JPH0852602A - 傾斜周面支持軸状工具部材およびその製法 - Google Patents

傾斜周面支持軸状工具部材およびその製法

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JPH0852602A
JPH0852602A JP22239994A JP22239994A JPH0852602A JP H0852602 A JPH0852602 A JP H0852602A JP 22239994 A JP22239994 A JP 22239994A JP 22239994 A JP22239994 A JP 22239994A JP H0852602 A JPH0852602 A JP H0852602A
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斎藤  誠
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雄三 高羽
Hiroshi Ishizuka
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】従来に比して耐摩耗性の向上した作用面を有す
る先細り形状、その他の立体的構造を有する、比較的大
型のレースセンター、およびその製法を提供する。 【構成】高剛性材から成る軸状基体およびこの基体の周
面に接合された焼結超砥粒層を有し、かつ一端を含む部
分が連続的な先細り形状を呈する傾斜周面支持軸状工具
部材であって、先端周辺部は金属質またはサーメット系
高剛性材で構成され、また焼結超砥粒層は、超砥粒と金
属または非金属質の結合材または焼結助剤とから成り、
かつ基体の尖端を除く傾斜周面に接合されているレース
センター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旋盤や研削盤に用いら
れるレースセンタのような傾斜周面支持軸状工具部材、
およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの旋盤や研削盤作業において、回転
する工作物の回転中心を支持するために、レース(旋
盤)センタが使用され、通常工作物の端部に設けた円錐
形穴に、円錐形乃至円錐台状の端部を嵌合し押し付けた
形で用いられる。したがってセンタの円錐傾斜面は高い
剛性と共に耐摩耗性が要求されるが、一方、全体として
は製作時の加工性、経済性等の観点から、硬質鋼で作製
することが好ましい。この結果、この工具部材は鋼製本
体の円錐形端部を超硬合金で置換したものが通常使用さ
れているが、これは工具寿命の点で、必ずしも満足いく
ものとは言えない。
【0003】一方、耐摩耗材としてダイヤモンドのよう
な超砥粒の焼結体を使用することは公知である。このよ
うな焼結体は一般に、超砥粒を、この物質が熱力学的に
安定となる超高圧(数GPa)・高温条件下において、
(1)焼結助剤の存在下で処理することにより、砥粒粒
子を相互に結合(直接結合)したもの、あるいは結合と
同時に、この超砥粒の焼結層を超硬合金の支持ブロック
体に接合(同時焼結)したもの、および(2)結合材金
属やセラミックスを介して結合したもので、これは必要
に応じて別体の支持体に接合される。
【0004】これらは一般に平面的な部材として製造・
市販されている。したがってこれらを平面形状に近い切
削工具類の作製に適用する場合には、放電加工によって
ほぼ所定の寸法に切断し、刃先部付近のみを研摩加工す
る方法が採られている。
【0005】ある種の立体的形状を有する工具部材も、
同時焼結法に基づいて作製することが知られている。こ
の場合一般的に超砥粒焼結体は、超高圧装置への収容・
処理に好都合な円板状ないしは円筒状に形成し、これら
に放電加工や研摩加工による後加工を行って所定の工具
形状に仕上げる手法が採られている。このような方法は
最終形状が円筒に近い単純なものに対しては効率的な適
用が可能である。
【0006】上記同時焼結法は、超高硬度を要求される
作用面の形状が円錐状や半球状、その他の立体構造を有
する部材の製造へ適用することも原理的には可能であ
る。ただしこの場合、素材を円筒状に作製する従来方法
では通常、焼結超砥粒層として、超高硬度先端部の最大
高低差に相当する厚みを必要とすることに加えて、後加
工も複雑化する。このことは設計・操作上、品質・歩留
まり、材料コストにおいて次のような問題を生じるの
で、好ましくない。例えば焼結ダイヤモンド層の厚みを
増すことは、多量の原料ダイヤモンド粉未圧縮のため
に、焼結に用いる超高圧装置に大きな加圧ストロークが
必要となる。またこのために余分の原料を無駄に消費す
ることになる。一方焼結助剤としての金属相は超硬合金
側から供給されるので、原料ダイヤモンド微粉末量の増
加に従って融液の移動が困難になり、焼結不足の状態が
生じやすい。また後加工は通常ダイヤモンド砥石を用い
て行なわれるが、後加工が複雑化することは、単結晶ダ
イヤモンドよりも研摩しにくい多結晶体の加工に、高価
なダイヤモンド砥石を相当量消費することになり、多く
の加工工数と費用とを要することになる。
【0007】レースセンタのような、先細り形状乃至立
体構造の耐摩耗面を有する工具部材も、直径10mmφ
程度の比較的小型のものは同時焼結体素材からの切り出
し加工による製法が利用可能であるが、これより大型の
ものは上記、その他の問題のため市販されていず、満足
できる耐摩耗性を有するこの種の工具は、比較的大型の
ものについては利用できないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 したがって本発明の
目的は、従来に比して耐摩耗性の向上した作用面を有す
る先細り形状、その他の立体的構造を有する、特に比較
的大型のレースセンタその他の工具部材、およびその製
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】 上記の課題は、これら
の工具部材において傾斜支持面の構成を最適化すること
によって解決される。即ち本発明の第一の要旨は、本質
的に、高剛性材から成る軸状基体およびこの基体の周面
に接合された焼結超砥粒層を有し、かつ一端を含む部分
が連続的な先細り形状を呈する傾斜周面支持軸状工具部
材であって、先端周辺部は金属質またはサーメット系高
剛性材で構成され、また焼結超砥粒層は、超砥粒と金属
または非金属質の結合材または焼結助剤とから成り、か
つ基体の表面に接合されていることを特徴とする軸状工
具部材、にある。
【0010】本発明において、超砥粒焼結層は、超砥粒
同士を1.焼結助剤の作用により相互に結合させた直接
結合型、2.金属質または非金属質結合材を用いて結合
させた金属結合型、3.金属質および/または非金属質
マトリックス中に超砥粒を分散保持した分散型焼結体
等、いくつかの構成のものが利用できる。強度的には
1.が最も好ましく、一方3.の構造は他に比べて表面
硬度が多少低下するが、適切なSHS反応を利用するこ
とにより、それほど高くない圧力条件(通常数十〜数百
MPa)が利用可能となるので、大型のものの作製が容
易である。
【0011】直接結合型のダイヤモンド焼結体作製にお
いて、WC−Co系超硬合金製の基体を用いる場合に
は、この基体から供給されるコバルトを主成分とする金
属融液を、焼結助剤金属として利用することができる。
【0012】レースセンタは使用時に、一般に先細り乃
至傾斜した周面において工作物と直接接触するので、こ
の部分には高度の耐摩耗性が要求されるが、その他の部
分については、格別の耐摩耗性は特に必要としない。し
たがって、この周面は本発明においては超砥粒焼結体で
被覆される。しかしその他の部分については、超砥粒焼
結体の使用は要せず、むしろ、通常ガイドとして機能す
る尖った末端部については、工作物着脱の際の衝撃に耐
えられる靭性が重視される。それ故、この未端部は焼入
鋼等の、より低硬度・高靭性の材料で構成する。
【0013】本発明においては、しばしば要望されてい
るように、末端部を交換可能な構成にすることができ
る。このためには、基体を小径側の末端(尖端)と残り
の本体部分とから成る二部構成として両者をロウ付けに
よって固定したり、尖端部の後方に設けたテーパーピン
を、本体中心軸部に設けた窪み乃至軸孔に嵌合させて、
固定することができる。これらの尖端部は実質的に半球
状、円錐状、テーパー付き円筒状、またはこれらの変
形、あるいはこれらの組合せとして構成することができ
る。
【0014】本発明による工具は、各種の公知手法によ
っても製造可能であるが、特に効果的な方法として、次
の各段階を含む新規方法を挙げることができる。すなわ
ちまず直接結合型焼結体の製造工程は次の各段階を有す
る。 (1)雄型乃至工具基体を金属質またはサーメット系高
剛性材で形成する段階。 (2)工具の焼結超砥粒を固着すべき被着部分の外形に
近似的に対応する内面を有する雌型を非金属質材料で形
成する段階。 (3)超砥粒粉粒体を、結合材または焼結助剤の粉粒体
との混合状態、あるいは焼結助剤供給源と隣接状態にお
いて雌型に配置する段階。 (4)この雌型に工具基体を進入させて超砥粒粉粒体を
押すことにより流動させて上記被着部分の周囲に到達せ
しめる段階。 (5)予め混合されている結合材または焼結助剤、ある
いは上記焼結助剤供給源から供給された焼結助剤金属の
存在下で超砥粒粉粒体を熱力学的に安定な圧力温度条件
下に供することにより、超砥粒相互間の焼結および工具
基体との接合を達成する段階。
【0015】雌形ブロックの材料としては圧力伝達性、
成形性等の点で食塩(NaCl)が優れているが、この
外にも、Al、MgO、ZrOなどの酸化物、
TiC、SiC、BC、ZrCなどの炭化物、Ti
N、TaN、Si、BN、AlNなどの窒化物の
粉末成型品または焼結品が利用できる。
【0016】直接結合のための上記焼結助剤としてはC
o、Ni、その他の鉄族金属またはこれらをベースとす
る合金が使用できる。これは粉体として超砥粒粉体に予
め混合しておいたり、箔として、または蒸着・メッキに
より、雌型内面に配置乃至被覆して使用することができ
る。
【0017】上記工具基体を超硬合金で形成する場合に
は、工具基体から、鉄族金属をベースとする融液が供給
されるので、この融液を焼結助剤として利用することが
可能である。
【0018】また、金属質および/または非金属質マト
リックス中に超砥粒を分散保持したタイプの焼結体の製
造工程は次の各段階を有し、焼結に必要な熱量が専ら、
圧粉体の内部及び/または周囲で進行するSHS反応に
よって与えられる。 (1)工具基体を金属質またはサーメット系高剛性材で
形成する段階、(2)超砥粒粒子と、結合材を含有する
マトリックス材とを組合わせ、成型して圧粉体とする段
階、(3)上記圧粉体を基体に嵌合する段階、(4)必
要に応じて圧粉体の周囲に圧力伝達媒体を配置する段
階、(5)上記(2)〜(4)の段階において、SHS
(燃焼合成)反応を生じる組成の混合粉粒体を工具基体
の周囲に配置し、(6)上記超砥粒粒子/マトリックス
混合物中に、およびまたは隣接配置した成分間の燃焼合
成反応に伴う発熱により上記圧粉体を加熱して少なくと
もマトリックス材の一成分を流動化させる段階、(7)
上記燃焼合成反応終結から0.1〜10秒後に上記超砥
粒が熱力学的に準安定な圧力範囲内の圧力に2秒以上保
持することにより、緻密化乃至空隙充填を行って超砥粒
粒子と密着接合させると同時に、工具基体に接合する段
階。
【0019】上記マトリックス材としては燃焼合成反応
を生じる各種の組み合せが利用可能である。このような
組み合せは、本共同出願人の先願に係る平成6年7月7
日付提出の特許願(AD229−MK)に列挙されてい
る。
【0020】またマトリックス材として特に好ましいも
のはAl、Si、Fe、Co、Ni、Cuの単体金属、
これらの金属のいずれかを主成分とする合金および金属
間化合物から選ばれる少なくとも1種の金属材である。
【0021】加熱源としてSHS反応を使用する場合、
原料の配置場所によって内熱式と外熱式とに大別でき
る。すなわち内熱式ではマトリックス自体がこのような
反応を引き起こす組成の混合物で構成される。一方外熱
式では、このような混合物はマトリックスとは別に配置
されるので、マトリックス材としては、より広い範囲か
ら用途に適合した組成を選択することができる。なお必
要に応じて、両者を併用することも可能である。
【0022】超砥粒としては特にこゝではダイヤモンド
について説明する。しかし必要な公知の変更を加えるこ
とにより、その他の超砥粒として、c−BNやウルツ型
BNも利用できることは明らかである。
【0023】上記の各種の焼結体製法において、超砥粒
層と工具基体との間には、TiやTaのような高融点金
属の箔を配置し、焼結工程中に炭化物を形成させて中間
層として超砥粒と工具基体との接合力向上に寄与させる
ことができる。次に本発明を、添付の図面により説明す
る。
【0024】図1は、(a)〜(c)に、本発明により
作製される、焼結超砥粒層を設けた円錐状先細り工具の
いくつかの例を示す。図2は、このような工具の作成に
適用した本発明方法に利用可能な、雄型および雌型の構
成例を示す縦断面図(超高圧法)、図3は、SHS反応
を用いた焼結体製造のための構成例を示す縦断面図、ま
た図4は、図3で使用する圧粉体作製のための構成例を
示す縦断面図である。
【0025】図において、全体として円錐状を呈する工
具部材1は、大半の部分を構成する基体2と、基体表面
に固着し工作物と接触してこれを保持するするようにし
た焼結超砥粒層3を有する。基体2は、(a)に示すよ
うに、末端から基部まで全体を一体成形したり、あるい
はレースセンタにおいてガイドとして機能する尖端部分
と残りの部分とを別々に作製して、ネジ込み(b)、圧
入(c)等の機械的結合手段を用いて両者を結合するこ
とができる。尖端部は残りの本体部と共に比較的靭性の
高い材料で構成される。これらは同一の材質でも、異種
の材質でもよく、例えば焼入鋼等が利用できる。
【0026】焼結超砥粒層3は、既述のように、超砥粒
同士を直接結合させたもの、金属結合材で結合したも
の、金属/非金属マトリックス中に分散・保持したもの
等が利用できる。これらは同時焼結により超硬合金製の
基体に接合したり、SHS反応を熱源にする場合には、
溶融したマトリックスにより接合する。あるいは公知の
ロウ付けによってもよい。
【0027】同時焼結には図2の型構成が利用可能であ
る。型集合体11は、上方に開放した円錐状窪み面12
を有する雌型ブロック13と、雌型ブロック13に隣接
して共軸的に配置される円筒状の補助スリーブ14を有
する。これらの雌型ブロックおよび補助スリーブは共
に、セラミックスや食塩等で作成される。窪み面12お
よび補助スリーブ14内に、これらと共軸的に工具部材
基体15が挿入配置され、成型時に雄型として機能す
る。
【0028】窪み面12は、上記材質の粉末をプレス成
型することにより、あるいは成型されたブロックの機械
加工により、雌型ブロックの表面に、目的とする工具部
材基体15の尖端から作用部に至る部分の外形に対応す
る形状に形成し、あるいはさらに、必要に応じて焼成す
ることにより高強度品として使用することができる。工
具部材基体15の周囲には、作用部を含む範囲に亘っ
て、雌型13との間に間隙16を設け、超砥粒粒子を単
独で、あるいは焼結助剤金属粉体との混合状態で、充填
する。図においてはレースセンタ素材として、全体的な
外形を円錐状に構成しているが、この外にも、特に尖端
部の形状を部分球面またはその近似形、角錐、あるいは
ある範囲でこれらを組合せたものが利用可能である。
【0029】窪み面を、合致する形状の金属層17で被
覆すると、特に焼結層の汚染防止などに有効である。こ
のような被覆法としては、Ta、Tiなどの高融点(遷
移)金属、Co、Ni等の鉄族金属の箔を窪みの表面に
合わせて形成して挿入配置したり、あるいは蒸着・メッ
キ等の物理的、あるいは化学的手法によることができ
る。
【0030】工具部材基体15の、超砥粒が固着される
部分の表面に1乃至複数個の線状凹凸、特に溝18を設
け、接合面積を増大させると同時に表面形状の複雑さを
増すことにより、超砥粒層の機械的保持性を向上させる
ことができる。これは軸に対して垂直な、または傾斜し
た線状溝として形成するのが便利である。点状または面
状の凹凸によっても、類似の効果を達成できる。
【0031】以上のように構成した雌型ブロック12の
窪み内に工具基体15を挿入し、間隙16に超砥粒を充
填する。さらに雌型ブロック12の上に、窪み面に適合
された貫通孔を有する補助スリーブ14を載せ、その内
外にセラミック製の円板19およびリング20、さらに
工具基体の上に超硬合金のような剛性材の円板21を置
き、全体をTaのような高融点金属箔製容器22に入れ
て、公知の一軸加圧式超高圧高温装置に装填し、超砥粒
材が熱力学的に安定な圧力温度条件に供する。超砥粒粒
子間の直接結合は、主としてCoなどの鉄族金属の融液
の媒介によって生じるが、これは、工具基体を充分な高
温に加熱し、これを構成する超硬合金から供給させる
か、あるいは超砥粒粉末に予め適量混合した焼結助剤の
作用によることができる。
【0032】図3は、SHS反応熱利用に基づく本発明
工具部材の製造のための構成例を示す。全体を31とし
て示す焼結金型装置は、金型部32を有し、工具基体3
3は金型部32の底部に、尖端を上向きに配置される。
工具基体33の傾斜面に、対応する形状に予め成型し
た、超砥粒を含有する圧粉体34を置き、外熱式の工程
を行う場合には、さらにその外側にSHS反応原料の混
合粉35を配置する。圧粉体34、あるいはSHS反応
混合粉35の近くには、着火のために黒鉛ヒータ37が
配置される。なお工具基体33の尖端部には保護のた
め、ムライト等のセラミックスのキャップ36をかぶせ
ておく。
【0033】SHS反応用混合粉35の外側には、加圧
媒体として鋳物砂等を充填することができる。しかし外
熱式で用いるSHS反応用混合粉35は、同時に加圧媒
体としても利用できるので、鋳物砂、その他の加圧媒体
の使用は必須ではなく、したがってこの図においては、
加圧用のパンチ38の逆円錐面の底面39が、混合粉と
直接接して押す構成となっている。このパンチ38はス
テンレス鋼等で形成することができる。組み合わされた
全体は1軸加圧式のプレス(図示せず)に装填する。
【0034】なお圧粉体34は例えば図4に示すような
成型型を用いて作製することができる。図において型集
合体41は、外型42および底部に配置した、円錐面等
の傾斜面を有する底型43、円筒状の芯型44、さらに
外型42と芯型44に適合して型内に進入する押し型乃
至上型45とで構成される。超砥粒とマトリックス材と
の混合物46を底型43の傾斜面上に配置し、上型45
との対向面間で所要の形状に成型する。
【0035】
【実施例1】 先端に半球形の作用部を有する工具部材
を作成した。食塩のプレス成型により、工具部材先端に
対応して、10mmφの半球形およびこれに接続する長
さ4mmの円筒状部分から成る窪みを有する雌型ブロッ
クを作成し、窪みの表面に、Ta箔で形成した半球体を
密着して敷き、中に5−12μmのダイヤモンド粉末2
gを入れた。雌型ブロックの上に、雄型ガイドとして食
塩製の補助スリーブを載せ、この中心に、雄型乃至工具
部材基体として、先端に直径6mmの半球状外面を有す
る長さ30mmのWC−13%Co製の棒を、ゆっくり
と挿入した。この基体には円筒状部分および円錐形部分
に各1本ずつ、深さ0.5mm、幅1mmのリング状溝
を設けておいた。
【0036】全体を一軸加圧方式の超高圧装置に装墳
し、6GPa、1350℃の圧力温度条件に5分間供し
た。全体を超高圧装置から取り出し、型を壊し、焼結さ
れた工具基体焼結品の表面を研摩加工して、研摩工具部
材を得た。
【0037】
【実施例2】 SHS反応加熱により、円錐状尖端部を
有する工具の製作を行った。原料として粒径22μmの
Ti粉末、粒径7μmの黒鉛粉末、粒度300メッシュ
以下のNi粉末を用意した。これらを重量%でTi:N
i:C=62:27:11秤取し、十分に混合して出発
材料とした。この混合粉末に、平均粒径50μmの合成
ダイヤモンド粒子を、上記の混合粉末に対して15容積
%添加し、十分に混合した。本質的に図4に示した装置
を用い、プレス成型によって、直径16mm、肉厚4m
mの圧粉体を作成した。焼結には、本質的に図3に示す
金型装置を用いた。金型部は、内径95mm、高さ10
0mmであって、圧粉体の周囲には5mmの厚さで、重
量%においてTi:C=80:20の混合粉末を配置し
た。また圧粉体の上端に接して、点火用の黒鉛リボンを
配置した。
【0038】組み立ての終わった焼結金型装置を一軸加
圧の油圧プレス装置に取り付け、加圧用のパンチを押し
付けない状態で黒鉛リボンに通電することにより、圧粉
体に点火した。点火後5秒経過して圧粉体全体が高温と
なった時点で、油圧プレスによる急速加圧を行い、圧粉
体に約100MPaの荷重を加えて30秒間保持した。
【0039】生成された焼結層の表面は金属光沢を呈
し、研摩面における硬度はビッカース硬さ8〜12GP
aであった。またこの面には光学顕微鏡観察でポアの存
在は認められなかった。
【0040】
【実施例3】 WC:Co=85:15(重量比)のマ
トリックス原料混合粉に25容量%のダイヤモンド粉末
(30/40μm)を混合した。成型型内に超硬合金製
の基体を配置し、周囲の雌型との間の間隙に混合粉末を
充填し、加圧して、基体の截頭円錐状圧粉体を形成し
た。これを、ムライトセラミックス製スリーブを嵌め込
んだ図3の焼結金型内に配置し、上記圧粉体の周囲にT
i:C=80:20(重量比)の混合物からなる別の圧
粉体を配置し、着火用のヒーターを接触させた。着火か
ら5秒後(燃焼終了後約1秒後)反応物を80MPaに
加圧し、20秒間保持した。反応生成物は円錐面を研摩
して製品とした。
【0041】なお上記の説明は専ら超砥粒としてダイヤ
モンドを用いた場合について説明したが、この説明は、
同様に鉄族金属の媒介により焼結が可能な別の超砥粒、
特に立方晶窒化硼素(c−BN)に対しても本質的な部
分において同様に適用されることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により作製される円錐状傾斜周面支持
軸状工具の構成例。
【図2】 本発明方法の実施に利用可能な超高圧焼結金
型例を示す縦断面図。
【図3】 本発明方法の実施に利用可能なSHS反応型
構成例を示す縦断面図。
【図4】 圧粉体作製のための構成例を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 工具部材 2 基体 3 焼結超砥粒層 11 型集合体 12 円錐状窪み面 13 雌型ブロック 14 補助スリーブ 15 工具部材基体 16 間隙 17 金属層 18 溝 19 セラミック製円板 20 リング 21 剛性材の円板 22 高融点金属箔製容器 31 焼結金型装置 32 金型部 33 工具基体 34 圧粉体 35 SHS反応用混合粉 36 保護キャップ 37 黒鉛ヒータ 38 パンチ 39 パンチ底面 41 型集合体 42 外型 43 底型 44 芯型 45 上型 46 超砥粒/マトリックス材混合物

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本質的に高剛性材から成る軸状基体およ
    びこの基体の周面に接合された焼結超砥粒層を有し、か
    つ一端を含む部分が連続的な先細り形状を呈する傾斜周
    面支持軸状工具部材であって、先端周辺部は金属質また
    はサーメット系高剛性材で構成され、また焼結超砥粒層
    は、超砥粒と金属または非金属質の結合材または焼結助
    剤とから成り、かつ基体の尖端を除く傾斜周面に接合さ
    れていることを特徴とする軸状工具部材。
  2. 【請求項2】 上記基体が、本質的に金属質高剛性材で
    構成された先端部、および周面に焼結超砥粒層が接合さ
    れ、かつ中心軸に沿って延びた窪み乃至軸孔を有する本
    体部から成り、上記先端部が本体の窪み乃至軸孔に嵌合
    されている、請求項1に記載の軸状工具部材。
  3. 【請求項3】 上記嵌合が圧入による、請求項2に記載
    の先細り軸状工具部材。
  4. 【請求項4】 上記先端部の外形が円錐状を呈する、請
    求項1に記載の軸状工具部材。
  5. 【請求項5】 上記先端部の外形が截頭円錐状を呈す
    る、請求項1に記載の軸状工具部材。
  6. 【請求項6】 上記先端部の外形が球面状を呈する、請
    求項1に記載の軸状工具部材。
  7. 【請求項7】 上記超砥粒がダイヤモンドまたは高圧相
    窒化硼素から選ばれる、請求項1に記載の軸状工具部
    材。
  8. 【請求項8】 次の各段階を有する傾斜周面支持軸状工
    具部材の製法: (1)雄型乃至工具基体を金属質またはサーメット系高
    剛性材で形成する段階。 (2)工具の焼結超砥粒を固着すべき被着部分の外形に
    近似的に対応する内面を有する雌型を非金属質材料で形
    成する段階。 (3)超砥粒粉粒体を、結合材または焼結助剤の粉粒体
    との混合状態、あるいは焼結助剤供給源と隣接状態にお
    いて雌型に配置する段階。 (4)この雌型に工具基体を進入させて超砥粒粉粒体を
    押すことにより流動させて上記被着部分の周囲に到達せ
    しめる段階。 (5)予め混合されている結合材または焼結助剤、ある
    いは上記焼結助剤供給源から供給された焼結助剤金属の
    存在下で超砥粒粉粒体を熱力学的に安定な圧力温度条件
    下に供することにより、超砥粒相互間の焼結および工具
    基体との接合を達成する段階。
  9. 【請求項9】 上記焼結助剤としてCoまたはNiの粉
    粒体を用い、これを超砥粒粉粒体に予め混合する、請求
    項8に記載の軸状工具部材の製法。
  10. 【請求項10】 工具基体の進入に先立ち、上記焼結助
    剤を雌型内面に予め被覆してなる、請求項8に記載の軸
    状工具部材の製法。
  11. 【請求項11】 上記焼結助剤が遷移金属である、請求
    項10に記載の軸状工具部材の製法。
  12. 【請求項12】 上記金属質高剛性材が超硬合金または
    高硬度鋼である、請求項8に記載の軸状工具部材の製
    法。
  13. 【請求項13】 上記工具基体を超硬合金で構成し、焼
    結助剤をこの超硬合金から融液として供給する、請求項
    8に記載の軸状工具部材の製法。
  14. 【請求項14】 上記非金属材料が金属酸化物、窒化
    物、炭化物、および食塩から選ばれる、請求項8に記載
    の軸状工具部材の製法。
  15. 【請求項15】 上記雌型の内面に接して高融点金属
    箔、または鉄族金属箔を配置する、請求項8に記載の軸
    状工具部材の製法。
  16. 【請求項16】 上記雌型の表面に高融点金属、または
    鉄族金属を物理的または化学的手法により付着させた、
    請求項8に記載の軸状工具部材の製法。
  17. 【請求項17】 上記雄型の表面に溝付けまたは階段状
    加工により、表面積を増した、請求項8に記載の軸状工
    具部材の製法。
  18. 【請求項18】 次の各段階を有する傾斜周面支持軸状
    工具部材の製法: (1)工具基体を金属質またはサーメット系高剛性材で
    形成する段階、(2)超砥粒粒子と、結合材を含有する
    マトリックス材とを組合わせ、成型して圧粉体とする段
    階、(3)上記圧粉体を基体に嵌合する段階、(4)上
    記(2)〜(3)の段階において、SHS(燃焼合成)
    反応を生じる組成の混合粉粒体を工具基体の周囲に配置
    すること、(5)上記超砥粒粒子/マトリックス混合物
    中に、および/または隣接配置した成分間の燃焼合成反
    応に伴う発熱により上記圧粉体を加熱して少なくともマ
    トリックス材の一成分を流動化させる段階、(6)上記
    燃焼合成反応終結から0.1〜10秒後に上記超砥粒が
    熱力学的に準安定な圧力範囲内の圧力に2秒以上保持す
    ることにより、緻密化乃至空隙充填を行って超砥粒粒子
    と密着接合させると同時に、工具基体に接合する段階。
  19. 【請求項19】 上記マトリックス材が燃焼合成反応を
    生じ得る組成で構成される、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 上記燃焼合成反応を上記圧粉体の周囲
    で進行せしめる、請求項18に記載の方法。 【請求項20】 上記マトリックス材が実質的にAl、
    Si、Fe、Co、Ni、Cuの単体金属、これらの金
    属のいずれかを主成分とする合金および金属間化合物か
    ら選ばれる少なくとも1種の金属材を含有し、流動化が
    この金属材の溶融による、請求項18に記載の方法。
  21. 【請求項21】 上記超砥粒がダイヤモンドまたは高圧
    相窒化硼素から選ばれる、請求項18に記載の方法。
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JP2004503675A (ja) * 2000-06-13 2004-02-05 エレメント シックス (プロプライエタリイ)リミテッド 複合ダイヤモンド圧縮体
KR20220058135A (ko) * 2020-10-30 2022-05-09 송병삼 초경 센터 및 그 제조방법

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