JPH08511077A - チェーンリンク部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 複合チェーンリンクを構成するためのチェーンリンク部材（１０）に於て、チェーンリンク部材（１０）がＣ字形状を有し且つ主胴部（１５）と、相対する湾曲形状の一対の舌部（１３）及び（１４）とを具備する。舌部（１３）が、舌部（１４）の内側表面（１７）と相補する形状の外側表面（１６）を具備する。チェーンリンク部材（１０）を、別の、同一のチェーンリンク部材（１０’）と、舌部（１４）の内側表面が舌部（１３）の外側表面と合致してなる対向関係で配列することにより複合チェーンリンクを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】 チェーンリンク部材 （発明の分野） 本発明はチェーンリンク部材に関し、特には相互に連結して多くの異なる用途 に於ける通常のチェーンリンクに代替し得る、或はそうした通常のチェーンリン クとして使用することの出来る複合リンクを形成する形式のチェーンリンク部材 に関する。本発明はまた、上記形式の一対のチェーンリンク部材から形成してな るチェーンリンクにも関する。 （従来技術の説明） 例えばチェーンの長さを追加或は延長するために、チェーンのリンクを連結出 来る手段があれば良いと思う状況が多々有る。チェーン長さは、例えばチェーン を相互に溶接することによって恒久的に延長させることが出来ることは言うまで も無いが、全ての状況、特に、一方のチェーンが離れた場所にある時は溶接は明 らかに不可能である。チェーンを連結するための別の手段としてシャックルの如 き別個の連結要素を使用することが含まれる。しかしながら、そのような連結要 素は一般にチェーンの用途を制限する。詳しく言うと、チェーンはブロックチェ ーンやプーリーチェーンの用途で使用する場合、連結要素は一般に、プーリーを 貫いて或は乗り越えての チェーンの移動を妨げるような寸法を有するのである。 米国特許第２３９５２３２号には分離式のチェーンリンクパーツ形態でのチェ ーンリンクが記載されるものの、このチェーンリンクパーツは、これを組み立て てチェーンリンクとした状態では通常のチェーンリンク形状を取らず、そのため 結局、その用途は限られてしまう。米国特許第２６２１４７０号及び第３４０３ ５０６号にも分離式パーツ形態のチェーンリンクが記載されるが、これらのチェ ーンリンクパーツは、組み合わせ状態での幅寸法が通常のチェーンリンクのそれ よりも著しく広くなり、やはりその用途は限定されてしまう。前記各米国特許に 記載されるチェーンリンクには更に、設計上、その連結要素に過剰の負荷が加わ る恐れがあると言う欠点もある。 （解決しようとする課題） 解決しようとする課題は、チェーンリンク部材にして、別の類似のチェーンリ ンク部材と連結して標準型のチェーンリンクと類似形態の複合チェーンリンクを 構成し、従って、負荷支承用途或は負荷非支承用途を含む多くの異なる用途で使 用することが可能であるチェーンリンク部材を提供することであり、 簡単に且つ容易に、別の、実質的に同一のチェーン部材と連結して複合チェー ンリンクを形成するチェーンリンク部材を提供することであり、 強度が大きく、従って大負荷を受ける条件で使用する ことの出来る、一対のチェーンリンク部材から構成されたチェーンリンクを提供 することである。 （課題を解決するための手段） かくして、本発明によれば、第１の様相に於て、チェーンリンク部材にして、 別のチェーンリンク部材と協働して複合チェーンリンクを形成し、前記チェーン リンクが全体的にＣ字形状とされ且つ対向する一対の端部を具備し、一方の端部 が他方の端部の内側表面に対し実質的に相補する外側表面を具備しそれにより、 前記チェーンリンク部材を前記別のチェーンリンク部材に関し、前記チェーンリ ンク部材の前記一方の端部の外側表面を前記別のチェーンリンク部材の前記他方 の端部の内側表面に合致させた状態で位置付けることにより、これら２つのチェ ーンリンク部材が前記複合チェーンリンクを構成してなるチェーンリンク部材が 提供される。 前記対向する一対の端部は、湾曲した一対の舌部形状部分として構成し、少な くとも一方の舌部形状部分をその自由端部に向って薄くなるように傾斜させるこ とにより、一対のチェーンリンク部材を相互連結させた場合のこれら２つのチェ ーンリンク部材どうしの移行部分を比較的円滑なものとするのが好ましい。他方 の舌部形状部分もその自由端部に向って薄くなるように傾斜させることが好まし い。 これら舌部形状部分は主胴部材と好適に一体的に形成或は連結し、チェーンリ ンク部材がＣ字形状となるよう にする。主胴部材の外側表面に下方に向う段部を形成してこれを前記一方の端部 に隣り合う肩部とすることにより、前記別のチェーンリンク部材の相対する舌部 形状部分を受ける凹所を形成するのが好ましい。前記段部を形成することにより 、舌部形状部分の外側表面と主胴部材の外側表面との間の移行部分が円滑となる 。 チェーンリンク部材の一方の端部に、外側に伸延するラグ或は突起を設け、他 方の端部には前記ラグ或は突起を受けるようになっているスロット或は孔を設け 、一対のチェーンリンク部材を合致状態とする際の案内と、これら２つのチェー ンリンク部材を整合状態に保持する役とを提供せしめる。スロット或は孔は貫通 スロット或は貫通孔或はブラインドストッロ或はブラインド孔とすることが出来 る。ラグは、恒久的に変形させることによって一対のチェーンリンク部材を協働 形態に維持するような構成として良い。或はまた、ラグを孔に接着或はそうでな い場合には固着しても良い。ラグは比較的薄肉の平坦な要素として形成し、孔は このラグをぴったりと受容するべく相当する断面積を有するものとするのが好ま しい。チェーンリンク部材の全ての要素は、各主胴部材に隣接する一対の平行面 の内側の範囲に納まることから、チェーンリンク部材から側方に突出する部分は 無い。 かくして、本発明の更に別の様相に於て、先に説明した形式の一対のチェーン リンク部材を含む複合チェーンリンクであって、前記一対のチェーンリンク部材 が協働 し、一方のチェーンリンク部材の一方の端部が他方のチェーンリンク部材の相対 する端部の内部に合致状態で配列されてなる複合チェーンリンクが提供される。 本発明の更に別の様相に於て、相互連結し、分離可能な第１及び第２のチェー ンリンク部材を含んでなる複合チェーンリンクであって、各チェーンリンク部材 が実質的にＣ字形状を有し、主胴部と、この主胴部の各端部位置に於ける湾曲し た第１及び第２の舌部形状部分とを有し、前記第１の舌部形状部分が第２の舌部 形状部分の内側表面に対し相補する形状の外側表面を有し、前記第１及び第２の チェーンリンク部材の第１の舌部形状部分の外側表面が、相対するチェーンリン ク部材の第２の舌部形状部分と合致する状態に於て配列されてなる複合チェーン リンクが提供される。 各チェーンリンク部材は、一つの形状に於て、標準形式でのチェーンリンク形 状と類似する細長い楕円形状の複合チェーンリンクを構成する。しかしながら、 各チェーンリンク部材は、相互に任意の幾何学的形状の複合リンクを形成するべ く設計され得る。チェーンリンク部材はある用途に於て金属から形成される。し かしながらチェーンリンク部材をプラスチック或は金属の複合物から形成するこ とも出来る。 （図面の簡単な説明） 図１は本発明に従うチェーンリンクの斜視図である。 図２は図１のチェーンリンクの側面図である。 図３は図１のチェーンリンクの正面図である。 図４は図１のチェーンリンクの平面図である。 図５は図１を線３−３で切断した断面図である。 図６は複合チェーンリンクを構成するべく配向されてなる一対のチェーンリン ク部材の側面図である。 図７は相互に合致して複合チェーンリンクを形成した状態での側面図である。 図８は図７の複合チェーンリンクの斜視図である。 （実施例の簡単な説明） 図１から４を参照して説明するに、本発明に従うチェーンリンク部材１０が例 示され、このチェーンリンク部材１０が、湾曲した一端部１１と、この一端部１ １に相対する湾曲した多端部１２とを具備する全体にＣ字形状を有している。一 端部１１及び他端部１２は湾曲した舌部１３及び１４として夫々形成され、これ ら舌部１３、１４が主胴部１５と連結或は一体的に形成される。この具体例では 舌部１３と１４とはその断面に於て各自由端に向けて傾斜する。図示の如く、舌 部１３は舌部１４のそれ実質的に小さい平均半径を取り、従って一端部１１の位 置でのチェーンリンク部材１０の幅は他端部１２でのそれよりもやや小さくなっ ている。 舌部１３は湾曲形状の外側表面１６を具備する。この外側湾曲表面１６は、別 のチェーンリンク部材１０の舌部１４に於ける、この外側湾曲表面１６に対し相 補形状に凹んだ形状に湾曲する内側湾曲表面１７内に嵌合し且 つこの内側湾曲表面１７と合致するようになっている。この具体例での外側湾曲 表面１６はチェーンリンク部材１０の一方の側から他方の側に掛けての横断セク ションに於ては実質的に平坦でもある。舌部１４の内側湾曲表面１７も、相当す る平坦形状とされている。舌部１４の外側湾曲表面１７には更に、主胴部１５の 外側表面１９から肩部１８の位置にかけての、下方に向う段部が形成され、この 段部が舌部１４を受ける凹所を画定する。 他端部１２には舌部１４を貫いて長孔或は孔２０が形成され、一端部１１には 舌部１３から外側方向に伸延するラグ２１が、前記長孔或は孔２０と長手方向に 於て整列する状態で設けられる。ラグ２１は、以下に説明するように、別のチェ ーンリンク部材１０の長孔２０の内部に受容されるようになっている。ラグ２１ は、本具体例では平坦なタブ上の形態を有し、孔或は長孔２０はこのタブに相当 する断面を有している。しかしながらラグ２１を別の形状、例えば円筒状のペグ 形態を有し、孔が円筒状の穴として形成されてたものとすることも出来る。その 他多くの相補形状の突起／孔配列構成を使用し得る。 図３及び４から明らかなように、チェーンリンク部材の全ての構成要素がチェ ーンリンク部材１０の主胴部１５の各束武一に配設された一対の平行な平面（一 点鎖線で示す）の範囲内に含まれる。こうした配列構成により、チェーンリンク 部材を相互に連結させた場合、チェ ーンリンク部材のいかなる部分もこれら平面から外側に突出しないことが保証さ れる。これにより、本発明のチェーンリンク部材から構成される複合チェーンリ ンクを、標準形式のチェーンリンクを使用する任意の状況に於て、周囲の設備或 は装置を損壊させることなく使用することが出来る。 図７から８に示した形式の複合チェーンリンク２２を使用及び形成するに際し 、同一の一対のチェーンリンク部材１０及び１０７を図５に示す如き相対する関 係に配列し、チェーンリンク部材１０の一端部１１を他方のチェーンリンク部材 １０’の他端部１２’に隣り合って位置付けた状態或はその逆の状態とする。そ して各チェーンリンク部材１０及び１０’のラグ２１、２１’を、夫々チェーン リンク部材１０及び１０’の孔２０及び２０’と長手方向に於て実質的に整列さ せる。図６に示す位置から各チェーンリンク部材１０及び１０’を相互に向けて 移動し、各ラグ２１及び２１’を孔２０’及び２０に夫々挿通する。この移動を 、舌部１３の外側湾曲表面１６が図６に示すように舌部１４’の内側湾曲表面１ ７’と合致し、同様に、チェーンリンク部材１０及び１０’の舌部１３’の外側 湾曲表面１６’が舌部１４の内側湾曲表面１７と合致するまで継続する。これに より、各チェーンリンク１０及び１０’が、図６及び７に示す如く、標準形式の チェーンリンクと類似の構成のリンク組み合わせ体としての複合チェーンリンク ２２とな る。舌部１３、１３７、１４、１４’が傾斜していることと、外側湾曲表面１６ 及び１６’に下方に向う段部を設けたこととにより、２つのチェーンリンク部材 の完全な相互合致が保証されると共に、一方のチェーンリンク部材１０の舌部１ ３から他方のチェーンリンク部材１０’の主胴部１５の内側表面への移行部分が 比較的円滑なものとなる。同様に、各チェーンリンク部材１０、及び１０’の外 側の表面に於て、舌部１２及び１２’の夫々の表面１９及び１９’への移行部分 も比較的円滑なものとなる。 図７及び８から理解されるように、複合チェーンリンク２２の各端部位置に於 て、舌部１３と１４’、そして１３’と１４が相互に入れ子状態で重なり合って いる。この構成により、複合チェーンリンク２２がその長手方向に於て、類似形 態の従来の無端チェーンリンクが受けるであろう如き負荷に耐える高い強度を有 することが保証される。この、従来の無端チェーンリンクが受けるであろう如き 負荷に於ける方向での負荷は、合致する舌部をして、各チェーンリンク部材１０ 及び１０’の脱離を防止するべく付勢せしめもする。 各チェーンリンク部材１０及び１０７を、ラグ２１及び２１’を、組み合わせ 後に鍛造或はそうでない場合には変形することにより恒久的に連結することが出 来る。ラグ２１の鍛造或は変形は、孔２０及び２０’から突出するラグの端部を 拡大することによっても達成出来る。 或はまたプラスチック用途に於て、各チェーンリンク部材１０、１０’を接着材 で連結しても良い。例えば接着材を使用してラグ２１及び２１’を孔２０及び２ ０’内に接着させ、及び或は外側湾曲表面１６及び内側湾曲表面１７どうしを接 着する。 複合チェーンリンク２２には多くの用途がある。例えば、この複合チェーンリ ンクを、チェーンのリンクと代替し或はチェーンのリンクに連結して標準形式の チェーンリンクと類似形状のものとし、持上げ目的のためのブロックチェーン用 途やプーリーチェーン用途に於てプーリーを通過させることが出来る。複合チェ ーンリンク２２をその他の多くの用途、例えばスクラブプーリーチェーンを連結 し或はチェーン牽引その他、自動車或は船舶用途に於て使用することが出来る。 上記用途例に於て、チェーンリンク部材１０は金属製とし得るが、その他の用 途に対してはプラスチック製とすることが出来る。チェーンリンク部材１０のそ の他の用途には、宝飾製品に於けるチェーンリンク或は吊り下げカーテンがある 。 チェーンリンク部材は、先に説明した如く、全体的に湾曲した端部と、これら の湾曲した端部を構成する湾曲した舌部とを有する。しかしながらこれら端部を 、本発明の概念から離れることなく別の形状とすることが出来る。例えばこれら の端部を部分的に矩形の形状或は舌部を実質的に直線状とし、主胴部に直交する 状態で伸延す るようにしても良い。 以上本発明を具体例を参照して説明したが、本発明の内で多くの変更を成し得 ることを理解されたい。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ， ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 ヘイワード，バイダ メイ オーストラリア国 4703 クイーンズラン ド，イエプーン，ピー．オー．ボックス 732 （番地なし)

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．チェーンリンク部材にして、別のチェーンリンク部材と共に複合チェーン リンクを形成してなるチェーンリンク部材であって、全体的にＣ字形状であり、 相対する一対の端部を具備し、該一対の端部に於ける一方の端部の外側表面が他 方の端部の内側表面に対し実質的に相補する形状を有し、前記チェーンリンク部 材を前記別のチェーンリンク部材に対向する関係に於て位置付け、前記チェーン リンク部材の一対の端部に於ける一方の端部の外側表面を、他方のチェーンリン ク部材の一対の端部に於ける他方の端部の内側表面と合致させることにより前記 ２つのチェーンリンク部材が前記複合チェーンリンクを形成してなるチェーンリ ンク部材。 ２．チェーンリンク部材の一対の端部が湾曲した舌部として形成されてなる請 求の範囲１のチェーンリンク部材。 ３．チェーンリンク部材の一対の端部の一方の端部に於ける湾曲した舌部が、 他方の端部に於ける舌部のそれよりも小さい平均曲率を有しそれにより、チェー ンリンク部材の、前記一方の端部位置での幅が前記他方の端部位置での幅よりも 小さい請求の範囲２のチェーンリンク部材。 ４．舌部が主胴部を介して連結されることによりＣ字形状のチェーンリンク部 材を画定してなる請求の範囲３ のチェーンリンク部材。 ５．主同部に下方に向う段部を構成する肩部が形成され、該肩部がチェーンリ ンクの一対の端部に於ける一方の端部に隣り合う凹所にして、別のチェーンリン ク部材の一対の端部に於ける相対する端部に於ける舌部を受けるための凹所を画 定してなる請求の範囲４のチェーンリンク部材。 ６．チェーンリンク部材の一対の端部の一方の端部が外側に伸延するラグを含 み、他方の端部が、別のチェーンリンク部材のラグを受けるための、該ラグと相 補する形状を有する孔を含んでなる請求の範囲１のチェーンリンク部材。 ７．チェーンリンク部材が、該チェーンリンク部材の一対の端部に於ける一方 の端部が別のチェーンリンク部材の一対の端部に於ける他方の端部と合致してな る対向関係に於て配列されてなる請求の範囲１のチェーンリンク部材。 ８．相互に係合し分離可能な第１及び第２のチェーンリンク部材を含む複合チ ェーンリンクであって、 各チェーンリンク部材が実質的にＣ字形状を有し且つ主同部と、該主同部の各 端部位置に於ける湾曲形状の第１及び第２の舌部とを含み、該第１の舌部が第２ の内側表面に対する相補形状の外側表面を具備し、第１及び第２のチェーンリン ク部材が、一方のチェーンリンク部材の第１の舌部の外側表面が他方のチェーン リンク部材の 第２の舌部の内側表面と合致してなる対向関係に於て配列されてなる複合チェー ンリンク。 ９．各チェーンリンク部材が、各チェーンリンク部材を対向関係で整列させる べく協働し得る手段を含んでいる請求の範囲８の複合チェーンリンク。 １０．各チェーンリンク部材を対向関係で整列させるべく協働し得る手段が、 協働する突起及び長孔である請求の範囲９の複合チェーンリンク。