JPH08511191A - 心房頻脈およびpmtに応答するペースメーカ - Google Patents

心房頻脈およびpmtに応答するペースメーカ

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JPH08511191A JP7525176A JP52517695A JPH08511191A JP H08511191 A JPH08511191 A JP H08511191A JP 7525176 A JP7525176 A JP 7525176A JP 52517695 A JP52517695 A JP 52517695A JP H08511191 A JPH08511191 A JP H08511191A
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エム マン、ブライアン
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Abstract

(57)【要約】 植え込み可能なペースメーカがDDDモードで作動し、また整調サイクル内の早期の心房脱分極の検出に応答して修正されたDDIモードに復帰する。修正されたDDIモードは、要請される時、現在の整調サイクルにこのようなAパルスの結果としての心房キックに対して十分な時間が残されている時に、心房刺激パルス(Aパルス)(150)の発生により血液力学的および電気生理学的に有利な追加的なキックを与える。時間窓TA(146)は正常なDDD整調サイクルのボスト心室心房不応周期(PVARP)(144)に続く時間として定められている。もしP波(142)がTAの間に検出されるならば、修正されたDDIモードが要請される。このモードでは、禁止R波が検出されないならば、最後の心室事象と次に予定されるVパルスとの間の時間は保たれる。さらに、次のVパルスが予定される以前にAパルスを供給するのに十分な時間があるならば、このようなAパルスが、追加的な心房キックを与えるべく、発生される。

Description

【発明の詳細な説明】 心房頻脈およびPMTに応答するペースメーカ 発明の背景 発明の分野 本発明は植え込み可能な医学装置および方法に関し、また一層詳細には、一層 適切な心室拍動数を維持するべく、またペースメーカにより媒介される頻脈(P MT)の危険を最小化するべく適応させられる高められた上側レート挙動を有す る植え込み可能なデュアルチャンバペースメーカまたはペースメーカシステムに 関する。 心臓の基本的機能は身体を通じて血液をポンピングする(循環させる)ことで ある。血液は、廃物および二酸化炭素を除去しながら、種々の組織に酸素および 栄養剤を供給するための媒体としての役割をする。心臓は2つの心房および2つ の心室から成る4つのチャンバに分割されている。心房は心臓に戻る血液を心室 がこの血液を受け入れる準備ができるまで保持する貯溜チャンバである。心室は 本来のポンピングチャンバである。心臓のポンピング機能は心房および心室の筋 肉壁の協調した収縮により達成される。 心房は単なる貯溜チャンバ以上のものである。心房は心臓が拍動または収縮す るレートを制御する心臓固有(自然、生来または本来)のペースメーカである。 加えて、心房の収縮は心室を満たすのを助け、さらに最適に満たすことに寄与し 、またこうして心臓が各収縮の際にポンピングし得る血液の量を最大化する。こ うして、心房収縮には短い時間(通常は120ないし200ms)の後に心室収 縮が続くことになる。 心臓が血液を心房血管のなかへ能動的に吐出する心臓収縮の周期は心臓収縮期 と呼ばれている。チャンバが血液で満たされている心臓緩和の周期は心臓拡張期 と呼ばれている。心房および心室収縮期は順番に繰り返されて、心室を最適に満 たすのを助けるべく心房の収縮を許す。これはAV同期と呼ばれている。 心臓周期は心臓収縮期および心胸拡張期の1つのシーケンスを含んでいる。そ れは患者の脈拍数をカウントすることより検出され得る。それはまた心電図(E CG)または電位記録図(EGM)により記録されるような心蒔リズムにより反 映され得る。ECGは身体の表面に置かれた表面電極を使用して見られた心臓の 電気的活動の記録である。EGMは心臓の内部に置かれた電極を使用て検出され た心臓の電気的活動の記録である。電気的活動とは心房および/または心室のな かの心臓脱分極をいう。一般に、ECGまたはEGM上で、心房の脱分極はP波 により表され、他方において心室の脱分極はQRS複合波、しばしば短縮されて “R波”により表される。電気的脱分極は能動的な筋肉収縮をトリガーし、また は開始させる。いったん心臓細胞が脱分極されると、それらは次の脱分極および 収縮を生起させるために再分極しなければならない。心室再分極はT波により表 される。心房再分極は、それがR波とほとんど同時に生起する時に、ECGまた はEGM上に稀に見られ、またこうしてこの大きい電気的信号により隠されてい る 正常な心臓レートは60ないし100(bpm)の間を変化し、72bpmの 平均的な心臓レートは近似的に一日あたり100,000回の心拍を生ずる。心 拍は一般にストレス(身体的または情緒的)の間は増し、また休息(睡眠)の間 は遅くなる。 心胸が一分間にポンピングする血液の量は心頃拍出量と呼ばれている。それは 心拍ごとに吐出される血液の量(ストローク体積)と毎分心拍数との積として計 算される。もし心臓レートが身体の生理学的要求を満足するのに遅過ぎるならば 、心臓拍出量は身体の新陣代謝需要を満足するのに十分でない。徐脈と呼ばれる 遅過ぎる心臓レートはこうして2つの主要な症状の1つを招く。(1)もし心臓 が心拍なしに事実上停止するならば、血液流が存在せず、またもしこれが臨界的 な時間(10ないし30秒)にわたり持続されるならば、個体は失神する。また は(2)もし心拍が存在するがそれが遅過ぎるならば、患者が疲れており、また 虚弱である(低心臓拍出量と呼ばれている)。 ペースメーカは心臓がポンプとしてのその機能を行うのを助ける意図で電気的 刺激パルスにより心臓を選択的に刺激するのに使用される医学装置である。一般 に、刺激パルスは予め定められた限界の上の心臓レートを維持するべく、すなわ ち徐脈を処置するべく、リズムを定められている。ペースメーカはこうして整調 システムとみなされ得る。整調システムは2つの主要な構成要素から成っている 。一方の構成要素は刺激パルスを発生するパルス発生器であり、また電子回路お よび電池を含んでいる。他方の構成要素は心臓にペースメーカを電気的に接続す るリードである。 ペースメーカは患者の固有の内因性リズムが喪失する時に心臓を収縮させるべ く心臓に電気的刺激を与える。このために、ペースメーカはEGMを、詳細には EGMのなかのP波および/またはR波を検出する検出回路を含んでいる。この ようなP波および/またはR波をモニターすることにより、ペースメーカ回路は 心臓の内因性リズムを決定し、また心臓の電気的リズムの安定化を助けるように 心臓サイクル中の適切な時点で心房および/または心室脱分極を強制的に生じさ せる刺激パルスを与えることができる。 ペースメーカはシングルチャンバもしくはデュアルチャンバシステムとして説 明されている。シングルチャンバシステムは心臓の同一のチャンバ(心房または 心室)を刺激し、また検出する。デュアルチャンバシステムは心臓の双方のチャ ンバ(心房および心室)のなかで刺激および/または検出する。デュアルチャン バシステムは典型的にはデュアルチャンバモードもしくはシングルチャンバモー ドで作動するようにプログラムされ得る。 ペースメーカが作動する基本モードを記述するのに3文字コード(時には5文 字コードに拡張される)が使用されている。これらの3文字は特に徐脈の処置の ための電気的刺激を指す。第4位置(使用される時)はプログラム可能性および レート変更の度合を表し、また第5位置(使用される時)は速い心臓リズムまた は頻脈の一次的処置のための電気的刺激治療を指す。 ペースメーカコードの第1位置は電気的刺激が与えられるチャンバを指す。も し装置が徐脈支援整調を行うことができないならば、“0”がこの第1位置を占 める。もし装置が心室内で整調するならば、これは“V”により表される。もし 装置が心房内で整調するならば、第1位置は“A”により表される。もし刺激が 心房もしくは心室に与えられるならば、文字“D”がデュアルチャンバ刺激を反 映するのに使用される。 ペースメーカコードの第2位置は検出が行われる1つ又は複数のチャンバを示 す。検出は心臓の内因性の電気的活動を認識するペースメーカの能力である。こ の位置に使用される文字は第1の位置に使用される文字と同一である。 ペースメーカコードの第3位置はペースメーカが検出された信号に応答する仕 方を表す。“I”はペースメーカが禁止されることを意味する。それが内因性の 電気的信号を検出する時、それはその固有の出力パルスを禁止し、またペースメ ーカの回路のなかの1つまたはそれ以上のタイマーをリセットする。他の基本的 応答は、トリガーされることを意味する“T”により表される。応答のトリガー モードは、ペースメーカが内因性の電気的信号を検出する時、それがペースメー カの回路のなかの種々の内部タイマーをリセットするだけでなく、検出された事 象に応答して刺激の開始または解除をも行うことを示す。第3位置の“D”は応 答検出の両モードを指す。最も一般的には、心房から生じまたデュアルチャンバ ペースメーカの心房チャネル上で検出される信号は心房拍出を禁止するが、短い 遅延(AV遅延)の後に心室拍出をトリガーする。もし生来の心室脱分極がAV 遅延タイマーの終了以前に生起しないならば、心室刺激はこのAV遅延の終了時 に解除される。もし生来の心室信号がAV遅延のなかで検出されるならば、心室 拍出は禁止され、また他のタイマーがリセットされる。もし生来の心室信号が心 房刺激の解除以前に検出されるならば、心房拍出パルスおよび心室拍出パルスの 双方が禁止され、また種々のタイマーがリセットされる。 デュアルチャンバペースメーカの一般的な作動モードはDDDモードである。 DDDシステムは以前の整調方法の限界を克服するべく開発された。詳細には、 DDDシステムは心房徐脈の間の心房整調、心室徐脈の間の心室整調および組み 合わされた心房および心室徐脈の間の心房および心室整調を行う。加えて、DD Dシステムは心房同期モードで作動する。このような特徴は、検出されたP波の レートに比例してレート増大が生起するのを許すことにより、より速い心臓レー トを必要とする運動または他の生理学的活動への正常な応答を一層近似する。こ のことは心臓拍出量を有利に増し、またAV同期の維持を容易にする。 不幸なことに、DDDモードで作動するペースメーカは、他の因子と組み合わ さって、ペースメーカにより媒介される頻脈(PMT)の原因となり得る。たと えば、心房不整脈たとえば速い心房レートの傾向がある患者では、DDDペーサ は速い心房レートを追跡し、心室を相応に速いレートで整調されるようにし、そ れにより頻脈(速い心臓レート)を生起させる。DDDペースメーカなしでは、 このような頻脈はおそらく生起しない。なぜならば、速い心房レートにもかかわ らず、心室がより遅い(より正常な)レートで拍動し続けるからである。しかし 、DDDペースメーカを使用すると、心室の刺激が速い心房レートを追跡するよ うに生起し、またこうしてペースメーカが“ペースメーカにより媒介される頻脈 ”またはPMTと呼ばれる頻脈を生起させるように有効に仲介または“媒介”す る。 速い心房レートを単に追跡することのほかに、PMTがDDDペーサによりト リガーされ得る他の理由もある。たとえば、心房脱分極と心室脱分極との間の延 長された間隔はP波の逆行性伝導を生起させ、または強化させ得る。逆行性P波 はペースメーカ検出回路により検出される。不幸なことに、ペースメーカ検出回 路は逆行性P波または正常なP波の間を区別することができず、このような検出 は、各心室整調事象に追跡される逆行性P波が続き、他の心室整調事象を招き、 プロセスを繰り返させるPMTを招き得る。 (逆行性P波の検出に起因する)上記の形式のPMTが、ペースメーカのポス ト心室心房不応周期(PVARP)を逆行性伝導時間よりも長くプログラムする ことにより防止され得ることはよく知られている。しかし、PVARPのこのよ うな延長はPVARP内で遅く生起するP波の検出を妨げるので不利である。P 波検出の失敗は、一層高い確率で心臓の心房不応周期内で与えられる心房刺激パ ルスを、このようなパルスが有効でない時に、ペースメーカに発生させる。その 結果として、血液力学的性能を低下させ、および/または逆行性伝導を誘発し得 るP‐V間隔が有効に延長する。さらに悪いことに、(心房不応周期の間に心臓 に与えられる)心房刺激が心房粗動または細動を誘発し得るおそれがある。従っ て、すべての心房刺激が有効であることを保証し、それにより逆行性伝導応答し てPMTまたは心房不整脈の誘発の危険を最小化するように上側レート挙動を強 化するデュアルチャンバペースメーカが必要とされることは明らかである。また 、上側レート応答を強化して、病的な心房リズムが追跡されないことを保証し、 そ れにより一層適切な心室レートを与えることも必要とされる。 デュアルチャンバ整調システムを有する患者のPMTの確率を最小化するいく つかのアプローチが従来知られている。たとえば、特に心房不整脈の傾向がある 患者に対して、また速い心房レートの追跡が望ましくない場合に対して、整調シ ステムはDDIモードで作動するべく簡里にプログラムされ得る。DDIモード は、心房信号(P波)が追跡されないことを例外として、DDDモードと同一に 作動する。従って、DDIモードでのP波の検出の結果として正常な心室タイミ ングによる心房拍出が禁止される。こうして、DDI整調への復帰はこのような 患者に対するPMTの確率を最小化するための有効な手法であることが実証され ている。 不幸なことに、DDIモードでの整調時に、検出されるP波は逆行性伝導に起 因するものであり得る。従って、それは、血液力学的に有効でない心臓サイクル 中の時点で、すなわち次に予定される心室刺激と適切に同期していない時点で生 起する。すなわち、血液力学的に有効なP波は、ペースメーカにより決定される 心室タイミング(検出される逆行性P波により変更されない)に従った次の心室 刺激パルスの供給の直前に心房を血液で満たすべく“心房キック”を与える心臓 サイクル中の時点で生起するP波である。従って、患者の心臓の血液力学的性能 を改善し、適切な時には必要とされる“心房キック”を与え、また適切でない時 にはそれを与えないようにDDI応答を修正することが望ましい。 発明の概要 本発明は、P波がポスト心室心房不応周期(PVARP)に続く予め定められ た時間間隔のなかで検出される時には常に修正されたDDIモードに自動的に復 帰するDDDモードで作動可能な植え込み可能なデュアルチャンバペースメーカ を提供することにより上記および他のニーズを有利に満たすものである。有利な ことに、ペースメーカのPVARPはたとえばレート応答整調の間に生起し得る よらな短い値または長い値をとってよく、しかも逆行性伝導の追跡を防止する。 開始時に、修正されたDDIモードは、追加的な心房キックに対して十分な時間 が現在の心臓サイクル内に残されており、こうして血液力学的に益する場合にの み追加的な心房刺激パルスを発生する(それにより追加的な心房キックを与える )ので有利である。 本発明の1つの熊様によれば、デュアルチャンバペースメーカのなかに含まれ ているタイミング回路は、ペースメーカのポスト心室心房不応周期(PVARP )に続く時間間隔または“時間窓”TAを定める。もしP波が時間窓TAの間に検 出されるならば、修正されたDDIモードが自動的に開始される。このような修 正されたDDIモードでは、最後の心室事象と次に予定される心室パルスとの間 の時間、R波禁止が検出されない場合には、変更されない。さらに、もし次の心 室パルスが予定される以前に心房パルスを供給するのに十分な時間が存在するな らば、このような心房パルスが、追加的な心房キックを与えるべく発生される。 作動の仕方を説明すると、上記の決定(心房パルスを供給するのに十分な時間 があるかどうか)は下記のように行われる。もし予め定められた時間TP以上の 時間が、次の心房パルスがP波の検出後に予定される以前に、残されているなら ば、Aパルスが発生される。もし予め定められた時間TP以上の時間が、次の心 房パルスがP波の検出後に予定される以前に、残されていないならば、Aパルス が発生されない。 修正されたDDIモードの間、Aパルスが発生されるべきであるという決定が なされる時、それは好ましくは心室パルスのxmsec以前に供袷される。ここ でxはペースメーカのAV遅延(AVD)に一般に等しく、または若干それより も小さいプログラムされた数である。有利なことに、xおよび/またはAVDは プログラムされた値であってもよいし、(ペースメーカがレート応答モードで作 動している時)レート応答性センサにより検出されるパラメータの関数として変 化する適応性の値であってもよい。 もしP波が時間窓TAの間に検出されないならば、正常なDDD整調が継続す る。さらに、P波がTAの間に検出されて、それにより上記のように修正された DDIモードに復帰する時、このような修正されたDDIモードは整調サイクル の終了までのみ継続する。次の整調サイクルの間、修正されたDDIモードは、 P波が時間窓TAの間に検出される場合にのみ再び開始され、さもなければDD D整調が継続する。換言すれば、本発明によれば、ペースメーカはDDDモード で各整調サイクルを開始し、また、P波が時間窓TAの間に検出される場合にの み、修正されたDDIモードに復帰する。 1つの実施態様によれば、本発明は患者の心臓を刺激するDDDペースメーカ システムとして特徴付けられ得る。このようなペースメーカシステムは、P波を 検出するための手段と、心房刺激パルス(Aパルス)を発生し供給するための手 段とを有する心房チャネルと、R波を検出するための手段と、心室刺激パルス( Vパルス)を発生し供給するための手段とを有する心室チャネルとを含んでいる 。ペースメーカシステムは、DDDモードで作動するように心房チャネルおよび 心室チャネルを制御するための制御手段をも含んでいる。一層詳細には、制御手 段は、(1)心室事象(R波の検出またはVパルスの発生)により開始するポス ト心室心房不応周期(PVARP)をそれぞれ含んでいる複数のタイミング周期 から成る整調サイクルを定めるためのタイミング手段、および(2)DDDモー ドの作動から修正されたDDIモードの作動へ一時的に復帰するための手段を含 んでいる。このような一時的な復帰は、PVARPに続く予め定められた時間周 期の間にP波が検出される場合にのみ生起する。このような修正されたDDIモ ードは、もし第1の時間周期TpがP波の検出後に経過しており、また第2の時 間周期AVDが次に予定されるVパルス以前にまだ残っているならば、心房チャ ネル内でAパルスを発生することにより特徴付けられる。 本発明はさらに、発生されたAパルスが心房の刺激に有効であることを保証す るような仕方で、すなわち心房が自然の脱分極に続く不応期にある時には発生さ れたAパルスが心房に供給されないことを保証するような仕方で、患者の心胸の 心房を刺激するDDDペースメーカを対象とする。 同様に、本発明は、ペースメーカが逆行性伝導、心房粗動または心房細動と結 び付けられる不適切な心房脱分極を追跡するのを防止するような、患者の心臓を 刺激するDDDペースメーカを対象とする。 本発明は植え込み可能なデュアルチャンバペースメーカの作動方法も対象とす る。このような方法は、心房脱分極(P波)および心室脱分極(R波)が患者の 心臓サイクル内で生起する時を検出すること、また作動の修正されたDDDモー ドに従って心房刺激パルス(Aパルス)および/または心室刺激パルス(Vパル ス)を発生することを含んでいる。修正されたDDDモードは、特定の事象の生 起時にDDI作動に復帰する正常なDDD作動を含んでいる。正常なDDD作動 は、心房逸走間隔(AEI)およびA‐V遅延(AVD)を発生すること(AE IおよびAVDはそれぞれ予め設定された最大継続時間を有する)、またAVD により後続されるAEIとして整調周期を定め、またP波がAEIの間に検出さ れない場合にのみAEIの終了時にAパルスを発生し、またP波の検出時に直ち にAEIを終了し、またR波がAVDのタイミングアウト以前に検出されない場 合にのみVパルスを発生し、またR波の検出時に直ちにAVDを終了し、こうし て整調周期を終了し、また次の整調周期を開始することにより特徴付けられる。 本発明の方法はこうして、P波が整調周期内の予め定められた時間窓のなかで検 出される場合に修正されたDDI作動に復帰することにより上記のDDD作動を 修正することを含んでいる。このような修正されたDDI作動は、(1)R波が 検出されない場合には最後の心室事象と次に予定されるVパルスとの間の時間を 保持すること、また(2)もし整調周期内にP波の検出以後の少なくとも1つの 予め定められた時間間隔と次に予定されるVパルス以前の少なくとも1つのAV DとにこのようなAパルスを発生するのに十分な時間が残されているならば、A パルスを発生することにより実行される。 ペースメーカのタイミング間隔の1つとして利用される上記のA‐V遅延(A VD)はAパルスとVパルスとの間の遅延(すなわちAパルス‐Vパルス遅延ま たは“AVD”)であってもよいし、検出されたP波とVパルスとの間の遅延( 時には“PVD”と呼ばれる)であってもよい。本発明の目的にとっては、AV DはPVDと同一であってよく、またはAVDはPVDと少し異なっていてよい 。しかし、説明を簡単にするため、このような遅延は、それが自然の心房事象( P波)とそれに続く心室事象(Vパルス)との間の時間であるか、整調された心 房事象(Aパルス)とそれに続く心室事象との間の時間であるかにかかわりなく 、以後では一般的に簡単に“AVD”と呼ばれる。 こうして、DDDモードで作動し、また心房頻脈(速い心房リズム)に改善さ れた応答をするデュアルチャンバペースメーカを提供することは本発明の特徴で ある。 ペースメーカにより媒介される頻脈の危険を最小化するこのようなペースメー カを提供することは本発明の追加的な特徴である。 心房刺激が、発生される時に、有効であることを保証するDDD整調システム を提供することは本発明の他の特徴である。 その上側レート応答を改善し、また詳細には高い生理学的心房レートでのP波 追跡のかなりの度合を許すこのようなペースメーカを提供することは本発明の他 の特徴である。 ポスト心室心房不応周期(PVARP)に続く予め定められた時間窓TAのな かでP波が検出される時に修正されたDDI作動モードに選択的に復帰するこの ようなデュアルチャンバペースメーカを提供することは本発明のさらに他の特徴 である。 P波の検出以後に次に予定されるAパルス以前に少なくとも予め定められた時 間Tpが残されている場合にのみ、PVARP後の予め定められた時間窓TAのな かでのP波の検出に続いて心房刺激パルス(Aパルス)を与えるデュアルチャン バペースメーカに対する修正されたDDI作動モードを提供することは本発明の さらに他の特徴である。 図面の簡単な説明 本発明の上記および他の態様、特徴および利点は下記の図面と結び付けての以 下の一層詳細な説明から一層明らかになろう。 第1図は心臓の正常なAV同期を示す典型的なEGM形式の波形である。 第2図は植え込み可能、プログラム可能なデュアルチャンバペースメーカのブ ロック図である。 第3図は第2図のペースメーカの制御論理の1つの可能な実施例のブロック図 である。 第4図はデュアルチャンバペースメーカの従来のDDD作動モードを示す、種 々のタイミング間隔を有する事象波形を含んでいる複合タイミング図である。 第5図は本発明によるデュアルチャンバペースメーカの修正されたDDD作動 モードを示す、第4図に相当する複合タイミング図である。 第6‐1図および第6‐2図は、ペースメーカが本発明により修正されたDD D作動モードで作動する際に第2図のペースメーカの制御論理により実行される ステップのシーケンスを示すフローチャートである。 発明の詳細な説明 以下の説明は本発明を実施するために現在意図される最良の形態に関するもの である。この説明は本発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の一般的 な原理を説明するものである。本発明の範囲は請求の範囲を参照して決定される ものとする。 本発明を一層よく理解するため、先ず第1図を参照する。第1図には心臓の正 常な心臓サイクルを示す典型的なECG波形が示されている。このような波形は 従来の皮膚電極ECG技術を使用して得られる。代替的に、最近のペースメーカ の心臓内EGMの特徴はこのようなペースメーカのテレメトリの特徴を通じて類 似のECG情報を与える。 第1図の波形の左端で始めて、P波が示されている。このP波は心臓の心房の 脱分極と合致する電気的活動を表し、またP波はこうして心房脱分極とみなされ 得る。心房の脱分極は心房の物理的収縮により伴われ、それにより血液が心臓の 心房から心室のなかへ押されることを許す。 P波の発生に続いて短時間の後に、心室の脱分極を表すQRS複合波が現れる 。QRS複合波しばしば簡単にR波と呼ばれており、またこのようなR波はこう して心室脱分極とみなされ得る。心室の脱分極は心室の物理的収縮により伴われ 、それにより血液が心室から患者の身体の循環系のなかへ押されることを許す。 P波とR波との間の時間は心臓の作動に重要な時間間隔である。なぜならば、そ れは心房および心室の適切な順次作動のために必要とされる時間を表すからであ る。 R波の後には、心室の再分極と結び付けられる電気的活動を表すT波が続く。 心房筋肉組織および心室筋肉組織の双方は、それらが再び脱分極可能となる以前 に再分極しなければならない。心房再分極はP波の短時間の後に生起するが、こ のような再分極は一般に、より大きい心室脱分極信号によりマスクアウトされて いるので、皮膚または心臓内電極を通じて得られる形式のECG形式の波形では 明らかでない。 当業者に知られているように、心室は身体を通じて血液をポンピングする仕事 の大部分を行う。典型的には、1つの心拍または心臓サイクルは相い続くR波の 間の時間間隔として測定される。その理由は単に、R波が一般に識別および測定 に最も容易な波形であることである。心拍は、もちろん、相い続くT波またはP 波の間のような心臓サイクル内の任意の点に対して相対的に測定され得る。 もし心臓がそのポンプ機能を効率的に行うべきであれば、特定のリズムまたは 同期が生起しなければならない。すなわち、P波により表される心房の脱分極は その短時間の後にR波により表される心室の脱分極により続けられなければなら ない。十分な遅延の後に、心房は再び脱分極しなければならず、これは心室の脱 分極により続けられる。もし心房または心室の脱分極が自然に生起しないならば 、ペースメーカがこれらのそれぞれの心臓チャンバに、心臓サイクルの適切な周 期において必要とされる脱分極/収縮をトリガーするために刺激パルスを与える のに使用され得る。(“心臓サイクル”たとえば相い続く心室脱分極の間の時間 はここでは、特にペースメーカがこのようなサイクルを維持するために刺激パル スを与える時、“整調サイクル”とも呼ばれる。) 刺激パルスがペースメーカにより心房に与えられる時、このようなパルスはこ こでは心房刺激パルスまたは簡単に“Aパルス”と呼ばれる。刺激パルスが心室 に与えられる時、このようなパルスはここでは心室刺激パルスまたは簡単に“V パルス”と呼ばれる。こうしてペースメーカの基本機能は心臓により発生される 脱分極信号(R波および/またはP波)をモニターし、また所望の心臓リズムを 維持するために整調サイクル内で必要とされる時に刺激パルスを与えることであ る。 次に第2図を参照すると、デュアルチャンバペースメーカ10の簡略化された ブロック図が示されている。ペースメーカ10はリード14および16を経て心 臓12に接続されており、リード14は心臓の心房の1つと接続されている電極 15を有し、またリード16は心臓の心室の1つと接続されている電極17を有 する。リード14および16は、ペースメーカの回路を収納するハウジングの一 体部分を形成するコネクタ13を通じてペースメーカ10に電気的および物理的 に接続されている。リード14および16はそれぞれ心房パルス発生器(A‐P G)18および心室パルス発生器(V‐PG)20から電極15および17へ刺 激パルスを運ぶ。さらに、心房からの電気信号は電極15からリード14を通じ て心房チャネル検出増幅器(P‐AMP)22の入力端子に運ばれ、また心室か らの電気信号は電極17からリード16を通じて心室チャネル検出増幅器(R‐ AMP)24の入力端子に運ばれる。 デュアルチャンバペーサ10を制御するのは制御システム26である。(本明 細書を通じて用語“ペースメーカ”および“ペーサ”は互換可能に使用され得る 。)制御システム26は信号線28を経て心房増幅器22からの出力信号を受信 する。同様に、制御システム26は信号線30を経て心室増幅器20からの出力 信号を受信する。これらの出力信号はP波またはR波が心臓内で検出されるつど 発生される。また制御システム26はそれぞれ信号線32および34を経て心房 パルス発生器18および心室パルス発生器20へ送られるトリガー信号を発生す る。これらのトリガー信号は刺激パルスがそれぞれのパルス発生器18または2 0により発生されるべきつど発生される。心房トリガー信号は簡単に“Aトリガ ー”と呼ばれ、また心室トリガー信号は“Vトリガー”と呼ばれる。Aパルスま たはVパルスが心臓に供給されている時間中は、対応する増幅器P‐AMP22 および/またはR‐AMP24は典型的に、それぞれ信号線36および38を経 て制御システムからこれらの増幅器に与えられるブランキング信号によりディス エーブルされている。このブランキング作用は増幅器22および24がこの時間 中にそれらの入力端子に与えられる比較的大きい刺激パルスにより飽和状態にな るのを防止する。このブランキング作用はペーサ刺激の結果として筋肉組織内に 残留する電気信号がP波またはR波として解釈されるのを防止するのにも役立つ 。 続けて第2図を参照すると、ペーサ10は適当なデータ/アドレスバス42を 経て制御システム26に接続されているメモリ回路40をも含んでいる。このメ モリ回路は、特定の患者のニーズに適するようにペーサの作動をカストマー化す るため、ペースメーカの作動の制御に制御システム26により使用されるいくつ かの制御パラメータがプログラム可能に蓄積かつ修正されることを許す。さらに 、ペーサの作動中に検出されたデータが爾後の検索および解析のためにメモリ4 0 のなかに蓄積され得る。 さらに、テレメトリ回路44がペーサ10のなかに含まれている。このテレメ トリ回路44は適当な指令/データバス46を経て制御システム26に接続され ている。植え込み可能なペーサ10のなかに含まれているテレメトリ回路44は 適当な通信リンク50により外部のプログラミング装置48に選択的に接続され 得る。通信リンク50はRF(無線周波数)チャネルのような任意の適当な電磁 的リンク、磁気的リンク、誘導式リンクまたは未知または開発途上の任意の他の 形式の結合を使用して実現され得る。有利には、外部プログラマ48および通信 リンク50を通じて、所望の指令が制御システム26に送られ得る。同様に、こ の通信リンク50およびプログラマ48を通じて、データ(制御システム26に 、たとえばデータラッチに保持されているデータもしくはメモリ40に記憶され ているデータ)がペーサ10から遠隔受信され得る。こうして、植え込まれたペ ーサ10と遠隔の植え込まれない位置との間の非侵襲的通信が確立され得る。 第2図中のペーサ10は、心臓の心房および心室の双方とインタフェースする ので、デュアルチャンバペースメーカと呼ばれる。心房とインタフェースするペ ーサ10の一部、たとえばリード14、P波検出増幅器22、Aパルス発生器1 8および制御システム26の対応する部分は一般に“心房チャネル”と呼ばれる 。同様に、心室とインタフェースするペーサ10の部分、たとえばリード16、 R波検出増幅器24、Vパルス発生器20および制御システム26の対応する部 分は一般に“心室チャネル”と呼ばれる。 ペースメーカ回路に対する作動電力とリード14および16を通じて心臓12 に供給される刺激パルス(Aパルスおよび/またはVパルス)に対する作動電力 とを与えるべく、電池53もペーサ10のなかに含まれている。 本発明の1つの実施例によれば、ペースメーカ10はさらに、適当な接続線5 4を経てペーサの制御システム26に接続されている生理学的センサ52を含ん でいる。このセンサ52はペーサ10のなかに含まれているものとして第2図に 示されているが、センサが、患者の身体内に植え込まれるにせよ患者により携行 されるにせよ、ペーサ10の外部に位置してもよいことは理解されよう。一般的 な形式のセンサはペースメーカのケースに取付けられる圧電結晶のような活動セ ンサである。血液の酸素含有量、呼吸率、血液のpH、血液運動などを検出する センサのような他の形式の生理学的センサも知られている。このようなセンサは 一般に、患者の生理学的ニーズを追跡するようにペーサのレート(整調サイクル )を調節するために“レート応答”ペースメーカと共に使用される。 テレメトリ回路44は米国特許第4,944,299号明細書に記載されているような 、または他の仕方で当業者に知られているような従来の設計であってよい。同様 に、外部プログラマ48は米国特許第4,808,697号明細書に記載されている当業 者に知られている任意の適当な設計であってよい。これらの特許明細書の内容を 参照によりここに組み入れるものとする。同様に、メモリ回路40および心房お よび心室チャネル内に使用される回路はすべて整調分野で知られているような通 常の設計であってよい。本発明は、これらの整調要素の各々に対して使用される 回路の詳細に向けられておらず、本発明は特別な整調モードで作動するようにこ れらの整調要素のすべてが互いに協調して作動する仕方に向けられている。この ような協調作動は制御システム26により行われる。従って、以下に制御システ ム26について一層詳細に説明する。 次に第3図を参照すると、ペーサ10の制御システム26の1つの実施例のブ ロック図が示されている。マイクロプロセッサをベースとする制御システムのよ うな制御システム26の他の実施例も使用され得る。代表的なマイクロプロセッ サ援用システムはたとえば“自動レート応答しきい調節を有するマイクロプロセ ッサにより制御されるレート応答ペースメーカ”という発明の名称の米国特許第 4,940,052号明細書に記載されており、その内容を参照によりここに組み入れる ものとする。 第3図に示されている制御システムは状態機械に基づいており、状態レジスタ 60の一組が任意の瞬間におけるペーサの特定の状態を定める。一般に、また状 態機械作動の展望として、各状態は、設計により、特定の活動マイクロプロセッ サ機能が実行されるようにする。いくつかの状態が所与の整調サイクルの間に順 次に実行される。特定の心臓または整調サイクルで実行される状態のシーケンス はP波またはR波の検出および現在の状態のような生起する特定の事象により決 定される。いくつかの状態はいくつかの他の状態からのみ入れられ得る。いくつ かの異なる状態機械(または制御システム)が種々の機能を制御するのに並列に 作動し得るけれども、ただ1つの状態が任意の瞬間に存在し得る。たとえば、テ レメトリ回路44(第2図)は好ましくは、上記の特許に記載されているように 、その固有の状態機械を利用する。使用される時、このようなテレメトリ回路状 態機械は第3図の制御システム状態機械に本質的に無関係に作動する。 制御システム26の心臓部には状態論理回路62が用いられている。状態レジ スタ60の“状態”、従ってシステムにより次に実行される機能または作動を制 御するのは状態論理回路である。こうして状態論理回路は第4図、第5図、第6 ‐1図および第6‐2図と結び付けて以下に説明するような本発明の機能を実行 するように設計されている。状態論理回路62は入力として状態バス64(この 状態バスはシステムの状態を制御システムのいくつかの部分に向ける)を経て利 用可能にされる状態レジスタの現在の状態も、生起したシステムの現在の状態ま たは事象を示す他の信号も受信する。P‐AMP22(第2図)およびR‐AM P24(第2図)からの出力信号は入力デコード論理回路66に向けられる。こ の回路は適切な論理信号“IPW”(P波を禁止)および“IRW”(R波を禁 止)を発生し、これらの信号はマルチプレクサ68により選択され、また状態論 理回路62およびレート決定論理回路70に送られる。レート決定論理回路70 の機能はIPWもしくはIRWが生起しているレートを決定することである。こ のレートを表す信号はレート決定論理回路70からの出力信号として信号線72 を経て状態論理回路62へ送られる。レート決定論理回路70はさらにセンサ5 2(第2図)からセンサレート信号を受信し、また(状態レジスタ60により定 められるような、また状態バス64を経てレート決定論理回路70に利用可能に されるようなシステムの特定の状態に関係して)このセンサレートを示すセンサ 信号を信号線72を経て状態論理回路62およびメモリ制御回路74へ送る。こ のようなセンサ信号はその後に整調レートの調節を含む種々の目的に状態論理回 路62により使用され得る。 続けて第3図を参照すると、メモリ制御回路74は制御システム26の回路と メモリ40(第2図)との間の必要とされるインタフェースを行う。このメモリ 制御回路は指定されたアドレスでメモリとの間でデータの送受信を行う任意の通 常のメモリアクセス回路であってよい。メモリ40から検索されたデータは状態 論理回路62へ(信号線75を経て)もしくは1つまたはそれ以上のプログラム 可能なタイマー76へ(信号線75を経て)送られ得る。メモリ40へ送られる データは(状態バス64から得られた)システムの現在の状態もしくは(信号線 73を経て利用可能にされた)状態論理回路からの他の選択された信号であって よい。プログラム可能なタイマー76の機能は、予め定められた時間間隔を定め ることであり、その長さはメモリ制御回路74から受信される信号および/また は信号線72から受信される信号(センサ信号)により設定される。このような 予め定められた時間間隔は信号線77を経て送られる信号により定められ、その 開始点は状態バス64から得られる現在の状態の開始と合致している。タイマー 76はさらに、この予め定められた時間間隔が経過した時にタイムアウト(T. O.)信号を発生する。この定められた時間間隔の間は、タイミング機能は典型 的には入力デコード論理回路66から得られるリセット信号によりリセットされ 得るが、(状態バス64から得られるような)いくつかの状態はタイマー76の 即時リセットをも行い得る。タイムアウト信号はタイムアウトデコード論理回路 78へ送られる。タイムアウトデコード論理回路の機能はA‐PG18またはV ‐PG20(第2図)へ送られる適切なトリガー信号を発生することである。さ らに、それぞれのトリガー信号が発生されていることを状態論理に報知するため に、適切な論理信号が信号線80を経てタイムアウトデコード論理回路78によ り状態論理回路62へ送られる。 発振器82、好ましくは水晶制御発振器、がシステム論理回路の作動を制御す る基本クロック信号C0を発生する。このクロック信号C0はクロック論理回路 84へ送られ、そこでクロック信号C1、C2およびC3のような他の適切なク ロック信号がいずれも基本クロック信号C0から導かれて発生される。これらの クロック信号は、ペースメーカのなかで生起する種々の事象および状態変化を適 切に同期化するために、制御システム26を通じて分配される。基本クロック信 号C0のレートは本発明にとって臨界的ではない。一般に、基本クロック信号C 0に対する25〜40kHzのレートが適当である。このレートはクロックサイ クルごとに25〜40マイクロ秒の基本時間インクリメントを与え、またこれは ペースメーカの作動を有効に制御するのに十分以上の時間である。所望であれば 、より速いクロックレートが特にメモリ制御回路74により、制御システム26 とメモリ40との間のデータ転送を高速化するために、使用され得るが、たいて いのペースメーカ作動に対して速いデータ転送は必須ではない。 作動中、第3図の制御システムは、状態レジスタ60が初期状態を定める予め 定められた値をとる初期状態で始動する。たとえば、4つのフリップフロップが 状態レジスタ60に対して使用されているとすると、初期状態は、最初のフリッ プフロップが“1”をとり、また残りの3つのフリップフロップがいずれも“0 ”をとる“1000”(16進“8”)であってよい。この状態は、予め定めら れたAEIまたは遅延が開始される心房逸走間隔(AEI)状態として定められ 得る。状態バス64上に現れる“1000”によりAEI状態が開始されたこと をメモリ制御回路74が検出すると直ちに、それはメモリ40から、外部プログ ラマ48からメモリ40のなかに先にプログラムされておりAEIの所望の長さ を定める適切なデータ語を検索する。もしレート応答整調が使用されるならば、 AEIの所望の長さを定めるデータ語はさらにセンサ信号により修正される。こ のデータ語はプログラム可能なタイマーの1つに送られ、またAEI状態の間に 測定されるべき時間の長さを設定する。 タイマー76は本質的にまさに、データ語のなかで指定された値へ、指定され たクロック信号を使用して、カウントダウン(またはカウントアップ)するカウ ンタである。カウントが完了する時、また正常なDDD作動が行われている時、 またカウンタが(ペーサの作動モードに関係して)P波またはR波の検出により リセットされていない時、カウンタまたはタイマーは“タイムアウト”している と言われ、また適切なタイムアウト信号が発生されて、タイムアウトデコード論 理回路78へ送られる。(キャパシタタイミング回路を含む従来知られている他 の形式のタイマーももちろん使用され得る。)デコード論理回路は次いで、シス テムの現在の状態が(状態バス64をモニターすることにより決定されるように )AEI状態であること、従ってまたAEI(心房逸走間隔)が心臓活動の検出 なしにタイムアウトしていることを認識する。この決定が行われると、デコード 論理回路はAパルストリガー信号を発生し、このトリガー信号がA‐PG18へ 送 られるので、心房はAパルスにより刺激され得る。同時に、適切な論理信号が信 号線80を経て状態論理回路62へ送られ、タイマーの1つがタイムアウトして いる事実を状態論理回路に報知する。 状態論理回路62は、タイムアウトデコード論理回路78からの信号の受信に 応答して、また現在のAEI受信器にも応答して、予め定められたシーケンスの 次の状態をトリガーする。たいていのデュアルチャンバ整調モード、たとえばD DD作動に対して、この状態は典型的にはブランキング状態またはBLANK状 態であり、この間はPおよびR検出増幅器22および24はディスエーブルされ ている。従って、状態論理回路はP波検出増幅器22およびR波検出増幅器24 をブランクするべく信号線36および38上に適切な信号を発生し、また状態レ ジスタ60をBLANK状態に変化させる。BLANK状態はたとえば“000 1”(16進“1”)条件をとる状態レジスタ62のフリップフロップにより定 められ得る。状態バス64上で検出されるこのBLANK状態はメモリ制御回路 にメモリからブランキング間隔の長さを定める適切なデータ語を検索させ、この データ語はプログラム可能なタイマー76の1つにロードされる。タイマー76 がタイムアウトして、予め定められたブランキング間隔が経過したことを示すと 直ちに、タイムアウト信号が発生されて、タイムアウトデコード論理回路78へ 送られる。このタイムアウト信号の受信時に、また現在の状態がBLANK状態 であることに応答して、タイムアウトデコード論理回路78が適切な論理信号を 状態論理回路62へ送る。状態論理回路62は状態レジスタ62に予め定められ たシーケンスのなかの次の状態(たとえばAV遅延(AVD)であってよい)を とらせることにより応答する。 AVD状態の開始時に、AV間隔または遅延の長さを定める他の値がプログラ ム可能なタイマー76の1つにロードされる。もし適切なタイマー76がリセッ トされずにタイムアウトして、R波が検出されなかったことを示すならば、デコ ード論理回路が適切なトリガー信号、たとえばVトリガー信号を発生してVパル スを発生させ、またこの事象を状態論理回路62に報知する。それにより状態論 理回路は、先に説明したものと同様であるが、おそらく異なる継続時間を有する 他のブランキング状態またはBLANK状態であってよい次の適切な状態をエン トリさせる。この第2のBLANK状態の終了またはタイムアウト時に、予め定 められたシーケンスのなかの次の状態が開始される。この状態はポスト心室心房 不応周期(PVARP)であってよい。 上記の仕方で、制御システム26は次々の状態をとり、それによりペースメー カの作動を制御する。一般に、状態は、タイマー76の適切な1つがタイムアウ トする時、または予め定められた事象が生起する時に変更される。たとえば、も しAEI状態の間に(P波が検出されたことを示す)IPW信号が受信されるな らば、入力デコード論理回路66は所与の整調モードに対して適切に応答する。 もし整調モードがDDDモードであれば、タイマー76をリセットするべくリセ ット信号が発生され、また状態論理回路62が状態を次の適切な状態、たとえば PVD状態に直ちに(たとえば次の数クロックサイクル以内に)変更することに より応答する。もし整調モードが従来のDDDモードであれば、タイマー76は リセットされない。しかし、P波が生起した事実は記録されるので、AEIの終 了時のAパルスの発生は禁止され、PVD状態が開始する。さらに、もしPVD 状態の間にIRW信号が受信される(R波が検出されていることを示す)ならば 、入力デコード論理回路66はタイマー76の適切な1つをリセットするべく他 のリセット信号を発生し、また状態論理回路が状態を次の適切な状態、たとえば PVARP状態、VREF状態および/またはAEI状態に直ちに変更すること により応答する。なお付記すべきこととして、制御システムの状態はテレメトリ システムからの適切な指令の受信によっても変更され得る。 第3図の制御システム26は専用のハードウェア回路を使用しても、ハードウ ェアおよびソフトウェア(またはファームウェア)回路の組み合わせを使用して も実現され得る。DDDまたはDDIのような所与の作動モードに対する状態の 適切なシーケンスはメモリ制御回路74および状態論理回路62の適切な制御に より定められ得る。これらの回路要素はペースメーカのメモリ回路に格納または プログラムされている適切なソフトウェアまたはファームウェアプログラムを通 じて容易に制御される。 第2図の制御システム26の回路要素の詳細な説明はここでは行わない。なぜ ならば、それらは従来からのものであり、または当分野で利用可能な既知の回路 から構成され得るからである。たとえば、ペースメーカの状態機械形式の作動を 説明している米国特許第4,712,555号および第4,944,298号明細書およびペースメ ーカに使用される種々のタイミング間隔およびそれらの相互関係を一層詳細に説 明している米国特許第4,788,980号明細書を参照されたい。これらの特許明細書 の内容を参照によりここに組み入れるものとする。 以下の本発明の説明は“整調サイクル”を構成する主要または基本タイミング 間隔のみに関するものである。刺激パルスの発生後に存在するブランキング間隔 、相対的不応間隔、最大追跡レート(MTR)を定める最大追跡間隔のようない くつかの一般的かつ常に存在する間隔は存在するとみなされるが、説明を簡単に するため詳細には図示も説明もされない。 また、上記の“状態”と整調サイクルを構成する種々のタイミング間隔、遅延 または周期との間には基本的な差がある。いくつかの場合には、所与の状態はプ ログラム可能なタイマーの適切な1つにより定められる所与の間隔の間のみ存在 する。しかし、他の場合には、いくつかのタイミング間隔は所与の状態の間に並 列にタイミングアウトされ得る。また、状態の継続時間はこのような並列タイミ ングの間に生じ得る事象または生じ得ない事象により決定される。従って、整調 サイクルを構成する事象のシーケンスの間にタイムアウトする、またはリセット される“タイミング間隔”によって本発明を説明することは好都合である。従っ て、以下の説明では、“状態”の代わりにこのようなタイミング間隔によって本 発明を説明する。当業者は説明されるタイミング間隔から成る整調サイクルを有 する第3図に示されているもののような適切なペースメーカ制御システムを設計 し得るであろう。 状態の代わりに“タイミング間隔”によって本発明を説明する他の理由は、整 調間隔は使用される制御システムの形式に関係しないことである。こうして、本 発明は、ペースメーカが第3図に示されているように状態機械に基づいているか 、参照した特許のいくつかに記載されているようにマイクロプロセッサ援用シス テムに基づいているか、または同一または類似の機能を有する他の回路設計に基 づいているかにかかわりなく実施され得る。 次に第4図を参照すると、DDD作動モードで作動する時に第2図のペースメ ーカのなかで発生される選択されたタイミング間隔の関数として心臓脱分極およ び刺激信号を示す複合タイミング波形図が示されている。第4図の複合タイミン グ波形図のなかでも、ここに示されている他の複合タイミング波形図のなかでも 、時間は水平軸に沿って示されており、時間の増大または推移は図面中で左から 右への移動として示されている。特定の心臓事象(EVENTS)、ポスト心室 心房不応周期(PVARP)、心房逸走間隔(AEI)およびAV遅延(AVD )のシンボル的表示を含むい〈つかの事象は、垂直軸に沿う分離した列または帯 として示されている。本発明の目的にとって関心のある心臓事象はR波、P波、 AパルスおよびVパルスを含んでいる。従って、これらの事象のみが示されてい る。 従来のDDD整調の間は、第4図に示されているように、整調サイクルは心室 事象、たとえばR波102の生起と共に開始する。整調サイクルはAVD(また はPVD)が続くAEIを含んでいる。(注、AVDはAパルスの後に続き、他 方PVDは検出されたP波の後に続く。いくつかのペースメーカまたは作動モー ドでは、AVDはPVDと同一の値に設定され得る。他のペースメーカまたは作 動モードでは、AVDとPVDとの間に少しの差、たとえば25msecの差が ある。一般に、また簡単のために、以後では、心房活動に続いて開始する時間間 隔は、このような活動がP波であってもR波であっても、一般に“AVD”と呼 ばれる)。下記のように、AEIおよびAVDは各々初期のプログラムされた値 または継続時間を有する。レート応答整調のためには、AEIはこの初期または 基本値からセンサ信号の関数として調節、たとえば短縮され得る。自然の心臓脱 分極の不存在時には、すなわち検出されるP波またはR波の不存在時には、整調 サイクルはAVDが続くAEIの完全なプログラムされた(センサ短縮された) 値を含んでいる。AEIのタイミングアウトの間のP波の検出はAEIが直ちに リセットされ、またこうして切り詰めまたは短縮されるようにする。同様に、A VDのタイミングアウトの間のR波の検出はAVDが直ちにリセットされ、また こうして切り詰めまたは短縮されるようにする。 第4図に示されているように、R波102または他の心室事象の生起は水平線 104により表されるPVARPの開始および水平線106により表されるAE Iの開始をトリガーする。DDDモードでは、AEIは、もしP波またはR波が そのタイミングアウト以前に検出されないならば、タイムアウトすることを許さ れている。もしP波が検出されるならば、AEIは直ちにリセットされ、またA VDが開始する。AEIには線108により第4図中に表されているAVDが続 く。典型的には、PVARPはプログラムされた継続時間、たとえば100〜3 00msecを有する。こうしてAVDと結び付いたAEIは整調周期または“ 整調サイクル”を定める。こうして、AEIはペースメーカの基本的なプログラ ムされた整調レートを与えるのに必要とされる継続時間として計算される。代替 的に、レート応答整調のために、AEIはセンサにより指示されるレートの関数 として計算される。また、上記のようにいくつかのペースメーカモデルは、P波 がAVDに先行するかRがAVDに先行するかに関係して、および/または(も しレート応答整調が使用されているならば)センサにより指示されたレートの関 数として、AVDの適応性変更を許すけれども、AVDは一般に固定された(プ ログラムされた)継続時間である。 第4図およびここに示されている他のタイミング図に示されているタイミング は心室ベースのタイミング、すなわち心室活動(R波またはVパルス)と共に開 始するものとして整調サイクルを定めるタイミングシステムを表す。しかし、本 発明が心室ベースのタイミングに限定されず、心房ベースの作動モードに対して も使用され得ることは理解されよう。心房ベースのタイミングシステムでは、心 房事象‐心房事象の基本的タイミングが整調サイクルを定めるべく保たれ、また 整調サイクル内の多くのタイミングをとられる事象が検出または整調された心房 事象と共に開始する。 AEIは一般にPVARPよりもはるかに長い継続時間を有する。従って、P VARPが最初にタイムアウトする。第4図およびここに示されている他の複合 タイミング波形では、所与の時間間隔がタイムアウトする時、このような“タイ ミングアウト”は、タイミング間隔を表す線の右端に矢印の頭を置くことにより 示されている。同様に、もしある事象が時間間隔のタイミングアウト以前に生起 するならば、このような事象の生起は時間間隔を表す線に沿って点線を置くこと により表されている。 PVARPの目的は、心室事象以後(すなわち“ポスト心室”)の周期(この 周期の間は、心房がまだ不応性であり、または再分極しており、または他の“ノ イズ”信号が存在し得る)の間にP波(またはペースメーカによりモニターされ ているECG形式波形内の他のアーティファクトまたは信号、たとえばペースメ ーカによりP波として解釈され得る逆行性伝導)の検出を防止することである。 従来のDDDペーサで、逆行性伝導の検出を阻止するべくPVARPを延長する ことは知られている。不利なことに、先に説明したように、PVARPのこのよ うな延長は検出されるべきP波の検出をも阻止し、それによりペースメーカを不 適切な仕方で応答させる。 第4図中に示されている最初の整調サイクルの間は、心臓事象はAEI106 のタイミングアウトの間は生起しない。従って、AEI106のタイミングアウ ト時に、Aパルス110が発生され、またAVD108が開始する。AVDI0 8のタイミングアウトの間は、その後の心臓事象は検出されない。こうして、A VD108のタイミングアウト時に、Vパルス112が発生される。 Vパルス112の発生は最初の整調サイクルの終了および次の整調サイクルの 開始を表す。従って、他のAEI116が、Vパルス112が発生された後に開 始する。次の整調サイクルの間、すなわちAEI116のタイミングアウトの間 に、P波114が生起する。DDD整調に対して、このような生起はAEI11 6をリセットし、またAパルスの発生を禁止する。AEI116のリセットは次 のAVD118の開始をトリガーする。第4図中に示されているように、R波は AVD118のタイミングアウトの間は検出されない。従って、AVD118の タイミングアウト時に、Vパルス120が発生される。Vパルス120の発生は 現在の整調サイクルを終了させ、また次の整調サイクルを開始させる心室事象を 表す。 次の整調サイクルの間に、他のP波122が検出される。このP波はAEIを リセットし、Aパルスの発生を禁止し、また新たなAVD124が開始する。A VD124がタイムアウトする以前に、R波126が生起する。このような生起 はAVD124を直ちに終了させ(リセットし)、また次の心臓サイクルを開始 する。(心房ベースのタイミングシステムでは、このようなR波生起は次のAE Iを、R波が生起する時点でAVD内に残っている時間に等しい大きさだけ延長 させる。)次の心臓サイクルはAVD128が続くAEI126を含んでいる。 P波はAEI126のタイミングアウトの間は検出されないので、Aパルス13 0がその終了時に発生される。しかし、R波132がAVD128のタイミング アウトの間に検出され、AVDをリセットさせ、また直ちに整調サイクルを終了 させる。 こうして、第4図中に示されているように、整調サイクルの5つの可能な形式 の4つが示されている。(整調サイクルの図示されていない第5の形式は早期心 室収縮またはPVCである。)第1の整調サイクル形式はAパルス110を含ん でおり、またVパルス112と共に終了する。第2の整調サイクル形式はP波1 14を含んでおり、またVパルス120と共に終了する。第3の整調サイクル形 式はP波122を含んでおり、またR波126と共に終了する。また第4の整調 サイクル形式はAパルス130を含んでおり、またR波132と共に終了する。 さらに第4図中に示されているように、各整調サイクルは2つの主なタイミング 構成要素AEIおよびAVDから成っている。もしP波およびR波が検出されな いならば、AEIおよびAVDはタイムアウトすることを許され、Aパルスおよ びVパルスが発生され、また整調サイクルはAEI+AVDの継続時間を有する 。もしR波は検出されるが、P波は検出されないならば、AVDはたとえば値A VDSに切り詰めまたは短縮され、また整調サイクルはAEI+AVDSの継続時 間を有し、またAパルスがAEIの終了時に発生される。(もし心房ベースのタ イミングが使用されるならば、切り詰められたAVDSは、AVIを値AEILに 延長することにより、次のサイクルが補償されるようにする。ここでAEI延長 の大きさはAVDが切り詰められる大きさに等しい。)もしP波は検出されるが 、R波は検出されないならば、AEIはたとえば値AEISに切り詰めまたは短 縮され、また整調サイクルはAEIS+AVDの継続時間を有し、またVパルス がAVDの終了時に発生される。もしP波およびR波の双方が検出されるならば 、AEIおよびAVDの双方がそれぞれたとえば値AEISおよびAVDSに短縮 され、また整調サイクルはAEIS+AVDSの継続時間を有する。AEIおよび AVD、AEISおよびAVDSの短縮される値は固定された値ではなく、AEI またはAVDが開始された時点に対して相対的にP波またはR波が検出さ れる時点の関数としての値をとる可変の値である。 次に第5図を参照すると、本発明の改善されたDDD応答を示す、第4図中の ような複合タイミング波形図が示されている。基本的に、第5図中に見られるよ うに、心室事象140(VパルスもしくはR波であってよい)が、従来のDDD 整調の場合のように整調サイクルを開始し、PVARP144およびAEI15 2の開始をトリガーする。本発明に対するPVARPの継続時間は典型的には、 従来のDDD整調に対して使用されるPVARPの継続時間よりも若干短い。さ らに、従来のDDD整調と異なり、PVARP144がタイムアウトすると直ち に、時間窓TAが発生される。典型的に、時間窓TAは約50ないし200mse cの範囲の値を有する。TAの値は固定されていてもよいし、(レート応答整調 の場合には)センサにより指示されるレートの関数として変化してもよい。一般 に、本発明により使用されるレートしきいがペースメーカの最大追跡レート(M TR)よりも速いことを保証するように、AVD、PVARPおよびTAが AVD+PVARP+TA≦60000/MTR となるように設定されることは好ましい。ここでMTRは毎分の拍数(bpm) により表され、またAVD、PVARPおよびTAはmsecで表されている。 たとえば、120bpmのMTRに対して、AVDは150msecの値に、P VARPは150msecの値に、またTAは200msecの値に設定され得 よう。しかし、上記の関係は厳しい要求ではなく、状況によっては、AVD、P VARPおよびTAの和により設定されたレートがMTRよりも速いレートであ ることが望ましいこともあろう。 P波142が第5図中に示されているようにTA間隔146のタイミングアウ トの間に生起する時には、本発明は修正されたDDI作動モードに復帰する。こ のような修正された作動モードはペースメーカの基本的な心室事象‐心室事象タ イミングを保つ。すなわちAEIはリセットされない。さらに、修正されたDD I応答は、もし心房に対してP波142が検出された後にAパルスの供給以前に 再分極するのに十分な時間が心臓サイクルに残されているならば、(追加的な心 房キックを与え、また逆行性伝導の潜在的可能性を減ずるべく)Aパルスを発生 し、それによりこのようなAパルスが患者にとって血液力学的かつ電気生理学的 に有益であることを保証する。 修正されたDDI応答は第5図中に示されている。血液力学的かつ電気生理学 的に有益であるべきAパルスに対する十分な時間が残されているか否かに関する 決定の仕方は下記のとおりである。P波が時間窓TA内で検出されると直ちに、 すなわちP波142がTA間隔146内で検出されると直ちに、間隔TP148が 開始される。TP間隔は典型的には約250ないし400msecの範囲の値を 有し、また好ましくは約300msecである。TPの値は固定された値であっ てもよいし、(レート応答ペーサに対しては)センサ信号の関数として変化する 値であってもよい。 TP間隔の継続時間は、それをトリガーする検出されるP波により表される脱 分極の後に心房が再分極するのに十分な時間を許すように選定される。もし他の P波が時間窓TP間隔の間に検出されるならば、TP間隔はリセットされ、また開 始する。AEIのタイミングアウト時に、現在の整調サイクルのTP間隔がタイ ムアウトしているか否かについての決定が行われる。もしTP間隔がタイムアウ トしているならば、血液力学的かつ電気生理学的に患者に有益であるべきAパル スに対する十分な時間が残されており、またこのようなAパルスが直ちに発生さ れる。すなわちAパルスがAEIの終了またはタイミングアウト時に発生される 。こうしてこのようなAパルスは次に予定される心室事象に先立って1つのAV Dを生起する。もしTP間隔がAEIのタイミングアウト時にタイムアウトして いないならば、患者に対して有効であるべきAパルスに対して十分な時間が残さ れており、またAパルスは発生されない。むしろ、AVDがAEIのタイミング アウト時に開始し、また心室事象、たとえばVパルスがR波の検出なしでAVD のタイミングアウト時に生起する。 こうして、第5図の左側の整調サイクルに見られるように、P波142はTA 時間窓146の間に生起し、それにより本発明の修正されたDDI応答をトリガ ーする。TP間隔148はP波142の検出時に直ちに開始する。TP間隔148 の継続時間は既知であり、たとえば約30msecの固定された値である。AE I152がタイムアウトする時、TP間隔148はまだタイムアウトしていない 。従って、発生されるべきAパルスに対して十分な時間が残されており、従っ てAパルス150が次のVパルス154に間隔xだけ先立って発生される。x間 隔149はxmsecの継続時間を有し、またプログラム可能な値であってよい 。典型的には、x間隔149はAVDI53に等しく、またはそれよりも少し小 さい。x間隔がAVDに等しい場合には、Aパルス150はAEI152のタイ ミングアウトの直後に発生される。これはAパルス150と次に予定される心室 事象であるVパルス154との間に間隔AVD153に等しいx間隔149を残 す。こうしてVパルスの発生(またはもし生起するならばR波の検出)は修正さ れたDDIサイクルの終了および次のDDDサイクルの開始を信号する。 AVDの継続時間は患者に最大の血液力学的利益を与えるように設計されてお り、血液が有効なポンピング作用のために心房から心室へ移動する際に経過すべ き最大時間が表されている。R波がAVDのタイミングアウトの間に検出される べきであれば、このようなR波は整調サイクルの終了を信号し、Vパルスは発生 されず、また次の整調サイクルが開始する。 (PVARP156およびAEI164の開始をトリガーする)Vパルス15 4で開始する第5図の右側の第2の整調サイクルに見られるように、他のP波1 60がTA窓158(窓158はPVARP156のタイミングアウトの後に開 始する)で生起する。これに応答して、他の修正されたDDI応答が開始する。 すなわち、TP間隔162がP波160の検出時に直ちに開始する。AEI16 4がタイムアウトする時、TP間隔162はまだタイムアウトしていない。従っ て、現在の整調サイクルで発生されるべきAパルスに対して十分な時間が残され ており、従ってAパルスは発生されない。むしろ、AEI164の終了時に、A VD166が開始する。第5図中に示されている状況に対して、R波はAVD1 66のタイミングアウトの間に検出されず、従ってVパルス168がAVD16 6のタイミングアウト時に発生され、それにより修正されたDDI応答を終了し 、また次のDDDサイクルを開始する。 代替的に、プログラム可能なオプションとして、第5図の右側の第2の整調サ イクルに示されている状況に対して、AVD166の開始はTP間隔162の終 了まで遅延させられてよく、AパルスがTP間隔162の終了時に発生される。 このオプションは次のDDDサイクルの開始をxmsecだけ遅延させる。ここ でxはAEI164のタイミングアウト時に残っているTP間隔162の大きさ を表す。このオプションは、少し長くされた整調サイクルもしくは減ぜられたA VDを犠牲にしてAV同期のある尺度を保つという利点を与える。 また第5図中に見られるように、それぞれTA間隔146または148のタイ ミングアウト時に開始する最大追跡レート(MTR)間隔170または172が 本発明により使用される。前記のように、MTR間隔は、使用される時、PVA RPおよびTA間隔およびAVDと組み合わさって、ペースメーカ制御回路が許 す最大整調レート(最短整調サイクル)を定める。 追加的に、第5図は心室事象の生起時に開始する心室不応(VREF)周期1 74または176を示す。VREF周期の間は、R波は検出されてはならない。 VREF周期を定めるのに使用されるタイマーはPVARPおよびAEIのよう な他のタイミング周期を定めるのに使用されるタイマーとは別のタイマーであり 、それによりVREFがPVARPおよびAEI周期と並列に(それらと無関係 に)タイムアウトすることを許す。R波がVREF周期の後に検出されるとすれ ば、それは整調サイクルをリセットまたは再開始する心室事象を表す。 次に第6‐1図および第6‐2図を参照すると、ペースメーカが本発明による 修正または高められたDDD作動モードで作動する際に第2図のペースメーカの 制御論理により、または等価な制御回路またはペースメーカ(たとえばマイクロ プロセッサ援用ペースメーカ)により実行されるステップのシーケンスを示すフ ローチャートが示されている。このようなシーケンスの間に生起する各主要なス テップまたは事象は“ボックス”または“ブロック”として示されており、また 各ボックスまたはブロックは下記のシーケンスの説明を容易にするべく符号を付 されている。 シーケンス開始(ブロック180、第6‐1図)開始後に、最初の予備ステッ プは整調制御パラメータをペースメーカメモリへロードすることを含んでいる( ブロック182)。このようなパラメータはPVARP、AEI、TA間隔、TP 間隔、MTR、AVD、VREFの初期継続時間を定める適切なパラメータ、ペ ースメーカの作動モード、本発明の高められたDDDモードがONかOFFか、 またペースメーカにより使用される他の整調パラメータを含んでいる。このよう なパラメータは従来の仕方でテレメトリ回路44および外部プログラマ48を使 用してペースメーカのメモリ40(第2図)にロードされる。タイミング間隔の 各々の継続時間を定める制御パラメータは、第3図と結び付けて先に説明したよ うに適切なタイマーにロードされるデータ語であると仮定されており、各タイマ ーは示されている時点で開始し、またその後の予め定められた時間間隔でタイム アウトまたは停止する。もちろん、タイミング間隔を定めるデータ語が、レート 応答モードが使用されるか否かに関係して、センサにより指示されるレートによ り、または他のプログラムされる回路により調節または修正され得ることは理解 されるべきである。またこの仕方でのタイマーの使用はタイミング間隔を定める 唯一の方法ではなく、タイミング間隔を定める任意の適当な技術、回路、ソフト ウェア、ファームウェアなどが本発明と共に使用され得ることは理解されるべき である。 いったんメモリが適切な制御パラメータをロードされると、本発明の高められ たDDD応答モードがONにプログラムされているか否かについての決定が行わ れる(ブロック184)。もし否定であれば、ペースメーカはプログラムされて いる他のいずれかの作動モード(ブロック186)またはディフォールト作動モ ードで作動させられる。周期的に、または外部プログラマからの直接指令により 中断されて、このような作動モードが継続すべきか(ブロック188)、また否 であれば、シーケンスが停止するか(ブロック190)を見るべく、追跡チェッ クが行われる。しかし、もしモードが継続すべきであれば、またはもし他のモー ドがONにプログラムされるべきであれば、プログラムされたモードが高められ たDDD応答モードであるか否かについての他の決定が行われる(ブロック18 4)。 もし高められたDDD応答モードがONにプログラムされているならば(ブロ ック184)、このようなモードが整調サイクルの開始を信号するべく心室事象 の生起を捜す(ブロック192)。心室事象の生起に応答して、2つの並列タイ ミング経路が(フローチャートの目的に対して)開始する。一方のタイミング経 路では、VREFタイマーが始動され(ブロック210)、またタイムアウトす ることを許される(ブロック212)。R波はVREFのタイミングアウトの間 検出され得ない。もしR波がVREFのタイミングアウトの後に検出されるなら ば(ブロック214)、このようなR波は心室事象であり、また次の整調サイク ルが開始し、このことは2つのタイミング経路が再び開始することを意味する。 (タイミング図と結び付けて先に説明したように、第6‐1図およびて第6‐2 図のフローチャートは簡略化されたフローチャートであり、不応間隔の絶対的お よび相対的部分、ブランキング間隔などのような、その使用が当分野でよく知ら れているいくつかの時間間隔は説明または図示されていない。) 心室事象の後で開始される第2のタイミング経路では、PVARPおよびAE Iタイマーが始動される(ブロック194)。PVARPタイマーがタイムアウ トすることを許される(ブロック196)。PVARPの間は、P波は検出され 得ない。PVARPタイマーのタイミングアウト時に、TAタイマーが始動され る(ブロック198)。TAタイマーがタイムアウトしている間に、P波が検出 されるか否かを決定するべく心房チャネルがモニターされる(ブロック200、 202)。もしTAタイマーがP波の検出なしにタイムアウトするならば(ブロ ック200のイエス分岐)、そのことは正常なDDD作動が整調サイクルの残り の部分に対して実行されることを意味する。 整調サイクルの残りの部分に対する正常なDDD作動は下記のように継続する 。最初に、P波がAEIのタイミングアウト以前に検出されるか否かについての 決定が行われる(ブロック204、206)。もしAEIがP波の検出なしにタ イムアウトするならば(ブロック206のイエス分岐)、Aパルスが発生され( ブロック208)、またAVDタイマーが開始する(ブロック230、第6‐2 図)。もしP波が検出されるならば(ブロック204のイエス分岐、第6‐1図 )、AEIが直ちにリセットまたは停止され(ブロック205、第6‐1図)、 またAVDタイマー(この場合にPVDタイマーのように機能する)が開始する (ブロック230、第6‐2図)。 もしP波がTA間隔のタイミングアウトの間に検出されると(ブロック202 のイエス分岐、第6‐1図)、修正されたDDI応答が整調サイクルの残りの部 分に対して開始される。このような修正されたDDI応答はTPタイマーの始動 により開始する(ブロック220、第6‐2図)。TPタイマーのタイミングア ウトの間に、P波が検出されるか否かについての決定が行われる(ブロック22 2)。もしP波が検出されるならば(ブロック222のイエス分岐)、TPタイ マーがタイムアウトしているか否かについての決定が行われ(ブロック223) 、またもし否定であれば(ブロック223のノー分岐)、TPタイマーが再び開 始する(ブロック220)。もしTPタイマーがタイムアウトしているならば( ブロック223のイエス分岐)、AVDタイマーが開始する(ブロック230) 。もしP波がTPタイマーのタイミングアウトの間に検出されないならば(ブロ ック222のノー分岐)、またもしAEIタイマーがまだタイムアウトしていな いならば(ブロック224)、ペーサはP波の生起について心房チャネルをモニ ターし続ける(ブロック222)。この仕方で、次に、P波がTA窓の間に生起 するか否か(ブロック200、202、第6‐1図)、またAEIのタイミング アウト以前に生起するか否か(ブロック220、222、、224)についての 決定が行われる。TA窓で検出されるP波は、(先のP波の検出時に始動された )TPタイマーが既にタイムアウトしていないかぎり、TPタイマーを再始動させ る。 いったんAEIタイマーがタイムアウトすると(ブロック224)、TP間隔 がタイムアウトしているか否かについての決定が行われる(ブロック226)。 もし肯定であれば(ブロック226のイエス分岐)、そのことはAパルスが心房 の不応周期への整調なしに発生され得ることを意味し、従ってAパルスが発生さ れ(ブロック228)、またAVDタイマーが開始する(ブロック230)。も し否定であれば(ブロック226のノー分岐)、そのことは、心房がおそらくま だ不応であるので、Aパルスが有効でないことを意味し、従ってAパルスが発生 されず、またAVDタイマーが開始する(ブロック230)。 もしR波がAVDのタイミングアウトの間に検出されるならば(ブロック23 2、234)、また心房ベースのタイミングが使用されない(ブロック236の ノー分岐)と仮定して、検出されるR波はAVDを終了させ(ブロック240) 、また次の整調サイクルが開始する(第6‐1図中の接続点“D”において)。 もし心房ベースのタイミングが使用されるならば(ブロック236のイエス分岐 )、R波が検出される時点でAVD間隔に残っている時間は次の整調サイクルに 対するAEIに加えられ(ブロック238)、AVDが終了され(ブロック24 0)、 また次の整調サイクルが開始し(第6‐1図中の接続点“D”において)、この 整調サイクルはこうして延長されたAEIを使用する。 もしAVDがR波の検出以前にタイムアウトするならば(ブロック232のイ エス分岐)、Vパルスが発生される(ブロック242)。このようなVパルスは 新たな整調サイクルの開始を示す心室事象を表す。新たな整調サイクルが開始す ると、高められたDDD応答モードが継続すべきか否かについての決定が行われ る(ブロック244)。もし否定であれば、ペーサは上記のようにプログラムさ れているいずれかの整調モードで、またはディフォールトモードで作動する(ブ ロック186、第6‐1図)。もし高められたDDD応答モードが継続すべきで あれば、時間間隔がリセットされおよび/または必要とされるように更新される (ブロック220)。更新は、たとえば、レート応答整調の場合に必要とされ得 る。AEIもTA間隔およびAVDも、生理学的センサから導き出されたセンサ 指示レート信号の関数として、サイクルからサイクルへ、またはnサイクルの後 に少し変化し得る(52、第2図)。次の整調サイクルが次いで開始する(第6 ‐1図中の接続点“D”において)。 上記の仕方で、本発明は、心房頻脈、すなわち整調サイクル内で早期に生起す るP波への改善された応答を有する高められたDDDモードで作動するデュアル チャンバペースメーカを提供する。有利には、このような高められたDDDモー ドはペースメーカにより媒介される頻脈の危険を最小化する。なぜならば、心房 脱分極と心室脱分極との間の長い間隔が減ぜられ、また特別の心房キックを与え るべく特別のAパルスが、このような有利なAパルスに対する十分な時間が残さ れている時に、整調サイクル内で与えられるからである。 さらに上記の説明からわかるように、本発明の高められたDDDモードを含ん でいるペースメーカはその上側レート応答を有意義に改善し、適切な時にはDD D作動を行ない、それにより高い心房レートにおいてある度合のP波追跡を許し 、また適切でない時にはDDD作動を行なわず、それにより、P波追跡がペース メーカにより媒介される頻脈に通ずるかもしれない時には、そのようなP波追跡 を避ける。 上記の説明からわかるように、本発明に従って作動するデュアルチャンバペー スメーカは、ポスト心室心房不応周期(PVARP)に続いてP波が予め定めら れた時間窓TAで検出される時には、修正されたDDIモードに自動的に復帰す る。さらに、このような修正されたDDIモードは有利には、もし検出されたP 波に続く予め定められた時間間隔(TP)の後に供給されるべきこのようなAパ ルスに対して現在の心臓サイクルに十分な時間が残されているならば、P波の検 出に続いて心房刺激パルス(Aパルス)を与える。 以上に本発明をその特定の実施例および応用について説明してきたが、請求の 範囲により定められる本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更が当業者に より行われ得よう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.患者の心臓を刺激するためのデュアルチャンバDDDペースメーカにおいて 、 心室制御信号に応答して患者の心臓の心室に心室刺激パルス(Vパルス)を発 生しかつ供給するための心室パルス発生手段と、 心房制御信号に応答して患者の心臓の心房に心房刺激パルス(Aパルス)を発 生しかつ供給するための心房パルス発生手段と、 患者の心臓の自然の脱分極を検出し、また心房脱分極の検出に応答してP波を 、また心室脱分極の検出に応答してR波を発生するための検出手段と、 整調サイクルを定め、また前記のP波信号とR波信号との間の時間の大きさに 基づいて前記整調サイクル内で前記心房制御信号および前記心室制御信号を選択 的に発生するために前記P波信号およびR波信号に応答する制御手段とを含んで おり、前記制御手段が、心房制御の結果としてのAパルスが患者の心臓の心房の 刺激時に有効であるような整調サイクル内の時点で心房制御信号が生起すること を保証するための保証手段を含んでいる ことを特徴とするデュアルチャンバDDDペースメーカ。 2.前記制御手段の前記保証手段が、次の心房制御信号が前記制御手段により発 生されるべく予定される以前にP波信号の後に予め定められた時間Tpよりも大 きい時間が整調サイクルに残されている時にのみ、整調サイクルのP波信号に続 いて整調サイクル内で心房制御信号、従ってまたAパルスを発生するための手段 を含んでいることを特徴とする請求項1記載のDDDペースメーカ。 3.前記制御手段が、 R波信号の生起もしくはVパルスの発生を含む心室事象と共に開始する心房逸 走間隔(AEI)を発生するための手段と、 同じく前記心室事象と共に開始するポスト心室心房不応周期(PVARP)を 発生するための手段と、 前記PVARPの終了時に開始する心房警戒時間TAを発生するための手段と 、 前記AEIの終了時に開始する心房‐心室遅延(AVD)を発生するための手 段とを含んでおり、 前記整調サイクルはAVDが続くAEIを含んでおり、また 前記P波信号が前記心房警戒時間TAの間に生起するときにのみ前記P波信号 の発生時に開始するべく前記TP間隔を発生するための手段を含んでいる ことを特徴とする請求項2記載のDDDペースメーカ。 4.前記患者の適切な心臓レートを示す前記患者のパラメータを検出し、またこ のようなパラメータを示すセンサ信号を発生するための生理学的センサ手段を含 んでおり、また前記制御手段が前記センサ信号の関数としてn(nは少なくとも 1の整数である)の整調サイクルの各々の開始時に前記AEIの値を調節するた めの手段を含んでおり、それにより前記整調サイクルの継続時間が前記センサ信 号の関数として変化し、またそれにより前記DDDペースメーカがレート応答ペ ースメーカを含んでいることを特徴とする請求項3記載のDDDペースメーカ。 5.前記制御手段が、R波信号がAVDのタイミングアウト以前に生起する場合 にAVDを停止し、また停止時にAVDに残されている時間に等しい大きさだけ 次の整調サイクルのAEIを延長するための手段を含んでいることを特徴とする 請求項3記載のDDDペースメーカ。 6.患者の心臓を刺激するためのDDDペースメーカにおいて、 Vパルストリガー信号に応答して患者の心臓の心室に心室刺激パルス(Vパル ス)を発生しかつ供給するための刺激手段と、Aパルストリガー信号に応答して 患者の心臓の心房に心房刺激パルス(Aパルス)を発生しかつ供給するための刺 激手段と、 患者の心臓の自然の脱分極を検出し、また検出された心房脱分極に応答してP 波を、また検出された心室脱分極に応答してR波を発生するための検出手段と、 整調サイクルを定め、また前記P波信号が前記整調サイクル内の第1の指定さ れた時間の間に生起しない時にのみ前記整調サイクル内で前記心房トリガー信号 を発生し、また前記P波信号が前記整調サイクル内の第1の指定された時間の間 に生起しない時には常に前記整調サイクル内での前記心房トリガー信号の発生を 禁止するために前記P波信号およびR波信号に応答する制御手段とを含んでおり 、それにより前記制御手段が適切な心房脱分極を追跡するべく整調サイクルを定 め、前記制御手段がさらに、前記制御手段が逆行性伝導、心房粗動および心房細 動と結び付けられる不適切な心房脱分極を追跡する整調サイクルを定めるのを阻 止するための阻止手段を含んでいる ことを特徴とするDDDペースメーカ。 7.前記阻止手段が、次の心房制御信号が前記制御手段により発生されるべく予 定される以前にP波信号の後に予め定められた時間TPよりも大きい時間が整調 サイクルに残されている時にのみ、P波信号に続く整調サイクルの時点で心房ト リガー信号、従ってまたAパルスを発生するための手段を含んでいることを特徴 とする請求項6記載のDDDペースメーカ。 8.前記制御手段が、 R波信号の生起もしくはVパルスの発生を含む心室事象と共に開始する心房逸 走間隔(AEI)を発生するための手段と、 同じく前記心室事象と共に開始するポスト心室心房不応周期(PVARP)を 発生するための手段と、 前記PVARPの終了時に開始する心房警戒時間TAを発生するための手段と 、 前記AEIの終了時に開始する心房‐心室遅延(AVD)を発生するための手 段とを含んでおり、 前記整調サイクルはAVDが続くAEIを含んでおり、また 前記P波信号が前記心房警戒時聞TAの間に生起するときにのみ前記P波信号 の発生時に開始するべく前記TP間隔を発生するための手段を含んでいる ことを特徴とする請求項7記載のDDDペースメーカ。 9.前記制御手段が、R波信号がAVDのタイミングアウト以前に生起する場合 にAVDを停止し、また停止時にAVDに残されている時間に等しい大きさだけ 次の整調サイクルのAEIを延長するための手段を含んでいることを特徴とする 請求項8記載のDDDペースメーカ。 10.患者の心臓を刺激するためのDDDペースメーカシステムにおいて、DD Dペースメーカが、 P波を検出するための手段および心房刺激パルス(Aパルス)を発生しかつ供 給するための手段を含んでいる心房チャネルと、 R波を検出するための手段および心室刺激パルス(Vパルス)を発生しかつ供 給するための手段を含んでいる心室チャネルと、 DDD作動モードで作動するべく心房チャネルおよび心室チャネルを制御する ための制御手段とを含んでおり、前記制御手段が、 複数個のタイミング周期から成る整調サイクルを定めるためのタイミング手段 を含んでおり、前記タイミング周期は心室事象と共に開始するポスト心室心房不 応周期(PVARP)を含んでおり、前記心室事象は検出されるP波もしくは発 生されるVパルスを含んでおり、また もしP波がPVARPに続く予め定められた時間周期内に生ずるならば、DD D作動モードから修正されたDDI作動モードへ一時的に復帰するための手段を 含んでいるDDDペースメーカを含んでおり、前記の修正されたDDIモードが 、もし第1の時間周期TPがP波の検出以後に経過しており、また第2の時間周 期Xが次に予定されるVパルスに先立ってまだ残されているならば、Aパルスが 前記心房チャネル内で発生されることにより特徴付けられている ことを特徴とするDDDペースメーカシステム。 11.前記時間周期Tpが250msecと400msecとの間の固定された 時間周期を含んでいることを特徴とする請求項10記載のDDDペースメーカシ ステム。 12.前記時間周期TPが約300msecの固定された時間周期を含んでいる ことを特徴とする請求項10記載のDDDペースメーカシステム。 13.前記制御手段に接続されたレートセンサを含んでおり、前記レートセンサ は患者に対する適切な心臓レートを示すセンサ信号を与え、また前記時間周期TP が前記センサ信号の関数として250msecと400msecとの間で可変 の時間周期を含んでいることを特徴とする請求項10記載のDDDペースメーカ システム。 14.前記第2の時間周期Xが固定された値を含んでいることを特徴とする請求 項10記載のDDDペースメーカシステム。 15.前記第2の時間周期Xが前記DDDペースメーカのAV遅延(AVD)に 等しいことを特徴とする請求項10記載のDDDペースメーカシステム。 16.前記第2の時間周期Xが前記DDDペースメーカのAV遅延(AVD)よ りも小さく、また零よりも大きいことを特徴とする請求項10記載のDDDペー スメーカシステム。 17.前記制御手段に接続されたレートセンサを含んでおり、前記レートセンサ は患者に対する適切な心臓レートを示すセンサ信号を与え、また前記第2の時間 周期Xが前記センサ信号の関数として変化する可変の時間周期を含んでいること を特徴とする請求項10記載のDDDペースメーカシステム。 18.前記第2の時間周期Xが予め定められた参照周期よりも大きいことを特徴 とする請求項10記載のDDDペースメーカシステム。 19.前記第2の時間周期Xが前記DDDペースメーカのAV遅延(AVD)を 含んでおり、また前記制御手段が、AVD遅延がAパルスと次の予定されるVパ ルスとの間に常に存在するように、必要とされる時には、次の予定されるVパル スを延長するための手段を含んでいることを特徴とする請求項10記載のDDD ペースメーカシステム。 20.修正されたDDDモードで作動するように構成された植え込み可能なデュ アルチャンバペースメーカにおいて、ペースメーカが電池と、電池により電力を 供給される電子整調回路と、電子整調回路に電気的に接続されている出力コネク タとを含んでおり、出力コネクタは、心房リードおよび電極を通じて患者の心臓 の心房に、また心室リードおよび電極を通じて患者の心臓の心室に電気的に接続 されるべく構成されており、電子整調回路が、 出力コネクタに接続されており、心房リードおよび電極を通じて患者の心臓の 心房に供給される心房刺激パルス(Aパルス)を発生するための手段と、心房リ ードおよび電極を通じて心房脱分極信号(P波)を検出するための手段とを含ん でいる心房チャネルと、 出力コネクタに接続されており、心室リードおよび電極を通じて患者の心臓の 心室に供給される心室刺激パルス(Vパルス)を発生するための手段と、心室リ ードおよび電極を通じて心室脱分極信号(R波)を検出するための手段とを含ん でいる心室チャネルと、 ポスト心室心房不応周期(PVARP)、心房逸走間隔(AEI)、AV遅延 (AVD)、TA間隔およびTP間隔を含む複数個のタイミング間隔を発生するた めのタイミング手段と(AVDが続くAEIの組み合わされた継続時間は整調サ イクルの周期を含んでいる)、 修正されたDDD作動モードでペースメーカを作動させるべく制御するように 心房チャネル、心室チャネルおよびタイミング手段の作動を制御するための制御 手段と、 心室チャネル内でのVパルスの発生もしくはR波の検出を含む心室事象の生起 時にPVARPおよびAEIを同時に開始するための第1の手段と、 AEIのタイミングアウトもしくはリセットのいずれか早いほうの生起時にA VDを開始するための第2の手段と、 PVARPの終了時にTA間隔を開始するための第3の手段と、 P波がTA間隔の間に検出される時には常にTp間隔を開始するための第4の手 段と、 TP間隔がAEIのタイミングアウト時にタイムアウトしているか否か、また こうしてAパルスを発生するか否かを決定するための第5の手段と、 AVDのタイミングアウト時にVパルスが発生するため、またR波がAVDの タイミングアウト以前に検出される場合にはこのようなVパルスを禁止するため の第6の手段とを含んでおり、 それによって、もしP波がTA間隔の間に生起したものとして検出されるなら ば、もし少なくともTPの時間周期が最新のP波の検出以後に経過しているなら ばAEIのタイミングアウト時に心房チャネル内でAパルスが発生され、前記時 間周期TPが少なくともP波に続く患者の心臓の自然の不応周期の長さの継続時 間を有することを特徴とする修正されたDDDペースメーカ。 21.間隔TPが250msecから400msecまでの範囲の間隔を含んで いることを特徴とする請求項20記載の修正されたDDDペースメーカ。 22.間隔TPが約300msecの間隔を含んでいることを特徴とする請求項 21記載の修正されたDDDペースメーカ。 23.ペースメーカ内の電子回路がさらにプログラムされた制御パラメータを受 信するためのテレメトリ手段を含んでおり、またタイミング手段がタイミング間 隔の初期継続時間を制御パラメータの関数として設定するための手段を含んでお り、それによってPVARP、AELAVD、TAおよびTP間隔が初期値にプロ グラム可能に設定され得ることを特徴とする請求項20記載の修正されたDDD ペースメーカ。 24.検出された生理学的パラメータの関数としてレート信号を発生する制御手 段に接続された生理学的センサを含んでおり、また制御手段が、タイミング手段 により定められるタイミング間隔の少なくとも1つの初期のプログラムされる値 を調節するためレート信号に応答する手段を含んでいることを特徴とする請求項 23に記載の修正されたDDDペースメーカ。 25.前記制御手段がさらに、R波が心室チャネル内で検出される時点でAVD 内に残されている時間に等しい大きさだけ、現在の整調サイクルにすぐ続く整調 サイクルのAEIを選択的に増大させるための手段を含んでいることを特徴とす る請求項24記載の修正されたDDDペースメーカ。 26.植え込み可能なデュアルチャンバペースメーカにおいて、 P波を検出するための手段およびAパルスを発生するための手段を含んでいる 心房チャネルと、 R波を検出するための手段およびVパルスを発生するための手段を含んでいる 心室チャネルと、 改善されたDDD作動モードに従って心房および心室チャネルの作動を制御す るため心房および心室チャネルに接続されている制御システムと、 改善されたDDD作動モードを定める制御パラメータの組を記憶するために十 分なメモリ容量を有する、制御システムに接続されているメモリとを含んでおり 、 前記制御システムが、 制御パラメーターの組の関数として、ポスト心室心房不応周期(PVARP )、心房逸走間隔(AEI)、AV遅延(AVD)およびTA間隔を含む時間間 隔の組を定めるためのプログラム可能なタイミング手段と、 プログラム可能なタイミング手段の状態とP波およびR波の検出された生起 とに応答する論理回路とを含んでおり、前記論理回路が、 R波の検出もしくはVパルスの発生を含む心室事象の生起時に開始し、ま た引き続いての心室事象の生起時に終了する整調サイクルを定め、 各整調サイクルの開始時にAEIおよびPVARPを開始し、 PVARPの終了時にTA間隔を開始し、 P波がTA間隔の間に生起するか否かを検出し、もし肯定であれば、Aパ ルスが有効である整調サイクルの時点で発生されるべきAパルスに対して整調サ イクルに十分な時間が残されているか否かを決定し、もし肯定であれば、整調サ イクルの特定の時点でこのようなAパルスを発生し、 もしP波がTA間隔の間に生起しないならば、P波がTA間隔の後かつAEIの 終了の前に生起するか否かを検出し、もし肯定であれば、AEIを直ちにリセッ トし、 もしP波がTA間隔の間に検出されるならばAEIのタイミングアウト時 に、またはP波がTA間隔の後に検出されるならばAEIのリセット時にAVD を開始し、またR波の検出もしくはAVDのタイミングアウトの最も早い生起時 にAVDを終了するための手段を含んでいる ことを特徴とするデュアルチャンバペースメーカ。 27.プログラム可能なタイマーにより発生される時間間隔の組がさらにTp間 隔を含んでおり、また論理回路が、TA間隔の間のP波の検出時に直ちにTP間隔 を開始し、またAEIのタイミングアウト時にTp間隔がタイムアウトしている か否かを決定し、またもし肯定であれば、Aパルスを発生するための手段を含ん でいることを特徴とする請求項26記載のデュアルチャンバペースメーカ。 28.TA間隔が250msecから400msecまでの範囲の値を有するこ とを特徴とする請求項27記載のデュアルチャンバペースメーカ。 29.TA間隔およびPVARPが、PVARP+TAの和が、その間に逆行性伝 導が生起しやすい心室事象に続く200msecから450msecまでの時間 間隔を定めるように選ばれていることを特徴とする請求項28記載のデュアルチ ャンバペースメーカ。 30.植え込み可能なデュアルチャンバペースメーカにおいて、 患者の心臓サイクル内の心房脱分極(P波)および心室脱分極(R波)を検出 するための検出手段と、 心房刺激パルス(Aパルス)および心室刺激パルス(Vパルス)を発生するた めのパルス発生手段と、 修正されたDDD作動モードでペースメーカを作動させるように検出手段およ びパルス発生手段を制御するための制御手段とを含んでおり、修正されたDDD 作動モードは、AV遅延(AVD)が続く心房逸走間隔(AEI)を含んでいる シーケンスと、AEIと同時の各整調周期の開始時に開始するボスト心室心房不 応周期(PVARP)と、PVARPの終了時に開始する間隔TAとにより定め られる整調周期により特徴付けられており、 前記制御手段が、P波が間隔TAの間に検出手段により検出されている場合に 、整調周期の継続時間の間、修正されたDDI作動モードに戻すための手段を含 んでいる ことを特徴とする植え込み可能なデュアルチャンバペースメーカ。 31.前記制御手段が、前記の修正されたDDD作動モードに従って作動させら れる時、予め定められた時間間隔TPに対してP波の検出とAパルスが発生され る予め定められた時点との間に経過すべき十分な時間が現在の整調周期の残され ている場合にのみ、整調周期の予め定められた時点で前記パルス発生手段により Aパルスを発生させるための手段を含んでいることを特徴とする請求項30に記 載の植え込み可能なデュアルチャンバペースメーカ。 32.制御手段が時間間隔Tpを定めるための手段と、間隔TAの間のP波の検出 時に時間間隔TPのタイミングアウトを開始するための手段と、その後のP波の 検出時に時間間隔TPのタイミングアウトを再開始するための手段と、時間間隔 TPがAEIのタイミングアウト時にタイムアウトしているかどうかを決定し、 もし肯定であれば、前記Aパルスが発生するための手段とを含んでいることを特 徴とする請求項31記載の植え込み可能なデュアルチャンパペースメーカ。 33.予め定められた時間間隔TPが250ないし400msecの範囲内の値 を有する固定された間隔を含んでいることを特徴とする請求項31記載の植え込 み可能なデュアルチャンバペースメーカ。 34.植え込み可能なペースメーカを作動させる方法において、 (a)心房脱分極(P波)および心室脱分極(R波)が患者の心臓サイクルの 内で生起する時点を検出するステップを含んでおり、 (b)修正されたDDD作動モードに従って心房刺激パルス(Aパルス)およ び心室刺激パルス(Vパルス)を発生するステップを含んでおり、DDD作動モ ードは、それぞれ予め定められた最大継続時間を有する心房逸走間隔(AEI) およびAV遅延(AVD)を発生し、またAVDが続くAEIとして整調周期を 定め、またP波がAEIの間に検出されない場合にのみAEIの終了時にAパル スを発生し、またP波の検出時に直ちにAEIを終了し、また脱分極がAVDの タイミングアウト以前に検出されない場合にのみAVDの終了時にVパルスを発 生し、またR波の検出時に直ちにAVDを終了し、こうして整調周期を終了し、 また次の整調周期を開始することにより特徴付けられており、また (c)P波が整調周期の予め定められた時間窓で検出される場合に修正された DDI作動モードに戻すことによりステップ(b)のDDD作動を修正するステ ップを含んでおり、前記の修正されたDDI作動モードは、 (1)R波の検出されない場合に最後の心室事象と次に予定されるVパルス との間の時間を保ち、また (2)P波の検出後の少なくとも予め定められた時間間隔と、次に予定され るVパルスに先立つ少なくとも第2の予め定められた時間間隔Xとに発生される べきAパルスに対して十分な時間が整調周期に残されているならば、Aパルスを 発生する ことにより実現される ことを特徴とする植え込み可能なデュアルチャンバペースメーカの作動方法。 35.ステップ(c)が、 ボスト心室心房不応周期(PVARP)および時間間隔TAを定め、 R波の検出もしくはVパルスの発生を含む心室事象の生起時にPVARPのタ イミングアウトを開始し、 PVARPのタイミングアウト時に直ちに時間間隔TAのタイミングアウトを 開始し、 P波が時間間隔TAの間に検出されるか否かを決定し、またもし肯定であれば 、 患者の心臓を刺激するのに有効であり、また次に予定されるVパルスに先立つ 少なくとも第2の予め定められた時間間隔Xに患者の心臓に供給され得る追加的 なAパルスを供給するのに十分な時間が整調周期に残されているか否かを決定し 、またもし肯定であれば、 このような追加的なAパルスを発生する ことを含んでいることを特徴とする請求項34記載の方法。 36.追加的なAパルスを供給するのに十分な時間が整調周期に残されているか 否かを決定するステップが、 間隔TAの間のP波の検出時に直ちに予め定められた時間間隔に等しい時間間 隔TPをタイムアウトし始め、 間隔TAがAEIのタイミングアウト時にタイムアウトしているか否かを決定 し、もし肯定であれば、AEIのタイミングアウト時に追加的なAパルスを発生 し、またもし否定であれば、追加的なAパルスを発生しないステップを含んでい る ことを特徴とする請求項35記載の方法。 37.前記時間間隔TPを前記整調周期の間にその後に検出される各P波に対し て再開始することを特徴とする請求項36記載の方法。 38.間隔TPが250ないし400msecの範囲内の値を有する間隔を含ん でいることを特徴とする請求項36記載の方法。 39.間隔TPが約300msecであることを特徴とする請求項36記載の方 法。 40.前記第2の予め定められた時間間隔XがAVDに等しいことを特徴とする 請求項36記載の方法。 41.前記第2の予め定められた時間間隔が零よりも大きく、かつAVDよりも 小さいことを特徴とする請求項36記載の方法。 42.Aパルス発生手段およびP波検出手段を有する心房チャネルと、Vパルス 発生手段およびR波検出手段を有する心室チャネルと、複数個の時間間隔を定め る複数個のタイマーを含んでおり、予め定められた作動モードに従って心房およ び心室チャネルの作動を制御するための制御手段と、予め定められた作動モード に従って作動するべく制御手段をプログラムするための手段とを含んでいる植え 込み可能なデュアルチャンバペースメーカを修正されたDDD作動モードで作動 させる方法において、 (a)R波の検出もしくはVパルスの発生を含む心室事象の生起に関して心室 チャネルをモニターするステップと、 (b)ステップ(a)での心室事象の検出時にボスト心室心房不応周期(PV ARP)および心房逸走間隔(AEI)のタイミングアウトを開始するステップ と、 (c)PVARPの終了時に予め定められた間隔TAのタイミングアウトを開 始するステップと、 (d)P波の生起に関して間隔TAのタイミングアウトの間に心房チャネルを モニターするステップと、 (e)P波がステップ(d)のモニタリングの間に検出される場合に、間隔TP のタイミングアウトを開始し、AEIがタイムアウトするのを待ち、また間隔 TPがAEIのタイミングアウト時にタイムアウトしているかどうかを決定する ステップと、 (f)間隔TPがAEIのタイミングアウト時にタイムアウトしている場合に 、Aパルスを発生し、またAV遅延(AVD)のタイミングアウトを開始するス テップと、 (g)間隔TPがステップ(e)でのAEIのタイミングアウト時にタイムア ウトしていない場合に、Aパルスの発生を禁止し、またAVDのタイミングアウ トを開始するステップと、 (h)P波がステップ(d)のモニタリングの間には検出されないが、間隔TA のタイミングアウト以後かつAEIのタイミングアウト以前に検出される場合 に、AEIを直ちにリセットし、リセットされたAEIの終了時にAパルスの発 生を禁止し、またAVDのタイミングアウトを開始するステップと、 (i)少なくともAVDのタイミングアウトの間に心室チャネルをモニターし 、またもしR波がAVDのタイミングアウト以前に検出されないならばVパルス を発生するステップと、 (j)ステップ(i)でのVパルスの発生もしくはR波の検出を含む心室事象 の生起時にPVARPおよびAEIのタイミングアウトを開始するステップと、 (k)ペースメーカが修正されたDDD作動モードで作動するまでステップ( c)〜(j)を繰り返すステップと とを含んでいることを特徴とする植え込み可能なデュアルチャンバペースメーカ の作動方法。 43.間隔TPが250msecから400msecまでの継続時間を有する間 隔を含んでいることを特徴とする請求項42記載の方法。 44.間隔TAが続くPVARPが共に、逆行性伝導を最も含みやすい継続時間 を有する心室事象に続く複合間隔を含んでいることを特徴とする請求項39に記 載の方法。 45.PVARPと間隔TAとの和により定められる複合間隔が250msec から400msecまでの継続時間を有することを特徴とする請求項44記載の 方法。
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