JPH0854293A - 顕微蛍光分光法による半導体微細配線の温度測定法 - Google Patents

顕微蛍光分光法による半導体微細配線の温度測定法

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JPH0854293A
JPH0854293A JP7129988A JP12998895A JPH0854293A JP H0854293 A JPH0854293 A JP H0854293A JP 7129988 A JP7129988 A JP 7129988A JP 12998895 A JP12998895 A JP 12998895A JP H0854293 A JPH0854293 A JP H0854293A
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wiring
temperature
fluorescence
measurement
sample
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JP7129988A
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Hirokatsu Yamaguchi
裕功 山口
Kinya Eguchi
欣也 江口
Masakazu Sakimoto
正教 崎元
Toshiki Ito
俊樹 伊東
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】半導体の1μm以下の微細配線の温度を測定可
能にする。 【構成】配線W上の有機絶縁膜P2 の2箇所以上(例え
ばT(0)及びT(x))で蛍光を測定し、これから温
度(例えばT(0),T(x))を求める。これと測定
箇所の配線からの距離rから試料中の温度勾配を求め、
これを配線Wの位置に外挿して、配線温度を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蛍光を用いた微小領域の
温度測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】配線の温度を測定する方法としては従
来、赤外線の放射を検出する方法や配線の電気抵抗の温
度による変化を用いる方法があった。ところが前者はプ
ローブ光が赤外線であるため、測定領域が10μm程度
に制限され、1μmの微細配線は測定できない。後者
は、実際の測定では配線の平均の抵抗しか測定できず、
配線の局所領域の異常過熱は検出できない。また、電気
抵抗は配線のマイグレーションなど温度以外の要因によ
っても変化するため、配線の温度を正確に求めることは
できない。
【0003】そこで、1μm以下の領域の温度を測定す
る装置として、例えば、特開昭60−250640号公
報に記載の、蛍光を利用したものがある。この装置は図
16に示すような構成となっている。レーザ光源1から
発生した入射レーザビーム11を顕微鏡対物レンズ4に
より、ホトレジストを塗布した試料5に照射する。試料
5から発生した光のうち、ホトレジストからの蛍光15
の成分をフィルタ7で分光した後、検出器9により検出
する。あらかじめ標準試料を用いて、試料の温度と蛍光
15の強度との関係を求めておくことにより、目的とす
る被測定試料の蛍光15の強度から、温度を求めること
ができる。この方法はプローブ光として可視または紫外
光を用いることにより、1μm以下の領域を測定可能で
ある。ところが、この従来技術は試料表面のホトレジス
トの温度測定に関するものであり、試料の深い部分にあ
る微細配線の温度測定法については述べていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通電中のAl配線の温
度を測定しようとすると、Al配線自体からは蛍光が生
じないため、配線上に形成された膜からの蛍光を利用し
て行なう必要がある。一般に半導体素子に用いられてい
るポリイミドなどの保護膜は蛍光を生じるため、従来技
術と同じ方法で、膜自体の温度測定は可能である。しか
し、Al配線上の保護膜は通常多層構造であり、蛍光を
発するポリイミド膜とAl配線との間には、SiN,S
iO等の、蛍光強度が弱い物質が挾まっていることが多
い。従って、配線とポリイミド膜との間には温度差が生
じている。従来技術ではこの温度差の補正について考慮
していないため、配線の温度を求めることができない。
【0005】また、半導体の絶縁膜として用いられるポ
リイミド等は、大気中に放置すると水分を吸収するた
め、蛍光の強度を変化させる。これが、温度測定精度を
低下させる。
【0006】さらにまた、通電配線の上とそれ以外の場
所とでは下地の反射率が異なる。また、測定箇所による
絶縁膜の膜厚や配線の反射率のばらつき、レーザ強度の
変動によっても蛍光強度は変動する。これらは温度測定
精度を低下させる。
【0007】さらにまた、レーザ光は強度の大きな光で
あり、試料の加熱を引き起こし、温度測定精度を低下さ
せる。
【0008】本発明の第1の目的は、試料表面の有機絶
縁膜と配線との間の温度差を求めて、微細配線の温度を
測定する方法を与えることにある。
【0009】本発明の第2の目的は、蛍光測定の際、有
機絶縁膜に吸収された水分の蛍光強度に対する影響を低
減して、温度測定精度を向上させることにある。
【0010】本発明の第3の目的は、絶縁膜の膜厚や配
線の反射率のばらつきによる蛍光強度の変動を補正する
手段を与え、温度測定精度を向上させる方法を与えるこ
とにある。
【0011】本発明の第4の目的は、レーザ光強度の変
動による蛍光強度の変動を低減する手段を与え、温度測
定精度を向上させる方法を与えることにある。
【0012】本発明の第5の目的は、レーザ光による試
料の加熱を低減することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明は絶縁膜の複数箇所の温度を測定する
ことにより、温度勾配を求め、これから配線の温度を推
定する。
【0014】上記第2の目的を達成するために、測定前
に試料を乾燥させる。
【0015】上記第3の目的を達成するために、通電し
て温度測定を行う前に、あらかじめ所定の温度において
試料からの蛍光強度を測定し、この値から測定箇所ごと
に検量線を校正する。
【0016】上記第4の目的を達成するために、測定ご
とにレーザ強度の変動をモニタし、この変動を最小にす
るようにレーザ強度を制御する。
【0017】上記第5の目的を達成するために、レーザ
光を試料に間歇的に照射する。
【0018】
【作用】本発明の作用を図1ないし図3により説明す
る。図1は配線温度の推定法を示した。Wは配線、P1
は非蛍光性絶縁膜、P2は蛍光性絶縁膜、Sは基板であ
る。蛍光性絶縁膜P2の2か所以上で温度T(0),T
(x)等を測定する。これらの温度を配線中心からの距
離rの関数f(r)と係数aとにより数1のように表
す。
【0019】
【数2】
【0020】f(r)は有限要素法などを用いて求める
ことができる。T(0),T(x)の実測値を用いて係
数aを求めることができ、数2を配線の位置に外挿する
ことで、配線温度を推定する。
【0021】また、図3で、2は光束拡大レンズ、3は
ダイクロイックミラー、4は対物レンズ、6は試料移動
台、7aはノッチフィルタ、7b,7cはバンドパスフ
ィルタ、8は集光レンズ、10はデータ処理装置、13
は蛍光、16は可変光減衰フィルタ、17はフィルタ可
変装置、41はシャッタである。ここで、フィルタ7
b,7cをそれぞれ、レーリ光および蛍光を透過させる
ものとし、フィルタ可変装置15によりレーリ光と蛍光
の測定の切り換えを行なう。これにより、蛍光強度の測
定の直前にレーリ光強度を測定し、データ処理装置10
であらかじめ設定した値と比較し、この設定値からのず
れに従い、フィルタ16を変え、ずれが最小となるよう
にする。これにより、試料に照射されるレーザ光の強度
を常に一定にでき、温度測定精度を向上できる。
【0022】また、測定中にシャッタ41を開閉して試
料5にレーザ光11を間歇的に照射することにより、試
料の温度上昇を低減し、温度測定精度を向上できる。
【0023】また、絶縁膜中に蛍光体を含有させること
により、ポリイミド単独の場合より蛍光強度を増加させ
ることができる。有機物の蛍光体としては、p−テルフ
ェニル、フルオレセイン、クマリンなど、200℃以上
の耐熱性をもつものが有効である。また、無機物の螢光
体は特に耐熱性に優れており、ZnS:Ag,ClやC
5(PO4)3(F,Cl):Sb,Mn等が効果的であ
る。これらの蛍光体の混合により、蛍光強度を増加さ
せ、S/Nの高い測定を行える作用がある。
【0024】
【実施例】
(実施例1)図2に本発明の実施例1の測定装置を示し
た。1は364nmの光を発振するレーザ光源、7aは
364nmで透過率最小であるノッチフィルタ、29は
ヒータ、30は熱電対、31は温度コントローラ、32
は乾燥窒素ガスの導入管、33は配線に通電を行うプロ
ーブ、41はシャッタ、42は観察照明光源、43はT
Vカメラ、44は鏡切替機構である。
【0025】図3(a)に試料5の配線部の平面図を、
図3(b)に図3(a)の一部分の拡大図を、図3
(c)に図3(b)のx−x’断面図を示した。この配
線形状は一般にSWEAT(Standard Waf
er levelElectromigration
Acceleration Test)パターンとして
知られているもので、図に示すものは、狭い配線部Aの
幅が2μm、長さが20μmで、広い配線部Cの幅が2
0μm、長さが20μmである。このA部とC部が30
個直列に繋がっている。A部には配線W4と平行に幅2
μmの擬似配線W1〜W3及びW5〜W7が1μm間隔
で設けられている。図3(c)において、SはSi基
板、OはSiO2膜、NはSi34膜、Pはポリイミド
イソインドロキナゾリンヂオン(R)(以下ポリイミド
と略す)膜である。SiO2膜O及びSi34膜Nは蛍
光をほとんど発生しないが、ポリイミド膜Pは強い蛍光
を発するため、ポリイミド膜Pの蛍光から求めた温度に
より配線W4の温度を推定した。
【0026】蛍光測定は配線W4〜W7の上方a,b,
c,dの4か所で行った。これは、a,b,c,dの位
置では膜の断面構造が同じであるので、光学的性質も同
じと考えられるためである。また、配線W1〜W7をス
ケールとして用いることにより測定箇所の位置決めを正
確に行うことができ、温度の推定精度を向上できる。
【0027】図4に364nmのレーザ光で励起したポ
リイミドの蛍光スペクトルを示した。これは450〜7
00nmにピークを持つ。このピーク波長域の光を検出
器9に導くために、図2のバンドパスフィルタ7bの透
過帯域は450〜700nmのものを用いた。
【0028】図5に測定に先立ち試料5をヒータ29で
均一に加熱し、熱電対30で測定した試料5の温度と検
出器9で測定した蛍光強度との関係を示した。試料を室
温から400℃まで昇温したときの温度と蛍光強度との
関係を曲線Aで示した。これは温度上昇に伴い減少する
傾向を示すが、100℃付近に変曲点を持つ。これはポ
リイミドが吸収していた空気中の水分が100℃付近で
蒸発するためと考えられ、温度測定精度低下の原因とな
る。そこで、本発明では、測定に先立ち、図2の32に
示すように窒素ガスを試料5周辺に導入しながら、試料
をヒータ29で100℃に加熱して、乾燥させた。この
乾燥後、試料を室温から400℃まで昇温したときの温
度と蛍光強度との関係を曲線Bで示した。このように本
発明では温度測定前に、試料をこれと不活性な乾燥した
ガス雰囲気中で加熱して、乾燥させることにより、変曲
点のない、温度測定精度の高い検量線を得られた。
【0029】ポリイミドの絶縁膜Pの温度から配線W4
の温度を推定する方法を以下に述べる。一般に物体内の
熱伝導は次のように表される。熱伝導率がλで断面積が
Aの物体中を、熱量Qが距離Δl進行したときに、数3
で示す温度差ΔTが生じる。
【0030】
【数3】
【0031】ところで、図3に示した試料は多層膜から
なっており、各膜ごとに数3の熱伝導率λは異なる。そ
こで有限要素法により、試料内の温度分布を求め、ポリ
イミド膜Pの温度と配線W4の温度との関係を求めた。
本実施例では計算を容易にするため、以下のような仮定
をおいた。
【0032】(1)30個の各々の図3(b)部分から
生じる熱量は等しい。従って隣合う図3(b)部分相互
間には熱移動がない。
【0033】(2)通電配線W4から発生した熱はW1
方向とW7方向とに対称的に流れる。
【0034】(3)一般に対流や放射による伝熱は、熱
伝導と比べて非常に小さいため、ポリイミド膜表面から
空気中に伝わる熱は無視する。
【0035】(4)Si基板の温度は25℃で一定とす
る。
【0036】(5)熱はA部のみで発生し、C部では発
生しない。
【0037】これらの仮定に基づいたモデルを図6に示
した。この図のように、図2(c)のうちA部の片側
(W4の半分とW5〜W7)のみを考えれば良い。境界
条件は、SiO2/Si界面では25℃で一定、配線W
4の中心面ではTm℃で一定とし、その他の面は断熱と
した。メッシュ分割は図中に示した。熱伝導率は以下の
値とし、温度によって変化しないと考えた。
【0038】 SiO2 :1.2W/(m・K) Al :200W/(m・K) Si34 :7.1W/(m・K) ポリイミド:0.3W/(m・K) このモデルを用いて計算した、配線W4の温度Tmと蛍
光の測定点a,b,c,dの温度Ta,Tb,Tc,T
dとの関係を図7(a)に示した。これから、
【0039】
【数4】
【0040】
【数5】
【0041】
【数6】
【0042】
【数7】
【0043】となり、a,b,c,dの温度から配線の
温度を求めることができる。
【0044】ところで、数4ないし数7はa,b,c,
dの内1点のみから配線温度Tmを推定する。そのた
め、Ta〜Tdの測定誤差が配線温度Tmの誤差に影響
する。この影響を低減するにはa,b,c,dのうち2
点以上の温度から配線温度Tmの推定を行えば良い。図
7(b)にTmが50〜150℃のときのTa〜Tdの
値を示した。横軸は配線W4の中心からa,b,c,d
各点までのきょりrの逆数とした。また、右端は配線W
4の中心から配線W4表面までの平均距離0.83μm
の逆数である1.2とした。a,b,c,d点の温度を
直線、すなわち、1/rの1次関数で近似したものを図
中に示した。これを1/r=1.2まで外挿することで
求めた値はTmと1℃以内で一致した。
【0045】すなわち、a,b,c,d点及び配線の温
度をrの関数
【0046】
【数8】
【0047】で表し、実測のTa、Tb、Tc、Tdか
ら最小2乗法により傾きaを求め、Tmを推定できる。
【0048】また、本実施例と異なる膜仕様の試料で、
図7のような直線近似が行えない場合は、一般的にa,
b,c,d点及び配線の温度をrの関数f(r)と係数
aとにより、
【0049】
【数9】
【0050】であらわせばよい。数8同様Ta,Tb,
Tc,Tdの実測値により係数aを求めて、数9を配線
の位置に外挿することでTmが推定可能である。
【0051】ところで、図8にa,b,c,d点の温度
の実際の測定例を横軸を1/rにとって示した。これか
ら実際に通電配線の付近でも遠方でも、温度は1/rに
対してほぼ直線で近似できることが判った。これから、
a,b,c,dのうち少なくとも2点で測定を行ない最
小2乗法で直線の傾きと切片を求めることにより、配線
温度を推定できる。このように、温度推定を1/rの1
次関数で行うことにより、温度分布の計算を短時間で行
うことが出来、配線の品質評価に要する時間を短縮する
ことが出来る。
【0052】ところで、絶縁膜の膜厚や配線の反射率に
よって蛍光強度そのものは変化するが、温度上昇に伴う
蛍光強度の減衰の割合は変化しない。したがって、例え
ば、図2に示す25℃と100℃の2点における蛍光強
度を試料ごとに求めておけば、試料ごとに検量線の傾き
を補正できる。標準試料で求めた温度Tにおける蛍光強
度Lを
【0053】
【数10】
【0054】と表す。すなわち
【0055】
【数11】
【0056】ここで、試料中のn番目の測定箇所におけ
る蛍光強度Ln をパラメータAn ,Bn により
【0057】
【数12】
【0058】と表わすと、試料中のn番目の測定箇所に
おける温度Tn は、
【0059】
【数13】
【0060】で求められる。25℃と100℃での蛍光
強度Ln(25) ,Ln(100) は数13より
【0061】
【数14】
【0062】となる。すなわち、An ,Bn は
【0063】
【数15】
【0064】で求められ、これを数13に代入すること
により、測定箇所毎の検量線を補正できる。100℃に
おける測定は、ヒータによる試料乾燥の終了時に、25
℃における測定は、乾燥後試料を降温して行なえばよ
い。これより、絶縁膜の膜厚や配線の反射率の影響を除
去し、温度測定精度を向上できる。
【0065】また、図2において、フィルタ7b,7c
をそれぞれ、レーリ光および蛍光を透過させるものと
し、フィルタ可変装置15によりレーリ光と蛍光の測定
の切り換えを行なう。これにより、蛍光強度の測定の直
前にレーリ光強度を測定し、データ処理装置10であら
かじめ設定した値と比較し、この設定値からのずれに従
い、フィルタ16を変え、ずれが最小となるようにす
る。これにより、試料に照射されるレーザ光の強度を常
に一定にでき、温度測定精度を向上できる。
【0066】また、測定中に図2のシャッタ41を開閉
してレーザ光11を間歇的に照射することにより、レー
ザ光による試料の熱損傷を防ぐことが出来る。
【0067】図9、図10に測定のアルゴリズムを示し
た。試料5を試料台6に置いた後、試料5の配線部にプ
ローブ33を接触させた。次に導入管32より窒素ガス
を導入しながら、ヒータ29により、試料を100℃に
加熱して、乾燥を行なった。試料5の直下に熱電対30
を設けて温度をモニタし、温度コントローラ31により
温度が常に100℃になるようにした。乾燥を行なった
後、レーザ光源1を点灯し、100℃における蛍光強度
を測定した。次に温度コントローラ31により試料5を
25℃まで降温し、再び蛍光強度を測定した。
【0068】これらの測定はサブルーチンPに示すよう
に、配線W1 〜W7 のそれぞれの上で行った。また、測
定はサブルーチンMに示すように、毎回バンドパスフィ
ルタ7bと7cとを切り替え、レーリ光と蛍光とを交互
に測定した。レーリ光強度Rの基準値R0 からのずれR
−R0 が−ΔRからΔRまでの許容範囲を超えた場合、
このずれの大きさに従い減衰フィルタ16を回転してレ
ーザ光強度を調整した。この回転角Δθは減衰フィルタ
16の角度変化に対するレーリ光強度の変化率dR/d
θと上記のずれとから数14により求めた。これらの操
作をずれR−R0 が許容範囲に収まるまで繰り返した
後、蛍光測定を行った。また、蛍光及びレーリ光の測定
時にはシャッタ41を1秒ごとに開閉して行なった。
【0069】これらの操作により求めた100℃及び2
5℃における各測定個所の蛍光強度L1(100) 〜L7
(100) 及びL1(25) 〜L7(25) から数15によ
り、測定個所毎の検量線の係数An ,Bn を求めた。
【0070】次にプローブ33により試料5の配線に1
50mAを印加し、再びサブルーチンPにより蛍光強度
を測定した。これから数13の検量線と係数An ,Bn
を用いて測定個所ごとに温度Tn を求めた。これを図7
に示した。横軸には通電配線から、各配線までの距離を
示した。
【0071】図11に、ポリイミド膜の温度分布の一例
を示した。本測定はa,b,dの3点で行った。横軸は
配線の長手方向(図2のy方向)の座標を示し、A部の
中心を0μmとした。図中のa,b,dは図1(c)の
a,b,d各点に対応した値である。
【0072】図11の温度から数8により推定した配線
温度分布を図12に示した。横軸には配線の長手方向
(y方向)の位置を示した。このように本法により配線
の温度分布を求めることが出来た。
【0073】本法で求めた配線温度を検証するため、配
線の抵抗変化により求めた平均温度を参照値として用い
た。図11の温度を端から端まで(−10〜10μm)
平均した値は125℃となった。これに対して、抵抗法
による値は132℃であり、本法と7℃の間で一致し
た。
【0074】図6のアルゴリズムでは、試料の温度分布
を得るために測定位置を移動して行なっているが、検出
器9をマルチチャンネル形とすれば、x方向の複数点の
温度TA ,TB を1回で測定でき、温度分布を迅速に求
めることができるため、配線の温度が時間と共に変化し
ていくような場合の温度測定に特に有効である。
【0075】(実施例2)実施例2の検量線を図13に
示した。これはポリイミド膜中に蛍光強度の大きなフル
オレセインを混合したもので、ポリイミドだけの膜と比
べ蛍光強度を102 倍大きくできた。これから、10~2
秒の測定時間でポリイミド単独の膜と同等の温度測定
精度を得られた。
【0076】(実施例3)本発明の実施例3を図14に
示した。5aは試料、5bは標準試料、20は集光レン
ズ、21は入射スリット、22a〜dは凹面鏡、23
a,bは回折格子、24は中間スリット、25はスリッ
ト移動機構、26はレーリ光である。
【0077】この実施例では分光器として2枚の回折格
子を差分散配置にしたものを用いている。これはスリッ
ト21から入射した光を回折格子23aで分光してスリ
ット24上にスペクトル像を結ばせた後、回折格子23
bで白色光に戻して、検出器9上の1点に集光させる。
この方式は、回折格子を差分散配置したものと比べて、
波長分解能が低い。そのため、図5に示すようなポリイ
ミドの発光を効率良く検出できる。検出器9に入射する
光の波長範囲はスリット24の位置と幅で決まる。そこ
で、450〜700nmの波長範囲の光を同時に検出器
9に入射できるように、スリット24の位置と幅を設定
した。また、スリット24を図15のように蛍光の通過
する穴24aとレーリ光の通過する穴24bを開けたも
のとし、スリット移動機構25でこれを回転させること
により、蛍光13とレーリ光26とを交互に測定した。
これは回折格子を回転させる従来の方式と比べて、高速
の波長切り換えができる。また、レーリ光の通過穴24
bには光減衰フィルタを取り付けることにより、検出器
9に強度の大きいレーリ光が入射して損傷を与えるのを
防いだ。この装置で図6のアルゴリズムで測定を行なう
ことにより、実施例1と同様に、配線温度を測定でき
た。
【0078】(実施例4)本発明の実施例4を図16に
示した。これは実施例3の試料からのレーリ光を測定す
る代わりに、レーザ光11の一部を、半透鏡28で検出
器27に導き、レーザ光の強度の変動をモニタするもの
である。これにより実施例3と同様に、試料に照射され
るレーザ光の強度を常に一定にでき、配線温度を正確に
求めることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、1μm以下の幅の配線
でも、これの上の絶縁膜の複数箇所からの蛍光を測定
し、温度勾配を求めることにより、配線の温度を測定す
ることができる効果がある。これは配線の寿命予測のた
めに非常に有用なものである。また、配線の微小箇所の
異常発熱を検出することもでき、不良箇所の検出にも有
用である。
【0080】また、本発明によれば配線温度の推定式と
して1/rの一次関数を用いることにより、配線の温度
分布を迅速に求めることができ、短時間に配線寿命を評
価できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱伝導の説明図。
【図2】実施例1の装置のブロック図。
【図3】配線の説明図。
【図4】試料の強度特性図。
【図5】蛍光強度と温度との関係の検量線図。
【図6】有限要素法の説明図。
【図7】有限要素法による温度の計算結果の説明図。
【図8】温度分布の測定結果(横軸r)の特性図。
【図9】温度測定のアルゴリズムのフローチャート。
【図10】温度測定のアルゴリズムのフローチャート。
【図11】Ta,Tb,Tc,Td温度分布の測定結果
(横軸y)の特性図。
【図12】配線温度分布の計算結果の特性図。
【図13】ポリイミドにフルオレセインを加えた膜の検
量線の特性図。
【図14】実施例3の装置のブロック図。
【図15】実施例3のスリットの説明図。
【図16】実施例4の装置のブロック図。
【図17】従来技術のブロック図。
【符号の説明】
W…配線、 P1…非蛍光性絶縁膜、 P2…蛍光性絶縁膜、 S…基板、 T1…配線の温度、 T(x)…蛍光性絶縁膜の温度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊東 俊樹 東京都小平市上水本町五丁目20番1号株式 会社日立製作所半導体事業部内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体素子の配線の上に形成した第1の絶
    縁膜の蛍光を利用して温度を測定する方法において、前
    記配線と前記第1の絶縁膜とが、蛍光強度が微弱な第2
    の絶縁膜によって隔離されている試料の温度測定に当た
    り、前記蛍光により求めた前記第1の絶縁膜の温度から
    の前記配線の温度の推定は、前記蛍光の測定位置の上記
    配線からの距離rと、前記蛍光の測定位置の温度Tとの
    関係を示す数1において、rの関数f(r)及び係数a
    を前記第1の絶縁膜の2点以上A,B,・・・における
    温度TA,TB,・・・と、前記配線から前記A,B,・
    ・・点までの距離rA,rB,・・・とから求め、数1を
    配線の位置に外挿することによって行うことを特徴とす
    る配線温度測定法。 【数1】 たゞし、T0:基板温度
  2. 【請求項2】請求項1に記載の前記関数f(r)は1/
    rによって近似する配線温度測定法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の前記第1の絶縁膜は、イ
    ミド基を有するポリマである配線温度測定法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の前記第1の絶縁膜は、蛍
    光物質を含有したものである配線温度測定法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の前記温度測定は、試料と
    反応を起さない乾燥した気体中で行なう配線温度測定
    法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の前記温度測定は、事前に
    上記絶縁膜中の水分を蒸発させた後に行なう配線温度測
    定法。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の前記複数箇所における蛍
    光から温度を求める方法は、あらかじめ所定の温度に試
    料を加熱して、前記複数箇所からの蛍光を測定し、これ
    らの蛍光強度を用いて、前記各箇所毎に温度の検量線の
    係数を補正する方法を含んで成る配線温度測定法。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の前記蛍光測定は、毎回の
    測定ごとにレーリ光強度を測定し、このレーリ光強度の
    基準値からのずれを求め、このずれからあらかじめ定め
    た関係式に従って、レーザ光強度を可変する方法を含ん
    で成る配線温度測定法。
  9. 【請求項9】請求項1に記載の前記蛍光測定は、試料に
    レーザ光を間歇的に照射して行なう配線温度測定法。
  10. 【請求項10】レーザ光源と、レーザ光を試料上の微小
    箇所に集光させる手段と、試料から出射した蛍光とレー
    リ光とを分離する手段と、前記分離した光を検出する手
    段とを備えた蛍光分光光度計において、請求項1に記載
    の前記配線温度の推定を行なう手段、請求項5に記載の
    乾燥を行なう手段、請求項6に記載の蒸発を行なう手
    段、請求項7に記載の検量線の係数を補正する手段、請
    求項8に記載のレーザ光強度可変手段、及び請求項9に
    記載の間歇照射手段を設けた蛍光分光光度計。
  11. 【請求項11】幅の狭い部分と広い部分とを有する配線
    において、前記配線の温度分布を請求項1ないし10に
    記載の配線温度測定法を用いて行う配線品質評価法。
  12. 【請求項12】請求項11において、前記狭幅配線と同
    一の物質からなり、前記狭幅配線と同一または類似の形
    状を有する擬似配線を、前記狭幅配線と平行に1本以上
    設けた寿命試験用配線。
  13. 【請求項13】請求項1において、前記測定箇所は請求
    項11に記載の前記狭幅配線の位置または請求項12に
    記載の前記擬似配線の位置とする配線温度測定法。
JP7129988A 1994-06-07 1995-05-29 顕微蛍光分光法による半導体微細配線の温度測定法 Pending JPH0854293A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1978784A1 (en) * 2007-04-05 2008-10-08 Whirlpool Corporation Method for estimating the surface temperature of a random positioning cooking hob.

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1978784A1 (en) * 2007-04-05 2008-10-08 Whirlpool Corporation Method for estimating the surface temperature of a random positioning cooking hob.

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