JPH0853070A - チルト式ステアリング装置 - Google Patents

チルト式ステアリング装置

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Publication number
JPH0853070A
JPH0853070A JP18832494A JP18832494A JPH0853070A JP H0853070 A JPH0853070 A JP H0853070A JP 18832494 A JP18832494 A JP 18832494A JP 18832494 A JP18832494 A JP 18832494A JP H0853070 A JPH0853070 A JP H0853070A
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JP
Japan
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stud
tilt
bracket
nut
male screw
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Application number
JP18832494A
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English (en)
Inventor
Teruomi Yanagidate
輝臣 柳舘
Kiyoshi Sadakata
清 定方
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定ナット21の弛み止めを確実に図り、固
定ブラケット5に対する昇降ブラケット7及びステアリ
ングコラム3の固定を確実に行わせる。 【構成】 チルトレバー15によりチルトナット14を
回転させると、スタッド19の両端部に螺合した、チル
トナット14と固定ナット21との間隔が変化する。こ
の結果、昇降ブラケット7の固定並びにその解除を行え
る。固定ナット21が螺合した第二の雄ねじ部12に1
対の平坦面20、20を形成する。そして、この平坦面
20、20と、上記昇降ブラケット7に形成した通孔1
8とを係合させ、上記スタッド19の回転を阻止する。
上記固定ナット21に形成した薄肉部22を直径方向内
方に折り曲げる事で変形部23、23とし、この変形部
23、23の先端縁を上記各平坦面20、20に当接さ
せる。これら各変形部23、23と平坦面20、20と
の係合により、上記固定ナット21の回り止めを図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るチルト式ステアリ
ング装置は、自動車を操舵する為のステアリングホイー
ルの高さ位置を調節するものである。
【0002】
【従来の技術】運転者の体格や運転姿勢等に応じてステ
アリングホイールの高さを変えられる様に、チルト式ス
テアリング装置と呼ばれるステアリングホイールの高さ
調節装置が、例えば実開平5−22253号公報に記載
されている様に、従来から知られている。図5〜7は、
この公報に記載されたチルト式ステアリング装置を示し
ている。先ず、この従来装置に就いて説明する。上端部
(後端部)に固定されたステアリングホイール1の操作
により回転するステアリングシャフト2は、ステアリン
グコラム3に挿通されている。このステアリングコラム
3の下(前)端部は車体に、横軸4を中心とする揺動自
在に支持している。又、上記ステアリングコラム3の上
部を車体に、上下位置調節自在に支持している。
【0003】この上下位置調節部分は、図6〜7に示す
様に構成されている。車体に固定した固定ブラケット5
には、前記横軸4を中心とする円弧状の長孔6、6を、
上下方向に亙って形成し、ステアリングコラム3の上部
で、この固定ブラケット5に挟まれる部分には、十分な
剛性を有する金属板を略C字形に折り曲げ形成して成る
昇降ブラケット7を、溶接等により固定している。尚、
上記ステアリングコラム3の上半部で上記固定ブラケッ
ト5よりも上方に突出した部分は、ダッシュボード下面
に形成された凹溝内に進入する。固定ブラケット5は、
この凹溝の両側部分で、車体に固定される。
【0004】上記昇降ブラケット7には、円孔8と、内
周縁に雌セレーション溝を形成した通孔9とを、互いに
同心に形成している。そして、これら円孔8及び通孔9
と、前記長孔6、6とに、1本のスタッド10を挿通し
ている。このスタッド10の一端部(図6の右端部)外
周面には第一の雄ねじ部11を、他端部(図6の左端
部)外周面には第二の雄ねじ部12を、それぞれ形成し
ている。又、上記スタッド10の中間部他端寄り部分に
は雄セレーション部13を形成し、この雄セレーション
部13と上記通孔9の内周縁に形成した雌セレーション
とを係合させている。従って上記スタッド10は、軸方
向(図6の左右方向、図7の表裏方向)に変位するが回
転する事はない。尚、上記雄セレーション部13の外径
(山部分の外接円の直径)は、上記スタッド10の本体
部分の外径と同じか、これよりも僅かに小さい程度とし
ている。
【0005】上記第一の雄ねじ部11にはチルトナット
14を螺合させ、このチルトナット14にチルトレバー
15の基端部を結合固定している。又、上記第二の雄ね
じ部12には固定ナット16を螺合させ、この固定ナッ
ト16の内側面(図6の右側面)を上記固定ブラケット
5の外側面(図6の左側面)に当接させている。上記チ
ルトナット14と固定ナット16との間隔は、上記チル
トナット14の回動に基づき調節自在である。そして、
これら両ナット14、16同士の間隔を狭めた場合に
は、これら両ナット14、16が上記固定ブラケット5
を構成する1対の鉛直板部17、17の内側面を上記昇
降ブラケット7の外側面に押し付ける。
【0006】上述の様に構成される本発明のチルト式ス
テアリング装置により、運転者の体格等に応じて、ステ
アリングホイール1の高さ位置を調節する場合には、上
記チルトレバー15を操作する事により上記チルトナッ
ト14を弛め、このチルトナット14と上記固定ナット
16との間隔を広げる。この状態で、上記1対の鉛直板
部17、17の内側面と上記昇降ブラケット7の外側面
との間に生じる摩擦力が小さくなる。そして、この状態
のまま、固定ブラケット5の長孔6、6に沿ってスタッ
ド10を移動させ、前記ステアリングコラム3の後端部
を昇降させる事により、前記ステアリングホイール1を
所望の高さ位置に移動させる。この様にしてステアリン
グホイール1の高さ位置を所望位置に移動させた状態
で、チルトレバー15により上記チルトナット14を締
め付ける。この締め付けの結果、上記固定ナット16と
チルトナット14との間隔が狭まり、上記1対の鉛直板
部17、17の内側面が上記昇降ブラケット7の外側面
に強く押し付けられて、これら両面間に生じる摩擦力が
大きくなる。この結果、上記ステアリングコラム3の上
部が、調節後の位置に固定される。
【0007】例えば、スタッド10を長孔6、6の上端
に迄移動させた状態でチルトナット14を緊締すれば、
ステアリングホイール1が、図5に実線で示す様に上昇
した状態となり、スタッド10を長孔6、6の下端に迄
移動させた状態でチルトナット14を緊締すれば、ステ
アリングホイール1が、同図に鎖線で示す様に下降した
状態となる。
【0008】尚、チルトレバー15の角度位置は、上記
固定ナット16の締め付け位置により、所望の位置に調
節自在である。従って、上記チルトレバー15が運転者
の膝と干渉する事はない。又、前記第二の雄ねじ部12
に螺着した固定ナット16の外径D16は、前記長孔6の
幅W6 よりも十分に大きく(D16>W6 )して、この固
定ナット16が長孔6を通過しない様にしている。又、
上記長孔6の幅W6 を、前記スタッド10の外径d
10(図6)よりも十分に大きく(W6 >d10)すると共
に、前記長孔6の上端部を、中央部が凹んだ山形形状と
している。長孔6の上端部(下端部でも良い。)をこの
様な山形形状とするのは、チルト式ステアリング装置の
組み立て作業時に前記スタッド10をこの山形形状部分
と係合させる事で、長孔6の幅方向に対するスタッド1
0のセンタリングを行なわせる為である。
【0009】上述の様に構成される、前記公報に記載さ
れたチルト式ステアリング装置の場合、昇降ブラケット
7の通孔9の内周面に形成した雌セレーションと、スタ
ッド10の一部外周面に形成した雄セレーション部13
との係合により、前記固定ブラケット5に対するスタッ
ド10の回り止めを図っている。この為、このスタッド
10の回り止めの為の別部材が不要となり、製作費と設
置スペースとの低減を図れる。又、固定ブラケット5に
形成した長孔6、6は、単にスタッド10を上下方向に
変位させられるものであれば良く、この長孔6、6が上
記スタッド10の回り止め構造に使用されない為、この
長孔6、6の幅W6 を或る程度大きくし、前記固定ブラ
ケット5の取付誤差に対する許容度を大きくして、チル
ト式ステアリング装置の組み立て性を向上させられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
構成され作用する従来のチルト式ステアリング装置は、
スタッド10の本体部分と第二の雄ねじ部12との間に
段部を形成せず、且つ、この第二の雄ねじ部12の直径
を大きくする様に改良する事が望まれている。
【0011】図6〜7に示した従来構造を組み立てる場
合には、昇降ブラケット7に形成した円孔8及び通孔9
にスタッド10を、図6の右から左に挿通する必要があ
る。これは、通孔9の内周縁部に形成した雌セレーショ
ンとスタッド10の外周面に形成した雄セレーション部
13とを係合させる必要があるのに対して、上記通孔9
の内径(雌セレーションの内接円の直径)が上記スタッ
ド10の外径d10よりも小さい為である。従って、上記
第二の雄ねじ部12の外径は、上記雄セレーション部1
3の溝底部の内接円の直径よりも小さくしなければなら
ない。この結果、上記従来構造の場合には、上記第二の
雄ねじ部12の直径が小さくなり、しかもこの第二の雄
ねじ部12と上記雄スプライン部13との間に段部を形
成する必要が生じる。
【0012】ところが、上記第二の雄ねじ部12の直径
が小さくなる事は、この第二の雄ねじ部12に螺合した
固定ナット16を回動させる為に要するトルクが小さく
なる事に結び付く。この結果、この固定ナット16が弛
み易くなり、弛んだ場合にはステアリングホイール1の
高さ位置を固定しておく事ができなくなる。又、上記段
部を形成する作業は、(削り加工により行なうにしろ、
鍛造等の塑性加工により行なうにしろ)面倒で工数増大
によるコスト高の原因となる。本発明のチルト式ステア
リング装置は、この様な事情に鑑みて発明したものであ
る。
【0013】
【課題を解決する為の手段】本発明のチルト式ステアリ
ング装置は、前述した従来のチルト式ステアリング装置
と同様に、後端部にステアリングホイールを固定したス
テアリングシャフトを回転自在に挿通するステアリング
コラムと、このステアリングコラムの前端部を、横軸を
中心とする揺動自在に枢支する枢支部と、前記ステアリ
ングコラムの中間部に固定された昇降ブラケットと、こ
の昇降ブラケットに横方向に亙って形成された通孔と、
この昇降ブラケットを横方向左右両側から挟む状態で車
体に固定される固定ブラケットと、この固定ブラケット
の一部で上記通孔に整合する部分に形成された上下方向
に亙る長孔と、一端部外周面に第一の雄ねじ部を、他端
部外周面に第二の雄ねじ部を、それぞれ有し、上記通孔
及び長孔を横方向に挿通してその両端部を上記固定ブラ
ケットの左右両側面から突出させたスタッドと、上記第
一の雄ねじ部で上記固定ブラケットの一側面から突出し
た部分に螺合したチルトナットと、このチルトナットを
回動させる為のチルトレバーと、上記第二の雄ねじ部で
上記固定ブラケットの他側面から突出した部分に螺合し
た固定ナットとを備える。そして、上記通孔の内周縁と
上記スタッドの一部外周面との非円形嵌合により、前記
通孔の内側でのスタッドの回転を阻止している。
【0014】特に、本発明のチルト式ステアリング装置
に於いては、上記一部外周面は、上記第二の雄ねじ部を
含む部分に形成された非円筒面であり、この非円筒面
は、円筒面の一部にこの円筒面から直径方向内側に凹ん
だ凹入部を形成したものであり、上記固定ナットの一部
で上記固定側ブラケットの外側面と反対側には塑性変形
自在な薄肉部が形成されており、この薄肉部が上記凹入
部に向け折り曲げられる事により、上記スタッドに対す
る上記固定ナットの回転防止が図られている。
【0015】
【作用】上述の様に構成される本発明のチルト式ステア
リング装置により、運転者の体格等に応じて、ステアリ
ングホイールの高さ位置を調節する際の作用自体は、前
述した従来のチルト式ステアリング装置と同様である。
又、昇降ブラケットの通孔とチルトボルトの一部外周面
との嵌合により、このチルトボルトの回り止めを図って
いる為、回り止め片等の別部材が不要となり、製作費と
設置スペースとの低減を図れる。更に、固定ブラケット
に形成した長孔を、前記チルトボルトの回り止め構造に
使用しない為、この長孔の幅寸法を或る程度大きくし
て、前記固定ブラケットの取付誤差に対する許容度を大
きくできる。
【0016】更に、本発明のチルト式ステアリング装置
の場合には、スタッドの回転防止の為の非円筒面を、凹
入部を含んで構成している為、固定ナットを螺合させる
為の第二の雄ねじ部の直径を、スタッドの本体部分の直
径に比べて特に小さくする必要がなくなる。従って、上
記第二の雄ねじ部と螺合した固定ナットを回転させる為
に要するトルクが大きくなり、この固定ナットが弛みに
くくなる。しかも、この固定ナットに形成された薄肉部
を上記凹入部に向け折り曲げている為、これら薄肉部と
凹入部との係合により、上記固定ナットがスタッドに対
して回転する事が防止され、上記固定ナットの弛み止め
がより確実に図られる。
【0017】
【実施例】図1〜4は本発明の実施例を示している。本
発明のチルト式ステアリング装置は、前述した従来装置
と同様、前記図5に示す様に、上端部に固定されたステ
アリングホイール1の操作により回転するステアリング
シャフト2を、ステアリングコラム3に挿通すると共
に、このステアリングコラム3の下端部を車体に、横軸
4を中心とする揺動自在に支持し、上部を車体に、上下
位置調節自在に支持している。
【0018】この上下位置調節部分は、図1〜2に示す
様に構成している。車体に固定した固定ブラケット5に
は、前記横軸4を中心とする円弧状の長孔6、6を、上
下方向に亙って形成し、ステアリングコラム3の上部下
面で、この固定ブラケット5に挟まれる部分には、十分
な剛性を有する金属板を略C字形に折り曲げ形成して成
る昇降ブラケット7を、溶接等により固定している。
【0019】前記昇降ブラケット7には、図3に示す様
に、円孔8と、小判形の通孔18とを、互いに同心に形
成している。尚、この通孔18の長径R18は、上記円孔
8の内径R8 とほぼ等しく(R18≒R8 )している。そ
して、これら円孔8及び通孔18と上記長孔6、6と
に、1本のスタッド19を挿通している。このスタッド
19の外径D19は、上記長径R18及び内径R8 よりも少
しだけ小さく(D19<R 18≒R8 )している。又、上記
外径D19は上記通孔18の幅W18よりも大きい(D19
18)。
【0020】このスタッド19の一端部(図1の右端
部、図4の右下端部)外周面には第一の雄ねじ部11
を、他端部(図1の左端部、図4の左上端部)外周面に
は第二の雄ねじ部12を、それぞれ形成している。又、
上記スタッド19の他端部外周面で、断面の直径方向反
対位置には、互いに平行な1対の平坦面20、20を形
成している。これら各平坦面20、20は、上記スタッ
ド19の外周面を構成する円筒面から直径方向内側に凹
んでいる。即ち、これら各平坦面20、20が、特許請
求の範囲に記載した凹入部に相当する。この様な1対の
平坦面20、20を形成する事により、上記スタッド1
9の他端部の断面形状を、上記通孔18よりも少しだけ
小さな小判形としている。尚、これら1対の平坦面2
0、20は、プレス加工、切削加工等により、容易に形
成できる。
【0021】上述の様なスタッド19は前述の様な昇降
ブラケット7の円孔8及び通孔18に、円孔8から通孔
18に向けて、図1の右から左に挿通している。そし
て、上記1対の平坦部20、20形成部分を、上記通孔
18の内側に位置させている。従って上記スタッド19
は上記昇降ブラケット7に、軸方向(図1の左右方向、
図2の表裏方向)に亙り変位はするが、回転する事なく
係合している。
【0022】この様に昇降ブラケット7に係合したスタ
ッド19の両端部に形成した第一、第二の雄ねじ部1
1、12のうち、第一の雄ねじ部11にはチルトナット
14を螺合させ、このチルトナット14にチルトレバー
15の基端部を結合固定している。尚、チルトナット1
4とチルトレバー15とは、互いに別体に形成したもの
を溶接、嵌合等の結合手段により結合固定して一体のも
のとする他、これらチルトナット14とチルトレバー1
5とを金属材製等の一枚の厚板によって形成する事で最
初から一体のものとしても良い。又、上記第二の雄ねじ
部12には固定ナット21を螺合させ、この固定ナット
21の内側面(図1の右側面)を上記固定ブラケット5
の外側面(図1の左側面)に当接させている。上記チル
トナット14と固定ナット21との間隔は、上記チルト
ナット14の回動に基づき調節自在である。そして、こ
れら両ナット14、21同士の間隔を狭めた場合には、
これら両ナット14、21が上記固定ブラケット5を構
成する1対の鉛直板部17、17の内側面を上記昇降ブ
ラケット7の外側面に押し付ける。
【0023】又、上記固定ナット21の外端部(図1の
左端部)には、円筒状の薄肉部22を形成している。上
記固定ナット21の内側面を上記固定ブラケット5の外
側面に当接させた状態で、この薄肉部22の直径方向反
対位置は、直径方向内方に向けかしめ付ける様に塑性変
形させ、各変形部23、23の先端縁を前記1対の平坦
面20、20に当接させている。従って、上記薄肉部2
2を塑性変形した後に上記固定ナット21は、これら各
変形部23、23の先端縁と平坦面20、20との係合
により、回転する事がなくなる。
【0024】尚、前記長孔6の幅W6 を前記スタッド1
9の外径D19よりも十分に大きくすると共に前記長孔6
の上端部を、中央部が凹んだ山形形状として、チルト式
ステアリング装置の組み立て作業時に、長孔6の幅方向
に対するスタッド19のセンタリングを可能にした点
は、前述した従来構造と同様である。
【0025】上述の様に構成される本発明のチルト式ス
テアリング装置により、運転者の体格等に応じて、ステ
アリングホイールの高さ位置を調節するには、前述した
従来のチルト式ステアリング装置の場合と同様に、チル
トナット14を緩めた状態で、固定ブラケット5の長孔
6、6に沿ってスタッド19を移動させてから、チルト
レバー15によりこのスタッド19と螺合したチルトナ
ット14を締め付ける。この作業により、ステアリング
ホイール1の高さを所望の位置に調節した状態で、ステ
アリングコラム3の上部を車体に固定の固定ブラケット
5に対して支持できる。上記スタッド19は上記昇降ブ
ラケット7に対して、前述の様に、前記1対の平面部2
0、20と通孔18の内周縁部との係合により、回転不
能に支持されている。従って、高さ調節の為の上記チル
トレバー14の操作に伴って上記スタッド19が回転す
る事はなく、上記チルトナット14をスタッド19に対
して確実に回動させる事ができる。
【0026】又、本発明のチルト式ステアリング装置の
場合、昇降ブラケット7の通孔18の内周縁と、スタッ
ド19の他端部外周面に形成した平坦面20、20との
係合により、前記固定ブラケット5に対するスタッド1
9の回り止めを図っている為、前述した従来構造と同様
に、スタッド19の回り止めの為の別部材が不要とな
り、製作費と設置スペースとの低減を図れる。又、固定
ブラケット5に形成した長孔6、6は、単にスタッド1
9を上下方向に変位させられるものであれば良く、この
長孔6、6が前記スタッド19の回り止め構造に使用さ
れない為、この長孔6、6の幅寸法W6 を或る程度大き
くし、前記固定ブラケット5の取付誤差に対する許容度
を大きくして、チルト式ステアリング装置の組み立て性
を向上させられる。
【0027】更に、本発明のチルト式ステアリング装置
の場合には、スタッド19の回転防止の為の非円筒面
を、凹入部である平坦面20、20を含んで構成してい
る為、固定ナット21を螺合させる為の第二の雄ねじ部
12の直径を、スタッド19の本体部分の直径に比べて
特に小さくする必要がなくなる。従って、上記第二の雄
ねじ部12と螺合した固定ナット21を回転させる為に
要するトルクが大きくなり、この固定ナット21が弛み
にくくなる。しかも、この固定ナット21に形成された
円筒状の薄肉部22の直径方向反対位置を上記平坦面2
0、20に向け、直径方向内側に折り曲げている為、こ
れら薄肉部22の変形部23、23と平坦面20、20
との係合により、上記固定ナット21がスタッド19に
対して回転する事が防止される。
【0028】例えば、ステアリングホイール1(図5)
の高さ位置を調節すべく、前記チルトナット14を弛め
た状態では、上記固定ナット21の内側面と前記鉛直板
部17の外側面との間に働く摩擦力は零若しくは極く小
さなものとなる。この状態で上記スタッド19と固定ナ
ット21とに振動が加わると、この固定ナット21が弛
み方向に回動変位する可能性があるが、本発明のチルト
式ステアリング装置の場合には、上記各変形部23、2
3の先端縁と上記平坦面20、20との係合により、上
記固定ナット21の弛み止めが確実に図られる。尚、上
記平坦面20と変形部23とは必ずしも1対設ける必要
はなく、円周方向の1個所設ければ足りる。
【0029】上記薄肉部22を塑性変形させる事で上記
各変形部23、23を形成する作業は、前記チルトレバ
ー15を揺動させる為に要するトルクを調整すべく、上
記固定ナット21を所定のトルクで緊締した後に行う。
この場合に於いて、上記薄肉部22は円筒形であり、上
記各変形部23、23の先端縁を押し付けるべき平面部
20、20の円周方向に亙る位置は、前記通孔18との
係合により常に一定である。従って、上記固定ナット2
1を緊締した後、上記薄肉部22の一部を押し潰して上
記各変形部23、23を形成する作業は、固定ナット2
1の緊締量に関係なく、常に同じ方向から行える。従っ
て、上記固定ナット21の回り止めの為の変形部23、
23形成作業は、プレスを使用する自動プレス作業、或
は工具を使用する手作業の何れによっても容易に行え
る。
【0030】
【発明の効果】本発明のチルト式ステアリング装置は、
以上に述べた通り構成され作用する為、前述した従来構
造の有する効果を何ら損なう事なく、新たに次の〜
の様な効果を得る事ができる。 スタッドの中間部に段部を設ける必要がなく、この
スタッドの製作費の低廉化を図れる。 上記段部が不要となり、固定ナットを螺合させる為
の第二の雄ねじ部が大径になる為、この固定ナットが弛
みにくくなる。 固定ナットの薄肉部をスタッドの凹入部に向け折り
曲げる事で、この固定ナットの弛み止めを図っている
為、この固定ナットの弛み止めが確実である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す、図5のA−A断面に相
当する図。
【図2】図1の左方から見た図。
【図3】昇降ブラケットの斜視図。
【図4】スタッドの斜視図。
【図5】本発明の対象となるチルト式ステアリング装置
の全体構成を示す側面図。
【図6】従来構造の1例を示す、図5のA−A断面に相
当する図。
【図7】図6の左方から見た図。
【符合の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 3 ステアリングコラム 4 横軸 5 固定ブラケット 6 長孔 7 昇降ブラケット 8 円孔 9 通孔 10 スタッド 11 第一の雄ねじ部 12 第二の雄ねじ部 13 雄セレーション部 14 チルトナット 15 チルトレバー 16 固定ナット 17 鉛直板部 18 通孔 19 スタッド 20 平坦面 21 固定ナット 22 薄肉部 23 変形部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後端部にステアリングホイールを固定し
    たステアリングシャフトを回転自在に挿通するステアリ
    ングコラムと、このステアリングコラムの前端部を、横
    軸を中心とする揺動自在に枢支する枢支部と、前記ステ
    アリングコラムの中間部に固定された昇降ブラケット
    と、この昇降ブラケットに横方向に亙って形成された通
    孔と、この昇降ブラケットを横方向左右両側から挟む状
    態で車体に固定される固定ブラケットと、この固定ブラ
    ケットの一部で上記通孔に整合する部分に形成された上
    下方向に亙る長孔と、一端部外周面に第一の雄ねじ部
    を、他端部外周面に第二の雄ねじ部を、それぞれ有し、
    上記通孔及び長孔を横方向に挿通してその両端部を上記
    固定ブラケットの左右両側面から突出させたスタッド
    と、上記第一の雄ねじ部で上記固定ブラケットの一側面
    から突出した部分に螺合したチルトナットと、このチル
    トナットを回動させる為のチルトレバーと、上記第二の
    雄ねじ部で上記固定ブラケットの他側面から突出した部
    分に螺合した固定ナットとを備え、上記通孔の内周縁と
    上記スタッドの一部外周面との非円形嵌合により、前記
    通孔の内側でのスタッドの回転を阻止したチルト式ステ
    アリング装置に於いて、上記一部外周面は、上記第二の
    雄ねじ部を含む部分に形成された非円筒面であり、この
    非円筒面は、円筒面の一部にこの円筒面から直径方向内
    側に凹んだ凹入部を形成したものであり、上記固定ナッ
    トの一部で上記固定側ブラケットの外側面と反対側には
    塑性変形自在な薄肉部が形成されており、この薄肉部が
    上記凹入部に向け折り曲げられる事により、上記スタッ
    ドに対する上記固定ナットの回転防止が図られている事
    を特徴とするチルト式ステアリング装置。
JP18832494A 1994-08-10 1994-08-10 チルト式ステアリング装置 Pending JPH0853070A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6073965A (en) * 1997-01-31 2000-06-13 Fuji Kiko Co., Ltd. Tilt holding force adjusting mechanism for steering column
JP2007203881A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Nsk Ltd ステアリング装置

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