JPH0852832A - 吸油材 - Google Patents

吸油材

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JPH0852832A
JPH0852832A JP6190326A JP19032694A JPH0852832A JP H0852832 A JPH0852832 A JP H0852832A JP 6190326 A JP6190326 A JP 6190326A JP 19032694 A JP19032694 A JP 19032694A JP H0852832 A JPH0852832 A JP H0852832A
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JP
Japan
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oil
fiber
absorbent
sheet
fibers
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JP6190326A
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English (en)
Inventor
Takahiro Tsukuda
貴裕 佃
Tetsuya Ashida
哲也 芦田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の油処理に簡便に使用できると共に、単
位吸油量が多く、加圧圧縮した際の油の漏洩を発生させ
ることなく、機械的強度に優れた吸油材を提供する。 【構成】 熱可塑性繊維を含有する同種又は異種の不織
布間に、粉末状吸油性樹脂、ポリオレフィン系繊維、並
びに熱融着性繊維からなる吸油性シートを配設した3層
構造体であり、該3層構造体の全面又は一部分を熱融着
して一体化してなることを特徴とする吸油材。好ましく
は、吸油性シートが湿式抄紙法によるものであり、不織
布がスパンボンド不織布であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の油処理に簡便に
使用できると共に、単位吸油量が多く、加圧圧縮に際し
て油の漏洩が発生せず、機械的強度に優れた吸油性シー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、吸油材としては、紙、不織布、
布、或いはそれらの貼合体が利用されてきた。これら
は、工場等からの排水の油分除去、油性食品の余剰油の
処理、廃油処理、各種機械からの漏洩油の処理、各種溶
剤の処理、海洋におけるタンカー等の船舶事故による流
出油の処理等広く使用されている。しかし、これらの吸
油材は、吸油材の毛細管現象を利用して、空隙部に油を
保持する機構であるため、吸油材当たりの単位吸油量が
少なく、吸収していた油がわずかな外圧で容易に漏洩し
てしまうため、吸油材の取扱いが煩雑になる等の問題が
あった。
【0003】例えば、特開平5−147166号公報、
実開平5−67392号公報に記載されているように、
吸油性樹脂を2枚のシートで包み込んだ吸油材が提案さ
れている。これらの吸油材は、取扱い時にフック等の治
具を用いた場合、容易に穴が開き、その穴から吸油性樹
脂がこぼれてしまうという問題があった。
【0004】一方、本発明者らが先に出願した特願平6
−70873号における吸油性シートは、ポリオレフィ
ン系繊維及び熱融着性繊維からなる不織布に、粉末状吸
油性樹脂を担持させたものであるが、粉末状吸油性樹脂
の含有量が多くなると、単位吸油量は多くなるが、吸油
後の吸油性シートは強度的に弱く、強く引っ張ると吸油
性シートが切れるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の吸油
材が有する上記問題点を解決するものである。即ち、本
発明の目的は、各種の油処理に簡便に使用できると共
に、単位吸油量が多く、加圧圧縮した場合に油の漏洩が
発生せず、機械的強度に優れた吸油材を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に出願
した特願平6−70873号の吸油性シートについて、
更に鋭意検討を行った結果、本発明の吸油材を発明する
に至った。
【0007】即ち、本発明の吸油材は、熱可塑性繊維を
含有する同種又は異種の不織布間に、粉末状吸油性樹
脂、ポリオレフィン系繊維、並びに熱融着性繊維からな
る吸油性シートを配設した3層構造体の全面又は一部分
を熱融着して一体化してなることを特徴とするものであ
る。
【0008】本発明の吸油材は、吸油性シートが、好ま
しくは湿式抄紙法によって製造されたものである。
【0009】又、本発明の吸油材において、不織布が、
スパンボンド法によって製造されたスパンボンド不織布
であることが好ましい。
【0010】更に好ましくは、スパンボンド不織布が、
ポリオレフィン系繊維を含有するものである。
【0011】以下、本発明の吸油材について、詳細に説
明する。本発明の吸油材について、その構成を図1及び
図2で説明する。図1は、本発明の吸油材の断面図であ
る。図1で、本発明の吸油材1は、熱可塑性繊維を含有
する同種又は異種の不織布2及び不織布3の間に、粉末
状吸油性樹脂4が担持された吸油性シート5が配設され
た3層構造体を示す。又、図2は、本発明の吸油材1の
平面図である。吸油材1の4辺が熱融着部6で一体化さ
せた吸油材1の平面図を示す。
【0012】本発明に用いられる粉末状吸油性樹脂とし
ては、自己膨潤型で高い吸油倍率を有し、加圧圧縮して
も一旦吸油した油を漏洩しないものが使用される。粉末
状にする方法としては、吸油性樹脂の塊を粉砕する方
法、吸油性樹脂の合成段階で貧溶媒中に分散させて合成
し、粉末状で回収する方法等、種々の方法が考えられる
が、特に制限はない。
【0013】本発明に用いられる粉末状吸油性樹脂の見
かけの平均粒子径としては、10μm〜5mmが好まし
い。見かけの平均粒子径とは、二次粒子等の凝集体も含
めて最大の粒子を指し、一次粒子径の小さな粉末状吸油
性樹脂が二次凝集して大きな粒子径の粉末状吸油性樹脂
を形成していても良い。
【0014】本発明に用いられる粉末状吸油性樹脂の見
かけの平均粒子径が10μmより小さい場合は、取扱い
時に吸油性シートから粉末状吸油性樹脂が脱離して好ま
しくない。又、その製造時において、粉末状吸油性樹脂
のシートへの留まりが悪く、多くの粉末状吸油性樹脂が
吸油性シート外へ出ていってしまうため製造効率が非常
に悪化する。一方、5mmよりも大きい場合には、吸油
性シート中での分散が不均一となり、吸油性にムラが出
て、シート切れの原因となるため好ましくない。
【0015】本発明に用いられる粉末状吸油性樹脂の種
類としては特に制限はないが、該吸油性樹脂の吸油量と
して、自重の10倍以上吸油する該吸油性樹脂が好まし
く、自重の20倍以上の油を吸油する該吸油性樹脂がよ
り好ましい。
【0016】粉末状吸油性樹脂の具体例としては、アル
キルスチレン、アルキル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリルアミド、α−オレフィン、ビニルシクロヘ
キサン等の脂環式ビニル化合物、アリルエーテル、ビニ
ルエステル、ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテルか
らなる群より選ばれる少なくとも1種の不飽和化合物を
主成分とする単量体と(メタ)アクリル酸、フマル酸、
イタコン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる少
なくとも1種の単量体との共重合物や、ポリノルボルネ
ンを主成分とする3次元架橋構造を有する吸油性樹脂、
ポリイソブチレン等が挙げられる。
【0017】本発明において、吸油性シート中の粉末状
吸油性樹脂の含有率は、重量比率として、50〜95重
量%が好ましい。ここで、吸油性シート中の粉末状吸油
性樹脂の含有率が50重量%未満では、吸油時の吸油量
としては十分であるが、吸油後に吸油性シートを加圧圧
縮させた場合に、吸油性シート中に蓄えられた油が漏洩
してくるため好ましくない。一方、吸油性シート中の粉
末状吸油性樹脂の含有率が95重量%を超えて多いと、
繊維の含有率が低いためシート化が困難となり、更に吸
油後の吸油性シートの強度が著しく低下してしまうため
好ましくない。
【0018】本発明において、粉末状吸油性樹脂以外に
吸油性シートを構成する成分としては、ポリオレフィン
系繊維及び熱融着性繊維が挙げられる。
【0019】本発明では、油の吸着性が他の繊維より優
れている点から、ポリオレフィン系繊維を用いるのが好
ましい。ポリオレフィン系繊維としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、トリメチルペンテン等のポリオレ
フィン樹脂からなる繊維が挙げられるが、これらポリオ
レフィン樹脂を2種類以上組み合わせた複合型繊維を用
いても良い。更に、オレフィン樹脂に他の成分を共重合
した樹脂からなる繊維、例えばポリエチレンにエチレン
−ビニルアルコールを共重合した樹脂からなる繊維、又
はこれら繊維同士、或いはこれら繊維とポリオレフィン
系繊維との複合型繊維を用いても良い。
【0020】ポリオレフィン系繊維の長さについては、
特に制限は無いが、本発明における吸油性シートを湿式
抄紙法により製造する場合、繊維の長さが1〜30mm
であることが好ましい。繊維の長さが1mm未満では、
吸油性シートにおける繊維同士の絡み合いが少なく、強
度が低くなり好ましくない。一方、30mmを超えて長
い場合は、吸油性シートの製造時に繊維同士がもつれて
均一な吸油性シートを製造することができない。
【0021】ポリオレフィン系繊維の直径は、使用する
繊維の種類により異なるが、5デニール以下が好まし
く、0.1〜3デニールがより好ましい。繊維の直径が
5デニールを超えて大きくなると、吸油性シート中に粉
末状吸油性樹脂を留める能力が低下して、吸油性シート
から粉末状吸油性樹脂が脱落する原因となり好ましくな
い。
【0022】又、熱融着性繊維としては、熱により溶融
する成分を含有する繊維であれば特に制限はなく、製造
工程中の熱処理により繊維の一部もしくは全部が溶着し
て強度を発現させることができる。熱により溶融する成
分としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアミド
等の樹脂が挙げられ、これらの樹脂を用いて繊維状にし
たものが熱融着性繊維である。これらの熱溶融樹脂のみ
で作られた熱融着性繊維の他に、熱溶融樹脂の融点より
も少なくとも20℃以上高い融点を持つ繊維で、該繊維
の一部に熱融着樹脂を露出させた繊維も又、熱融着性繊
維の範疇として用いることができる。
【0023】具体的には、熱溶融樹脂からなる繊維で、
熱融着後に元の繊維形態を維持しない全融タイプ、高融
点の樹脂を繊維の芯部とし熱溶融樹脂を繊維の鞘部に配
した芯鞘型、高融点繊維と低融点繊維を1本に合わせた
サイドバイサイド型等の非全融タイプの熱融着性繊維が
知られている。本発明において、全融タイプの熱融着性
繊維は、融着により繊維間空隙を塞いでしまい吸油阻害
が起こるため、非全融タイプの熱融着性繊維を用いるこ
とが好ましい。
【0024】熱融着性繊維の長さの制限は特に無いが、
本発明における吸油性シートを湿式抄紙法により製造す
る場合は、熱融着性繊維の長さが1〜30mmが好まし
い。該繊維の長さが1mm未満では、吸油性シートにお
ける繊維同士の絡み合いが少なく、そのため熱融着によ
る強度が低くなり好ましくない。一方、30mmを超え
て長い場合は、吸油性シートの製造時に繊維同士がもつ
れて均一なシートができず、吸油性シートの強度も不均
一で弱くなり好ましくない。
【0025】熱融着性繊維の直径は、使用する繊維の種
類により異なるが、5デニール以下が好ましく、0.1
〜3デニールがより好ましい。該繊維の直径が5デニー
ルを超えて大きいと、熱融着性繊維の数が少なくなり、
それ故に融着による繊維同士の接着力が低下し、吸油性
シートの強度も低下するため好ましくない。
【0026】本発明における吸油性シート中のポリオレ
フィン系繊維と熱融着性繊維の混合比率は、重量比で
9:1〜1:9の範囲が好ましい。ポリオレフィン系繊
維が重量比で1未満では、吸油性シート自身の強度が低
下するばかりでなく、吸油性シートがその製造工程にお
ける乾燥段階で著しく収縮して吸油性シートの形態が維
持できず好ましくない。一方、ポリオレフィン系繊維が
重量比で9を超えて多くなると、熱融着性繊維に由来す
る強度が不足して、結果として吸油性シート自身の強度
が低下し、好ましくない。
【0027】本発明における吸油性シートには、ポリオ
レフィン系繊維と熱融着性繊維の他に、天然繊維、合成
繊維、天然パルプ等の繊維を必要に応じて適宜添加して
も良い。
【0028】本発明における吸油性シートを製造する方
法としては特に制限はなく、乾式法、湿式抄紙法等、何
れの製造方法でも良いが、吸油性シートの均一性、粉末
状吸油性樹脂の吸油性シートへの留まり等を考慮した場
合、湿式抄紙法がより好ましい。湿式抄紙法で製造する
場合は、通常、繊維及び粉末状吸油性樹脂の固形分濃度
を0.1〜5重量%程度になるように、分散助剤、粘剤
等を用いて水中に均一に分散してスラリーとし、更にス
ラリー中に水を追加し、固形分濃度を約0.1〜0.0
01重量%に希釈して抄紙用スラリーとし、これを抄紙
機を用いてシート化する。
【0029】抄紙機としては、円網抄紙機、長網抄紙
機、2種以上を組み合わせたコンビネーションマシン、
傾斜型抄紙機等が挙げられる。
【0030】本発明における吸油性シートの両面に積層
される不織布としては、特に制限はなく、カード法、ス
パンボンド法、メルトブローン法、フラッシュ紡糸法等
の乾式法、或いは湿式抄紙法何れの製造方法で製造され
たものでも良いが、連続繊維からなるスパンボンド不織
布が強度的に好ましく、繊維の脱落も極めて少ないこと
から好ましい。
【0031】不織布として、熱可塑性、油を吸着しやす
い、油水混合系でも油のみを選択的に吸収できる等の点
から、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂からなる繊
維を用いて製造された不織布が好ましい。又、これら樹
脂を2種類以上組み合わせた複合型繊維を用いることが
できる。更に、オレフィン樹脂に他の成分を共重合した
樹脂からなる繊維、例えば、ポリエチレンにエチレン−
ビニルアルコールを共重合した樹脂からなる繊維、或は
これら繊維同士、これら繊維とポリオレフィン系繊維と
の複合型繊維等を用いることができる。
【0032】不織布の坪量としては、10〜100g/m2
の範囲が好ましい。吸油性シートの両面に積層される不
織布の坪量が10g/m2未満では、粉末状吸油性樹脂が吸
油した状態で吸油性シートの強度が低くなり、著しい場
合には吸油性シートの形態を維持できない。一方、不織
布の坪量が100g/m2を超えて多いと、繊維の吸油性シ
ート全体に対する含有率が多くなり、吸油後のシートを
加圧圧縮した際に、表面不織布に吸油された油の漏洩が
多くなるため好ましくない。
【0033】本発明における吸油性シートの両面に不織
布を積層する方法としては、接着剤等を用いて貼り合わ
せる方法、熱可塑性繊維を含有する不織布を用いて熱融
着させる方法等が挙げられる。
【0034】又は、湿式抄紙法によって抄紙工程中で吸
油性シートと不織布を抄合わせて多層にする方法が挙げ
られる。例えば、吸油性シートの上下に、繊維だけから
なるシートを抄合わせて3層シートを作製する方法や、
吸油性シートの片面に繊維だけからなるシートを抄合わ
せて2層シートを作製し、このシートを2つ折り、又は
2枚重ねにして熱融着、或いは接着剤を用いて接着させ
る方法が挙げられる。熱可塑性繊維を含有する不織布を
熱融着させる場合には、吸油性シートの全面に熱融着す
るか、点状、格子状、ストライプ状、吸油性シートの周
囲4辺等、吸油性シートの一部分を熱融着させる方法等
何れの方法でも良い。更に、不織布同士だけを吸油性シ
ートに沿って熱融着させても良い。
【0035】本発明における吸油材の坪量としては、1
00〜1000g/m2が好ましい。坪量が100g/m2未満
では、吸油材1枚当たりの吸油量が少なく、この場合に
は多数枚を必要とするため好ましくない。一方、坪量が
1000g/m2を超えて多いと、吸油後の吸油材の重量が
非常に重くなり、取扱いに支障をきたすため好ましくな
い。
【0036】
【作用】本発明における吸油材は、繊維間の空隙に吸収
・保持された油分が、保油能力に優れた粉末状吸油性樹
脂によって更に吸収されるため、従来の吸油性シートに
比べて優れた吸油性能及び保油性能を有しているだけで
なく、吸油性シートの両面に不織布が積層されるため、
粉末状吸油性樹脂が該吸油性シート外へ脱離することが
なく、しかも、吸油後の重みに十分耐えられる強度を持
たせることができる。
【0037】本発明では、吸油性シートの両面に積層さ
れる不織布が、熱可塑性繊維を含有する不織布であり、
熱可塑性繊維と吸油性シート中のポリオレフィン系繊維
及び熱融着性繊維間で熱融着することにより、吸油材を
容易に製造することができる。
【0038】又、湿式抄紙法により製造された吸油性シ
ートでは、これを配設してなる吸油材を用いて吸油した
際に、吸油材全体にわたって均一な吸油状態を示すこと
ができる。吸油性シートの両面に積層される不織布がス
パンボンド不織布である場合は、吸油材の強度がより大
きく、繊維の脱落を引き起さない。
【0039】更に、スパンボンド不織布がポリオレフィ
ン系繊維からなる場合は、疎水性であるため油水混合系
の液体を処理する際に油のみを選択的に取り込み、吸油
性シート中へ吸油させることができるという特長があ
る。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。な
お、部とあるのは重量部を意味する。実施例及び比較例
により得られた吸油材の物性は、以下に示した試験方法
により測定した。
【0041】試験方法: [重量試験]運輸省型式認定の試験方法に準拠し、吸油
材を10cm×10cmの大きさに裁断し、油温20℃
の重油に5分間浮かべ、吸油した吸油材を金網上に5分
間静置して後、その重量を測定した。
【0042】[吸油倍率]運輸省型式認定の試験方法に
準拠し、吸油材を10cm×10cmの大きさに裁断
し、油温20℃の重油に5分間浮かべ、吸油した吸油材
を金網上に5分間静置して後、その重量を測定し、元の
吸油材の重量に対して何倍油を吸ったかを求めた。
【0043】[油保持率]上記吸油倍率を求めるのと同
様の方法で油を吸収させた吸油材に、プレス圧2kg/m2
で圧力をかけ、加圧後、吸油材中に保持されている油の
重量を測定し、元の吸油材の重量に対して何倍油を吸っ
たかを求めた。
【0044】[強度試験]運輸省型式認定の試験方法に
準拠し、吸油材を50cm×50cmの大きさに裁断
し、吸油材の一端から10cmの位置に千枚通しで穴を
あけ、直径8mmのフックを掛けて吊るし、その鉛直方
向の一点に重量試験により算出された最大単位重量の
2.5倍の重量をかけ、3分後に吸油材の破断がないか
調べた。
【0045】実施例1 [吸油性シートの作製]アクリル酸系の粉末状吸油性樹
脂(日本触媒製、PW−170)を80部、ポリプロピ
レン繊維(大和紡績製、PZ、繊度0.5デニール、繊
維長5mm)を10部、並びにポリプロピレン及びエチ
レン−ビニルアルコール共重合体からなる芯鞘構造を有
する熱融着性繊維(大和紡績製、NBF−E、繊度2デ
ニール、繊維長5mm)を10部混合し、ノニオン系界
面活性剤を適量添加し、高速ミキサーを用いて水中に分
散させ、更に1%濃度の粘剤ポリアクリルアミドを適量
添加して繊維を均一に水中に分散させた後、希釈して繊
維分散液を調製した。次いで、調製した繊維分散液を使
用し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙法により坪量440
g/m2の吸油性シートを作製した。
【0046】[吸油材の作製]上記で作製した吸油性シ
ートの両側を、坪量30g/m2のポリプロピレン製スパン
ボンド不織布で挟み、4辺をヒートシールして、坪量5
00g/m2の3層構造体を有する吸油材を作製した。
【0047】実施例2 実施例1で使用したポリプロピレン製スパンボンド不織
布の代りに、坪量30g/m2のポリエステル製スパンボン
ド不織布を用いた以外は、実施例1と同様にして坪量5
00g/m2の3層構造体を有する吸油材を作製した。
【0048】実施例3 実施例1と同様の方法で、坪量440g/m2の吸油性シー
トを作製し、この吸油性シートの両側を、坪量30g/m2
のポリプロピレン製スパンボンド不織布で挟み、吸油性
シートの両面を全面ヒートシールし、坪量500g/m2
3層構造体を有する吸油材を作製した。
【0049】実施例4 [吸油性シートの作製]実施例1と同様に、アクリル酸
系の粉末状吸油性樹脂(日本触媒製、PW−170)を
80部、ポリプロピレン繊維(大和紡績製、PZ、繊度
0.5デニール、繊維長5mm)を10部、並びにポリ
エステル系の熱融着性繊維(ユニチカ製、#4080、
繊度2デニール、繊維長5mm)を10部混合し、ノニ
オン系界面活性剤を適量添加して高速ミキサーを用いて
水中に分散させ、更に1%濃度の粘剤ポリアクリルアミ
ドを適量添加して繊維を均一に水中に分散させた後、希
釈して繊維分散液を調製した。次いで、調製した繊維分
散液を使用し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙法により坪
量が440g/m2の吸油性シートを作製した。
【0050】[吸油材の作製]上記で作製した吸油性シ
ートの両側を、坪量30g/m2のポリプロピレン製スパン
ボンド不織布で挟み、4辺をヒートシールし、坪量50
0g/m2の3層構造体を有する吸油材を作製した。
【0051】実施例5 実施例4と同様の方法で、坪量440g/m2の吸油性シー
トを作製し、この吸油性シートの両側を、坪量30g/m2
のポリエステル製スパンボンド不織布で挟み、4辺をヒ
ートシールして、坪量500g/m2の3層構造体を有する
吸油材を作製した。
【0052】実施例6 [吸油性シート用の繊維分散液Aの調製]実施例1と同
様に、アクリル酸系の粉末状吸油性樹脂(日本触媒製、
PW−170)を60部、ポリプロピレン繊維(大和紡
績製、PZ、繊度0.5デニール、繊維長5mm)を2
0部、並びにポリプロピレン及びエチレン−ビニルアル
コール共重合体からなる芯鞘構造を有する熱融着性繊維
(大和紡績製、NBF−E、繊度2デニール、繊維長5
mm)を20部混合し、ノニオン系界面活性剤を適量添
加して高速ミキサーを用いて水中に分散させ、更に1%
濃度の粘剤ポリアクリルアミドを適量添加して繊維を均
一に水中に分散させた後、希釈して繊維分散液Aを調製
した。
【0053】[不織布用の繊維分散液Bの調製]ポリプ
ロピレン繊維(大和紡績製、PZ、繊度0.5デニー
ル、繊維長5mm)を50部及び熱融着性繊維(大和紡
績製、NBF−E、繊度2デニール、繊維長5mm)を
50部に、ノニオン系界面活性剤を適量添加して高速ミ
キサーを用いて水中に分散させ、更に1%濃度の粘剤ポ
リアクリルアミドを適量添加して繊維を均一に水中に分
散させた後、希釈して繊維分散液Bを調製した。
【0054】[吸油材の作製]上記により調製した繊維
分散液Aを使用し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙法によ
り、坪量220g/m2の吸油性シートを作製し、続いて上
記により調製した繊維分散液Bを使用し、傾斜型抄紙機
を用いて坪量30g/m2の不織布を作製し、吸油性シート
と不織布とを抄合わせて坪量250g/m2のシートを作製
した。次いで、作製したシートを不織布側を外側として
2枚重ねにして、4辺をヒートシールして、坪量500
g/m2の吸油材を作製した。
【0055】比較例1 実施例1と同様の方法で、坪量500g/m2の1層の吸油
性シートを作製し、これを吸油材とした。
【0056】比較例2 坪量500g/m2のポリプロピレン製スパンボンド不織布
のみを吸油材とした。
【0057】
【表1】
【0058】評価:実施例1〜6で作製した吸油材は、
吸油性シートの両面に不織布を熱融着して3層構造体に
した場合は、吸油倍率、保油倍率、並びに強度に優れて
いた。その中でも、実施例1〜5で作製した吸油材は、
スパンボンド不織布を熱融着したもので強度が優れてい
た。実施例6の吸油材は、不織布と吸油性シートを湿式
抄紙法にて抄合わせたもので、優れた吸油倍率を示した
が、不織布の繊維間に保持された油分が加圧により放出
され、保油倍率がやや低くなった。実施例2及び5で作
製した吸油材は、不織布がポリオレフィン系繊維の代わ
りにポリエステル繊維を含有するもので、強度は優れて
いるが、ポリエステル繊維が油吸着性に劣るため吸油倍
率及び保油倍率がやや低くなった。実施例3の吸油材
は、吸油性シート及びスパンボンド不織布の全面を熱融
着した場合であるが、吸油性シートとスパンボンド不織
布との間に空隙が無いため、吸油性シートの吸油による
膨潤が抑制され、実施例1で作製した吸油材のように4
辺のみを熱融着した場合よりも、吸油倍率及び保油倍率
が低くなった。
【0059】一方、比較例1で作製した吸油材、即ち吸
油性シートのみの場合は、比較例2の吸油材、即ちポリ
プロピレン製スパンボンド不織布のみの場合よりも吸油
倍率及び保油倍率で優れていたが、強度試験で破断して
しまった。
【0060】
【発明の効果】本発明における吸油材は、各種の油処理
に簡便に使用できるだけでなく、単位吸油量が多く、圧
迫した場合にも油の漏洩が発生せず、機械的強度に優れ
た吸油材を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸油材の断面図。
【図2】本発明の吸油材の平面図。
【符号の説明】
1 吸油材 2、3 不織布 4 粉末状吸油性樹脂 5 吸油性シート 6 熱融着部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性繊維を含有する同種又は異種の
    不織布間に、粉末状吸油性樹脂、ポリオレフィン系繊
    維、並びに熱融着性繊維からなる吸油性シートを配設し
    た3層構造体であり、該3層構造体の全面又は一部分を
    熱融着して一体化してなることを特徴とする吸油材。
  2. 【請求項2】 吸油性シートが、湿式抄紙法によって製
    造されたものであることを特徴とする請求項1記載の吸
    油材。
  3. 【請求項3】 不織布が、スパンボンド法によって製造
    されたスパンボンド不織布であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の吸油材。
  4. 【請求項4】 スパンボンド不織布が、ポリオレフィン
    系繊維を含有するものであることを特徴とする請求項3
    記載の吸油材。
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