JPH0853439A - チオフェン類の製造方法 - Google Patents
チオフェン類の製造方法Info
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- JPH0853439A JPH0853439A JP6190584A JP19058494A JPH0853439A JP H0853439 A JPH0853439 A JP H0853439A JP 6190584 A JP6190584 A JP 6190584A JP 19058494 A JP19058494 A JP 19058494A JP H0853439 A JPH0853439 A JP H0853439A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 下記一般式(I)
【化1】
で示される1,4−ジアルデヒド誘導体を、当該1,4
−ジアルデヒド誘導体1モルに対して0.001〜0.
5モル量の塩化水素の存在下に70〜180℃の温度で
硫化水素と反応させることを特徴とする下記一般式(I
I) 【化2】 (式中、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を
表す。)で示されるチオフェン類の製造方法。 【効果】 チオフェンまたは3位に置換基を有するチオ
フェン誘導体が工業的に有利に製造される。
−ジアルデヒド誘導体1モルに対して0.001〜0.
5モル量の塩化水素の存在下に70〜180℃の温度で
硫化水素と反応させることを特徴とする下記一般式(I
I) 【化2】 (式中、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を
表す。)で示されるチオフェン類の製造方法。 【効果】 チオフェンまたは3位に置換基を有するチオ
フェン誘導体が工業的に有利に製造される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チオフェン類の製造方
法に関する。本発明により製造されるチオフェン類は、
各種の医薬、農薬の合成中間体として有用である。
法に関する。本発明により製造されるチオフェン類は、
各種の医薬、農薬の合成中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】チオフェンおよびその誘導体は、従来、
(1)オレフィン、ジエンと硫化水素とを触媒の存在
下、400℃以上の高温で反応させる方法(例えば、特
開昭50−122483号公報、特開昭50−1236
61号公報、特開昭51−122061号公報参照)、
(2)ジエンと硫黄を水蒸気とともに400℃以上の高
温で反応させる方法(例えば、特開昭54−76574
号公報参照)、(3)アルコール、アルデヒドなどを二
硫化炭素と金属酸化物触媒の存在下、約500℃で反応
させる方法(米国特許第3822289号参照)、
(4)1,4−ジアルデヒド誘導体と硫化水素を塩化水
素ガス流通下に反応させる方法[ジャーナル オブ オ
ーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemi
stry)、38巻、2361頁(1973年)参照]、(5)1,4
−ジケトン誘導体を低温で硫化水素、塩化水素と反応さ
せる方法[テトラヘドロン(Tetrahedron )、32巻、28
17頁(1976年)参照]、(6)1,4−ジケトン誘導体
を脱水剤の存在下、硫化水素、塩化水素と反応させる方
法[ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー
(Journal of Organic Chemistry)、17巻、1405頁(19
52年)参照]で製造されることが知られている。
(1)オレフィン、ジエンと硫化水素とを触媒の存在
下、400℃以上の高温で反応させる方法(例えば、特
開昭50−122483号公報、特開昭50−1236
61号公報、特開昭51−122061号公報参照)、
(2)ジエンと硫黄を水蒸気とともに400℃以上の高
温で反応させる方法(例えば、特開昭54−76574
号公報参照)、(3)アルコール、アルデヒドなどを二
硫化炭素と金属酸化物触媒の存在下、約500℃で反応
させる方法(米国特許第3822289号参照)、
(4)1,4−ジアルデヒド誘導体と硫化水素を塩化水
素ガス流通下に反応させる方法[ジャーナル オブ オ
ーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemi
stry)、38巻、2361頁(1973年)参照]、(5)1,4
−ジケトン誘導体を低温で硫化水素、塩化水素と反応さ
せる方法[テトラヘドロン(Tetrahedron )、32巻、28
17頁(1976年)参照]、(6)1,4−ジケトン誘導体
を脱水剤の存在下、硫化水素、塩化水素と反応させる方
法[ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー
(Journal of Organic Chemistry)、17巻、1405頁(19
52年)参照]で製造されることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)〜(3)の
方法では、高温を要すること、タールおよびコークス状
物が生成し、触媒を使用する場合には触媒の再生が頻繁
に必要となること、3位に置換基を有するチオフェン類
を製造する場合には異性体が生成し易いこと等の問題点
があった。また、上記(4)〜(6)の方法では、使用
する硫化水素と塩化水素の量が示されていないが、次の
ような欠点がある。(4)の方法については、本発明者
らの実験によれば、反応を完結させるために多量の塩化
水素ガスが必要であり、その塩化水素の処理が問題とな
る。(5)の方法を1,4−ジアルデヒド誘導体に適用
した場合、本発明者らの実験によれば、チオフェン類は
低い収率でしか得られなかった。また、(6)の方法
は、脱水剤として等モル以上の塩化亜鉛や塩化スズの存
在下に製造しなければならない。
方法では、高温を要すること、タールおよびコークス状
物が生成し、触媒を使用する場合には触媒の再生が頻繁
に必要となること、3位に置換基を有するチオフェン類
を製造する場合には異性体が生成し易いこと等の問題点
があった。また、上記(4)〜(6)の方法では、使用
する硫化水素と塩化水素の量が示されていないが、次の
ような欠点がある。(4)の方法については、本発明者
らの実験によれば、反応を完結させるために多量の塩化
水素ガスが必要であり、その塩化水素の処理が問題とな
る。(5)の方法を1,4−ジアルデヒド誘導体に適用
した場合、本発明者らの実験によれば、チオフェン類は
低い収率でしか得られなかった。また、(6)の方法
は、脱水剤として等モル以上の塩化亜鉛や塩化スズの存
在下に製造しなければならない。
【0004】本発明の目的は、温和な条件で、塩化水素
を触媒量程度、反応系に存在させることにより、選択性
よくチオフェン類を製造し得る工業的に有利な方法を提
供することにある。
を触媒量程度、反応系に存在させることにより、選択性
よくチオフェン類を製造し得る工業的に有利な方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、下記一般式(I)
目的は、下記一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、Rは水素原子、アルキル基または
アリール基を表し、Aは保護されたホルミル基を表
す。)で示される1,4−ジアルデヒド誘導体[以下、
これを1,4−ジアルデヒド誘導体(I)と略記するこ
とがある]を、当該1,4−ジアルデヒド誘導体(I)
1モルに対して0.001〜0.5モル量の塩化水素の
存在下に70〜180℃の温度で硫化水素と反応させる
ことを特徴とする下記一般式(II)
アリール基を表し、Aは保護されたホルミル基を表
す。)で示される1,4−ジアルデヒド誘導体[以下、
これを1,4−ジアルデヒド誘導体(I)と略記するこ
とがある]を、当該1,4−ジアルデヒド誘導体(I)
1モルに対して0.001〜0.5モル量の塩化水素の
存在下に70〜180℃の温度で硫化水素と反応させる
ことを特徴とする下記一般式(II)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、Rは前記定義のとおりである。)
で示されるチオフェン類[以下、これをチオフェン類
(II)と略記することがある]の製造方法を提供するこ
とにより達成される。
で示されるチオフェン類[以下、これをチオフェン類
(II)と略記することがある]の製造方法を提供するこ
とにより達成される。
【0010】上記一般式(I)および(II)において、
Rが表すアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のどちら
でもよく、好適なアルキル基として、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二級ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基などの低級アルキル基
が挙げられる。かかるアルキル基は塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基などのアルコ
キシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、プロポキシカルボニル基などのアルコキシカルボニ
ル基;フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニ
ル基、クロロフェニル基などのアリール基などで置換さ
れていてもよい。
Rが表すアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のどちら
でもよく、好適なアルキル基として、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二級ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基などの低級アルキル基
が挙げられる。かかるアルキル基は塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基などのアルコ
キシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、プロポキシカルボニル基などのアルコキシカルボニ
ル基;フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニ
ル基、クロロフェニル基などのアリール基などで置換さ
れていてもよい。
【0011】Rが表すアリール基としては、例えばフェ
ニル基、ナフチル基などが挙げられ、これらは上記のア
ルキル基と同様にハロゲン原子、アルコキシル基、アル
コキシカルボニル基などで置換されていてもよい。
ニル基、ナフチル基などが挙げられ、これらは上記のア
ルキル基と同様にハロゲン原子、アルコキシル基、アル
コキシカルボニル基などで置換されていてもよい。
【0012】また、Aが表す保護されたホルミル基とし
ては、例えば次に示すものを挙げることができる。
ては、例えば次に示すものを挙げることができる。
【0013】
【化5】
【0014】上記の反応において塩化水素は1,4−ジ
アルデヒド誘導体(I)1.0モルに対して0.001
〜0.5モルの範囲で使用する。塩化水素の使用量が上
記の0.001モルよりも少ない場合には、収率が低く
なるため好ましくない。また、塩化水素を上記の0.5
モルより多く用いたとしても、収率の向上などの格段の
効果は期待できない。塩化水素の使用量としては、1,
4−ジアルデヒド誘導体(I)1.0モルに対して0.
01〜0.5モルの範囲が好ましい。
アルデヒド誘導体(I)1.0モルに対して0.001
〜0.5モルの範囲で使用する。塩化水素の使用量が上
記の0.001モルよりも少ない場合には、収率が低く
なるため好ましくない。また、塩化水素を上記の0.5
モルより多く用いたとしても、収率の向上などの格段の
効果は期待できない。塩化水素の使用量としては、1,
4−ジアルデヒド誘導体(I)1.0モルに対して0.
01〜0.5モルの範囲が好ましい。
【0015】上記の反応において硫化水素は1,4−ジ
アルデヒド誘導体(I)1.0モルに対して0.75〜
2.0モルの範囲で使用するのが好ましく、1.0〜
1.5モルの範囲で使用するのがより好ましい。
アルデヒド誘導体(I)1.0モルに対して0.75〜
2.0モルの範囲で使用するのが好ましく、1.0〜
1.5モルの範囲で使用するのがより好ましい。
【0016】反応は不活性溶媒の存在下または不存在下
で行われる。用いられる溶媒としては、反応を著しく阻
害しないもので、チオフェン類と分離可能なものであれ
ばよく、例えば、ヘキサン、オクタン、デカリン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クメン、メシチレン、シメ
ン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、
ブロモベンゼン、ニトロベンゼンなどの炭化水素系溶
媒;ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム
などのエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、プロ
パノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノー
ル、オクタノールなどのアルコール系溶媒;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒など
が挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上
の組合わせで使用される。溶媒は、反応液中での塩化水
素濃度が0.01モル/リットルを下回らない範囲内で
用いることが必要である。
で行われる。用いられる溶媒としては、反応を著しく阻
害しないもので、チオフェン類と分離可能なものであれ
ばよく、例えば、ヘキサン、オクタン、デカリン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クメン、メシチレン、シメ
ン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、
ブロモベンゼン、ニトロベンゼンなどの炭化水素系溶
媒;ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム
などのエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、プロ
パノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノー
ル、オクタノールなどのアルコール系溶媒;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒など
が挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上
の組合わせで使用される。溶媒は、反応液中での塩化水
素濃度が0.01モル/リットルを下回らない範囲内で
用いることが必要である。
【0017】反応は70〜180℃の範囲の温度で行
う。70℃よりも低い温度では反応が進みにくくなり好
ましくない。また、反応温度を180℃より高い温度ま
で加温しても、収率は高くならず、加温のために高価な
熱源が必要となるなど経済的にも好ましくない。反応時
間は通常1分間〜100時間、好ましくは10分間〜5
0時間の範囲であるが、反応条件に応じて適当な反応時
間を選ぶことができる。
う。70℃よりも低い温度では反応が進みにくくなり好
ましくない。また、反応温度を180℃より高い温度ま
で加温しても、収率は高くならず、加温のために高価な
熱源が必要となるなど経済的にも好ましくない。反応時
間は通常1分間〜100時間、好ましくは10分間〜5
0時間の範囲であるが、反応条件に応じて適当な反応時
間を選ぶことができる。
【0018】反応は常圧または加圧下に行われる。使用
する溶媒の沸点が反応温度より低い場合には、加圧下に
反応を行うことが好ましい。なお、圧力は、使用する溶
媒の種類、反応温度などの反応条件により、適宜設定す
ることができ、ゲージ圧で0.01気圧から圧力容器の
耐圧範囲内である。
する溶媒の沸点が反応温度より低い場合には、加圧下に
反応を行うことが好ましい。なお、圧力は、使用する溶
媒の種類、反応温度などの反応条件により、適宜設定す
ることができ、ゲージ圧で0.01気圧から圧力容器の
耐圧範囲内である。
【0019】本反応において、1,4−ジアルデヒド誘
導体(I)、硫化水素および塩化水素を混合する方法は
特に限定されないが、1,4−ジアルデヒド誘導体
(I)と硫化水素の混合物に塩化水素を加えるか、硫化
水素と塩化水素の混合物に1,4−ジアルデヒド誘導体
(I)を添加する方法が好ましい。混合する際の温度は
特に限定されない。すなわち、反応温度(70〜180
℃)に加温しておいて混合させることもできるし、反応
温度より低い温度で混合したのち70〜180℃に加温
して反応させることもできる。
導体(I)、硫化水素および塩化水素を混合する方法は
特に限定されないが、1,4−ジアルデヒド誘導体
(I)と硫化水素の混合物に塩化水素を加えるか、硫化
水素と塩化水素の混合物に1,4−ジアルデヒド誘導体
(I)を添加する方法が好ましい。混合する際の温度は
特に限定されない。すなわち、反応温度(70〜180
℃)に加温しておいて混合させることもできるし、反応
温度より低い温度で混合したのち70〜180℃に加温
して反応させることもできる。
【0020】反応後の単離精製は通常の方法により行う
ことができる。例えば、反応混合物をアルカリで中和
し、水にあけ、分液または有機溶媒で抽出する。抽出液
を濃縮して粗生成物を得、該粗生成物を必要に応じて蒸
留、再結晶、クロマトグラフィーなどにより精製し、チ
オフェン類(II)を得る。
ことができる。例えば、反応混合物をアルカリで中和
し、水にあけ、分液または有機溶媒で抽出する。抽出液
を濃縮して粗生成物を得、該粗生成物を必要に応じて蒸
留、再結晶、クロマトグラフィーなどにより精製し、チ
オフェン類(II)を得る。
【0021】原料となる1,4−ジアルデヒド誘導体
(I)は、公知の方法、例えば、ジャーナル オブ オ
ーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemi
stry)、38巻、2361頁(1973年)に示される方法によ
り、容易に製造される。
(I)は、公知の方法、例えば、ジャーナル オブ オ
ーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemi
stry)、38巻、2361頁(1973年)に示される方法によ
り、容易に製造される。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら
限定されるものではない。
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら
限定されるものではない。
【0023】比較例1 [前記(4)の方法]4,4−ジメトキシ−3−メチル
ブタナール1.1g(7.5mmol)をメタノール3
7mlに溶解した。この溶液に硫化水素を室温で1時間
吹き込み、飽和させた。次に60℃に加熱し、塩化水素
を継続的に2時間、反応液表面に流通させた。塩化水素
の使用量は原料の10倍モルであった。反応液に水35
mlを加え、ペンタン20mlで4回抽出した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、常圧で溶媒を留去した。その
後、クーゲルロールで蒸留し、3−メチルチオフェン
0.30g(3.1mmol)が得られた(収率41
%)。
ブタナール1.1g(7.5mmol)をメタノール3
7mlに溶解した。この溶液に硫化水素を室温で1時間
吹き込み、飽和させた。次に60℃に加熱し、塩化水素
を継続的に2時間、反応液表面に流通させた。塩化水素
の使用量は原料の10倍モルであった。反応液に水35
mlを加え、ペンタン20mlで4回抽出した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、常圧で溶媒を留去した。その
後、クーゲルロールで蒸留し、3−メチルチオフェン
0.30g(3.1mmol)が得られた(収率41
%)。
【0024】比較例2 [前記(5)の方法]4,4−ジメトキシ−3−メチル
ブタナール2.3g(16mmol)、内部標準物質と
してのジフェニルおよびエタノール200mlの溶液
に、−50℃で硫化水素を吹き込んだ。次に、塩化水素
を1.5時間導入した。さらに同温度で4時間硫化水素
を流通させた。硫化水素、塩化水素ともに原料に対して
過剰量使用した。反応液をガスクロマトグラフィーを用
いて内部標準法で分析した結果、3ーメチルチオフェン
が0.24g(2.4mmol)生成していることが分
かった(収率15%)。
ブタナール2.3g(16mmol)、内部標準物質と
してのジフェニルおよびエタノール200mlの溶液
に、−50℃で硫化水素を吹き込んだ。次に、塩化水素
を1.5時間導入した。さらに同温度で4時間硫化水素
を流通させた。硫化水素、塩化水素ともに原料に対して
過剰量使用した。反応液をガスクロマトグラフィーを用
いて内部標準法で分析した結果、3ーメチルチオフェン
が0.24g(2.4mmol)生成していることが分
かった(収率15%)。
【0025】実施例1 耐圧ビンに4,4−ジメトキシ−3−メチルブタナール
0.28g(1.9mmol)および内部標準物質とし
てのジフェニルを入れた。−20℃まで冷却し、硫化水
素メタノール溶液(0.68mol/リットル)3.4
mlを加え、数分間撹拌し、次に塩化水素メタノール溶
液(5.8mol/リットル)0.035ml加えた。
−20℃で30分間撹拌した後、室温で30分間撹拌
し、さらに80℃で6時間撹拌した。反応液をガスクロ
マトグラフィーを用いて内部標準法で分析した結果、3
ーメチルチオフェンが0.16g(1.6mmol)生
成していた(収率84%)。
0.28g(1.9mmol)および内部標準物質とし
てのジフェニルを入れた。−20℃まで冷却し、硫化水
素メタノール溶液(0.68mol/リットル)3.4
mlを加え、数分間撹拌し、次に塩化水素メタノール溶
液(5.8mol/リットル)0.035ml加えた。
−20℃で30分間撹拌した後、室温で30分間撹拌
し、さらに80℃で6時間撹拌した。反応液をガスクロ
マトグラフィーを用いて内部標準法で分析した結果、3
ーメチルチオフェンが0.16g(1.6mmol)生
成していた(収率84%)。
【0026】実施例2 耐圧ビンに、4、4−ジメトキシ−3−メチルブタナー
ル0.25g(1.7mmol)および内部標準物質と
してのジフェニルを入れた。硫化水素オクタノール溶液
(0.16mol/リットル)11mlを加え、数分間
撹拌した後、塩化水素オクタノール溶液(3.83mo
l/リットル)0.22mlを加えた。室温で30分間
撹拌し、さらに120℃で2.5時間撹拌した。反応液
をガスクロマトグラフィーを用いて内部標準法で分析し
た結果、3ーメチルチオフェンが0.11g(1.1m
mol)生成していた(収率65%)。
ル0.25g(1.7mmol)および内部標準物質と
してのジフェニルを入れた。硫化水素オクタノール溶液
(0.16mol/リットル)11mlを加え、数分間
撹拌した後、塩化水素オクタノール溶液(3.83mo
l/リットル)0.22mlを加えた。室温で30分間
撹拌し、さらに120℃で2.5時間撹拌した。反応液
をガスクロマトグラフィーを用いて内部標準法で分析し
た結果、3ーメチルチオフェンが0.11g(1.1m
mol)生成していた(収率65%)。
【0027】実施例3 実施例1において、4,4−ジメトキシ−3−メチルブ
タナール0.28g(1.9mmol)の代わりに4,
4−ジメトキシブタナール0.25g(1.9mmo
l)を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、
チオフェンを得た(収率73%)。
タナール0.28g(1.9mmol)の代わりに4,
4−ジメトキシブタナール0.25g(1.9mmo
l)を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、
チオフェンを得た(収率73%)。
【0028】実施例4 実施例1において、4,4−ジメトキシ−3−メチルブ
タナール0.28g(1.9mmol)の代わりに4,
4−ジメトキシ−3−イソプロピルブタナール0.33
g(1.9mmol)を用いた以外は実施例1と同様に
して反応を行い、3−イソプロピルチオフェンを得た
(収率81%)。
タナール0.28g(1.9mmol)の代わりに4,
4−ジメトキシ−3−イソプロピルブタナール0.33
g(1.9mmol)を用いた以外は実施例1と同様に
して反応を行い、3−イソプロピルチオフェンを得た
(収率81%)。
【0029】実施例5 実施例1において、4,4−ジメトキシ−3−メチルブ
タナール0.28g(1.9mmol)の代わりに4,
4−ジメトキシ−3−フェニルブタナール0.40g
(1.9mmol)を用いた以外は実施例1と同様にし
て反応を行い、3−フェニルチオフェンを得た(収率7
8%)。
タナール0.28g(1.9mmol)の代わりに4,
4−ジメトキシ−3−フェニルブタナール0.40g
(1.9mmol)を用いた以外は実施例1と同様にし
て反応を行い、3−フェニルチオフェンを得た(収率7
8%)。
【0030】実施例6〜7 実施例1において、4,4−ジメトキシ−3−メチルブ
タナール0.28g(1.9mmol)の代わりに表1
に示す化合物1.9mmolを用いた以外は実施例1と
同様にして反応を行い、3−メチルチオフェンを得た。
タナール0.28g(1.9mmol)の代わりに表1
に示す化合物1.9mmolを用いた以外は実施例1と
同様にして反応を行い、3−メチルチオフェンを得た。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、チオフェンまたは3位
に置換基を有するチオフェンが、温和な条件下、塩化水
素を触媒量程度反応系に存在させることにより、選択性
よく工業的に有利に製造される。
に置換基を有するチオフェンが、温和な条件下、塩化水
素を触媒量程度反応系に存在させることにより、選択性
よく工業的に有利に製造される。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を
表し、Aは保護されたホルミル基を表す。)で示される
1,4−ジアルデヒド誘導体を、当該1,4−ジアルデ
ヒド誘導体1モルに対して0.001〜0.5モル量の
塩化水素の存在下に70〜180℃の温度で硫化水素と
反応させることを特徴とする下記一般式(II) 【化2】 (式中、Rは前記定義のとおりである。)で示されるチ
オフェン類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6190584A JPH0853439A (ja) | 1994-08-12 | 1994-08-12 | チオフェン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6190584A JPH0853439A (ja) | 1994-08-12 | 1994-08-12 | チオフェン類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0853439A true JPH0853439A (ja) | 1996-02-27 |
Family
ID=16260501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6190584A Pending JPH0853439A (ja) | 1994-08-12 | 1994-08-12 | チオフェン類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0853439A (ja) |
-
1994
- 1994-08-12 JP JP6190584A patent/JPH0853439A/ja active Pending
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