JPH08512193A - 減速機のないタービン発電機アセンブリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、減速機なしで互いに結合されたタービン及び発電機と、発電機と所与の動作周波数を有する交流送電網との間に直列に接続された誘導周波数変換器とを備え、タービン発電機アセンブリが発電状態にあるときは、誘導周波数変換器が、発電機によって供給される電圧と電流の周波数を交流送電網の所与の動作周波数に変換する、タービン発電機アセンブリに関する。本発明によれば、タービン発電機アセンブリが始動状態のとき、誘導周波数変換器は、交流送電網から電力を取り出すことによって、モータとして動作する発電機に、タービンの燃焼室を点火するための電力を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】 減速機のないタービン発電機アセンブリ 本発明は、それぞれ１台のタービンと１台の発電機、例えば交流発電機を駆動 するガスタービンを含む、複数の電気エネルギー発生アセンブリに関する。 低電力または中程度の電力（数ＭＷから数１０ＭＷまで）を供給するガスター ビンは、高速（例えば５，０００ｒｐｍから１５，０００ｒｐｍまでの範囲）で 回転するときには効率が良い。二極型または四極型の交流発電機が５０Ｈｚの商 用周波数で電気を供給するためには、その回転速度は３，０００ｒｐｍまたは１ ，５００ｒｐｍでなければならない。二極型または四極型の交流発電機によって ６０Ｈｚの周波数を得るためには、その回転速度は３，６００ｒｐｍまたは１， ８００ｒｐｍでなければならない。従って、ガスタービンと交流発電機との間に 減速機を備える必要があることがわかる。ガスタービンのこのような出力では、 減速機を容認できるコストでかつ効率良く工業的に実現することができる。 ガスタービンがもっと大きな出力（６０ＭＷ以上）を有する場合には、このよ うな減速機は非常にかさばり、そのコストは 非常に高いものになる。さらに非常に高い出力では、これらの減速機の実現は不 可能であり、従ってタービンは交流発電機を直接駆動する。 このため、商用周波数で電流を直接供給する二極型交流発電機を使用するため に、高出力ガスタービンの回転速度を５０Ｈｚでは３，０００ｒｐｍに、６０Ｈ ｚでは３，６００ｒｐｍに制限する必要がある。 これは、ガスタービン交流発電機アセンブリの全効率を低下させる。 さらに、ガスタービンの燃焼室部分に燃料を噴射する前にガスタービンの圧縮 機中で空気を圧縮しなければならないので、ガスタービンはそれ自体で始動する ことはできない。始動は、付属の電動機またはディーゼル機関、または交流送電 網から給電される始動用の誘導（statique）変換器によって行われる。 所与の周波数の交流送電網に電気エネルギーを供給することを目的とする、減 速機なしで結合されたガスタービン交流発電機アセンブリは、周知である。発電 機と配電網との間に誘導周波数変換器が直列に接続され、この変換器は、発電機 によって配電網の周波数とは異なる周波数で送り出される電圧と電流を、 配電網の周波数に相当する大きさに変換する。 このようなアセンブリは、特願昭５８−２１２３６７号、同６２−１３１７９ ８号、同５６−０６２１００号に記載されている。このようなアセンブリは、高 出力ガスタービンの回転速度の制限を回避することができる。 本発明の目的は、減速機なしで互いに結合されたタービンと発電機を含むター ビン発電機と、発電機と所与の動作周波数を有する交流送電網との間に直列に接 続された誘導周波数変換器とを提案することによって、上記のようなタービン発 電機アセンブリの全体寸法を小さくすることであり、誘導周波数変換器は、ター ビン発電機アセンブリが発電状態のとき、発電機によって供給される電圧と電流 の周波数を、交流送電網の所与の動作周波数に変換する。本発明によれば、ター ビン発電機アセンブリが始動状態のとき、誘導周波数変換器はさらに、交流送電 網から電力を取り出すことによって、モータとして動作する発電機に、タービン の燃焼室を点火するための電力を供給する。 本発明によれば、発電機は誘導子を含む交流発電機であり、タービン発電機ア センブリが発電状態のとき、誘導周波 数変換器は、誘導子に作用して交流発電機を励起または調整させあるいはその両 方を行う。 本発明の一実施形態では、誘導周波数変換器は、発電機から供給される電流と 電圧を測定する変圧器によって制御される二つのサイリスタ・ブリッジを含む。 誘導周波数変換器によりタービン発電機アセンブリの回転速度を、交流送電網 に供給される負荷に応じて調節できるようになると好都合である。 発電機は、交流発電機でも非同期発電機でもよい。 本発明の利点の一つは、同じ誘導周波数変換器により、以前は別々に実施され 、それらの内のいくつかは非常にかさばる低性能の装置を必要とするものもあっ た、複数の機能が実現できるようになったことである。 上記の利点の結果得られる別の利点は、交流発電機の励起／調整または交流発 電機と配電網の同期のための電気制御キャビネットの削除、さらに減速機及びガ スタービン始動用付属装置の削除による、スペースの節減である。 添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例に関する下記の説明を読めば、 本発明はよりよく理解されよう。 第１図ないし第４図は、従来の技術において見られるようなガスタービンと交 流発電機を含む、電気エネルギー発生アセンブリの単線回路図である。 第５図は、本発明によるガスタービンと交流発電機を含む、一つの電気エネル ギー発生アセンブリの単線回路図である。 第１図では、低出力または中出力のガスタービン１０が交流発電機１１を駆動 し、交流発電機１１は変圧器１４を介して配電網１３に電力を供給していること がわかる。変圧器は、交流発電機の遮断器１５と回路遮断器１６との間に挟まれ ている。 図に示すように、交流発電機１１が商用周波数で機能できるような速度で回転 できるように、ガスタービン１０と交流発電機１１との間に減速機１６が挟まれ ている。 上述のようにこのアセンブリは、電動機またはディーゼル・エンジン１７によ って始動することができる。 交流発電機は誘導子１１Ａを有し、これに調整回路１８が作用して、負荷に応 じて交流発電機を調整できるようになっている。 調整回路は、測定変圧器１９、２０によって得られる、交流発電機から供給さ れる電流と電圧の測定値に応じて動作する。 第２図は、第１図に示したものと類似のアセンブリを示すが、この場合はガス タービン１０′は高出力タービンであり、従って減速機１６は省略されている。 このアセンブリの他の要素は変わらず、第２図では第１図における類似の要素と 同じ番号を付けてある。 第３図では、ガスタービン１０はやはり低出力または中出力のタービンであり 、減速機１６を必要とするが、始動モータはなく、始動は、タッピング変圧器２ ３を介して配電網から電力を供給されるサイリスタ・ブリッジ２２を含む始動用 誘導変換器２２によって行われる。 このアセンブリの他の要素は同じである。 第４図は、ガスタービン１０′が高出力のタービンであるアセンブリを示す。 従って減速機なしで交流発電機１１に結合されている。 第３図の場合と同様に、始動モータは省略され、その代わりに始動用誘導変換 器２２が使用される。 第５図は、本発明による電気エネルギー発生アセンブリを示す。 ガスタービン１００は交流発電機に直接結合されており、そ の出力に関係なく、タービン交流発電機アセンブリは最適の速度で回転すること ができる。例えば、ガスタービンは４０ＭＷタービンであり、５，１００ｒｐｍ で回転するとき、二極型交流発電機は８５Ｈｚの周波数を供給する。 交流発電機は誘導周波数変換器２５（略号ＳＦＣ）と直列であり、この変換器 自体は変圧器１４と回路遮断器１６を介して配電網１３に接続されている。 変換器は、誘導子２６を介して互いに接続された二つのサイリスタ・ブリッジ ２５Ａ、２５Ｂを含む。 ＳＦＣの制御は、測定変圧器２９、３０によって実施された電流と電圧の測定 値に基づいて行われる。 タービン発電機アセンブリが発電状態のときは、誘導周波数変換器の主な機能 は、配電網の周波数とは異なる周波数（上の例では８５Ｈｚ）で供給される電圧 と電流を、配電網の周波数に相当する大きさに変換することである。したがって 誘導周波数変換器は、交流発電機によって供給される電力を適切な周波数で伝送 できるようにする。 本発明によれば、ＳＦＣはまた次の機能も有する。 ａ）タービン発電機アセンブリが発電状態のときは、交流発 電機を調整または励起させ、あるいはその両方を行う。この機能は従来技術では 特別の制御キャビネットに割り当てられている。このために、測定変圧器２９、 ３０によって測定されたデータを使用する。 ｂ）タービン発電機アセンブリが始動状態のときは、配電網からの抽出によっ て、モータとして機能する発電機に電力を供給するのに適した大きさの電流と周 波数を供給する。燃焼室が点火された後、誘導周波数変換器は反転して、交流発 電機によって供給される電力を配電網に伝送する。この機能はＳＦＣが可逆性で あるために可能になる。 場合によっては、タービンが回転軸にトルクを与え始める、中間段階を設ける こともでき、タービン発電機アセンブリの定格速度に達するまで、発電機はモー タとして機能し続ける。その後は、誘導周波数変換器は単に反転するだけで、発 電機によって供給される電力を配電網に伝送する。 ｃ）上述の主要機能に加えて、この誘導周波数変換器はａ）及びｂ）に定義さ れた機能をすべて実施することもできる。 本発明によって、ガスタービンと交流発電機から成るアセンブリ及びその電子 制御キャビネットの費用を、著しく節減する ことができ、また動作も節減できる。 実際に、単一の誘導周波数変換器によって下記のことが可能となる。 コストが高くてエネルギーを消費する減速機を削除する、 タービン交流発電機アセンブリのガスタービン回転速度を、全負荷または部分 負荷時に最適化し、これによりアセンブリの効率を高める、 配電網の周波数と交流発電機の周波数の困難な同期の問題をなくす、 発電機の励起／調整及び同期のためのキャビネットをなくす。 本発明は、どのような形式のタービン（ガスタービン、蒸気タービン）にも、 その出力に関係なく適用される。また発電機２５は交流発電機でも非同期発電機 でもよい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．減速機なしで互いに結合されたタービン（１００）および発電機（１１）と 、前記発電機（１１）と所与の動作周波数を有する交流送電網（１３）との間に 直列に接続された誘導周波数変換器（２５）とを備え、タービン発電機アセンブ リが発電状態のときは、前記誘導周波数変換器（２５）が、発電機（１１）によ って供給される電圧と電流の周波数を交流送電網（１３）の所与の動作周波数に 変換する、タービン発電機アセンブリであって、タービン発電機アセンブリが始 動状態のときには、前記誘導周波数変換器（２５）が、前記交流送電網（１３） から電力を取り出すことによって、モータとして動作する前記発電機（１１）に 、前記タービン（１００）の燃焼室を点火するための電力を供給することを特徴 とするタービン発電機アセンブリ。 ２．前記発電機（１１）が誘導子（１１Ａ）を含む交流発電機（１１）であり、 前記タービン発電機アセンブリが発電状態のとき、前記誘導周波数変換器（２５ ）が、前記誘導子（１１Ａ）に作用して、前記交流発電機（１１）を励起または 調整し、あ るいはその両方を行うことを特徴とする請求の範囲第１項に記載のタービン発電 機アセンブリ。 ３．前記誘導周波数変換器（２５）が、前記発電機（１１）によって供給される 電圧と電流を測定する測定変圧器（２９、３０）によって制御される二つのサイ リスタ・ブリッジ（２５Ａ、２５Ｂ）を含むことを特徴とする請求の範囲第１項 または第２項に記載のタービン発電機アセンブリ。 ４．前記誘導周波数変換器（２５）が、交流送電網（１３）に供給される負荷に 応じて前記タービン発電機アセンブリの回転速度の調整を可能にすることを特徴 とする請求の範囲第１項から第３項のいずれか一項に記載のタービン発電機アセ ンブリ。 ５．前記発電機（２５）が交流発電機または非同期発電機であることを特徴とす る請求の範囲第１項から第４項のいずれか一項に記載のタービン発電機アセンブ リ。