニウム缶の保護膜のピンホール量の評価が可能で
ある。
缶検査装置によれば、アルミニウム缶に充填された飲料
中のアルミニウム濃度の経時的変化を測定して同一のア
ルミニウム缶の保護膜のピンホール量を評価することが
できる。また、検査の対象となる水溶液を入れたアルミ
ニウム缶の温度を高くすることによりアルミニウム缶の
腐食を促進しているので、常温でパックテストを行う場
合に比べて短期間で飲料中のアルミニウム濃度の測定を
行ってアルミニウム缶の保護膜のピンホール量を評価す
ることができる。また、飲料中のアルミニウム濃度を電
気化学的に測定することができる。従って、精度の高い
アルミニウム缶の保護膜のピンホール量の評価が可能で
ある。
【図1】本発明のアルミニウム缶検査装置の構成を示す
断面図である。
断面図である。
【図2】本発明のアルミニウム缶検査装置の検査対象と
なる一般的なアルミニウム缶(アルミ缶)の構造を説明
する図である。
なる一般的なアルミニウム缶(アルミ缶)の構造を説明
する図である。
【図3】図2に示したアルミニウム缶の内壁からアルミ
ニウムが溶出する原理を説明する図である。
ニウムが溶出する原理を説明する図である。
【図4】図1に示した本発明のアルミニウム缶検査装置
において電流の測定に用いられるポテンショスタットの
動作原理を説明する図である。
において電流の測定に用いられるポテンショスタットの
動作原理を説明する図である。
【図5】図1に示したポテンショスタットの電圧/電流
特性をグラフ形式で説明する図である。
特性をグラフ形式で説明する図である。
1…アルミニウム缶、10…缶胴、12…フランジ、1
4…ウォール、142,150…塗膜層、144,14
8…化成層、146…アルミニウム、16…ボトム、3
…アルミニウム缶検査装置、30…加圧容器、32…電
極当接手段、320…基板、322…測定電極、324
…Oリング、326…絶縁材、328…ネジ溝、34…
電極挿入手段、340…基板、342,344,348
…Oリング、346…シール材、350…ネジ溝、36
…対電極、38…標準電極、40…Oリング、42…気
体導入管、44…ポテンショスタット、440…電流
計、442…電流制御回路、444…演算増幅器、44
6…電圧源、46…水溶液、48…気体
4…ウォール、142,150…塗膜層、144,14
8…化成層、146…アルミニウム、16…ボトム、3
…アルミニウム缶検査装置、30…加圧容器、32…電
極当接手段、320…基板、322…測定電極、324
…Oリング、326…絶縁材、328…ネジ溝、34…
電極挿入手段、340…基板、342,344,348
…Oリング、346…シール材、350…ネジ溝、36
…対電極、38…標準電極、40…Oリング、42…気
体導入管、44…ポテンショスタット、440…電流
計、442…電流制御回路、444…演算増幅器、44
6…電圧源、46…水溶液、48…気体
Claims (9)
- 【請求項1】所定の水溶液を入れた缶蓋を付す部分に開
口部を有するアルミニウム缶を実質的に密閉した条件で
該アルミニウム缶に所定の圧力を加える加圧手段と、 前記加圧手段を介して前記開口部から前記アルミニウム
缶の内壁に所定の距離を保って前記水溶液に浸漬される
標準電極と、 前記加圧手段を介して前記開口部から前記水溶液に浸漬
される対電極と、 前記加圧手段を介して前記アルミニウム缶の底部と導電
する測定電極と、 前記標準電極と前記測定電極との間に生じる電位差の変
化を打ち消す電流を前記対電極から流し、動電位法によ
り該標準電極と該測定電極の間に流れる電流を測定する
電流測定手段とを有するアルミニウム缶検査装置。 - 【請求項2】前記加圧手段は、前記測定電極を保持して
前記アルミニウム缶の底部に当接させる保持手段を有し
ており、該保持手段および該測定電極は、該アルミニウ
ム缶の該保持手段および該測定電極と当接する部分に沿
った形状であることを特徴とする請求項1に記載のアル
ミニウム缶検査装置。 - 【請求項3】前記測定電極の少なくとも前記アルミニウ
ム缶に当接する部分の材質は、前記アルミニウム缶と同
一の材質である請求項1または2に記載のアルミニウム
缶検査装置。 - 【請求項4】前記保持手段は、多孔質の絶縁部材で構成
されている請求項2または3に記載のアルミニウム缶検
査装置。 - 【請求項5】前記加圧手段は、電極当接用開口部、およ
び、電極挿入用開口部を有し、 前記電極当接用開口部に固定されて該電極当接用開口部
を密閉し、前記保持手段を支持する電極当接手段と、 前記電極挿入用開口部に固定されて該電極挿入用開口部
を密閉し、前記測定電極および前記対電極を支持して前
記水溶液に浸漬する電極挿入手段とを有する請求項2〜
4のいずれかに記載のアルミニウム缶検査装置。 - 【請求項6】前記電極当接用開口部と前記電極当接手段
とが当接する部分、および、前記電極挿入用開口部と前
記電極挿入手段とが当接する部分にはそれぞれ対をなす
ネジ溝が刻まれており、該電極当接手段は該電極当接用
開口部にねじ込まれて固定され、該電極挿入手段は該電
極挿入用開口部手段にねじ込まれて固定される請求項5
に記載のアルミニウム缶検査装置。 - 【請求項7】前記加圧手段は、加熱された気体を当該加
圧手段に導入する気体導入手段をさらに有しており、前
記アルミニウム缶、および、前記水溶液を加熱して前記
アルミニウム缶のアルミニウムの腐食を促進する請求項
1〜6のいずれかに記載のアルミニウム缶検査装置。 - 【請求項8】缶蓋を付す部分に開口部を有しており、少
なくとも当該アルミニウム缶の内壁に所定の保護膜を有
するアルミニウム缶に所定の水溶液を入れ、少なくとも
該アルミニウム缶の内部を所定の気体の雰囲気中にして
実質的に密閉し、 前記アルミニウム缶を外側から加圧して前記所定の気体
の漏れを防止し、 前記水溶液中に浸した電極と前記アルミニウム缶との間
に流れる電流の値を動電位法により測定し、該電流の値
に対応する該水溶液中のアルミニウム濃度を求め、該ア
ルミニウム濃度に基づいて前記所定の保護膜の品質を評
価するアルミニウム缶検査方法。 - 【請求項9】前記アルミニウム缶、および、前記水溶液
を加熱して前記アルミニウム缶のアルミニウムの腐食を
促進することを特徴とする請求項8に記載のアルミニウ
ム缶検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19251794A JPH0854365A (ja) | 1994-08-16 | 1994-08-16 | アルミニウム缶検査装置およびその方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19251794A JPH0854365A (ja) | 1994-08-16 | 1994-08-16 | アルミニウム缶検査装置およびその方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0854365A true JPH0854365A (ja) | 1996-02-27 |
Family
ID=16292607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19251794A Withdrawn JPH0854365A (ja) | 1994-08-16 | 1994-08-16 | アルミニウム缶検査装置およびその方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0854365A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011102790A (ja) * | 2009-10-16 | 2011-05-26 | Jfe Steel Corp | 缶成型体の内容物に対する耐腐食性を迅速に評価する方法 |
-
1994
- 1994-08-16 JP JP19251794A patent/JPH0854365A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011102790A (ja) * | 2009-10-16 | 2011-05-26 | Jfe Steel Corp | 缶成型体の内容物に対する耐腐食性を迅速に評価する方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011106 |