JPH0852607A - 回転軸用パワーユニット - Google Patents

回転軸用パワーユニット

Info

Publication number
JPH0852607A
JPH0852607A JP21316494A JP21316494A JPH0852607A JP H0852607 A JPH0852607 A JP H0852607A JP 21316494 A JP21316494 A JP 21316494A JP 21316494 A JP21316494 A JP 21316494A JP H0852607 A JPH0852607 A JP H0852607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
shaft
power unit
slide shaft
rotary shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21316494A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Sekine
武男 関根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP21316494A priority Critical patent/JPH0852607A/ja
Publication of JPH0852607A publication Critical patent/JPH0852607A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gripping On Spindles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 旋盤主軸のチャックを十分な駆動力で開閉可
能な空圧式のパワーユニットを提供する。 【構成】 主軸2に一体回転するように連結されるロー
タ12の内側に、同心状に、回転不能ではあるが軸線方
向には移動可能にスライド軸20を配置し且つ主軸2内
部の駆動スリーブ5に連結可能とし、更に、ロータ12
に、スライド軸20とねじ係合する駆動回転体22を回
転可能ではあるが軸線方向には移動しないように保持さ
せ、且つスライド軸20を取り囲む位置に複数の空圧式
ベーンモータ26を設け、各ベーンモータのタービン軸
28の回転を駆動回転体22に伝達する構成とし、ベー
ンモータ26の回転によって駆動回転体22を回転さ
せ、その回転をスライド軸20の軸線方向の動きに変換
して、スライド軸20にチャック駆動用の推力を付与す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旋盤の主軸等の回転軸
の後端に取り付けられ、該回転軸内に設けている駆動ス
リーブを軸線方向に移動させるために用いる回転軸用パ
ワーユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動旋盤の主軸には、先端にワー
クを把持するコレットチャック或いは三爪チャック等の
チャックが取り付けられており、そのチャックを開閉す
るため主軸内に駆動スリーブが軸線方向に移動可能に保
持され、主軸後端に取り付けた回転軸用パワーユニット
によって駆動スリーブを軸線方向に駆動している。ここ
で使用する回転軸用パワーユニットは、油圧式シリンダ
或いは空圧式シリンダを用いたものである。すなわち、
従来の回転軸用パワーユニットは、主軸と一体回転する
ように取り付けられ、主軸軸線と同一軸線を持ったシリ
ンダ室を備えたシリンダ本体と、該シリンダ本体に同心
状に且つ軸線方向に移動可能に保持され、前記シリンダ
室内を移動するピストンを備え、前記駆動スリーブに連
結可能なスライド軸と、前記シリンダ本体に対して回転
可能に保持され、シリンダ室への油圧或いは空圧を供
給、排出する給排通路部材とを備えており、シリンダ室
への油圧或いは空圧の供給、排出によって、ピストンを
備えたスライド軸を移動させ、それに連結された駆動ス
リーブを主軸に対して移動させチャックを開閉してい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来の
構成では、シリンダ機構を用いたことにより次のような
問題点を有していた。すなわち、空圧式のシリンダを用
いた場合には、使用する空気圧が通常、5〜6kg/c
2 であるため、ピストンで発生させる推力が小さく、
チャックの把持力が不足する恐れがある。この推力を大
きくするにはピストンの直径を大きくして受圧面積を大
きくすればよいが、その場合には、パワーユニットが大
型化し、従って主軸と共に回転する部分の重量が大きく
なって慣性力が大きくなり、主軸にかかる負荷が大きく
なるという欠点が生じる。また、空圧式のシリンダで
は、空気が体積変化可能であるから、ピストンに急激な
負荷変動が作用した時ピストンが動くことがあり、且つ
そのピストンが直接、駆動スリーブに連結されているた
め、ワーク加工中にワークに急激な負荷変動が加わり、
駆動スリーブにも負荷変動が加わった時、駆動スリーブ
及びそれに連結されたピストンが動くことがあり、この
ため、チャックの把持力が変動し、チャックで把持して
いるワークに振動が出て、加工精度を低下させることも
あった。
【0004】一方、油圧式のシリンダを用いた場合に
は、空気に比べて高圧を利用できるので、大きい推力を
発生させて大きい把持力を得ることができ、且つチャッ
ク把持力の変動もほとんど生じないので、上述の空圧式
の欠点を解消でき、現在、多くの旋盤において使用され
ている。しかしながら、この場合には、制御された油圧
を発生させる油圧ユニットが必要となり、設備コストが
高くなるという問題があった。また、油圧式の場合に
は、パワーニユニットの運転中に温度が上昇し、それに
連結された主軸も昇温するので、熱変形を生じ、加工精
度が低下するという問題もあった。
【0005】本発明は、上述の問題点に鑑みて為された
もので、旋盤の主軸等の回転軸に取り付けて使用するこ
とができ、空気圧を利用しながら、大きい推力を発生さ
せて、回転軸内に設けている駆動スリーブに付与するこ
との可能な、また、発熱の少ない回転軸用パワーユニッ
トを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記欠点を
解決すべく鋭意検討の結果、従来のシリンダに代えて空
圧作動のベーンモータと、ねじによる駆動機構をうまく
組み合わせることにより、空気圧を利用しながら大きい
推力を発生させることができることを見出し、本発明を
完成した。すなわち、本発明は、回転軸内に、該回転軸
と一体回転するよう設けられた駆動スリーブを軸線方向
に移動させるための回転軸用パワーユニットであって、
前記回転軸に連結されて一体に回転可能なロータと、該
ロータ内に同心状に、該ロータに対して回転不能ではあ
るが軸線方向には移動可能に保持され、外周に外ねじを
有すると共に前記駆動スリーブに連結可能なスライド軸
と、内周に前記外ねじに噛み合う内ねじを、外周に大径
の第一ギヤを備え、前記ロータに軸線方向には移動不能
であるが、回転可能に保持された駆動回転体と、前記ロ
ータにそのロータの軸線から一定距離の位置に設けられ
た可逆回転可能な複数のベーンモータと、該ベーンモー
タのタービン軸に設けられ、前記駆動回転体の第一ギヤ
に噛み合う小径の第二ギヤと、前記ロータに対して回転
可能に設けられ、前記ベーンモータに対して空圧を供
給、排出する給排通路部材とを有する回転軸用パワーユ
ニットを要旨とする。
【0007】
【作用】上記構成の回転軸用パワーユニットは、ロータ
を旋盤の主軸に連結し、スライド軸を主軸内の駆動スリ
ーブに連結し、給排通路部材は回転しないように旋盤の
ベッド等に固定し、且つ給排通路部材の接続口を空圧源
に連結して使用される。この空圧源から空圧をベーンモ
ータに供給してそのタービン軸を一方向に回転させる
と、タービン軸の第二ギヤと駆動回転体の第一ギヤとの
噛み合いにより、駆動回転体がスライド軸に対して回転
し、その内ねじとスライド軸の外ねじとの噛み合いによ
り、スライド軸を軸線方向に移動させる。このスライド
軸の移動により、駆動スリーブを介してチャックを閉じ
ることができる。また、ベーンモータを逆方向に回転さ
せることにより、駆動スリーブを逆方向に移動させてチ
ャックを開くことができる。ここで、各ベーンモータの
発生する力は小さくても、複数のベーンモータの発生す
る力が小径の第二ギヤと大径の第一ギヤとの噛み合いに
よって拡大されて駆動回転体に伝達され、更にその力が
内ねじ及び外ねじの噛み合いにより拡大されてスライド
軸の推力として伝達され、結局スライド軸には極めて大
きい推力を与えることができる。また、駆動スリーブに
連結されるスライド軸は、軸線方向には移動しない駆動
回転体に対して内ねじ及び外ねじの噛み合いによって連
結されているため、例え、駆動スリーブに急激な負荷変
動が加わっても、スライド軸が軸線方向に移動すること
はなく、このため、チャックの把持力が変動することは
ない。
【0008】
【実施例】以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例による回転軸用パワー
ユニットの概略断面図、図2はその回転軸用パワーユニ
ットを自動旋盤の主軸に取り付けた状態を示す概略断面
図、図3、図4、図5はそれぞれ図1におけるX−X矢
視概略断面図、Y−Y矢視概略断面図、Z−Z矢視概略
断面図である。図1〜図5において、1は自動旋盤の主
軸台、2はその主軸台1に回転可能に保持された主軸で
あり、先端にチャッキングスリーブ3を有している。4
はそのチャッキングスリーブ3に保持されたチャックで
あり、軸線方向の往復移動によってその内部に通された
ワークWを着脱可能である。5はこのチャック4に連結
された駆動スリーブであり、前記主軸2内に主軸2と一
体回転するが軸線方向には移動可能に保持されている。
6は主軸に固定された回転子、7は主軸台1に取り付け
られたステータであり、これらの回転子6、ステータ7
は主軸2を回転駆動するモータを構成する。
【0009】10はこの主軸2の後端に取り付けられ、
駆動スリーブ5を軸線方向に駆動してチャック4を開閉
するための本発明の実施例による回転軸用パワーユニッ
トである。このパワーユニット10は、回転軸である主
軸2と一体回転するように連結されるロータ12を有し
ている。このロータ12は、軸部13aと円板部13b
とからなるロータ軸13(図6参照)と、その円板部1
3bの両面に配置される弁板14、15と、弁板15の
円板部13bとは反対側に配置された第一円板16と、
更にその外側に配置された第二円板17とを有してお
り、全体が通しボルト(図示せず)によって一体に固定
されている。このロータ12の内部には、同心状にスラ
イド軸20が保持されている。このスライド軸20は、
ロータ12に対して軸線方向には移動可能であるが、回
転不能に保持されており、従って、常時ロータ12と一
体となって、主軸2及び駆動スリーブ5と共に回転す
る。スライド軸20の端部には駆動スリーブ5に連結す
るための内ねじ20aが形成されている。
【0010】スライド軸20は外周面に外ねじ20bを
有しており、且つワークWを通過させるための貫通孔2
0cを有している。この貫通孔20cはワークWを通す
ためのものであるが、もし、ワークを通す必要のない場
合には貫通孔20cは省略してもよい。
【0011】22はロータ12及びスライド軸20に対
して同心状に配置された駆動回転体であり、軸受23、
24によって、ロータ12に対して回転可能ではあるが
軸線方向には移動不能に保持されている。この駆動回転
体22は、その内周に内ねじ22aを有しており、スラ
イド軸20の外ねじ20bと噛み合っている。従って、
駆動回転体22の正逆回転によって、スライド軸20を
軸線方向に往復動させることができる。更に、この駆動
回転体22はその外周に大径の第一ギヤ22bを有して
いる。
【0012】ロータ12には、軸線がロータ12の軸線
に平行となるように、且つロータ12の軸線から一定距
離の位置に複数の(本実施例では4個の)ベーンモータ
26が設けられている。このベーンモータ26は、図
1、図3から良く分かるように、ロータ軸13の円板部
13bに形成された貫通穴からなるモータ室27と、そ
のモータ室27に対して偏心した位置に回転可能に設け
られた円筒部28aを有するタービン軸28と、該円筒
部28aに放射状に設けられた複数のベーン羽根29
と、そのベーン羽根29をモータ室27の内壁に押し付
けるばね(図示せず)と、モータ室27に面する一方の
弁板14に形成された給気口30及び排気口31と、モ
ータ室27に面する他方の弁板15に形成された給気口
32及び排気口33(図5参照)等を備えている。ここ
で、給気口30と給気口32とは対称位置に配置されて
おり、一方の給気口30から圧力空気が供給された時に
はタービン軸28が矢印A方向に回転するが、他方の給
気口32から圧力空気が供給された時にはタービン軸2
8が逆方向に、即ち矢印B方向に回転可能である。
【0013】図1、図4から良く分かるように、タービ
ン軸28は、先端に小径の第二ギヤ28bを有してい
る。この第二ギヤ28bは駆動回転体22の外周に形成
された第一ギヤ22bに噛み合っている。かくして、タ
ービン軸28が回転すると、その回転が、第二ギヤ28
bと第一ギヤ22bの噛み合いを介して駆動回転体22
に伝達され、更に、内ねじ22aと外ねじ20bの噛み
合いを介してスライド軸20を軸線方向に動かすことと
なる。ここで、第二ギヤ28bと第一ギヤ22bの直径
は、タービン軸28のトルクを極力拡大して駆動回転体
22に伝達することができるように定められており、例
えば、第二ギヤ28bと第一ギヤ22bの直径比は、1
対10〜15程度に定められている。このため、第二ギ
ヤ28bのトルクが約10〜15倍程度に拡大されて駆
動回転体22に伝達される。更に、駆動回転体22のト
ルクが内ねじ22aと外ねじ20bの噛み合いによりス
ライド軸の推力に変換されるため、極めて大きい推力を
発生させる。かくして、ベーンモータ26によって生じ
る力が極めて拡大されて、スライド軸20の推力とな
る。
【0014】図1において、40は、ベーンモータ26
に対して空圧を供給、排出するための給排通路部材であ
り、ロータ12のロータ軸13に軸受ユニット41を介
して回転可能に保持されると共に、ロータ12の弁板1
4にラビリンスシール42によってシール関係を保ちな
がら摺動可能に押し付けられている。この給排通路部材
40は、回転しないよう旋盤のベッド等に固定されて使
用されるもので、弁板14に面する端面に、同心状に配
置された3個の環状溝43、44、45を形成してい
る。最も外側に配置された環状溝43は、弁板14に形
成している給気口30(図3参照)に空圧を供給するた
めのもので、給気口30に連通する位置に形成されてい
る。また、給排通路部材40にはこの環状溝43に連通
する接続口(図示せず)が設けられており、その接続口
には、空圧源46に接続され且つ電磁切換弁47、圧力
調整弁48を備えた第一空圧配管49が接続されてい
る。この電磁切換弁47は、空圧源46を環状溝43に
連通させる開位置と、空圧源46からの通路を閉じ、環
状溝43を大気に開放する閉位置とに切り換え可能なも
のである。かくして、ロータ12が給排通路部材40に
対して回転していても、電磁切換弁47を開くことによ
り、環状溝43を介して各ベーンモータ26の給気口3
0に空圧を供給することができる。
【0015】中間に配置された環状溝44は、弁板15
に形成している給気口32に空圧を供給するためのもの
であり、この環状溝44にも、給排通路部材40に形成
された接続口(図示せず)を介して、電磁切換弁51、
圧力調整弁52を備えた第二空圧配管53が接続されて
いる。弁板14、ロータ軸13の円板部13b、弁板1
5には、環状溝44に連通する位置に、ロータ12の軸
線に平行に貫通穴55(図3、図4参照)が形成されて
おり、第一円板16の弁板15に面する位置に形成され
た環状溝56に連通している。この環状溝56は、その
一部が半径方向の外方に延び、弁板15に形成されてい
る給気口32に連通するようになっている。かくして、
第二空圧配管53の電磁切換弁51を開くことにより、
環状溝44、貫通穴55、環状溝56を介して各ベーン
モータ26の給気口32に空圧を供給することができ
る。
【0016】給排通路部材40の内側の環状溝45は弁
板14に形成されている排気口31に連通する位置に形
成されており、且つ給排通路部材40に形成された接続
口58に連通している。更に、弁板14、ロータ軸13
の円板部13b、弁板15には、環状溝45に連通する
位置に、ロータ12の軸線に平行に貫通穴60(図3、
図4参照)が形成されており、第一円板16の弁板15
に面する位置に形成された環状溝61に連通している。
この環状溝61は排気口33に連通する位置に形成され
ている。かくして、各ベーンモータ26のモータ室27
からの排気は、両側の弁板14、15にそれぞれ形成さ
れている排気口31、33から環状溝45、61、貫通
穴60、排気口58等を介して排出される。
【0017】次に、上記構成の回転軸用パワーユニット
10の使用方法を説明する。図2に示すように、パワー
ユニット10は、そのロータ12を旋盤の主軸2の後端
に一体に回転するように連結し、スライド軸20を主軸
2内の駆動スリーブ5に一体に回転するように連結し、
更に給排通路部材40を回転しないように、旋盤のベッ
ド等に固定することによって、取り付けられる。また、
図1に示すように、環状溝43、44に連通する各接続
口にはそれぞれ第一、第二空圧配管49、53を接続
し、且つ排気用の接続口58には排気配管を接続してお
く。主軸2で保持すべきワークWは、主軸2内の駆動ス
リーブ5及びパワーユニット10のスライド軸20内に
挿入、保持される。
【0018】今、主軸2の先端のチャック4を閉じてワ
ークWを把持する場合には、第二空圧配管53の電磁切
換弁51を閉位置に保った状態で、第一空圧配管49の
電磁切換弁47を開位置とする。これにより、空圧源4
6からの空圧が環状溝43に供給され、図3において、
給気口30からベーンモータ26のモータ室27内に供
給され、タービン軸28を矢印A方向に回転させる。こ
のタービン軸28の回転は、図1〜図3から良く分かる
ように、タービン軸28の第二ギヤ28bと駆動回転体
22の第一ギヤ22bとの噛み合いにより、駆動回転体
22を回転させ、従って、駆動回転体22がその内側の
スライド軸20に対して回転する。かくして、駆動回転
体22の内ねじ22aとスライド軸20の外ねじ20b
との噛み合いにより、スライド軸20が軸線方向に矢印
C方向に移動し、駆動スリーブ5を矢印C方向に移動さ
せ、主軸先端のチャック4を閉じる。その後は、この状
態で主軸2が回転し、把持したワークWに対する加工が
行われる。
【0019】ここで、チャック4を閉じるために使用し
ている各ベーンモータ26自体の出力はさほど大きくな
いとしても、4個のベーンモータ26の駆動力が駆動回
転体22に伝達されており、しかも各ベーンモータ26
のトルクが小径の第二ギヤ28bと大径の第一ギヤ22
bとの噛み合いによって拡大されて駆動回転体22に伝
達され、更にそのトルクが内ねじ22a及び外ねじ20
bの噛み合いにより拡大されてスライド軸20の推力と
して伝達されるので、結局スライド軸20に極めて大き
い推力を与えることができ、チャック4に十分大きい把
持力を与えることができる。また、ワークWに対する加
工中、ワークWに作用する力(切削力等)が変動し、こ
れによってチャック4や駆動スリーブ5に作用する力が
急激に変動しても、駆動スリーブ5に連結されているス
ライド軸20は、その外ねじ20bが駆動回転体22の
内ねじ22aに噛み合っているため、スライド軸20が
軸線方向に動くことはなく、このため、従来空圧シリン
ダを用いていた場合に生じていたような、チャック把持
力の変動が生じることがない。更に、空圧式のベーンモ
ータ26は回転中に供給された空気が断熱膨張するた
め、膨張熱を奪っており、昇温することがない。このた
め、従来の油圧シリンダを用いた場合のようにパワーユ
ニットが昇温することがない。これらの結果、高精度の
加工が行われる。
【0020】加工終了後は、第一空圧配管49の電磁切
換弁47を閉位置とし、且つ第二空圧配管53の電磁切
換弁51を開とする。これにより、空圧源46からの空
圧が環状溝44、貫通穴55、環状溝56を介して各ベ
ーンモータ26の給気口32に供給され、ベーンモータ
26のタービン軸28を矢印B方向に回転させ、駆動回
転体22を前回とは逆方向に回転させ、スライド軸20
を矢印C方向とは反対方向に移動させる。かくして、駆
動スリーブ5も同方向に移動してチャック4を開き、ワ
ークWの把持の解除することができる。
【0021】上記したように、本発明のパワーユニット
10は空圧式のベーンモータ26を用いてスライド軸2
0に大きい推力を生じさせることができるものであり、
その推力は従来の空圧シリンダを用いた場合よりも極め
て大きいものである。以下、その推力を具体的な数値例
によって説明する。
【0022】パワーユニット10に設けているベーンモ
ータ26の寸法を、図7に示すように、ベーン羽根29
の有効幅を0.7cm、モータ室27の長さを6cm、
タービン軸28の中心からベーン羽根29の有効面の中
心までの距離を2.48cm、タービン軸28の第二ギ
ヤ28cのピッチ円半径を0.51cmとする。このベ
ーンモータ26に6kg/cm2 の空圧を作用させるも
のとすると、ベーン羽根29に作用する力F1 は、 F1 (=ベーン有効面積×空気圧)=0.7×6×6=
25.2kgf となる。従って、このベーンモータ26がタービン軸2
8の第二ギヤ28bのピッチ円に作用させる力をF2
すると、 F1 ×2.48=F2 ×0.51 となり、従って、 F2 =25.2×2.48÷0.51=123.1kg
f となる。
【0023】次に、図8に示すように、駆動回転体22
の第一ギヤ22bのピッチ円の半径を6.5cm、駆動
回転体22の内ねじ22a及びスライド軸20の外ねじ
20bの有効径dを7.0cmとすると、4個のベーン
モータの第二ギヤ28cが第一ギヤ22bに付与する全
体の力F3 は、 F3 =F2 ×4=492.4kgf である。この力F3 によって駆動回転体22の内ねじ2
2aがスライド軸20の外ねじ20bに付与する円周方
向の力F4 は、 F4 =F3 ×6.5÷3.5=914.5kgf となる。
【0024】内ねじ22a、外ねじ20bのねじリード
pを4mm、両者の摩擦係数μを0.1とすると、駆動
回転体22の内ねじ22aが回転することによってスラ
イド軸20の外ねじ20bに付与する軸線方向の推力w
は、 w=F4 (πd−μp)/(p+μπd)=7723.
4kgf である。ベーンモータ26等の実効率を40%とする
と、 実推力=w×0.4=3089kgf となる。このように、4個のベーンモータ26に6kg
/cm2 の空圧を作用させることにより、スライド軸2
0を介して駆動スリーブ5には、3089kgfの推力
を作用させることができる。
【0025】これに対し、従来の空圧シリンダを用いた
パワーユニットでは、上記したサイズの4個のベーンモ
ータを用いたパワーユニットにほぼ等しい外径とする
と、空圧シリンダのサイズが、外径190mmφ×内径
80mmφ程度となる。従って、この空圧シリンダの有
効面積は約233cm2 となるので、この空圧シリンダ
に6kg/cm2 の空圧を作用させると、得られる最大
推力は、 233×6=1398kgf となる。これは、本実施例のパワーユニットによって得
られる推力3089kgfに比べて約3分の1である。
換言すれば、本実施例のパワーユニットは、従来の空圧
シリンダを用いたものに比べてほぼ同じサイズで、約3
倍の推力を発生させることができ、このサイズのパワー
ユニットとしては、旋盤の主軸先端のチャックを駆動す
るのに十分な推力を発生させることができる。
【0026】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、複数
の空圧式ベーンモータの発生する力を拡大してスライド
軸に推力として伝達する構成としたので、従来の空圧シ
リンダ式のパワーユニットに比べてはるかに大きい推力
を発生させることができ、空圧を使用しながら、例え
ば、旋盤主軸の先端のチャック(コレットチャック、三
爪チャック等)の開閉のためのパワーユニットとして良
好に使用でき、従来の油圧式のシリンダを用いたもとの
同等に使用でき、このため、油圧ユニットの必要が無い
ため、設備費を低減できると共に、昇温の問題も生じな
い等の効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による回転軸用パワーユニッ
トの概略断面図
【図2】その回転軸用パワーユニットを自動旋盤の主軸
に取り付けた状態を示す概略断面図
【図3】図1のX−X矢視概略断面図
【図4】図1のY−Y矢視概略断面図
【図5】図1のZ−Z矢視概略断面図
【図6】上記実施例に用いているロータ軸の概略断面図
【図7】上記実施例におけるベーンモータの寸法を示す
概略図
【図8】上記実施例における第一ギヤ、第二ギヤ、内ね
じ、外ねじ等の寸法を説明する概略図
【符号の説明】
1 主軸台 2 主軸 3 チャッキングスリーブ 4 チャック 5 駆動スリーブ 10 回転軸用パワーユニット 12 ロータ 13 ロータ軸 13a 軸部 13b 円板部 14、15 弁板 16 第一円板 17 第二円板 20 スライド軸 20b 外ねじ 22 駆動回転体 22a 内ねじ 22b 第一ギヤ 26 ベーンモータ 27 モータ室 28 タービン軸 28b 第二ギヤ 29 ベーン羽根 30、32 給気口 31、33 排気口 40 給排通路部材 46 空圧源 49 第一空圧配管 53 第二空圧配管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸内に、該回転軸と一体回転するよ
    う設けられた駆動スリーブを軸線方向に移動させるため
    の回転軸用パワーユニットであって、前記回転軸に連結
    されて一体に回転可能なロータと、該ロータ内に同心状
    に、該ロータに対して回転不能ではあるが軸線方向には
    移動可能に保持され、外周に外ねじを有すると共に前記
    駆動スリーブに連結可能なスライド軸と、内周に前記外
    ねじに噛み合う内ねじを、外周に大径の第一ギヤを備
    え、前記ロータに軸線方向には移動不能であるが、回転
    可能に保持された駆動回転体と、前記ロータにそのロー
    タの軸線から一定距離の位置に設けられた可逆回転可能
    な複数のベーンモータと、該ベーンモータのタービン軸
    に設けられ、前記駆動回転体の第一ギヤに噛み合う小径
    の第二ギヤと、前記ロータに対して回転可能に設けら
    れ、前記ベーンモータに対して空圧を供給、排出する給
    排通路部材とを有する回転軸用パワーユニット。
JP21316494A 1994-08-15 1994-08-15 回転軸用パワーユニット Pending JPH0852607A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21316494A JPH0852607A (ja) 1994-08-15 1994-08-15 回転軸用パワーユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21316494A JPH0852607A (ja) 1994-08-15 1994-08-15 回転軸用パワーユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0852607A true JPH0852607A (ja) 1996-02-27

Family

ID=16634628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21316494A Pending JPH0852607A (ja) 1994-08-15 1994-08-15 回転軸用パワーユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0852607A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4791841A (en) Chucking device
US3643969A (en) Plunger operated rotatable collet
EP1967321B1 (en) Index table
JP4488375B2 (ja) 工作機械の主軸装置
EP1114685A2 (en) Chuck apparatus
KR100537822B1 (ko) 공작기계의 전동척과 그 파지 죠(jaw)개폐 방법
CN101351286B (zh) 主轴装置
US3975030A (en) Chuck with dual independently actuable sets of jaws
EP1262264A1 (en) Thrust converter, and method and device for controlling the thrust converter
US1299883A (en) Fluid-operated lathe.
JPS6043243B2 (ja) 流体作動チヤツク
JPH0852607A (ja) 回転軸用パワーユニット
US5271134A (en) Tool turret with axial reactive force
CN214080888U (zh) 一种双向台阶轴产品外径研磨加工的高精度气静压主轴
JP3406836B2 (ja) 複合回転工具
JP3082022B2 (ja) 工作機械用エアーチャック
JP3023769B2 (ja) 工作機械用エアーチャック
JP3240210U (ja) ダイヤフラム型エアーチャック装置
US4676516A (en) High speed chuck assembly
JP2001062615A (ja) 工作物把持装置及び同装置を用いた加工方法
WO2020218130A1 (ja) 押し引き装置
US3392985A (en) Chucks
JP2001219302A (ja) 回転主軸における工作物把持作動用エアの供給構造
JPH0746410Y2 (ja) 旋盤用コレットチャック装置
JP2003071619A (ja) 電動チャック装置